JP3874717B2 - ハウスセキュリティシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウスセキュリティシステムに関し、特に、建造物と遠隔の場所においても、建造物の利用者の状態を的確に把握することのできるハウスセキュリティシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハウスセキュリティシステムは、個人宅やオフィスなどの建造物の防犯や防災を目的として設けられるシステムである。このセキュリティシステムは、建造物内またはその周縁の随所に設けられ、セキュリティに関するデータを検出するセンサと、建造物内に設けられ、センサにより検出された検出データを管理する宅内電送装置(親機)と、建造物(宅内電送装置)とは遠隔に設置され、宅内電送装置から異常事態の発生の通報を受ける情報処理装置とにより構成される。
【0003】
具体的には、センサには、火災の発生を検出する火災感知器、ガス漏れを検出するガス漏れ警報器、防犯センサなどが用いられる。各センサにより検出された検出データは、宅内電送装置に伝送され、この宅内電送装置から電気通信回線を介して、管理センタおよび保安センタの情報処理装置に受信される。これにより、管理センタおよび保安センタにおいて、火災やガス漏れ、侵入者などの異常事態の発生が認識される(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−231363号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、核家族化や、家族の高齢化、共働き家庭の増加により、異常事態の発生時のみならず、平常時においても、在宅者や屋内の状態を、出先にいる家族が確認できるハウスセキュリティシステムが要望されていた。
【0006】
ここで、従来のハウスセキュリティシステムでは、侵入者が検出されると、その旨が通報されるが、これは、建造物が個人宅である場合には、主として、その居住者(利用者)が、建造物がオフィスである場合にはその社員(利用者)が不在である場合に実行される処理である。つまり、在宅者(利用者)の状態を確認できるようには構成されていないため、従来システムをそのまま在宅者の状態の確認に利用できないという問題点があった。
【0007】
更に、従来のシステムでは、通報される情報は、現況の状態を示す情報である。このため、現在、人が検出されたこと、または、現在、人が検出されないことのいずれかのみの情報しか得られず、十分に、在宅者の状態を把握できないという問題点があった。
【0008】
このため、例えば、留守番をする子供や、要介護者の家族がいる場合に、出先にいる家族は、安心して用事や仕事を遂行することができないという問題点が解決されないでいた。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、建造物と遠隔の場所においても、建造物の利用者の状態を的確に把握することのできるハウスセキュリティシステムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のハウスセキュリティシステムは、建造物の利用者に関する利用者情報を検出する複数の利用者検知センサと、前記建造物の屋内環境に関する現状の環境情報を検出する環境検知センサと、その利用者検知センサにより検出される利用者情報を管理する管理装置と、前記管理装置と遠隔に設置されると共に無線回線を介して前記管理装置と相互に接続される情報受信装置とを備え、前記建造物の利用者の活動場所となる前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設される前記利用者検知センサおよび前記環境検知センサを有し、前記管理装置に接続されるセンサユニットを備え、前記管理装置は、前記利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かを判断する利用者判断手段と、その利用者判断手段により、前記利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その 利用者情報の検出時刻を検出元の利用者検知センサに対応付けて記憶する検出時刻記憶手段と、前記利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、前記利用者判断手段により利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、前記検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報を更新し、一方、前記利用者判断手段により前記利用者情報は利用者の検出を示すものでないと判断されると、前記検出時刻記憶手段に先に記憶される検出時刻の情報更新を非実行とする更新手段と、前記建造物に対して予め定められた利用者が不在であることを示す不在モードを設定する不在モード設定手段と、その不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、前記利用者検知センサが利用者を検出すると異常を示す異常信号を出力することにより、予め登録された連絡先に通報する異常情報出力手段と、前記検出時刻記憶手段に記憶された前記利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、前記配設箇所に配設された環境検知センサにより検出された現状の環境情報と、前記利用者検知センサと環境検知センサとが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とを出力する出力手段とを備えており、その出力手段により出力される前記検出時刻の情報は、前記出力手段による出力前に前記利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされるものであって、前記情報受信装置は、前記管理装置の出力手段により出力される情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信されたデータを表示する表示装置とを備え、前記受信手段により受信した前記配設箇所情報と前記検出時刻の情報と前記現状の環境情報とを対応付けて前記表示装置に表示するものである。
【0011】
この請求項1記載のハウスセキュリティシステムによれば、各利用者検知センサは、建造物の利用者の活動場所となる建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されている。この利用者検知センサにより利用者情報が検出されると、検出された利用者情報は、接続される管理装置に入力される。管理装置からは、複数の利用者検知センサの内、少なくとも一部の利用者検知センサについて、その利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、その利用者情報を検出した利用者検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とが、出力手段により出力される。この出力手段により出力される検出時刻の情報は、出力手段による出力前に利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされている。
また、管理装置において、不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、利用者検知センサが利用者を検出すると、異常情報出力手段により、異常を示す異常情報が出力され、予め登録された連絡先に通報される。
また、管理装置において、利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かが利用者判断手段により判断される。そして、利用者判断手段により、利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その利用者情報の検出時刻は、検出元の利用者検知センサに対応付けて検出時刻記憶手段に記憶される。利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、利用者判断手段によって利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報が、更新手段によって更新される。また、利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、利用者判断手段によって利用者の検出を示すものでないと判断されると、検出時刻記憶手段に先に記憶される検出時刻の情報更新は、更新手段により非実行とされる。
また、建造物の所定の箇所に配設された環境検知センサを有するセンサユニットと管理装置とは接続されている。この環境検知センサにより検出された現状の環境情報は、管理装置に入力される。入力された現状の環境情報と、その環境情報を検出した環境検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所の情報とは、出力手段により出力される。
【0012】
請求項2記載のハウスセキュリティシステムは、建造物の利用者に関する利用者情報を検出する複数の利用者検知センサと、前記建造物の屋内環境に関する現状の環境情報を検出する環境検知センサと、その利用者検知センサにより検出される利用者情報を管理する管理装置と、前記管理装置と遠隔に設置されると共に無線回線を介して前記管理装置と相互に接続される情報受信装置とを備え、前記各利用者検知センサは、前記管理装置にそれぞれ接続されると共に、前記建造物の利用者が前記建造物内において取り得る動線に基づいて定められた前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されるものであり、前記利用者検知センサおよび前記建造物の利用者の活動場所となる前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設される前記環境検知センサを有し、前記管理装置に接続されるセンサユニットを備え、前記管理装置は、前記利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かを判断する利用者判断手段と、その利用者判断手段により、前記利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その利用者情報の検出時刻を検出元の利用者検知センサに対応付けて記憶する検出時刻記憶手段と、前記利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、前記利用者判断手段により利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、前記検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報を更新し、一方、前記利用者判断手段により前記利用者情報は利用者の検出を示すものでないと判断されると、前記検出時刻記憶手段に先に記憶される検出時刻の情報更新を非実行とする更新手段と、前記建造物に対して予め定められた利用者が不在であることを示す不在モードを設定する不在モード設定手段と、その不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、前記利用者検知センサが利用者を検出すると異常を示す異常信号を出力することにより、予め登録された連絡先に通報する異常情報出力手段と、前記検出時刻記憶手段に記憶された前記利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、前記配設箇所に配設された環境検知センサにより検出された環境情報と、前記利用者検知センサと環境検知センサとが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とを出力する出力手段とを備えており、その出力手段により出力される前記検出時刻の情報は、前記出力手段による出力前に前記利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされるものであって、前記情報受信装置は、前記管理装置の出力手段により出力される情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信されたデータを表示する表示装置とを備え、前記受信手段により受信した前記配設箇所情報と前記検出時刻の情報と前記現状の環境情報とを対応付けて前記表示装置に表示するものである。
【0013】
この請求項2記載のハウスセキュリティシステムによれば、各利用者検知センサは、建造物の利用者が前記建造物の内において取り得る動線に基づいて定められた建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されている。この利用者検知センサにより利用者情報が検出されると、検出された利用者情報は、接続される管理装置に入力される。管理装置からは、複数の利用者検知センサの内、少なくとも一部の利用者検知センサについて、その利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、その利用者情報を検出した利用者検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とが、出力手段により出力される。この出力手段により出力される検出時刻の情報は、出力手段による出力前に利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされている。
また、管理装置において、不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、利用者検知センサが利用者を検出すると、異常情報出力手段により、異常を示す異常情報が出力され、予め登録された連絡先に通報される。
また、管理装置において、利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かが利用者判断手段により判断される。そして、利用者判断手段により、利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その利用者情報の検出時刻は、検出元の利用者検知センサに対応付けて検出時刻記憶手段に記憶される。利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、利用者判断手段によって利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報が、更新手段によって更新される。また、利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、利用者判断手段によって利用者の検出を示すものでないと判断されると、検出時刻記憶手段に先に 記憶される検出時刻の情報更新は、更新手段により非実行とされる。
また、建造物の所定の箇所に配設された環境検知センサを有するセンサユニットと管理装置とは接続されている。この環境検知センサにより検出された現状の環境情報は、管理装置に入力される。入力された現状の環境情報と、その環境情報を検出した環境検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所の情報とは、出力手段により出力される。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
請求項3記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記センサユニットは、前記利用者検知センサおよび前記環境検知センサの内、検出情報をアナログデータで検出するアナログセンサについて、検出されたアナログデータをデジタルデータに変換すると共に前記アナログセンサの近傍に配置された中継装置を備えており、前記センサユニットは、前記利用者検知センサまたは前記環境検知センサにより検出されたアナログデータを前記中継装置によってデジタルデータに変換した後、前記管理装置に送信するものである。
【0021】
この請求項3記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、中継装置を備えたセンサユニットは、管理装置に接続される。このセンサユニットに備えられた利用者検知センサおよび環境検知センサの内、検出情報をアナログデータで検出するアナログセンサについては、検出されたアナログデータが、アナログセンサの近傍に配置された中継装置によって、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、センサユニットから管理装置に送信される。
【0022】
請求項4記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1から3のいずれかに記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記センサユニットと前記管理装置とは、有線回線を介して相互に接続されている。
【0023】
請求項5記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1から4のいずれかに記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記管理装置は、前記情報受信装置からの情報送信要求に応答して前記出力手段に情報の出力を指示し、その出力手段は、その情報出力指示に基づいて、前記無線回線を介し、情報送信要求元の前記情報受信装置宛に情報を送信するものである。
【0024】
この請求項5記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1から4のいずれかに記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、管理装置は、情報受信装置からの情報送信要求がなされると、管理装置において、その情報送信要求に応答して、出力手段に情報の出力が指示される。そして、出力手段により、無線回線を介し、情報送信要求元の情報受信装置宛に情報が送信される。
【0025】
請求項6記載のハウスセキュリティシステムは、請求項5記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記管理装置は、予め登録された前記情報受信装置の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、前記情報受信装置から情報送信要求がなされた場合に、情報送信要求元の前記情報受信装置の識別情報が、その識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する識別情報判断手段と、その識別情報判断手段により、情報送信要求元の前記情報受信装置の識別情報が前記識別情報記憶手段に記憶されていないと判断されると、前記出力手段による前記情報受信装置への情報送信を禁止する送信禁止手段とを備えている。
【0026】
この請求項6記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項5記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、情報受信装置から情報送信要求がなされると、識別情報判断手段により、情報送信要求元の情報受信装置の識別情報が、識別情報記憶手段に記憶されているか否かが判断される。ここで、情報送信要求元の情報受信装置の識別情報が、識別情報記憶手段に記憶されていないと判断されると、出力手段による情報受信装置への情報送信が、送信禁止手段によって禁止される。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載のハウスセキュリティシステムによれば、各利用者検知センサは、建造物の利用者の活動場所となる建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されている。この利用者検知センサにより利用者情報が検出されると、検出された利用者情報は、接続される管理装置に入力される。管理装置からは、複数の利用者検知センサの内、少なくとも一部の利用者検知センサについて、その利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、その利用者情報を検出した利用者検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とが、出力手段により出力される。この出力手段により出力される検出時刻の情報は、出力手段による出力前に利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされている。
【0031】
よって、出力手段により出力される情報により、利用者の、建造物内での活動状態(履歴)を示すことができるという効果がある。セキュリティに関して出力される情報は、一般的には、その検出時のデータである。かかる場合の利用者の検出においては、利用者がその検出時に検出場所にいること、またはいないことを単純に示すだけのものである。このため、利用者の状態の時間的な経過を知ることはできない。しかし、配設された利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報を出力することができるので、利用者の状態の時間的な経過を知ることができる。言い換えれば、時間的経過を溯って、建造物内のどこに利用者がいたかを示すことができ、単に、現状いる場所を示すだけの場合に比べて、建造物の利用者の行動を詳細に示すことができるのである。
【0032】
例えば、建造物が個人宅であると、その利用者は、その居住者となる。また、利用者の活動場所としては、居間、台所、食堂、寝室、子供部屋などの居室に加え、廊下や階段、玄関など、居住者が日常生活で利用する箇所となる。故に、居間、台所、食堂、寝室、子供部屋などのそれぞれに配設された利用者検知センサが、最後に居住者を検出した時刻を管理装置から出力すれば、かかる個人宅における居住者の行動(軌跡)を把握することができる。このため、出先に居る保護者は、この出力情報を取得することにより、留守番をする子供の状態を的確に把握することができる。
【0033】
尚、利用者検知センサは、上記した活動場所に限って配設される必要はなく、また、必ずしも上記した活動場所全てに配設される必要もない。更に、建造物としては、個人宅に限られる者でなく、例えば、会社や病院、公共施設などが例示される。
また、予め定められた利用者が不在の場合に、利用者検知センサが人を検出すると、異常情報の出力により、異常事態の発生が予め定められた連絡先に通報することができるという効果がある。
ここで、予め定められた利用者として、例えば、建造物が個人宅である場合には、その居住者である家族が例示され、また、建造物がオフィスである場合には、そのオフィスの従業員が例示される。建造物の利用者が検出された検出時刻の情報を出力する本システムは、例えば、個人宅において、留守番する子供(利用者)の状態を出先において確認する ことができるものである。ところが、家族が留守である場合にも、同様に処理を行っていては、出力される情報がでたらめなものになるだけでなく、セキュリティを低下させてしまう。利用者検知センサは、単に、利用者(人体)の検出を行うものであり、利用者が正当な利用者であるか否かに関わらず、同様に動作するものであるからである。
しかし、予め定められた利用者(家族)が不在であることを示す不在モードの設定時には、利用者検知センサが検出した利用者情報が利用者の検出を示している(人体を検出する)と、異常事態の発生であると認識し、不在モードの非設定時とは異なる処理を実行する(異常情報の出力)。故に、高いセキュリティを確保することができる。
なお、出力する必要のある検出時刻の情報は、利用者検知センサが、その配設箇所において、最後に利用者を検出した時刻の情報である。故に、利用者が検出されたことを示す利用者情報が検出された場合に、その検出時刻の情報を記憶し、また、新たに利用者が検出されたことを示す利用者情報が検出されることを契機として、検出時刻の情報を更新することにより、利用者検知センサが最後に利用者を検出した時刻を検出時刻記憶手段に記憶させることができる。
よって、検出時刻記憶手段には、各利用者検知センサ毎に、出力する必要のある1の検出時刻の情報(各利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報)のみを記憶させることができ、検出時刻記憶手段を小さな記憶容量のメモリで設計できるという効果がある。また、出力情報の読み出しを効率的に実行でき、処理効率を向上させることができるという効果がある。
また、検出時刻の情報(利用者の建造物内での活動状態(履歴))に加え、環境検知センサにより検出された環境情報についても出力することができ、建造物の利用者の状態を把握したい者に、より詳細で高度な情報を提供することができるという効果がある。
ここで、建造物の屋内環境については、現在の屋内環境の状況を示す情報を提供することが重要である。つまり、環境情報の出力時刻とその検出時刻との間に大きな時間差があると、現在の屋内環境を正確に伝達することができないからである。本システムにおいては、検出時刻の情報は、各利用者検知センサのそれぞれが、(該情報の出力前に)最後に利用者を検出した時刻の情報とされているが、環境情報は、現状を示す情報を出力し得るので、的確な情報を提供することができる。
これによれば、利用者の行動によって発生した環境変化を、建造物の利用者の状態(屋内環境)を把握したい者に通知し得、建造物の利用者の状況を複合的に解析させて、その状態をより的確に把握させることができるという効果がある。
尚、環境情報としては、例えば、温度、照度、湿度、屋内ガス組成などが例示され、環境検知センサとしては、これらの環境情報を検出する各センサが例示される。
また、建造物と遠隔に位置する者に、情報受信装置によって、建造物の利用者の状態を示す情報(利用者が検出された検出時刻の情報およびその位置を示す配設個所情報)を提供することができるという効果がある。また、無線回線を介しての情報出力は、有線回線のような断線の危険性が小さいので、管理装置から情報受信装置に確実に情報送信を行うことができるという効果がある。
更に、管理装置から出力された情報は、情報通信装置の表示装置に表示されるので、視覚的にかかる情報を確認することができる。故に、利用者検知センサが利用者を検出した検出時刻の情報が、複数の利用者検知センサについて提供されても、音声などでかかる情報が提供される場合に比べ、認知しやすい。
また、受信手段により受信した配設箇所情報と検出時刻の情報とを対応付けて、表示装置に表示するものであるので、いずれの位置において利用者がいつ検出されたかを的確に把握することができるという効果がある。
【0034】
請求項2記載のハウスセキュリティシステムによれば、各利用者検知センサは、建造物の利用者が前記建造物の内において取り得る動線に基づいて定められた建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されている。この利用者検知センサにより利用者情報が検出されると、検出された利用者情報は、接続される管理装置に入力される。管理装置からは、複数の利用者検知センサの内、少なくとも一部の利用者検知センサについて、その利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、その利用者情報を検出した利用者検知センサが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とが、出力手段により出力される。この出力手段により出力される検出時刻の情報は、出力手段による出力前に利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされている。
【0035】
よって、出力手段により出力される情報により、利用者の、建造物内での活動状態(履歴)を示すことができるという効果がある。セキュリティに関して出力される情報は、一般的には、その検出時のデータである。かかる場合の利用者の検出においては、利用者がその検出時に検出場所にいること、またはいないことを単純に示すだけのものである。このため、利用者の状態の時間的な経過を知ることはできない。しかし、配設された利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報を出力することができるので、利用者の状態の時間的な経過を知ることができる。言い換えれば、時間的経過を溯って、建造物内のどこに利用者がいたかを示すことができ、単に、現状いる場所を示すだけの場合に比べて、建造物の利用者の行動を詳細に示すことができるのである。
【0036】
例えば、建造物が個人宅であると、その利用者は、その居住者となる。また、利用者が建造物の内において取り得る動線に基づいて定められた建造物の複数の箇所としては、居間、台所、食堂、寝室、子供部屋などの居室に加え、廊下や階段、玄関など、居住者が日常生活で利用する箇所となる。故に、居間、台所、食堂、寝室、子供部屋などのそれぞれに配設された利用者検知センサが、最後に居住者を検出した時刻を管理装置から出力すれば、かかる個人宅における居住者の行動(軌跡)を把握することができる。このため、出先に居る保護者は、この出力情報を取得することにより、留守番をする子供の状態を的確に把握することができる。
【0037】
尚、利用者検知センサは、上記した箇所に限って配設される必要はなく、また、必ずしも上記した箇所全てに配設される必要もない。更に、建造物としては、個人宅に限られる者でなく、例えば、会社や病院、公共施設などが例示される。
【0038】
【0039】
また、予め定められた利用者が不在の場合に、利用者検知センサが人を検出すると、異常情報の出力により、異常事態の発生が予め定められた連絡先に通報することができるという効果がある。
【0040】
ここで、予め定められた利用者として、例えば、建造物が個人宅である場合には、その居住者である家族が例示され、また、建造物がオフィスである場合には、そのオフィスの従業員が例示される。建造物の利用者が検出された検出時刻の情報を出力する本システムは、例えば、個人宅において、留守番する子供(利用者)の状態を出先において確認することができるものである。ところが、家族が留守である場合にも、同様に処理を行っていては、出力される情報がでたらめなものになるだけでなく、セキュリティを低下させてしまう。利用者検知センサは、単に、利用者(人体)の検出を行うものであり、利用者が正当な利用者であるか否かに関わらず、同様に動作するものであるからである。
【0041】
しかし、予め定められた利用者(家族)が不在であることを示す不在モードのの設定時には、利用者検知センサが検出した利用者情報が利用者の検出を示している(人体を検出する)と、異常事態の発生であると認識し、不在モードの非設定時とは異なる処理を実行する(異常情報の出力)。故に、高いセキュリティを確保することができる。
【0042】
【0043】
なお、出力する必要のある検出時刻の情報は、利用者検知センサが、その配設箇所において、最後に利用者を検出した時刻の情報である。故に、利用者が検出されたことを示す利用者情報が検出された場合に、その検出時刻の情報を記憶し、また、新たに利用者が検出されたことを示す利用者情報が検出されることを契機として、検出時刻の情報を更新することにより、利用者検知センサが最後に利用者を検出した時刻を検出時刻記憶手段に記憶させることができる。
【0044】
よって、検出時刻記憶手段には、各利用者検知センサ毎に、出力する必要のある1の検出時刻の情報(各利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報)のみを記憶させることができ、検出時刻記憶手段を小さな記憶容量のメモリで設計できるという効果がある。また、出力情報の読み出しを効率的に実行でき、処理効率を向上させることができるという効果がある。
【0045】
【0046】
また、検出時刻の情報(利用者の建造物内での活動状態(履歴))に加え、環境検知センサにより検出された環境情報についても出力することができ、建造物の利用者の状態を把握したい者に、より詳細で高度な情報を提供することができるという効果がある。
【0047】
ここで、建造物の屋内環境については、現在の屋内環境の状況を示す情報を提供することが重要である。つまり、環境情報の出力時刻とその検出時刻との間に大きな時間差があると、現在の屋内環境を正確に伝達することができないからである。本システムにおいては、検出時刻の情報は、各利用者検知センサのそれぞれが、(該情報の出力前に)最後に利用者を検出した時刻の情報とされているが、環境情報は、現状を示す情報を出力し得るので、的確な情報を提供することができる。
【0048】
これによれば、利用者の行動によって発生した環境変化を、建造物の利用者の状態(屋内環境)を把握したい者に通知し得、建造物の利用者の状況を複合的に解析させて、その状態をより的確に把握させることができるという効果がある。
【0049】
尚、環境情報としては、例えば、温度、照度、湿度、屋内ガス組成などが例示され、環境検知センサとしては、これらの環境情報を検出する各センサが例示される。
また、建造物と遠隔に位置する者に、情報受信装置によって、建造物の利用者の状態を示す情報(利用者が検出された検出時刻の情報およびその位置を示す配設個所情報)を提供することができるという効果がある。また、無線回線を介しての情報出力は、有線回線のような断線の危険性が小さいので、管理装置から情報受信装置に確実に情報送信を行うことができるという効果がある。
更に、管理装置から出力された情報は、情報通信装置の表示装置に表示されるので、視覚的にかかる情報を確認することができる。故に、利用者検知センサが利用者を検出した検出時刻の情報が、複数の利用者検知センサについて提供されても、音声などでかかる情報が提供される場合に比べ、認知しやすい。
また、受信手段により受信した配設箇所情報と検出時刻の情報とを対応付けて、表示装置に表示するものであるので、いずれの位置において利用者がいつ検出されたかを的確に把握することができるという効果がある。
【0050】
請求項3記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、中継装置を備えたセンサユニットは、管理装置に接続される。このセンサユニットに備えられた利用者検知センサおよび環境検知センサの内、検出情報をアナログデータで検出するアナログセンサについては、検出されたアナログデータが、アナログセンサの近傍に配置された中継装置によって、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、センサユニットから管理装置に送信される。
【0051】
よって、ノイズによる影響を受けやすく、また、信号の減衰の生じ易いアナログの検出データを、検出場所(センサの配設位置)近傍においてデジタルデータに変換することができるので、信号劣化が小さく良質な電気信号で形成される利用者情報を、管理装置に入力することができるという効果がある。
【0052】
請求項4記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項3記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、センサユニットと管理装置とは、有線回線を介して相互に接続されているので、安価で信頼性の高いシステムを提供することができるという効果がある。
【0053】
請求項5記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1から4のいずれかに記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、管理装置は、その管理装置とは遠隔に設置される情報受信装置に、無線回線を介して相互に接続されている。そして、情報受信装置からの情報送信要求がなされると、管理装置において、その情報送信要求に応答して、出力手段に情報の出力が指示される。そして、出力手段により、無線回線を介し、情報送信要求元の情報受信装置宛に情報が送信される。
【0054】
よって、建造物と遠隔に位置する者に、情報受信装置によって、建造物の利用者の状態を示す情報(利用者が検出された検出時刻の情報およびその位置を示す配設個所情報)を提供することができるという効果がある。また、無線回線を介しての情報出力は、有線回線のような断線の危険性が小さいので、管理装置から情報受信装置に確実に情報送信を行うことができるという効果がある。
【0055】
請求項6記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項5記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、情報受信装置から情報送信要求がなされると、識別情報判断手段により、情報送信要求元の情報受信装置の識別情報が、識別情報記憶手段に記憶されているか否かが判断される。ここで、情報送信要求元の情報受信装置の識別情報が、識別情報記憶手段に記憶されていないと判断されると、出力手段による情報受信装置への情報送信が、送信禁止手段によって禁止される。
【0056】
よって、予め登録された情報受信装置でなければ、管理装置からの情報は提供されないので、高いセキュリティを確保することができるという効果がある。管理装置から情報通信装置に提供(送信)される情報は、建造物の利用者の状態を示すものである。故に、かかる情報が、不用意に不特定の情報受信装置に提供されると、その建造物のセキュリティを低下させてしまう。しかし、非登録の情報受信装置には、管理装置から情報が提供されないので、セキュリティを低下させることがない。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のハウスセキュリティシステムの1実施例であり、防犯や防災を目的として、一般的な個人住宅に設置されたハウスセキュリティシステム1を模式的に示した外観図である。
【0062】
このハウスセキュリティシステム1は、人体センサ28(図2参照)を内蔵すると共に、各種センサ(外部装置10)に接続される子機20を、住居内(家屋および家屋に付設されたベランダなど)の各所に備えている。本実施例においては、各子機20は、監視エリアごと、即ち、玄関、リビング室、台所、1階廊下、1階寝室、トイレ、2階廊下、2階子供部屋のそれぞれに、各1ずつ設けられている。
【0063】
ここで、子機20に接続される外部装置10は、複数の個別の装置、即ち、温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4、ガス漏れセンサ5、煙センサ6、ブザー7(図2参照)の内の必要な装置により構成されている。子機20には、かかる外部装置10により検知される温度データ、照度データ、湿度データ、ガスデータ、煙データが入力される。また、子機20に入力されたデータの内、アナログセンサにより検出されたアナログデータは、デジタルデータに変換される。このため、子機20は、アナログセンサ近傍に備えられ、アナログセンサ近傍において、検出されたアナログデータをデジタルデータに変換する。
【0064】
この子機20に入力された各センサ2〜6,28の検出データは、デジタルデータで、後述する親機40に有線回線35を介して送信される。各子機20には、それぞれ識別番号が付与されており、その子機20に接続される外部装置10および人体センサ28の検出データには、該子機20の識別番号が付加されて親機40に送信される。
【0065】
また、子機20は、2のコネクタ(第1コネクタ26及び第2コネクタ27、図2参照)を備えており、かかる第1コネクタ26及び第2コネクタ27を介して、親機40または他の子機20を接続するようになっている。つまり、子機20は、親機40に直接的に接続される一方、他の子機20を介して親機40と間接的に接続し得るように構成されているのである。
【0066】
詳細には、第1コネクタ26には、親機側に位置する1台の子機20または親機40が接続され、第2コネクタ27には、親機側と反対側に位置する1台の子機20が接続されるようになっている。ここで、子機20は、両側(親機側及びその反対側)に各1台の装置のみしか接続しない。このため、複数の子機20は、親機40との間で1ライン上に連なるように接続される。つまり、複数の子機20は、同一のデータ送信経路に接続され、かかる場合には、親機40と子機20とのデータ通信は、他の子機20を経由(通過)して実行される。図1においては、7台の子機20が同一のデータ送信経路に接続され、1台の子機20が他のデータ送信経路に接続されている。
【0067】
上記したように、子機20から親機40に送信される検出データには、子機20の識別番号が付加されるので、複数の子機20が親機40に接続されても(1のデータ送信経路に複数の子機20が接続されても)、データは、送信先の親機40へと確実に送信される。
【0068】
ハウスセキュリティシステム1は、上記した子機20に有線回線35を介して直接、または間接的に接続される1の親機40を住居内に備えている。親機40は、子機20から親機40に送信される各センサ2〜6,28の検出データを管理するための装置である。子機20から送信された検出データは、この親機40において、異常を示す値であるか否が判定される。また、居住者が在宅である場合には、人体センサ28が人体を検出した検出時刻を記憶することにより、居住者の活動履歴を記憶する。
【0069】
この親機40は、液晶表示装置(以下単「LCD」と称す)48と、各種の設定値を入力するための入力装置49と、LED51とを装置本体の前面に備えている。
【0070】
LCD48は、親機40の本体前面上方部に配設されている。LCD48は、親機40で実行される処理や、受信した検出データをモニタするための表示装置である。後述の入力装置49によって親機40または子機20の設定がなされる際には、入力されたデータや操作手順などが、このLCD48に表示される。
【0071】
LCD48の下方には入力装置49が設けられている。入力装置49は、各種の設定値を親機40に入力するためのものであり、指定ボタンと入力ボタンとを備えている。指定ボタンは、1の装置を指定するためのボタンであり、1の親機40と、親機40に接続し得る子機20との数分、設けられている。この指定ボタンには0〜20の番号が割り付けられている。「0」の指定ボタンは、親機40に対応し、「1」〜「20」の指定ボタンは、子機20を指定する識別番号「1」〜「20」にそれぞれ対応している。指定ボタンが押下されると、押下された指定ボタンの番号に対応する識別番号が指定される。そして、引き続き入力ボタンを操作することにより入力されたデータは、先に指定された識別番号に対応するデータとして親機40に記憶される。
【0072】
入力ボタンは、文字入力を行うことができるように構成されている。この入力ボタンの操作により、子機20の配設個所の情報(「リビング室」、「台所」)などを親機40に入力することができる。これにより、親機40において、子機20の識別番号と配設箇所の情報とが対応つけらる。言い換えれば、配設箇所の情報は、1の子機20を指定する識別情報となる。
【0073】
各指定ボタンには、LED51(図1においては図示を省略、図2参照)が、それぞれ併設されている。LED51は、対応する(併設された)指定ボタンが押下されると点灯し、いずれの装置が選択されたかを視覚的に認識させるためのものである。また、このLED51は、異常発生時に、ブザー52(図2参照)の呼動とともに、その異常検出元の子機20を報知するべく点灯される。
【0074】
尚、この親機40の背面には、子機20を接続するためのコネクタ(第1コネクタ53、図2参照)が設けられており、有線回線35を介して複数の子機20が接続されるようになっている。上記したように、子機20は、他の子機20を介して間接的に親機40に接続することができるように構成されているので、親機40は、第1コネクタ53の数に規制されることなく、多くの子機20を接続(管理)することができる。
【0075】
更に、親機40には、外出モード設定スイッチ57(図2参照)が備えられている。この外出モード設定スイッチ57は、親機40の筐体の内側に設けられており、親機40の筐体の一部に設けられた開閉部を開放して操作される。外出モード設定スイッチ57は、外出モードの設定と非設定とを切り替えるスイッチでありスライド型のスイッチで構成されている。スイッチが一端部にあるときには外出モードが設定される。外出モード設定時に、人体センサ28で検知された者は、侵入者と判断され、ブザー音の出力や、侵入者を通報する緊急通報処理(S25、図6参照)が実行される。一方、スイッチが一端部とは反対側の他端部ににあるときには、外出モードが解除される。外出モードが解除されている場合に、人体センサ28で検知された者は居住者として判断され、その検出時刻の情報が、親機40に記憶される。
【0076】
外出モードスイッチ57は、侵入者により、外出モードの解除が困難となるように親機40の筐体の内側に設けられているが、外出モードスイッチ57により設定された外出モードを、暗証番号やキーワードの入力により解除する(外出モードを非設定とする)ように構成しても良い。尚、外出モードスイッチ57による外出モード設定直後は、人体センサ28により検出された侵入者は、居住者である可能性が高い。また、帰宅した居住者は、外出モードを解除するまで、侵入者として検出されてしまう。よって、外出モードが設定されてからの暫時と、外出モード設定中においても人体センサ28により人体が検出されてからの暫時とは、緊急通報を行うための処理をスキップするように、ハウスセキュリティシステム1を構成しても良い。
【0077】
また、親機40は、携帯電話56を備えている。携帯電話56は、親機40の指示に基づき、親機40に登録された電話番号(データ受信装置)に対して、検出データの送信や警報の通報を行うものである。ここで、データ受信装置は、居住者の所持する携帯電話100或いは警備会社のパーソナルコンピュータ(以下単に「PC」と称す)110である。携帯電話56から携帯電話100及びPC110への検出データの送信は、親機40の操作者により設定された時刻に、或いは登録された電話番号(携帯電話100及びPC110)からの送信要求に基づいて実行される。また、警報の通報は、検出データの異常判定の結果において、異常が判定された場合に、携帯電話100及びPC110に対し実行される。
【0078】
この携帯電話56から送信されるデータは、メール形式の文字情報、即ち、一般的にショートメールなどと称されるメールデータで構成されている。かかるメールデータは、親機40により作成され、送信先の電話番号と共に親機40から携帯電話56に入力される。尚、携帯電話56は、携帯電話100及びPC110と無線回線60を介して接続されている(親機40からのデータの発信が、無線回線60により行われる)。このため、有線回線を介して接続されている場合のように、侵入者によって容易に回線が切断されるといったことがなく、異常の発生は、確実に携帯電話100やPC110に通報される。
【0079】
上記のように構成された親機40は、接続された子機20にコマンドを送信し、該コマンドに基づく処理を子機20に実行させる。例えば、親機40は、子機20に対し、検出データを要求する検出データ要求コマンドを送信し、子機20に検出データの送信を実行させる。また、子機20から送信された検出データに基づいて、その送信元の子機20に動作を行わせる場合には(例えば、照明のオン−オフや窓の開閉などのスイッチ操作)、対応するコマンドを子機20に送信し、子機20にそのコマンドに応じた処理を実行させる。
【0080】
尚、この親機40(携帯電話56)と携帯電話100及びPC110とを接続する電話回線(無線回線60)には、図示を省略しているが、無線回線60が接続される中継局や交換機が存在する。更には、電話会社のメールサーバが接続されている。このため、携帯電話100が不通である場合には、通信状態が回復するまで(最大72時間)親機40から送信されたメールデータはメールサーバに保存され、通信状態が回復されると保存されたメールデータは送信先の携帯電話100へ送信される。また、PC110は、電話回線を利用したインターネットに接続されており、電話回線(無線回線60)を介して親機40から送信されたメールデータを受信することができるように構成されている。
【0081】
図2は、上記のように構成されたハウスセキュリティシステム1の電気的な構成を示したブロック図である。図2に示すように、ハウスセキュリティシステム1には、各種のデータを検出するためのセンサ2〜6が外部装置10として子機20に接続されている。
【0082】
外部装置10として子機20に接続されるアナログセンサ2〜4は、その設置される周辺の状況をアナログデータで検出するセンサである。一般的に、センサは、その仕様(センサの種類)により検出対象が決まっている。温度センサ2は、温度(温度データ)を検出するものであり、検出された温度により火災を検知することができる。また、照度センサ3は明るさ(照度データ)を検出するものであり、湿度センサ4は、湿度(湿度データ)を検出するものである。かかるセンサ2〜4により室内の状況(環境)を検出することができる。
【0083】
また、本実施例のハウスセキュリティシステム1では、外部装置10として、デジタルセンサであるガス漏れセンサ5と、煙センサ6とが備えられている。ガス漏れセンサ5は、都市ガスや天然ガスなどの一般家庭で使用されるガス(ガスデータ)を検出するセンサである。また煙センサ6は、煙(煙データ)を検出して火災の発生を検知するものである。該センサ5,6は、後述の子機20のフォトカプラ30を介して子機20に接続されている。更に、外部装置10として、ブザー7が備えられており、このブザー7は、後述の子機20のフォトモスリレー31を介して子機20に接続されている。
【0084】
尚、かかるセンサ2〜6は、その監視エリアに適した種類のセンサが1の監視エリア毎(住居内の各部屋毎)に適宜選択され、その監視エリアに設置される子機20に接続される。また、用いられるセンサとしては、上記したセンサ2〜6に限られるものでなく、例えば、窓からの侵入者を検知するため窓に取り付けられる振動センサ、室内の換気の目安を検出するCO2センサ、要介護者がいる場合にその要介護者の状態を検知する介護センサなどが、必要に応じて適宜用いられる。
【0085】
子機20は、センサ2〜6,28によって検出した検出データを親機40に中継するための装置であり、図2に示すように、ワンチップマイコンとしてのMPU21を備えている。
【0086】
MPU21は、演算機能と制御機能とを備えた演算処理装置であり、制御プログラムを記憶するROM22と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き替え可能に記憶するRAM23とを1チップに納めたものである。
【0087】
ROM22は、子機20を制御する制御プログラムや、各種固定値などを記憶するものである。後述するデータ変換処理(図9参照)や検出データ送信処理(図10参照)のプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM22に記憶されている。
【0088】
書換え可能なメモリであるRAM23は、送信メモリ23aを備えている。送信メモリ23aは、親機40に送信するため検出データを一時的に記憶しておくためのメモリである。子機20においては、検出データのサンプリングが、所定のサンプリングタイムに基づいて定常的に実行されおり、サンプリングされた検出データは、RAM23の所定のエリアに記憶される。そして、RAM23の所定のエリアに記憶される検出データは、親機40から送信される検出データ要求コマンドを受信したタイミングで、この送信メモリ23aに書き込まれる。送信メモリ23aに記憶されるデータは、子機20の識別番号が付加された後に、親機40へ送信される。データの送信後は、この送信メモリ23aに記憶されるデータはクリアされる。
【0089】
このMPU21は、入出力ポート25に接続されており、この入出力ポート25には、A/Dコンバータ34と、人体センサ28と、設定スイッチ29と、フォトカプラ30と、フォトモスリレー31と、ACスイッチ32と、第1及び第2コネクタ26,27とが接続されている。
【0090】
A/Dコンバータ34は、上記した温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4などのアナログセンサにより検出されたアナログデータをデジタルデータに変換するものである。A/Dコンバータ34により実行されるアナログデータの変換は、一般的な手法によって行われるものであり、その説明は省略する。
【0091】
このA/Dコンバータ34の入力には、上記した温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4が接続されている。このA/Dコンバータ34には、各センサ2〜4を接続するポートが各センサ2〜4に対応して設けられており、各センサ2〜4はそれぞれ対応するポートに接続される。また、A/Dコンバータ34からは、各センサごとに予め定められた信号線によって各センサのデータが出力され、その出力データは、入出力ポート25の各センサに対応付けらた入力ポートに入力される。これにより子機20において、入力された検出データの所属(検出データの検出元センサ)が、認識される。
【0092】
尚、このA/Dコンバータ34により、温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4により検出されたアナログデータは、アナログセンサ近傍において、デジタルデータに変換され、デジタルデータの態様で親機40送信される。このため、子機20は、信号の劣化の小さい、良質な信号を親機40に送信することができる。
【0093】
人体センサ28は、焦電素子を利用した熱型赤外線センサであり、監視エリア内からの赤外線を検出するものである。これにより、赤外線を放出する人体を検出することができ、監視エリア内にいる者を検知することができる。この人体センサ28は、子機20に内蔵されており、検出された人体検出データは、親機40に送信される。
【0094】
設定スイッチ29は、子機20の識別番号を設定するためのものである。本実施例では、親機40には最大で20台の子機20が接続できるように構成されている。この設定スイッチ29は、かかる20台の子機20のそれぞれに識別番号が付加できるように、1〜20の番号を入力する20個のスイッチにより構成される。子機20においては、この設定スイッチ29の押下されたスイッチの位置によって、1〜20の番号が(電気的に)認識されるようなっている。各子機20においては、それぞれ異なる番号が付与されるように、別のスイッチが押下される。そして、この設定スイッチ29により付与された番号が、子機20の識別番号となる。親機40においては、後述するように、この設定スイッチ20により子機20に設定された識別番号と、親機40において管理される識別番号とを整合させて、子機20の各種設定(データ入力)が行われる。
【0095】
フォトカプラ30は、接続される装置から送信された電気信号を光信号に変換して入力する装置である。このフォトカプラ30には、上記したようにガス漏れセンサ5と煙センサ6とが接続されている。フォトカプラ30は、このガス漏れセンサ5と煙センサ6とから送信されたデジタル信号を、光信号に変換して(発光部において)発光させる。発光された光は、発光部と所定距離隔てて配設される受光部により受光され、再び電気信号に変換されて入出力ポート25に入力される。ここで、発光部と受光部とが非接触であるため、信号の伝送経路が一部非接触で形成されることとなる。これによれば、入力されるデジタル信号に大きなノイズが載っていても(落雷などによる大電圧の負荷)、これを遮断することができる。
【0096】
フォトモスリレー31は省電力のリレーであり、ブザー7が接続されている。ブザー7は、子機20に接続されるセンサ2〜6,28により検出された検出データが異常であった場合などに、親機40の命令によって動作し、ブザー音を出力する。ここで、ブザー7は、異常(警報)が解消されるまでブザー音を出力するため消費電力が大きい。このため、フォトモスリレーを使用して消費電力を抑制している。
【0097】
ACスイッチ32は、子機20に接続されるセンサ2〜6,28の検出データに基づいて、接続される各種装置のスイッチング動作を行うものである。このスイッチング動作は、親機40から送信されるコマンドに基づいて実行される。これにより、例えば、ACスイッチ32に照明器具を接続すれば、人体センサ28の検出データに基づいて、該照明器具を点灯させることができる。また、窓の開閉装置をACスイッチ32に接続すれば、その窓を湿度センサ4の検出データに基づいて開閉することができる。
【0098】
第1コネクタ26は、この子機20を親機40または、親機側に位置する子機20に接続するためのコネクタである。また、第2コネクタ27は、親機側と反対側に位置する子機20を接続するためのコネクタである。子機20は、かかる2のコネクタに26,27には有線回線35が接続され、この有線回線35を介して、他の子機20または、親機40と接続される。これにより、上記したように複数の子機20を1のデータ送信経路に連なるように接続することができる。
【0099】
親機40は、子機20から送信される検出データに基づいて、異常の有無を判定すると共に、外出先の居住者(携帯電話100)へ、在宅の居住者の状態(行動の履歴)に関する情報や屋内の環境に関する情報を提供する装置である。この親機40は、ワンチップマイコンとしてのMPU41と、フラッシュメモリ45と、EEPROM46と、入出力ポート47と、LCD48と、入力装置49と、外出モード設定スイッチ57と、LED51と、ブザー52と、第1コネクタ53と、第2コネクタ54と、インターフェース55と、携帯電話56とを備えている。
【0100】
MPU41は、演算機能と制御機能とを備えた演算処理装置であり、制御プログラムを記憶するROM42と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き替え可能に記憶するRAM43と、リアルタイムクロック(以下単に「RTC」と称す)44とを1チップに納めたものである。MPU41は、所定のタイミング毎(例えば略1秒以内に全子機20からの検出データが取得できるように)、各子機20へ順番に検出データの送信を要求する検出データ要求コマンドを送信する。この送信した検出データ要求コマンドに応じて、その送信先の子機20から検出データが送信されるまで、MPU41は、他の子機20へのコマンド送信を所定時間待機する。これにより、複数の子機20により、1のデータ送信経路(1の有線回線35)を共有しても、信号が衝突することはない。
【0101】
ROM42は、親機40を制御する制御プログラムや、各種固定値などを記憶するものである。後述する管理処理(図5参照)やデータ受信処理(図6参照)のプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM42に記憶されている。また、各センサ2〜6,28によって検出された検出データが、異常値であるか否かを判定するための判定データを、各センサ毎にそれぞれ記憶している。
【0102】
書換え可能なメモリであるRAM43は、受信バッファ43aと送信バッファ43bとを備えている。受信バッファ43aは、各子機20から送信された検出データを一時的に記憶しておくための緩衝用のメモリである。親機40には、各子機20から頻繁に信号やデータが送信されるが、MPU41の処理速度に比してデータ受信速度は遅い。このため、データ受信を行いつつ、そのデータ処理をMPU41に実行させると、データ受信の処理が影響し、MPU41の処理効率が低下する。しかし、受信したデータを、一旦、受信バッファ43aへ保存することにより、受信データの処理をMPU41に効率的に実行させることができる。
【0103】
送信バッファ43bは、携帯電話100やPC110に送信するメールデータ(検出データや警報)を一時的に記憶するためのメモリである。親機40からは、定期的、或いは異常発生時に、センサ2〜6,28で検出された検出データが(異常発生時には、異常を通報する情報が付加された検出データが)、携帯電話100或いはPC110に送信される。ここで、送信された検出データは、受信される携帯電話100或いはPC110において、視覚的に認識可能な文字情報でなくてはならない。また、電話回線を介して送受信できる所定のプロトコルに従って記述されていなくてはならない。このため、検出データを送信する際には、該検出データ(警報)は、メールデータの形式に変換された後、この送信バッファ43bに書き込まれる。この送信バッファ43bに書き込まれたデータは、第2コネクタ54を介して携帯電話56に入力される。
【0104】
RTC44は、年・月・日・曜日・時間・分・秒の時の計測を行うICである。MPU41は、このRTC44の計測値に基づいて現在の時刻を認識する。これにより、現在の時刻が、検出データの送信(定時送信)を行う時刻であるか否かを判断することができる。
【0105】
また、子機20から送信された人体センサ28の検出データが人体を検知した値であると、RTC44の計測値からその受信時刻が認識され、検出データ送信元の子機20に対応する子機メモリ46f(子機メモリ46f1〜46f20のいずれか)に書き込まれる。人体センサ28によるデータの検出時刻と、親機40における検出データの受信時刻との時間差は僅かであるので、本実施例においては、親機40におけるデータ受信時刻を、そのデータの人体センサ28での検出時刻としている。尚、子機20にRTCを設け、子機のRTCにより人体センサ28のデータ検出時刻を確定するようにしても良い。
【0106】
このRTC44には、親機40の電源オフ後に、そのRTC44へバックアップ用の電圧を供給するバッテリー回路44aが接続されている。RTC44は、このバッテリー回路44aにより、親機40の電源のオフ後にも時の計測を継続することができる。
【0107】
フラッシュメモリ45は、書換え可能な不揮発性のメモリである。このフラッシュメモリ45は、親機40に初期状態で入力(インストール)されていないプログラムを、親機40に入力(インストール)するために設けられたプログラム記憶用のメモリである。このフラッシュメモリ45にプログラムが記憶されていると、そのプログラムは、ROM42に記憶されるプログラムに優先して使用される。これにより、親機40を制御するプログラムをバージョンアップすることなどができる。尚、このフラッシュメモリ45への書き込みは、インターフェース55を介して接続されるPCなどから実行される。
【0108】
EEPROM46は、書換え可能な不揮発性のメモリであり、親機40において設定される(入力装置49の操作により入力される)各種設定値は、このEEPROM46に不揮発に記憶され、電源オフ後も保持される。このEEPROM46は、親機40の設定値を記憶する外出設定フラグ46g、メール送信フラグ46a、定時送信フラグ46b、セキュリティモードフラグ46c、電話番号メモリ46d、送信時刻メモリ46eと、子機20の設定値や子機20から送信される検出データを記憶する第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20とを備えている。
【0109】
外出設定フラグ46g、メール送信フラグ46a、定時送信フラグ46b、セキュリティモードフラグ46cなどのフラグは、所定の状態を判別するために設けられるものである。このフラグのオンとオフとにより異なる状態がMPU41に認識される。具体的には、外出設定フラグ46gは、上記した外出モード設定スイッチ57により、オンとオフとが設定されるフラグである。外出モード設定スイッチ57が一端部に位置していると、外出モードが設定状態にあることを示す信号が入力され、その信号入力に基づいて、外出設定フラグはオンされる。外出モード設定スイッチ57が他端部に位置していると、外出モードが解除状態にあることを示す信号が入力され、その信号入力に基づいて、外出設定フラグはオフされる。
【0110】
メール送信フラグ46aは、メールアドレスを有するデータ受信装置(PC110)へのメール送信が設定されているか否かを示すものである。このメール送信フラグ46aがオンであると、メールアドレスが親機40に登録されているPC110へ、インターネットを介した検出データの送信(定時送信及び緊急通報)が実行される。一方、メール送信フラグ46aがオンであると、PC110へ、かかる検出データの送信は実行されない。このメール送信フラグ46aのオンとオフとは、入力装置49を操作することにより実行される。このメールアドレスは、後述する電話番号メモリ46dに記憶されている。
【0111】
定時送信フラグ46bは、検出データの定時送信の実行と非実行とを指定するためのフラグである。この定時送信フラグ46bがオンであると、検出データの定時送信が、登録された電話番号(メイルアドレス)に対して実行される。この定時送信フラグ46bのオンとオフとは、メール送信フラグ46aと同様に、入力装置49を操作して実行される。
【0112】
セキュリティモードフラグ46cは、MPU41にハウスセキュリティシステム1の運転モードを報知するためのフラグである。親機40は、このフラグ46cがオンである場合にのみ、セキュリティを確保するべく後述の管理処理(図5参照)やデータ受信処理(図6参照)を実行する。このセキュリティモードフラグ46cは、入力装置49において所定の操作(例えば開始ボタンの押下など)がなされることによりオンされる。また、このセキュリティモードフラグ46cは、入力装置49において解除操作(例えば、解除ボタンの入力や暗証番号の入力により)が実行されるとオフされ、セキュリティモードが解除される。
【0113】
住居などの建造物のセキュリティは、主として留守中の防犯、防災を実施するためのものである。また、本実施例のハウスセキュリティシステム1は、外出中の居住者が、在宅する居住者の行動履歴を把握することにより、その状態を確認できるように構成されている。このため、仕事中の保護者が、先に帰宅した留守番中の子供の状態を確認できるのである。
【0114】
しかし、居住者全員が帰宅した場合には、かかるセキュリティが不要となることが多い。このため、本実施例のハウスセキュリティシステム1では、居住者がセキュリティモードを解除できるようになっている。
【0115】
電話番号メモリ46dは、親機40に登録される電話番号やメールアドレスを記憶するためのメモリである。この電話番号メモリ46dには、複数の電話番号(メールアドレス)が記憶されるようになっている。本実施例では、携帯電話100の電話番号及びPC110のメールアドレスが記憶されている。定時送信および緊急通報は、この電話番号メモリ46dに記憶される電話番号やメールアドレス宛に実行される。また、この電話番号メモリ46dに記憶される電話番号は、親機40に検出データの問い合わせをすることのできる問い合わせ番号となっている。かかる電話番号から、親機40に備えられた携帯電話56の電話番号が発呼されると、MPU41により、その電話番号に検出データを送信するための処理(応答データ送信処理、S23)が実行される。尚、電話番号メモリ46dに記憶させる電話番号やメールアドレスの入力は、入力装置49を操作することにより実行される。
【0116】
送信時刻メモリ46eは定時送信を実行する時刻を記憶するメモリである。定時送信は、この送信時刻メモリ46eに記憶される時刻に基づいて実行される。尚、この送信時刻メモリ46eには、親機40の入力装置49の所定の操作により入力された時刻が書き込まれる。
【0117】
第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20は、各子機20のそれぞれに対応して設けられ、各子機20のデータ(設定値)と、対応する子機20から送信される検出データとを記憶するためのメモリである。このため、該子機メモリ46f1〜46f20は、親機40に接続し得る子機20の数だけ設けられている。この第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20には、入力装置49を操作することによりデータ(設定値)が書き込まれる。
【0118】
この第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20のメモリの構成を、図3を参照して説明する。図3は、子機メモリ46fの第1子機メモリ46f1のメモリの構成を示した図である。第1子機メモリ46f1は、識別番号「1」に対応する子機20の情報を記憶するメモリである。尚、他の子機メモリ46f2〜46f20は、識別番号「2」〜「20」にそれぞれ対応する子機20の情報が記憶されるものであり、第1子機メモリ46f1と同様に構成されるので、その説明は省略する。
【0119】
図3に示すように、第1子機メモリ46f1は、配設箇所メモリ46f1aと、時刻メモリ46f1bと、人体センサメモリ46f1c、温度センサメモリ46f1dと、照度センサメモリ46f1eと、湿度センサメモリ46f1fと、ガスセンサメモリ46f1gと、煙センサメモリ46f1hとを備えている。
【0120】
第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20のそれぞれには、子機20に与えられる1の識別番号に対応する識別番号が予め記憶されている。この第1子機メモリ46f1は、識別番号「1」の子機20の情報を記憶するためのメモリであり、各メモリ46f1a〜46f1hには、識別番号「1」の子機20の情報がそれぞれ記憶されている。
【0121】
配設箇所メモリ46f1aは、子機20の配設箇所の情報を記憶するメモリである。上記したように、配設箇所の情報は、入力装置49の操作により入力され、配設箇所メモリ46f1aには、識別番号「1」を付与された子機20の配設箇所の情報「玄関」が記憶されている。
【0122】
時刻メモリ46f1bは、識別番号「1」の子機20に備えられた人体センサ28の検出データ(人体検出データ)が、人(人体)を検知した値である場合に、その検出時刻の情報を記憶するメモリである。この時刻メモリ46f1bには、新たに人体センサ28が人体を検知する毎に、その検出時刻によって先に記憶される検出時刻の情報が更新される。つまり、識別番号「1」の子機20の人体センサ28が、最後に人体を検知した検出時刻が、この時刻メモリ46f1bに保持される。
【0123】
人体センサメモリ46f1c、温度センサメモリ46f1d、照度センサメモリ46f1e、湿度センサメモリ46f1f、ガスセンサメモリ46f1g、煙センサメモリ46f1hは、各センサによって検出された人体検出データ、温度データ、照度データ、湿度データ、ガスデータ、煙データをそれぞれ記憶するメモリである。かかるメモリ46f1c〜46f1hの値は、親機40に新たに検出データが受信される毎に、その受信した検出データによって更新される。なお、親機40は、データ読取り時間(検出データ要求コマンドの各子機20への送信)の間隔を短時間(例えば、0.1秒など)にすることにより、近似的にリアルタイムの検出データが、各子機メモリ46fに記憶されることとなる。
【0124】
尚、第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20のそれぞれにおいて、いずれのセンサのデータが記憶されるかは、入力装置49の入力操作により指定される。つまり、各子機20にそれぞれ備えられたセンサの種類は、子機20の識別番号に対応つけて、入力装置49から入力される。具体的には、指定ボタンにより指定される「1」〜「20」の数値によって、識別番号が指定され、その後に入力されるセンサの種類が、先に入力された識別番号の子機20に備えられたセンサとして対応する第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に記憶される。つまり、第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20のそれぞれにおいて、入力されたセンサの種類に対応するメモリが割り付けられる。
【0125】
各子機20から親機40に送信されるデータには、送信元子機20の識別番号が付与されており、また、1の子機20から送信される各センサ2〜6,28の検出データには、いずれのセンサのデータであるかを示すコード(センサコード)が付与されている。これにより、親機40は、受信した検出データを的確なメモリへと書き込むことができる。
【0126】
図2に戻って説明する。上記したMPU41、フラッシュメモリ45、EEPROM46はバスライン50を介して相互に接続されており、このバスライン50は、入出力ポート47にも接続されている。入出力ポート47には、バスライン50のほかにLCD48、入力装置49、外出モード設定スイッチ57、LED51、ブザー52、第1コネクタ53、第2コネクタ54、インターフェース55が接続されている。
【0127】
第1コネクタ53は、親機40と子機20とを接続するためのコネクタである。この第1コネクタ53は、一端に子機20が接続された複数の有線回線35を接続可能に構成されている。第2コネクタ54は、親機40本体と親機40に備えられた携帯電話56とを接続するためのコネクタである。携帯電話56は、この第2コネクタ54を介して、親機40の本体に接続される。
【0128】
携帯電話56は、携帯電話100或いはPC110へとデータを送信するための装置であり、自動ダイヤル回路を備えている。MPU41は、定時送信或いは緊急通報を実行する際に、上記した電話番号メモリ46dに記憶される電話番号(メールアドレス)を読み出し、その電話番号と携帯電話100或いはPC110へ送信するメールデータとを携帯電話56に送信する。携帯電話56は、親機40から送信された電話番号とメールデータとを受信すると、受信した電話番号を自動ダイヤル回路により発呼するとともに、その回線が閉結されるとメールデータを送信する。これにより、親機40から、検出データが無線回線60を介して送信先の携帯電話100或いはPC110へと送信されるのである。
【0129】
また、携帯電話56は、呼出信号が着呼すると(データの送信要求)、着呼信号と呼出元の電話番号とを応答要求コマンドとしてMPU41に送信する。これに基づいて、親機40では、登録された電話番号からの呼出であるか否かが判断される。そして、登録された電話番号からの呼出(正当な応答要求コマンドの受信)であった場合には、応答データ送信処理(S23)が実行される。
【0130】
図4は、応答データ送信処理(S23)によって携帯電話56から、携帯電話100に送信された送信データが携帯電話100の表示装置に表示された状態を模式的に示した図である。図4(a)には、在宅者がいないことを示す外出モードの設定時に送信されたデータが示されており、図4(b)には、(在宅者がいることを示す)外出モードの非設定時に送信されたデータが示されている。尚、送信データが携帯電話100の1の表示画面に表示し得ない場合には、1の画面にはその一部が表示され、画面をスクロールさせることにより、全送信データが順次表示される。
【0131】
図4(a)は、携帯電話100からのデータ送信要求に応答して、親機40から送信された2002年9月28日17:00の住居内の情報を示した表示画面60である。この表示画面60においては、その最上部に、データの送信日時が「2002/09/28 17:00」が表示されている。このデータの送信日時の下方には、外出設定フラグ46gの情報の表示される表示欄61が設けられており、外出設定フラグ46gがオンされていることをしめす「外出中」が表示されている。
【0132】
表示欄61の下方には、各子機の配設箇所(監視エリア)を示す表示エリア62が設けられている。この表示エリア62には、表示画面の上方から順に識別番号の小さな子機20の配設箇所がそれぞれ表示される表示欄62a〜62hが設けられている。
【0133】
表示欄62aには、「01)玄関」が表示され、表示欄62bには、「02)リビング室」、表示欄62cには「03)台所」、・・・、表示欄62hには、「08)2階子供部屋」と表示されている。
【0134】
各表示欄62a〜62hのそれぞれの下方には、人体センサ28が人体を検知した検出時刻の情報が表示される時刻表示欄63と、各子機20に備えられた(監視エリアに設けられた)人体センサ28以外の各センサ2〜6の検出データが表示される環境データ表示欄64とが設けられている。図4(a)においては、各時刻表示欄63に表示される検出時刻の情報は、午前8時台の時刻を示している。これにより、携帯電話100の所有者は、2002年9月28日17:00において、誰も帰宅していないという情報を得ることができる。また、環境データ表示欄64に表示される各データから、住居内の環境に異常がないことを確認することができる。
【0135】
図4(b)は、携帯電話100からのデータ送信要求に応答して、親機40から送信された2002年9月28日17:45の住居内の情報を示した表示画面60である。この表示画面60においては、その最上部に、データの送信日時が「2002/09/28 17:45」が表示されている。このデータの送信日時の下方の表示欄61には、外出設定フラグ46gがオフされていることをしめす「在出中」が表示されている。
【0136】
表示欄61の下方の表示エリア62には、図4(a)と同様に表示欄62a〜62hが設けられている。各表示欄62a〜62hのそれぞれの下方には、人体センサ28が人体を検知した検出時刻の情報が表示される時刻表示欄63と、各子機20に備えられた(監視エリアに設けられた)人体センサ28以外の各センサ2〜6の検出データが表示される環境データ表示欄64とが設けられている。
【0137】
図4(b)においては、表示欄62aの「01)玄関」に対応する時刻表示欄63に検出時刻の情報「09/28 17:30」が表示されており、居住者の誰かが帰宅したことが示されている。
【0138】
また、表示欄62cの「03)台所」に対応する時刻表示欄63には、検出時刻の情報「09/28 17:32」が表示されており、表示欄62dの「04)1階廊下」に対応する時刻表示欄63には、検出時刻の情報「09/28 17:34」が表示されており、表示欄62gの「07)2階廊下」に対応する時刻表示欄63には、検出時刻の情報「09/28 17:35」が表示されており、表示欄62hの「08)2階子供部屋」に対応する時刻表示欄63には、検出時刻の情報「09/28 17:45」が表示されている。
【0139】
これにより、17:30に帰宅した子供が、台所によった後、1階廊下、2階廊下を経由して、現在2階の子供部屋にいるという情報が得られることとなる。つまり、出先にいる家族が、留守番をする居住者の状態(行動履歴)を確認することができるのである。
【0140】
次に、図5〜図10のフローチャートを参照して、上記したハウスセキュリティシステム1で実行される各処理について説明する。図5は、親機40で実行される管理処理のフローチャートである。管理処理は、主として、子機20へ検出データの送信を要求する処理である。
【0141】
この管理処理では、まず、セキュリティモードフラグ46cがオンされているか否かを確認する(S1)。本実施例のハウスセキュリティシステム1は、居住者(所有者)の操作により、セキュリティモードは任意に解除できるようになっている。S1の処理で確認した結果、セキュリティモードフラグ46cがオフであれば(S1:No)、この管理処理を終了する。一方、セキュリティモードフラグ46cがオンであれば(S1:Yes)、正当な応答要求コマンドを受信したか否かを確認する(S2)。その結果、正当な応答要求コマンドの受信であれば(S2:Yes)、S3の処理をスキップし、S4の処理に移行する。
【0142】
携帯電話100からの呼出信号の着呼は、住居内の環境や居住者の状態に関するデータの送信要求である。携帯電話56に呼出信号が着呼することにより、応答要求コマンドは、携帯電話56から親機40へと送信される。携帯電話56からは、呼出信号が着信する度に応答要求コマンド(着呼信号と呼出元の電話番号)が親機40に送信されるが、親機40においては、電話番号メモリ46dに記憶(登録)されている電話番号にのみ検出データを送信するよう設定されている。このため、親機40では、携帯電話56からの応答要求コマンドを受信すると、携帯電話56を呼出した電話番号が、電話番号メモリ46dに登録されている電話番号か否かを判別し、登録された電話番号であった場合にのみ応答要求コマンドを正当な応答要求コマンドとして、この管理処理を続行する。
【0143】
また、S2の処理で確認した結果、正当な応答要求コマンドの受信でなかった場合には(S2:No)、データ読取時間か否かを確認する(S3)。確認の結果、データ読取時間でなければ(S3:No)、この管理処理を終了する。一方、S3の処理で確認した結果、データ読取時間であれば(S3:Yes)、検出データ要求コマンドに子機20の識別番号を付加し、各子機20へ順番に送信すし(S4)、この管理処理を終了する。この管理処理により、親機40から子機20へのデータ要求は、所定時間毎に定期的に行われる一方で、携帯電話56を介して接続される携帯電話100などからのデータ送信要求に応じて実行される。
【0144】
図6は、親機40で実行されるデータ受信処理のフローチャートである。データ受信処理は、親機40から子機20に対してなされたデータの送信要求(検出データ要求コマンド)に基づいて、子機20から送信される検出データを受信し、その検出データが異常を示しているか否かを判断する処理である。
【0145】
このデータ受信処理においては、まず、子機20から送信された検出データを受信したか否かを確認する(S11)。その結果、子機20から送信された検出データを受信していれば(S11:Yes)、受信した検出データを受信バッファ43aに書き込む(S12)。そして、受信した検出データの内、人体センサの検出データ(人体検出データ)の値は人体を検出した値であるか否かを確認する(S13)。確認の結果、人体センサの検出データが人体を検出した値でなければ(S13:No)、S14の処理をスキップして、その処理をS15の処理に移行する。
【0146】
一方、S13の処理で確認した結果、人体センサの検出データが人体を検出した値であれば(S13:Yes)、RTC44の値を検出データ送信元の子機20の識別番号により指定される子機メモリ46fの時刻メモリに書き込む(S14)。これにより、子機メモリ46fの時刻メモリに先に記憶される検出時刻の情報は更新される。その後、受信バッファ43dに記憶される各センサの検出データを、その識別番号により指定される子機メモリ46fの対応するメモリにそれぞれ書き込む(S15)。尚、各検出データがいずれのセンサに対応するデータであるかは、検出データに付加されたセンサの種類を示すコード(センサコード)に基づいて判別される。また、時刻メモリには、人体検出データが人体を検知した値である場合にのみ、その検出時刻の情報が書込まれて、先のデータが更新されたが、人体メモリには、人体検出データが人体を検知した値である場合にも否である場合も、その検出データは、人体センサメモリに書込まれる。
【0147】
そして、検出データが異常を示しているか否かを判定する異常判定処理(S16)を実行する。この異常判定処理(S16)の実行後は、温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4、ガス漏れセンサ5、煙センサ6、人体センサ28の検出データが異常を示しているか否かを確認する(S17)。ここで、異常が確認されると(S17:Yes)、携帯電話100などの予め登録された連絡先に警報を通報する緊急通報処理を実行し(S25)、その後、各処理(S22)を実行して、このデータ受信処理を終了する。一方、異常が確認されなければ(S17:No)、全子機20からのデータ受信が終了したか否かを確認し(S18)、終了していれば(S18:Yes)、S11〜S18の一連の処理が正当な応答要求コマンドに基づいて実行されたものであるか否か、即ち、正当な応答要求コマンドを受信しているか否かを確認し(S19)、正当な応答要求コマンドに基づいて実行された処理であれば(S19:Yes)、検出データをデータ送信要求元の携帯電話100に送信するべく携帯電話56に出力する応答データ送信処理を実行して(S23)、このデータ受信処理を終了する。
【0148】
また、応答要求コマンドに基づいて実行された処理でなければ(S19:No)、更に、送信時刻メモリ46eに記憶される定時送信時刻が到来したか否かを確認する(S20)。ここで、定時送信時刻が到来していなければ(S20:No)、各処理(S22)を実行し、このデータ受信処理を終了する。一方、定時送信時刻が到来していれば(S20:Yes)、定時送信処理を実行する(S21)。この定時送信処理(S21)は、居住者により定時送信が指定されている場合(定時送信フラグ46bがオン)である場合に、読取った検出データや異常の有無などを登録された携帯電話100などに送信する処理である。この定時送信処理(S21)の実行後は、各処理(S22)を実行し、このデータ受信処理を終了する。
【0149】
各処理(S22)は、子機20から送信された検出データに基づいて、その検出データの送信元子機20に所定の動作を行わせるためのコマンドを送信する処理である。例えば、この各処理(S22)では、異常が検出されたセンサに接続される子機20に対し、ブザー7を呼動させるコマンドを送信する処理や、ACスイッチ32を動作させるコマンドを送信する処理などが例示される。
【0150】
加えて、S18の処理で確認した結果、全子機20からのデータ受信が終了していなければ(S18:No)、その処理をS11の処理に移行する。また、S11の処理において確認した結果、受信予定の子機20からの検出データを受信しなかった場合には(S11:No)、エラー判定処理を実行する(S24)。
【0151】
このエラー判定処理(S24)は、子機20の異常を検出する処理である。親機40から送信された検出データ要求コマンドに基づいて、子機20からは検出データが送信されるが、所定時間内に子機20からの検出データを受信できなかった場合、親機40は、子機20からの検出データが未受信であると判断し、このエラー判定処理(S24)を実行する。エラー判定処理(S24)では、検出データが未受信である子機20に対し、接続状態を確認するコマンドの送信や、検出データ要求コマンドを再度送信する処理を実行した後、このデータ受信処理を終了する。
【0152】
尚、かかる処理の実行の後においても検出データが未受信であれば、該子機20に対してエラーを判定する。エラー判定処理(S24)においてエラーが判定されると、そのエラー判定された子機20からは、0の検出データが送信されたものとしてS11以降の処理を実行する。尚、このエラー判定処理において、データ受信のための待機時間は、他の処理に大きな支障を与えない時間、例えば略0.2秒〜0.3秒に設定されている。
【0153】
また、エラー判定処理(S24)により、子機20にエラーが判定された場合には、異常判定処理(S16)において、異常有りが判定され、実際の状況が異常事態でなくとも、緊急通報処理(S25)が実行される。これにより、データの受信者(携帯電話100の所持者など)は、エラーの発生を知ることができる。
【0154】
図7は、図6のデータ受信処理で実行される異常判定処理(S16)のフローチャートである。異常判定処理(S16)は、上記したように、検出データが異常を示しているか否かを判定する処理であり、子機20から送信される検出データを予めROM42に記憶されている標準値と比較して、検出データの異常の有無を判定するための処理である。
【0155】
この異常判定処理(S16)では、まず、S15の処理で検出データの書込まれた第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に記憶される各検出データを読出す(S31)。そして、読出した検出データに対応するセンサの内、温度センサ2、ガス漏れセンサ5、煙センサ6に対応する標準値、即ち判定データをROM42から読み出す(S33)。
【0156】
次に、外出設定フラグ46gはオンされているか否かを確認し(S34)、外出設定フラグ46gがオンされていれば(S34:Yes)、外出中に対応する人体センサ28の判定データをROM42から読出す(S35)。その後、読出した判定データと対応する検出データとをそれぞれ比較して、この異常判定処理(S16)を終了する。一方、S34の処理で確認した結果、外出設定フラグ46gがオフであれば(S34:No)、在宅中に対応する人体センサ28の判定データをROM42から読出し(S38)、その後、その処理をS36の処理に移行する。
【0157】
本実施例のハウスセキュリティシステム1では、セキュリティモードが解除されていなければ、居住者が在宅であっても、外出中であっても、人体の検知を実行する。ここで、居住者が在宅中(外出モード解除)にある場合には、人体センサ28で人体が検知されても、侵入者ではないので、緊急通報処理(S25)を非実行とする必要がある。このため、外出設定フラグ46gがオフである場合には、人体センサ28の検出データが人体を検知した値であっても、異常判定処理(S16)においては、異常なしと判定される必要がある。また、外出設定フラグ46gがオンである場合には、人体センサ28の検出データが人体を検知した値であれば、異常判定処理(S16)においては、異常ありと判定される必要がある。
【0158】
故に、人体センサ28の検出データに対応する判定データは2種類用意されており、外出設定フラグ46gの状態に応じて、対応する判定データが使用される。これによれば、居住者が在宅の場合には在宅の居住者の行動に関する情報提供を実行でき、また、居住者が不在の場合には、侵入者の検知により緊急通報を的確に実行することができる。
【0159】
図8は、図6のデータ受信処理の中で実行される応答データ送信処理(S23)のフローチャートである。応答データ送信処理は、上記したように、データ送信要求元の携帯電話100へ、各子機20で検出された検出データを出力するべく、各子機メモリ46fに記憶されるデータを携帯電話56へ出力する処理である。
【0160】
この応答データ送信処理(S23)では、まず、各子機メモリ46fに記憶されている検出データ(人体検出データ、温度データ、照度データ、湿度データ、ガスデータ、煙データの各検出データ及び検出時刻の情報)を読出し(S41)、読出した各検出データに、対応するセンサの種類を示すセンサコードを付加する(S42)。そして、センサコードが付加された検出データ(各検出データ及び検出時刻の情報)に、更に、子機20の識別番号と、配設箇所メモリに記憶される配設箇所の情報とを付加し、メールデータの形式で送信バッファ43bに書込む(S43)。これにより、人体センサ28が各監視エリアにおいて最後に人を検知した検出時刻の情報と、現状の環境を示す各情報(温度データなど)とが送信バッファ43bに書込まれることとなる。
【0161】
その後、外出設定フラグ46gがオンされているか否かを確認し(S44)、その結果、外出設定フラグ46gがオンであれば(S44:Yes)、送信バッファ43bに記憶されるデータに外出中コードを付加し(S45)、一方、外出設定フラグ46gがオフであれば(S44:No)、送信バッファ43bに記憶されるデータに在宅中コードを付加する(S47)。S45またはS47の処理の後は、送信バッファ43bに記憶されるデータに、データ送信要求元の電話番号を付加し、接続される携帯電話56に送信し(S46)、この応答データ送信処理(S23)を終了する。
【0162】
携帯電話56に、かかるデータが送信されると、受信した電話番号を自動ダイヤル回路により発呼するとともに、その回線が閉結されるとメールデータを送信する。これにより、親機40から、検出データが無線回線60を介して送信先の携帯電話100或いはPC110へと送信される。そして、情報を受信した携帯電話100の表示画面に、図4に示した情報が表示される。
【0163】
図9は、子機20において実行されるデータ変換処理のフローチャートである。データ変換処理は、子機20に接続されるアナログセンサ(センサ2〜4)により検出されるアナログの検出データをデジタルの検出データに変換する処理である。このデータ変換処理は、各子機20毎に実行される。各子機20は、上記したように1の監視エリアごとに設置されるので、その監視エリアに設置されるアナログセンサ2〜4により検出されたアナログデータをその近傍においてデジタルデータに変換することができる。
【0164】
このデータ変換処理では、まず、検出されたアナログデータを所定時間毎にサンプリングし(S61)、そのサンプリングしたアナログデータをデジタルデータに変換する(S62)。その後、変換したデジタルデータに検出元センサの情報(センサの種類を示すセンサコード)を付加する(S63)。子機20に接続されるセンサ2〜6,28は、そのセンサ2〜6,28の信号線が接続されるポートの位置によりMPU21に認識される。子機20においては、各ポートに対応して、予めROM22にセンサの情報(センサの種類)が記憶されている。よって、子機20に接続されたセンサ2〜6,28に、それぞれのセンサの情報(センサの種類を示すセンサコード)を付加することができる。
【0165】
S63の処理の後は、センサの情報が付加された検出データをRAM23の所定のエリアに書込み、先に記憶されるデータを更新して(S64)、このデータ変換処理を終了する。
【0166】
図10は、子機20において実行される検出データ送信処理のフローチャートである。検出データ送信処理は、上記したデータ変換処理でRAM23の所定エリアに記憶された検出データを、親機40から送信される検出データ要求コマンドに基づいて、親機40に送信する処理である。
【0167】
この検出データ送信処理では、まず、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドを受信したか否かを確認し(S71)、確認の結果、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドの受信でなければ(S71:No)、この検出データ送信処理を終了する。一方、S71の処理で確認した結果、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドの受信であれば(S71:Yes)、RAM23に記憶される検出データを送信メモリ23aに書込み(S72)、その後、送信メモリ23aに記憶される検出データに子機の識別番号(番号1〜20のいずれか)と送信先の親機40の識別番号とをヘッダデータとして付加する(S73)。そして、ヘッダデータの付加された検出データを親機40に送信し(S74)、この検出データ送信処理を終了する。
【0168】
尚、子機20は、親機40から送信されたデータ(コマンド)を、第1コネクタ26を介して受信するが、この受信したデータ(コマンド)に自己の識別番号が付加されていなければ、そのデータ(コマンド)を第2コネクタ27から出力して、受信したデータを通過させる(検出データ送信処理は実行されない)。また、この子機20に(親機40の反対側において)接続される他の子機20から親機40に送信されるデータは、第2コネクタ27により受信された後、第1コネクタ26から出力される。つまり、他の子機20から親機40へ送信されるデータについても通過させるのである。
【0169】
以上説明したように、上記実施例のハウスセキュリティシステム1によれば、人体センサ28が、各監視エリアに配設されており、各監視エリアの人体センサ28により検出された検出データ(人体検出データ)が、人体の検知を示す場合には、その検出時刻の情報が、親機40に記憶される。この親機40に記憶される検出時刻の情報は、検出元の人体センサ28が、新たに人体を検知するまで保持される。つまり、各人体センサ28がその配設された監視エリアにおいて、最後に人体を検出した検出時刻が、親機40において、各監視エリア毎に記憶される。
【0170】
その人体の検出時刻とその検出場所を示す情報は、現状の屋内の環境(温度や照度)を示す情報と共に、携帯電話100などに送信される。故に、外出中の居住者は、携帯電話100などに表示される情報を閲覧することにより、在宅中の居住者の行動や屋内環境を的確に把握することができる。
【0171】
なお、上記各実施例において、請求項1記載の出力手段としては、図8のフローチャートのS41〜S47の処理が該当する。請求項2記載の出力手段としては、図8のフローチャートのS41〜S47の処理が該当する。請求項1記載の異常情報出力手段としては、図6のフローチャートのS25の処理が該当する。請求項1記載の利用者判断手段としては、図6のフローチャートのS13の処理が該当する。請求項1記載の更新手段としては、図6のフローチャートのS13,S14の処理が該当する。請求項6記載の識別情報判断手段としては、図5のフローチャートのS2の処理が該当する。請求項6記載の送信禁止手段としては、図5のフローチャートのS2の処理の「No」への分岐が該当する。請求項1記載の受信手段としては、親機40の携帯電話56によって出力された検出データが携帯電話100によって受信される処理が該当する。また、請求項1記載の表示装置としては、携帯電話100の表示装置が該当する。
【0172】
以上、上記第1実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記第1実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0173】
例えば、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1においては、子機20により検出された全ての検出データは、同じ送信先に送信されるように構成したが、これに変えて、検出データの内容によって、異なる送信先へ送信するように構成してもよい。例えば、異常時に緊急の対応が必要となる温度センサ2、ガス漏れセンサ5、煙センサ6、人体センサ28などの検出データについては、警備会社(PC110)へ送信するように構成すれば、異常の発生により緊急の対応が必要な場合において、専門家(警備会社)による迅速な対応を実行することができる。また、通常の定時送信される検出データについては、その住居の居住者の携帯電話100へ送信し、異常があった場合には、警備会社(PC110)にそのデータを送信するように構成してもよい。
【0174】
更に、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1は、全ての居住者が在宅している場合の動作については言及していないが、全居住者が在宅の際においても、就寝時にはセキュリティモードを設定し、温度センサ2、ガス漏れセンサ5、煙センサ6、窓センサ、振動センサなどにより異常が検知された場合には、警備会社に対して緊急通報処理が実行されるように構成しても良い。
【0175】
加えて、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1において、停電時の動作については特に言及していないが、停電時にも各装置が所定時間以上動作するように、2次電池や太陽電池などによって停電時の電源を確保するように構成してもよい。また、停電の発生を監視する停電監視回路を設けてもよい。この停電監視回路により停電が感知された場合には、その旨(異常の発生)を携帯電話100やPC110に通報するように構成してもよい。
【0176】
また、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1において、親機40(携帯電話56)から、緊急通報(エラーの報知を含む)がなされた場合に、その通報解除を居住者の所持する携帯電話100から、暗号を入力することなどにより行ってもよい。これにより同じ警報が何度も送信されることを回避することができる。
【0177】
更に、設定スイッチ29は、子機20の数に対応する数と同じ数のスイッチにより構成され、所定の位置のスイッチが押下されることにより子機20に識別番号が付与された。これに代えて、ダイヤル式のスイッチを用いて、そのダイヤル位置によって識別番号を付与しても良い。また、スライドスイッチを複数を設けて、スイッチ位置の組み合わせにより、識別番号を付与しても良い。また、子機20に書換え可能な不揮発性のメモリを設け、親機40からかかるメモリへ識別番号を書き込むことにより、各子機20に識別番号を付与しても良い。
【0178】
加えて、管理処理において、子機20にエラーが検出された場合には、その旨をメールデータにより携帯電話100などに通報するように構成しても良い。
【0179】
更に、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1においては、各センサの検出データを親機40のEEPROM46に記憶させるように構成したが、これに代えて、RAM43に記憶させるように構成しても良い。
【0180】
また、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1においては、人体センサ28によって人体が検出された場合でも否である場合であっても、その検出データを親機40に送信し、親機40において、人体が検知された情報であるか否かを判別し、人体が検出された検出データであった場合にのみ子機メモリ46fに書込むように構成した。これに代えて、人体が検出された検出データのみを子機20から出力するように構成しても良い。
【0181】
更に、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1においては、親機40からのデータ要求コマンドを受信したタイミングで、各センサにより検出される検出データを子機20が読取り、該タイミングで読取ったデータを親機40に送信するように構成した。これに代えて、人体センサ28により人体が検出された場合には、子機20においてその検出時刻を記憶し、親機40からのデータ要求コマンドを受信したタイミングでその記憶する検出時刻の情報を送信するように構成しても良い。親機40からのデータ要求が、所定時間毎に断続的に行われている場合、そのデータ要求の間隔によっては、人体センサ28によって人体が検出された情報が、親機40に送信されない場合がある。そのデータの要求間隔の間に人体が移動してしまうことがあるからである。このため、本実施例のハウスセキュリティシステム1では、親機40からのデータ要求の間隔は、例えば、20台の子機20に対してのデータ要求コマンドの送信時間が略1秒となるような短時間に設定された。しかし、人体センサ28によって人体が検出された場合に、その検出時刻を子機20において記憶するように構成すれば、親機40からのデータ要求の間隔の設計に対して、自由度を大きくすることができる。また、本親機40からのデータ要求コマンドの送信間隔を長くすることにより、子機20及び親機40の制御負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハウスセキュリティシステムを模式的に表した外観図である。
【図2】 ハウスセキュリティシステムの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 親機のEEPROMに設けられた子機メモリの構成を示した図である。
【図4】 親機により出力されたデータが携帯電話に表示された表示画面を模式的に示した図である。
【図5】 親機により実行される管理処理のフローチャートである。
【図6】 親機により実行されるデータ受信処理のフローチャートである。
【図7】 親機のデータ受信処理の中で実行される異常判定処理のフローチャートである。
【図8】 親機のデータ受信処理の中で実行される応答データ送信処理のフローチャートである。
【図9】 子機により実行されるデータ変換処理のフローチャートである。
【図10】 子機により実行される検出データ送信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ハウスセキュリティシステム
2 温度センサ(環境検知センサ、アナログセンサ)
3 照度センサ(環境検知センサ、アナログセンサ)
4 湿度センサ(環境検知センサ、アナログセンサ)
5 ガス漏れセンサ(環境検知センサ)
6 煙センサ(環境検知センサ)
10 外部装置(センサユニットの一部)
20 子機(中継装置、センサユニットの一部)
28 人体センサ(利用者検知センサ)
35 有線回線(有線回線)
40 親機(管理装置)
46d 電話番号メモリ(識別情報記憶手段)
46f1b 時刻メモリ(検出時刻記憶手段)
57 外出モード設定スイッチ(不在モード設定手段)
60 無線回線(無線回線)
100 携帯電話(情報受信装置)
110 パーソナルコンピュータ(PC)(情報受信装置)
Claims (6)
- 建造物の利用者に関する利用者情報を検出する複数の利用者検知センサと、前記建造物の屋内環境に関する現状の環境情報を検出する環境検知センサと、その利用者検知センサにより検出される利用者情報を管理する管理装置と、前記管理装置と遠隔に設置されると共に無線回線を介して前記管理装置と相互に接続される情報受信装置とを備えたハウスセキュリティシステムにおいて、
前記建造物の利用者の活動場所となる前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設される前記利用者検知センサおよび前記環境検知センサを有し、前記管理装置に接続されるセンサユニットを備え、
前記管理装置は、前記利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かを判断する利用者判断手段と、
その利用者判断手段により、前記利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その利用者情報の検出時刻を検出元の利用者検知センサに対応付けて記憶する検出時刻記憶手段と、
前記利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、前記利用者判断手段により利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、前記検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報を更新し、一方、前記利用者判断手段により前記利用者情報は利用者の検出を示すものでないと判断されると、前記検出時刻記憶手段に先に記憶される検出時刻の情報更新を非実行とする更新手段と、
前記建造物に対して予め定められた利用者が不在であることを示す不在モードを設定する不在モード設定手段と、
その不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、前記利用者検知センサが利用者を検出すると異常を示す異常信号を出力することにより、予め登録された連絡先に通報する異常情報出力手段と、
前記検出時刻記憶手段に記憶された前記利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、前記配設箇所に配設された環境検知センサにより検出された現状の環境情報と、前記利用者検知センサと環境検知センサとが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とを出力する出力手段とを備えており、その出力手段により出力される前記検出時刻の情報は、前記出力手段による出力前に前記利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされるものであって、
前記情報受信装置は、前記管理装置の出力手段により出力される情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信されたデータを表示する表示装置とを備え、前記受信手段により受信した前記配設箇所情報と前記検出時刻の情報と前記現状の環境情報とを対応付けて前記表示装置に表示するものであることを特徴とするハウスセキュリティシステム。 - 建造物の利用者に関する利用者情報を検出する複数の利用者検知センサと、前記建造物の屋内環境に関する現状の環境情報を検出する環境検知センサと、その利用者検知センサにより検出される利用者情報を管理する管理装置と、前記管理装置と遠隔に設置されると共に無線回線を介して前記管理装置と相互に接続される情報受信装置とを備えたハウスセキュリティシステムにおいて、
前記各利用者検知センサは、前記管理装置にそれぞれ接続されると共に、前記建造物の利用者が前記建造物内において取り得る動線に基づいて定められた前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設されるものであり、
前記利用者検知センサおよび前記建造物の利用者の活動場所となる前記建造物の複数の箇所にそれぞれ配設される前記環境検知センサを有し、前記管理装置に接続されるセンサユニットを備え、
前記管理装置は、前記利用者検知センサにより検出された利用者情報が、利用者の検出を示すものであるか否かを判断する利用者判断手段と、
その利用者判断手段により、前記利用者情報が利用者の検出を示していると判断されると、その利用者情報の検出時刻を検出元の利用者検知センサに対応付けて記憶する検出時刻記憶手段と、
前記利用者検知センサにより新たに検出された利用者情報が、前記利用者判断手段により利用者の検出を示すものであると判断されると、その利用者情報の検出時刻により、前記検出時刻記憶手段に先に記憶されている対応する利用者検知センサの検出時刻の情報を更新し、一方、前記利用者判断手段により前記利用者情報は利用者の検出を示すものでないと判断されると、前記検出時刻記憶手段に先に記憶される検出時刻の情報更新を非実行とする更新手段と、
前記建造物に対して予め定められた利用者が不在であることを示す不在モードを設定する不在モード設定手段と、
その不在モード設定手段により不在モードが設定されている場合に、前記利用者検知センサが利用者を検出すると異常を示す異常信号を出力することにより、予め登録された連絡先に通報する異常情報出力手段と、
前記検出時刻記憶手段に記憶された前記利用者検知センサが利用者情報を検出した検出時刻の情報と、前記配設箇所に配設された環境検知センサにより検出された環境情報と、前記利用者検知センサと環境検知センサとが接続されたセンサユニットの配設箇所を示す配設箇所情報とを出力する出力手段とを備えており、その出力手段により出力される前記検出時刻の情報は、前記出力手段による出力前に前記利用者検知センサが最後に利用者を検出した検出時刻の情報とされるものであって、
前記情報受信装置は、前記管理装置の出力手段により出力される情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信されたデータを表示する表示装置とを備え、前記受信手段により受信した前記配設箇所情報と前記検出時刻の情報と前記現状の環境情報とを対応付けて前記表示装置に表示するものであることを特徴とするハウスセキュリティシステム。 - 前記センサユニットは、前記利用者検知センサおよび前記環境検知センサの内、検出情報をアナログデータで検出するアナログセンサについて、検出されたアナログデータをデジタルデータに変換すると共に前記アナログセンサの近傍に配置された中継装置を備えており、
前記センサユニットは、前記利用者検知センサまたは前記環境検知センサにより検出されたアナログデータを前記中継装置によってデジタルデータに変換した後、前記管理装置に送信するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステム。 - 前記センサユニットと前記管理装置とは、有線回線を介して相互に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハウスセキュリティシステム。
- 前記管理装置は、前記情報受信装置からの情報送信要求に応答して前記出力手段に情報の出力を指示し、その出力手段は、その情報出力指示に基づいて、前記無線回線を介し、情報送信要求元の前記情報受信装置宛に情報を送信するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のハウスセキュリティシステム。
- 前記管理装置は、予め登録された前記情報受信装置の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、前記情報受信装置から情報送信要求がなされた場合に、情報送信要求元の前記情報受信装置の識別情報が、その識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する識別情報判断手段と、その識別情報判断手段により、情報送信要求元の前記情報受信装置の識別情報が前記識別情報記憶手段に記憶されていないと判断されると、前記出力手段による前記情報受信装置への情報送信を禁止する送信禁止手段とを備えていることを特徴とする請求項5記載のハウスセキュリティシステム。
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