JP3876996B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
本発明は、圧力発生室に供給された液体を圧電素子によって加圧することにより、ノズル開口から液滴を噴射させる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
背景技術
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。そして、たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。また、このような圧電素子は、一般的に、駆動IC(半導体集積回路)等によって駆動され、この駆動ICは、例えば、圧力発生室が形成された流路形成基板の一方面側に接合される接合基板上に実装される。そして、この駆動ICと各圧電素子から引き出される引き出し配線とが、ワイヤボンディングによって形成された接続配線によって電気的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、圧電素子の高密度化に伴い、引き出し配線の幅及びピッチが狭くなるため、引き出し配線と接続配線とを接続する際に、隣接する引き出し配線が短絡してしまうという問題がある。すなわち、引き出し配線の接続配線が接続される領域が狭くなるため、接続配線が引き出し配線の外側にはみ出して隣接する引き出し配線が短絡してしまうという問題がある。また、接続配線と引き出し配線との接続面積が狭くなり過ぎると、両者の接合強度が低下するという問題がある。なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、勿論、インク以外の液体を噴射する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
【特許文献1】
特開2002−160366号公報
発明の開示
本発明はこのような事情に鑑み、引き出し配線と接続配線とを確実に接続できて信頼性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを有する液体噴射ヘッドにおいて、前記圧電素子から引き出された引き出し配線の接続部と前記圧電素子を駆動する駆動ICの各パッド部とが、ワイヤボンディングによって形成されると共に前記引き出し配線の前記接続部の引き出し方向に対して交差する方向に延設される接続配線によって接続され、前記接続部が、前記引き出し配線の本体部から前記接続配線の延設方向に沿って傾斜して設けられると共に、当該接続部の幅が前記接続配線のボンディング領域の最大幅よりも狭く且つその1/3以上であり、隣接する前記接続部のピッチが前記接続配線のボンディング領域の最大幅よりも狭いことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、引き出し配線と接続配線との接触面積が実質的に増加するため、接合強度が向上する。また、接続配線のはみ出しによって短絡が発生することがなく、且つ接合強度も確保することができる。さらに、圧電素子を高密度に配列することができる。
本発明の第2の態様は、前記接続配線の延設方向と前記接続部の延設方向との角度が45°±15°の範囲であることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、接続配線をリード電極の接続部に接続する際のはみ出し量を効果的に抑えることができ、隣接するリード電極の短絡等の接続不良の発生をより確実に防止することができる。
本発明の第3の態様は、前記引き出し配線の幅が、前記駆動ICに設けられる前記パッド部の幅と同一又はそれよりも狭いことを特徴とする第1又は2の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、圧電素子を高密度に配列することができ、高品質印刷を実現できる。
本発明の第4の態様は、前記引き出し配線のピッチと、前記駆動ICに設けられる前記パッド部のピッチとが同一であることを特徴とする第1〜3の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、各圧電素子から引き出される引き出し配線と接続配線とが全て同一条件で接続されるため、接続不良の発生をより確実に防止することができる。
本発明の第5の態様は、前記流路形成基板の前記圧電素子側に、当該圧電素子に対向する領域に圧電素子保持部を有する封止基板が接合され、前記駆動ICが前記封止基板上に搭載されていることを特徴とする第1〜4の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、ワイヤボンディングによって形成される接続配線により、引き出し配線と駆動ICのパッド部とを良好に接続できると共に、ヘッドの小型化を図ることができる。
本発明の第6の態様は、前記駆動ICの前記パッド部が、前記接続配線の延設方向に対して傾斜する方向に並設されていることを特徴とする第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、接続配線が結果的に引き出し配線と交差する方向に延設され、接続配線と引き出し配線との接触面積が増加する。
本発明の第7の態様は、前記流路形成基板の少なくとも端部近傍に設けられる接続配線の長さが、前記流路形成基板の中央部に設けられる接続配線の長さよりも長いことを特徴とする第1〜6の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第7の態様では、少なくとも流路形成基板の端部近傍に設けられた接続配線は所定範囲内で変形可能となるため、ヘッドに熱による変形が生じても、接続配線と引き出し配線との接続不良の発生を防止できる。
本発明の第8の態様は、前記流路形成基板の端部近傍に延設される引き出し配線の長さと、前記流路形成基板の中央部に延設される引き出し配線の長さとが異なることを特徴とする第7の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第8の態様では、比較的容易に接続配線の長さを変化させることができる。
本発明の第9の態様は、前記流路形成基板の少なくとも端部近傍に設けられる接続配線の前記引き出し配線からの高さが、前記流路形成基板の中央部に設けられる接続配線の高さよりも高いことを特徴とする第7又は8の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第9の態様では、接続配線の変形可能な範囲が比較的大きくなり、接続配線と引き出し配線との接続不良の発生をより確実に防止できる。
本発明の第10の態様は、前記流路形成基板の端部側に設けられる接続配線ほど、その長さが長くなっていることを特徴とする第7〜9の何れかの態様の液体噴射記録ヘッドにある。
かかる第10の態様では、接続配線と引き出し配線との接続不良の発生をより効果的に防止できる。
本発明の第11の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを有する液体噴射ヘッドにおいて、前記圧電素子から前記流路形成基板上に引き出された各引き出し配線と前記圧電素子を駆動する駆動ICの各パッド部とがワイヤボンディングによって形成される接続配線によって接続され、且つ該接続配線の延設方向と前記引き出し配線の前記接続配線が接続される接続部の延設方向との角度が45°±15°の範囲であることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第11の態様では、引き出し配線と接続配線との接触面積が実質的に増加するため、接合強度が向上する。また、接続配線をリード電極の接続部に接続する際のはみ出し量を抑えることができ、隣接するリード電極の短絡等の接続不良の発生を防止することができる。
本発明の第12の態様は、前記引き出し配線の幅が、前記駆動ICに設けられる前記パッド部の幅と同一又はそれよりも狭いことを特徴とする第11の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第12の態様では、圧電素子を高密度に配列することができ、高品質印刷を実現できる。
本発明の第13の態様は、前記引き出し配線のピッチと、前記駆動ICに設けられる前記パッド部のピッチとが同一であることを特徴とする第11又は12の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第13の態様では、各圧電素子から引き出される引き出し配線と接続配線とが全て同一条件で接続されるため、接続不良の発生をより確実に防止することができる。
本発明の第14の態様は、前記流路形成基板の前記圧電素子側に、当該圧電素子に対向する領域に圧電素子保持部を有する封止基板が接合され、前記駆動ICが前記封止基板上に搭載されていることを特徴とする第11〜13の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第14の態様では、ワイヤボンディングによって形成される接続配線により、引き出し配線と駆動ICのパッド部とを良好に接続できると共に、ヘッドの小型化を図ることができる。
本発明の第15の態様は、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする第1〜14の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第15の態様では、高密度のノズル開口を有する液体噴射ヘッドを大量に且つ比較的容易に製造することができる。
本発明の第16の態様は、第1〜15の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第16の態様では、信頼性及び耐久性を向上した液体噴射装置を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には、異方性エッチングにより形成された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、圧力発生室12の長手方向外側には、後述する封止基板30のリザーバ部32と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ120の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。また、この流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われる。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われる。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。
ここで、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて少ない。また各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12より浅く形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
なお、このような圧力発生室12等が形成される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ましい。例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望ましくは、220μm程度とするのが好適である。また、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.03〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜3μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動ICや配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
また、圧電素子300の個別電極である上電極膜80の長手方向一端部近傍には、引き出し配線であるリード電極90が接続されている。このリード電極90は、例えば、金(Au)等からなり、所定の幅で流路形成基板10の端部近傍まで引き出されている。例えば、本実施形態では、圧電素子300が、360dpiの配列密度で形成されており、リード電極90は、幅45〜47μm、ピッチ70μm程度で形成されている。なお、詳しくは後述するが、このリード電極90の先端部近傍は、圧電素子300を駆動するための駆動IC100から延設される接続配線110が接続される接続部91となっている。
このように圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部31を有する封止基板30が接合され、圧電素子300はこの圧電素子保持部31内に密封されている。また、封止基板30は、流路形成基板10の連通部13に対向する領域に、リザーバ120の少なくとも一部を構成するリザーバ部32を有する。このリザーバ部32は、本実施形態では、封止基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ120を構成している。なお、このような封止基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、この封止基板30上には、圧電素子300を駆動するための駆動IC(半導体集積回路)100が実装されており、この駆動IC100の各パッド部101と各圧電素子300から引き出されたリード電極90とが、ワイヤボンディングによって形成された接続配線110によって電気的に接続されている。また、駆動IC100は、圧電素子300の列に対向する領域から圧電素子300の並設方向に若干ずれた位置に実装されており、各パッド部101とリード電極90とを接続する接続配線110は、リード電極90の延設方向に対して交差する方向に延設されている。また、本実施形態では、各リード電極90と各パッド部101とを同一ピッチで配列するようにしているため、各接続配線110は、同一方向、すなわち、各接続配線110のそれぞれが平行となるように延設されている。
そして、本実施形態では、この接続配線110が接続されるリード電極90の接続部91を、他の部分、すなわち、本体部92とは異なる形状、例えば、その幅方向の少なくとも一端面がリード電極90の本体部92よりも張り出した形状とし、且つ接続配線110がこの接続部91内にボンディング可能な形状を有するようにした。すなわち、リード電極90の接続部91は、接続配線110のボンディング部111がこの接続部91内に形成可能な形状で形成されている。
また、この接続部91は、各接続配線110の延設方向に応じてそれぞれ異なる形状で形成されていることが好ましく、特に、接続部91の一端面が接続配線110の延設方向に沿って形成されていることが好ましい。例えば、本実施形態では、リード電極90の接続部91が、接続配線110の延接方向に沿って引き出され、その幅方向両端面が接続配線110の延設方向とほぼ一致するようにした。
なお、圧電素子300を比較的高密度に配列している場合、圧電素子300から引き出されたリード電極90の接続部91の配列ピッチが、駆動IC100のパッド部101の配列ピッチよりも広くなる場合がある。このような場合には、接続配線110の延設方向が圧電素子300毎に異なるため、接続部91は、各接続配線110の延設方向に応じてそれぞれ異なる形状で形成されていることが好ましい。例えば、各接続部91の幅方向両端面が、それぞれに対応する各接続配線110の延設方向とほぼ一致するように形成されていることが好ましい。
このような構成では、接続配線110がリード電極90の接続部91の延設方向で接続されるため、接続配線110のボンディング部111が、リード電極90の接続部91の外側にはみ出すことがなく、接続部91に確実に形成される。したがって、リード電極90と接続配線110とを所定面積で確実に接続することができ、圧電素子300を高密度に配列した場合であっても、リード電極90と接続配線110とを確実に電気的に接続することができる。また、リード電極90の配列ピッチと駆動IC100の接続配線110が接続されるパッド部101のピッチとが異なる場合であっても、リード電極90と接続配線110とを良好に接続することができる。
さらに、リード電極90の接続部91の形状のみを所定形状とすればよいため、リード電極90を比較的容易に形成することができる。さらに、リード電極90の全体の幅を広げる必要がなく、リード電極90の面積を比較的小さく抑えることができるため、金(Au)等の比較的高価な材料を用いた場合であっても、コストの増加を抑えることができる。
なお、本実施形態では、リード電極90の接続部91が、接続配線110の延接方向に沿って形成されているが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、接続配線110の延設方向に略直交する方向に引き出し、その先端面が各接続配線110の延設方向とほぼ一致するようにしてもよい。勿論、このような構成としてもリード電極90と接続配線110とを良好に接続することができる。
また、封止基板30上には、駆動IC100が搭載されると共に、リザーバ部32に対応する領域に、封止膜41及び固定板42からなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ120に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ120の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このように構成したインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ120からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC100からの記録信号に従い、上電極膜80と下電極膜60との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
なお、本実施形態では、リード電極90の接続部91を接続配線110の延設方向と略直交する方向に引き出すようにしたが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、リード電極90の幅を他の部分よりも広くすることによって接続部91を形成するようにしてもよい。何れにしても、リード電極90の接続部91が、接続配線110のボンディング部111をその領域内に形成可能な形状を有していればよい。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図である。実施形態1では、リード電極90の接続部91は、接続配線110が接続部91の領域内にボンディング可能な形状、すなわちボンディング部111がこの接続部91内に収まる程度の大きさで形成したが、本実施形態では、図5に示すように、接続部91は、その幅W1がボンディング部111の最大幅W2よりも狭く且つその1/3以上の幅となるように形成するようにした。また、隣接する接続部91のピッチをボンディング部111の最大幅W2よりも狭くしている。なお、このような構成とする場合には、接続部91を本体部92から接続配線110の延設方向に沿って傾斜するように設ける。
これにより、接続配線110のボンディング部111が接続部91内に収まるようにした場合と同等のボンディング強度を確保することができる。したがって、このような構成を採用することにより、リード電極90の間隔をさらに狭くすることができる。すなわち、圧電素子の配列密度をさらに向上することができる。
リード電極90の接続部91の間隔を狭く、すなわち、接続部91のピッチをボンディング部111の最大幅W2よりも狭くすると、接続配線110を接続部91にボンディングする際に、接続配線110のボンディング部111が、隣接するリード電極90の接続部91に接触することがある。しかしながら、ボンディング部111が隣接する接続部91に接触する領域は、接続部91と接続配線110との接続には実質的に影響する部分ではないため、これによって隣接するリード電極90同士が短絡することはない。ただし、接続配線110を形成する際、各接続配線110のボンディング部111が、接続配線110が接続されていないリード電極90側にはみ出すように形成することが好ましい。
(試験例1)
ここで、接続配線110のボンディング部111が、リード電極90の接続部91内に完全に収まるようにしたもの(比較例)と、接続部91の幅を狭くしてボンディング部111の面積の1/3程度が接続部91内に収まるようにしたもの(実施例)とで、それぞれボンディング強度を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、サンプル数は、各21個ずつである。
【表1】
この結果からも明らかなように、接続配線110のボンディング強度は、ボンディング部111が、リード電極90の接続部91内に1/3程度が収まるようにすれば、ボンディング部111が接続部91内に完全に収まるようにしたものと、同等のボンディング強度が得られる。すなわち、接続部91の幅が、ボンディング部111の最大幅の1/3以上であれば、この接続部91と接続配線110とを良好に接続することができる。したがって、接続部91の幅がボンディング部111の最大幅よりも狭く且つ1/3以上であるようにすれば、接続部91と接続配線110との接合強度を確保しつつ、圧電素子300の配列密度をさらに向上することができる。
(実施形態3)
図6は、実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドの配線構造を示す概略図である。本実施形態は、リード電極90のパターン形状の他の例であり、図6に示すように、本実施形態の各リード電極90は、隣接するリード電極とは異なる長さで形成され、接続部91がいわゆる千鳥状に配置されている。なお、接続部91は、実施形態1と同様に、接続配線110の延設方向に略直交する方向に引き出されている。また、各リード電極90は、接続部91の張り出し量dよりも狭い間隔で配列されており、隣接するリード電極90の接続部91に対応する部分には、この接続部91との電気的接触を防止する凹部93が設けられている。
このような構成とすることにより、リード電極90を比較的狭い間隔で配列しても短絡することがない。また、接続部91の位置を千鳥状に配置することにより各接続部91の間隔が広がるため、接続配線110同士の短絡も防止することができる。したがって、圧電素子300を高密度に配列しても、各圧電素子300と駆動IC100とを良好に接続することができ、印刷品質及び信頼性の向上を図ることができる。
(実施形態4)
図7は、実施形態4に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図及び断面図である。本実施形態は、接続配線110がリード電極90の接続部91に接続される角度を規定した例である。具体的には、図7に示すように、リード電極90が、所定の幅で流路形成基板10の端部近傍まで直線的に引き出され、その先端部近傍は、接続配線110が接続される接続部91となっている。なお、本実施形態では、圧電素子300が、360dpiの配列密度で形成されており、リード電極90は、幅45〜47μm、ピッチ70μm程度で形成されている。
そして、接続配線110が、リード電極90の延設方向に対して交差する方向に延設されて接続部91に接続され、この接続配線110がリード電極90の接続部91に接続される角度、すなわち、リード電極90の接続部91の延設方向と接続配線110の延設方向との角度θが45°±15°の範囲となるように規定されている。なお、この角度θは、特に、55°程度であることが望ましい。
これにより、リード電極90と接続配線110とを良好に接続することができる。すなわち、リード電極90の接続部91の引き出し方向に対して所定角度で接続配線110を接続することにより、リード電極90の接続部91と接続配線110との接続面積が実質的に広がり接合強度が向上する。また、接続配線110のリード電極90からのはみ出し量を抑えてリード電極90の短絡を防止することができる。なお、このような構成は、圧電素子300を高密度、例えば、200dpi以上で配列したものに採用すると、特に効果的である。圧電素子300を高密度に配列した場合には、リード電極90の幅及びピッチが狭くなり、リード電極90の接続部91と接続配線110との接続面積が小さくなるためである。
また、リード電極90の幅を比較的狭くしても接続配線110を良好に接続できるため、リード電極90の全体面積を比較的小さく抑えることもできる。これにより、金(Au)等の比較的高価な材料を用いた場合であっても、コストの増加を抑えることができるという効果もある。
(試験例2)
上述した実施形態4の構成のインクジェット式記録ヘッドを作成し、リード電極90の引き出し方向との角度θを変化させてリード電極90と接続配線110とを接続したときの両者の接続状態、具体的には、隣接するリード電極90のショートの発生率と、接続配線110のリード電極90とのボンディング強度を調べた。その結果を下記表2に示す。なお、試験に使用したインクジェット式記録ヘッドは、360dpiの密度で圧電素子を配列したものであり、リード電極の幅は約46μmであり、そのピッチは約70μmであった。
【表2】
上記表2に示すように、リード電極90の接続部91の延設方向と接続配線110の延設方向との角度θが大きいほど、リード電極90のショートによる不良率は低くなる。一方、リード電極90と接続配線110とのボンディング強度は、角度θを40°前後としたときに最も高く、角度θが大きすぎても小さすぎてもボンディング強度は低下してしまう。そして、これらのデータから総合的に判断した結果、リード電極90の引き出し方向と接続配線110の引き出し方向との角度θを45°±15°程度とすれば、リード電極90の短絡を防止し且つリード電極90と接続配線110とを良好に接続することができることが分かった。
なお、本実施形態では、リード電極90が、駆動IC100のパッド部101の並び方向に対して直交する方向に直線的に延設された例を説明したが、リード電極90の延設方向は、特に限定されない。例えば、図8(a)に示すように、リード電極90の接続部91を他の部分とは異なる方向に延設するようにしてもよいし、図8(b)に示すように、リード電極90を駆動IC100のパッド部101の並び方向に対して所定角度で交差する方向に直線的に延設するようにしてもよい。何れにしても、リード電極90の接続部91の延設方向と接続配線110の延設方向との角度が45°±15°の範囲内となっていれば、リード電極90と接続配線110とを良好に接続することができる。
また、このような構成とした場合でも、実施形態1と同様に、接続部91の一端面が接続配線110の延設方向に沿って形成されているようにすれば、リード電極90と接続配線110とをより良好に接続することができる。
また、本実施形態では、圧電素子300から引き出されたリード電極90の配列ピッチが、駆動IC100のパッド部101の配列ピッチと同一である構成を例示したが、勿論、リード電極90の接続部91の延設方向と接続配線110の延設方向との角度θが45°±15°の範囲であれば、リード電極90の配列ピッチと駆動IC100のパッド部101の配列ピッチとは異なっていてもよい。
(実施形態5)
図9は、実施形態5に係るインクジェット式記録ヘッドの配線構造を示す概略図である。本実施形態は、流路形成基板10の両端部近傍に設けられたリード電極90と駆動IC100とを接続する接続配線110の長さを、流路形成基板10の中央部に設けられたリード電極90と駆動IC100とを接続する接続配線110の長さよりも長くなるようにして、ヘッドの熱変形による接続配線110とリード電極90との接続不良の発生を防止するようにした例である。
図9に示すように、本実施形態では、圧電素子300から引き出されたリード電極90の接続部91の配列ピッチが、駆動IC100のパッド部101の配列ピッチよりも広くなるようにした。このため、接続配線110とリード電極90とが交差する角度は、流路形成基板10の端部側ほど大きくなっている。そして、流路形成基板10の端部近傍に設けられるリード電極90Aの長さを流路形成基板10の中央部に設けられるリード電極90Bの長さよりも長くして、流路形成基板10の端部近傍に設けられる接続配線110Aの長さが、中央部に設けられる接続配線110Bの長さよりも長くなるようにした。
このような構成では、流路形成基板10の端部近傍に設けられる接続配線110Aは、中央部の接続配線110Bよりも変形可能な範囲が広がるため、熱によりヘッドに反りが生じた場合でも、接続配線110Aが引っ張られてボンディング部111が外れることがない。すなわち、ヘッドに反りが生じると、流路形成基板10の端部側ほど変形量が大きく接続配線110Aが外れる可能性も大きいが、本実施形態のように、流路形成基板10の端部近傍の接続配線110Aの長さを中央部の接続配線110Bよりも長くしておくことで、各接続配線110Aとリード電極90Aとの接続不良を効果的に防止することができる。
なお、本実施形態では、リード電極90の長さ(接続部91の位置)を変えることによって接続配線110の長さを変化させるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、リード電極90の長さは略同一として、流路形成基板10の端部近傍に設けられる接続配線110Aの高さh1を中央部に設けられる接続配線110Bの高さh2よりも高くするようにしてもよい。何れにしても、流路形成基板10の端部近傍に設けられる接続配線110Aの長さが長くなるため、熱によりヘッドに反りが生じた場合でも、接続配線110Aとリード電極90Aとの接続不良を防止することができる。
また、本実施形態では、流路形成基板10の端部近傍に設けられる複数の接続配線110Aを略同一の長さで形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、流路形成基板10の端部側に設けられる接続配線110ほど、その長さが長くなるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、圧電素子300から引き出されたリード電極90の接続部91の配列ピッチが、駆動IC100のパッド部101の配列ピッチと同一又はそれよりも広くなっている構成を例示したが、勿論、圧電素子300から引き出されたリード電極90の接続部91の配列ピッチが駆動IC100のパッド部101の配列ピッチよりも狭くなるようにしても本発明を採用することができる。
また、上述の各実施形態では、圧力発生室12の列を1列具備するインクジェット式記録ヘッドを例示したが、勿論、本発明は、圧力発生室12の列を2列具備するインクジェット式記録ヘッドにも適用することができる。その一例について説明する。なお、上述した実施形態の構成と重複する記載は省略し、同一部材には同一符号を付す。
本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドは、図12に示すように、流路形成基板10には、複数の圧力発生室12が幅方向に並設された列15が、2列設けられている。そして、流路形成基板10の一方面側に圧電素子300が形成されると共に、これらの圧電素子300を封止する圧電素子保持部31を有する封止基板30が接合されている。なお、圧力発生室12の列15の外側には、流路形成基板10及び封止基板30を貫通して、各列15毎にリザーバ120が設けられている。
また、封止基板30の圧力発生室12の列15間に対応する領域には、各圧電素子300から引き出されたリード電極90が露出される2つの貫通部33が設けられ、各貫通部33の両側の各列15に対向する領域には、それぞれ駆動IC100が実装されている。すなわち、各圧電素子300(圧力発生室12)の列15毎に2つの駆動IC100が実装され、合計4つの駆動IC100が実装されている。そして、これらの各駆動IC100は、各パッド部101が対応する圧電素子300から引き出されたリード電極90の接続部91よりも列15方向中央側に若干ずれた位置となるように、封止基板30上に実装されている。そして、各駆動IC100のパッド部101と、リード電極90の接続部91とが、リード電極90の引き出し方向に対して交差する方向に延設された接続配線110によってそれぞれ接続されている。すなわち、駆動IC100のパッド部101が、接続配線110の引き出し方向に対して傾斜する方向に並設され、各パッド部101と各リード電極90の接続部91とが接続配線110によってそれぞれ接続されている。このような構成のインクジェット式記録ヘッドにおいても、勿論、上述した実施形態の構成を適用することができ、また同様の効果を得ることができる。
また、例えば、上述の実施形態では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図13は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図13に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、本実施形態では、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
以上説明したように本発明では、引き出し配線と接続配線とをボンディングによって確実に接続することができ、圧電素子300を高密度に配列した場合であっても、リード電極と接続配線とを確実に電気的に接続することができる。また、流路形成基板の端部近傍に設けられる接続配線の長さを、中央部に設けられる接続配線の長さよりも長くしておくことにより、熱によりヘッドの反りが生じた場合でも、接続配線と引き出し配線との接続不良が発生することなく、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図4】実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図5】実施形態2に係る記録ヘッドの平面図である。
【図6】実施形態3に係る記録ヘッドの平面図である。
【図7】実施形態4に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図8】実施形態4に係る記録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図9】実施形態5に係る記録ヘッドの平面図である。
【図10】実施形態5に係る記録ヘッドの変形例を示す側面図である。
【図11】実施形態5に係る記録ヘッドの変形例を示す側面図である。
【図12】他の実施形態に係る記録ヘッドの平面図である。
【図13】一実施形態に係る記録装置の概略図である。
Claims (16)
- ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを有する液体噴射ヘッドにおいて、
前記圧電素子から引き出された引き出し配線の接続部と前記圧電素子を駆動する駆動ICの各パッド部とが、ワイヤボンディングによって形成されると共に前記引き出し配線の前記接続部の引き出し方向に対して交差する方向に延設される接続配線によって接続され、前記接続部が、前記引き出し配線の本体部から前記接続配線の延設方向に沿って傾斜して設けられると共に、当該接続部の幅が前記接続配線のボンディング領域の最大幅よりも狭く且つその1/3以上であり、隣接する前記接続部のピッチが前記接続配線のボンディング領域の最大幅よりも狭いことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記接続配線の延設方向と前記接続部の延設方向との角度が45°±15°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記引き出し配線の幅が、前記駆動ICに設けられる前記パッド部の幅と同一又はそれよりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記引き出し配線のピッチと、前記駆動ICに設けられる前記パッド部のピッチとが同一であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の前記圧電素子側に、当該圧電素子に対向する領域に圧電素子保持部を有する封止基板が接合され、前記駆動ICが前記封止基板上に搭載されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記駆動ICの前記パッド部が、前記接続配線の延設方向に対して傾斜する方向に並設されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の少なくとも端部近傍に設けられる接続配線の長さが、前記流路形成基板の中央部に設けられる接続配線の長さよりも長いことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の端部近傍に延設される引き出し配線の長さと、前記流路形成基板の中央部に延設される引き出し配線の長さとが異なることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の少なくとも端部近傍に設けられる接続配線の前記引き出し配線からの高さが、前記流路形成基板の中央部に設けられる接続配線の高さよりも高いことを特徴とする請求項7又は8に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の端部側に設けられる接続配線ほど、その長さが長くなっていることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- ノズル開口に連通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを有する液体噴射ヘッドにおいて、
前記圧電素子から前記流路形成基板上に引き出された各引き出し配線と前記圧電素子を駆動する駆動ICの各パッド部とがワイヤボンディングによって形成される接続配線によって接続され、且つ該接続配線の延設方向と前記引き出し配線の前記接続配線が接続される接続部の延設方向との角度が45°±15°の範囲であることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記引き出し配線の幅が、前記駆動ICに設けられる前記パッド部の幅と同一又はそれよりも狭いことを特徴とする請求項11に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記引き出し配線のピッチと、前記駆動ICに設けられる前記パッド部のピッチとが同一であることを特徴とする請求項11又は12に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記流路形成基板の前記圧電素子側に、当該圧電素子に対向する領域に圧電素子保持部を有する封止基板が接合され、前記駆動ICが前記封止基板上に搭載されていることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1〜15の何れかに記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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