JP3875142B2 - フィルタの取付構造 - Google Patents
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- F25D2323/0024—Filters in the air flow cooling refrigerating machinery
Description
【発明の属する技術分野】
この発明はフィルタの取付構造に関し、更に詳細には、冷凍機構等の機器を収容する機械室を画成しているパネルに、該機械室内に空気を吸込む通気部を形成した装置におけるフィルタの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
筐体に内部画成した機械室に冷凍機構を備え、該機構によって庫内を冷却するよう構成した冷蔵庫等が、喫茶店やレストラン等の厨房施設で好適に使用されている。前記冷凍機構を構成する圧縮機、凝縮器および凝縮器用ファン等が収容される機械室を画成する筐体には、該機械室と対応する正面側に着脱または開閉可能にフロントパネルが配設されると共に、その所要位置に所要形状の通気孔を開設してある。また前記凝縮器の空気吸込み側には、メッシュ状のフィルタが所要位置に突設した突部を凝縮器における熱交換用に形成されているフィンの間に嵌入することで配設されている。そして、前記凝縮器用ファンを駆動した際に、前記通気孔を介して機械室内に吸込まれた外部空気中に含まれる塵埃やオイルミスト等を前記フィルタで捕集して清浄化した空気により、前記凝縮器の冷却を行なうよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記フィルタは、使用により空気中に含まれる塵埃やオイルミスト等が次第に付着して目詰まり状態となる。このようにフィルタが目詰まり状態となると、該フィルタを通過する空気量が減少し、前記凝縮器の冷却を充分に行なうことができなくなる。これにより、凝縮器における熱交換が充分に行なわれず、庫内の冷却不足を来たす畏れがある。また、凝縮器の冷却不足により機械室内の温度上昇を招き、該機械室に収容されている各種機器の動作異常の原因となったり、耐用年数の低下等の原因ともなる。更に、冷却機構の稼働時間が長くなって、電気代が高くなる問題もある。このため、定期的に前記フィルタの目詰まり状態の確認およびフィルタの清掃を行ない、前記凝縮器を充分に冷却し得る状態を維持する必要がある。しかしながら、前記フィルタは機械室内に配設されているため、フィルタの目詰まり状態の確認や清掃を行なう場合には、前記フロントパネルを取外したり開放する必要があり、非常に煩雑な作業となっている。
【0004】
また前記フィルタは、前記突部を凝縮器のフィン間に嵌入して固定するため該フィルタの固定が不安定であり、例えば振動等により凝縮器から脱落して、塵埃やオイルミスト等が凝縮器に直接付着する畏れがある。また、フィン間にフィルタの突部を嵌入するため、フィンが変形する問題を招く。更に、前記突部はフィン間であればどの位置にも取付けることが可能であるため、取付け位置によっては凝縮器の空気吸込み側にフィルタで被覆されていない部位ができ、塵埃やオイルミスト等が凝縮器に付着する問題がある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、フィルタの交換を容易としてメンテナンス性を向上し得るフィルタの取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るフィルタの取付構造は、
機械室を画成するパネルの適宜箇所に、複数の通気孔からなる通気部を穿設し、該通気部を介して機械室内に空気を吸込むことで、該機械室内および機械室に収容した各種機器の冷却を行なう装置において、
枠状に形成されて前後方向に所要の厚みを有するフレーム部と、該フレーム部の開口内側全体に設けられて、複数の微細な孔が形成されて前後の空気の流通を許容するフィルタ部とから構成したフィルタを、前記通気部の全体を被覆するように前記パネルの外側に着脱可能に配設し、
前記フレーム部を前記パネルの外面に隙間なく当接させた際に、該パネルと前記フィルタ部との対向面間に、所要の空間が画成されるよう構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るフィルタの取付構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、フィルタを冷蔵庫に取付ける場合について説明する。図1に示すように、冷蔵庫10は、断熱箱体13の内部に画成されて前側に開口する収納室11と、該断熱箱体13の側部に画成されて冷凍機構を構成する圧縮機や凝縮器等を収容する機械室15とを備えている。また、前記収納室11の前側開口は、開閉可能な扉12,12で閉塞されると共に、前記機械室15の前側には、着脱または開閉可能な金属製のフロントパネル(パネル)16が取付けられている。なお前記フロントパネル16には、図2または図3に示すように、複数の横長の通気孔16aが所要パターンで穿設されており、前記機械室15の内部と外部とがこれら複数の通気孔16aからなる通気部17を介して連通するようになっている。更に、前記通気部17の上方位置には保護シール16bが貼付されており、フィルタ20の取付け・取外しに際して、前記フロントパネル16に疵等が生じないようになっている。
【0008】
図1に示すように、前記フロントパネル16の前側(外側)には、塵埃捕集用のフィルタ20が、前記通気部17の全体(全ての通気孔16a)を被覆するように配設されている。このフィルタ20は、略矩形の枠状に形成されて前後方向に所要の厚みを有するフレーム部21と、該フレーム部21の開口内側全体に設けられて、複数の微細な孔が形成された前後の空気の流通を許容するフィルタ部としてのメッシュ部22とから構成されている。また、前記メッシュ部22は、前記フレーム部21における開口内側の手前側に位置し、図4に示す如く、該フレーム部21の後面21aが前記フロントパネル16の前面(外面)に隙間なく当接した際に、該フロントパネル16とメッシュ部22との対向面間に所要の空間25が画成されるようになっている。なお、前記フレーム部21およびメッシュ部22は、一体的に形成しても別部材で形成して組付けてもよく、また材質としては金属や樹脂等の何れであってもよい。
【0009】
図2に示すように、前記フレーム部21におけるフロントパネル16との対向面である後面21aの下端縁には、左右方向に所要間隔離間して、前記フロントパネル16の通気孔16aに対して係脱可能に挿入し得る一対の係止片21b,21bが下方に向かって延出するよう形成されている。なお、図4に示すように、前記各係止片21bは、前記フレーム部21との連結部が所要量だけ後側に突出するL字形に形成され、各係止片21bを前記通気孔16aに前側から挿入したもとでフレーム部21の後面21a全体を前記フロントパネル16に当接させた際に、各係止片21bが通気孔16aの縁部に係合するようになっている。また、前記各係止片21bは、先端部に向かうにつれて次第に鋭角的になるようテーパ状に形成してある(図3(b)参照)。
【0010】
また、図2に示すように、前記フレーム部21の後面21aにおける上部位置には、左右方向に所要間隔離間して一対の突出部21c,21cが後方に向けて突設されると共に、該突出部21c,21cの上方で、前記保護シール16bと対応する位置に所要幅寸法のマグネット24が配設されている。なお、マグネット24は、前記フレーム部21の後面21aより後方に突出しないよう埋設されている。前記突出部21c,21cの夫々は、前記係止片21b,21bを最下部の通気孔16a,16aに係合して前記フレーム部21の後面21aをフロントパネル16に当接させた際に、該フロントパネル16に形成されている最上部の通気孔16a,16aに挿入されて、前記フィルタ20の左右方向の位置ズレを防止するようになっている。また、前記各突出部21cは、図3(a)に示す如く、相互に離間する左右外側の面が、後側に向かうにつれて他方の突出部21cに近接する傾斜面26に形成され、該突出部21cを通気孔16aに挿入する際に傾斜面26に通気孔16aの対応する内側面が当接することで、当該フィルタ20が傾いた状態で取付けられるのを防止し得るよう構成してある。
【0011】
そして、前記各突出部21cが前記通気孔16aに挿入されると、前記マグネット24が前記フロントパネル16に磁力吸着して、前記フィルタ20がフロントパネル16に位置決め固定されるようになっている。なお、本実施例では、前記フロントパネル16に形成した最下部の通気孔16aに各係止片21bを挿入した際に、各突出部21cが最上部の通気孔16aに挿入されるよう構成してあるが、係止片21bと突出部21cとの相対位置を変更することで、任意の位置の通気孔16aに挿入することができる。
【0012】
更に、図4に示すように、前記フレーム部21の上面における前側近傍に、上方に向かって突出する取手部23が左右幅方向の中央に形成されている。この取手部23は、その左右側部から中央に向かうにつれて前記フロントパネル16の前面から離間するよう前方(外側)に突出する円弧状に湾曲するよう形成されており(図3(a)参照)、フロントパネル16の前面と該取手部23の後面との間には、少なくとも人の指が1本入る隙間が設けられるようになっている。
【0013】
【実施例の作用】
次に、本実施例に係るフィルタの取付構造の作用について説明する。前記フィルタ20をフロントパネル16に取付ける場合は、前記機械室15の前側に位置するフロントパネル16に穿設されている最下部の通気孔16a,16aに、前記フレーム部21に形成した係止片21b,21bを挿入する。次いで、フィルタ20をフロントパネル16に向けて倒伏させると、フレーム部21の後面21aに形成した前記突出部21c,21cが、該フロントパネル16の最上部の通気孔16a,16aに挿入される。そして、フレーム部21の後面21aがフロントパネル16に当接すると、図4に示す如く、前記各係止片21bが通気孔16aと係合すると共に、該フレーム部21に配設した前記マグネット24が、フロントパネル16に磁力吸着することで、フィルタ20がフロントパネル16の前面に取付けられる。この状態で、フィルタ20により通気部17の全体が被覆され、前記機械室15内の凝縮器ファンを運転した際に、前記通気孔16aを介して機械室15内に吸込まれる外部空気に含まれる塵埃やオイルミスト等はフィルタ20で捕集されるので、該機械室15内に汚れが付着するのを防止できる。なお、前記マグネット24は、前記フロントパネル16に設けた保護シール16bを介して該パネル16に磁力吸着されるので、当該フロントパネル16に疵等が生ずるのを効果的に防止できる。
【0014】
前述したフィルタ20の取付けに際し、フィルタ20に設けた前記係止片21b,21bをテーパ状に形成したことで、各係止片21bの前記通気孔16aへの挿入が容易となる。また、係止片21b,21bおよび前記突出部21c,21cを左右に離間して設け、上下位置において4点で支持することで、フィルタ20のガタツキやズレを防止し得る。更に、前記突出部21c,21cの外側に傾斜面26,26を形成したので、該突出部21c,21cを通気孔16a,16aに挿入する際に、フィルタ20が傾いたとしても、傾斜面26,26が通気孔16a,16aの相互に離間する内側面に当接することで、該フィルタ20を適正な姿勢に案内することができる。なお、前記係止片21b,21bおよび突出部21c,21cは前記フィルタ20と一体で形成されているから、部品点数が増加することなく、コストの増大を防止し得る。
【0015】
一方、前記フィルタ20を取外す場合は、該フィルタ20のフレーム部21に形成した前記取手部23を把持して手前側に引っ張り、前記マグネット24をフロントパネル16から離脱させる。そして、前記各係止片21bを前記通気孔16aから引き抜くことで、フィルタ20を取外すことができる。このようにマグネット24によりフィルタ20を固定することで、ネジ固定の場合のように煩雑な作業は必要なく、簡単に短時間で取外すことが可能となる。ここで、前記取手部23を前方に突出する円弧状に湾曲させて、前記フロントパネル16との間に作業者の指を挿入し得る隙間を設けるように構成したので、容易に取外し操作を行なうことができる。また、前記取手部23はフレーム部21の上面から上方に突出し、前方には大きく突出していないから、冷蔵庫の前側で作業している作業者が取手部23に接触してフィルタ20の姿勢が変わって脱落するのは抑制される。
【0016】
前述したように、前記フロントパネル16の前側に露出した状態でフィルタ20を着脱可能に組付けたから、該フィルタ20の汚れの程度を容易に把握することができるため、適切な時期にフィルタ20の清掃等のメンテナンスを行ない得る。また、フィルタ20の着脱に際してフロントパネル16を取外す必要はないから、作業効率が向上する。
【0017】
更に、図5に示すように、前記フィルタ20をフロントパネル16に取付けると、該フィルタ20のメッシュ部22とフロントパネル16との間に、所要の空間25が形成される。このように、フィルタ20とフロントパネル16との間に空間25を設けることで、該空間25を介して前記通気部17の全体から外部空気を吸込むことができるようになる。すなわち、前記メッシュ部22の一部が塵埃やオイルミスト等(図5中に示す符号28)の付着により目詰まりしても、目詰まりしていない部位を外部空気が通過して、前記空間25を介して前記各通気孔16aから機械室15内に通出する。従って、前記フィルタ20の目詰まりにより機械室15内への外部空気の流入量が大きく減少することはなく、長期間に亘って前記凝縮器等を効率的に冷却することができると共に、該フィルタ20の清掃頻度を減少させ、作業の手間を低減できる。
【0018】
そして、効率的に機械室15内を冷却することで、温度上昇による各種機器の動作異常を防止すると共に、耐用年数を向上させ得る。また、前記冷凍機構の効率的な運転が達成され、前記収納室11内を短時間で設定温度にすることができるので、冷凍機構の稼働時間を短縮して消費電力を低減できる。
【0019】
更に、前記フィルタ20は、マグネット24および係止片21bにより前記フロントパネル16に確実に固定されるので、例えば振動等により該フィルタ20が脱落することはなく、塵埃やオイルミスト等を確実に捕集することができる。また、マグネット24はフレーム部21に埋設されて後側に突出していないから、該フレーム部21をフロントパネル16に隙間なく密着させることができ、塵埃を含む外部空気が機械室15に吸込まれるのを防止し得る。
【0020】
【別実施例】
なお、フィルタの取付構造としては、前述した実施例の構成のものに限られるものではない。そこで、冷凍機構や製氷機構を収容する機械室を内部画成した製氷ユニットを貯氷庫 (図示せず)の上部に載置する場合を例にして以下説明する。図6および図7に示すように、機械室35を画成するフロントパネル36に所要の大きさの通気部としての開口部36aが形成され、該開口部36aを介して機械室35の内部と外部とが連通するよう構成される。また、前記開口部36aの下方には、塵埃捕集用のフィルタ40の後述する係止片41aが挿入される挿入口36cが形成されている。更に、前記開口部36aの上端縁には左右方向に所要間隔離間する位置に第1の切欠部36b,36bが形成され、該各切欠部36bに整列して前記フロントパネル36の後面側にマグネット44が夫々配設される。
【0021】
前記各マグネット44は、図8または図9に示すように、L字状の取付板45を介して前記フロントパネル36に着脱可能に固定されるようになっている。この取付板45の前板46には、フロントパネル36の前記第1の切欠部36bと対応する大きさに設定された第2の切欠部46bが形成されると共に、該第2の切欠部46aを挟む両側の位置にネジ孔46aが夫々穿設される。そして、前記フロントパネル36に穿設した通孔に前側から挿通したネジ(何れも図示せず)を、前記各ネジ孔46aに螺挿することで、取付板45がフロントパネル36にネジ止め固定されるようになっている。また、前記取付板45の上板47における左右両側部近傍には、前記マグネット44を固定するネジ孔47a,47aが夫々穿設されている。
【0022】
更に、前記マグネット44の上側には、略矩形の固定板44aが取付けられており、この固定板44aにおける取付板45の上板47に形成した各ネジ孔47aと対応する位置に、前後方向に所定長さで延在する長孔44bが夫々穿設されている。そして、前記長孔44bに挿通した図示しないネジをネジ孔47aに螺挿することで、取付板45に対してマグネット44が前後方向に位置調節可能に固定されるよう構成される。なお、前記固定板44aは前記各マグネット44の前方端縁より所要量だけ後側に退避して設けられており、該マグネット44を前記フロントパネル36に取付けた際に、マグネット44の前面がフロントパネル36の表面より前側に位置するよう構成される。
【0023】
そして、前記フロントパネル36における開口部36aの前側に、塵埃やオイルミスト等を捕集するフィルタ40が着脱可能に配設されるようになっている。このフィルタ40は、前記開口部36aを被覆する略矩形の枠状に形成される金属材からなるフレーム部41と、該フレーム部41の開口全体に設けられ、複数の微細な孔が形成されて前後の空気の流通を許容するメッシュ部(フィルタ部)42とから構成される。なお、前記メッシュ部42はフレーム部41における開口内側の手前側に位置し、該メッシュ部42とフロントパネル36との間に主要の空間を画成するようにしてある。また、前記フレーム部41の下端縁には、その幅方向の全長に亘って斜め後方に延出する係止片41aが形成され、該係止片41aがフロントパネル36に形成した前記挿入口36cに挿入し得るようになっている。更に、前記フレーム部41の上端縁には、その幅方向の全長に亘り前側に向かって突出する取手部43が形成してある。なお、フレーム部41の全体を金属製とするのに代えて、前記フィルタ40を前記開口部36aの前側に取付けた際に、フレーム部41におけるマグネット44と対応する位置に金属板等からなるプレートを配設してもよい。
【0024】
次に、前記フィルタ40をフロントパネル36に取付ける場合について説明する。予め、前記取付板45,45を介して、前記マグネット44,44をフロントパネル36の後面側で第1の切欠部36b,36bに整列させてネジ止め固定する。そして、前記フィルタ40の係止片41aをフロントパネル36の前方から、前記挿入口36cに挿入し、該フィルタ40をフロントパネル36側に倒伏させることで、前記フレーム部41が各マグネット44に磁力吸着し、フィルタ40が前記開口部36aを被覆した状態でフロントパネル36の前側に取付けられる。このとき、フィルタ40の下部側は、前記係止片41aが挿入口36cの縁部と係合するので、該フィルタ40がフロントパネル36から脱落することはない。また、前記フィルタ40の取外しに際しては、該フィルタ40に形成した取手部43を把持して前方に引っ張ることで、前記各マグネット44からフレーム部41が脱離すると共に、係止片41aが挿入口36cから引き抜かれることで取外される。
【0025】
この別実施例における作用効果については、前述した実施例と同様である。なお、前記マグネット44の固定板44aに長孔44bを形成することで、該マグネット44の位置を微調整することができる。このため、前記マグネット44の前面をフロントパネル36の表面より僅かに突出させて、前記フィルタ40のフレーム部41に確実に磁力吸着させることができ、該フィルタ40の充分な固定を図り得る。
【0026】
なお、フィルタやフロントパネルの構成は、実施例や別実施例のものに限定されず、各種の変更が可能である。例えば、係止片をフィルタの下方位置に形成したが、側部に設けることも可能である。また、前述の実施例では、冷蔵庫や製氷ユニットの機械室を画成するフロントパネルの前側にフィルタを取付ける場合について説明したが、これに限られず、冷蔵ショーケースのように機械室を画成して、該機械室や機械室内に収容された各種機器を空気冷却する装置であれば、何れのものにも採用することができる。更に、実施例では、機械室の前側に配設するフロントパネルに形成した通気部の全体を被覆するようにフィルタを取付けるようにしたが、機械室の側部や後部あるいは上部を画成するパネルに通気部を形成し、該通気部の全体を被覆するようにフィルタを取付けてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るフィルタの取付構造では、機械室を画成するパネルの外側に、空気中に含まれる塵埃等の異物を捕集し得るフィルタを、該パネルに穿設した通気部の全体を被覆するよう着脱可能に配設したから、該フィルタの汚れの程度を容易に把握することができ、適切な時期にフィルタ清掃等のメンテナンスを行なうことができる。また、パネルの外側にフィルタを配設することで、該フィルタの着脱を簡単に行なうことができるようになり、作業効率の向上を図り得る。
【0028】
更に、前記フィルタにおけるパネルと対向する面に係止片を形成して、該係止片を前記通気部に対して係脱可能に挿入するよう構成することで、該パネルに対するフィルタの着脱操作を簡単に行なうことができると共に、該フィルタの位置決めを容易に行ない得る。
【0029】
また、前記フィルタをパネルに取付けた際に、該パネルとフィルタのフィルタ部との対向面間に、所要の空間を形成することで、該空間を介して前記フィルタ部の全体から外部空気を吸込むことができるようになる。すなわち、前記フィルタ部の一部が塵埃やオイルミスト等の付着により目詰まりしても、目詰まりしていない部位を外部空気が通過して、前記空間を介して通気部から機械室内に外部空気を吸込むことができるので、目詰まりによる機械室内への外部空気の流入量の減少を抑制し得ると共に、該フィルタの清掃頻度を減少させ、作業の手間を低減できる。更にまた、効率的に機械室内を冷却することで、温度上昇による機械室内に収容した各種機器の動作異常を防止すると共に、耐用年数を向上させ得る。
【0030】
更に、前記フィルタの上面に前記パネルの外面から離間するよう外側に突出する円弧状の取手部を上向きに突設することで、該取手部とパネルとの間に作業者の指を挿入し得る隙間が形成されるので、フィルタの取外し操作を容易に行ない得る。しかも、前記取手部が外側には大きく突出しないので、作業者が取手部に接触してフィルタの姿勢が変わるのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るフィルタの取付構造を実施した冷蔵庫を示す斜視図である。
【図2】 実施例に係るフィルタの取付構造を実施した冷蔵庫の一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】 実施例に係るフィルタおよびフロントパネルを示し、(a)は両部材を組付けた状態を示す横断平面図であり、(b)は両部材を組付けた状態を示す背面図である。
【図4】 実施例に係るフロントパネルにフィルタを取付けた状態を示す縦断側面図である。
【図5】 実施例に係るフロントパネルにフィルタを取付けた状態を拡大して示す縦断側面図である。
【図6】 別実施例に係る製氷ユニットを示す斜視図である。
【図7】 別実施例に係るフロントパネルからフィルタを取外した状態を示す斜視図である。
【図8】 別実施例のフィルタを固定するマグネットと取付板とを分解状態で示す斜視図である。
【図9】 別実施例に係るフィルタをフロントパネルに取付ける状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
15 機械室, 16 フロントパネル(パネル), 17通気部
20 フィルタ, 21a 係止片, 22 メッシュ部(フィルタ部)
23 取手部, 25 空間, 35 機械室
36 フロントパネル(パネル), 36a 開口部(通気部)
40 フィルタ, 41a 係止片, 43 取手部
Claims (3)
- 機械室(15)を画成するパネル(16)の適宜箇所に、複数の通気孔 (16a) からなる通気部(17)を穿設し、該通気部(17)を介して機械室(15)内に空気を吸込むことで、該機械室(15)内および機械室(15)に収容した各種機器の冷却を行なう装置において、
枠状に形成されて前後方向に所要の厚みを有するフレーム部 (21) と、該フレーム部 (21) の開口内側全体に設けられて、複数の微細な孔が形成されて前後の空気の流通を許容するフィルタ部 (22) とから構成したフィルタ(20)を、前記通気部(17)の全体を被覆するように前記パネル(16)の外側に着脱可能に配設し、
前記フレーム部 (21) を前記パネル (16) の外面に隙間なく当接させた際に、該パネル (16) と前記フィルタ部 (22) との対向面間に、所要の空間 (25) が画成されるよう構成した
ことを特徴とするフィルタの取付構造。 - 前記フィルタ(20)における前記パネル(16)と対向する面に、前記通気部(17) の通気孔 (16a)に対して係脱可能に挿入し得る係止片(21a)を形成した請求項1記載のフィルタの取付構造。
- 前記フィルタ(20)の上面に、前記パネル(16)の外面から離間するよう外側に突出する円弧状の取手部(23)を上向きに突設した請求項1または2記載のフィルタの取付構造。
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