JP2004221192A - 多層基板、多層基板用基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実な層間の電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、一括積層の利点を損ねることなく、両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成すること。
【解決手段】絶縁性基材11の両面に配線パターン12、13をなす導体層を有し、一方の面の導体層(12)と絶縁性基材11に所定ビアホール径によるビアホール14が形成され、他方の面の導体層(13)にはビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15があけられ、ビアホール14と小孔15に導電性ペースト16が充填され、この導電性ペースト16はビアホール開口の前記導体層(12)上にフランジ状に拡張された拡張部17を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁性基材11の両面に配線パターン12、13をなす導体層を有し、一方の面の導体層(12)と絶縁性基材11に所定ビアホール径によるビアホール14が形成され、他方の面の導体層(13)にはビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15があけられ、ビアホール14と小孔15に導電性ペースト16が充填され、この導電性ペースト16はビアホール開口の前記導体層(12)上にフランジ状に拡張された拡張部17を含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層基板、多層基板用基材およびその製造方法に関し、特に、2層以上の配線層を有する多層配線板、パッケージ基板等の多層基板、多層基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、半導体チップや部品の小型化および端子の狭ピッチ化に連動して、プリント基板(配線基板)にも実装面積の縮小や配線の精細化が進んでいる。同時に、情報関連機器では、信号周波数の広帯域化に対応して部品間を連結する配線の短距離化が求められており、高密度、高性能を達成するためのプリント基板の多層化は必要不可欠の技術となっている。
【0003】
多層基板では、従来の平面回路にはなかった層間を電気的に接続する回路形成がキーテクノロジーである。多層基板の第1ステップである両面配線基板は、絶縁基材に貫通孔をあけ、貫通孔の内壁面に沿って導体をめっきして表裏の配線を導通接続している。
【0004】
IBM社のSLC(Surface Laminar Circuit)に代表されるビルドアップ多層基板においても、回路層間の絶縁層の一部を感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法やレーザ加工等で除去し、めっきで導通接続する方法を用いている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
めっきを用いた配線の導通接続は、微細な回路を低抵抗で導通接続できる利点を持つが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層基板の用途を制限する要因となっている。
【0006】
近年、めっきに代わる安価な層間接続方法として、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、東芝グループのB2bit(Buried Bump Interconnection Technology)に代表される導電性樹脂を用いた多層基板が実用化され、多層基板の用途が急速に拡大し始めている(例えば、特許文献1、2、非特許文献2参照)。
【0007】
ALIVHでは、図9(a)〜(h)に示されているように、絶縁樹脂板101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、印刷法によってビアホール102に導電性ペースト(導電樹脂)103を充填し、所望の箇所に導電性ペースト103による表裏導通接続部を有する絶縁基材104を作成する。そして、絶縁基材104の表裏に銅箔105を圧着し、エッチングにより配線パターン(銅箔回路)106を形成し、これに、絶縁基材104、銅箔105を圧着し、配線パターンを形成することを繰り返しを行い、多層基板100を得る。
【0008】
ALIVHの工法以外にも、SLCのように、絶縁層として感光性樹脂を用いて露光・現像を行うことにより、ビアホールを形成したり、ケミカルあるいはドライエッチングによって樹脂を除去する方法も適用できる可能性がある。
【0009】
導電性樹脂を用いた多層基板は、安価である反面、導電性樹脂部分の電気抵抗が高く、銅箔回路との接触抵抗が安定しないなどのいくつかの欠点もあるが、それらも徐々に克服されつつある。
【0010】
マルチチップモジュールなど、ベアチップを実装する基板では、配線の高密度化に伴って多層板を構成する単層の厚さが減少する傾向にある。この層厚の減少によって絶縁性フィルム単体では、基板のたわみやしわが発生し易くなり、寸法安定性が確保し難くなっている。
【0011】
このことに対し、層間接続に導電性樹脂を用いる多層配線基板の製造方法として、図10(a)〜(d)と(a’)〜(d’)および(e)、(f)に示されているように、片面銅箔付きフィルム201や両面銅箔付きフィルム301を出発材とし、これら銅箔付きフィルム201、301にビアホール(バイアホール)202、302を貫通形成し、ビアホール202、302に導電性性樹脂203、303を充填してインナビアを形成し、銅箔付きフィルム201、301の銅箔204、304をエッチングして配線パターン(銅箔回路)205、305を形成したものを貼り合わせて多層配線基板200を得る製造方法がある。
【0012】
また、図11(a)〜(f)に示されているように、片面銅箔付きフィルム401を出発材とし、片面銅箔付きフィルム401の銅箔402をエッチングして配線パターン(銅箔回路)403を形成し、片面銅箔付きフィルム401の絶縁フィルム層404にビアホール(バイアホール)405をあけ、ビアホール405に導電性ペースト406を充填してインナビアを形成したものを貼り合わせて多層基板400を得る製造方法がある。
【0013】
この製造方法では、樹脂フィルムを絶縁層としてそれに銅箔による導体層を貼り付けられている銅張基板を出発材としていることにより、フィルムの剛性が高まり、高い寸法精度を維持できる。この種の多層基板の製造方法は、本願出願人と同一の出願人による特願2002−76335号や特願2002−46160号等で提案されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−302957号公報
【特許文献2】
特開平9−85835号公報
【非特許文献1】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、53頁〜76頁
【非特許文献2】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、77頁〜79頁
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図10、11に示されている従来技術では、片面銅箔付きフィルムや両面銅箔付きフィルムを出発材とし、積層前に回路形成を行い、一括積層による多層化を行うことができるから、短納期で、歩留まりよく多層基板を製造できる。
【0016】
しかし、図10に示されている従来技術では、インナビアの導電性ペースト203、303と銅箔回路205、305との接触面積が小さいことにより、導通抵抗が大きく、導通信頼性に欠け、確実な電気的接続を得ることが難しい。
【0017】
図11に示されている従来技術では、インナビアの導電性ペースト406と銅箔回路403との接触面積を大きく取ることができ、導通抵抗、導通信頼性の問題は解決されるが、多層基板の最下層は樹脂面となる。この面にも、回路形成を行うためには、この樹脂面に、別途、銅箔402を貼り合わせ、これに回路形成を行う必要が生じ、一括積層の利点が損なわれる。
【0018】
この発明は、上述の如き課題を解決するためになされたもので、インナビアの導電性ペーストと導体回路との導通抵抗、導通信頼性の問題を生じることがなく、確実な層間の電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、一括積層の利点を損ねることなく最上層と最下層の両面に回路を形成できる多層基板、すなわち、両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成する多層基板用基材およびその多層基板用基材を用いた多層基板、および多層基板用基材の製造方法を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層基板用基材は、絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導体層を有し、一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、他方の面の前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストはビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む。
【0020】
この発明による多層基板用基材によれば、一方の面(ビアホール開口側)の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続は、拡張部によって比較的広い接触面積をもって行われ、他方の面の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続は、ビアホール底面をなす導体層裏面によって比較的広い接触面積をもって行われる。このビアホール底面をなす導体層には小孔があれられているので、ビアホールに対する導電性ペーストの充填時に、小孔が空気抜き孔として作用し、ビアホールに対する導電性ペーストの充填が残留気泡等を生じることなく、確実に行われる。
【0021】
また、導電性ペーストは小孔にも充填されていてよく、他方の面の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続が、さらに確実になる。
【0022】
この発明による多層基板用基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂フィルムなどによって構成された絶縁性基材の両面に銅箔層を有する両面銅張積層板により構成することができる。また、導電性ペーストとしては、熱硬化性樹脂に導電性フィラを混入したものを用いることができる。
【0023】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層基板は、上述した発明による多層基板用基材を含む。詳細には、この多層基板は、上述した発明による多層基板用基材(タイプC)と、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填された多層基板用基材(タイプB)との組み合せ、あるいは、上述した発明による多層基板用基材(タイプC)と、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、当該導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストがビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む多層基板用基材(タイプA)と組み合せによって構成される。
【0024】
この発明による多層基板によれば、1枚のタイプCの多層基板用基材を、最上層あるいは最下層の基板とし、これの片側に少なくとも1枚のタイプBあるいはタイプAの多層基板用基材を積層することにより、あるいは1枚のタイプCの多層基板用基材を中間層との基板とし、その両側に少なくとも1枚のタイプBあるいはタイプAの多層基板用基材を積層することにより、確実な電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成できる。
【0025】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールを形成し、他方の面の前記導体層に前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔をあける工程と、ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する工程と含む。
【0026】
また、この発明による多層基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の両面の導体層に回路形成を行うと共に、一方の面の前記導体層に所定ビアホール径による孔を形成し、他方の面の前記ビアホール径より小径の小孔を形成するエッチング工程と、絶縁性基材に所定ビアホール径による孔を形成して前記一方の面の前記導体層の孔と共にビアホールを完成する穿孔工程と、ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する導電性ペースト充填工程とを含む。
【0027】
この発明による多層基板用基材の製造方法は、上述の拡張部を形成するために、ビアホール開口側の前記導体層上に、前記ビアホール径より大径の開口を有するマスク部材を載せ、当該マスク部材上より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層基板用基材(タイプC)の基本構成を示している。
【0029】
図1に示されている多層基板用基材10は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の両面に銅箔等による配線パターン部(導体層)12、13を有している。この多層基板用基材10は、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムによる絶縁樹脂層11の両面に銅箔層を有する両面銅張積層板により構成することができる。
【0030】
一方の面の配線パターン部12と絶縁樹脂層11には所定ビアホール径によるビアホール14が形成され、他方の面の配線パターン部13にはビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15があけられいる。
【0031】
ビアホール14と小孔15には導電性ペースト16が満杯に充填されている。導電性ペースト16はビアホール開口側の配線パターン部12上にフランジ状に拡張された拡張部17が形成されている。導電性ペースト16は、エボキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に、銀、銅等の導電性フィラを混入したものである。この導電性ペースト16としては、銀、銅等を主成分とする平均粒子径が3μm〜10μm程度の金属粉末をエポキシ樹脂等による熱硬化型の樹脂バインダで固着した導電性樹脂等、揮発性の溶媒成分を殆ど含まず、加熱硬化によって体積収縮がないもの、少ないものが好適である。
【0032】
この多層基板用基材10では、ビアホール14の導電性ペースト16と一方の配線パターン部12との導通接続は、配線パターン部12のビアホール内周面に加えて、導電性ペースト16の拡張部17と配線パターン部12の上面12Aとの比較的広い接触面積をもって行われる。また、ビアホール14の導電性ペースト16と他方の配線パターン部13との導通接続は、ビアホール14の導電性ペースト16とビアホール底面をなす導体層裏面13Aとの比較的広い接触面積をもって行われる。
【0033】
これにより、ビアホール14の導電性ペースト16は配線パターン部12、13の何れにも、低い導通抵抗で、高い導通信頼性をもって導通接続され、確実な電気的接続を得ることができる構造になる。
【0034】
多層基板用基材10は、両面銅張積層板のような両面導体張積層板を出発材とし、一方の面の配線パターン部(導体層)12と絶縁樹脂層11に所定ビアホール径によるビアホール14を形成し、他方の面の配線パターン部(導体層)13にビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15をあけ、ビアホール開口側の配線パターン部12の側より、ビアホール14と小孔15に導電性ペースト16を充填すると共に、この充填工程で、ビアホール開口側の配線パターン部12上にフランジ状に拡張された導電性ペースト16による拡張部17を形成することにより製造できる。
【0035】
つぎに、この発明によるタイプCの多層基板用基材の製造方法の一実施形態を図2(a)〜(e)を参照して説明する。
【0036】
図2(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム21の両面に導体層をなす銅箔22、23を設けられた両面銅張基板(両面銅箔付きポリイミド基材)20を出発材とする。ここで使用する両面銅張基板20には、ポリイミド等の絶縁樹脂と導体箔とを接着剤を用いて接着したタイプ、銅箔上にポリイミドの前駆体を塗布して加熱焼成したタイプやポリイミドフィルム上に金属膜を蒸着したタイプ、蒸着した金属膜をシード層としてめっきにより銅を成長させたタイプがある。好ましくは、ポリイミドフィルム21と銅箔22、23との間に接着層が介在しない接着剤レス銅張基板を用いる。
【0037】
まず、エッチング工程として、ロールラミネータを用いて銅箔22、23の各々の表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光・現像してレジストマスクパターン(図示省略)を形成した後、塩化第二鉄溶液を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図2(b)に示されているように、銅箔22に銅回路部24を形成すると共に所定ビアホール径(100μm程度)による孔25を開口し、銅箔23に銅回路部26を形成すると共にビアホール径より小径(30〜50μm程度)の小孔27を開口する。レジストマスクパターンはエッチング完了後に剥離除去する。
【0038】
つぎに、穿孔工程として、孔25をあけられている銅回路部24の側からポリイミドフィルム21に炭酸ガスレーザを照射し、図2(c)に示されているように、ポリイミドフィルム21に所定ビアホール径(孔25と同径)による孔28を形成する。これにより、孔25と孔28により、銅回路部24とポリイミドフィルム21とをストレートに連通するビアホール29が完成する。ビアホール29と小孔27とは中心が一致している。孔25および27をエッチングにより形成せずレーザ照射によって銅24、ポリイミド21、底面銅26の順にピアホールおよび小孔を開口することもできる。
【0039】
この穿孔工程は、炭酸ガスレーザ以外に、YAGレーザやエキシマレーザを用いることも可能である。また、銅箔をマスクとしてプラズマエッチングや適当なや薬液を用いた化学エッチングを適用することもできる。
【0040】
つぎに、図2(d)に示されているように、導電性ペースト充填工程として、銅回路部24上に、ビアホール径より大径の開口91を有するメタルマスク90を載せ、メタルマスク90上よりスキージプレート92を用いたスクリーン印刷法によって、銀粒子を導電性フィラとした導電性ペースト30を、開口91、ビアホール29、小孔27の全てに穴埋め充填する。
【0041】
小孔27は、この導電性ペースト充填時に、ビアホール29の空気抜き孔として作用する。また、この導電性ペースト充填時に、小孔27側を減圧することにより、小孔27を含む導電性ペースト30の充填が、より確実になる。
【0042】
なお、導電性ペースト充填は、スクリーン印刷法以外に、ディスペンサやインクジェット方式の印刷機によって行うこともできる。
【0043】
また、導電性ペースト30は、銀ペースト以外に、表面を銀で被覆した銅粒子をフィラとするペーストを使用することもできる。また、溶媒成分が少なく、乾燥および硬化時の体積減少が僅かであれば、樹脂の種類を問わない。
【0044】
樹脂ペースト充填完了後にメタルマスク90を取り外す。これにより、図2(e)に示されているように、ビアホール開口側の銅回路部24上にフランジ状に拡張された導電性ペースト30による拡張部31が形成される。拡張部31の大きさはメタルマスク90の開口91の大きさにより決まる。この実施形態では、導体ランドと同径とした。
【0045】
この後に、加熱により拡張部31を含む導電性ペースト30を硬化させることにより、1枚の多層基板用基材(基本配線板)40が完成する。この多層基板用基材40は、単体の両面配線板としても機能し、従来、スルーホールによって接続されていた両面配線板に比べてめっき工程を必要としないこと、ビア直上にも部品を実装できるなどの点で優れている。
【0046】
つぎに、上述したタイプCの多層基板用基材40と組み合わせられて多層基板を構成するタイプBの多層基板用基材60の製造手順を、図3(a)〜(d)を参照して説明する。
【0047】
図3(a)に示されているように、ポリイミドフィルム51の片面に銅箔52を設けられた片面銅張基板(片面銅箔付きポリイミド基材)50を出発材とし、エッチングレジスト(図示省略)を銅箔52上に形成し、図3(b)に示されているように、ケミカルエッチングによって銅回路部53を形成すると共にビアホール径より小径の小孔54を開口する。
【0048】
つぎに、図3(b)に示されているように、ポリイミドフィルム51の銅回路部53とは反対側の表面に層間接着用の接着層55を形成する。さらに、接着層55の表面にPET製のマスキングテープ56を貼り合わせる。
【0049】
接着層55は、ワニスタイプの場合には、ロールコータ、スクリーン印刷機を用いて塗布することにより形成でき、フィルムタイプの場合には、ラミネータを用いて熱圧着することにより形成できる。この例では、接着層55として熱可塑性を有するポリイミドを用いた。熱可塑性を有するポリイミドとしては、ポリエーテルイミド(PEI)かポリエーテルケトン(PEEK)系材料なども使用できる。
【0050】
回路形成と接着層形成の工程は順番を逆にすることもできる。また、絶縁性基材として液晶ポリマ等の熱可塑性樹脂を用いる場合には、絶縁性基材自体が加熱によって接着性を示すから、接着層55を省略できる。
【0051】
つぎに、図3(c)に示されているように、レーザ照射によって、ポリイミドフィルム51、接着層55、マスキングテープ56にビアホール57を形成する。ビアホール57と小孔54とは中心が一致している。
【0052】
つぎに、マスキングテープ56の側から印刷法によって導電性ペースト58をバイアホール57、小孔54に充填する。導電性ペースト58には、Ag/エポキシ樹脂系の穴埋めペーストを使用した。導電性ペースト充填後に、マスキングテープ56を剥がす。これにより、図3(d)に示されているように、層間接着面側に導電性ペースト58による突起58Aが形成され、タイプBの多層基板用基材60が完成する。なお、突起58Aは、多層化時に、相手側の銅箔等に押し付けられ、層間接続信頼性を高める。
【0053】
図4、図5は各々、この発明による多層基板の実施形態として、1枚のタイプCの多層基板用基材40と、2枚のタイプBの多層基板用基材60の組み合せによる3層構造の多層基板を示している。
【0054】
図4に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を最下層とし、これの上に、2枚のタイプBの多層基板用基材60を一括積層したものである。
図5に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を中間層とし、これの両側に、各々1枚のタイプBの多層基板用基材60を一括積層したものである。
【0055】
何れの場合も、多層基板用基材40、60の一括積層だけで、確実な層間の電気的接続を確保し、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板が製作される。
【0056】
つぎに、上述したタイプCの多層基板用基材40と組み合わせられて多層基板を構成するタイプAの多層基板用基材80の製造手順を、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
【0057】
図6(a)に示されているように、ポリイミドフィルム71の片面に銅箔72を設けられた片面銅張基板(片面銅箔付きポリイミド基材)70を出発材とし、エッチングレジスト(図示省略)を銅箔72上に形成し、図6(b)に示されているように、ケミカルエッチングによって銅回路部73を形成する。
【0058】
つぎに、図6(b)に示されているように、ポリイミドフィルム71の銅回路部73とは反対側の表面に層間接着用の接着層74を形成する。さらに、接着層74の表面にPET製のマスキングテープ75を貼り合わせる。
【0059】
接着層74も、ワニスタイプの場合には、ロールコータ、スクリーン印刷機を用いて塗布することにより形成でき、フィルムタイプの場合には、ラミネータを用いて熱圧着することにより形成できる。この例では、接着層74として熱可塑性を有するポリイミドを用いた。熱可塑性を有するポリイミドとしては、ポリエーテルイミド(PEI)かポリエーテルケトン(PEEK)系材料なども使用できる。
【0060】
回路形成と接着層形成の工程は順番を逆にすることもできる。また、絶縁性基材として液晶ポリマ等の熱可塑性樹脂を用いる場合には、絶縁性基材自体が加熱によって接着性を示すから、接着層74を省略できる。
【0061】
つぎに、図6(c)に示されているように、レーザ照射によって、銅回路部73、ポリイミドフィルム71、接着層74、マスキングテープ75にビアホール76を形成する。本工程はドリルを用いることもできるし銅73に予めピアホール径に相当する穴をあけておき、それをマスクとしてエッチング法を用いることもできる。
【0062】
つぎに、銅回路部73上に、ビアホール径より大径の開口94を有するメタルマスク95を載せ、メタルマスク95上よりスクリーン印刷法によって、導電性ペースト78を開口94、バイアホール76に充填する。導電性ペースト78には、Ag/エポキシ樹脂系の穴埋めペーストを使用した。
【0063】
導電性ペースト充填後に、メタルマスク95を取り外し、マスキングテープ75を剥がす。これにより、図6(d)に示されているように、銅回路部74上にフランジ状に拡張された導電性ペースト78による拡張部79が形成される。また、層間接着面側に導電性ペースト78による突起78Aが形成され、タイプAの多層基板用基材80が完成する。なお、突起78Aは、多層化時に、相手側の銅箔等に押し付けられ、層間接続信頼性を高める。
【0064】
図7、図8は各々、この発明による多層基板の実施形態として、1枚のタイプCの多層基板用基材40と、2枚のタイプAの多層基板用基材80の組み合せによる3層構造の多層基板を示している。
【0065】
図7に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を最下層とし、これの上に、2枚のタイプAの多層基板用基材80を一括積層したものである。
図8に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を中間層とし、これの両側に、各々1枚のタイプAの多層基板用基材80を一括積層したものである。
【0066】
何れの場合も、多層基板用基材40、80の一括積層だけで、確実な層間の電気的接続を確保し、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板が製作される。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層基板、多層基板用基材およびその製造方法によれば、インナビアの導電性ペーストと導体回路との導通抵抗、導通信頼性の問題を生じることがなく、確実な層間の電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、一括積層の利点を損ねることなく、両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に係わる多層基板用基材を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図3】(a)〜(d)は多層基板用基材の製造手順を示す工程図である。
【図4】この発明による多層基板の一つの実施形態を示す断面図である。
【図5】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は多層基板用基材の製造手順を示す工程図である。
【図7】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図9】(a)〜(h)は従来の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【図10】(a)〜(f)、(a’)〜(d’)は従来の他の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【図11】(a)〜(f)は従来の他の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
10 多層基板用基材
11 絶縁樹脂層
12、13 配線パターン部
14 ビアホール
15 小孔
16 導電性ペースト
17 拡張部
20 両面銅張基板
21 ポリイミドフィルム
22、23 銅箔
24 銅回路部
25 孔
26 銅回路部
27 小孔
28 孔
29 ビアホール
30 導電性ペースト
31 拡張部
40 多層基板用基材
50 片面銅張基板
60 多層基板用基材
70 片面銅張基板
80 多層基板用基材
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層基板、多層基板用基材およびその製造方法に関し、特に、2層以上の配線層を有する多層配線板、パッケージ基板等の多層基板、多層基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、半導体チップや部品の小型化および端子の狭ピッチ化に連動して、プリント基板(配線基板)にも実装面積の縮小や配線の精細化が進んでいる。同時に、情報関連機器では、信号周波数の広帯域化に対応して部品間を連結する配線の短距離化が求められており、高密度、高性能を達成するためのプリント基板の多層化は必要不可欠の技術となっている。
【0003】
多層基板では、従来の平面回路にはなかった層間を電気的に接続する回路形成がキーテクノロジーである。多層基板の第1ステップである両面配線基板は、絶縁基材に貫通孔をあけ、貫通孔の内壁面に沿って導体をめっきして表裏の配線を導通接続している。
【0004】
IBM社のSLC(Surface Laminar Circuit)に代表されるビルドアップ多層基板においても、回路層間の絶縁層の一部を感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法やレーザ加工等で除去し、めっきで導通接続する方法を用いている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
めっきを用いた配線の導通接続は、微細な回路を低抵抗で導通接続できる利点を持つが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層基板の用途を制限する要因となっている。
【0006】
近年、めっきに代わる安価な層間接続方法として、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、東芝グループのB2bit(Buried Bump Interconnection Technology)に代表される導電性樹脂を用いた多層基板が実用化され、多層基板の用途が急速に拡大し始めている(例えば、特許文献1、2、非特許文献2参照)。
【0007】
ALIVHでは、図9(a)〜(h)に示されているように、絶縁樹脂板101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、印刷法によってビアホール102に導電性ペースト(導電樹脂)103を充填し、所望の箇所に導電性ペースト103による表裏導通接続部を有する絶縁基材104を作成する。そして、絶縁基材104の表裏に銅箔105を圧着し、エッチングにより配線パターン(銅箔回路)106を形成し、これに、絶縁基材104、銅箔105を圧着し、配線パターンを形成することを繰り返しを行い、多層基板100を得る。
【0008】
ALIVHの工法以外にも、SLCのように、絶縁層として感光性樹脂を用いて露光・現像を行うことにより、ビアホールを形成したり、ケミカルあるいはドライエッチングによって樹脂を除去する方法も適用できる可能性がある。
【0009】
導電性樹脂を用いた多層基板は、安価である反面、導電性樹脂部分の電気抵抗が高く、銅箔回路との接触抵抗が安定しないなどのいくつかの欠点もあるが、それらも徐々に克服されつつある。
【0010】
マルチチップモジュールなど、ベアチップを実装する基板では、配線の高密度化に伴って多層板を構成する単層の厚さが減少する傾向にある。この層厚の減少によって絶縁性フィルム単体では、基板のたわみやしわが発生し易くなり、寸法安定性が確保し難くなっている。
【0011】
このことに対し、層間接続に導電性樹脂を用いる多層配線基板の製造方法として、図10(a)〜(d)と(a’)〜(d’)および(e)、(f)に示されているように、片面銅箔付きフィルム201や両面銅箔付きフィルム301を出発材とし、これら銅箔付きフィルム201、301にビアホール(バイアホール)202、302を貫通形成し、ビアホール202、302に導電性性樹脂203、303を充填してインナビアを形成し、銅箔付きフィルム201、301の銅箔204、304をエッチングして配線パターン(銅箔回路)205、305を形成したものを貼り合わせて多層配線基板200を得る製造方法がある。
【0012】
また、図11(a)〜(f)に示されているように、片面銅箔付きフィルム401を出発材とし、片面銅箔付きフィルム401の銅箔402をエッチングして配線パターン(銅箔回路)403を形成し、片面銅箔付きフィルム401の絶縁フィルム層404にビアホール(バイアホール)405をあけ、ビアホール405に導電性ペースト406を充填してインナビアを形成したものを貼り合わせて多層基板400を得る製造方法がある。
【0013】
この製造方法では、樹脂フィルムを絶縁層としてそれに銅箔による導体層を貼り付けられている銅張基板を出発材としていることにより、フィルムの剛性が高まり、高い寸法精度を維持できる。この種の多層基板の製造方法は、本願出願人と同一の出願人による特願2002−76335号や特願2002−46160号等で提案されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−302957号公報
【特許文献2】
特開平9−85835号公報
【非特許文献1】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、53頁〜76頁
【非特許文献2】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、77頁〜79頁
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図10、11に示されている従来技術では、片面銅箔付きフィルムや両面銅箔付きフィルムを出発材とし、積層前に回路形成を行い、一括積層による多層化を行うことができるから、短納期で、歩留まりよく多層基板を製造できる。
【0016】
しかし、図10に示されている従来技術では、インナビアの導電性ペースト203、303と銅箔回路205、305との接触面積が小さいことにより、導通抵抗が大きく、導通信頼性に欠け、確実な電気的接続を得ることが難しい。
【0017】
図11に示されている従来技術では、インナビアの導電性ペースト406と銅箔回路403との接触面積を大きく取ることができ、導通抵抗、導通信頼性の問題は解決されるが、多層基板の最下層は樹脂面となる。この面にも、回路形成を行うためには、この樹脂面に、別途、銅箔402を貼り合わせ、これに回路形成を行う必要が生じ、一括積層の利点が損なわれる。
【0018】
この発明は、上述の如き課題を解決するためになされたもので、インナビアの導電性ペーストと導体回路との導通抵抗、導通信頼性の問題を生じることがなく、確実な層間の電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、一括積層の利点を損ねることなく最上層と最下層の両面に回路を形成できる多層基板、すなわち、両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成する多層基板用基材およびその多層基板用基材を用いた多層基板、および多層基板用基材の製造方法を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層基板用基材は、絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導体層を有し、一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、他方の面の前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストはビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む。
【0020】
この発明による多層基板用基材によれば、一方の面(ビアホール開口側)の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続は、拡張部によって比較的広い接触面積をもって行われ、他方の面の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続は、ビアホール底面をなす導体層裏面によって比較的広い接触面積をもって行われる。このビアホール底面をなす導体層には小孔があれられているので、ビアホールに対する導電性ペーストの充填時に、小孔が空気抜き孔として作用し、ビアホールに対する導電性ペーストの充填が残留気泡等を生じることなく、確実に行われる。
【0021】
また、導電性ペーストは小孔にも充填されていてよく、他方の面の導体層とビアホールの導電性ペーストとの導通接続が、さらに確実になる。
【0022】
この発明による多層基板用基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂フィルムなどによって構成された絶縁性基材の両面に銅箔層を有する両面銅張積層板により構成することができる。また、導電性ペーストとしては、熱硬化性樹脂に導電性フィラを混入したものを用いることができる。
【0023】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層基板は、上述した発明による多層基板用基材を含む。詳細には、この多層基板は、上述した発明による多層基板用基材(タイプC)と、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填された多層基板用基材(タイプB)との組み合せ、あるいは、上述した発明による多層基板用基材(タイプC)と、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、当該導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストがビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む多層基板用基材(タイプA)と組み合せによって構成される。
【0024】
この発明による多層基板によれば、1枚のタイプCの多層基板用基材を、最上層あるいは最下層の基板とし、これの片側に少なくとも1枚のタイプBあるいはタイプAの多層基板用基材を積層することにより、あるいは1枚のタイプCの多層基板用基材を中間層との基板とし、その両側に少なくとも1枚のタイプBあるいはタイプAの多層基板用基材を積層することにより、確実な電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成できる。
【0025】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールを形成し、他方の面の前記導体層に前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔をあける工程と、ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する工程と含む。
【0026】
また、この発明による多層基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の両面の導体層に回路形成を行うと共に、一方の面の前記導体層に所定ビアホール径による孔を形成し、他方の面の前記ビアホール径より小径の小孔を形成するエッチング工程と、絶縁性基材に所定ビアホール径による孔を形成して前記一方の面の前記導体層の孔と共にビアホールを完成する穿孔工程と、ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する導電性ペースト充填工程とを含む。
【0027】
この発明による多層基板用基材の製造方法は、上述の拡張部を形成するために、ビアホール開口側の前記導体層上に、前記ビアホール径より大径の開口を有するマスク部材を載せ、当該マスク部材上より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層基板用基材(タイプC)の基本構成を示している。
【0029】
図1に示されている多層基板用基材10は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の両面に銅箔等による配線パターン部(導体層)12、13を有している。この多層基板用基材10は、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムによる絶縁樹脂層11の両面に銅箔層を有する両面銅張積層板により構成することができる。
【0030】
一方の面の配線パターン部12と絶縁樹脂層11には所定ビアホール径によるビアホール14が形成され、他方の面の配線パターン部13にはビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15があけられいる。
【0031】
ビアホール14と小孔15には導電性ペースト16が満杯に充填されている。導電性ペースト16はビアホール開口側の配線パターン部12上にフランジ状に拡張された拡張部17が形成されている。導電性ペースト16は、エボキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に、銀、銅等の導電性フィラを混入したものである。この導電性ペースト16としては、銀、銅等を主成分とする平均粒子径が3μm〜10μm程度の金属粉末をエポキシ樹脂等による熱硬化型の樹脂バインダで固着した導電性樹脂等、揮発性の溶媒成分を殆ど含まず、加熱硬化によって体積収縮がないもの、少ないものが好適である。
【0032】
この多層基板用基材10では、ビアホール14の導電性ペースト16と一方の配線パターン部12との導通接続は、配線パターン部12のビアホール内周面に加えて、導電性ペースト16の拡張部17と配線パターン部12の上面12Aとの比較的広い接触面積をもって行われる。また、ビアホール14の導電性ペースト16と他方の配線パターン部13との導通接続は、ビアホール14の導電性ペースト16とビアホール底面をなす導体層裏面13Aとの比較的広い接触面積をもって行われる。
【0033】
これにより、ビアホール14の導電性ペースト16は配線パターン部12、13の何れにも、低い導通抵抗で、高い導通信頼性をもって導通接続され、確実な電気的接続を得ることができる構造になる。
【0034】
多層基板用基材10は、両面銅張積層板のような両面導体張積層板を出発材とし、一方の面の配線パターン部(導体層)12と絶縁樹脂層11に所定ビアホール径によるビアホール14を形成し、他方の面の配線パターン部(導体層)13にビアホール14に開口するビアホール径より小径の小孔15をあけ、ビアホール開口側の配線パターン部12の側より、ビアホール14と小孔15に導電性ペースト16を充填すると共に、この充填工程で、ビアホール開口側の配線パターン部12上にフランジ状に拡張された導電性ペースト16による拡張部17を形成することにより製造できる。
【0035】
つぎに、この発明によるタイプCの多層基板用基材の製造方法の一実施形態を図2(a)〜(e)を参照して説明する。
【0036】
図2(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム21の両面に導体層をなす銅箔22、23を設けられた両面銅張基板(両面銅箔付きポリイミド基材)20を出発材とする。ここで使用する両面銅張基板20には、ポリイミド等の絶縁樹脂と導体箔とを接着剤を用いて接着したタイプ、銅箔上にポリイミドの前駆体を塗布して加熱焼成したタイプやポリイミドフィルム上に金属膜を蒸着したタイプ、蒸着した金属膜をシード層としてめっきにより銅を成長させたタイプがある。好ましくは、ポリイミドフィルム21と銅箔22、23との間に接着層が介在しない接着剤レス銅張基板を用いる。
【0037】
まず、エッチング工程として、ロールラミネータを用いて銅箔22、23の各々の表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光・現像してレジストマスクパターン(図示省略)を形成した後、塩化第二鉄溶液を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図2(b)に示されているように、銅箔22に銅回路部24を形成すると共に所定ビアホール径(100μm程度)による孔25を開口し、銅箔23に銅回路部26を形成すると共にビアホール径より小径(30〜50μm程度)の小孔27を開口する。レジストマスクパターンはエッチング完了後に剥離除去する。
【0038】
つぎに、穿孔工程として、孔25をあけられている銅回路部24の側からポリイミドフィルム21に炭酸ガスレーザを照射し、図2(c)に示されているように、ポリイミドフィルム21に所定ビアホール径(孔25と同径)による孔28を形成する。これにより、孔25と孔28により、銅回路部24とポリイミドフィルム21とをストレートに連通するビアホール29が完成する。ビアホール29と小孔27とは中心が一致している。孔25および27をエッチングにより形成せずレーザ照射によって銅24、ポリイミド21、底面銅26の順にピアホールおよび小孔を開口することもできる。
【0039】
この穿孔工程は、炭酸ガスレーザ以外に、YAGレーザやエキシマレーザを用いることも可能である。また、銅箔をマスクとしてプラズマエッチングや適当なや薬液を用いた化学エッチングを適用することもできる。
【0040】
つぎに、図2(d)に示されているように、導電性ペースト充填工程として、銅回路部24上に、ビアホール径より大径の開口91を有するメタルマスク90を載せ、メタルマスク90上よりスキージプレート92を用いたスクリーン印刷法によって、銀粒子を導電性フィラとした導電性ペースト30を、開口91、ビアホール29、小孔27の全てに穴埋め充填する。
【0041】
小孔27は、この導電性ペースト充填時に、ビアホール29の空気抜き孔として作用する。また、この導電性ペースト充填時に、小孔27側を減圧することにより、小孔27を含む導電性ペースト30の充填が、より確実になる。
【0042】
なお、導電性ペースト充填は、スクリーン印刷法以外に、ディスペンサやインクジェット方式の印刷機によって行うこともできる。
【0043】
また、導電性ペースト30は、銀ペースト以外に、表面を銀で被覆した銅粒子をフィラとするペーストを使用することもできる。また、溶媒成分が少なく、乾燥および硬化時の体積減少が僅かであれば、樹脂の種類を問わない。
【0044】
樹脂ペースト充填完了後にメタルマスク90を取り外す。これにより、図2(e)に示されているように、ビアホール開口側の銅回路部24上にフランジ状に拡張された導電性ペースト30による拡張部31が形成される。拡張部31の大きさはメタルマスク90の開口91の大きさにより決まる。この実施形態では、導体ランドと同径とした。
【0045】
この後に、加熱により拡張部31を含む導電性ペースト30を硬化させることにより、1枚の多層基板用基材(基本配線板)40が完成する。この多層基板用基材40は、単体の両面配線板としても機能し、従来、スルーホールによって接続されていた両面配線板に比べてめっき工程を必要としないこと、ビア直上にも部品を実装できるなどの点で優れている。
【0046】
つぎに、上述したタイプCの多層基板用基材40と組み合わせられて多層基板を構成するタイプBの多層基板用基材60の製造手順を、図3(a)〜(d)を参照して説明する。
【0047】
図3(a)に示されているように、ポリイミドフィルム51の片面に銅箔52を設けられた片面銅張基板(片面銅箔付きポリイミド基材)50を出発材とし、エッチングレジスト(図示省略)を銅箔52上に形成し、図3(b)に示されているように、ケミカルエッチングによって銅回路部53を形成すると共にビアホール径より小径の小孔54を開口する。
【0048】
つぎに、図3(b)に示されているように、ポリイミドフィルム51の銅回路部53とは反対側の表面に層間接着用の接着層55を形成する。さらに、接着層55の表面にPET製のマスキングテープ56を貼り合わせる。
【0049】
接着層55は、ワニスタイプの場合には、ロールコータ、スクリーン印刷機を用いて塗布することにより形成でき、フィルムタイプの場合には、ラミネータを用いて熱圧着することにより形成できる。この例では、接着層55として熱可塑性を有するポリイミドを用いた。熱可塑性を有するポリイミドとしては、ポリエーテルイミド(PEI)かポリエーテルケトン(PEEK)系材料なども使用できる。
【0050】
回路形成と接着層形成の工程は順番を逆にすることもできる。また、絶縁性基材として液晶ポリマ等の熱可塑性樹脂を用いる場合には、絶縁性基材自体が加熱によって接着性を示すから、接着層55を省略できる。
【0051】
つぎに、図3(c)に示されているように、レーザ照射によって、ポリイミドフィルム51、接着層55、マスキングテープ56にビアホール57を形成する。ビアホール57と小孔54とは中心が一致している。
【0052】
つぎに、マスキングテープ56の側から印刷法によって導電性ペースト58をバイアホール57、小孔54に充填する。導電性ペースト58には、Ag/エポキシ樹脂系の穴埋めペーストを使用した。導電性ペースト充填後に、マスキングテープ56を剥がす。これにより、図3(d)に示されているように、層間接着面側に導電性ペースト58による突起58Aが形成され、タイプBの多層基板用基材60が完成する。なお、突起58Aは、多層化時に、相手側の銅箔等に押し付けられ、層間接続信頼性を高める。
【0053】
図4、図5は各々、この発明による多層基板の実施形態として、1枚のタイプCの多層基板用基材40と、2枚のタイプBの多層基板用基材60の組み合せによる3層構造の多層基板を示している。
【0054】
図4に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を最下層とし、これの上に、2枚のタイプBの多層基板用基材60を一括積層したものである。
図5に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を中間層とし、これの両側に、各々1枚のタイプBの多層基板用基材60を一括積層したものである。
【0055】
何れの場合も、多層基板用基材40、60の一括積層だけで、確実な層間の電気的接続を確保し、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板が製作される。
【0056】
つぎに、上述したタイプCの多層基板用基材40と組み合わせられて多層基板を構成するタイプAの多層基板用基材80の製造手順を、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
【0057】
図6(a)に示されているように、ポリイミドフィルム71の片面に銅箔72を設けられた片面銅張基板(片面銅箔付きポリイミド基材)70を出発材とし、エッチングレジスト(図示省略)を銅箔72上に形成し、図6(b)に示されているように、ケミカルエッチングによって銅回路部73を形成する。
【0058】
つぎに、図6(b)に示されているように、ポリイミドフィルム71の銅回路部73とは反対側の表面に層間接着用の接着層74を形成する。さらに、接着層74の表面にPET製のマスキングテープ75を貼り合わせる。
【0059】
接着層74も、ワニスタイプの場合には、ロールコータ、スクリーン印刷機を用いて塗布することにより形成でき、フィルムタイプの場合には、ラミネータを用いて熱圧着することにより形成できる。この例では、接着層74として熱可塑性を有するポリイミドを用いた。熱可塑性を有するポリイミドとしては、ポリエーテルイミド(PEI)かポリエーテルケトン(PEEK)系材料なども使用できる。
【0060】
回路形成と接着層形成の工程は順番を逆にすることもできる。また、絶縁性基材として液晶ポリマ等の熱可塑性樹脂を用いる場合には、絶縁性基材自体が加熱によって接着性を示すから、接着層74を省略できる。
【0061】
つぎに、図6(c)に示されているように、レーザ照射によって、銅回路部73、ポリイミドフィルム71、接着層74、マスキングテープ75にビアホール76を形成する。本工程はドリルを用いることもできるし銅73に予めピアホール径に相当する穴をあけておき、それをマスクとしてエッチング法を用いることもできる。
【0062】
つぎに、銅回路部73上に、ビアホール径より大径の開口94を有するメタルマスク95を載せ、メタルマスク95上よりスクリーン印刷法によって、導電性ペースト78を開口94、バイアホール76に充填する。導電性ペースト78には、Ag/エポキシ樹脂系の穴埋めペーストを使用した。
【0063】
導電性ペースト充填後に、メタルマスク95を取り外し、マスキングテープ75を剥がす。これにより、図6(d)に示されているように、銅回路部74上にフランジ状に拡張された導電性ペースト78による拡張部79が形成される。また、層間接着面側に導電性ペースト78による突起78Aが形成され、タイプAの多層基板用基材80が完成する。なお、突起78Aは、多層化時に、相手側の銅箔等に押し付けられ、層間接続信頼性を高める。
【0064】
図7、図8は各々、この発明による多層基板の実施形態として、1枚のタイプCの多層基板用基材40と、2枚のタイプAの多層基板用基材80の組み合せによる3層構造の多層基板を示している。
【0065】
図7に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を最下層とし、これの上に、2枚のタイプAの多層基板用基材80を一括積層したものである。
図8に示されている多層基板は、タイプCの多層基板用基材40を中間層とし、これの両側に、各々1枚のタイプAの多層基板用基材80を一括積層したものである。
【0066】
何れの場合も、多層基板用基材40、80の一括積層だけで、確実な層間の電気的接続を確保し、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、最上層と最下層の両面に回路を形成した両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板が製作される。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層基板、多層基板用基材およびその製造方法によれば、インナビアの導電性ペーストと導体回路との導通抵抗、導通信頼性の問題を生じることがなく、確実な層間の電気的接続を得ることができ、導体層の別途貼り合わせ等を必要とせず、一括積層の利点を損ねることなく、両面実装が可能な全層IVH構造の多層基板を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に係わる多層基板用基材を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図3】(a)〜(d)は多層基板用基材の製造手順を示す工程図である。
【図4】この発明による多層基板の一つの実施形態を示す断面図である。
【図5】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は多層基板用基材の製造手順を示す工程図である。
【図7】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】この発明による多層基板の他の実施形態を示す断面図である。
【図9】(a)〜(h)は従来の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【図10】(a)〜(f)、(a’)〜(d’)は従来の他の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【図11】(a)〜(f)は従来の他の多層基板の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
10 多層基板用基材
11 絶縁樹脂層
12、13 配線パターン部
14 ビアホール
15 小孔
16 導電性ペースト
17 拡張部
20 両面銅張基板
21 ポリイミドフィルム
22、23 銅箔
24 銅回路部
25 孔
26 銅回路部
27 小孔
28 孔
29 ビアホール
30 導電性ペースト
31 拡張部
40 多層基板用基材
50 片面銅張基板
60 多層基板用基材
70 片面銅張基板
80 多層基板用基材
Claims (11)
- 絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導体層を有し、一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、他方の面の前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストはビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む多層基板用基材。
- 前記導電性ペーストは前記小孔にも充填されている請求項1記載の多層基板用基材。
- 絶縁性基材の両面に銅箔層を有する両面銅張積層板により構成されている請求項1または2記載の多層基板用基材。
- 前記絶縁性基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂フィルムにより構成されている請求項1〜3の何れか1項記載の多層基板用基材。
- 前記導電性ペーストは、熱硬化性樹脂に導電性フィラを混入したものである請求項1〜4の何れか1項記載の多層基板用基材。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の多層基板用基材を含む多層基板。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の多層基板用基材と、
絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記導体層には前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔があけられ、前記ビアホールに導電性ペーストが充填された多層基板用基材と、
を含む多層基板。 - 請求項1〜5の何れか1項記載の多層基板用基材と、
絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導体層を有し、当該導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールが形成され、前記ビアホールに導電性ペーストが充填され、当該導電性ペーストがビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された拡張部を含む多層基板用基材と、
を含む多層基板。 - 絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の一方の面の前記導体層と前記絶縁性基材に所定ビアホール径によるビアホールを形成し、他方の面の前記導体層に前記ビアホールに開口する前記ビアホール径より小径の小孔をあける工程と、
ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する工程と、
含む多層基板用基材の製造方法。 - 絶縁性基材の両面に導体層を有する両面導体張積層板の両面の導体層に回路形成を行うと共に、一方の面の前記導体層に所定ビアホール径による孔を形成し、他方の面の前記ビアホール径より小径の小孔を形成するエッチング工程と、
絶縁性基材に所定ビアホール径による孔を形成して前記一方の面の前記導体層の孔と共にビアホールを完成する穿孔工程と、
ビアホール開口側の前記導体層の側より、前記ビアホールに導電性ペーストを充填すると共に、ビアホール開口側の前記導体層上にフランジ状に拡張された導電性ペーストによる拡張部を形成する導電性ペースト充填工程と、
を含む多層基板用基材の製造方法。 - ビアホール開口側の前記導体層上に、前記ビアホール径より大径の開口を有するマスク部材を載せ、当該マスク部材上より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する請求項9または10記載の多層基板用基材の製造方法。
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JP2007059777A (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-08 | Fujikura Ltd | 多層プリント配線板及びその製造方法 |
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- 2003-01-10 JP JP2003004708A patent/JP2004221192A/ja active Pending
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