JP3879159B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は産業用および民生用などの各種電子機器に広く用いられている多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、ビデオ一体型カメラや携帯電話機などの普及に伴い、多層プリント配線板の需要はますます増加する傾向にある。主としてそれらの電子機器の小型・軽量・多機能化や使用する周波数域の高周波化に対するノイズ対策などの理由からであり、多層プリント配線板には配線板厚の薄形化、電気的特性を安定させるための層間隔、すなわち絶縁層厚み精度の向上による誘電率の安定化や配線密度を増加させるための高密度導体パターン間の絶縁特性の向上が要求され、多層プリント配線板の製造上においてはそれらの要求を実現する複数枚の内層材を加熱・加圧する積層工程は重要な工程となっている。
【0003】
以下に従来の多層プリント配線板における内層材、プリプレグ、銅はくとステンレス板を用いた積層方法について説明する。
【0004】
図2(a)〜(c)は従来の多層プリント配線板の積層工程を示すものである。図2において、11は銅はく、12はプリプレグ、13は内層材、14はステンレス板で、この内層材13は導体パターン13aを絶縁基板13bの両面に形成することにより構成されている。15は内部に導体パターンを有する多層銅張積層板であり、16は表面のステンレス板14の打こんによるへこみを示している。
【0005】
以上のように構成された多層プリント配線板の積層方法について、以下説明する。まず図2(a)に示すように、銅張積層板の銅表面にスクリーン印刷法や写真法などの手段を用いてエッチングレジストを形成し、塩化第2銅や塩化第2鉄の溶液によりエッチングを施した後、エッチングレジストをはく離し、内層用の導体パターン13aを形成して内層材13を得る。
【0006】
次に図2(b)に示すように、絶縁基板13b上に形成された導体パターン13aの表面を酸化処理した内層材13と、ガラス布にエポキシ樹脂などを含浸させ樹脂を半硬化状態にしたプリプレグ12と、最外層の導体パターンを形成するための銅はく11と、#320〜#400番手のバフ研磨を施したステンレス板14(新日本製鐵(株)製 SUS304HARD)とを重ね合わせる。次に、これを熱プレス機にセットし加熱・加圧して、内層材13とプリプレグ12と銅はく11を溶融、冷却、固化させ、図2(c)に示すように内部に導体パターン13aを有する多層銅張積層板15を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この多層プリント配線板の製造方法においては、加熱・加圧時にプリプレグ12の軟化に伴い、ステンレス板14の表面の凹凸がそのまま多層銅張積層板15の表面に転写される。このため表面粗さの悪いステンレス板14を用いると多層銅張積層板15の表面に打こんによるへこみ16を発生させ、積層後の外層導体パターンの形成に悪影響を及ぼす可能性を有している。この多層銅張積層板15のへこみ16の存在はエッチングレジストの密着性を低下させるため、エッチングレジストの浮きやはく離が起こり、エッチングレジスト下へのエッチング液の浸入による外層導体パターンの細りや断線を発生させる要因の一つになっていた。
【0008】
これを防止するため、多層銅張積層板15の表面を平滑なものとし、積層圧着時のへこみ16を防止することが要求されてきたが、従来ではステンレス板に#320〜#400番手のバフ研磨を施した後、さらに#600〜#800番手のバフ研磨を重ねて行うことも一般的な方法として考えられていた。しかしこの方法ではステンレス板14の表面粗さのばらつきが大きくさらに生産性を低下させる要因にもなっていた。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、多層導体パターンの細り・断線の防止を実現する多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、導体パターンを有する絶縁基板とプリプレグ、銅はく、ステンレス板とを重ね合わせ、加熱・加圧して積層する多層プリント配線板の製造方法において、高強度複相組織ステンレス鋼製で最大表面粗さ1.0μm以下に研磨したステンレス板を用いて積層することを特徴とするものであり、これにより多層銅張積層板の表面を平滑で打こんによるへこみのないものとすることが可能となり、外層導体パターンの細り・断線を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、導体パターンを有する絶縁基板とプリプレグ、銅はく、ステンレス板とを重ね合わせ、加熱・加圧して積層する多層プリント配線板の製造方法において、フェライト相とマルテンサイト相の複合組成を有する複相組織ステンレス鋼製で最大表面粗さ1.0μm以下に研磨したステンレス板を用いて積層することを特徴とするものであり、加工性の優れた高強度複相組織ステンレス鋼を用いることにより容易な研磨方法で最大表面粗さを1.0μm以下に仕上げることが可能となり、そのステンレス板を用いて積層することにより、多層銅張積層板の表面を平滑で打こんによるへこみのない状態とすることができるという作用を有する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、#320〜#400番手のバフブラシを用いて研磨したステンレス板を用いる多層プリント配線板の製造方法としたものであり、ステンレス板を1回の研磨で最大表面粗さを1.0μm以下に仕上げることができかつ最もバフブラシの寿命を長く保つことのできる研磨条件を提供することができるという作用を有する。
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(c)は本発明の一実施の形態における多層プリント配線板の製造方法を示す断面図である。図1において1は銅はく、2はプリプレグ、3は内層材、4はステンレス板である。この内層材3は内層用の導体パターン3aを内層用の絶縁基板3bの両面に形成することにより構成されている。5は積層後の多層銅張積層板である。
【0014】
以上のように構成された多層プリント配線板の積層方法について説明する。
まず、ガラス布基材エポキシ樹脂積層板を絶縁基板とする銅張積層板の銅表面にスクリーン印刷法や写真法などの従来の方法を用いてエッチングした後、エッチングレジストをはく離し、内層用の絶縁基板3b上に内層用の導体パターン3aを形成する。次に図1(a)に示すように、形成された内層用の導体パターン3aの表面を酸化処理し、その後図1(b)に示すように、内層材3とガラス布にエポキシ樹脂を含浸させ樹脂部分を半硬化状態にしたプリプレグ2と、外層の導体パターンを形成するための銅はく1と、ステンレス板4とを重ね合わせる。
【0015】
このとき使用するステンレス板4はフェライト相とマルテンサイト相の複合組成を有する高強度複相組織ステンレス鋼製(日新製鋼(株)製 NSS431DP-2)に#320〜#400番手のバフ研磨を施したステンレス板4を用いた。この高強度複相組織ステンレス鋼製のステンレス板4は、従来のステンレス板(新日本製鐵(株)製 SUS301HARD)に比べ加工性に優れるため、従来のステンレス板では困難であった最大表面粗さ1.0μmが容易に達成された。
【0016】
従来の通常のSUS製のステンレス板を上記と同じように#320〜#400番手のバフ研磨を施した場合の最大表面粗さは1.08μmであったのに対し、本発明で用いたステンレス板4では、最大表面粗さが0.75μmとなり、表面粗さを良好なものにすることができた。また、本発明のステンレス板の研磨においては、#320〜#400番手のバフブラシを用いたが、#600番手のバフブラシを用いても最大表面粗さを1.0μm以下に仕上げることも可能であるが、種々検討の結果、上記の#320〜#400番手のバフブラシを用いることがバフブラシの寿命を最も長く保つことが確認された。
【0017】
次に図1(c)に示すように、熱プレス機により加熱・加圧して所定の時間保持し、内層材3とプリプレグ2と銅はく1を溶融、冷却、固化して内部に導体パターン3aを有する多層銅張積層板5を得る。その後、穴加工、パターンおよびソルダレジスト等の工程を経て多層プリント配線板を完成する。
【0018】
本実施の形態による多層プリント配線板と従来の製造方法で得られた多層プリント配線板を比較すると、従来ではプリント配線板の生産単位面積(100×100cm)当たりの打こんによるへこみの発生個数は数個であったが、本実施の形態では打こんによるへこみの発生は認められず、積層時の打こんによるへこみを要因とする外層導体パターンの細り・断線を解消することが確認された。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明は、導体パターンを有する絶縁基板とプリプレグ、銅はく、ステンレス板とを重ね合わせ加熱・加圧して積層する際に、最大表面粗さが1.0μm以下の高強度複相ステンレス鋼をステンレス板として用いることにより、打こんによるへこみの発生を容易に防止でき、多層導体パターンの細り・断線を防ぐことができさらに生産性の優れた多層プリント配線板を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)本発明の一実施の形態における多層プリント配線板の製造方法を示す断面図
【図2】(a)〜(c)従来の多層プリント配線板の製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1 銅はく
2 プリプレグ
3 内層材
3a 導体パターン
3b 絶縁基板
4 ステンレス板
5 多層銅張積層板
Claims (2)
- 導体パターンを有する絶縁基板とプリプレグ、銅はく、ステンレス板とを重ね合わせ、加熱・加圧して積層する多層プリント配線板の製造方法において、フェライト相とマルテンサイト相の複合組成を有する複相組織ステンレス鋼製で最大表面粗さ1.0μm以下に研磨したステンレス板を用いて積層する多層プリント配線板の製造方法。
- #320〜#400番手のバフブラシを用いて研磨したステンレス板を用いる請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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1997
- 1997-01-09 JP JP202397A patent/JP3879159B2/ja not_active Expired - Fee Related
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