JP2023155032A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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【課題】配線基板の信頼性向上。【解決手段】実施形態の配線基板の製造方法は、第1面1ca及び第2面1cbを有する絶縁基板1cを用意することと、第1面ca及び第2面1cbをそれぞれ樹脂で覆う第1被覆層1a及び第2被覆層1bを形成することと、絶縁基板1c、並びに、第1及び第2被覆層1a、1bを貫く貫通孔16aを形成することと、貫通孔16aの内壁面上、並びに第1及び第2被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1d上に連続的に第1金属膜12を形成することと、貫通孔16aの内部を樹脂で充填することと、外側表面1d上の第1金属膜12からなる金属層を除去することと、第1及び第2被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dの上に第2金属膜13を形成することと、を含んでいる。【選択図】図2M

Description

本発明は、配線基板の製造方法に関する。
特許文献1には、めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造方法が開示されている。特許文献1に開示の方法では、基板に穴開けが行われ、開けられた穴内及び基板の表面上に、無電解めっき及び電解めっきによってスルーホールめっき層が形成される。基板の表面上のスルーホールめっき層上に、さらにフタめっき層が形成される。基板の表面上のスルーホールめっき層及びフタめっき層からなる、プリント配線板の表面の銅層が形成される。
特開2003-163452号公報
特許文献1に開示のプリント配線板の製造方法では、スルーホールめっき層の厚さに応じて基板の表面の銅層の厚さにばらつきが生じ得る。電解めっきなどによって形成されるスルーホールめっき層の厚さは、例えば電解めっき時の電界集中などの種々の要因でばらつくことがある。銅層の厚さがばらつくと、そのばらつきに応じて銅層の表面に生じる起伏によって、銅層に接続される電子部品の実装信頼性が低下することがある。また、表面に起伏を有する銅層上に、さらに絶縁層や導体層を積層して多層配線基板が製造される場合、これら各層間の界面剥離などが生じ易く、多層配線基板の信頼性が低下することがある。
本発明の配線基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有する絶縁基板を用意することと、前記第1面を樹脂で覆う第1被覆層を形成することと、前記第2面を樹脂で覆う第2被覆層を形成することと、前記絶縁基板、前記第1被覆層、及び前記第2被覆層を貫く貫通孔を形成することと、前記貫通孔の内壁面上、並びに前記第1被覆層及び前記第2被覆層それぞれにおける前記絶縁基板と反対側の表面である外側表面上に、連続的に第1金属膜を形成することと、前記貫通孔の内部を樹脂で充填することと、前記第1金属膜における前記外側表面上の部分からなる金属層を除去することと、前記第1被覆層及び前記第2被覆層それぞれの前記外側表面の上に第2金属膜を形成することと、を含んでいる。
本発明の実施形態によれば、導体層を構成する金属膜の厚さのばらつきによる導体層の表面の起伏を小さくすることができる。そのため、その導体層を含む配線基板の信頼性の低下や、実装部品と配線基板との接続信頼性の低下を防止できることがある。
本発明の一実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す平面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す平面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の変形例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の変形例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の変形例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の変形例を示す断面図。
一実施形態の配線基板の製造方法が図面を参照しながら説明される。図1は、一実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板の一例である配線基板100を示す断面図である。本実施形態の理解を容易にするために、先ず配線基板100の構造が概説される。なお、配線基板100は本実施形態の配線基板の製造方法(以下、単に「本実施形態の方法」とも称される)によって製造される配線基板の一例に過ぎない。本実施形態の方法によって製造される配線基板の積層構造、並びに、導体層及び絶縁層それぞれの数は、図1の配線基板100の積層構造、並びに配線基板100に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数に限定されない。また、以下の説明で参照される各図面では、開示される実施形態が理解され易いように特定の部分が拡大して描かれていることがあり、大きさや長さについて各構成要素がそれぞれの間の正確な比率で描かれていない場合がある。
図1に示されるように、配線基板100は、コア基板1と、コア基板1の両面それぞれの上に積層されているビルドアップ層2と、各ビルドアップ層2の上に形成されているソルダーレジスト3とを含んでいる。コア基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の第1面10a及びその反対面である第2面10bそれぞれの上に形成されている導体層11とを含んでいる。絶縁層10は、第1面1ca及び第1面1caの反対面である第2面1cbを有するコア層1cと、コア層1cの第1面1ca上に形成されている被覆層1a(第1被覆層)と、コア層1cの第2面1cb上に形成されている被覆層1b(第2被覆層)とを含んでいる。被覆層1a及び被覆層1bは、いずれも絶縁性の樹脂を用いて形成されている。コア層1cの第1面1caは被覆層1aに覆われており、第2面1cbは被覆層1bに覆われている。図1の配線基板100では、コア層1cは、例えばガラス繊維やアラミド不織布などで形成される芯材(補強材)1ccを含んでいる。一方、被覆層1a及び被覆層1bは、いずれも、芯材1ccのような、被覆層1a又は被覆層1bの剛性を高める補強材を含んでいない。
導体層11は、多層構造を有しており、絶縁層10側から順に積層されている下層金属膜131及び上層金属膜132を含む金属膜13(第2金属膜)を含んでいる。絶縁層10には、その両面の導体層11同士を接続するスルーホール導体16が形成されている。スルーホール導体16の内部は、エポキシ樹脂などを含む充填体17によって充填されている。スルーホール導体16は、コア層1c、並びに被覆層1a及び被覆層1bを貫く貫通孔16aの内壁上に形成されている下層導体膜161と、下層導体膜161上に形成されている上層導体膜162とによって構成されている。
コア基板1の両面それぞれの上に形成されている各ビルドアップ層2は、コア基板1側から順に積層されている絶縁層2a、導体層21、絶縁層2b、及び導体層22を含むと共に、各絶縁層を貫くビア導体23を含んでいる。絶縁層2aを貫くビア導体23は導体層11と導体層21とを接続し、絶縁層2bを貫くビア導体23は導体層21と導体層22とを接続している。各ビア導体23は、導体層21又は導体層22と一体的に形成されている。導体層21、22、及びビア導体23は、銅やニッケルなどの適切な導電性を有する材料で形成されている。絶縁層2a、2bは、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、フェノール樹脂、フッ素樹脂、及び液晶ポリマー(LCP)のような、適切な絶縁性を有する熱硬化性又は熱可塑性の樹脂を用いて形成されている。
ソルダーレジスト3は、導体層22が有する導体パッドを露出させる開口3aを有している。ソルダーレジスト3は、例えば感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などで形成されている。
次に、図1の配線基板100が製造される場合を例に、図1を引き続き参照すると共に図2A~図2Nを参照して、本実施形態の配線基板の製造方法が説明される。
図2A及び図2Bに示されるように、本実施形態の方法は、その厚さ方向と直交する2つの主面(第1面1ca及び第1面1caの反対面である第2面1cb)を有する絶縁基板1cを用意することを含んでいる。
図2Aの例では、まず、出発基板6が用意されている。出発基板6は、絶縁基板1cと金属箔61とを含んでいる。金属箔61は、絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbそれぞれの上に接合されている。例えば、銅からなる金属箔61を備える両面銅張積層板が、出発基板6として用意される。しかし金属箔61は、銅に限らず、例えばニッケルなどの適切な導電性を有する任意の金属からなり得る。また、絶縁基板1c単体が、金属箔61を備えない出発基板6として用意されてもよい。
適切な絶縁性を有する任意の材料で形成されている絶縁基板1cが用意され得る。絶縁基板1cの材料としては、エポキシ樹脂、BT樹脂、又はフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が例示されるが、絶縁基板1cの材料はこれらに限定されない。図2Aの例において絶縁基板1cは、芯材(補強材)1ccを含んでいる。すなわち、本実施形態の方法では、エポキシ樹脂などの樹脂を含むと共に芯材1ccを含んでいる樹脂基板が、絶縁基板1cとして用意されてもよい。絶縁基板1cが芯材1ccを含んでいると、製造される配線基板100の剛性が高まり、反りなどの変形が生じ難くなることがある。芯材1ccは、例えばガラス繊維、アラミド繊維、アラミド不織布などが例示されるが、芯材1ccの材料はこれらに限定されない。絶縁基板1cは、さらに、二酸化ケイ素やアルミナなどの粒体からなるフィラー(図示せず)を含んでいてもよい。
用意される絶縁基板1cは任意の厚さを有し得る。例えば、絶縁基板1cとして、0.8mm以上、2.5mm以下の厚さを有する絶縁基板が用意されてもよい。絶縁基板1cは、製造される配線基板100のコア層1c(図1参照)を構成する。
本実施形態の方法の説明では、絶縁基板1cの厚さ方向(すなわち配線基板100の厚さ方向)において絶縁基板1cから遠い側は、「外側」、「上側」若しくは「上方」、又は単に「上」とも称される。一方、絶縁基板1cに近い側は、「内側」、「下側」若しくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各導体層に含まれる導体パターン、並びに各絶縁層において、絶縁基板1cと反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁基板1c側を向く表面は「下面」とも称される。
図2A及び図2Bに示されるように、出発基板6から金属箔61が除去される。図2Bの例では、絶縁基板1cの両面から、金属箔61全体が除去されている。金属箔61は、ウェットエッチングや機械的研磨などの任意の方法で除去され得る。図2Bに示されるように、絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbがそれぞれ露出して単体の絶縁基板1cが用意される。このように、本実施形態の方法において絶縁基板1cを用意することは、金属箔61を絶縁基板1cの両面から除去することを含み得る。
図2Cに示されるように、絶縁基板1cの第1面1caを覆う被覆層(第1被覆層)1aが形成され、第2面1cbを覆う被覆層(第2被覆層)1bが形成される。被覆層1a及び被覆層1bは、いずれも、主に樹脂によって構成されている。すなわち、被覆層1a、1bは、それぞれ、絶縁基板1cの第1面1ca、第2面1cbを樹脂で覆っている。被覆層1a、1bを構成する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、BT樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、及びLCPのような、適切な絶縁性を有する熱硬化性又は熱可塑性の樹脂が例示される。被覆層1a、1bは、絶縁基板1cに含まれる樹脂と同じ樹脂で形成されてもよい。被覆層1a、1bは、さらに、二酸化ケイ素やアルミナなどの粒体からなるフィラー(図示せず)を含んでいてもよい。
図2Cに示されるように、被覆層1a及び被覆層1bは、シート状に成形された樹脂シート(第1樹脂シート)1abを絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbそれぞれの全面に積層することによって形成され得る。前述したエポキシ樹脂などの各被覆層を構成する適切な樹脂を含む樹脂シート1abが積層される。樹脂シート1abを加熱及び加圧することによって、樹脂シート1abが絶縁基板1cに熱圧着され、その結果、被覆層1a及び被覆層1bが形成される。
樹脂シート1abは、後述される樹脂シート5a(第2樹脂シート、図2H参照)を構成する樹脂と略同じ熱膨張率を有する樹脂を含み得る。その場合、樹脂シート1abによって形成される被覆層1a、1bが、樹脂シート5aを用いて形成される充填体17(図2I参照)の熱膨張率と略同じか近い熱膨張率を有し得る。そのため、充填体17と被覆層1a、1bとの熱膨張率の違いによる応力の発生が防止又は軽減されると考えられる。このように、被覆層1a及び被覆層1bを形成することは、図2Hに示される樹脂シート5aを構成する樹脂と略同じ熱膨張率を有する樹脂を含む樹脂シート1abを絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbそれぞれの上に積層することを含み得る。
好ましくは、被覆層1a、1bを構成する樹脂が含侵される芯材、例えば絶縁基板1cが含む芯材1ccのような芯材を含んでいない樹脂シート1abが用いられ、芯材1ccを含まない被覆層1a、1bが形成される。芯材1ccのような芯材を含まない被覆層1a、1bは、後述される導体層11の形成(図2L参照)において微細な導体パターンの形成に関して有利なことがある。このように、被覆層1及び被覆層1bは、芯材を含まない樹脂シート1abを絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbそれぞれの上に積層することによって形成され得る。なお被覆層1a及び被覆層1bは、樹脂シート1abの積層以外の任意の方法で形成されてもよい。例えば、被覆層1a及び被覆層1bは、エポキシ樹脂などの適切な樹脂の印刷や塗布によって形成されてもよい。被覆層1a及び被覆層1bの形成後、その表面が、必要に応じて、例えば薬液(アルカリ性過マンガン酸塩を含む溶液)などによって粗化されてもよい。
図2D及び図2Eに示されるように、絶縁基板1c、被覆層1a、及び被覆層1bを貫く貫通孔16aが形成される。図2Eは、図2Dに示される被覆層1aの上面を示す平面図である。図2EのIID-IID線での絶縁基板1c及び各被覆層の断面図が図2Dに相当する。図2D及び図2Eの例では複数の貫通孔16aが形成されている。貫通孔16aは、例えば、ドリル加工や、炭酸ガスレーザーなどのレーザー光が照射されるレーザー加工のような任意の方法で形成され得る。
貫通孔16aは、後工程で形成されるスルーホール導体16(図2F参照)の形成位置に形成される。貫通孔16aは、例えば、製造される配線基板100に求められる電気的特性などに応じた任意の内径を有するように形成される。例えば、貫通孔16aとして、100μm以上、250μm以下の内径を有する貫通孔が形成されてもよい。便宜上「内径」という用語が用いられているが、本実施形態の方法において形成される貫通孔16aのような貫通孔の平面形状は、円形や楕円形に限定されず、任意の平面形状であり得る。なお、本実施形態の方法の説明において、「平面形状」は平面視において看取される各対象物の形状であり、「平面視」は配線基板100(図1参照)や絶縁基板1cの厚さ方向に沿う視線で各対象物を見ることを意味している。
図2Eに明示されるように、図2D及び図2Eの例では、複数の貫通孔16aは、平面視において絶縁基板1cに一様に形成されていない。絶縁基板1cは、貫通孔16aの配置密度の高い領域と低い領域とを有する。具体的には、二点鎖線で囲まれた領域A(高密度領域)には、領域A以外の領域(非高密度領域)よりも高い密度で貫通孔16aが形成されている。例えば、領域Aには、6~25個/mm2の密度で貫通孔16aが形成される。また領域A以外の非高密度領域には、例えば、0~5個/mm2の密度で貫通孔16aが形成される。非高密度領域の中でも特に疎らに貫通孔16aが形成される領域(低密度領域)には、0~3個/mm2の密度で貫通孔16aが形成されてもよい。
貫通孔16aの形成後、好ましくは、貫通孔16a内の樹脂残渣(スミア)が、例えばアルカリ性過マンガン酸塩を含む溶液を用いるデスミア処理によって除去される。このデスミア処理によって、先に形成されている被覆層1a及び被覆層1bの表面が粗化されてもよい。
図2Fに示されるように、本実施形態の方法は、さらに、金属膜(第1金属膜)12を形成することを含んでいる。金属膜12は、貫通孔16aの内壁面上、並びに、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれにおける絶縁基板1cと反対側の表面である外側表面1d上に形成される。図2Fの例では、下層金属膜(第1下層金属膜)121と上層金属膜(第1上層金属膜)122とを形成することによって、これら2つの金属膜で構成される2層構造の金属膜12が形成される。下層金属膜121及び上層金属膜122は、いずれも、被覆層1a上の部分と被覆層1b上の部分と各貫通孔16aの内部の部分とが一体となるように形成される。すなわち、金属膜12は、貫通孔16aの内壁面上から被覆層1a及び被覆層1bそれぞれの外側表面1d上まで連続的に形成される。下層金属膜121及び上層金属膜122の形成に用いられる金属としては、銅やニッケルなどが例示される。しかし金属膜12は、銅及びニッケル以外の適切な導電性を有する任意の金属で形成されてもよい。
図2Fに示されるように、まず下層金属膜121が、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれの外側表面1dの全面、並びに各貫通孔16aの内壁面の全面に形成される。下層金属膜121は、例えばパネルめっきによる無電解めっきやスパッタリングなどによって形成される。下層金属膜121は、エポキシ樹脂などの絶縁体上に金属膜の形成が可能な任意の方法で形成され得る。
下層金属膜121上に上層金属膜122が形成される。上層金属膜122は、例えば、下層金属膜121を給電層として用いる電解めっきによって、下層金属膜121の露出面の全面に形成される。すなわち図2Fの例ではパネルめっきによって上層金属膜122が形成されている。その結果、下層金属膜121及び上層金属膜122を含む金属膜12が形成される。このように本実施形態の方法では、金属膜12がパネルめっきによって形成されてもよい。また、本実施形態の方法において金属膜12を形成することは、金属膜12の形成領域全体にわたる電解めっき膜を形成することを含み得る。パネルめっきで電解めっきを行うことによって、簡便な方法且つ短い時間で、金属膜12を形成することができる。
貫通孔16a内には、下層金属膜121及び上層金属膜122(すなわち金属膜12)からなるスルーホール導体16が形成される。金属膜12の形成後、その表面が、必要に応じて、例えば薬液による酸化処理(所謂黒化処理)などによって粗化されてもよい。
金属膜12の形成では、種々の要因によって金属膜12が一様の厚さで形成されずに、被めっき表面(例えば各被覆層の外側表面1d及び貫通孔16aの内壁面)の面内で金属膜12の厚さにばらつきが生じることがある。例えば、各被覆層を備えた絶縁基板1cがめっき液に浸漬される無電解めっきや電解めっきによって金属膜12が形成される場合は、めっき液の不均一な流動によってめっき膜の成長速度にばらつきが生じ、その結果金属膜12の厚さがばらつくことがある。
また、金属膜12、例えばその上層金属膜122が、前述したように電解めっきで形成される場合、被めっき表面内での局部的な電解集中によって、上層金属膜122の厚さにばらつきが生じることがある。上層金属膜122は、前述したように、各被覆層の外側表面1dの上から各貫通孔16aの内部まで連続的に形成される。そのため、例えば、貫通孔16aの配置密度の違いによって、上層金属膜122が形成される電解めっきにおいて局部的な電界集中が生じ得る。すなわち、貫通孔16aの配置密度の低い領域では、配置密度の高い領域と比べて貫通孔16aの数が少ない分だけ被めっき表面の面積が小さい。故に電界が集中し易いため、相対的に厚いめっき膜が形成され易い。一方、貫通孔16aの配置密度の高い領域には、相対的に薄いめっき膜が形成され易い。上層金属膜122などで構成される金属膜12においてその厚さにばらつきが生じると、金属膜12における被覆層1a、1bと反対側の表面12aに厚さの違いに応じた起伏が生じ得る。
図2Fの例においても、図2F及び図2Gに示されるように、貫通孔16aの配置密度が他の領域よりも高い領域Aには、周囲の領域よりも絶縁基板1c側に窪んだ凹部4が形成されている。なお図2Gは、図2Fに示される被覆層1a側の上層金属膜122の上面を示す平面図である。図2GのIIF-IIF線での絶縁基板1cの断面図が図2Fに相当する。図2F及び図2Gの例の凹部4は、平面視で複数の貫通孔16aと重なるように、複数の貫通孔16aを跨いで形成されている。
図2Fに示されるような表面に起伏を有する金属膜からなる導体層を含む配線基板が製造されると、前述したように、その起伏が、製造される配線基板内の界面剥離による信頼性の低下や、配線基板に接続される部品の実装信頼性の低下をもたらすことがある。しかし、本実施形態の方法によれば、以下に説明されるように、金属膜12が後工程で除去されて、別途形成される金属膜(第2金属膜)からなる導体層11(図2L参照)が形成される。そのため、製造される配線基板自身の信頼性や実装信頼性の低下が防止されると考えられる。
図2H及び図2Iに示されるように、貫通孔16aの内部が樹脂で充填される。図2H及び図2Iに示される例では、図2Hに示されるように、金属膜12の表面12a上に、シート状に成形された樹脂からなる樹脂シート5a(第2樹脂シート)を積層することによって貫通孔16aが充填されている。すなわち、金属膜12のうちの被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1d上の部分からなる金属層12b上に、樹脂シート5aが積層される。積層された樹脂シート5aは、過熱及び加圧されることによって軟化すると共に金属膜12と接着する。また、その軟化によって、樹脂シート5aを構成する樹脂が貫通孔16a内に流入する。加熱及び加圧して樹脂シート5aを積層する方法としては、ラミネート法やプレス法がある。これら方法で片面ずつ、あるいは両面同時に樹脂シート5aが積層される。より好ましくは、ボイドなどの発生を抑制し、密着性を高める真空ラミネートや真空プレスなどの方法が用いられる。
図2Iに示されるように、流入した樹脂で貫通孔16aが充填される。流入した樹脂は貫通孔16a内で充填体17を形成する。金属層12b及び貫通孔16aの上には、積層された樹脂シート5aが固化することによって樹脂層5が形成される。このように、本実施形態の方法において貫通孔16aの内部を充填することは、金属膜12の一部からなる金属層12bの上に樹脂シート5aを積層することと、樹脂シート5aを加熱及び加圧することと、を含み得る。
樹脂シート5aは、例えばエポキシ樹脂やBT樹脂などの熱硬化性樹脂、又はフッ素樹脂やLCPなどの熱可塑性樹脂などの任意の絶縁性樹脂を含み得る。樹脂シート5aは、二酸化ケイ素やアルミナなどの無機フィラー(図示せず)を含んでいてもよい。充填体17は、樹脂シート5aを形成する材料で構成される。そのため樹脂シート5aは、絶縁基板1cを構成する樹脂と同じ樹脂で形成されていてもよい。しかし、後工程で行われる加工の容易性の面で、絶縁基板1cに含まれる補強材1ccのような補強材を含まない樹脂シート5aが好ましいことがある。前述したように、樹脂シート5aは、樹脂シート1ab(図2C参照)を構成する樹脂と略同じか近い熱膨張率を有する樹脂を含んでいてもよい。より一般的には、半硬化性の樹脂をシート状に加工して、絶縁性、及び硬化樹脂や金属などへの接着性を高めた熱圧着シート(ボンディングシート)の使用が好ましい。このような熱圧着シートは、フレキシブル基板やリジッド基板の接続用途として様々な物性の品種が市販されているので、容易に入手可能である。
なお、本実施形態の方法において樹脂シート5aは絶縁性を有していなくてもよく、例えば、樹脂シート5aが銀などからなる導電性粒子を含む導電性樹脂によって構成されていてもよい。また、貫通孔16aは、樹脂シート5aの積層以外の任意の方法で充填されてもよい。例えば、貫通孔16aは、エポキシ樹脂などの適切な樹脂の印刷や塗布によって形成されてもよい。
図2Iにおいて金属層12bの上に形成されている樹脂層5が、図2Jに示されるように除去される。このように本実施形態の方法は、さらに、貫通孔16aの内部の充填後に、金属層12bの上、及び貫通孔16aの上(すなわち充填体17の上)に形成されている樹脂層5を除去することを含み得る。樹脂層5の除去によって金属膜12の表面12aが露出する。
樹脂層5は、樹脂層5を消滅させることが可能な、例えば研磨などの任意の方法で除去され得る。例えば、ベルトサンダによるサンディングやバフ研磨などの機械的研磨が行われてもよく、反応性のプラズマガスを用いるドライエッチングや、湿式エッチングによる化学的研磨が行われてもよく、機械的研磨と化学的研磨とを組み合わせた化学機械研磨(CMP)が行われてもよい。また、比較的粗く多くの量を研磨する1次研磨として機械的研磨が行なわれ、その後に微細な凹凸を消滅させる2次研磨(仕上げ研磨)として、化学的研磨やCMPが行われてもよい。なお、樹脂層5の除去によってその表面12aが露出する金属層12bは、以下に説明されるように除去されるので、機械的研磨による1次研磨だけが行われ、仕上げ研磨が省略されてもよい。
本実施形態の方法は、さらに、金属層12bを、図2Kに示されるように除去することを含んでいる。すなわち、金属膜12における被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1d上の部分が除去される。金属層12bの除去によって、被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dが露出する。金属層12bは、任意の方法で除去され得る。例えば、機械的又は化学的研磨によって金属層12bが除去されてもよく、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、過酸化水素-硫酸系溶液、又はアルカリ性溶液に金属層12bを晒すウェットエッチングによって金属層12bが除去されてもよい。金属層12bの除去がエッチングで行われる場合、その除去によって被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dから突出する充填体17の突出部が、充填体17の端面が外側表面1dと面一になるように、機械的研磨やCMPなどで除去されてもよい。
金属層12bの除去によって、図2Kに示されるような、絶縁基板1cと、その両側の被覆層1a、1bと、スルーホール導体16と、を含む絶縁層10が用意される。図2A~図2Kを参照して説明されたように、絶縁層10を用意することは、絶縁基板1cを用意することと、被覆層1a、1bを形成することと、貫通孔16aを形成することと、金属膜12(図2J参照)を形成することと、貫通孔16aの内部を樹脂で充填することと、金属層12b(図2J参照)を除去することと、を含んでいる。
金属層12bの除去後、被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dが粗化されてもよい。すなわち、本実施形態の方法は、さらに、金属層12bの除去によって露出する被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dを粗化することを含み得る。例えば、アルカリ性過マンガン酸溶液などの処理液に外側表面1dを晒すことによって外側表面1dが粗化される。しかし、外側表面1dを粗化する方法は、このような方法に限定されず、外側表面1dの粗化には、任意の方法が用いられ得る。被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1dを粗化することによって、各被覆層上に形成される導体層11(図2L参照)と各被覆層との密着性が、所謂アンカー効果によって向上することがある。
図2L及び図2Mに示されるように、本実施形態の方法は、さらに、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれの外側表面1dの上に金属膜(第2金属膜)13を形成することを含んでいる。すなわち、金属膜13を含む導体層11が形成される。図2Lに示される例では、セミアディティブ法によって金属膜13からなる導体層11が形成されている。金属膜13は、例えば銅やニッケルなどの適切な導電性を有する任意の金属を用いて形成される。図2Lの金属膜13は、下層金属膜131(第2下層金属膜)と下層金属膜131上に形成されている上層金属膜132(第2上層金属膜)とを含んでいる。
図2Lに示されるように、まず、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれの外側表面1dの全面に、下層金属膜131が形成される。下層金属膜131は、例えば無電解めっきやスパッタリングなどの金属膜の任意の形成方法によって形成される。すなわち、下層金属膜131として、無電解めっき膜が形成されてもよく、スパッタリング膜が形成されてもよい。
形成された下層金属膜131の上に、導体層11が有するべき導体パターンの形成位置に開口R1を有するめっきレジストRが設けられる。めっきレジストRは、例えば、感光性を有するドライフィルムレジストの積層やレジスト液の塗布などによって設けられる。そして開口R1に対応する開口を有する露光マスク(図示せず)を通した露光、及び現像によって開口R1が形成される。
下層金属膜131上の開口R1内に、下層金属膜131を給電層として用いる電解めっきによって上層金属膜132が形成される。その結果、下層金属膜131と、電解めっき膜からなる上層金属膜132とで構成される2層構造を有する金属膜13が形成される。このように本実施形態の方法において金属膜13を形成することは、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれの外側表面1dの上に無電解めっき膜(下層金属膜131)を形成することと、その無電解めっき膜上にパターンめっきによって電解めっき膜(上層金属膜132)を形成することと、を含み得る。上層金属膜132の形成後、めっきレジストRが適切な溶剤を用いて除去される。そして、下層金属膜131のうちのめっきレジストRの除去によって露出する部分が例えばクイックエッチングなどによって除去される。
図2Mに示されるように、金属膜13からなり、所望の導体パターンを有する導体層11が得られる。図1の配線基板100のコア基板1が完成する。図2Mに例示の導体層11の導体パターンは、スルーホール導体16のスルーホールパッドである。すなわち、金属膜13は、貫通孔16a内でスルーホール導体16を構成する金属膜12と平面視で重なるように形成されていて絶縁基板1cの第1面1ca側及び第2面1cb側それぞれにおいて貫通孔16a内の金属膜12の端面と接している。また、金属膜13は、第1面1ca側及び第2面1cb側それぞれにおいて、貫通孔16aの内部を樹脂で充填する充填体17を覆っている。このように金属膜13は、絶縁基板1cの両側それぞれにおいて、金属膜12の端面と接するように、且つ、貫通孔16aの内部を充填する樹脂を被覆するように、形成されてもよい。そのように金属膜13を形成することによって、絶縁層10の両面の導体層11同士が、貫通孔16a内の金属膜12、すなわちスルーホール導体16を介して電気的に接続され得る。
本実施形態の方法では、貫通孔16a内から被覆層1a、1b上まで一体的に形成されるためその表面に凹部4(図2F参照)を有しやすい金属膜12は、被覆層1a、1bの外側表面1dから除去される。そして、金属膜12の除去後の外側表面1d上に金属膜13が形成され、金属膜13からなる導体層11が形成される。貫通孔16aは、金属膜13の形成の前に充填体17で充填されている。そのため、凹凸の少ない平坦な表面を有する金属膜13、すなわち平坦な表面を有する導体層11を形成することができる。従って、製造される配線基板内の界面剥離による信頼性の低下や、配線基板に接続される部品の実装信頼性の低下を防止できることがある。
また、本実施形態の方法では、導体層11を構成する金属膜13は、絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbの上に形成されるのではなく、被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1d上に形成される。そのため、製造される配線基板100に求められる剛性を確保すべく絶縁基板1cが芯材1ccを含んでいる場合でも、芯材を含まない被覆層1a、1bを形成することによって、微細なピッチで並ぶ導体パターンを含む導体層11を形成し得ることがある。例えば前述したセミアディティブ法やフルアディティブ法を用いて適切に微細な導体パターンを含む導体層11を形成できることがある。すなわち、芯材1ccのような芯材を含む樹脂層や樹脂基板上には、芯材を含むことによる局所的なうねりが表面に存在するため、微細な配線を形成するセミアディティブ法やフルアディティブ法を適用し難いことがあり、また、下地との良好な密着性を有する無電解めっき膜も形成し難いことがある。そのため、芯材を含む絶縁層の上に導体層を形成する場合、金属箔を絶縁層上に接合してその金属箔上に無電解めっきを形成することが求められ易い。その場合、導体層のパターニングにおいて、エッチングなどによる金属箔の不要部分の除去が必要になるため、微細なピッチで並ぶ導体パターンの形成が困難なことがある。
これに対して、本実施形態の方法では、芯材を含まない樹脂で構成され得る被覆層1a、1bが絶縁基板1cの両面に形成される。そのため、被覆層1a、1bそれぞれの上に、金属箔を用いないセミアディティブ法や、フルアディティブ法などを用いて、各被覆層との間に良好な密着性を有する金属膜13を容易に形成し得ることがある。すなわち、芯材1ccを含む所望の剛性を有する絶縁層10を備え、しかも、絶縁層10との間に良好な密着性を有していて微細なピッチで並ぶ導体パターンを含む導体層11を備える配線基板を製造できることがある。なお、金属膜13は、必ずしもセミアディティブ法やフルアディティブ法で形成されず、サブトラクティブ法で形成されてもよい。すなわち、金属膜13を構成する下層金属膜131及び上層金属膜132は、パネルめっきで形成されてもよい。
絶縁基板1cの厚さが、先に例示された0.8mm以上、2.5mm以下の厚さであると、絶縁基板1cにおいて十分な剛性が得られ、製造される配線基板の反りが抑制されることがある。また、スルーホール導体16が過大な電気抵抗を有し難いと考えらえる。さらに、貫通孔16aの内径が、先に例示された100μm以上、250μm以下の大きさであると、スルーホール導体16において十分に低い電気抵抗が得られ、製造される配線基板に例えば低いインピーダンスを有する電源やGNDパターンを形成できることがある。また、各被覆層上の金属膜12の表面に深い凹部4(図2F参照)が形成され難く、樹脂層5(図2I参照)の除去が容易なことがある。
図1の配線基板100が製造される場合、本実施形態の方法は、以下に説明される、さらなる工程を含み得る。
図2Nに示されるように、コア基板1の両面それぞれにビルドアップ層2が形成される。ビルドアップ層2は、一般的なビルドアップ工法によって形成され得る。すなわち、例えばフィルム状又はシート状に成形された半硬化状態のエポキシ樹脂、BT樹脂、又はフッ素樹脂などをコア基板1上に積層して熱圧着することによって、絶縁層2aが形成される。絶縁層2aの上に、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、又はフルアディティブ法などの任意の方法によって導体層21が形成され、絶縁層2a内にはビア導体23が形成される。さらに絶縁層2a及び導体層21と、それぞれ同様の方法で、絶縁層2b及び導体層22が形成され、絶縁層2b内にもビア導体23が形成される。
そして、ビルドアップ層2の上にソルダーレジスト3が形成される。ソルダーレジスト3は、例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを、スプレーイングや積層、又は印刷などで供給することによって形成される。適切な開口を有する露光マスク(図示せず)を用いる露光、及び現像、又はレーザー加工などによって、所望の位置に開口3aが形成される。以上の工程を経ることによって、配線基板100が完成する。
図2A~図2Nを参照して説明された本実施形態の方法の一例では、図2A及び図2Bに示されるように、出発基板6の金属箔61が全面的に除去される。しかし本実施形態の方法では、金属箔61が全面的に除去されなくてもよく、所望の導体パターンが形成されるように、金沿箔61を部分的に除去することによって金属箔61がパターニングされてもよい。図3A~図3Dには、そのように金属箔61がパターニングされる、実施形態の配線基板の製造方法の変形例が示されている。
図3Aに示されるように、本変形例では、先に参照した図2Aに示される金属箔61がパターニングされる。金属箔61は、例えば適切な開口を有するエッチングレジスト(図示せず)を用いるエッチングによってパターニングされる。図3Aに示される例では、金属箔61のパターニングによって、絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbに、導体パッド6a、6c、及び配線パターン6bのような所望の導体パターンを含む導体層62が形成されている。導体パッド6cは、後工程で形成されるスルーホール導体16(図3C参照)の形成領域を含む領域に形成されている。
図3Bに示されるように、図2Cを参照して説明された方法と同様の方法で、絶縁基板1cの第1面1caに被覆層1aが形成され、第2面1cbに被覆層1bが形成される。図3Bの例では、それぞれが、導体層62の導体パッド6a、6c、及び配線パターン6bを覆う被覆層1a、1bが形成されている。
図3Cに示されるように、図2D~図2Kを参照して説明された方法と同様の方法で、貫通孔16aが形成され、金属膜12を形成することによってスルーホール導体16が形成され、貫通孔16aの内部が充填体17で充填される。そして、被覆層1a、1bそれぞれの外側表面1d上の金属層12b(図2J参照)を除去することによって絶縁層10が用意される。図3Cの例では、導体パッド6cを貫くスルーホール導体16、及び、導体層62のいずれの導体パターンも貫かないスルーホール導体16の両方が形成されている。すなわち、導体層62と接するスルーホール導体16及び導体層62と接しないスルーホール導体16の両方が形成されている。導体パッド6cは、導体層62におけるスルーホールパッドとして機能する。さらに、図3Cの例では、被覆層1a及び被覆層1bそれぞれを貫いて導体パッド6aを露出させる貫通孔1eが形成される。貫通孔1eは、例えば炭酸ガスレーザー光や、UVレーザー光の照射などによって形成され得る。なお、第1面1ca側及び第2面1cb側のいずれか一方の導体層62とだけ接するスルーホール導体16が形成されてもよい。
図3Dに示されるように、図2L及び図2Mを参照して説明された方法と同様の方法で、下層金属膜131及び上層金属膜132を含む金属膜13が形成され、金属膜13からなる導体層11が形成される。下層金属膜131及び上層金属膜132は、貫通孔1eの内部にも形成される。貫通孔1eの内部の下層金属膜131及び上層金属膜132によって貫通孔1eの内部にビア導体63が形成される。ビア導体63によって、導体層11と導体層62とが接続される。また、スルーホール導体16によって、第1面1ca側及び第2面1cb側それぞれの導体層11同士が接続される。さらに、導体パッド6cを貫くスルーホール導体16によって、第1面1ca側の導体層11及び導体層62と、第2面1cb側の導体層11及び導体層62とが接続される。
図3A~図3Dに示される変形例のように、本実施形態の配線基板の製造方法では、金属箔61が全面的に除去されずに所望の導体パターンが形成されるようにパターニングされてもよい。絶縁基板1cの第1面1ca及び第2面1cbそれぞれに、被覆層1a又は被覆層1bに覆われる導体層62のような導体層を形成することができる。製造される配線基板の平面視での面積を増大させずに、より複雑な電気回路を配線基板中に構成し得ることがある。
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、前述したように、実施形態の配線基板の製造方法によって、任意の層数を有する任意の積層構造の配線基板が製造され得る。絶縁基板1cには、全体に渡って一様に貫通孔16aが形成されてもよい。被覆層1a、1b上に形成される金属膜12の厚さのばらつきは、貫通孔の配置密度の違い以外の種々の要因でも生じ得る。絶縁基板1cとして芯材1ccを含まない樹脂基板が用意されてもよい。また、それぞれ単層構造を有する金属膜12及び金属膜13が形成されてもよい。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
100 配線基板
1 コア基板
1a 被覆層(第1被覆層)
1b 被覆層(第2被覆層)
1ab 樹脂シート(第1樹脂シート)
1c 絶縁基板(コア層)
1ca 第1面
1cb 第2面
1cc 芯材
1d 被覆層の外側表面
10 絶縁層
11 導体層
12 金属膜(第1金属膜)
12b 金属層
13 金属膜(第2金属膜)
16 スルーホール導体
16a 貫通孔
17 充填体(樹脂)
5 樹脂層
5a 樹脂シート(第2樹脂シート)
6 出発基板
61 金属箔

Claims (14)

  1. 配線基板の製造方法であって、
    第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有する絶縁基板を用意することと、
    前記第1面を樹脂で覆う第1被覆層を形成することと、
    前記第2面を樹脂で覆う第2被覆層を形成することと、
    前記絶縁基板、前記第1被覆層、及び前記第2被覆層を貫く貫通孔を形成することと、
    前記貫通孔の内壁面上、並びに前記第1被覆層及び前記第2被覆層それぞれにおける前記絶縁基板と反対側の表面である外側表面上に、連続的に第1金属膜を形成することと、
    前記貫通孔の内部を樹脂で充填することと、
    前記第1金属膜における前記外側表面上の部分からなる金属層を除去することと、
    前記第1被覆層及び前記第2被覆層それぞれの前記外側表面の上に第2金属膜を形成することと、
    を含んでいる。
  2. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、
    前記絶縁基板として芯材を含む樹脂基板が用意され、
    前記第1被覆層及び前記第2被覆層は、芯材を含まない第1樹脂シートを前記第1面及び前記第2面それぞれの上に積層することによって形成される。
  3. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記貫通孔の内部を充填することは、
    前記金属層の上に第2樹脂シートを積層することと、
    前記第2樹脂シートを加熱及び加圧することと、を含んでいる。
  4. 請求項3記載の配線基板の製造方法であって、さらに、前記貫通孔の内部を充填することの後に前記金属層及び前記貫通孔の上に形成されている樹脂層を除去することを含んでいる。
  5. 請求項3記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第1被覆層及び前記第2被覆層を形成することは、前記第2樹脂シートを構成する樹脂と略同じ熱膨張率を有する樹脂を含む第1樹脂シートを前記第1面及び前記第2面それぞれの上に積層することを含んでいる。
  6. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記第2金属膜を形成することは、パターンめっきによって電解めっき膜を形成することを含んでいる。
  7. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記第1金属膜を形成することは、前記第1金属膜の形成領域全体にわたる電解めっき膜を形成することを含んでいる。
  8. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記第1金属膜はパネルめっきによって形成される。
  9. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記絶縁基板を用意することは、
    前記絶縁基板と、前記第1面及び前記第2面それぞれの上に接合された金属箔と、を含む出発基板を用意することと、
    前記金属箔を除去することと、
    を含んでいる。
  10. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記金属層はエッチングによって除去される。
  11. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、さらに、前記金属層の除去によって露出する前記外側表面を粗化することを含んでいる。
  12. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記第2金属膜は、前記第1面側及び前記第2面側それぞれにおいて、前記貫通孔内の前記第1金属膜の端面と接するように且つ前記貫通孔の内部を充填する前記樹脂を被覆するように、形成される。
  13. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記貫通孔として、100μm以上、250μm以下の内径を有する貫通孔が形成される。
  14. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記絶縁基板として、0.8mm以上、2.5mm以下の厚さを有する絶縁基板が用意される。
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