JP2002185134A - プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

プリント配線板及びその製造方法

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JP2002185134A
JP2002185134A JP2000382535A JP2000382535A JP2002185134A JP 2002185134 A JP2002185134 A JP 2002185134A JP 2000382535 A JP2000382535 A JP 2000382535A JP 2000382535 A JP2000382535 A JP 2000382535A JP 2002185134 A JP2002185134 A JP 2002185134A
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resin layer
wiring board
insulating resin
via hole
carrier
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JP2000382535A
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English (en)
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Kiyotaka Tsukada
輝代隆 塚田
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体パターンの層間導通性を簡易な方法によ
り付与することができ,かつパターン形成用のメッキ厚
みの制御が不要で均一な厚みのプリント配線板及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 キャリア3の金属層形成側に,金属メッ
キパターン層21と金属層22とを積層してなり且つ第
一導電性パッド20を有する導体パターン2を形成する
工程と,キャリアの表面に絶縁樹脂層1を形成する工程
と,第一導電性パッドを底部とするビアホール5を形成
しその中に導電性材料50を供給して,積層板84を得
る工程と,積層板84を第二導電性パッド70を設けた
別個の配線基板83に対して積層して第二導電性パッド
に導電性材料を接触させる工程と,絶縁樹脂層を硬化さ
せる工程と,キャリアを除去する工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,電子部品などを搭載するための
多層のプリント配線板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】多層のプリント配線板は,従来,ビルドア
ップ法を利用した以下の方法により製造されていた。ま
ず,図15(a)に示すごとく,絶縁樹脂層94の表面
に導体パターン97を設けた配線基板99を形成する。
また,図15(b)に示すごとく,配線基板99の表面
に,樹脂絶縁層93及び金属層92を順に形成する。次
に,図15(c)に示すごとく,金属層92におけるビ
アホール形成部分に開口穴920をあけ,そこへレーザ
ーを照射して,図15(d)に示すごとく,絶縁樹脂層
94にビアホール95を形成する。このようなレーザー
による穴あけは,微小穴の形成を可能とするため,注目
されている。
【0003】次いで,図16(e)に示すごとく,メッ
キ処理により,ビアホール95の中に金属膜921を被
覆して導電性を付与する。次に,図16(f)に示すご
とく,金属層92にエッチング処理を施して,導体パタ
ーン91を形成する。このような積層工程を繰り返すこ
とにより,図16(g)に示すごとく,多層のプリント
配線板98を得る。かかるプリント配線板の積層方法に
おいては,絶縁樹脂層93との間に,導体パターン91
の厚み分の段差が生じるため,厚みが不均一になる場合
がある。不均一の程度は積層回数が多くなるにつれて,
大きくなる。
【0004】
【解決しようとする課題】本発明はかかる従来の問題点
に鑑み,均一な厚みのプリント配線板及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,キャリアの表面
に金属層を形成する金属層形成工程と,上記キャリアの
金属層形成側に金属メッキパターン層を形成するメッキ
工程と,上記金属層における上記金属メッキパターン層
間に露出している部分を,エッチングにより除去して,
上記金属メッキパターン層とその下に配置されている上
記金属層とからなり且つ第一導電性パッドを有する導体
パターンを形成するパターン形成工程と,上記キャリア
の導体パターン形成側の表面に絶縁樹脂層を形成する樹
脂層形成工程と,上記絶縁樹脂層にレーザにて穴あけし
て,上記第一導電性パッドを底部とするビアホールを形
成するビア形成工程と,上記ビアホールの中に導電性材
料を供給して,積層板を得る供給工程と,上記ビアホー
ルに対応する位置に第二導電性パッドを設けた別個の配
線基板を準備する別基板準備工程と,上記配線基板と上
記積層板とを積層して,上記第二導電性パッドに上記ビ
アホール中の上記導電性材料を接触させる接触工程と,
上記配線基板と上記積層板とを厚み方向に加圧するとと
もに上記絶縁樹脂層を硬化させる硬化工程と,上記絶縁
樹脂層及び上記導体パターンの表面から上記キャリアを
除去する除去工程とを含むことを特徴とするプリント配
線板の製造方法である。
【0006】本発明は,互いに異なる層に形成した第
一,第二導電性パッドの間を,導電性材料により導通さ
せる方法である。まず,第一導電性パッドを底部とする
ビアホールをレーザーにて穴あけし,その中に導電性材
料を供給している。導電性材料は,第二導電性パッドに
接合される。これにより,第一導電性パッドと第二導電
性パッドとの間の導電性が確保される。したがって,本
発明によれば,導体パターンの層間導通性を簡易に付与
することができる。
【0007】また,キャリアの導体パターン形成側に形
成した絶縁樹脂層は,Bステージの半硬化状態の樹脂か
らなる。そのため,絶縁樹脂層は,キャリアと導体パタ
ーンとにより形成される凹凸面に追従して,導体パター
ン間を埋めて,キャリア表面にまで達する。このため,
絶縁樹脂層は,キャリア表面に形成した導体パターンと
高低差の少ない略同一高さの表面を形成することにな
る。この状態で絶縁樹脂層を硬化させ,キャリア及び金
属層を除去すると,導体パターンの表面及び絶縁樹脂層
の表面が,連続した略同一面として現れる。
【0008】したがって,本製造方法によれば,導体パ
ターンの厚みは,パターン形成面に全く影響を与えず,
略同一面上に導体パターン及び絶縁樹脂層を形成するこ
とができる。ゆえに,パターン形成用のメッキ厚みの制
御が不要となる。また,本製造方法を繰り返すことによ
り,均一厚みの多層のプリント配線板を製造することが
できる。
【0009】キャリアは,プリント配線板の製造の際に
形状を保持し得るものであれば特に限定はないが,たと
えば,銅などの金属板,合成樹脂板,補強材入り合成樹
脂板などがある。キャリアの厚みは,20〜100μm
であることが好ましい。20μm未満の場合には,形状
保持機能及び強度が低下するおそれがあり,また絶縁樹
脂層が加熱中に液状化し流動する時にパターンの相対的
位置関係を保持できなくなるおそれがある。100μm
を超える場合には,キャリアに要するコストが高くなる
おそれがある。
【0010】キャリアの表面に形成する金属層は,その
後のメッキ形成時に電気リードの役目を果たす。金属層
としては,たとえば,銅,アルミニウム,ニッケル,ハ
ンダなどを用いることができる。金属層におけるキャリ
ア形成側の表面に,粗化処理を施すことができる。金属
層におけるキャリア形成側と反対側の表面に,粗化処理
を施すことが好ましい。これにより,金属層と金属メッ
キパターン層との密着性が向上する。キャリアの表面に
金属層を形成する方法としては,i) 厚みが5μm以
下の接着材により金属箔を接着する方法,ii) 金属
キャリア表面に1μm以下の接着材を塗布した後,メッ
キ法によって金属層を析出させる方法がある。
【0011】そして,金属層とキャリアとの接着強度
は,2N/cm以下が好ましい。2N/cmを超える場
合には,キャリア剥離工程の際に,金属層がキャリアか
ら剥離せずに,付着したまま,次工程に運ばれるおそれ
があるからである。中でも更に0.05〜0.5N/c
mの範囲の密着強度の場合には,より好ましい効果を発
揮できる。0.05N/cmより小さいとキャリアと金
属層の間にメッキ液等の液が染み込んで剥がれたり,機
械的な取り扱いが不便となるからである。
【0012】キャリアの金属層形成側に形成される導体
パターンは,第一導電性パッドのほか,必要に応じて種
々の配線回路を有する。導体パターンは,金属メッキパ
ターン層と,金属層との積層体からなる。金属メッキパ
ターン層は金属メッキにより形成する。たとえば,レジ
スト膜により金属層のパターン非形成部分を被覆し,電
気メッキ処理を行う。レジスト膜を除去すると,金属層
が露出する。金属層の露出部分をエッチングすると,金
属メッキパターン層とほぼ同一形状の金属層が形成され
る。
【0013】絶縁樹脂層としては,半硬化状態の樹脂を
用いる。その樹脂成分としては,エポキシ系樹脂,フェ
ノール樹脂,ビスマレイミドトレアジン樹脂,ポリフェ
ニレン樹脂,ポリフェニレンエーテル樹脂,ポリイミド
系樹脂などの熱硬化性樹脂あるいはそれらの混合物を用
いることができる。絶縁樹脂層には,ガラスクロス,無
機フィラーなどの補強材を含んでいてもよい。さらには
絶縁樹脂層は,強度向上の観点から,プリプレグのよう
なガラスクロスに樹脂を含浸させたものであることが好
ましい。絶縁樹脂層に含まれる半硬化状態の樹脂は,加
熱時の最低弾性率が1MPa以下が好ましい。その理由
は,1MPa以下であると、接着時に対向する回路を気
泡を残すこと無く埋めることができるからであり、ま
た、高い強度を実現できるからである。さらには0.5
MPa以下が良い結果をもたらす。
【0014】ガラスクロスは,X方向と,該X方向と直
交するY方向の2方向にガラスファイバーの繊維束を織
り込んだものである。絶縁樹脂層は,樹脂の種類によっ
て,硬化により収縮する性質を有する場合がある。この
場合,X方向に配置される繊維の容積とY方向に配置さ
れる繊維の容積との差は5体積%以下であることが好ま
しい。5体積%を超える場合には,絶縁樹脂層の収縮率
が,X方向とY方向とで相違し,ビアホールが位置ズレ
を生じるおそれがあるからである。更に,繊維の径もX
方向,Y方向で同じ径を使用するのが好ましい。更に繊
維径も小さいほうが好ましい。そうすることで,絶縁樹
脂との接着面積を同じくすることができ,接着面積を増
やすことができるからである。
【0015】絶縁樹脂層の厚みは,導体パターンの厚み
よりも厚いことが好ましい。これにより,導体パターン
の厚みにかかわらず,均一厚みのプリント配線板を製造
することができる。絶縁樹脂層の厚みは,導体パターン
の厚みよりも0.005〜0.05mm厚いことが好ま
しい。0.005mm未満の場合には,均一厚みのプリ
ント配線板を製造することが困難となるおそれがあり,
0.05mmを超える場合には,プリント配線板の薄層
化が妨げられるおそれがある。
【0016】キャリアの導体パターン形成側に絶縁樹脂
層を形成するときには,絶縁樹脂層の表面を,ステンレ
ス板のような硬い板により支持することが好ましい。こ
れにより,絶縁樹脂層の表面を平坦にすることができ
る。また,キャリア側に硬い板を配置することが好まし
い。これにより,キャリアの変形を抑えることができ
る。
【0017】導電性材料は,ビアホールの開口部とほぼ
同じかそれよりも突出する程度に,ビアホール内に供給
されることが好ましい。これにより,第二導電性パッド
との接合性が向上する。導電性材料の供給量の上限は,
0.050mmであることが好ましい。それよりも多い
場合には,絶縁樹脂層と配線基板との間に空隙が生じる
おそれがある。導電性材料のビアホールへの供給方法と
しては,球状に成形した導電性材料をビアホール内に投
入する方法,導電性材料をペースト状とし印刷にてビア
ホール内に充填する方法,導電性材料をインクジェット
方式で穴内に噴射する方法、電解あるいは無電解メッキ
法で析出移出させる方法などがある。
【0018】ビアホール内に供給される導電性材料とし
ては,たとえば,半田,スズ等の金属メッキ膜がある。
導電性材料としては,半田ペースト,銀ペースト,銅ペ
ースト等のようにBステージの樹脂成分を含んだ金属ペ
ーストが好ましい。取り扱いやすく,印刷などの手法に
よりビアホール内へ充填するのに都合が良いからであ
る。
【0019】別個の配線基板は,上記導電性材料に対応
する位置に第二導電性パッドを有している。第二導電性
パッドのほかに,絶縁樹脂層の表面または内部に種々の
導体パターンを形成していてもよい。別個の配線基板に
用いられる絶縁樹脂層は,積層前に硬化されているもの
でも,また未硬化のものであってもよい。
【0020】別個の配線基板は,請求項1における金属
層形成工程,メッキ工程,パターン形成工程,樹脂層形
成工程,ビア形成工程及び供給工程を行い,さらに絶縁
樹脂層を半硬化状態または完全硬化の状態でキャリアの
除去を行うことにより作製される。
【0021】配線基板の絶縁樹脂層が未硬化である場合
には,該絶縁樹脂層の硬化時の収縮率Aと,キャリアに
形成した絶縁樹脂層の硬化時の収縮率Bとの差(A−
B)が,±0.5%以内であることが好ましい。±0.
5%を超える場合には,第一,第二導電性パッド間に位
置ズレが生じ,両者間にビアホールを形成したときに導
通不良が発生するおそれがある。
【0022】次に,別個の配線基板の両面または片面
に,上記積層板を積層する。次に,上記絶縁樹脂層の硬
化は,上記絶縁樹脂層を厚み方向に加圧しながら行う。
これにより,絶縁樹脂層を均一厚みの状態で硬化させる
ことができる。絶縁樹脂層に加える加圧力は,50〜1
000KPaであることが好ましい。50KPa未満の
場合には,導体パターンが前記絶縁樹脂層に埋め込まれ
ないおそれがあり,1000KPaを超える場合には,
キャリアと絶縁性樹脂とが密着してしまい,後にキャリ
アが絶縁樹脂層から剥がれなくなるからである。
【0023】キャリアと絶縁樹脂層とは,部分的に接着
しても良いが,接着する面積は導体パターン表面の最大
80%までが良好に剥がれる面積である。そして,導体
パターン高さの20%以上が埋め込まれていることが好
ましい。これにより,キャリアを剥す時に,導体パター
ンがキャリアに付着したまま,次工程に運ばれることが
無くなる。
【0024】上記キャリアを除去するにあたっては,手
でキャリアを剥離する方法がある。この場合,キャリア
と金属層との密着強度は2N/cm以下であることが好
ましい。これにより,キャリアを手で容易に剥離するこ
とができる。
【0025】絶縁樹脂層を硬化させる硬化工程と,キャ
リアを除去する除去工程とは,いずれを先に行ってもよ
い。除去工程を先に行い,絶縁樹脂層が未硬化のままで
他の積層板を積層し,一括して加熱圧着してプリント配
線板を得ることもできる。
【0026】請求項2の発明は,絶縁樹脂層と,その表
面に形成した,第一導電性パッドを有する導体パターン
と,上記絶縁樹脂層に設けられ且つ上記第一導電性パッ
ドを底部とするビアホールと,ビアホール内に充填され
た導電性材料とを有する積層板に対して,上記ビアホー
ルに対応する位置に第二導電性パッドを設けた配線基板
を積層圧着してなるプリント配線板であって,上記ビア
ホール内の上記導電性材料は,上記第二導電性パッドに
接合されており,また,上記積層板の表面は,上記絶縁
樹脂層と上記導体パターンとからなる略同一面により構
成されており,かつ,上記導体パターンは,内部側に配
置した金属メッキパターン層と,外側に配置した金属層
とからなることを特徴とするプリント配線板である。
【0027】本発明においては,互いに異なる層に形成
した導体パターンにそれぞれ第一,第二導電性パッドを
設け,第一導電性パッドを底部とするビアホールを形成
している。そして,ビアホールの中に供給されている導
電性材料は,ビアホールの上下に配置している第一,第
二導電性パッドと接合している。このため,異層の導体
パターン同士が,ビアホールを通じて電気的に接続され
る。
【0028】また,絶縁樹脂層と導体パターンとは,略
同一面を形成している。導体パターンと絶縁樹脂層との
間には,その厚みに起因する段差はない。このため,プ
リント配線板の表面に更に配線基板を積層したときに,
均一厚みのまま多層化することができる。
【0029】本発明において,「略同一面」とは,i)
導体パターンの全体厚み分が絶縁樹脂層の中に埋まって
導体パターン表面が絶縁樹脂層表面と同一面となってい
ること,またはii)導体パターンの厚みの一部が絶縁
樹脂層に埋まって導体パターンの表面が絶縁樹脂層の表
面からわずかに出ている場合をいう。後者ii)の場合
には,絶縁樹脂層表面と導体パターン表面との間に,段
差が形成されることになる。その段差は,導体パターン
の厚みの多くとも80%以内であることが好ましい。こ
れにより,絶縁樹脂層と導体パターンとが略同一面を形
成することができる。
【0030】導電性材料は,半田,金属メッキ膜,ハン
ダ,銅,銀,ニッケル,あるいはそれら金属の混合物ペ
ーストなどがあるが,好ましいのは,請求項3の発明の
ように,半田あるいは銀ペーストである。
【0031】請求項4の発明のように,上記プリント配
線板は,熱拡散板又は筐体に接着されていることが好ま
しい。これにより,プリント配線板の放熱性が向上す
る。本発明のプリント配線板は,電子部品を搭載するた
めの搭載部を設けることができる。導体パターンには,
たとえば,ワイヤー,半田バンプなどの端子接合をする
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係るプリント配線板について,図1
〜図12を用いて説明する。図11に示すごとく,本例
のプリント配線板8は,配線基板83の上下両面側に積
層板84を積層圧着したものである。積層板84は,絶
縁樹脂層1と,その表面に形成した,第一導電性パッド
20を有する導体パターン2と,第一導電性パッド20
を底部とするビアホール5とを有する。導体パターン2
は,内部側に配置した金属メッキパターン層21と,外
側に配置した金属層22とからなる。ビアホール5の中
には,半田からなる導電性材料50が充填されている。
配線基板83は,絶縁樹脂層6の上下両面側に導体パタ
ーン7を形成したものである。導体パターン7は,ビア
ホール5に対応する位置に第二導電性パッド70を有し
ている。
【0033】ビアホール5の中には,導電性材料50が
充填されており,これは第一導電性パッド20と第二導
電性パッド70の双方に接合されている。積層板84の
表面は,絶縁樹脂層1と導体パターン7とからなる略同
一面10により構成されている。
【0034】次に,プリント配線板の製造方法について
説明する。まず,図1に示すごとく,キャリア3の表面
に0.05μmの接着層を設け,電気メッキで金属層2
2を形成する。キャリア3は,厚み0.07mmの銅材
料からなる板状体である。金属層22は,厚み0.00
2mmの銅メッキ層である。金属層22におけるキャリ
ア3形成側の表面には,粗化処理を施す。面粗さ(Rm
ax)は1.8μmである。
【0035】次に,図2に示すごとく,キャリア3の金
属層形成側に,感光性のレジスト膜4を被覆し,パター
ン形成部分をマスクしながら光照射して,パターン形成
部分を除いて,パターン非形成部分を光硬化させる。次
いで,現像を行い,パターン形成部分を除去して,パタ
ーン形成用穴40を開口させる。次に,図3に示すごと
く,電気銅メッキ処理を行い,パターン形成用穴40の
中に,厚み約0.025mmの金属メッキパターン層2
1を形成する。
【0036】次に,図4に示すごとく,レジスト膜4を
除去する。これにより,金属メッキパターン層21の間
に金属層22が露出する。次に,図5に示すごとく,金
属層22の露出部分をエッチングにより除去する。これ
により,金属メッキパターン層21とその下に配置され
た金属層22とからなる導体パターン2が形成される。
このとき,導体パターン2の一部として第一導電性パッ
ド20も形成される。
【0037】次に,図6に示すごとく,キャリア3の導
体パターン2形成側に,絶縁樹脂層1を形成する。絶縁
樹脂層1は,Bステージのプリプレグからなる。プリプ
レグは,ガラスクロスにビスマレイミドトリアジンを含
浸させたものである。図12(a)に示すごとく,絶縁
樹脂層1に含まれているガラスクロスの繊維束17,1
8は,X方向とY方向の単位長さ当たりに同じ本数が配
置されている。図12(b)に示すごとく,X方向を構
成している繊維束17の繊維密度とY方向の繊維束18
とは,同じである。絶縁樹脂層1の厚みは0.05mm
であり,導体パターン2の厚みよりも大きく,導電性材
料5の高さよりも薄い。
【0038】次に,図7に示すごとく,絶縁樹脂層1
に,レーザーを照射して,第一導電性パッド20を底部
とするビアホール5をあける。ビアホール5の直径は,
0.100mmとする。次に,図8に示すごとく,ビア
ホール5の中に導電性材料50を供給する。導電性材料
50は,半田ペーストである。導電性材料50のビアホ
ール5への供給方法は,スクリーン印刷方法である。導
電性材料50の供給量は,ビアホール5からわずかに突
出する程度とする。ここでは0.020mmとした。以
上により,積層板84を得る。
【0039】次に,図9に示すごとく,絶縁樹脂層6の
表面に導体パターン7を形成して,別個の配線基板83
を得る。導体パターン7は,ビアホール5に対応する位
置に第二導電性パッド70を有している。絶縁樹脂層6
は,ガラスエポキシ樹脂基板であり,既に硬化してい
る。
【0040】次に,図10に示すごとく,配線基板83
の上下両側に,上記の積層板84を配置し,厚み方向に
1MPaの加圧力で加圧しながら,175℃で加熱す
る。これにより,積層板84の絶縁樹脂層1が硬化し,
また,ビアホール5内に充填されている導電性材料50
の先端部が,第二導電性パッド70に接合される。次
に,図11に示すごとく,手でキャリア3を,絶縁樹脂
層1及び導体パターン2の表面から除去する。以上によ
り,プリント配線板8が得られる。
【0041】本例においては,第一導電性パッド20を
底部とするビアホール5をレーザーにて穴あけし,その
中に導電性材料50を供給している。導電性材料50
は,第二導電性パッド70に接合される。これにより,
第一導電性パッド20と第二導電性パッド70との間の
導電性が確保される。したがって,本例によれば,導体
パターン2,7の層間導通性を簡易に付与することがで
きる。
【0042】また,キャリア3の導体パターン2形成側
に絶縁樹脂層1を形成している。絶縁樹脂層1はBステ
ージの樹脂からなるため軟質である。このため,図6に
示すごとく,絶縁樹脂層1は,キャリア3と,これより
突出した導体パターン2の表面に追従する。このため,
絶縁樹脂層1は,キャリア3表面に形成した導体パター
ン2と略同一の表面を形成することになる。この状態で
絶縁樹脂層1を硬化させ,キャリア3を除去すると,導
体パターン2及び絶縁樹脂層1の表面が略同一面10と
して現れる。したがって,略同一面10上に導体パター
ン2及び絶縁樹脂層1を形成することができ,パターン
形成用のメッキ厚みの制御が不要となる。そのため,導
体パターンの高さにかかわらず,同一厚みのプリント配
線板8を製造することができる。
【0043】実施形態例2 本例のプリント配線板の製造方法は,図13に示すごと
く,ほぼ実施形態例1と同様であるが,積層板84から
キャリアを除去した後に,絶縁樹脂層1がBステージの
ままで積層板84を配線基板83の両面に積層し(図1
3(a),(b)),その後加圧硬化させている(図1
3(c),(d))点が異なる。本例においても,実施
形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0044】実施形態例3 本例のプリント配線板は,図14に示すごとく,その下
面に,熱拡散板等の導電性部品,金属製の筐体89に対
して,例えば接着材87により接着している。これによ
り,コンパクトで熱拡散性の良いプリント配線板とする
ことが可能となる。その他は,実施形態例1と同様であ
る。
【0045】図14に示す上記プリント配線板は,積層
板84が配線基板83の両面に配置されているが,片面
にのみに配置させてもよい。この場合,配線基板83の
片面には導体パターンを形成してその上に別個の積層板
84を積層し,他方の片面には導体パターンを形成せず
に,その面に対して上記導電性部品,金属製の筐体89
を接着することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば,導体パターンの層間導
通性を簡易な方法により付与することができ,かつパタ
ーン形成用のメッキ厚みの制御が不要で均一な厚みのプ
リント配線板及びその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,プリント配線板の製造
方法を示すための説明図。
【図2】図1に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図3】図2に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図4】図3に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図5】図4に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図6】図5に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図7】図6に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図8】図7に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図9】図8に続く,プリント配線板の製造方法を示す
ための説明図。
【図10】図9に続く,プリント配線板の製造方法を示
すための説明図。
【図11】実施形態例1における,プリント配線板の断
面説明図。
【図12】実施形態例1における,ガラスクロスの繊維
束の方向を示すための説明図(a),及び繊維束の繊維
密度を示すための説明図(b)。
【図13】実施形態例2のプリント配線板の製造方法を
示す説明図(a)〜(d)。
【図14】実施形態例3のプリント配線板の断面図。
【図15】従来例における,プリント配線板の製造方法
を示すための説明図(a)〜(d)。
【図16】図15に続く,プリント配線板の製造方法を
示すための説明図(e)〜(g)。
【符号の説明】
1,6...絶縁樹脂層, 10...略同一面, 2,7...導体パターン, 20...第一導電性パッド, 21...金属メッキパターン層, 22...金属層, 3...キャリア, 4...レジスト膜, 40...パターン形成用穴, 5...ビアホール, 50...導電性材料, 70...第二導電性パッド, 8...プリント配線板, 83...配線基板, 84...積層板,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E317 AA27 BB01 BB11 BB14 BB18 CC17 CC25 CC31 CC52 CD32 GG16 5E346 AA02 AA04 AA12 AA15 AA29 AA32 AA43 CC04 CC09 CC10 CC13 CC32 CC34 CC37 CC39 CC40 CC55 DD13 DD22 DD32 EE09 EE12 EE14 EE18 EE19 EE20 FF01 FF06 FF08 FF18 FF27 GG15 GG22 GG23 GG27 GG28 HH11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアの表面に金属層を形成する金属
    層形成工程と,上記キャリアの金属層形成側に金属メッ
    キパターン層を形成するメッキ工程と,上記金属層にお
    ける上記金属メッキパターン層間に露出している部分
    を,エッチングにより除去して,上記金属メッキパター
    ン層とその下に配置されている上記金属層とからなり且
    つ第一導電性パッドを有する導体パターンを形成するパ
    ターン形成工程と,上記キャリアの導体パターン形成側
    の表面に絶縁樹脂層を形成する樹脂層形成工程と,上記
    絶縁樹脂層にレーザにて穴あけして,上記第一導電性パ
    ッドを底部とするビアホールを形成するビア形成工程
    と,上記ビアホールの中に導電性材料を供給して,積層
    板を得る供給工程と,上記ビアホールに対応する位置に
    第二導電性パッドを設けた別個の配線基板を準備する別
    基板準備工程と,上記配線基板と上記積層板とを積層し
    て,上記第二導電性パッドに上記ビアホール中の上記導
    電性材料を接触させる接触工程と,上記配線基板と上記
    積層板とを厚み方向に加圧するとともに上記絶縁樹脂層
    を硬化させる硬化工程と,上記絶縁樹脂層及び上記導体
    パターンの表面から上記キャリアを除去する除去工程と
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁樹脂層と,その表面に形成した,第
    一導電性パッドを有する導体パターンと,上記絶縁樹脂
    層に設けられ且つ上記第一導電性パッドを底部とするビ
    アホールと,ビアホール内に充填された導電性材料とを
    有する積層板に対して,上記ビアホールに対応する位置
    に第二導電性パッドを設けた配線基板を積層圧着してな
    るプリント配線板であって,上記ビアホール内の上記導
    電性材料は,上記第二導電性パッドに接合されており,
    また,上記積層板の表面は,上記絶縁樹脂層と上記導体
    パターンとからなる略同一面により構成されており,か
    つ,上記導体パターンは,内部側に配置した金属メッキ
    パターン層と,外側に配置した金属層とからなることを
    特徴とするプリント配線板。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記導電性材料は,
    半田または銀ペーストであることを特徴とするプリント
    配線板。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記プリント配線板
    は,熱拡散板又は筐体に接着されていることを特徴とす
    るプリント配線板。
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