JP2004221426A - 多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 Download PDF

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Akito Kurosaka
昭人 黒坂
Satoru Nakao
知 中尾
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Abstract

【課題】多層接続電気回路の電気抵抗が低く、電気的特性に優れた多層配線基板を得ること。
【解決手段】導電層12のビアホール対応部分に複数個の微細孔17をあけ、微細孔17にビアホール14の導電性ペースト15が入り込むようにする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)、多層配線基板用基材およびその製造方法に関し、特に、ビアホールに充填された導電性ペーストによって層間導通を得る多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、半導体チップや部品の小型化および端子の狭ピッチ化に連動して、プリント基板(配線基板)やパッケージ基板にも実装面積の縮小や配線の精細化が進んでいる。同時に、情報関連機器では、信号周波数の広帯域化に対応して部品間を連結する配線の短距離化が求められており、高密度、高性能を達成するためのプリント基板の多層化は必要不可欠の技術となっている。
【0003】
多層配線基板では、従来の平面回路にはなかった層間を電気的に接続する回路形成がキーテクノロジーである。多層配線基板の第1ステップである両面配線基板は、絶縁基材に貫通孔をあけ、貫通孔の壁面に沿って導体をめっきして表裏の配線を導通接続している(例えば、非特許文献1)。IBM社のSLC(Surface Laminar Circuit)に代表されるビルドアッブ多層配線基板においても、回路層間の絶縁層の一部をレーザ等で除去し、めっきで導通接続する方法を用いている。
【0004】
めっきを用いた配線の導通接続は、微細な回路を低抵抗で導通接続できる利点を持つが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層配線基板の用途を制限する要因となっている。
【0005】
近年、めっきに代わる安価な層間接続方法として、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板や、東芝グループのBbit(Buried Bump Interconnection Technology)に代表される導電性ペースト(導電性樹脂)を用いた多層配線基板が実用化され、多層配線基板の用途が急速に拡大し始めている(例えば、非特許文献1、特許文献1、2)。
【0006】
ALIVHでは、図9(a)〜(h)に示されているように、絶縁樹脂板/フィルム101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、その後に印刷法によってビアホール102に導電性ペースト103を充填し、この導電性ペースト103の充填によって所望の箇所に表裏導通接続部を有する絶縁層104を作成する。そして、絶縁層104の表裏に銅箔105を圧力し、銅箔105をエッチングして配線パターン(銅箔回路)106を形成することを繰り返し行い、これを複数枚、貼り合わせて多層配線基板100を得る。
【0007】
ALIVHの工法以外にも、SLCのように、絶縁層として感光性樹脂を用いて露光・現像を行うことにより、ビアホールを形成したり、ケミカルあるいはドライエッチングによって樹脂を除去する方法も適用できる可能性がある。
【0008】
導電性ペーストを用いた多層配線基板は、安価である反面、導電性ペースト部分の電気抵抗が高く、銅箔回路との接触抵抗が安定しないなどのいくつかの欠点もあるが、それらも徐々に克服されつつある。
【0009】
マルチチップモジュールなど、ベアチップを実装する基板では、配線の高密度化に伴って多層板を構成する積層板(多層配線基板用基材)の単層の厚さも減少する傾向にある。この積層板の層厚の減少によって絶縁フィルム単体では、基板のたわみやしわが発生し易くなり、寸法安定性が確保し難くなっている。
【0010】
このことに対し、層間接続に導電性ペーストを用いる多層配線基板の製造方法として、図10(a)〜(f)、(a’)〜(d’)に示されているように、片面銅箔付きフィルム201や両面銅箔付きフィルム301を出発材とし、これら銅箔付きフィルム201、301にビアホール(バイアホール)202、302をあけ、ビアホール202、302に導電性ペースト203、303を充填してインナビアを形成し、銅箔付きフィルム201、301の銅箔204、304をエッチングして配線パターン(銅箔回路)205、305を形成したものを貼り合わせて多層配線基板200を得る製造方法がある。
【0011】
この製造方法では、樹脂フィルムを絶縁層としてそれの片面に銅箔による導電層を貼り付けられている片面銅張基板や樹脂フィルムの両面に銅箔を貼り付けられている両面銅張基板を出発材としていることにより、フィルムの剛性が高まり、高い寸法精度を維持できる。このような多層配線基板の製造方法は、本願出願人と同一の出願人による特願2001−85224号や特願2002−46160号で提案されている。
【0012】
【非特許文献1】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、53頁〜76頁
【非特許文献2】
高木 清著 「ビルドアップ多層プリント基板配線板技術」日刊工業新聞社出版、2001年6月15日、初版2刷、77頁〜79頁
【特許文献1】
特開平6−302957号公報
【特許文献2】
特開平7−147464号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
銅箔付きフィルムを出発材としてインナビアを導電性ペーストで構成する多層配線基板の構造および製造方法には、以下のような欠点がある。
【0014】
積層前の基本配線板、つまり多層配線基板の構成する単層400は図11に示されているように、銅ランド部(銅回路)401、絶縁層402、接着層403、導電性樹脂(導電性ペースト)で形成されたインナビア404から構成される。各単層400を積層する際、銅ランド部401とインナビア404との接合部における電気抵抗を小さくするために、導電性樹脂からなるインナビア404の接着層403の側に突起部405が形成される。
【0015】
この単層400を複数枚積層する場合(あるいは銅箔と接合する場合)、図12に示されているように、銅ランド部401の表面の純銅と導電性樹脂による突起部405が接触することで、多層接続電気回路が形成される。銅箔付きフィルムを出発材としてインナビアが導電性樹脂で構成される多層配線基板においては、突起部405と銅導体部との界面で、その電気的接続や実装信頼性に関する不具合が生じ易いと云う問題点があった。この問題点は以下の理由によると推定される。
【0016】
導電性樹脂は、銀や銅などの金属フィラーとエポキシ樹脂のような熱硬化型樹脂との混合物である。この金属フィラーが銅導体部に埋め込まれることによって上述の電気的接続が得られる。また一方、導電性樹脂と銅導体部との界面における接着強度はその接触面積に大きく依存する。しかしながら、通常、金属フィラーの平均粒子径は5μm程度であり、銅導体部表面の平均粗さは1μm以下である。このため、従来構造の場合、金属フィラーと銅導体部との接触は、銅導体部の平らな上表面のみで行われ、高密度実装のための導体回路幅やランド部の微細化に伴って導電性樹脂と銅導体部の接触面積が不十分になり、上述したような問題点を生じると考えられる。
【0017】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、導電性樹脂と銅導体部との接触面積の不十分さを改善し、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、電気的特性、信頼性に優れた多層配線基板を得ることができる多層配線基板用基材およびその多層配線基板用基材を用いた多層配線基板、およびそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、可撓性樹脂フィルム等による絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記絶縁性基材と前記接着層に連続形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性ペーストを充填された多層配線基板用基材であって、前記導電性ペーストは前記接着層の側の面より外方へ突出した突起部を有し、前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられている。
【0019】
また、この発明による多層配線基板用基材は、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものなど、層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、前記絶縁性基材に形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性ペーストを充填された多層配線基板用基材であって、前記導電性ペーストは前記絶縁性基材の前記導電層の側とは反対の側の面より外方へ突出した突起部を有し、前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられている。
【0020】
これらの発明による多層配線基板用基材によれば、単層(多層配線基板用基材)を複数枚積層する際、導電層にあけられた複数個の微細孔の各々にビアホールに充填されている導電性ペーストの突起部が入り込み、導電性ペーストと導電層(銅導体部)との接触面積が増大する。
【0021】
この発明による多層配線基板用基材における前記微細孔の孔径は、前記導電性ペースト中に含まれている金属フィラーの平均粒子径より大きく、前記ビアホールの孔径より小さい。
【0022】
この発明による多層配線基板は、上述の発明による多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合したものであり、ビアホールに充填された導電性ペーストによって層間導通を得る多層配線基板であって、導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられており、前記微細孔に前記ビアホールの導電性ペーストが入り込んでいる。
【0023】
この発明による多層配線基板によれば、導電層にあけられた複数個の微細孔の各々にビアホールに充填されている導電性ペーストの突起部が入り込み、導電性ペーストと導電層(銅導体部)との接触面積が増大する。
【0024】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、前記導電層に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔を形成する微細孔形成工程と、前記絶縁性基材と前記接着層にビアホールを穿孔する穿孔工程と、導電性ペーストが前記接着層の側の面より外方へ突出した突起部が形成されるように導電性ペーストを前記ビアホールに充填する充填工程とを有する。
【0025】
また、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に導電層を設けらたものの、前記導電層に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔を形成する微細孔形成工程と、前記絶縁性基材にビアホールを穿孔する穿孔工程と、導電性ペーストが前記絶縁性基材の前記導電層の側とは反対の側の面より外方へ突出した突起部が形成されるように導電性ペーストを前記ビアホールに充填する充填工程とを有する。
【0026】
この発明による多層配線基板用基材の製造方法においては、前記配線パターン形成工程と前記微細孔形成工程をエッチングによる同一工程で行うことができるる。
【0027】
また、前記絶縁性基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂フィルムである。
また、前記接着層は、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものにより構成されている。
また、前記絶縁性基材は、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したものにより構成されている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0029】
図1に示されている多層配線基板用基材10は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の一方の面に銅箔等による配線パターン部(導電層)12を、他方の面に層間接着のための接着層13を各々設けられ、絶縁樹脂層11と接着層13とを貫通するビアホール(バイアホール)14を穿設されている。ビアホール14には導電性ペースト15が充填されている。
【0030】
可撓性プリント基板(FPC)では、絶縁樹脂層11は、全芳香族ポリイミド(API)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層11と配線パターン部12と接着層13との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材の銅箔とは反対側の面に接着層13としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0031】
ポリイミド系接着材による接着層13は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。
【0032】
ビアホール14は、円形横断面の円筒形状で、通常のビアホール径とされている。導電性ペースト15は、銀、銅等の導電機能を有する金属フィラーを樹脂バインダに混入したものを、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にしたものである。
【0033】
導電性ペースト15は、接着層13の側よりスクイジング等によってビアホール14に穴埋め充填され、接着層13の側の面より外方へ突出した突起部16を有している。ビアホール14に充填された導電性ペースト15と自層の配線パターン部12との導通接触は、専ら配線パターン部12の裏面で行われる。
【0034】
配線パターン部12のうち、ビアホール対応部分(ランド部)には複数個の微細孔17があけられている。微細孔17は、図に示されているように、ランド部に千鳥格子配置された矩形開口であり、図2に示されているように、多層化に際して導電性ペースト15に含まれている金属フィラーが微細孔17に入り込めるよう、微細孔17の孔径(辺長)は、導電性ペースト15中に含まれている金属フィラーの平均粒子径より大きく、ビアホール14の孔径より小さく設定されている。微細孔17は、導電性ペースト15の穴埋め充填時に空気抜き孔としても機能する。
【0035】
この発明による多層配線基板は、図3に示されているように、上述の多層配線基板用基材10を複数枚、重ねて合わせ圧接し、互いに接着層13によって接合したものである。多層化の際の圧接により、微細孔17の各々にビアホール14の導電性ペースト15が入り込んでいる。なお、最下層の配線パターン部18にも微細孔19をあけられているので、微細孔19にもビアホール14の導電性ペースト15が入り込んでいる。
【0036】
このように、微細孔17、19の各々に、ビアホール14に充填されている導電性ペースト15の突起部16が入り込み、導電性ペースト15と配線パターン部12あるいは18との接触面積が増大する。これにより、導電性ペースト/配線パターン部界面の電気抵抗が低下し、その接着強度も増加して実装信頼性も向上する。
【0037】
なお、最上層の配線基板用基材10の配線パターン部12には必ずしも複数個の微細孔19があられる必要はなく、ビアホール14に対する導電性ペースト15の充填時に空気抜きを行う小孔20があけられていればよい。小孔20には、ビアホール14に対する導電性ペースト15の充填時に導電性ペースト15が入り込み、その導電性ペースト15によって穴埋めされる。
【0038】
本願発明者らは、この微細孔17の大きさと導電性ペースト15中の金属フィラーの平均粒子径とビアホール径との関係について種々の検討を加えたところ、下式(1)を満たす場合、配線パターン部12と導電性ペースト15との導通接合において、所望の接続信頼性が得られることを見出した。
2Pr≦A≦(Vr/3) …(1)
但し、Pr:金属フィラーの平均粒子径
A:微細孔17の孔径(辺長)
Vr:ビアホール14の孔径
【0039】
また、これらの検討において、微細孔形状が、円形である場合と四角形である場合とで、効果に殆ど差異がないことも確認することができた。
【0040】
この発明による多層配線基板用基材は、他の実施形態として、図4に示されているように、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層51を、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したもの、熱可塑性挙動を示す液晶ポリマなど、絶縁樹脂層自体が層間接着のための接着性を有するもので構成することができる。この場合には、絶縁樹脂層51の一方の面に配線パターン部52をなす銅箔等による導電層を設け、他方の面の接着層を省略できる。
【0041】
この多層配線基板用基材50では、絶縁樹脂層51にビアホール53が形成され、ビアホール53に導電性ペースト54が充填される。導電性ペースト54は、絶縁樹脂層51の導電層の側とは反対の側の面より外方へ突出した突起部55を有している。
【0042】
配線パターン部52のうち、ビアホール対応部分(ランド部)には、上述の実施形態と同様に、複数個の微細孔56があけられている。この微細孔56も、多層化に際して導電性ペースト54に含まれている金属フィラーが微細孔56に入り込めるよう、微細孔56の孔径(辺長)は、導電性ペースト54中に含まれている金属フィラーの平均粒子径より大きく、ビアホール53の孔径より小さく設定されている。
【0043】
図5に示されているように、上述の多層配線基板用基材50を複数枚、重ねて合わせ圧接し、互いに絶縁樹脂層51自体によって接合することで、多層配線基板を構成できる。多層化の際の圧接により、微細孔56の各々にビアホール53の導電性ペースト54が入り込んでいる。なお、最下層の配線パターン部57にも微細孔58をあけられているので、微細孔58にもビアホール53の導電性ペースト54が入り込んでいる。
【0044】
この場合も、微細孔56、58の各々に、ビアホール53に充填されている導電性ペースト54の突起部55が入り込み、導電性ペースト54と配線パターン部52あるいは57との接触面積が増大する。これにより、導電性ペースト/配線パターン部界面の電気抵抗が低下し、その接着強度も増加して実装信頼性も向上する。
【0045】
なお、この場合も、最上層の配線基板用基材50の配線パターン部52には必ずしも複数個の微細孔19があられる必要はなく、ビアホール53に対する導電性ペースト54の充填時に空気抜きを行う小孔59があけられていればよい。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
図6(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム31の片面に導電層をなす銅箔32を設けられた片面銅張基板(CCL:Copper Clad Laminate)30を準備し、これのポリイミドフィルム表面側(銅箔32とは反対側の表面)に、熱可塑性ポリイミドによる接着層33を貼り合わせた積層フィルムを出発材料とする。
【0047】
ここで使用するCCLには、ポリイミド等の絶縁樹脂と導体箔とを接着剤を用いて接着したタイプ、銅箔上にポリイミドの前駆体を塗布して加熱焼成したタイプやポリイミドフィルム上に金属膜を蒸着したタイプ、蒸着した金属膜をシード層としてめっきにより銅を成長させたタイプがある。
【0048】
配線パターン形成工程+微細孔形成工程として、銅箔32(厚さ12μm)の表面にレジストフィルムを熱圧着し、パターンを露光現像してレジストマスクを形成した後(図示省略)、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図6(b)に示されているように、銅ランド部34を含む銅回路部と微細孔35を形成した。この実施例では、銅ランド部34のランド径を300μm、微細孔35は一辺の長さが10μmの正方形とした。また、微細孔35の配置は、前後左右を30μmピッチ(微細孔:間隙=10:20)の千鳥格子とした。ただし、ランド部外周30μm幅の領域には微細孔35を形成しなかった。
【0049】
つぎに、図6(c)に示されているように、接着層33にPETによるマスクフィルム36を貼り付け、ビアホール穿孔工程として、YAGレーザ照射によってポリイミドフィルム31と接着層33とマスクフィルム36に、直径100μmのビアホール37と貫通孔38を形成した。この穴あけ用のレーザとしては、YAGレーザ以外にもCOレーザやエキシマレーザを用いることもできる。
【0050】
つぎに、図6(d)に示されているように、樹脂ペースト充填工程として、スクリーン印刷で使用するようなスキージプレートを使用してマスクフィルム36の表面側から、導電性ペーストとして、銀ペースト39をスクイジングによってビアホール37と貫通孔38にすり切り状に穴埋め充填した。
【0051】
銀ペースト39には、エポキシ系樹脂を主成分とするバインダと、平均粒子径5μmの銀をフィラーとする粘度50〜150Pa・sの加熱硬化型ペーストを使用した。ビアホール37に充填する導電性ペーストとしては、銀ペースト以外に、銅粒子や表面を銀で被覆した銅粒子をフィラーとするペーストを使用することもできる。また、溶媒成分が少なく、乾燥および硬化時の体積減少が僅かであれば、樹脂の種類を問わない。
【0052】
導電性ペースト39の仮乾燥後に、マスクフィルム36を剥離する。これにより、接着層33の側の面より外方へ突出した導電性ペースト39によるマスクフィルム36の厚さ相当の突起部40(図6(d)参照)が形成される。
【0053】
図7(a)に示されている積層前の多層配線基板用基材(基本配線板)41は、上述した(a)〜(d)のプロセス後に、導電性ペースト39を乾燥された状態のものである。なお、最上層の基本配線板41のランド部34には一つの小孔42(孔径35μm)をランド中央部に穿設する。また、最下層の銅箔43のビアホール対応位置には、図6(b)のプロセスと同等のケミカルエッチングによって微細孔35と同等の微細孔44をあける。
【0054】
図7(b)に示されているように、複数枚の多層配線基板用基材41と下側の銅箔43とを重ね合わせて多層化接合を行う。この多層化接合工程は、加熱プレス装置を用い、160℃以上の温度に加熱し、10〜50kPa程度の圧力を印加して行った。この後に、図6(b)のプロセスと同等のケミカルエッチングによって銅ランド部45を形成した。これにより3層板が完成する。
【0055】
(実施例2)
微細孔の一辺を20μmとし、その配置ピッチを40μmとした以外は、実施例1と同じ。
(実施例3)
微細孔の10μmの円形孔とした以外は、実施例1と同じ。
【0056】
(比較例1)
微細孔の一辺を5μmとし、その配置ピッチを25μmとした以外は、実施例1と同じ。
(比較例2)
導電ペースト中の銀フィラーの平均粒子径を10μmとした以外は、実施例1と同じ。
【0057】
以上の5例の評価用サンプルとして、インナビア30個が直列に並んだ回路(3層積層板)を各々20個作製した。これらのサンプルについて、リフローサイクルによる評価を行った。但し、リフロー炉の温度プロセスは、Pb−Sn共晶はんだに対応したものとした。30個インナビアの直列回路において、初期の電気抵抗値よりも20%以上、電気抵抗値が増大したものを不合格としたところ、図8に示されているような結果が得られた。
【0058】
図8に示されている評価結果より明らかなように、実施例1〜3のものは、不合格が発生しなかった。
【0059】
なお、図4に示されている多層配線基板用基材50および図5に示されているように複数枚の多層配線基板用基材50による多層配線基板は、図6、図7に示されている実施例と同様の、配線パターン形成工程、微細孔形成工程、穿孔工程、樹脂ペースト充填工程、多層化接合工程によって、同様に製造することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法によれば、導電層にあけられた複数個の微細孔の各々にビアホールに充填されている導電性ペーストの突起部が入り込み、導電性ペーストと導電層との接触面積が増大することにより、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、優れた電気的特性と信頼性が得られ、優れた品質の多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図2】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の要部の平面図である。
【図3】この発明の一つの実施例に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係わる多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図5】この発明の他の実施例に係わる多層配線基板を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】(a)、(b)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図8】実施例1〜3と比較例1、2の評価結果を示す表である。
【図9】(a)〜(h)は従来の多層配線基板の製造工程を示す工程図である。
【図10】(a)〜(f)および(a’)〜(d’)は従来の他の多層配線基板の製造工程を示す工程図である。
【図11】従来の多層配線基板用基材を示す断面図である。
【図12】従来の多層配線基板を示す断面図である。
【符号の説明】
10 多層配線基板用基材
11 絶縁樹脂層
12 配線パターン部
13 接着層
14 ビアホール
15 導電性ペースト
16 突起部
17 微細孔
30 片面銅張基板
31 ポリイミドフィルム
32 銅箔
33 接着層
34 銅ランド部
35 微細孔
36 マスクフィルム
37 ビアホール
38 貫通孔
39 銀ペースト
40 突起部
41 基本配線板
42 小孔
43 銅箔
44 微細孔
45 銅ランド部
50 多層配線基板用基材
51 絶縁樹脂層
52 配線パターン部
53 ビアホール
54 導電性ペースト
55 突起部
57 微細孔

Claims (9)

  1. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、前記絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記絶縁性基材と前記接着層に連続形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性ペーストを充填された多層配線基板用基材であって、
    前記導電性ペーストは前記接着層の側の面より外方へ突出した突起部を有し、
    前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられている多層配線基板用基材。
  2. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、前記絶縁性基材に形成されたビアホールに層間導通を得るための導電性ペーストを充填された多層配線基板用基材であって、
    前記導電性ペーストは前記絶縁性基材の前記導電層の側とは反対の側の面より外方へ突出した突起部を有し、
    前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられている多層配線基板用基材。
  3. 前記微細孔の孔径は前記導電性ペースト中に含まれている金属フィラーの平均粒子径より大きく、前記ビアホールの孔径より小さい請求項1〜2の何れか1項記載の多層配線基板用基材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載の多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合してなる多層配線基板。
  5. ビアホールに充填された導電性ペーストによって層間導通を得る多層配線基板であって、導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔があけられており、前記微細孔に前記ビアホールの導電性ペーストが入り込んでいる多層配線基板。
  6. 前記微細孔の孔径は前記導電性ペースト中に含まれている金属フィラーの平均粒子径より大きく、前記ビアホールの孔径より小さい請求項5記載の多層配線基板。
  7. 絶縁性基材の一方の面に導電層を、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、前記導電層に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
    前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔を形成する微細孔形成工程と、
    前記絶縁性基材と前記接着層にビアホールを穿孔する穿孔工程と、
    導電性ペーストが前記接着層の側の面より外方へ突出した突起部が形成されるように導電性ペーストを前記ビアホールに充填する充填工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  8. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に導電層を設けらたものの、前記導電層に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
    前記導電層のビアホール対応部分に複数個の微細孔を形成する微細孔形成工程と、
    前記絶縁性基材にビアホールを穿孔する穿孔工程と、
    導電性ペーストが前記絶縁性基材の前記導電層の側とは反対の側の面より外方へ突出した突起部が形成されるように導電性ペーストを前記ビアホールに充填する充填工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  9. 前記配線パターン形成工程と前記微細孔形成工程をエッチングによる同一工程で行う請求項7あるいは8の多層配線基板用基材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013074131A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Toppan Forms Co Ltd 配線基板
JP2016213416A (ja) * 2015-05-13 2016-12-15 株式会社村田製作所 樹脂多層基板およびその製造方法

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