JP2004134467A - 多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 Download PDF

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Satoru Nakao
中尾 知
Masakatsu Nagata
永田 雅克
Taro Watanabe
渡辺 太郎
Masahiro Okamoto
岡本 誠裕
Shoji Ito
伊藤 彰二
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Abstract

【課題】優れた耐イオンマイグレーション性を示し、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、電気的特性に優れた多層配線基板を得ること。
【解決手段】ビアホール14に充填された導電性樹脂による導電部を、ビアホール14の内周面を取り巻く銀以外の導電性フィラーを含む導電性樹脂による第1導電部15と、第1導電部15の内側を埋める銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部16とによる2重構造とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)、多層配線基板用基材およびその製造方法に関し、特に、ベアチップ等の高密度実装が可能な多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、半導体チップや部品の小型化および端子の狭ピッチ化に連動して、プリント基板(配線基板)にも実装面積の縮小や配線の精細化が進んでいる。同時に、情報関連機器では、信号周波数の広帯域化に対応して部品間を連結する配線の短距離化が求められており、高密度、高性能を達成するためのプリント基板の多層化は必要不可欠の技術となっている。
【0003】
多層配線基板では、従来の平面回路にはなかった層間を電気的に接続する回路形成がキーテクノロジーである。多層配線基板の第1ステップである両面配線基板は、絶縁基材に貫通孔をあけ、貫通孔の壁面に沿って導体をめっきして表裏の配線を導通接続している。
【0004】
IBM社のSLC(Surface Laminar Circuit)に代表されるビルドアップ多層配線基板においても、回路層間の絶縁層の一部を感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法やレーザ加工等で除去し、めっきで導通接続する方法を用いている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
めっきを用いた配線の導通接続は、微細な回路を低抵抗で導通接続できる利点を持つが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層配線基板の用途を制限する要因となっている。
【0006】
近年、めっきに代わる安価な層間接続方法として、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、東芝グループのBbit(Buried Bump Interconnection Technology)に代表される導電性樹脂を用いた多層配線基板が実用化され、多層配線基板の用途が急速に拡大し始めている(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
ALIVHでは、図8(a)〜(h)に示されているように、絶縁樹脂板/フィルム101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、印刷法によってビアホール102に導電性樹脂(導電性ペースト)103を充填し、この導電性樹脂103の充填によって所望の箇所に表裏導通接続部を有する絶縁層104を作成する。そして、絶縁層104の表裏に銅箔105を貼り付け、銅箔105をエッチングして配線パターン(銅箔回路)106を形成したものを、複数枚、貼り合わせて多層配線基板100を得る。
【0008】
ALIVHの工法以外にも、SLCのように、絶縁層として感光性樹脂を用いて露光・現像を行うことにより、ビアホールを形成したり、ケミカルあるいはドライエッチングによって樹脂を除去する方法も適用できる可能性がある。
【0009】
導電性樹脂を用いた多層配線基板は、安価である反面、導電性樹脂部分の電気抵抗が高く、銅箔回路との接触抵抗が安定しないなどのいくつかの欠点もあるが、それらも徐々に克服されつつある。
【0010】
マルチチップモジュールなど、ベアチップを実装する基板では、配線の高密度化に伴って多層板を構成する積層板(多層配線基板用基材)の単層の厚さも減少する傾向にある。この積層板の層厚の減少によって絶縁フィルム単体では、基板のたわみやしわが発生し易くなり、寸法安定性が確保し難くなっている。
【0011】
このことに対し、層間接続に導電性樹脂を用いる多層配線基板の製造方法として、図9(a)〜(f)に示されているように、銅箔付きフィルム201を出発材とし、銅箔付きフィルム201にビアホール(バイアホール)202をあけ、ビアホール202に導電性樹脂(導電性ペースト)203を充填してインナビアを形成し、銅箔付きフィルム201の銅箔204をエッチングして配線パターン(銅箔回路)205を形成したものを貼り合わせて多層配線基板200を得る製造方法がある。
【0012】
この製造方法では、樹脂フィルムを絶縁層としてそれに銅箔による導電層を貼り付けられている銅張基板を出発材としていることにより、フィルムの剛性が高まり、高い寸法精度を維持できる。このような多層配線基板の製造方法は、本願出願人と同一の出願人による特願2001−85224号や特願2002−46160号等で提案されている。
【0013】
【非特許文献1】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、53頁〜76頁
【非特許文献2】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、77頁〜79頁
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来、一般的に、多層配線基板のビアホールに使用される導電性樹脂は、図10、図11に示されているように、導電性フィラーとして含まれる銀や銅などの導電性粒子301をエポキシ系樹脂等の樹脂バインダ302で固着したポリマー型の導電性樹脂300であり、導電性粒子301同士の接触によって電気伝導性を得ている。特に、電気抵抗を低くできる点で、導電性樹脂300の導電性フィラーとして銀が専ら用いられている。
【0015】
しかし、銀は、高温高湿下で溶出したイオンが樹状析出物として電界の方向に析出し、電気回路間を短絡させるイオンマイグレーションを発生し易いと云う欠点がある。このことは、回路の微細化に伴う配線基板の配線パターンの微細ピッチ化に伴い顕著なものになる。
【0016】
このことに対し、銅を導電性フィラーとして用いた導電性樹脂は、銀に比して耐イオンマイグレーション性に優れていることが知られているが、表面が酸化し易く、高温のプロセス中や劣悪環境での導電性の安定性については、銀に及ばない。
【0017】
この発明は、上述の如き課題を解決するためになされたもので、耐イオンマイグレーション性と低電気抵抗特性とを両立し、高温高湿下の使用でもイオンマイグレーションによる短絡を生じることがなく、導電性の安定性に優れ、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、優れた電気的特性を示す多層配線基板用基材およびその多層配線基板用基材を用いた多層配線基板、および多層配線基板用基材の製造方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、ビアホールに導電性樹脂が充填されて導電部を形成し、前記導電部により層間導通を得る多層配線基板用基材であって、前記ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、前記ビアホールの内周面を取り巻く第1の導電性樹脂による第1導電部と、前記第1導電部の内側を埋める第2の導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっており、前記第1の導電性樹脂が銀以外の導電性フィラー、例えば、銅、白金、カーボン、ニッケルの少なくとも1つを主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成され、前記第2の導電性樹脂が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成されている。
【0019】
この発明による多層配線基板用基材によれば、ビアホールの内周面(ビア外周部)を取り巻く第1導電部が、銅、白金、カーボン、ニッケル等、銀以外の導電性フィラーによる導電性樹脂によって構成されているので、第1導電部によって耐イオンマイグレーション性が得られ、ビアホールの外周縁で発生し易いイオンマイグレーションによる樹状析出物の成長が第1導電部によって抑制される。そして、ビア内部が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部によって構成されていることにより、低電気抵抗による安定した電気的接続が得られる。
【0020】
また、この発明による多層配線基板用基材は、詳細には、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、少なくも前記絶縁性基材と前記接着層に連続形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性樹脂を充填された多層配線基板用基材、あるいは層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、少なくとも前記絶縁性基材に形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性樹脂を充填された多層配線基板用基材であって、前記ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、前記ビアホールの内周面を取り巻く第1の導電性樹脂による第1導電部と、前記第1導電部の内側を埋める第2の導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっており、前記第1の導電性樹脂が銀以外の導電性フィラー、例えば、銅、白金、カーボン、ニッケルの少なくとも1つを主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成され、前記第2の導電性樹脂が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成されている。
【0021】
この発明による多層配線基板用基材でも、ビアホールの内周面(ビア外周部)を取り巻く第1導電部が、銅、白金、カーボン、ニッケル等、銀以外の導電性フィラーによる導電性樹脂によって構成されているので、第1導電部によって耐イオンマイグレーション性が得られ、ビアホールの外周縁で発生し易いイオンマイグレーションによる樹状析出物の成長が第1導電部によって抑制される。そして、ビア内部が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部によって構成されていることにより、低電気抵抗による安定した電気的接続が得られる。
【0022】
また、この発明による多層配線基板用基材は、ビアホールに対する樹脂ペースト充填時の空気抜き孔として、前記導電層に前記ビアホールの口径より小径の小孔があけられていてよい。
【0023】
この場合、ビアホールの底面は、導電層の裏面により与えられ、ビアホールと小孔の口径差による面積を有し、ビアホールに充填された導電性樹脂(導電部)は、この導電層裏面で、比較的広い面積をもって導電層と導通接触することができ、導電性樹脂と導電層との接触抵抗が低減する。
【0024】
また、この発明による多層配線基板用基材は、前記絶縁性基材と共に前記導電層にも前記ビアホールが形成され、前記導電部は前記導電層の表面に接触して広がる拡大導電部を有する構造にすることもできる。
【0025】
この場合、拡大導電部によって導電部と導電層との接触面積が増大し、導電部と導電層との接触抵抗が低減する。
【0026】
この発明による多層配線基板は、上述の発明による多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合したものであり、電気抵抗が低い多層接続電気回路を得ることができる。
【0027】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、少なくも前記絶縁性基材と前記接着層にビアホールを穿孔する穿孔工程と、前記ビアホールに銀以外の導電性フィラーを含み溶媒蒸発による体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第1の充填工程と、前記ビアホールに充填された前記体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第1導電部を形成する第1の加熱硬化工程と、前記ビアホールの前記第1導電部の内側に銀を主成分とする導電性フィラーを含む体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第2の充填工程と、前記第1導電部の内側に充填された前記体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第2導電部を形成する第2の加熱硬化工程とを有する。
【0028】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けらたものの、少なくも前記絶縁性基材にビアホールを穿孔する穿孔工程と、前記ビアホールに銀以外の導電性フィラーを含み溶媒蒸発による体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第1の充填工程と、前記ビアホールに充填された前記体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第1導電部を形成する第1の加熱硬化工程と、前記ビアホールの前記第1導電部の内側に銀を主成分とする導電性フィラーを含む体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第2の充填工程と、前記第1導電部の内側に充填された前記体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第2導電部を形成する第2の加熱硬化工程とを有する。
【0029】
これらの発明による多層配線基板用基材の製造方法によれば、第1の充填工程として、ビアホールに溶媒蒸発による体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填し、つづく第1の加熱硬化工程で、ビアホールに充填された体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化する。この加熱硬化により体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストが体積収縮し、加熱硬化した体積収縮硬化型の導電性樹脂による第1導電部は、内側に空間を生じ、ビアホールの内周面を取り巻く。第1導電部の導電性樹脂は銀以外の導電性フィラーによる導電性樹脂であることにより、この第1導電部によってビア部分の耐イオンマイグレーション性が高められる。
【0030】
つぎに、第2の充填工程として、第1導電部の内側に銀を主成分とする導電性フィラーを含む体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填し、つづく第2の加熱硬化工程で、第1導電部の内側に充填された体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化する。これにより、ビアホール内部が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部で埋められ、第2導電部によって低電気抵抗による接続が保証される。
【0031】
この発明による多層配線基板用基材の製造方法で使用する体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストとしては、銅、白金、カーボン、ニッケルの少なくとも1つを主成分とする導電性フィラーを揮発性溶媒によるウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェーノル樹脂等の体積収縮硬化型の樹脂バインダに混ぜてペースト状にしたものがあり、また、体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストとしては、銀を主成分とする導電性フィラーをエポキシ樹脂等の体積非収縮硬化型の樹脂バインダに混ぜてペースト状にしたものがある。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0033】
図1に示されている多層配線基板用基材10は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の一方の面に銅箔等による配線パターン部(導電層)12を、他方の面に層間接着のための接着層13を各々設けられ、接着層13と絶縁樹脂層11とを貫通するビアホール(バイアホール)14を穿設されている。
【0034】
絶縁樹脂層11は、全芳香族ポリイミド(API)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層11と配線パターン部12と接着層13との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材の銅箔とは反対側の面に接着層13としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0035】
ポリイミド系接着材による接着層13は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。
【0036】
ビアホール14は、当該ビアホール14に充填された導電性樹脂によって層間導通のため導通部(IVH)をなす。この導通部は、ビアホール14の内周面(ビア外周部)を取り巻く銀以外の導電性フィラーを含む導電性樹脂(第1の導電性樹脂)による第1導電部15と、第1導電部15の内側を埋める銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂(第2の導電性樹脂)による第2導電部16とによる2重構造になっている。
【0037】
第1導電部15をなす導電性樹脂としては、銅、白金、カーボン、ニッケル等を主成分とする平均粒子径が3μm〜10μm程度の金属粉末を有機溶剤等、揮発性溶媒によるウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェーノル樹脂等の樹脂バインダで固着した導電性樹脂等、加熱硬化によって1/3程度の体積収縮を生じるものが好適である。
【0038】
第2導電部16をなす導電性樹脂としては、銀を主成分とする平均粒子径が3μm〜10μm程度の金属粉末をエポキシ樹脂等による熱硬化型の樹脂バインダで固着した導電性樹脂等、揮発性の溶媒成分を殆ど含まず、加熱硬化によって体積収縮がないもの、少ないものが好適である。
【0039】
この多層配線基板用基材10によれば、ビアホール14の内周面を取り巻く第1導電部14が、銅、白金、カーボン、ニッケル等、銀よりマイグレーション度が低い銀以外の導電性フィラーによる導電性樹脂によって構成されているので、この第1導電部14によって耐イオンマイグレーション性が得られ、ビアホール14の外周縁で発生し易いイオンマイグレーションによる樹状析出物(アノードから溶出したイオンがカソードで析出し、電界方向に沿って延びる結晶物)の成長が第1導電部14によって抑制されると共に、ビアホール14の内部が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部16になっているので、専らこの第2導電部16によって低電気抵抗による安定した電気的接続が得られる。また、多層化の積層プレス時に他層の導電層に対して安定した突き刺し接触を得ることができる。
【0040】
つぎに、この発明による多層配線基板用基材およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を図2を参照して説明する。
【0041】
図2(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム21の片面に導電層をなす銅箔22を設けられた片面銅張基板(CCL:Copper Clad Laminate)20を準備し、これのポリイミドフィルム表面側(銅箔22とは反対側の表面)に、熱可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムによる接着層23を貼り合わせた積層フィルムを出発材料とする。
【0042】
ここで使用するCCLには、ポリイミド等の絶縁樹脂と導体箔とを接着剤を用いて接着したタイプ、銅箔上にポリイミドの前駆体を塗布して加熱焼成したタイプやポリイミドフィルム上に金属膜を蒸着したタイプ、蒸着した金属膜をシード層としてめっきにより銅を成長させたタイプがある。
【0043】
つぎに、ロールラミネータを用いて銅箔22の表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光・現像してレジストマスクパターン(図示省略)を形成した後、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図2(b)に示されているように、銅回路部24を形成する。
【0044】
つぎに、図2(c)に示されているように、ビアホール穿孔工程として、接着層23の表面側からYAGレーザを照射してポリイミドフィルム21、接着層23に、直径が100μm程度のビアホール25を形成する。穴あけ用のレーザとしては、YAGレーザ以外にも、COレーザやエキシマレーザを用いることもできる。このポリイミドフィルム21、接着層23の穴あけは、レーザ加工法以外に、プラズマエッチングや適当な薬液を用いた化学エッチングを適用することもできる。
【0045】
続いて、銅回路部24にYAGレーザによって小孔26を穿設する。小孔26の直径は、ビアホール25の孔径半分以下、たとえば、30〜50μm程度とする。小孔26は、ビアホール25を形成する前に、レジストマスクを利用して銅のケミカルエッチングによって形成することもできる。
【0046】
つぎに、図2(d)に示されているように、第1の樹脂ペースト充填工程として、接着層23の表面側からスクリーン印刷法等によって、銅粒子を導電性フィラーとした体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27を、ビアホール25と小孔26の全てに穴埋め充填する。小孔26は、この樹脂ペースト充填時に、ビアホール25の空気抜き孔として作用する。
【0047】
体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27は、銅粒子による導電性フィラーを有機溶剤等の揮発性溶媒によるウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェーノル樹脂等の樹脂バインダに混ぜてペースト状にしたものである。
【0048】
つぎに、第1の加熱硬化工程として、ビアホール25、小孔26に充填された導電性樹脂ペースト27を加熱硬化し、図2(e)に示されているように、第1導電部28を形成する。
【0049】
導電性樹脂ペースト27は、加熱硬化(乾燥)により体積を1/3程度に収縮、例えば、乾燥後には体積が乾燥前の30%程度に減少する。これにより、図2(e)に示されているように、ビアホール25の底面およびビアホール25、小孔26の内周面を取り巻くように固化した銅フィラーによる導電性樹脂によって第1導電部28が形成される。そして、導電性樹脂の体積収縮によって第1導電部28の内側に空間29が形成される。
この空間29は、接着層23の表面から銅回路部24の裏面24aに至る貫通孔を形成する。
【0050】
ビアホール25の底面は、銅回路部24の裏面24aとなり、ビアホール25と小孔26の口径差による面積を有し、第1導電部28は、この銅回路部裏面24aで、比較的広い面積をもって銅回路部24と導通接触する。
【0051】
つぎに、第2の樹脂充填工程として、図2(f)に示されているように、ビアホール25および小孔26に形成されている第1導電部28の内側の空間29の全体に、銀粒子をフィラーとした体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30をスクリーン印刷法等によって穴埋め充填する。小孔26は、この樹脂ペースト充填時にも、ビアホール25の空気抜き孔として作用する。
【0052】
体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30として、エポキシ系樹脂を主成分とするバインダと、平均粒子径5μmの銀をフィラーとする加熱硬化型ペーストを使用した。ビアホール25および小孔26に充填する導電性樹脂としては、銀ペースト以外に、表面を銀で被覆した銅粒子をフィラーとするペーストを使用することもできる。また、溶媒成分が少なく、乾燥および硬化時の体積減少が僅かであれば、樹脂の種類を問わない。
【0053】
つぎに、第2の加熱硬化工程加熱硬化工程として、充填した体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30を加熱硬化させ、第2導電部31(図2(f)参照)を形成する。
【0054】
体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30は、揮発性溶媒成分を殆ど含まず、硬化後の体積収縮がない、あるいは極く少ないので、硬化した体積非収縮硬化型の導電性樹脂による第2導電部31は、ビアホール25および小孔26内を隙間なく満たし、ビアホール25の内部に構造欠陥となるような空洞が生じることを回避する。
【0055】
以上で、1枚の多層配線基板用基材(基本配線板)40が完成する。
【0056】
多層配線基板の製作は、図3に示されているように、複数枚の多層配線基板用基材40を重ね合わせて多層化接合を行う。この多層化接合工程は、加熱プレス装置を用い、接着層23を構成する熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度と接着層23に対する銅回路部24の埋め込み状態に応じて、加圧・加熱プロファイルを調整しながら、10〜50kPa程度の加圧力を印加しつつ、150〜350℃程度に加熱して行う。これにより、多層配線基板50が完成する。
【0057】
完成した多層配線基板50を観察すると、図3に示されているように、ビアホール25の内周には体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27の加熱硬化により得られた銅粒子層による約10μm厚の第1導通部28が存在し、その内側に銀粒子を含む導電性樹脂による第2導通部31が形成され、2重構造の導体部(IVH)が形成されていた。
【0058】
評価用として図2に示されている製造プロセスによって2層基板を作製し、高温高湿バイアス試験(HHBT)を行った。比較のため、銀ペーストおよび銅ペーストのみからなるビアを有する基板を作製し、並行して同じ試験を実施した。
【0059】
試験条件を、温度60℃、湿度95%RH、印加電圧5.5Vとした場合は、3者(本発明の基板、比較用の銅ペーストのみの基板、比較用の銀ペーストのみの基板)とも、1000時間後における隣接ビア間の電気抵抗は100MΩ以上を保った。
【0060】
試験条件を、温度85℃、湿度85%RH、印加電圧5.5Vとした場合は、本発明の基板と比較用の銅ペーストのみの基板は、1000時間後における隣接ビア間の電気抵抗は100MΩ以上を保ったが、比較用の銀ペーストのみの基板では、100時間後から隣接ビア間の電気抵抗が徐々に低下し始め、300時間後には、隣接ビア間が短絡した。また、ビア部の電気抵抗値の変化を調べたところ、本発明の基板では、測定誤差範囲内(5%以内)の変化にとどまったのに比べ、比較用の銅ペーストのみの基板は、試験時間の経過とともに電気抵抗値が増大し、1000時間後には最大30%の抵抗増加が見られた。
【0061】
この発明による多層配線基板用基材は、他の実施形態として、図4(a)に示されているように、ビアホール形成以前に、接着層23の表面側にPETフィルム等によるマスキングテープ32を貼着し、ビアホール25を形成する。
【0062】
そして、マスキングテープ貼着状態で、ビアホール25に銅粒子フィラーによる体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第1の充填工程と、ビアホール25に充填された銅粒子フィラーによる体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第1導電部28を形成する第1の加熱硬化工程と、ビアホール25の第1導電部28の内側に銀粒子フィラーによる体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第2の充填工程と、第1導電部28の内側に充填された銀粒子フィラーによる体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第2導電部31を形成する第2の加熱硬化工程を順に行う。
【0063】
第2の加熱硬化工程完了後に、マスキングテープ32を剥がす。これにより、図4(b)に示されているように、接着層23の側に、マスキングテープ32の厚さに相当する寸法の導電性樹脂突起部33が形成される。導電性樹脂突起部33は、多層化の積層プレスによる他層の導電層に対する突き刺し接触を良好にし、接触抵抗を小さくする効果を生じる。
【0064】
また、この発明による多層配線基板用基材は、他の実施形態として、図5に示されているように、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層34を、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものなど、絶縁樹脂層自体が層間接着のための接着性を有するもので構成することができる。この場合には、絶縁樹脂層34の一方の面に銅回路部24をなす銅箔等による導電層を設け、他方の面の接着層を省略できる。
【0065】
この多層配線基板用基材では、絶縁樹脂層34にビアホール25が穿設され、銅回路部24に小孔26が穿設され、前述の実施形態と同様に、ビアホール25、小孔26の内周面(ビア外周部)を取り巻く銅粒子フィラーを含む導電性樹脂による第1導電部28と、第1導電部28の内側を埋める銀粒子フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部31とによる2重構造になっている。
【0066】
この実施形態でも、ビアホール25の内周面を取り巻く銅粒子フィラーを含む導電性樹脂による第1導電部28によって優れた耐イオンマイグレーション性が得られ、ビアホール25の内部が銀粒子フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部31によって埋められていることにより、低電気抵抗で層間導通の導電率を高めることができ、併せて多層化の積層プレス時に他層の導電層に対して安定した突き刺し接触を得ることができる。
【0067】
また、この発明の多層配線基板用基材は、出発材料として、熱可塑性挙動を示す液晶ポリマーを絶縁層として用いたCCLを使用することもできる。
【0068】
また、上述の実施形態では、銅回路部24に小孔26をあけたが、この発明は、図6に示されているように、銅回路部24に小孔26があけられていないものにも、同様に適用でき、同様の効果を得ることができる。
【0069】
この実施形態では、樹脂ペースト充填時の気泡の巻き込みを抑制し、樹脂ペースト充填量を精密に制御する目的で、真空印刷機を用いて樹脂ペーストの充填が行われることが好ましい。
【0070】
図7(a)〜(c)は、この発明による多層配線基板用基材の他の実施形態を示している。この実施形態では、ビアホール25が、ポリイミドフィルム21、接着層23、銅回路部24の全てをストレートに貫通している。
【0071】
この場合、図7(a)に示されているように、第1の樹脂ペースト充填工程として、ビアホール25の口径より大きいパターンを有するマスキングテープ(図示省略)を銅回路部24の側に貼り付け、接着層23の表面側からスクリーン印刷法等によって、銅粒子フィラーによる体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27を、ビアホール25に穴埋め充填する。これにより、銅回路部24の表面に接触して広がる導電性樹脂ペースト27による拡張部27Aが形成される。
【0072】
つぎに、第1の加熱硬化工程として、ビアホール25に充填された銅粒子フィラーによる体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27を加熱硬化し、第1導電部28を形成する。
【0073】
体積収縮硬化型の導電性樹脂ペースト27は、加熱硬化により体積収縮する。これにより、図7(b)に示されているように、ビアホール25の内周面を取り巻くように固化した銅粒子フィラーによる導電性樹脂によって第1導電部28が形成される。そして、第1導電部28の内側に空間29が形成される。拡張部27Aは、銅回路部24の表面に接触して広がる拡大導電部28Aとなり、第1導電部28と銅回路部24との接触面積を増大し、第1導電部28と銅回路部24との接触抵抗を低減する。
【0074】
つぎに、第2の樹脂充填工程として、図7(c)に示されているように、ビアホール25に形成されている第1導電部28の内側の空間29の全体に、銀粒子フィラーによる体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30をスクリーン印刷法等によって穴埋め充填する。
【0075】
つぎに、第2の加熱硬化工程として、充填した銀粒子フィラーによる体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30を加熱硬化させ、第2導電部31(図7(c)参照)を形成する。
【0076】
体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペースト30は、揮発性溶媒成分を殆ど含まず、硬化後の体積収縮がない、あるいは極く少ないので、この実施形態でも、硬化した銀粒子フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部31(図7(c)参照)は、ビアホール25内を隙間なく満たし、ビアホール25の内部に構造欠陥となるような空洞が生じることを回避し、低電気抵抗で層間導通の導電率を高める。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法によれば、ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、ビアホールの内周面を取り巻く銀以外の導電性フィラーを含む導電性樹脂による第1導電部と、第1導電部の内側を埋める銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっているので、優れた耐イオンマイグレーション性が得られ、高温高湿下の使用でもイオンマイグレーションによる短絡を生じることがなく、しかも多層接続電気回路の電気抵抗が低く、優れた電気的特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図3】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板の一実施形態を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)はこの発明の他の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図5】この発明の他の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図6】この発明の他の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)はこの発明の他の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図8】(a)〜(h)は従来の多層配線基板の製造工程を示す工程図である。
【図9】(a)〜(f)は従来の他の多層配線基板の製造工程を示す工程図である。
【図10】従来の多層配線基板のビア部分を示す断面図である。
【図11】従来の多層配線基板のビア部分を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 多層配線基板用基材
11 絶縁樹脂層
12 配線パターン部
13 接着層
14 ビアホール
15 第1導電部
16 第2導電部
21 ポリイミドフィルム
22 銅箔
20 片面銅張基板
24 銅回路部
25 ビアホール
26 小孔
27 銅粒子フィラーによる導電性樹脂ペースト
28 第1導電部
30 銀粒子フィラーによる導電性樹脂ペースト
31 第2導電部
34 絶縁樹脂層
40 多層配線基板用基材
50 多層配線基板

Claims (11)

  1. ビアホールに導電性樹脂が充填されて導電部を形成し、前記導電部により層間導通を得る多層配線基板用基材であって、
    前記ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、前記ビアホールの内周面を取り巻く第1の導電性樹脂による第1導電部と、前記第1導電部の内側を埋める第2の導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっており、
    前記第1の導電性樹脂が銀よりマイグレーション度が低い導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成され、前記第2の導電性樹脂が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成されている多層配線基板用基材。
  2. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、少なくも前記絶縁性基材と前記接着層に連続形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性樹脂を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、前記ビアホールの内周面を取り巻く第1の導電性樹脂による第1導電部と、前記第1導電部の内側を埋める第2の導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっており、
    前記第1の導電性樹脂が銀以外の導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成され、前記第2の導電性樹脂が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成されている多層配線基板用基材。
  3. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、少なくとも前記絶縁性基材に形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性樹脂を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記ビアホールに充填された導電性樹脂による導電部が、前記ビアホールの内周面を取り巻く第1の導電性樹脂による第1導電部と、前記第1導電部の内側を埋める第2の導電性樹脂による第2導電部とによる2重構造になっており、
    前記第1の導電性樹脂が銀以外の導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成され、前記第2の導電性樹脂が銀を主成分とする導電性フィラーを含む導電性樹脂により構成されている多層配線基板用基材。
  4. 前記導電層に前記ビアホールの口径より小径の小孔があけられている請求項2または3記載の多層配線基板用基材。
  5. 前記絶縁性基材と共に前記導電層にも前記ビアホールが形成され、前記第1導電部は前記導電層の表面に接触して広がる拡大導電部を有する請求項2または3記載の多層配線基板用基材。
  6. 前記第1の導電性樹脂は、銀以外の導電性フィラーとして、銅、白金、カーボン、ニッケルの少なくとも1つを主成分とする導電性フィラーを含んでいる請求項1〜5の何れか1項記載の多層配線基板用基材。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合してなる多層配線基板。
  8. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、少なくも前記絶縁性基材と前記接着層にビアホールを穿孔する穿孔工程と、
    前記ビアホールに銀よりマイグレーション度が低い導電性フィラーを含み溶媒蒸発による体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第1の充填工程と、
    前記ビアホールに充填された前記体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して内側に空間を有する第1導電部を形成する第1の加熱硬化工程と、
    前記ビアホールの前記第1導電部の内側の空間に銀を主成分とする導電性フィラーを含む体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第2の充填工程と、
    前記第1導電部の内側に充填された前記体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第2導電部を形成する第2の加熱硬化工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  9. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けらたものの、少なくも前記絶縁性基材にビアホールを穿孔する穿孔工程と、
    前記ビアホールに銀以外の導電性フィラーを含み溶媒蒸発による体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第1の充填工程と、
    前記ビアホールに充填された前記体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第1導電部を形成する第1の加熱硬化工程と、
    前記ビアホールの前記第1導電部の内側に銀を主成分とする導電性フィラーを含む体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを充填する第2の充填工程と、
    前記第1導電部の内側に充填された前記体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストを加熱硬化して第2導電部を形成する第2の加熱硬化工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  10. 前記体積収縮硬化型の導電性樹脂ペーストとして、銅、白金、カーボン、ニッケルの少なくとも1つを主成分とする導電性フィラーを揮発性溶媒によるウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェーノル樹脂等の体積収縮硬化型の樹脂バインダに混ぜてペースト状にしたものを用いる請求項8または9記載の多層配線基板用基材の製造方法。
  11. 前記体積非収縮硬化型の導電性樹脂ペーストとして、銀を主成分とする導電性フィラーをエポキシ樹脂等の体積収縮硬化型の樹脂バインダに混ぜてペースト状にしたものを用いる請求項8〜10の何れか1項記載の多層配線基板用基材の製造方法。
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