JP3868088B2 - 農作物処理用移動機の茎葉部挟持搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、じゃがいもや玉葱等を処理する農作物処理用移動機に使用される茎葉部挟持搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行機体の長さ途中に位置される左右一対の縦軸の各々に機体前部に及ぶ下ア−ムと機体後部に及ぶ上ア−ムを揺動可能に装着し、各下ア−ムの下端部と各上ア−ムの上端部にプ−リを設け、左右各側の上下で対向したプ−リに無端状搬送ベルトを掛け回し、これら搬送ベルトの対向部分を近接側へ付勢するほか、各搬送ベルトの非対向側部分の外側で前記縦軸の横方近傍にこの非対向側部分の外面を案内するはみ出し規制プ−リを設け、機体の進行中、これら左右の対向部分により、植立する茎葉部を後斜め上方へ挟持搬送し地中のその根部から分離された状態で機体の後部へ移動させるように作動する茎葉部挟持搬送装置は存在している。
【0003】
この種の搬送装置では、各搬送ベルトを緊張させるためのテンションプ−リは各搬送ベルト毎に、その上ア−ムの上端部近傍に装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の茎葉部挟持搬送装置では、左右の搬送ベルトの対向部分によりその搬送終端まで搬送された茎葉部が搬送ベルトに付着する等して上ア−ムの上端部の搬送ベルトの非対向側まで連れ搬送されることがある。
【0005】
このようになると、連れ搬送された茎葉部の一部がテンションプ−リ及びこれの支持手段に絡み付き、その機能を損ねることが生じる。
従って、作業者は作業を中断してこの絡み付いた茎葉片を時折、取り除くようにする必要があり、作業効率を損ねる要因となっている。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消させて効率的な作業を可能とする茎葉部挟持搬送装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、車輪10を有する自走式の機体12の長さ途中に位置される左右一対の伝動縦軸46、46の各々に前記機体12の前部に及ぶ下ア−ム50、50と前記機体12の後部に及ぶ上ア−ム48、48とを揺動可能に装着し、前記下ア−ム50、50の下端部に設けた回転中心軸54a、54aに軸装した被動プ−リ54、54を前記機体12から延出した起立板120と被支持部材123、受け部材121等を介して左右方向f1の変位を特定位置で規制し、さらに、前記左右方向f1の逆向きの変位を許容するように変位可能に設け、前記上ア−ム48、48の上端部に設けた回転中心軸52aに駆動プ−リ52、52を軸装して設け、該駆動プ−リ52、52と前記被動プ−リ54、54とに無端状の搬送ベルト44、44を掛け回し、該搬送ベルト44、44の対向部分を近接側へ付勢するほか、各搬送ベルト44、44の非対向側部分の外側で前記伝動縦軸46、46の横方近傍に前記非対向側部分の外面を案内するはみ出し規制ロ−ラ98、98を設け、前記機体12の進行中、これら左右の対向部分により、植立する茎葉部を後斜め上方へ挟持搬送し地中のその根部から分離された状態で前記機体12の後部へ移動させるように作動する茎葉部挟持搬送装置において、前記各搬送ベルト44、44の前方寄り個所の内方側で前記下ア−ム50、50の長さ途中に前記搬送ベルト44、44の非対向側部分を外方へ張設する支持手段を介してテンションプ−リ96、96を設け、該テンションプ−リ96、96を前記搬送ベルト44、44の非対向側部分ではみ出し規制ロ−ラ98、98よりも前方個所を外方へ押圧したものである。
【0008】
このようにすると、左右の搬送ベルトの対向部分によりその搬送終端まで搬送された茎葉部が搬送ベルトに付着する等して上ア−ムの非対向側まで連れ搬送されたとしても、これらの茎葉片が下ア−ムまで達することは通常では起こり得ないため、テンションプ−リやこれの支持手段に茎葉片が絡むことはなくなるのである。
【0009】
また、請求項2に記載した、前記テンションプ−リ96、96を回転自在に軸支したア−ム962、962を前記下ア−ム50、50の上面に支持軸961、961を介して揺動自在に設けるとともに、その下面側に前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる調節ボルト964、964を螺入する下向き片963、963を固設し、該下向き片963、963に前記調節ボルト964、964を前記搬送ベルト44、44の非対向側から螺入して調節ボルト964、964の先端部を前記下ア−ム50、50に当接して前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる前記支持手段を構成したことにより、連れ搬送された茎葉片がテンションプ−リの支持手段に絡まり難くなると共に植立している茎葉にも接触し難くなってその機能が確実に奏されるものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施した茎葉処理機の側面図、図2は要部正面図、図3は斜視図である。
【0011】
この茎葉処理機は、車輪10を有する自走式の機体12に、前部から茎葉部引起こし分草装置14、茎葉部掻き込み装置16、根部持上がり規制装置18、茎葉部挟持搬送装置20及び茎葉部収集放出装置22をこの順に装備したものである。
【0012】
茎葉部引起こし分草装置14は、機体12の前部両側に設けられてあって引き抜くべき茎葉部を引き起こすと共に、そうでない隣接の茎葉部と分離させるためのものであり、デバイダ24とサイドデバイダ26とからなる。
【0013】
デバイダ24は後斜め上方に起立する棒状のものであり、後方にそり状の接地棒28を有している。
この、接地棒28の中央部には後斜め上方に起立する取付杆30が固着されており、この取付杆30は機体12の前部に斜め下方へ向けて設けられた取付管32に位置調整(伸縮)可能に挿入して固定している。
【0014】
サイドデバイダ26は、いずれも棒状の前部構成体34と後部構成体36とを嵌挿して略L字形に構成したものであり、前部構成体34は接地棒28に、後部構成体36は取付管32に各々回動自在に支持されている。
このさい、前部構成体34と後部構成体36の支持部の軸芯はほぼ一直線上にあり、各々はスム−ズに回転できるようになっている。
【0015】
上記サイドデバイダ26を外側に回動させると、引き抜かない隣接の茎葉部は大きく押しやられるから、茎葉部の絡み付きが少なくなる。
一方、路上走行等の場合は邪魔にならないように上方に回動させておけばよい。
【0016】
地下茎作物は、通常、畝を形成して植えられるから、畝の高さや地下茎作物の生育状態等によってデバイダ24の高さを変える必要がある。
この操作は接地棒28の取付杆30を取付管32に対して伸縮して行うが、これを行うと、前部構成体34も後部構成体36に対して伸縮させることになり、これら二つの操作を同時に行うことができるのである。
なお、サイドデバイダ26による茎葉部の分離作用は、最終的な押しやり位置を決定するものである後部構成体34を単に伸縮させても、後部構成体36の位置は変わらないから、その位置が予め適正に設定されている限り安定した分離作用が得られる。
【0017】
茎葉部掻き込み装置16は、引き抜くべき茎葉部を掻き込んで後続する茎葉部挟持搬送装置20に送り込むものであり、後倒れの傾斜平面内で前拡後狭状に平面回動させられる左右一対の突起付きベルト38、38を備えている。
このさい、左右一対の突起付きベルト38、38の突起38a同士は始端では交差しないが、終端になると交差するよう配置され、これによって茎葉部は後方へ掻き込まれる。
【0018】
根部持上がり規制装置18は、畝中に地下茎作物の根部を留め置くものであり、畝の頂部付近を転動する左右一対のゲ−ジホイ−ル40、40と、茎葉部を後方及び上方へ挿通させる通路wを形成するように前後に延伸させた左右二本の案内棒42a、42aからなる根部掻き落とし具42とを備えている。
【0019】
ゲ−ジホイ−ル40、40の押圧力によって、根部は引き抜き力による持ち上がりを規制されて土中に留め置かれ、茎葉部のみが引き抜かれていくが、このとき、茎葉部は根部掻落とし具42の通路wを通って上方に引き上げられるから、仮に茎葉部に根部が付いて来ても、根部掻落とし具42で根部の芋等を素扱き落とす。
【0020】
茎葉部挟持搬送装置20は、茎葉部掻き込み装置16で掻き込まれた茎葉部を根部掻落とし具42の通路wを通して上方に引き上げ、これを挟やくしながら後続の茎葉部収集放出装置22へ搬送するものであり、後倒れの傾斜平面内で平面回動させられる無端状の搬送ベルト44を装着された左右一対の搬送ベルト部44A、44Aで構成される。
【0021】
図4は搬送ベルト部44Aの平面図であるが、各搬送ベルト部44Aは、前後方向長さ中央の伝動縦軸46、46の回りを回動できるように装着された上ア−ム48、48と下ア−ム50、50のそれぞれ上下端に各々駆動プ−リ52と被動プ−リ54とを取り付け、駆動プ−リ52と被動プ−リ54との間に搬送ベルト44を張り掛けたものである。
【0022】
このさい、上ア−ム48は伝動縦軸46を中心に左右へ比較的大きく回動できるようになされている。
このように搬送ベルト部44Aの終端側を左右に振り回しできるようにしたのは、引き抜いた茎葉部を機体の外側位置に移動させ、茎葉部が根部の収穫等の後作業に対し邪魔とならないような位置に放出されるようにするためである。
【0023】
図5は搬送ベルト部44A、44Aの振り回しのための構成の要部を示す平面図であるが、伝動縦軸46、46に外嵌された上側ハウジング56、56を回動可能にしてこれに上ア−ム48、48を固定する。
そして、一方の上側ハウジング56にレバ−58を取り付け、このレバ−58を回動操作して上ア−ム48を振り回し、このさいの上ア−ム48の位置決めは機体12に固定された係止板60に形成された左回動位置、中立回動位置、右回動位置の位置決め孔60にレバ−58の係止部を挿入するのである。(62はストッパ)。
【0024】
一方のハウジング56からはア−ム64が突設されており、このア−ム64と機体に設けられた固定ピン68との間には円形の付勢スプリング70が張り掛けられている。
この付勢スプリング70は上ア−ム48が左回動位置と右回動位置の何れかの側に来ると弾性支点を超えた状態となり、上ア−ム48を特定位置に弾力で押圧してその位置を安定的に保持する。
【0025】
左右二つの上ア−ム48、48同士はスプリング72で引っ張られており、上ア−ム48の左右回動は一方のもののみの操作により他の上ア−ム48も連動するようになっている。
なお、このスプリング72は左右の搬送ベルト44の対向部分を圧接させるとともに、搬送ベルト44の離間を許容し、比較的大きい異物等をも通過させる役目も果たす。
【0026】
左右二つの下ア−ム50、50は伝動縦軸46、46に回動可能に外嵌された下側ハウジング56A(図1参照)に上端を固定され、最前部に位置させたスプリング74、74(図4参照)で互いに近接する側へ引っ張られるようになされている。
【0027】
図6は機体左側のスプリング74の周辺構成を示す平面図、そして図7はこの周辺構造の側面図であるが、左側の取付管32の先端上面に起立板120が固定され、この起立板120の内方側面から下ア−ム50側へ向けて逆U形断面の受け部材121が張り出させてある。
【0028】
一方、下ア−ム50の先端に固定され且つ被動プ−リ54の回転中心軸54aを回転自在に支持させたハウジング122の外方側面からはU形断面の被支持部材123が張り出させてあり、この被支持部材123は受け部材121上に載置されている。
このさい、被支持部材123には長孔nを形成し、この長孔nに受け部材121から起立させた結合棒mを挿通させ、この結合棒mを介して被支持部材123と受け部材121とを左右変位可能に結合させる。
【0029】
この、受け部材121には前向きの突片121aが固定されており、また、被支持部材123の先部前面に前向きの鈎形板123aが設けてあって、突片121aと鈎形板123aとの間にスプリング74が張り掛けてある。
また、被支持部材123の先端に鈎形の規制片123bが下向きに固着してあり、これにストッパ−手段としてのボルト124が螺着されている。
この、ボルト124はその先端がスプリング74の引張力に抗するように起立板120の外方面に衝接されており、下ア−ム50の矢印方向f1の変位を特定位置で規制するが、矢印方向f1の逆向きの変位は許容するようになされている。
なお、125はハウジング122と同体に固定された支持片で、前記案内棒42aの先端を固定するためのものである。
【0030】
このようなスプリング74の周辺構成は機体右側のスプリング74についても対称状に形成されるのであり、従って左右のボルト124、124の規制作用により左右の搬送ベルト部44A、44Aの先端は適当寸法(これは処理すべき茎の径に関連して決定されるもので、例えば数cm程度とする。)だけ離れた状態に保持される。
【0031】
これら、スプリング74、74は左右の搬送ベルト44、4の対向部分を近接させるように作用し、一方では搬送ベルト44、44の離間を許容し、搬送ベルト44、44間に侵入した比較的大きな異物等であっても前後方向へ通過させる役目も果たす。
【0032】
左右の搬送ベルト44、44はその対向部分を各種のアイドルロ−ラ等によって互いに押圧されるようになっている。
先ず、下ア−ム50、50側であるが、一方側の下ア−ム50には二つの固定したアイドルロ−ラ76、76が、そして他方側の下ア−ム50にはスプリング78で弾発される二つのアイドルロ−ラ80が設けられている。
これにより左右の搬送ベルト部44A、44Aの対向部分の最前部には平面視楔形の隙間Sが形成されるのである。
このさい、搬送ベルト部44A、44Aの対向部分とは左右の搬送ベルト部44A、44Aの対向した部分であって、被動プ−リ54の回転中心軸54aから駆動プ−リ52の回転中心軸52aまでの範囲をいう。
【0033】
図8は中央の伝動縦軸46、46付近に設けられるアイドルロ−ラ84、86を示す要部平面図であるが、伝動縦軸46、46の回りを回動できるくの字形のア−ム82、82を設け、この、ア−ム82、82の両先端にアイドルロ−ラ84と小ロ−ラ86とを取り付けたものであり、アイドルロ−ラ84によって搬送ベルト44を互いに相手方に押圧し、小ロ−ラ86で搬送ベルト44を張っている。
なお、このア−ム82はスプリング88でアイドルロ−ラ84が搬送ベルト44を押圧する方向に付勢されており、異物等が噛み込んだときには反押圧側に動いてその通過を許容する(90はそれぞれストッパ)。
【0034】
さらに図4に示すように上ア−ム48、48側には、スプリング72で弾発されるアイドルロ−ラ94、94がそれぞれ一個ずつ設けられて搬送ベルト44の対向部分を相手方に押圧している。
【0035】
この他、搬送ベルト44を内側から張るテンションプ−リ96と搬送ベルト44の外側に設けられてはみ出しを防ぐはみ出し規制ロ−ラ98がそれぞれ一個ずつ設けられている。
【0036】
右側のテンションプ−リ96の装着構成は図9に示すように、下ア−ム50に起立させた支持軸961を介してア−ム962を揺動可能に装着し、このア−ム962の先端にテンションプ−リ96を回転自在に軸着している。
また、ア−ム962の下面に調整ボルト964を取り付ける下向き片963を固着し、一方、下ア−ム50の側面には調整ボルト964の先端を受け止める当て板965を固着して設けている。
そして、搬送ベルト44の非対向側から下向き片963に調整ボルト964を螺入して、搬送ベルト44の緊張度を変化させる支持手段を構成している。
このさい、調節ボルト964、964を搬送ベルト44の非対向側部分の内方側に位置させている。
搬送ベルト44の緊張度を変化させる場合は、調整ボルト964を回転操作して操作後はロックナットでロックして固設する構成にしている。
【0037】
左側のテンションプ−リ96の装着構成は上記した右側のテンションプ−リ96の装着構成と対称に配設している。
そして、搬送ベルト44の緊張度を変化させる場合は、調整ボルト964を回転操作して、操作後はロックナットで固設する構成にしている。
【0038】
以上により、搬送ベルト44、44間に石等の異物が噛み込んだとしても、上下ア−ム48、50及びアイドルロ−ラ80、94が後退し、更に、アイドルロ−ラ84と小ロ−ラ86も後退するから、結局、異物は挟やくされた状態で搬送ベルト44、44の終端まで搬送されて放出される。
【0039】
図10は搬送ベルト44の断面図であるが、搬送ベルト44は内側からVベルト44a、平ベルト44b、スポンジ44cを順に貼着したものであり、対向する部分のスポンジ44c同士を圧縮させて茎葉部を狭扼する。
【0040】
次に、上記突起付きベルト38及び搬送ベルト44の駆動構造について説明する。
図11はその説明図であるが、先ず、一方の伝動縦軸46の下部にウオームホイール100を取り付け、これはミッション102(図1参照)の動力を自在継ぎ手104で導いたウオ−ム106で駆動する。
なお、両方の伝動縦軸46共、その中途には別のスプロケット108を取り付け、これらスプロケット108、108にチェン110を掛け回して一方の伝動縦軸46に伝えられた動力は他方の伝動縦軸46にも伝達されるようにしておく。
【0041】
伝動縦軸46、46は何れも上ア−ム48の上方まで突出させてスプロケット112を取り付けるとともに、駆動プ−リ52と同体の回転中心軸52aも上方に延ばしてスプロケット116を取り付け、両者をチェン118で連結する。
これにより、ミッション102の動力は伝動縦軸46から上端の回転中心軸52a、52aに伝えられ、搬送ベルト44、44は対向部分が上昇する方向に、しかも、全長に亘って引張力で駆動される形態をとる。
また、上ア−ム48、48を回動させて左右に振り回した場合も、この動力系はその形態を保ち、搬送ベルト44、44の駆動に障害はない。
【0042】
各搬送ベルト44の被動プ−リ54は回転中心軸54aと同体となされるが、この回転中心軸54aも上方に延長し、これを突起付きベルト38の駆動軸とする。
この突起付きベルト38は回転中心軸54aと同体の駆動プ−リ130とさらに前方へ配設された被動プ−リ131とに掛け回すものであるが、このようにすることで、突起付きベルト38の対向部分は上昇する方向へ駆動されることになる。
【0043】
茎葉部収集放出装置22は、茎葉部挟持搬送装置20で送られて来た茎葉部を所定量溜めて地上に放出するものであり、搬送ベルト44、44の後端下方の機体12に起立、水平、垂下の三姿勢に切り変えられる左右一対の収集シャッタ126、126を中央の収集台128の両側に取り付けたものである。
なお、収集台128の後端は上方に膨出させてあり、ここに落下した茎葉部が後方に滑り落ちるのを防止するとともに、エンジンE(図3参照)のカバ−を兼用している。
【0044】
搬送ベルト44、44の終端を左右何れかへ振り回した側の収集シャッタ126を水平姿勢にしておくと(他側は走行の邪魔にもなるから、起立姿勢にしておく)、搬送ベルト44、44で搬送されて来た茎葉部はこの上に落下するから、適宜溜まったところでこれを垂下姿勢に切り変えることで地上に放出できる。
なお、垂下姿勢への切り換えは、レバ−等による手動操作或いは重量等を検出しての自動操作の何れかで行われる。
【0045】
次に上記のように構成した本発明の処理機を使用してじゃがいもを処理する場合の使用例及び作用を説明する。
【0046】
畝の両側の溝内に車輪10、10を位置させ、図2に示すように茎葉部引起こし分草装置14、14及び茎葉部掻き込み装置16及び根部持ち上がり規制装置18等を畝を跨いだ状態とする。
そしてゲ−ジホイル40、40の機体に対する高さを調整して機体前部を最適高さとし、また茎葉部挟持搬送装置20の後部を左右何れかの側へ振り回した状態とする。
この後、歩行者が操縦ハンドルhを持ち、エンジンEを作動させ、各部を作動状態として機体を前進させる。
【0047】
機体の進行中、茎葉部引起こし分草装置14、14は畝の巾中央に植立したじゃがいもの茎葉部を隣接した畝の茎葉部から分離させ、続いて茎葉部掻き込み装置16が茎葉部挟持搬送装置20の左右の搬送ベルト部44A、44Aの中央へ向けて掻き込む。
【0048】
このように掻き込まれた茎葉部の下部は左右の搬送ベルト部44A、44Aの対向部分の最前部に形成された楔形隙間S内に進入するものとなる。
隙間S内に進入した茎葉部は機体の前進に伴って隙間Sに対し後方へ移動しながら左右の搬送ベルト44、44に徐々に強く当接するようになる。
このさい、搬送ベルト44、44は機体の前進速度に概ね合致した速さで駆動され、しかもその駆動方向は機体の前後方向に沿った状態となるのであり、従って隙間S内の茎葉部は搬送ベルト44、44に強く接触しても前倒しされることはないのであり、隙間Sの終端では植立姿勢のまま左右の搬送ベルト44、44により所要の力で挟持される。
【0049】
茎葉部挟持搬送装置20はこのように挟持した茎葉部をその植立姿勢を保持しつつ搬送し、この搬送中に地面から抜き取り、搬送終端まで搬送した後、収集台128の上面に落下させる。
このように落下された茎葉部は下部が前側となる前後向き姿勢に変化されて収集台128上に集積される。
【0050】
収集台128上に溜められた茎葉部群は機体の進行中に収集シャッタ126を垂下操作することにより適当間隔で機体側方に落下させるのであり、このように落下された茎葉部群は後に細断する等して適宜に処理される。
【0051】
上記処理中に茎葉部挟持搬送装置20の左右の搬送ベルト44、44の対向部分でその搬送終端まで搬送された茎葉部が搬送ベルト44に付着する等して駆動プ−リ52周辺の搬送ベルト44の非対向側部分まで連れ搬送されることがある。
このように連れ搬送された茎葉片は殆どの場合はみ出し規制ロ−ラ98に達するまでに自然に落下するものとなる。
なお、搬送ベルト44に付着しやすい作物の場合はスクレ−パを設けることにより、それら茎葉片は確実に掻き落とされる。
【0052】
搬送ベルト44が弛緩したときはテンションプ−リ96を左右向きの外方へ移動させるが、この場合、搬送ベルト44ははみ出し規制ロ−ラ98と被動プ−リ54の間で外方へ張り出されるだけで、駆動プ−リ52と、はみ出しロ−ラ98の間での張り状態を変化されることはない。
従って、搬送ベルト44と駆動プ−リ52の接触範囲はテンションプ−リ96の位置変化に拘わらず常に同一に保持されるのであり、搬送ベルト44は駆動プ−リ52から安定した駆動力を付与されるものとなる。
【0053】
上記実施例では根部の損傷を防止するため茎葉部を地面から抜き取って地面から分離させるようにしたが、これに代えて、茎葉部の下端部を切刃で切り離すことにより地面から分離させるようにすることも可能である。
【0054】
発明は上記した茎葉処理機に限らず、広い範囲の農作物処理機に利用できるのであり、例えば甘藷の芋蔓処理機とか、玉葱や人参の収穫機等にも使用されるものである。
【0055】
【発明の効果】
請求項1においては、即ち、車輪10を有する自走式の機体12の長さ途中に位置される左右一対の伝動縦軸46、46の各々に前記機体12の前部に及ぶ下ア−ム50、50と前記機体12の後部に及ぶ上ア−ム48、48とを揺動可能に装着し、前記下ア−ム50、50の下端部に設けた回転中心軸54a、54aに軸装した被動プ−リ54、54を前記機体12から延出した起立板120と被支持部材123、受け部材121等を介して左右方向f1の変位を特定位置で規制し、さらに、前記左右方向f1の逆向きの変位を許容するように変位可能に設け、前記上ア−ム48、48の上端部に設けた回転中心軸52aに駆動プ−リ52、52を軸装して設け、該駆動プ−リ52、52と前記被動プ−リ54、54とに無端状の搬送ベルト44、44を掛け回し、該搬送ベルト44、44の対向部分を近接側へ付勢するほか、各搬送ベルト44、44の非対向側部分の外側で前記伝動縦軸46、46の横方近傍に前記非対向側部分の外面を案内するはみ出し規制ロ−ラ98、98を設け、前記機体12の進行中、これら左右の対向部分により、植立する茎葉部を後斜め上方へ挟持搬送し地中のその根部から分離された状態で前記機体12の後部へ移動させるように作動する茎葉部挟持搬送装置において、前記各搬送ベルト44、44の前方寄り個所の内方側で前記下ア−ム50、50の長さ途中に前記搬送ベルト44、44の非対向側部分を外方へ張設する支持手段を介してテンションプ−リ96、96を設け、該テンションプ−リ96、96を前記搬送ベルト44、44の非対向側部分ではみ出し規制ロ−ラ98、98よりも前方個所を外方へ押圧することにより、搬送ベルトで搬送された茎葉部がテンションプ−リやその支持手段等に絡み付くのを防止でき、これにより従来の無駄な手間が解消されて作業効率が向上するのである。
また、じゃがいもや人参などの茎葉部を処理するのに適したものとなり、また上ア−ムの上端部に装着されたプ−リを駆動プ−リとして搬送ベルトを作動させる場合に、搬送ベルトは、テンションプ−リの位置の変化に拘わらず、駆動プ−リに常に同一の状態で接触し、駆動プ−リの回転力を安定的に伝達されるものとなる。
【0056】
請求項2によれば、前記テンションプ−リ96、96を回転自在に軸支したア−ム96 2、962を前記下ア−ム50、50の上面に支持軸961、961を介して揺動自在に設けるとともに、その下面側に前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる調節ボルト964、964を螺入する下向き片963、963を固設し、該下向き片963、963に前記調節ボルト964、964を前記搬送ベルト44、44の非対向側から螺入して調節ボルト964、964の先端部を前記下ア−ム50、50に当接して前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる前記支持手段を構成したことにより、搬送ベルトで搬送された後にこれに連れ搬送された茎葉部がテンションロ−ラの支持手段に絡み付くことが防止され、また植立している茎葉部にテンションロ−ラやその案内手段が干渉し難くなって、これらの茎葉部の絡み付きによりその機能を害されることを防止されるようになる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した茎葉処理機の側面図である。
【図2】 上記茎葉処理の要部正面図である。
【図3】 上記茎葉処理機の斜視図である。
【図4】 搬送ベルト部の平面図である。
【図5】 搬送ベルト部の一部平面図である。
【図6】 搬送ベルト部の先部の平面図である。
【図7】 搬送ベルト部の先部の側面図である。
【図8】 搬送ベルト部の中央部の平面図である。
【図9】 右側のテンションプ−リの装着構成を示す正面図である。
【図10】 搬送ベルトの断面図である。
【図11】 茎葉部掻き込み装置と茎葉部挟持搬送装置の駆動系を示す説明図である。
【符号の説明】
10 車輪
12 機体
20 茎葉部挟持搬送装置
44 搬送ベルト
46 伝動縦軸
48 上ア−ム
50 下ア−ム
52 駆動プ−リ
52a 回転中心軸
54 被動プ−リ
54a 回転中心軸
96 テンションプ−リ
98 はみ出し規制ロ−ラ
120 起立板
121 受け部材
123 被支持部材
961 支持軸
962 ア−ム
963 下向き片
964 調節ボルト
f1 左右方向
Claims (2)
- 車輪10を有する自走式の機体12の長さ途中に位置される左右一対の伝動縦軸46、46の各々に前記機体12の前部に及ぶ下ア−ム50、50と前記機体12の後部に及ぶ上ア−ム48、48とを揺動可能に装着し、前記下ア−ム50、50の下端部に設けた回転中心軸54a、54aに軸装した被動プ−リ54、54を前記機体12から延出した起立板120と被支持部材123、受け部材121等を介して左右方向f1の変位を特定位置で規制し、さらに、前記左右方向f1の逆向きの変位を許容するように変位可能に設け、前記上ア−ム48、48の上端部に設けた回転中心軸52aに駆動プ−リ52、52を軸装して設け、該駆動プ−リ52、52と前記被動プ−リ54、54とに無端状の搬送ベルト44、44を掛け回し、該搬送ベルト44、44の対向部分を近接側へ付勢するほか、各搬送ベルト44、44の非対向側部分の外側で前記伝動縦軸46、46の横方近傍に前記非対向側部分の外面を案内するはみ出し規制ロ−ラ98、98を設け、前記機体12の進行中、これら左右の対向部分により、植立する茎葉部を後斜め上方へ挟持搬送し地中のその根部から分離された状態で前記機体12の後部へ移動させるように作動する茎葉部挟持搬送装置において、前記各搬送ベルト44、44の前方寄り個所の内方側で前記下ア−ム50、50の長さ途中に前記搬送ベルト44、44の非対向側部分を外方へ張設する支持手段を介してテンションプ−リ96、96を設け、該テンションプ−リ96、96を前記搬送ベルト44、44の非対向側部分ではみ出し規制ロ−ラ98、98よりも前方個所を外方へ押圧することを特徴とする農作物処理用移動機の茎葉部挟持搬送装置。
- 前記テンションプ−リ96、96を回転自在に軸支したア−ム962、962を前記下ア−ム50、50の上面に支持軸961、961を介して揺動自在に設けるとともに、その下面側に前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる調節ボルト964、964を螺入する下向き片963、963を固設し、該下向き片963、963に前記調節ボルト964、964を前記搬送ベルト44、44の非対向側から螺入して調節ボルト964、964の先端部を前記下ア−ム50、50に当接して前記搬送ベルト44、44の緊張度を変化させる前記支持手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の農作物処理用移動機の茎葉部挟持搬送装置。
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JP33821197A JP3868088B2 (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 農作物処理用移動機の茎葉部挟持搬送装置 |
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JPH11151013A JPH11151013A (ja) | 1999-06-08 |
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-
1997
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