JP2004193278A - 多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 Download PDF

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Masahiro Okamoto
誠裕 岡本
Taro Watanabe
太郎 渡辺
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Abstract

【課題】多層接続電気回路の電気抵抗が低く、電気的特性に優れた多層配線基板を得ること。
【解決手段】絶縁性基材11の両面に配線パターンをなす導電層12、13が設けられ、絶縁性基材11にはビアホール14が貫通形成され、導電層12、13の各々にはビアホール14より小径の小孔15、16があけられ、ビアホール14に充填された導電性ペースト17は、絶縁性基材11の両面の導電層12、13がビアホール14を挟んで相対向する面12A、13Aに、比較的大きい接触面積をもって接触する構造とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)、多層配線基板用基材およびその製造方法に関し、特に、層間導通用ビアの導体として導電ペーストを用いた多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の多層配線基板には、多層積層後、絶縁層にスルーホールを開口した後に、スルーホール内をめっきし、めっき層によって層間導通を取るものがある(例えば、非特許文献1)。IBM社のSLC(Surface Laminar Circuit)に代表されるビルドアッブ多層配線基板においても、回路層間の絶縁層の一部をレーザ等で除去し、めっきで導通接続する方法を用いている。
【0003】
めっきを用いた層間接続は、低抵抗で導通接続できる利点を持つが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層配線基板の用途を制限する要因となっている。また、めっきによる多層配線基板では、スルーホールの直上には部品を実装できず、配線の自由度が低いと云う欠点もある。
【0004】
近年、めっきに代わる層間接続方法として、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、東芝グループのBit(Buried Bump Interconnection Technology)に代表される導電性樹脂(導電性ペースト)を用いた多層配線基板が実用化され、多層配線基板の用途が急速に拡大し始めている(例えば、非特許文献2)。
【0005】
ALIVHでは、図9(a)〜(f)に示されているように、絶縁樹脂板/フィルム(未硬化樹脂基板)101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、印刷法によってビアホール102にペースト状の導電性樹脂103を充填し、この導電性樹脂103の充填によって所望の箇所に表裏導通接続部、すなわち、導電ペースト充填のIVH(Interstitial Via Hole)を有する絶縁層104を作成する。そして、絶縁層104の表裏に銅箔105を貼り付け、銅箔105をエッチングして配線パターン(銅回路)106を形成したものを、複数枚、貼り合わせて多層配線基板を得る。
【0006】
導電ペースト充填のIVHによる配線基板では、スルーホールめっきによるものに比して製造プロセスがシンプルで、IVHの直上にもチップ等の部品実装が可能で、部品実装面積が小さい携帯用電子機器の基板として利用されている。
【0007】
電子部品を高密度に実装する多層配線基板では、多層配線の高密度化に伴い、絶縁性基材として薄い樹脂フィルムを使用し、基板1層当たりの厚さが減少する傾向がある。薄い樹脂フィルム単体では、撓みや皺が生じ易く、寸法安定性を確保し難いので、銅張りの樹脂フィルムを出発材とすることにより、出発材の剛性を高め、寸法安定性を確保することができる。
【0008】
絶縁性基材の両面に銅箔を設けられた両面銅張り板を出発材とする場合は、図10(a)〜(d)に示されているように、ポリイミド樹脂基板201の両面に銅箔202、203を貼り合わせた両面銅張り板200を出発材とし、レーザや打ち抜きプレス、ケミカルエッチングなどによってポリイミド樹脂基板201、銅箔202、203の全てを同一孔径で貫通するビアホール204を形成し、ビアホール204に導電性ペースト205を充填する。そして、銅箔202、203をエッチングして配線パターン(銅回路)206、207を形成することが行われる。
【0009】
この配線基板では、両面CCLを出発材とすることにより、配線基板の製造工数を削減でき、絶縁性基材の材料が、プリプレグのような高価な材料に制約されず、広い選択肢の中から安価な最適材料を選定するこができる。
【0010】
【非特許文献1】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、53頁〜76頁
【非特許文献2】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、77頁〜79頁
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、導電ペースト充填のIVHによる多層配線基板は、安価である反面、導電ペーストと銅回路との電気的な接続において次のような欠点がある。導電ペーストは、導電フィラーとして樹脂バインダ中に分散している銀や銅などの導電性粒子同士の接触によって電気的な導通を取るため、銅回路と導電ペーストが無圧縮状態の導電性粒子同士の単なる接触状態で導通を取ると、回路抵抗が増大する可能性がある。
【0012】
図10に示されている両面銅張り板を出発材した配線基板では、導電性ペースト205と銅回路206、207との導通接触は、銅回路206、207のビアホール部内周面206A、207Aだけの僅かな面積で行われるため、接触抵抗が大きくなる。回路のファインピッチ化に銅箔層が薄くなる傾向があるから、この接触抵抗の増大は、更に、顕著になる。
【0013】
このことに対処すべく、図11に示されているように、ビアホール部分を蓋めっきし、銅ランド部(銅回路206、207)と導電性ペースト充填部分に蓋めっき層208、209を形成することが考えられる。蓋めっき層208、209によって、導電性ペースト205と銅回路206、207との接触面積が増大し、回路抵抗が低減するが、めっき工程が必要になり、コストアップを避けることができず、導電ペーストを層間導通に用いることの利点が損なわれる。
【0014】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、層間導通用ビアの導体として導電ペーストを用い、特に、両面銅張り板を出発材とした配線基板において、製造工数の増加を招くことなく、導電性ペーストと銅回路との接触面積を充分確保して回路抵抗が低く、優れた電気的特性を示す多層配線基板を得ることができる多層配線基板用基材およびその多層配線基板用基材を用いた多層配線基板、および多層配線基板用基材の製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導電層が設けられ、前記絶縁性基材にビアホールが貫通形成され、前記絶縁性基材の両面にある前記導電層の各々に前記ビアホールより小径の小孔があけられている。ビアホールには層間導通を得るための導電性ペーストが充填される。
【0016】
この発明による多層配線基板用基材によれば、ビアホールに充填された導電性ペーストは、絶縁性基材の両面の導電層の裏面、すなわち、ビアホールを挟んで相対向する面に、比較的大きい接触面積(ビアホール径と小孔径の差分による環状の面積)をもって接触する。
【0017】
導電性ペーストは、前記ビアホールに加えて、導電層にあけられている小孔にも満杯状態で充填されることが好ましい。導電性ペーストが小孔にも充填されていることで、導電性ペーストと小孔内周面との接触によって導電性ペーストと導電層との接触面積が更に増大する。また、小孔も導電性ペーストによって埋められることにより、多層化後に、小孔部分に空気層が残存することも回避される。
【0018】
この発明による多層配線基板用基材では、絶縁性基材を、ポリイミド、熱可塑性ポリイミドあるいは液晶ポリマにより構成することができ、可撓性を有する多層配線基板とすることができる。
【0019】
この発明による多層配線基板は、上述の発明による多層配線基板用基材を含んでいるものであり、導電性ペーストと導電層との接触面積を充分確保した回路抵抗が低い多層配線基板を得ることができる。
【0020】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体箔を設けられた両面導体箔張り板、たとえば両面銅張り板を出発材とし、それに小径の小孔を貫通形成する小孔形成工程と、前記小孔より前記絶縁性基材をエッチングするエッチャントによって前記絶縁性基材をケミカルエッチングし、前記絶縁性基材に前記小孔の孔径より大きい孔径のビアホールを形成するビアホール形成工程と、前記銅箔に残る小孔より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する導電性ペースト充填工程とを有する。
【0021】
両面銅張り板のような両面導体箔張り板に小孔を貫通形成する小孔形成工程は、レーザ加工、打ち抜きプレスによって行うことができ、ビアホール形成工程として、絶縁性基材部分の小孔を出発形状としてこれを拡径するように、絶縁性基材部分をケミカルエッチングすることにより、小孔の孔径より大きい孔径のビアホールが導体箔間に空洞のように形成される。ビアホールに導電性ペーストを充填する導電性ペースト充填工程は、一方の小孔を充填口、他方の小孔を空気抜き孔として、導電性ペーストをビアホール内に圧力充填することにより行うことができる。この導電性ペーストの充填は、ビアホール、更には小孔にも満杯状態で充填することができる。
【0022】
また、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の両面に導体箔を設けられた両面導体箔張り板の導体箔に小径の小孔を形成する小孔形成工程と、前記小孔より前記絶縁性基材をエッチングするエッチャントによって前記絶縁性基材をケミカルエッチングし、前記絶縁性基材に前記小孔の孔径より大きい孔径のビアホールを形成するビアホール形成工程と、前記導体箔に形成された前記小孔より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する工程とを有する。
【0023】
この製造方法では、両面銅張り板のような両面導体箔張り板の導体箔に小孔を貫通形成する小孔形成工程は、レーザ加工、ケミカルエッチングによって行うことができ、ビアホール形成工程として、小孔より絶縁性基材部分をケミカルエッチングすることにより、小孔の孔径より大きい孔径のビアホールが導体箔間に空洞のように形成される。ビアホールに導電性ペーストを充填する導電性ペースト充填工程は、一方の小孔を充填口、他方の小孔を空気抜き孔として、導電性ペーストをビアホール内に圧力充填することにより行うことができる。この導電性ペーストの充填は、ビアホール、更には小孔にも満杯状態で充填することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。多層配線基板用基材10は、絶縁性基材11の両面に配線パターンをなす銅箔12、13が設けられた両面銅張りタイプのものである。絶縁性基材11は、フレキシブルプリント基板用のものとして、ポリイミド、熱可塑性ポリイミドあるいは液晶ポリマにより構成されている。
【0026】
絶縁性基材11には、ビアホール14が貫通形成され、絶縁性基材11の両面にある銅箔12、13の各々に小孔15、16があけられている。ビアホール14、小孔15、16は、ともに円形の孔であり、ビアホール14と小孔15、16とは同心に設けられ、ビアホール14の孔径Dvを100μm程度とすると、小孔15、16の孔径Dhは、ビアホール径Dvより小さい25〜50μm程度になっている。
【0027】
ビアホール14には、層間導通を得るための導電性ペースト17が充填されている。導電性ペースト17は、銀、銅等の導電機能を有する金属粉末を導電性フィラーとして樹脂バインダに混入したものを、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にしたものであり、加熱硬化によって体積収縮が殆どないものである。
【0028】
このビアホール14に対する導電性ペースト17の充填は、一方の小孔16を充填口とし、他方の小孔17を空気抜き孔として行われる。
【0029】
このビア形状の多層配線基板用基材10では、ビアホール14に充填された導電性ペースト17は、絶縁性基材11の両面の銅箔(銅ランド部)12、13の裏面、すなわち、ビアホール14を挟んで相対向する面12A、13Aに、ビアホール径Dvと小孔径Dhとの差分による環状の比較的大きい面積をもって接触する。これにより、回路抵抗が低減する。
【0030】
図示されているように、導電性ペースト17は、ビアホール14に加えて、銅箔12、13にあけられている小孔15、16にも満杯状態で充填されている。導電性ペースト17が小孔15、16にも充填されていることで、導電性ペースト17と小孔15、16の内周面との接触によって導電性ペースト17と銅箔(銅ランド部)12、13との接触面積が更に増大し、回路抵抗が低減する。また、小孔15、16も導電性ペースト17によって埋められることにより、多層化後に、小孔15、16部分に空気層が残存することも回避される。
【0031】
図2は多層配線基板用基材10を含む多層配線基板の一つの実施形態を示している。この多層配線基板は、3層構造で、中間層に図1に示した多層配線基板用基材10を用いられている。多層配線基板用基材10の上面には接着層23によって最上層の多層配線基板用基材20が、多層配線基板用基材10の下面には接着層33によって最下層の多層配線基板用基材30が各々接着され、多層構造になっている。
【0032】
多層配線基板用基材20、30は、各々、多層配線基板用基材10の絶縁性基材11と同一材料、例えば、ポリイミド、熱可塑性ポリイミドあるいは液晶ポリマによる絶縁性基材21、31の一方の面に銅箔22、32を有し、ビアホール24、34に導電ペースト25、35を充填されている。
【0033】
銅箔22、32のビアホール対応部分には、ビアホール24、34に対する導電ペースト25、36の充填時の充填口あるいは空気抜き孔として、小孔26、36があけられており、同じ目的で、この小孔26、36にも導電ペースト25、35が充填されている。
【0034】
この構造の多層配線基板では、何れの層においても、ビアホール14、24、34の導電性ペースト17、25、26が銅箔(銅ランド部)12、13、22、32との接触面積が大きく、回路抵抗が低い多層配線基板を得ることができる。
【0035】
つぎに、この発明による多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を図3(a)〜(f)を参照して説明する。
【0036】
図3(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム41の両表面に導電層をなす銅箔42、43を設けられた両面銅張り基板(CCL:Copper Clad Laminate)40を出発材とし、レーザや打ち抜きプレスによって銅箔42、ポリイミドフィルム41、銅箔43の全てを貫通する小径の貫通孔(小孔)44を穿設する(小孔形成工程)。
【0037】
つぎに、貫通孔44をあけられた両面銅張り基板40を、過マンガン酸溶液等、ポリイミドのみをエッチングするエッチャントに浸漬(どぶ漬け)する。これにより、エッチャントは貫通孔44内でポリイミドフィルム41と接触する。ケミカルエッチングは、液の接触面から等距離に反応が進むから、ポリイミドフィルム部分の貫通孔44を出発形状として、図3(c)、(d)に示されているように、ポリイミドフィルム部分の貫通孔44を均一に拡径するように、ケミカルエッチングが行われる。
【0038】
所定の孔径(ビアホール径)にまで、ポリイミドフィルム部分の貫通孔44が拡径された時点で、ケミカルエッチングを止めることにより、所望するビアホール径によるビアホール45が形成される。銅箔42、43には貫通孔44が小孔46、47として残る(図3(d)参照)。これにより、小孔46、47の孔径より大きい孔径のビアホール45が銅箔42、43間に空洞のように形成されることになる(ビアホール形成工程)。
【0039】
つぎに、一方の小孔47を充填口、他方の小孔46を空気抜き孔として、図3(e)に示されているように、導電性ペースト(銀ペースト)48をビアホール45内に圧力充填する。この導電性ペースト48の充填は、小孔46、47にも満杯状態で充填する(導電性ペースト充填工程)。
【0040】
導電性ペースト48には、エポキシ系樹脂を主成分とするバインダと、平均粒子径5μmの銀をフィラーとする粘度50〜150Pa・sの加熱硬化型ペーストを使用した。
【0041】
つぎに、銅箔42、43の各々表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光現像してレジストマスクを形成した後、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図3(f)に示されているように、銅回路部や銅ランド部49、50を形成する。
【0042】
これにより、中間層用の多層配線基板用基材60(図7(a)参照)が完成する。
【0043】
図4(a)〜(f)は多層配線基板用基材60の導電性ペースト充填工程の具体例を示している。導電性ペースト48の充填は、図4(a)に示されているように、樹脂ペーストインジェクタ(例えば、松下電器産業株式会社製 クリームはんだ印刷機NM−PC10)のノズル90を下側の小孔47に位置合わせし、ノズル先端を銅薄ランド部24に押し付ける。
【0044】
この状態で、ノズル90より導電性ペースト48を小孔47へ噴出し、図4(b)に示されているように、導電性ペースト48を小孔47よりビアホール45内に圧力充填する。ビアホール45に対する導電性ペースト48の注入充填は、図4(c)に示されているように、上側の小孔46を空気抜き孔として徐々に進む。これにより、ビアホール45内に気泡が残り易いと云う問題も解消される。
【0045】
図4(d)に示されているように、ビアホール45内に導電性ペースト48が一杯に充填され、そして、小孔46にも導電性ペースト48が一杯に充填されれば、導電性ペースト48の充填を完了する。
【0046】
充填完了後に、図4(e)に示されているように、ノズル90を引き離す。ビアホール45、小孔46、47に充填された導電性ペースト48は、ノズル90が引き離されても、小孔47が微細孔であることにより、導電性ペースト自身の粘性と相まって小孔47より下方に脱落することがない。
【0047】
そして、図4(f)に示されているように、ノズル90を走査移動させて次のビアホール45に対する導電性ペースト48の充填を行う。
【0048】
図5は、最上層、最下層用の多層配線基板用基材の製造方法を図5(a)〜(d)を参照して説明する。
【0049】
図5(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム71の片面に導電層をなす銅箔72を設けられた片面銅張り基板70を準備し、これのポリイミドフィルム表面側(銅箔72とは反対側の表面)に、熱可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムによる接着層73を貼り合わせた積層フィルムを出発材とする。
【0050】
まず、銅箔72の表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光現像してレジストマスクを形成した後、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図5(b)に示されているように、銅回路部や銅ランド部74を形成する。
【0051】
つぎに、図5(c)に示されているように、レーザ照射、エッチング等によってポリイミドフィルム71、接着層73に、直径が100μm程度のビアホール75を形成する。続いて、銅ランド部74にレーザ照射、エッチング等によってビアホール径より小径の小孔76を穿設する。小孔76の直径は、ビアホール75の孔径半分以下、たとえば、30〜50μm程度とする。
【0052】
つぎに、図5(d)に示されているように、基板を上下反転させ、小孔76が下側に位置するようにし、小孔76より導電性ペースト77をビアホール75に加圧充填する。この導電性ペースト77の充填量は小孔76を含むビアホール75の全内容積より数10%多い。この充填量による充填によって導電性ペースト77は、接着層73の多層化接着面73Aより外側にはみ出し、凸回転曲面形状の膨出部77Aを形成する。
【0053】
導電性ペースト77には、エポキシ系樹脂を主成分とするバインダと、平均粒子径5μmの銀をフィラーとする粘度50〜150Pa・sの加熱硬化型ペーストを使用した。
【0054】
これにより、最上層、最下層用の多層配線基板用基材80が完成する。
【0055】
図6(a)〜(g)は多層配線基板用基材80の導電性ペースト充填工程の具体例を示している。導電性ペースト77の充填は、図6(a)に示されているように、樹脂ペーストインジェクタ(例えば、松下電器産業株式会社製 クリームはんだ印刷機NM−PC10)のノズル90を下側に位置している銅ランド部74の小孔76に位置合わせしてノズル先端を銅ランド部74に押し付ける。
【0056】
この状態で、ノズル90より導電性ペースト77を小孔76へ噴出し、図6(b)に示されているように、導電性ペースト77を小孔26よりビアホール75内に注入充填する。ビアホール75に対する導電性ペースト77の注入充填は、図6(c)、(d)に示されているように、徐々に進む。
【0057】
小孔76を含むビアホール75の全内容積より数10%多い規定量の導電性ペースト77の注入充填が完了すると、図6(e)に示されているように、接着層73の多層化接着面73Aより外側にはみ出した凸回転曲面形状の膨出部77Aが形成される。
【0058】
充填完了後に、図6(f)に示されているように、ノズル90を引き離す。ビアホール25に充填された導電性ペースト77は、ノズル90が引き離されても、小孔76が微細孔であることにより、導電性ペースト自身の粘性と相まってビアホール75より下方に脱落することなく、ビアホール75内に留まり、膨出部77Aも維持される。
【0059】
そして、図6(g)に示されているように、ノズル90を走査移動させて次のビアホール75に対する導電性ペースト77の充填を行う。
【0060】
つぎに、図7(a)、(b)を参照して、最上層用の多層配線基板用基材80Aと、中間層用の多層配線基板用基材60と、最下層用の多層配線基板用基材80Bによる3層構造の多層配線基板の製造方法を説明する。なお、最上層用の多層配線基板用基材80Aと、最下層用の多層配線基板用基材80Bは、構造的には、上述の多層配線基板用基材80と、上述の多層配線基板用基材80を上下反転したものである。
【0061】
図7(a)に示されているように、最上層用の多層配線基板用基材80Aと、中間層用の多層配線基板用基材60と、最下層用の多層配線基板用基材80Bを重ね合わせて多層化接合を行う。この多層化接合工程は、各基材表面、内部に設けられた図示されていないアライメントマーク、基準孔、回路パターン等を用いて位置決めした後に、各基材80A、60、80Bを積層し、真空キュアプレス機あるいはキュアプレス機を用い、150〜250℃に加熱し、1〜5MPa程度の圧力を印加して行う。これにより、多層配線基板用基材80Aと60とと80Bが接着層73によって接着され、図7(b)に示されているような多層配線基板85が完成する。
【0062】
上述の製造方法によって製造された多層配線基板85は、ポリイミドフィルム41の両面の銅ランド部49、50がビアホール45を挟んで相対向する面に、導電性ペースト48が比較的大きい接触面積をもって接触するから、多層接続電気回路の電気抵抗が低い。しかも、導電性ペースト77の膨出部77Aが隣接する他層の銅回路部や銅ランド部49、50の表面に突き刺さり(喰い込み)、配線パターン表面の酸化被膜を突き破ると共に、ビアホール75に充填されている導電性ペースト77を貫層方向に圧縮し、導電性ペースト77中の金属粉末同士の接触を増加、強化する。
【0063】
これにより、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力に対して耐久性に優れ、しかも安定した電気的特性を示す多層配線基板85が得られる。
【0064】
つぎに、この発明による多層配線基板用基材の製造方法の他の実施形態を図8(a)〜(h)を参照して説明する。なお、図8において、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号で説明する。
【0065】
図8(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム41の両表面に導電層をなす銅箔42、43を設けられた両面銅張り基板40を出発材とし、レーザやケミカルエッチングによって銅箔42と43に小径の小孔46、47を形成する(小孔形成工程)。
【0066】
つぎに、小孔46、47をあけられた両面銅張り基板40を、過マンガン酸溶液等、ポリイミドのみをエッチングするエッチャントに浸漬(どぶ漬け)する。これにより、エッチャントは小孔46、47の奥部でポリイミドフィルム41と接触する。ケミカルエッチングは、液の接触面から等距離に反応が進むから、図8(c)、(d)に示されているように、小孔46、47の両部分よりポリイミドフィルム41が半球状にエッチング(エッチング部52、53)される。
【0067】
ケミカルエッチングの進行によって小孔46、47の両部分よりの半球状のエッチンが進みむと、図8(e)に示されているように、小孔46、47の両部分よりのエッチング部52、53が繋がり、ポリイミドフィルム41に貫通孔54が形成される。
【0068】
そして、図8(f)に示されているように、ポリイミドフィルム41の貫通孔54が所定の孔径(ビアホール径)になった時点で、ケミカルエッチングを止めることにより、所望するビアホール径によるビアホール45が形成される。これにより、銅箔42、43の小孔46、47の孔径より大きい孔径のビアホール45が銅箔42、43間に空洞のように形成されることになる(ビアホール形成工程)。
【0069】
つぎに、一方の小孔47を充填口、他方の小孔46を空気抜き孔として、図8(g)に示されているように、導電性ペースト(銀ペースト)48をビアホール45内に圧力充填する。この導電性ペースト48の充填は、小孔46、47にも満杯状態で充填する(導電性ペースト充填工程)。この導電性ペースト充填工程は、図4(a)〜(f)に示されている充填工程と同じ充填工程で行うことができる。
【0070】
導電性ペースト48には、エポキシ系樹脂を主成分とするバインダと、平均粒子径5μmの銀をフィラーとする粘度50〜150Pa・sの加熱硬化型ペーストを使用した。
【0071】
つぎに、銅箔42、43の各々表面にレジストフィルム(図示省略)を熱圧着し、パターンを露光現像してレジストマスクを形成した後、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図8(h)に示されているように、銅回路部や銅ランド部49、50を形成する。
【0072】
これにより、図3の実施形態と同等の中間層用の多層配線基板用基材60が完成する。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法によれば、絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導電層が設けられ、絶縁性基材にはビアホールが貫通形成され、導電層の各々にはビアホールより小径の小孔があけられ、ビアホールに充填された導電性ペーストは、絶縁性基材の両面の導電層がビアホールを挟んで相対向する面に、比較的大きい接触面積をもって接触するから、製造工数の増加を招くことなく、導電性ペーストと導電層との接触面積を充分確保でき、回路抵抗が低く、優れた電気的特性を示す多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図2】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図3】(a)〜(f)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図4】(a)〜(f)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法における樹脂ペースト充填工程の具体例を示す工程図である。
【図5】(a)〜(d)はこの発明による多層配線基板に用いられる多層配線基板用基材の製造方法を示す工程図である。
【図6】(a)〜(g)はこの発明による多層配線基板に用いられる多層配線基板用基材の製造方法における樹脂ペースト充填工程の具体例を示す工程図である。
【図7】(a)、(b)はこの発明による多層配線基板の製造方法を示す工程図である。
【図8】(a)〜(h)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の他の実施形態を示す工程図である。
【図9】(a)〜(f)は従来の多層配線基板用の製造工程を示す工程図である。
【図10】(a)〜(d)は従来の多層配線基板用基材の製造工程を示す工程図である。
【図11】従来の多層配線基板を示す断面図基材である。
【符号の説明】
10 多層配線基板用基材
11 絶縁樹脂層
12、13 銅箔
14 ビアホール
15、16 小孔
17 導電性ペースト
20 多層配線基板用基材
21 絶縁性基材
22 銅箔
24 ビアホール
25 導電ペースト
26 小孔
30 多層配線基板用基材
31 絶縁性基材
32 銅箔
34 ビアホール
35 導電ペースト
36 小孔
40 両面銅張基板
41 ポリイミドフィルム
42、43 銅箔
44 貫通孔
46、47 小孔
48 導電性ペースト
49、50 銅ランド部
52、53 エッチング部
54 貫通孔
60 多層配線基板用基材
70 片面銅張基板
71 ポリイミドフィルム
72 銅箔
73 接着層
74 銅ランド部
75 ビアホール
76 小孔
77 導電性ペースト
80、80A、80B 多層配線基板用基材
85 多層配線基板
90 ノズル

Claims (7)

  1. 絶縁性基材の両面に配線パターンをなす導電層が設けられ、前記絶縁性基材にビアホールが貫通形成され、前記絶縁性基材の両面にある前記導電層の各々に前記ビアホールより小径の小孔があけられている多層配線基板用基材。
  2. 前記ビアホールに層間導通を得るための導電性ペーストが充填されている請求項1記載の多層配線基板用基材。
  3. 前記ビアホールと前記小孔の全てに層間導通を得るための導電性ペーストが満杯状態で充填されている請求項1記載の多層配線基板用基材。
  4. 前記絶縁性基材が、ポリイミド、熱可塑性ポリイミドあるいは液晶ポリマにより構成されている請求項1〜3の何れか1項記載の多層配線基板用基材。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の多層配線基板用基材を含む多層配線基板。
  6. 絶縁性基材の両面に導体箔を設けられた両面導体箔張り板に小径の小孔を貫通形成する小孔形成工程と、
    前記小孔より前記絶縁性基材をエッチングするエッチャントによって前記絶縁性基材をケミカルエッチングし、前記絶縁性基材に前記小孔の孔径より大きい孔径のビアホールを形成するビアホール形成工程と、
    前記導体箔に残る小孔より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  7. 絶縁性基材の両面に導体箔を設けられた両面導体箔張り板の導体箔に小径の小孔を貫通形成する小孔形成工程と、
    前記小孔より前記絶縁性基材をエッチングするエッチャントによって前記絶縁性基材をケミカルエッチングし、前記絶縁性基材に前記小孔の孔径より大きい孔径のビアホールを形成するビアホール形成工程と、
    前記導体箔に形成された前記小孔より前記ビアホールに導電性ペーストを充填する工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
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