JP3877425B2 - 茎葉処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体前側から順に機体前部の高さを任意な一定高さに保持するゲイジ輪、機体を支持走行させる走行車輪、及び操縦ハンドルを備えた茎葉処理機に関する。この茎葉処理機には甘藷の茎葉を処理するものや、じゃがいもの茎葉を処理するもの等が含まれる。
【0002】
【従来技術】
植生する甘藷等の茎葉部(蔓)を機体前部で掻き込み機体後方へ搬送する過程で、その根部から分離させ、機体後部周辺に排出するもので、機体前部から順に、機体前部の高さを任意な一定高さに保持するゲイジ輪、機体を支持走行させる走行車輪、及び、操縦ハンドルを備えた構成となされた茎葉処理機は既に存在している。
【0003】
この際、ゲイジ輪は機体フレ−ムにピンを介して位置決めされ、機体に対するその高さ変更はピンの抜き挿しやゲイジ輪の上下操作により行われるものとなされている。
【0004】
この処理機において、ゲイジ輪の設けられた機体前部の地上高さを変更するとき、例えば、次のように行われる。
即ち、一人の者が操縦ハンドルを下方へ押し下げて、機体を走行車輪の回転中心軸廻りへ揺動させることにより、機体前部を適当高さに上昇させる。
この状態の下で、他の者がピンの抜き挿しを行って機体に対するゲイジ輪の高さ位置を変更させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した茎葉処理機の機体前部の高さ変更は、前述のように二人作業によれば比較的容易に行えるのであるが、一人で行うとなると、一方の手で機体前部を持ち上げ、この状態を保持した上で、他方の手でゲイジ輪の上下操作及びピンの抜き差し操作の双方を行うことが必要となり、困難を極めるのである。本発明は、斯かる実情に対処し得るものとした茎葉処理機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、機体前側から順に前部の高さを上下調整可能でかつ、一定高さに保持する左右のゲイジ輪10、10と機体を支持走行させる左右の走行車輪5、5及び、操縦ハンドル9を備えると共に、植生する作物の茎葉部wを機体前部で掻き込み、機体後方へ搬送する過程でその根部から分離させ、機体後部周辺に排出するものとした茎葉搬送処理部Eを備えた茎葉処理機において、使用状態で機体前部を前記走行車輪5、5の回転中心廻りに揺動させて、機体前部を地上から一定高さに上昇保持するスタンド部材74を設け、該スタンド部材74を前記走行車輪5、5の前方側で前記ゲイジ輪10、10の一方側の後方となる機体フレーム6に装設したものである。
【0007】
上記機体前部の地上高さを変更するときは、作業者が先ずスタンド部材74を使用状態とする。
これにより、機体前部が走行車輪5とスタンド部材74に支持されて上昇されるのであり、この状態の下で、作業者は両手を使用してゲイジ輪10の上下操作や位置決め操作等の位置調整操作を行う。
【0008】
また、スタンド部材74は機体の左右何れか一側に設けるようにすれば、機体の両側にスタンド部材74を設ける場合に較べて、構造が簡易且つ安価となり、機体の他側に他の装置を設けるための空きスペ−スが確保されるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図10を参照して本発明の一実施例を説明する。図1は本発明に係る走行式茎葉処理機の側面図、図2は前記処理機の平面図である。
【0010】
本実施例の茎葉処理機は、走行機構部A、畝押さえ機構部B、回動中心伝動機構部C、分草切断部D、及び茎葉搬送処理部Eを備えている。
このさい、分草切断部Dは走行機構部Aに装設され、また畝押さえ機構部B、回動中心伝動機構部C及び茎葉搬送処理部Eとは一体状に結合されると共に走行機構部Aに対して支点O廻りの揺動変位可能となされている。
【0011】
先ず走行機構部Aについて図1、図2、図3、図4及び図5により説明する。
ここに 図3は茎葉搬送処理部Eを省略した前記処理機の平面図、図4は前記処理機の板部材個所を示す平面図、そして 図5は前記板部材個所の側面図である。
【0012】
1はエンジンであり、これの左側にはミッションケ−ス2が固設してある。
2aはミッションケ−ス2に装設された変速レバ−である。
【0013】
ミッションケ−ス2の左側面とエンジン1の右側面とに走行駆動ケ−ス3、3が配設してあり、各走行駆動ケ−ス3、3の後端部はミッションケ−ス2と同体部位に水平横軸4廻りの揺動調整可能に結合してある。
そして各走行駆動ケ−ス3、3の前端部に走行車輪5、5が設けてある。
【0014】
6はエンジン1の前部からこれの左右各側の前方へ向けて延出させた走行機体フレ−ムである。
左右各側の走行機体フレ−ム6の長さ途中には、上記回動中心伝動機構部C及び茎葉搬送処理部Eを支持するための枢支部7、7や、剛性を増すための鈎形板部材6a、6aが固設してある。
各板部材6aは水平面部aと、この水平面部aの機体外方の側縁を下方へ延長した側面部bとからなっている。
610は板部材6aの上面に固着されたロ−プ用フックである。
【0015】
各枢支部7近傍に位置した走行機体フレ−ム6、6個所には下向き支持部材8が固設してある。
この支持部材8に前記板部材6aの後端部を結合させるのが、走行機体フレ−ム6の強度を増大させる上で有効である。
各支持部材8は複数の固定孔をその長手方向へ列設されており、この固定孔の任意なものに各走行駆動ケ−ス3の前端部がボルト固定されている。
各走行車輪5の高さを調整するさいは、走行駆動ケ−ス3の前端部を固定させる固定孔を変更する。
【0016】
走行機体フレ−ム6の後部同体個所からは操縦ハンドル9がエンジン1の上方を経てその後方へ張り出した状態に設けてあり、この操縦ハンドル9には各種の操縦レバ−が装着されている。
また上記枢支部7、7よりも前方の左右の走行機体フレ−ム6、6にはゲイジ輪10、10が高さ調整可能に装着してある。
【0017】
各ゲイジ輪10の装着構成は次のとおりである。
即ち、 図4に示すように走行機体フレ−ム6に角筒部材101を結合片を介して縦向きに固定している。
この角筒部材101は外側面に折曲板102を固着されると共に、図5に示すように機体左右向きの横孔101aを貫通状に形成されてなる。
【0018】
折曲板102には横孔101aに挿通された鈎状のピン103を抜き出し操作可能に保持させると共に、このピン103を横孔101aに押し込むように付勢するためのスプリング104を係着させる。
この際、折曲板102の先端縁には横孔101aに挿通された状態のピン103の位置を保持させるための係合凹み102aを形成する。
【0019】
一方、ゲイジ輪10にはこれを回転自在に保持するものとした保持棒部材105が設けてあり、この保持棒部材105は上部を角筒部材101に挿通されるものとなされ、上部にはピン103の挿通される孔105aが列設されている。
【0020】
ゲイジ輪10の高さを変更する際は、ピン103をスプリング104の弾力に抗して引き出して保持棒部材105を角筒部材101内で上下何れかへ変位させ、希望する任意な特定の孔105aをピン103位置に合致させて、ピン103をその孔105aに挿通させ、最後はピン103の一端部を係合凹み102aに嵌合させるようにする。
このように嵌合されたピン103の位置はスプリング104の弾力で保持されるものとなる。
【0021】
上記のような構成とした走行機構部Aにおいて、上記エンジン1の動力はミッションケ−ス2に伝達され、ここで変速され、左右の走行駆動ケ−ス3、3を経て各走行車輪5、5に伝達される。
【0022】
次に畝押さえ機構部Bについて、図1、図3及び図6により説明する。ここに 図6は前記処理機の使用状態を示す正面図である。
【0023】
11a及び11bは左右一対のロ−ラユニットであり、各ロ−ラユニット11a、11bは複数の鼓形ロ−ラ12を前後方向へ配列し、これらロ−ラ12の各々を支持枠13に回転自在に軸着し、この支持枠13を回動中心伝動機構部Cの回動中心伝動ケ−ス14に固定されたU形支持フレ−ム131に位置調整機構131aを介して固定した構成となしてある。
【0024】
これら左右一対のロ−ラユニット11a、11bは前面視ハ字状に配置されると共に、高さ及び左右位置の調整可能に装着されている。
【0025】
このような構成となされた畝押さえ機構部Bは、ロ−ラ12により畝面Uの左右を適当に押さえるように作用する。
【0026】
次に回動中心伝動機構部Cについて、図1〜図3、図8及び 図10により説明する。
14は左右一対の枢支部7、7の間に架装された回動中心伝動ケ−スであって、これに貫通状に装着され支点Oに合致された水平横軸15を介して支持され、この横軸15廻りの揺動自在となされている。
【0027】
回動中心伝動ケ−ス14の後面には回転入力軸16aが設けてあり、この回転入力軸16aは上記ミッションケ−ス2の前面に突出された回転取出軸16bに結合軸16を介して連動連結させている。
【0028】
回動中心伝動ケ−ス14の上面からは左右一対の駆動軸17、17が突出されており、駆動軸17、17及び水平横軸15は歯車及びチェ−ン等の伝動機構を介して上記回転入力軸16aと連動連結されている。
【0029】
また回動中心伝動ケ−ス14と同体のU形支持フレ−ム131と走行機体フレ−ム6との間にはネジ式伸縮作動体18が架装してあり、このネジ式伸縮作動体18の入力部に、走行機体フレ−ム6の右側に前後向きに配設された回転操作軸19の先端を結合させてある。
回転操作軸19は長手方向途中を走行機体フレ−ム6と同体に固定された軸受片20を介して回転自在に支持されると共に、後端部をクランク形に屈曲されて操作部19aとなされている。
【0030】
ネジ式伸縮作動体18は操作部19aの回転操作により上下方向へ伸縮作動され、これに連動して回動中心伝動ケ−ス14が水平横軸15廻りへ揺動される。
【0031】
次に分草切断部Dについて図1、図2、図3及び図7により説明する。
ここに 図7は前記処理機の使用状態を示す斜視図である。
【0032】
21、21は左右各側の走行機体フレ−ム6、6に装着された蔓切断装置であり、各切断装置21は前部に縦向きのバリカン式切り刃22を設けると共に、外周囲を装置フレ−ム23で被った構成としている。
装置フレ−ム23の外側部23aは切断装置21を作動させるための図示しない切断操作レバ−(例えば、クラッチレバ−)に連動して図1〜 図3に示す閉鎖状態から図7に示すような開放状態に変位され、この開放により切り刃22が露出される。
このさい、前記切断操作レバ−は二つ設け、各々を左右の各切断装置21、21に専属的に対応させる。
【0033】
各切断装置21の下部には掘起こし板24が縦向き前下がり状に固定してあり、また堀起こし板24にはデバイダ25が固定してある。
このデバイダ25は堀起こし板24から前方へ突出された突出棒25aとこれの先端に後向き上り傾斜状に固定された持上げ用案内棒25bとからなっている。
このさい、左右の各案内棒25bは突出棒25aの先端から後述する掻込み部xの左右各最外箇所へ及ぶものとなされる。
【0034】
一方、各切断装置21の上部には上側案内棒26が前向き上り傾斜に設けてある。
【0035】
また左右の切断装置21、21の切り刃22は前記水平横軸15により駆動されるようになすのであり、このため水平横軸15の左右各端部にクランク部27、27を形成し、左右各側で、このクランク部27と切り刃22の入力部材とをリンク部材28で連結させてある。
【0036】
次に茎葉搬送処理部Eについて説明する。
この処理部Eは 図1及び 図2に示すように下部挟持搬送経路機構29と上部挟持搬送経路機構30とを具備した挟持搬送装置31を主体としている。
この挟持搬送装置31は走行機構部Aの前部から後部上方に及ぶものであり、また上部挟持搬送経路機構30は前側と後側とに分割し、前側の上部挟持搬送経路機構30Aを掻込み装置と兼用させてある。
【0037】
上記下部挟持搬送経路機構29を、図8〜図10により説明すると、次のとおりである。
ここに、図8は前記処理機の側面視断面図、図9は前記処理機の一部を省略した状態の平面図、図10は上部挟持搬送経路機構30を省略した前記処理機の平面図である。
【0038】
これらの図8に示すように左右一対の駆動軸17、17の各々にプ−リ32及びスプロケット33が固定してあり、また切断装置21よりも少し後方箇所に回動中心伝動機構部Cと同体の部材、即ちチェ−ンケ−ス38を介して左右一対の回転軸34、34を装設し、これら各軸34にプ−リ35及びスプロケット36を固定している。
【0039】
そして左右各側においてスプロケット33とスプロケット34との間に無端状のチェ−ン37が掛け回してあり、このチェ−ン37の外周囲を回動中心伝動機構部Cと同体となされたチェ−ンケ−ス38で被っている。
【0040】
各駆動軸17にはア−ム部材39が一定範囲内の水平揺動可能に枢着してあり、また各ア−ム部材39の後端部に支持軸40が固定してある。
各支持軸40にはプ−リ41を回転自在に装着すると共に付勢棒体42を一定範囲内の水平揺動可能に装着している。
【0041】
このさい、付勢棒体42は二本の筒部材42a、42bを伸縮可能に嵌合させると共にこれらの筒部材42a、42b間にスプリング43を介装し、このスプリング43の弾力で二本の筒部材42a、42bが伸張変位するように付勢したものとなし、また左右の付勢棒体42、42間にはスプリングs1、s2(図1)を張架し、これら棒体42、42を互いに近接する側に付勢してある。
また各付勢棒体42にはこれを左右へ振り回すための把手44が固定されている。
【0042】
各付勢棒体42の後端には回転軸45が一定位置での回転自在に装着してあり、この回転軸45の下端にプ−リ46が固定してある。
そして、左右各側の上記した四つのプ−リ32、35、41、46に無端状のゴム質材からなる挟持搬送ベルト47が掛け回してある。
【0043】
プ−リ35とプ−リ32との間の左右各側で挟持搬送ベルト47の内方には二つのテンションプ−リ49a、49bがチェ−ンケ−ス38を介して装着され、左右のテンションプ−リ49a、49bが左右各側の挟持搬送ベルト47、47の内面側を前後方向の互い違いに押圧し、これらベルト47、47を圧接させている。
またプ−リ32とプ−リ35との間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の外方側にも二つのテンションプ−リ50、51がチェ−ンケ−ス38を介して装着され、各ベルト47の外面を押圧してこれを緊張させている。
【0044】
またプ−リ32とプ−リ41の間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の外方にもテンションプ−リ52が設けてある。
このテンションプ−リ52はテンションプ−リ51の回転中心軸に水平揺動可能に枢着されたア−ム部材53と支持軸40に水平揺動可能に枢着されたア−ム部材54とを結合させ、この結合箇所に回転自在に軸着してある。
【0045】
さらにプ−リ41とプ−リ46との間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の内方には3連テンションプ−リ55a、55b、55cが設けてある。
これらテンションプ−リ55a、55b、55cは結合部材56に軸着されており、この結合部材56は対応した各側の付勢棒体42に水平揺動可能に装着された二つの湾曲ア−ム部材57a、57bの先端部に軸着され、図示しないスプリングの弾力により対応した左右各側の挟持搬送ベルト47の内面を押圧し、左右の挟持搬送ベルト47、47の前後方向部を左右のテンションプ−リ55a、55b、55cで互い違いに圧接させている。
【0046】
かくして左右の挟持搬送ベルト47、47は走行機構部Aの前部から後部上方に渡ってこれらの対向部が圧接された状態となり、これら対向部間が下部の挟持搬送経路k1をなしている。
【0047】
上記掻込み装置30Aを 図8及び図9を参照して説明すると、次のとおりである。
即ち、左右各側のチェ−ンケ−ス38の先端部から支持部材58が延長させてあり、支持部材58には二つのプ−リ59、60を設け、外側のプ−リ59を内側のプ−リ60よりも前方下部に位置させている。
このさい、外側のプ−リ59はその前後位置を調整可能となされている。
【0048】
左右の各駆動軸17の上端部にはプ−リ61が固定してある。
そして、左右各側において三つのプ−リ59、60、61に無端状の突起付ベルト62が掛け回してある。
このさい、左右の突起付ベルト62、62の突起は図9に示すように同一位置で対向させてもよいし、或いは左右で位置をずらして互い違いに対向させるようになすことも差し支えない。
【0049】
左右の突起付ベルト62、62の対向部は図示しない案内部材を介して前後方向の直線状に移動するようになされ、この対向部間が前側の上側挟持搬送経路k2をなしている。
【0050】
また左右の突起付ベルト62、62の前縁は平面視前拡がりのハ字形をなす掻込み部xとなしてある。
さらに各突起付ベルト62の上面にはこれを被うための掻込みフレ−ム63がチェ−ンケ−ス38と同体に固定してある。
【0051】
次に後側の上部挟持搬送経路機構30Bを図1、図2、図8及び図9により説明する。
図8及び図9に示すように左右各側の付勢棒体42の後側の筒部材42bの前部上面に支持部材64が固定してあり、この支持部材64の下方にプ−リ65が回動自在で前後位置の調整可能に軸着してある。
一方、左右各側の付勢棒体42の後端部の回転軸45の上端部にもプ−リ66が固定してある。
【0052】
そして、左右各側において、前後の二つのプ−リ65、66に無端状の突起付ベルト67が掛け回されている。
左右の突起付ベルト67、67の対向部は掻込み装置30Aの場合と同様に図示しない案内部材を介して前後方向の直線状に移動するようになされており、この対向部間が後側の上側挟持搬送経路k3をなしている。
【0053】
各突起付ベルト67の上面にはこれを被うための後部フレ−ム68が付勢棒体42の後側の筒部材42bと同体に固定してある。
【0054】
この上部挟持搬送経路機構30Bの上部、即ち後部フレ−ム68、68の前部上面でプ−リ65、65の概ね中心上に図1及び図2に示すように縦支持軸69、69が固設してあり、これら各縦支持軸69、69に案内ロ−ラ70、70が回転自在に装着してある。
【0055】
上記のように構成した茎葉搬送処理部Eの作動及び取扱いを説明する。
左右の駆動軸17、17の回転はプ−リ32、32を回転させると共にチェ−ン37、37を介してプ−リ35、35をも回転させ、これらのプ−リ32、35の回転が下側の左右の挟持搬送ベルト47、47を回転させる。
【0056】
また、各駆動軸17と同体に回転されるプ−リ61、61は掻込み装置30Aの突起付ベルト62、62を回転させ、また各挟持搬送ベルト47と連動して回転されるプ−リ46、46はプ−リ66により、後側の上部搬送経路30Bを形成した突起付ベルト67、67を回転させる。
【0057】
掻込み装置30Aの前縁をなす掻込み部xは芋蔓等を下部挟持搬送経路k1及び前側の上部挟持搬送経路k2の前部に掻き集め、これら挟持搬送経路k1、k2はこの掻き集められた芋蔓w等を後方上り傾斜状に挟持搬送する。
そして芋蔓w等が前側の上部挟持搬送経路k2を経た後は、下部挟持搬送経路k1及び後側の上部挟持搬送経路k3が継続して後方上り傾斜状に挟持搬送する。
【0058】
挟持搬送装置31の後部を左右へ振り回すさいは把手44等を持って行うのであり、これにより、左右のア−ム部材39、39が各駆動軸17、17廻りへ揺動すると共に、左右の付勢棒体42、42が各支持軸40、40廻りへ揺動する。
このさいの挟持搬送装置31の折れ曲がり角度は図示しない適宜な係止機構を介して複数の任意な大きさに択一的に設定されるものとなる。
【0059】
次に本実施例の特徴的構成を 図1、図2、図3、図4及び図5により説明する。
【0060】
一方、板部材6aの水平面部aの前部下面に、水平断面がコ字形となされた縦向き支持部材71をこれの溝部の開口が後向きとなるように固着させてある。
縦向き支持部材71の高さ途中には横向きの支軸72が止着され、この支軸72に筒部材73が回動可能に外嵌されている。
【0061】
そして、筒部材73にはスタンド部材74の上端が固着されている。このスタンド部材74は適当長さの棒部材741に接地板742を固着すると共に、長さ途中に軸部材743を横向きに突設したものとなしてある。
【0062】
板部材6aの側面部bの前部外方個所でスタンド部材74と関連した特定位置には掛止棒75が突設されており、この掛止棒75と軸部材743との間にスプリング76が抜け外れの規制された状態で張架されている。
【0063】
軸部材743には筒部材77がピン等を介して一定位置での回動自在に外嵌されており、この筒部材77の周面に先端を固着させた棒部材78が適当に屈曲されて操縦ハンドル9の側方まで導かれている。
【0064】
棒部材78の後端部は鈎状に屈曲して操作部78aとなしてあり、また機体フレ−ム6と同体に案内手段79としての孔明き片を設け、この孔明き片79の孔に棒部材78を挿通させ、これの前後方向の変位を案内させている。
【0065】
次に、上記のように構成した本発明に係る茎葉処理機の使用例及び作動について説明する。
【0066】
畝U(高畝或いは平畝)上に列状に甘藷が植えられた圃場において、左右の走行車輪5、5が一つの畝Uを跨ぐように機体を位置させる。
これにより左右の分草切断部Dは図6及び 図7に示すように左右の畝溝m、m内に位置される。
【0067】
次に分草切断部Dの高さが最適となるようにゲイジ輪10、10の高さを必要に応じて調整する。この調整を行う際は、先ず、スタンド部材74を図5に仮想線kで示した収納状態から、実線で示した使用状態に切り換える。
【0068】
このため、作業者は操縦ハンドル9を押し下げて機体前部を走行車輪5の回転中心廻りへ一定程度以上に揺動させる。
これにより、機体前部は地上から一定高さ以上に上昇される。
【0069】
この状態を一方の手で保持させておき、他方の手で操作部78aを押し操作するのであり、この際の押し操作量が一定大きさを越えると、スタンド部材74はスプリング76の支点越え線m(図5)を越えて支軸72廻りの矢印方向f1へ揺動される。
【0070】
従って、スタンド部材74は、以後は、操作力を付与しないでもスプリング76の引張力により矢印方向f1へ揺動されようとする。
この揺動はスタンド部材74が縦向き支持部材71の下端部に衝接したとき、即ち図5に実線で示した状態となったときに停止されるのであり、この状態はスプリング76の引張力により保持される。
【0071】
この後、操縦ハンドル9を手から解放し、スタンド部材74の接地板742を接地させる。
これにより、スタンド部材74は完全な使用状態となるのであり、この状態では、機体前部は走行車輪5とスタンド部材74により、人為力を付与しないでも安定的に一定高さ以上に保持され、左右のゲイジ輪10は地上から浮いた状態となる。
【0072】
この状態で、各ゲイジ輪10の高さ調整を実施する。
この場合、作業者は一方の手でピン103の抜き挿し操作を行い、他方の手で保持棒部材105を把握してゲイジ輪10の上下移動を行うようにする。
このような両手によるゲイジ輪10の高さ調整は不自由なく円滑に進行される。
【0073】
各ゲイジ輪10の高さ調整が終了した後、作業者は再び操縦ハンドル9を押し下げて機体前部を上昇させておき、操作部78aを引き操作する。
この際の引き操作量が一定大きさを越えると、スタンド部材74はスプリング76の支点越え線mを前とは逆向きへ越えて支軸72廻りの矢印方向f2へ揺動される。
【0074】
これにより、スタンド部材74は、以後は、操作力を付与しないでもスプリング76の引張力により矢印方向f2へ揺動されようとし、この揺動はスタンド部材74が水平面部aに衝接したとき、即ち図5に仮想線kで示した収納状態となったときに停止される。
この収納状態もスプリング76の引張力により保持されるものとなる。この後、操縦ハンドル9を手から解放し、ゲイジ輪10、10を接地させる。
【0075】
また畝押さえ機構Bが畝Uの上面に適合するように左右の畝押さえロ−ラユニット11a、11bの高さ及び巾を調整すると共に、操作部19aを回転させて茎葉搬送処理部Eを水平横軸15廻りへ揺動させ、これの前部が畝Uの上面に適合した状態となす。
【0076】
この後、エンジン1を作動させ、各部を作動状態として機体を前進させる。
これにより、デバイダ25、25の突出棒25aは地面の1〜3cm程度の深さを進行して、畝溝m内に根付いた芋蔓wを地面から浮上させ、続いて持上げ用案内棒25b、25bが徐々に高く持ち上げる。
これにより、案内棒25b、25bは芋蔓wを後方へ案内しつつ抜き上げ、切断装置21の切り刃22や掻込み部xへ案内するものとなる。
【0077】
こうして各切断装置21の切り刃22に達した芋蔓wは切断され、切断装置21、21間の内外に分離される。
切断装置21、21の外方と分離されてこれらの内方に存在するものとなった芋蔓等wは持上げ用案内棒25bに案内されて掻込み部xに円滑に移動される。
【0078】
掻込み部xは左右の切断装置21、21の間の畝面上に繁茂した芋蔓wや、案内棒25bが案内してきた芋蔓wを中央へ掻き集めて自身の搬送経路、即ち前側の上部搬送経路k2内に移動させ、且つこれと同時に下部挟持搬送経路k1の前部に供給する。
【0079】
前側の上部搬送経路k2及び下部搬送経路k1はこのように移動され、或いは、供給された芋蔓wを後方上り傾斜方向へ挟持搬送する。
このさい、芋蔓wは上部搬送経路k2の上方へ大きく盛り上がった嵩張り状態で移動されるが、上部搬送経路k2及び下部搬送経路k1により上下の二カ所を挟持され、しかも掻込みフレ−ム63の上面で支持されるため安定的に搬送されるものとなる。
【0080】
この搬送中、下部搬送経路k1は特に強い力で芋蔓wを挟み付けて上方へ移動させるため、やがて芋蔓wの茎元に強大な引上げ力を付与するのであり、従ってその茎元は引きちぎられて芋部と分離される。
【0081】
このように分離されて自由状態となった芋蔓wの放出位置は挟持搬送装置31の後端部の左右位置で決定されるのである。
例えば、処理中の畝U上に放出する場合は挟持搬送装置31を前後方向の直線状に保持し、またこの畝Uから離れた左右側位置に放出する場合は把手44を持って挟持搬送装置31の後部を左右何れかへ振り回して下部挟持搬送経路k1及び上部挟持搬送経路k2、k3を適当角度に折り曲げた状態に保持する。
【0082】
下部挟持搬送経路K1及び前側の上部搬送経路k2で搬送されている自由状態の芋蔓wはやがては挟持搬送装置31の折れ曲がり位置p( 図2)に達する。
この位置に達した芋蔓wの上部は案内ロ−ラ70により円滑に案内されるため、芋蔓wはこの折れ曲がり位置を支障なく安定的に通過するものとなる。
【0083】
この後は、下部挟持搬送経路k1及び後側の上部搬送経路k3がこの芋蔓wをその搬送終端まで搬送し落下させる。
これにより芋蔓wは畝単位で能率的且つ的確に除去されるのであり、甘藷の収穫が省力的に行えるようになる。
【0084】
上記実施例では甘藷の蔓を処理する処理機について説明したが、上記処理機から切断装置を省略する等して適宜に変形させたじゃがいも等の茎葉処理機にも本発明は応用し得るものである。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1に記載したように、機体前側から順に前部の高さを上下調整可能でかつ、一定高さに保持する左右のゲイジ輪10、10と機体を支持走行させる左右の走行車輪5、5及び、操縦ハンドル9を備えると共に、植生する作物の茎葉部wを機体前部で掻き込み、機体後方へ搬送する過程でその根部から分離させ、機体後部周辺に排出するものとした茎葉搬送処理部Eを備えた茎葉処理機において、使用状態で機体前部を前記走行車輪5、5の回転中心廻りに揺動させて、機体前部を地上から一定高さに上昇保持するスタンド部材74を設け、該スタンド部材74を前記走行車輪5、5の前方側で前記ゲイジ輪10、10の一方側の後方となる機体フレーム6に装設したことにより、走行車輪5、5を除いた機体の重心が走行車輪5、5よりも前方に存在する場合に、機体がスタンド部材74と走行車輪5、5で安定的に支持されると共に、機体前部が一定高さ以上に保持されるものとなる。
これにより、作業者はゲイジ輪10、10の高さ調整操作の際に機体前部を手で持ち上げる必要がなくなり、両手を専らゲイジ輪10、10の位置決め操作に使用して機体前部の高さ調整を速やかに行うことができるものである。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す茎葉処理機の側面図である。
【図2】 前記処理機の平面図である。
【図3】 前記処理機の茎葉搬送処理部を省略した状態の平面図である。
【図4】 前記処理機の板部材周辺を示す平面図である。
【図5】 前記板部材周辺を示す側面図である。
【図6】 前記処理機の使用状態を示す正面図である。
【図7】 前記処理機の使用状態を示す一部斜視図である。
【図8】 前記処理機の側面視断面図である。
【図9】 前記処理機の一部を省略した状態の平面図である。
【図10】 前記処理機の上部挟持搬送経路機構を省略した状態の平面図である。
【符号の説明】
5 走行車輪
6 機体フレ−ム
6a 板部材
9 操縦ハンドル
10 ゲイジ輪
21 蔓切断装置
71、72、73 ヒンジ機構
74 スタンド部材
76 スプリング
78 棒部材
78a 操作部
79 案内手段
E 茎葉搬送処理部
a 水平面部
b 側面部
Claims (1)
- 機体前側から順に前部の高さを上下調整可能でかつ、一定高さに保持する左右のゲイジ輪10、10と機体を支持走行させる左右の走行車輪5、5及び、操縦ハンドル9を備えると共に、植生する作物の茎葉部wを機体前部で掻き込み、機体後方へ搬送する過程でその根部から分離させ、機体後部周辺に排出するものとした茎葉搬送処理部Eを備えた茎葉処理機において、使用状態で機体前部を前記走行車輪5、5の回転中心廻りに揺動させて、機体前部を地上から一定高さに上昇保持するスタンド部材74を設け、該スタンド部材74を前記走行車輪5、5の前方側で前記ゲイジ輪10、10の一方側の後方となる機体フレーム6に装設したことを特徴とする茎葉処理機。
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JPH11266640A JPH11266640A (ja) | 1999-10-05 |
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