JP3877247B2 - ラベルプリンターのラベル剥離装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はラベルプリンターのラベル剥離装置にかかるもので、とくに台紙からラベル片を剥離するラベルプリンターのラベル剥離装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のラベルプリンター１について図３にもとづき概説する。
図３は、ラベルプリンター１の概略側面図であって、ラベルプリンター１は、ラベル連続体２を繰り出すラベル供給手段３と、印字手段４と、剥離手段５と、台紙巻取り手段６と、カーボンリボン７を繰り出すリボン供給手段８およびリボン巻取り手段９と、を有する。
【０００３】
ラベル連続体２は、ラベル剥離層を有する帯状の台紙１０、およびこの台紙１０上に仮着した複数枚のラベル片１１からこれを構成し、ラベル供給手段３にロール状に巻かれている。
【０００４】
印字手段４は、サーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３を有し、これらサーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３の間にラベル連続体２を挟んで通過する間に所定の情報を印字する。
【０００５】
剥離手段５は、台紙１０のみを転向させる転向バー１４と、ガイドローラー１５と、駆動ローラー１６および従動ローラー１７（一対の引張りローラー）と、を有する。
駆動ローラー１６の回転により従動ローラー１７との間に台紙１０を挟んで所定の張力で引っ張り、転向バー１４の先端部１４Ａで台紙１０のみを転向させラベル片１１をそれ自体の剛性によって台紙１０から剥離するようにしている。ラベル片１１を剥離したのちの台紙１０を台紙巻取り手段６により巻き取る。
【０００６】
カーボンリボン７は、リボン供給手段８にロール状に巻かれており、印字手段４においてサーマルヘッド１２からの印字パターンにもとづきラベル片１１上に転写印字をしたのち、ガイド部材１８を介してリボン巻取り手段９に巻き取られる。
【０００７】
こうした構成のラベルプリンター１およびその剥離手段５において、転向バー１４の部位で台紙１０を転向させることによってラベル片１１を剥離させるためには、所定の張力で台紙１０を駆動ローラー１６および従動ローラー１７ないし台紙巻取り手段６により下流側の方向に引っ張る必要がある。
しかしながら、台紙１０自体には所定の剛性があるために、ラベル連続体２あるいは台紙１０が転向バー１４（その先端部１４Ａ、上側平面１４Ｂ、下側傾斜面１４Ｃ）にぴったり沿って転向するのではなく、図３に示すようにたるんでしまう結果、ラベル片１１の剥離が円滑に行われない場合があるという問題がある。また、ガイドローラー１５により転向バー１４の下流側において台紙１０に多少の張力を掛けてはいるが、十分ではない。
【０００８】
この転向バー１４におけるたるみ発生の問題は、駆動ローラー１６および従動ローラー１７の部分において台紙１０をより強く引っ張ることによって解消可能ではあるが、あまり強く引っ張ると、印字手段４におけるサーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３に対してラベル連続体２およびカーボンリボン７がずれてしまって印字自体がラベル連続体２の移送方向にずれてしまうという問題がある。
また、転向バー１４の先端部１４Ａを鋭角にすることも考えられるが、製品としての安全性の観点から限度があるとともに、台紙１０のたるみを完全に回避することは困難である。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、ラベル連続体の台紙から確実にラベル片を剥離することができるようにしたラベルプリンターのラベル剥離装置を提供することを課題とする。
【００１０】
また本発明は、ラベル片剥離用の転向バーの部位における台紙のたるみを防止可能なラベルプリンターのラベル剥離装置を提供することを課題とする。
【００１１】
また本発明は、安全性を維持しつつ転向バーによる剥離機能を向上させることができるラベルプリンターのラベル剥離装置を提供することを課題とする。
【００１２】
また本発明は、転向バーによる剥離機能を向上させるとともに、ラベル連続体のラベルプリンターへの装填も容易なラベルプリンターのラベル剥離装置を提供することを課題とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、転向バーの部分においてラベル連続体ないし台紙を所定圧力で押し付けることができればよいことに着目したもので、ラベル剥離層を有する台紙およびこの台紙上に仮着した複数枚のラベル片を有するラベル連続体の前記台紙のみをプリンター本体に取り付けた転向バーの部位において転向させることによりこの台紙から前記ラベル片を剥離するラベルプリンターのラベル剥離装置であって、前記転向バーの上流側において前記ラベル連続体をこの転向バーに向かって押さえつける上流側押さえ部材と、前記転向バーの下流側において前記台紙をこの転向バーに向かって押さえつける下流側押さえ部材と、前記ラベル片を剥離したのちの前記台紙をその巻取り方向に引っ張る一対の引張りローラーと、前記プリンター本体に開閉可能に取り付けられ、かつ、前記上流側押さえ部材および前記下流側押さえ部材を前記転向バーに対向させて設けるとともに、前記引張りローラーの一方を設けた開閉蓋と、を有することを特徴とするラベルプリンターのラベル剥離装置である。
【００１４】
上記開閉蓋の閉鎖により、上記上流側押さえ部材および上記下流側押さえ部材がラベル連続体を転向バーの上側平面および下側傾斜面の方向に押し付けるようにできる。
【００１５】
上記一対の引張りローラーは、上記プリンター本体側に設けた駆動ローラーと、この駆動ローラーに対向させて上記開閉蓋に設けた従動ローラーより構成することができる。
【００１６】
上記上流側押さえ部材および下流側押さえ部材は、これらをローラー部材とすることもできるが、ラベル連続体および台紙を押さえつけることができれば、その他任意の構成であってもよい。
なお、印字を行うことなくラベル片の剥離のみを行うような場合についても、本発明を適用することは可能である。
【００１７】
本発明によるラベルプリンターのラベル剥離装置においては、転向バーの上流側および下流側において上流側ローラーおよび下流側ローラーなどの上流側押さえ部材および下流側押さえ部材を設けたので、転向バーの方向にラベル連続体および台紙を所定圧力で押し付けることが可能となり、転向バーの先端部で確実に台紙が鋭角に転向することになり、台紙からのラベル片の剥離作用を円滑にすることができる。
したがって、剥離手段の部分において無理に台紙のみを引っ張る必要がなくなり印字手段の部分における印字ズレを回避しつつ、ラベル片の剥離を確実化することができ、ラベルプリンターとしての信頼性を向上することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態によるラベル剥離装置を装備したラベルプリンター２０を図１および図２にもとづき説明する。ただし、図３と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図１は、このラベルプリンター２０の概略側面図であって、ラベルプリンター２０は、従来のラベルプリンター１と同様に、前記ラベル供給手段３、印字手段４、台紙巻取り手段６、リボン供給手段８およびリボン巻取り手段９とともに、本発明によるラベル剥離装置２１を有する。
【００１９】
ラベル剥離装置２１は、前記駆動ローラー１６および従動ローラー１７とともに、上流側ローラー２２（上流側押さえ部材）および下流側ローラー２３（下流側押さえ部材）を有する。
【００２０】
上流側ローラー２２は、転向バー１４の先端部１４Ａの上流側においてラベル連続体２を転向バー１４の上側平面１４Ｂ方向に押し付け可能である。
下流側ローラー２３は、転向バー１４の先端部１４Ａの下流側において台紙１０を転向バー１４の下側傾斜面１４Ｃ方向に押し付け可能である。
【００２１】
図２は、ラベルプリンター２０の一部省略要部斜視図であって、ラベルプリンター２０のプリンター本体２４に開閉蓋２５を開閉可能に取り付けてあり、この開閉蓋２５に上流側ローラー２２および下流側ローラー２３を転向バー１４に対向させて設けてある。
さらに、ラベル剥離装置２１の駆動ローラー１６および従動ローラー１７のうち一方の従動ローラー１７を駆動ローラー１６に対向させて開閉蓋２５に設けてある。
【００２２】
こうした構成のラベルプリンター２０およびラベル剥離装置２１において、ラベルプリンター２０にラベル連続体２を装填する際には、開閉蓋２５を開放状態のままラベル連続体２を転向バー１４のまわりに転向するようにセットし、開閉蓋２５をプリンター本体２４に向かって閉鎖すれば、上流側ローラー２２および下流側ローラー２３の間に転向バー１４の先端部１４Ａが位置するとともに、上流側ローラー２２および下流側ローラー２３がラベル連続体２を転向バー１４（上側平面１４Ｂおよび下側傾斜面１４Ｃ）の方向に押し付けて、図１に示すようにラベル連続体２がセットされる。
また、従動ローラー１７が台紙１０を介して駆動ローラー１６に押し付けられる。
したがって、転向バー１４の周辺に上流側ローラー２２および下流側ローラー２３、さらに駆動ローラー１６および従動ローラー１７など、それぞれの部材が配置されていても、帯状であるラベル連続体２のラベルプリンター２０への装填操作自体は容易である。
【００２３】
上述の装填操作が完了して、印字手段４による印字ののち、ラベル剥離装置２１の部分で、台紙１０が転向する際には、転向バー１４の上流側で上流側ローラー２２がラベル連続体２を転向バー１４（上側平面１４Ｂ）方向に押し付けるとともに、転向バー１４の下流側において下流側ローラー２３が台紙１０を転向バー１４（下側傾斜面１４Ｃ）方向に押し付けるので、ラベル連続体２はたるむことなく先端部１４Ａを鋭角に回り込み、ラベル片１１を台紙１０から確実に剥離することができる。
【００２４】
かくして駆動ローラー１６および従動ローラー１７による台紙１０の引っ張り力を極端に大きくすることなく、つまり印字手段４における印字ズレを発生させることなく、ラベルプリンター２０およびそのラベル剥離装置２１の信頼性を向上させることができる。
【００２５】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、転向バーの部分に上流側押さえ部材および下流側押さえ部材を設け、かつ、ラベル片を剥離したのちの台紙をその巻取り方向に引っ張る一対の引張りローラーを設け、これらの上流側押さえ部材および下流側押さえ部材、並びに引張りローラーの一方を、プリンター本体に開閉可能に取り付けるとともに、上流側押さえ部材および下流側押さえ部材を転向バーに対向させて設けるようにしたので、前記それぞれの部材が配置されていても、ラベル連続体のラベルプリンターへの装填作業が容易であり、かつ台紙からのラベル片の剥離機能を確実化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態によるラベル剥離装置２１を装備したラベルプリンター２０の概略側面図である。
【図２】同、ラベルプリンター２０の一部省略要部斜視図である。
【図３】従来のラベルプリンター１の概略側面図である。
【符号の説明】
１ ラベルプリンター（図３）
２ ラベル連続体
３ ラベル供給手段
４ 印字手段
５ 剥離手段
６ 台紙巻取り手段
７ カーボンリボン
８ リボン供給手段
９ リボン巻取り手段
１０ ラベル連続体２の台紙
１１ ラベル連続体２のラベル片
１２ サーマルヘッド
１３ プラテンローラー
１４ 転向バー
１４Ａ 転向バー１４の先端部
１４Ｂ 転向バー１４の上側平面
１４Ｃ 転向バー１４の下側傾斜面
１５ ガイドローラー
１６ 駆動ローラー（引張りローラー）
１７ 従動ローラー（引張りローラー）
１８ ガイド部材
２０ ラベルプリンター（図１）
２１ ラベルプリンター２０のラベル剥離装置（実施の形態、図１）
２２ 上流側ローラー（上流側押さえ部材）
２３ 下流側ローラー（下流側押さえ部材）
２４ プリンター本体（図２）
２５ 開閉蓋（図２）

Claims (3)

1. ラベル剥離層を有する台紙およびこの台紙上に仮着した複数枚のラベル片を有するラベル連続体の前記台紙のみをプリンター本体に取り付けた転向バーの部位において転向させることによりこの台紙から前記ラベル片を剥離するラベルプリンターのラベル剥離装置であって、前記転向バーの上流側において前記ラベル連続体をこの転向バーに向かって押さえつける上流側押さえ部材と、前記転向バーの下流側において前記台紙をこの転向バーに向かって押さえつける下流側押さえ部材と、前記ラベル片を剥離したのちの前記台紙をその巻取り方向に引っ張る一対の引張りローラーと、前記プリンター本体に開閉可能に取り付けられ、かつ、前記上流側押さえ部材および前記下流側押さえ部材を前記転向バーに対向させて設けるとともに、前記引張りローラーの一方を設けた開閉蓋と、を有することを特徴とするラベルプリンターのラベル剥離装置。
2. 前記開閉蓋の閉鎖により、前記上流側押さえ部材および前記下流側押さえ部材がラベル連続体を転向バーの上側平面および下側傾斜面の方向に押し付けることを特徴とする請求項１記載のラベルプリンターのラベル剥離装置。
3. 前記一対の引張りローラーは、前記プリンター本体側に設けた駆動ローラーと、この駆動ローラーに対向させて前記開閉蓋に設けた従動ローラーより成ることを特徴とする請求項１ないし２記載のラベルプリンターのラベル剥離装置。

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