JP3874632B2 - ハウスセキュリティシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウスセキュリティシステムに関し、特に、信頼性の高いセキュリティを安価に確保することのできるハウスセキュリティシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハウスセキュリティシステムは、個人宅やオフィスなどの建造物の防犯や防災を目的として設けられるシステムである。このセキュリティシステムは、建造物内またはその周縁の随所に設けられ、セキュリティに関するデータを検出するセンサと、建造物内に設けられセンサにより検出された検出データを管理する親機と、建造物とは遠隔に設置され親機から異常発生の通報を受ける通報装置とにより構成される。
【0003】
具体的には、センサには、火災の発生を検出する温度センサ、ガス漏れを検出するガス漏れセンサ、侵入者を検出する人体検知センサや振動センサなどが用いられる。各センサにより検出された検出データは、無線回線または有線回線を介して親機に伝送される。
【0004】
親機は、検出されたデータの異常を判定するものであり、登録された電話番号(通報装置の電話番号)を発呼する自動ダイヤル回路を内蔵している。また、親機は、電話回線を介して通報装置と接続されている。この親機において、検出データが受信されると、その検出データと予め親機に記憶されている標準値とが比較され、異常の有無が判定される。その結果、異常有りが判定された場合には、自動ダイヤル回路により通報装置が発呼され、通報装置に「異常あり」が音声信号や警報音などで通報される。
【0005】
通報装置は、警備会社や建造物の所有者の連絡先に設置される電話或いはコンピュータなどである。通報装置は、親機からの呼出音に応答して回線を閉結すると、親機から送信された音声信号や警報音などが(スピーカなどから)出力されるように構成されている。これにより、異常事態の発生が、警備会社などにおいていち早く認識され、火災やガス漏れなどの災害や、泥棒などの侵入者による被害を最小限に食い止めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したハウスセキュリティシステムに設けられるセンサは、アナログセンサであることが多い。また、センサは、建造物の室内外の随所(データの検出位置)に設置される一方、検出データを判定(処理)する親機は、使用者の使い勝手の良い箇所に設置される。つまり、アナログセンサにより検出されたアナログデータは、センサと離れた位置にある親機まで伝送されることとなる。電気信号は、伝送中に減衰やノイズの影響を受けるが、特にアナログデータは、ノイズの影響により信号波形が乱れやすい。更に、アナログデータについては、伝送中に減衰した信号を増幅することはできても、信号波形を修復することは困難である。このため、アナログセンサにより検出されたアナログデータは、不正確なデータとなりがちであり、検出データによる異常の有無の判定が誤差判定されやすいという問題点があった(信頼性の低下)。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、信頼性の高いセキュリティを安価に確保することのできるハウスセキュリティシステムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載のハウスセキュリティシステムは、建造物内外の所定の箇所に取り付けられセキュリティに関するデータを検出するセンサを備えたセンサユニットと、そのセンサユニットにより検出された検出データを管理する管理装置とを備え、前記センサユニットは、検出データをアナログデータで検出するアナログセンサと、そのアナログセンサにより検出されたアナログ検出データをデジタルデータに変換し、その変換されたデジタルデータを有線回線を介して前記管理装置に送信する中継装置とを備えており、その中継装置は前記アナログセンサの近傍に配置され、前記中継装置は、各中継装置を個別に識別するための識別番号を有しており、前記管理装置またはその管理装置側に位置する1の中継装置を接続する管理装置側接続手段と、その管理装置側接続手段とは別に備えられ、1の中継装置を接続する中継装置側接続手段とを備え、前記管理装置は、前記中継装置に送信するデータにその送信先の中継装置の識別番号を付与する識別番号付与手段を備え、前記中継装置は、前記管理装置側接続手段を介して受信したデータに他の中継装置の識別番号が付与されていた場合には、そのデータを前記中継装置側接続手段から出力すると共に、前記中継装置側接続手段を介してデータを受信した場合には、その受信したデータを管理装置側接続手段から出力し、前記管理装置は、前記中継装置に対して順番にコマンドを送信するものであり、コマンドを受信した中継装置との間でのデータ通信が終了した後に、次の中継装置との間でデータ通信を実行するものであって、前記中継装置は、前記管理装置にデータを送信する場合に、そのデータに自己の識別番号を付加する中継装置識別番号付加手段を備え、前記管理装置は、その中継装置識別番号付加手段により付加された識別番号により、その識別番号が付加されたデータの送信元の中継装置を認識する認識手段を備え、前記管理装置は、所定時間内に中継装置からのデータを受信しなかった場合、前記中継装置のエラーを判定し、他の中継装置にコマンドを送信し、前記他の中継装置との間でデータ通信を行い、且つ、予め登録された連絡先に警報を通報する緊急通報処理を実行するものである。
【0009】
この請求項1記載のハウスセキュリティシステムによれば、センサユニットに設けられたアナログセンサにより検出された建造物内外のセキュリティに関するアナログデータは、該アナログセンサ近傍に設置される中継装置により、デジタルデータに変換され、その変換されたデジタルデータは有線回線を介して管理装置に送信される。
【0010】
【0011】
また中継装置には、管理装置側接続手段により、管理装置または管理装置側に位置する1の中継装置が接続される。管理装置から中継装置に送信されたデータ(管理装置から他の中継装置を経由して送信されたデータを含む)は、この管理装置側接続手段を介して中継装置に受信される。その受信データには、管理装置の識別番号付与手段により送信先の中継装置の識別番号が付与されているが、かかる識別番号が他の中継装置の識別番号であると、受信データは、中継装置側接続手段から出力される。この中継装置側接続手段には、管理装置側接続手段に接続される管理装置または中継装置とは別に、1の中継装置が接続されており、出力されたデータは、この別の中継装置により受信される。一方、中継装置側接続手段に接続される中継装置から送信されたデータは、中継装置側接続手段を介して中継装置に受信される。該受信データは、管理装置側接続手段から出力される。
【0012】
【0013】
【0014】
また、中継装置から管理装置に送信されるデータには、中継装置において、中継装置識別番号付加手段により自己の識別番号が付加される。この識別番号が付加されたデータが管理装置により受信されると、認識手段によって、その識別番号が付加されたデータの送信元の中継装置が認識される。
【0015】
請求項記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記中継装置は、検出データにその検出元のセンサの情報を付加するセンサ情報付加手段を備えている。
【0016】
請求項記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記管理装置は、前記中継装置から送信されたデジタルデータに基づいて、その中継装置に接続されるアナログセンサにより検出された検出データの異常を判定する異常判定手段と、その異常判定手段により異常が判定された場合に、異常内容に対応した処理を実行する処理実行手段とを備えている。
【0017】
この請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、管理装置の異常判定手段により、中継装置から送信されたデジタルデータに基づいて、アナログセンサによって検出された検出データの異常が判定される。この異常判定手段により異常が判定された場合には、処理実行手段により、異常内容に対応した処理が実行される。
【0018】
請求項記載のハウスセキュリティシステムは、請求項記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記管理装置と遠隔に設置され、前記管理装置により管理される管理データを受信する管理データ受信装置を備えており、前記管理装置の処理実行手段は、前記異常判定手段により異常が判定された場合に、前記管理データ受信装置に無線回線を介してその旨を通報する無線通報手段を備えている。
【0019】
この請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、異常判定手段により異常が判定されると、その旨が、無線通報手段によって、管理装置と遠隔に設置される管理データ受信装置に、無線回線を介して通報される。
【0020】
請求項記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1からのいずれかに記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記管理装置と遠隔に設置されると共に、無線回線を介して前記管理装置と相互に接続され、前記管理装置により管理される管理データを前記無線回線を介して受信する管理データ受信装置を備えており、前記管理装置は、前記管理データ受信装置から送信される管理データの送信要求に応答して、前記管理データ受信装置に管理データを送信する。
【0021】
この請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1からのいずれかに記載のハウスセキュリティシステムと同様に作用する上、管理装置と管理データ受信装置とは、遠隔に設置され、無線回線を介して相互に接続されている。この管理データ受信装置から送信された管理データの送信要求が、管理装置により受信されると、その送信要求に応答して、管理データが、管理装置から管理データ受信装置に送信される。
請求項6のハウスセキュリティシステムは、請求項1から5のいずれかに記載のハウスセキュリティシステムにおいて、前記中継装置にはブザー音を出力するブザーが接続され、前記管理装置の識別番号付与手段は、前記中継装置に接続されたブザーを呼動させる呼動コマンドに、その送信先の中継装置の識別番号を付与するものであり、前記中継装置は、前記管理装置側接続手段を介して受信した呼動コマンドに他の中継装置の識別番号が付与されていた場合には、その呼動コマンドを前記中継装置側接続手段から出力する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のハウスセキュリティシステムの1実施例であり、防犯や防災を目的として、一般的な個人住宅に設置されたハウスセキュリティシステム1を模式的に示した外観図である。
【0023】
このハウスセキュリティシステム1は、アナログセンサなどのセンサ(センサ2〜6、図2参照)を備えた外部装置10と、その外部装置10と接続される子機20と、子機20と有線回線35を介して接続される親機40と、親機40と遠隔に設置され、親機40から無線回線60を介して送信されるデータを受信するデータ受信装置とを備えている。これによりハウスセキュリティシステム1は、各センサにより検出されるデータに基づいて異常の有無を判定し、また、検出データを遠隔地において監視することができるようになっている。
【0024】
外部装置10は、子機20に接続される複数の個別の装置である。具体的には、センサ2〜6(温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4、ガス漏れセンサ5、煙センサ7、図2参照)やブザー7を備えている。この外部装置10を構成する各装置(センサ2〜6、ブザー7)は、ケーブルにより個々に子機20と接続されている。
【0025】
子機20は、外部装置10として接続されるセンサ2〜6や、内蔵される人体センサ28(図2参照)により検出された検出データを親機40に中継するための装置である。この子機20においては、センサ2〜6,28により検出された検出データのサンプリングと、サンプリングした検出データの親機40への送信とが実行される。子機20はA/Dコンバータ4を備えており、アナログセンサ(センサ2〜4)で検出された検出データ(アナログデータ)は、このA/Dコンバータ24によりデジタルデータに変換された後、親機40に送信される。
【0026】
ここで、子機20は、1の監視エリア毎に1台ずつ設けられ、その監視エリアに備えられたセンサを接続するように構成されている。このため、子機20は、アナログセンサ近傍に備えられ、アナログセンサ近傍において、検出されたアナログデータをデジタルデータに変換することができる。
【0027】
また、子機20は、2のコネクタ(第1コネクタ26、第2コネクタ27、図2参照)を備えており、かかる第1コネクタ26及び第2コネクタ27を介して、親機40または他の子機20を接続するようになっている。つまり、子機20は、親機40に直接的に接続される一方、他の子機20を介して親機40と間接的に接続し得るように構成されているのである。
【0028】
詳細には、第1コネクタ26には、親機側に位置する1台の子機20または親機40が接続され、第2コネクタ27には、親機側と反対側に位置する1台の子機20が接続されるようになっている。ここで、子機20は、両側(親機側及びその反対側)に各1台の装置のみしか接続しない。このため、複数の子機20は、親機40との間で1ライン上に連なるように接続される。つまり、複数の子機20は、同一のデータ送信経路に接続され、かかる場合には、親機40と子機20とのデータ通信は、他の子機20を経由(通過)して実行される。図1においては、3台の子機20が同一のデータ送信経路に接続され、1台の子機20が他のデータ送信経路に接続されている。
【0029】
各子機20(親機40)には、設置される複数の子機20のそれぞれを区別することができるように、識別番号が付与されている。そして、親機40と子機20との間で送受信されるデータには、この識別番号(送信先装置及び送信元装置の識別番号)が付加されるようになっている。このため、上記したように、複数の子機20が親機40に接続されても(1のデータ送信経路に複数の子機20が接続されても)、データは、送信先の装置へと確実に送信される。
【0030】
親機40は、子機20から送信された検出データに基づいて異常を判定するための装置であり、有線回線35を介して複数の子機20が直接、または間接的に接続されている。この親機40は、液晶表示装置(以下単「LCD」と称す)48と、各種の設定値を入力するための入力装置49と、LED51とを装置本体の前面に備えている。
【0031】
親機40の本体前面上方部にはLCD48が配設されている。LCD48は、親機40で実行される処理や、受信した検出データをモニタするための表示装置である。後述の入力装置49によって親機40または子機20の設定がなされる際には、入力されたデータや操作手順などが、このLCD48に表示される。
【0032】
LCD48の下方には入力装置49が設けられている。入力装置49は、各種の設定値を親機40に入力するためのものであり、指定ボタン49aと入力ボタン49bとを備えている。指定ボタン49aは、1の装置を指定するためのボタンであり、1の親機40と、親機40に接続し得る子機20との数分、設けられている。この指定ボタン49aには0〜20の番号が割り付けられている。「0」の指定ボタン49aは、親機40に対応し、「1」〜「20」の指定ボタン49aは、子機20を指定する識別番号「1」〜「20」にそれぞれ対応している。指定ボタン49aが押下されると、押下された指定ボタン49aの番号に対応する識別番号が指定される。そして、引き続き入力ボタン49bを操作することにより入力されたデータは、先に指定された識別番号に対応するデータとして親機40に記憶される。
【0033】
このため、子機20に付与された識別番号と同じ番号の指定ボタン49aを押下し、引き続き該子機20のデータを親機40に入力することにより、子機20に付与された識別番号によって、その子機20を親機40で管理することができる。
【0034】
各指定ボタン49aには、LED51がそれぞれ併設されている。LED51は、対応する(併設された)指定ボタン49aが押下されると点灯し、いずれの装置が選択されたかを視覚的に認識させるためのものである。また、このLED51は、異常発生時に、ブザー52の呼動とともに、その異常検出元の子機20を報知するべく点灯される。
【0035】
指定ボタン49aの下方には、入力ボタン49bが配設されている。この入力ボタン49bは、数字、英字、かな文字、漢字などを入力することができるように複数のボタンで構成されており、1のボタンに複数の文字が割り付けられている。親機40の操作者は、これらの指定ボタン49aと入力ボタン49bとを操作することにより、各種の設定値を各装置に対応付けて親機40に入力することができる。
【0036】
親機40の背面には、子機20を接続するためのコネクタ(第1コネクタ53、図2参照)が設けられており、有線回線35を介して複数の子機20が接続されるようになっている。上記したように、子機20は、他の子機20を介して間接的に親機40に接続することができるように構成されているので、親機40は、第1コネクタ53の数に規制されることなく、多くの子機20を接続(管理)することができる。
【0037】
また、親機40は、携帯電話56を備えている。携帯電話56は、親機40の指示に基づき、親機40に登録された電話番号(データ受信装置)に対して、検出データの送信や警報の通報を行うものである。ここで、データ受信装置は、居住者の所持する携帯電話100或いは警備会社のパーソナルコンピュータ(以下単に「PC」と称す)110である。
携帯電話56から携帯電話100及びPC110への検出データの送信は、親機40の操作者により設定された時刻に、或いは登録された電話番号(携帯電話100及びPC110)からの送信要求に基づいて実行される。また、警報の通報は、検出データの異常判定の結果において、異常が判定された場合に、携帯電話100及びPC110に対し実行される。
【0038】
この携帯電話56から送信されるデータは、メール形式の文字情報、即ち、一般的にショートメールなどと称されるメールデータで構成されている。かかるメールデータは、親機40により作成され、送信先の電話番号と共に親機40から携帯電話56に入力される。尚、携帯電話56は、携帯電話100及びPC110と無線回線60を介して接続されている(親機40からのデータの発信が、無線回線60により行われる)。このため、有線回線を介して接続されている場合のように、侵入者によって容易に回線が切断されるといったことがなく、異常の発生は、確実に携帯電話100やPC110に通報される。
【0039】
上記のように構成された親機40は、接続された子機20にコマンドを送信し、該コマンドに基づく処理を子機20に実行させる。例えば、親機40は、子機20に対し、検出データを要求する検出データ要求コマンドを送信し、子機20に検出データの送信を実行させる。また、子機20から送信された検出データに基づいて、その送信元の子機20に動作を行わせる場合には(例えば、照明のオン−オフや窓の開閉などのスイッチ操作)、対応するコマンドを子機20に送信し、子機20にそのコマンドに応じた処理を実行させる。
【0040】
尚、この親機40(携帯電話56)と携帯電話100及びPC110とを接続する電話回線(無線回線60)には、図示を省略しているが、無線回線60が接続される中継局や交換機が存在する。更には、電話会社のメールサーバが接続されている。このため、携帯電話100が不通である場合には、通信状態が回復するまで(最大72時間)親機40から送信されたメールデータはメールサーバに保存され、通信状態が回復されると保存されたメールデータは送信先の携帯電話100へ送信される。また、PC110は、電話回線を利用したインターネットに接続されており、電話回線(無線回線60)を介して親機40から送信されたメールデータを受信することができるように構成されている。
【0041】
図2は、上記のように構成されたハウスセキュリティシステム1の電気的な構成を示したブロック図である。図2に示すように、ハウスセキュリティシステム1には、各種のデータを検出するためのセンサ2〜6が外部装置10として子機20に接続されている。
【0042】
外部装置10として子機20に接続されるアナログセンサ2〜4は、その設置される周辺の状況をアナログデータで検出するセンサである。一般的に、センサは、その仕様(センサの種類)により検出対象が決まっている。温度センサ2は、温度を検出するものであり、検出された温度により火災を検知することができる。また、照度センサ3は明るさを検出するものであり、湿度センサ4は、湿度を検出するものである。かかるセンサ3,4により室内の状況(環境)を検出することができる。
【0043】
また、本実施例のハウスセキュリティシステム1では、外部装置10として、デジタルセンサであるガス漏れセンサ5と、煙センサ6とが備えられている。ガス漏れセンサ5は、都市ガスや天然ガスなどの一般家庭で使用されるガスを検出するセンサである。また煙センサ6は、煙を検出して火災の発生を検知するものである。該センサ5,6は、後述の子機20に備えられたフォトカプラ30を介して子機20に接続されている。更に、外部装置10として、ブザー7が備えられており、このブザー7は、後述の子機20に備えられたフォトモスリレー31を介して子機20に接続されている
尚、かかるセンサ2〜6は、その監視エリアに適した種類のセンサが1の監視エリア毎(住居内の各部屋毎)に適宜選択され、その監視エリアに設置される子機20に接続される。また、用いられるセンサとしては、上記したセンサ2〜6に限られるものでなく、例えば、窓からの侵入者を検知するため窓に取り付けられる振動センサ、室内の換気の目安を検出するCO2センサ、要介護者がいる場合にその要介護者の状態を検知する介護センサなどが、必要に応じて適宜用いられる。
【0044】
子機20は、センサ2〜6,28によって検出した検出データを親機40に中継するための装置であり、図2に示すように、ワンチップマイコンとしてのMPU21を備えている。
【0045】
MPU21は、演算機能と制御機能とを備えた演算処理装置であり、制御プログラムを記憶するROM22と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き替え可能に記憶するRAM23とを1チップに納めたものである。
【0046】
ROM22は、子機20を制御する制御プログラムや、各種固定値などを記憶するものである。後述するデータ変換処理(図5参照)や検出データ送信処理(図6参照)のプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM22に記憶されている。
【0047】
書換え可能なメモリであるRAM23は、送信メモリ23aを備えている。送信メモリ23aは、親機40に送信するため検出データを一時的に記憶しておくためのメモリである。子機20においては、検出データのサンプリングが、所定のサンプリングタイムに基づいて定常的に実行されおり、サンプリングされた検出データは、RAM23の所定のエリアに記憶される。そして、RAM23の所定のエリアに記憶される検出データは、親機40から送信される検出データ要求コマンドを受信したタイミングで、この送信メモリ23aに書き込まれる。送信メモリ23aに記憶されるデータは、子機20の識別番号が付加された後に、親機40へ送信される。データの送信後は、この送信メモリ23aに記憶されるデータはクリアされる。
【0048】
このMPU21は、入出力ポート2に接続されており、この入出力ポート2には、外部装置10であるアナログセンサ(温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4)と、A/Dコンバータ34と、人体センサ28と、設定スイッチ29と、フォトカプラ30と、フォトモスリレー31と、ACスイッチ32と、第1及び第2コネクタ26,27とが接続されている。
【0049】
A/Dコンバータ25は、上記した温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4などのアナログセンサにより検出されたアナログデータをデジタルデータに変換するものである。A/Dコンバータ25により実行されるアナログデータの変換は、一般的な手法によって行われるものであり、その説明は省略する。
【0050】
このA/Dコンバータ25の入力には、上記した温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4が接続されている。このA/Dコンバータ25には、各センサ2〜4を接続するポートが各センサ2〜4に対応して設けられており、各センサ2〜4はそれぞれ対応するポートに接続される。また、A/Dコンバータ25の出力は、入出力ポート24に接続されている。このA/Dコンバータ25の出力は、接続される各センサ2〜4に対応する信号線で構成されており、各信号線は、それぞれ入出力ポート24の予め定められたポートに接続される。これにより子機20において、入力された検出データの所属(検出データの検出元センサ)が、認識される。
【0051】
尚、このA/Dコンバータ25により、温度センサ2、照度センサ3、湿度センサ4により検出されたアナログデータは、アナログセンサ近傍において、デジタルデータに変換され、デジタルデータの態様で親機40送信される。このため、子機20は、信号の劣化の小さい、良質な信号を親機40に送信することができる。
【0052】
人体センサ28は、焦電素子を利用した熱型赤外線センサであり、監視領域内からの赤外線を検出するものである。これにより、赤外線を放出する人体を検出することができ、侵入者を検知することができる。この人体センサ28は、子機20に内蔵されている。
【0053】
設定スイッチ29は、子機20の識別番号を設定するためのものである。本実施例では、親機40には最大で20台の子機20が接続できるように構成されている。この設定スイッチ29は、かかる20台の子機20のそれぞれに識別番号が付加できるように、1〜20の番号を入力する20個のスイッチにより構成される。子機20においては、この設定スイッチ29の押下されたスイッチの位置によって、1〜20の番号が(電気的に)認識されるようなっている。各子機20においては、それぞれ異なる番号が付与されるように、別のスイッチが押下される。そして、この設定スイッチ29により付与された番号が、子機20の識別番号となる。親機40においては、後述するように、この設定スイッチ20により子機20に設定された識別番号と、親機40において管理される識別番号とを整合させて、子機20の各種設定(データ入力)が行われる。
【0054】
フォトカプラ30は、接続される装置から送信された電気信号を光信号に変換して入力する装置である。このフォトカプラ30には、上記したようにガス漏れセンサ5と煙センサ6とが接続されている。フォトカプラ30は、このガス漏れセンサ5と煙センサ6とから送信されたデジタル信号を、光信号に変換して(発光部において)発光させる。発光された光は、発光部と所定距離隔てて配設される受光部により受光され、再び電気信号に変換されて入出力ポート25に入力される。ここで、発光部と受光部とが非接触であるため、信号の伝送経路が一部非接触で形成されることとなる。これによれば、入力されるデジタル信号に大きなノイズが載っていても(落雷などによる大電圧の負荷)、これを遮断することができる。
【0055】
フォトモスリレー31は省電力のリレーであり、ブザー7が接続されている。ブザー7は、子機20に接続されるセンサ2〜6,28により検出された検出データが異常であった場合などに、親機40の命令によって動作し、ブザー音を出力する。ここで、ブザー7は、異常(警報)が解消されるまでブザー音を出力するため消費電力が大きい。このため、フォトモスリレーを使用して消費電力を抑制している。
【0056】
ACスイッチ32は、子機20に接続されるセンサ2〜6,28の検出データに基づいて、接続される各種装置のスイッチング動作を行うものである。このスイッチング動作は、親機40から送信されるコマンドに基づいて実行される。これにより、例えば、ACスイッチ32に照明器具を接続すれば、人体センサ28の検出データに基づいて、該照明器具を点灯させることができる。また、窓の開閉装置をACスイッチ32に接続すれば、その窓を湿度センサ4の検出データに基づいて開閉することができる。
【0057】
第1コネクタ26は、この子機20を親機40または、親機側に位置する子機20に接続するためのコネクタである。また、第2コネクタ27は、親機側と反対側に位置する子機20を接続するためのコネクタである。子機20は、かかる2のコネクタに26,27には有線回線35が接続され、この有線回線35を介して、他の子機20または、親機40と接続される。これにより、上記したように複数の子機20を1のデータ送信経路に連なるように接続することができる。
【0058】
親機40は、子機20から送信される検出データに基づいて、異常の有無を判定する装置であり、ワンチップマイコンとしてのMPU41と、フラッシュメモリ45と、EEPROM46と、入出力ポート47と、LCD48と、入力装置49と、LED51と、ブザー52と、第1コネクタ53と、第2コネクタ54と、インターフェース55と、携帯電話56とを備えている。
【0059】
MPU41は、演算機能と制御機能とを備えた演算処理装置であり、制御プログラムを記憶するROM42と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き替え可能に記憶するRAM43と、リアルタイムクロック(以下単に「RTC」と称す)44とを1チップに納めたものである。MPU41は、所定のタイミング(例えば略10秒)毎に、各子機20へ順番に検出データの送信を要求する検出データ要求コマンドを送信する。この送信した検出データ要求コマンドに応じて、その送信先の子機20から検出データが送信されるまで、MPU41は、他の子機20へのコマンド送信を待機する。これにより、複数の子機20により、1のデータ送信経路(1の有線回線35)を共有しても、信号が衝突することはない。
【0060】
ROM42は、親機40を制御する制御プログラムや、各種固定値などを記憶するものである。後述する管理処理(図3参照)や異常判定処理(S8)(図4参照)のプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM42に記憶されている。
【0061】
書換え可能なメモリであるRAM43は、受信バッファ43aと送信バッファ43bとを備えている。受信バッファ43aは、各子機20から送信された検出データを一時的に記憶しておくための緩衝用のメモリである。親機40には、各子機20から頻繁に信号やデータが送信されるが、MPU41の処理速度に比してデータ受信速度は遅い。このため、データ受信を行いつつ、そのデータ処理をMPU41に実行させると、データ受信の処理が影響し、MPU41の処理効率が低下する。しかし、受信したデータを、一旦、受信バッファ43aへ保存することにより、受信データの処理をMPU41に効率的に実行させることができる。
【0062】
送信バッファ43bは、携帯電話100やPC110に送信するメールデータ(検出データや警報)を一時的に記憶するためのメモリである。親機40からは、定期的、或いは異常発生時に、センサ2〜6,28で検出された検出データが(異常発生時には、異常を通報する情報が付加された検出データが)、携帯電話100或いはPC110に送信される。ここで、送信された検出データは、受信される携帯電話100或いはPC110において、視覚的に認識可能な文字情報でなくてはならない。また、電話回線を介して送受信できる所定のプロトコルに従って記述されていなくてはならない。このため、検出データを送信する際には、該検出データ(警報)は、メールデータの形式に変換された後、この送信バッファ43bに書き込まれる。この送信バッファ43bに書き込まれたデータは、第2コネクタ54を介して携帯電話56に入力される。
【0063】
RTC44は、年・月・日・曜日・時間・分・秒の時の計測を行うICである。MPU41は、このRTC44の計測値に基づいて現在の時刻を認識する。これにより、現在の時刻が、検出データの送信(定時送信)を行う時刻であるか否かを判断することができる。RTC44には、親機40の電源オフ後に、そのRTC44へバックアップ用の電圧を供給するバッテリー回路44aが接続されている。RTC44は、このバッテリー回路44aにより、親機40の電源のオフ後にも時の計測を継続することができる。
【0064】
フラッシュメモリ45は、書換え可能な不揮発性のメモリである。このフラッシュメモリ45は、親機40に初期状態で入力(インストール)されていないプログラムを、親機40に入力(インストール)するために設けられたプログラム記憶用のメモリである。このフラッシュメモリ45にプログラムが記憶されていると、そのプログラムは、ROM42に記憶されるプログラムに優先して使用される。これにより、親機40を制御するプログラムをバージョンアップすることなどができる。尚、このフラッシュメモリ45への書き込みは、インターフェース55を介して接続されるPCなどから実行される。
【0065】
EEPROM46は、書換え可能な不揮発性のメモリであり、親機40において設定される(入力装置49の操作により入力される)各種設定値は、このEEPROM46に不揮発に記憶され、電源オフ後も保持される。このEEPROM46は、親機40の設定値を記憶するメール送信フラグ46a、定時送信フラグ46b、セキュリティモードフラグ46c、電話番号メモリ46d、送信時刻メモリ46eと、子機20の設定値を記憶する第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20とを備えている。
【0066】
メール送信フラグ46a、定時送信フラグ46b、セキュリティモードフラグ46cなどのフラグは、所定の状態を判別するために設けられるものである。このフラグのオンとオフとにより異なる状態がMPU41に認識される。具体的には、メール送信フラグ46aは、e−mailアドレスを有するデータ受信装置(PC110)へのメール送信が設定されているか否かを示すものである。このメール送信フラグ46aがオンであると、e−mailアドレスが親機40に登録されているPC110へ、インターネットを介した検出データの送信(定時送信及び異常通報)が実行される。一方、メール送信フラグ46aがオンであると、PC110へ、かかる検出データの送信は実行されない。このメール送信フラグ46aのオンとオフとは、入力装置49を操作することにより実行される。
【0067】
定時送信フラグ46bは、検出データの定時送信の実行と非実行とを指定するためのフラグである。この定時送信フラグ46bがオンであると、検出データの定時送信が、登録された電話番号(e−mailアドレス)に対して実行される。この定時送信フラグ46bのオンとオフとは、メール送信フラグ46aと同様に、入力装置49を操作して実行される。
【0068】
セキュリティモードフラグ46cは、MPU41にハウスセキュリティシステム1の運転モードを報知するためのフラグである。親機40は、このフラグ46cがオンである場合にのみ、セキュリティを確保するべく後述の管理処理を実行する。このセキュリティモードフラグ46cは、入力装置49において所定の操作(例えば開始ボタンの押下など)によりオンされる。また、このセキュリティモードフラグ46cは、入力装置49において解除操作(例えば、解除ボタンの入力や暗証番号の入力により)が実行されるとオフされ、セキュリティモードが解除される。住居などの建造物のセキュリティは、主として留守中の防犯、防災を実施するためのものである。故に、居住者(所有者)が帰宅した場合には、不要となることが多い。このため、本実施例のハウスセキュリティシステム1では、帰宅した居住者がセキュリティモードを解除できるようになっている。
【0069】
電話番号メモリ46dは、親機40に登録される電話番号やメールアドレスを記憶するためのメモリである。この電話番号メモリ46dには、複数の電話番号(メールアドレス)が記憶されるようになっている。本実施例では、携帯電話100の電話番号及びPC110のメールアドレスが記憶されている。定時送信および緊急通報は、この電話番号メモリ46dに記憶される電話番号やメールアドレス宛に実行される。また、この電話番号メモリ46dに記憶される電話番号は、親機40に検出データの問い合わせをすることのできる問い合わせ番号となっている。かかる電話番号から親機40に備えられた携帯電話56の電話番号が発呼されると、MPU41により、その電話番号に検出データを送信する処理(応答データ送信処理S15)が実行される。尚、電話番号やメールアドレスの入力は、入力装置49を操作することにより実行される。
【0070】
送信時刻メモリ46eは定時送信を実行する時刻を記憶するメモリである。定時送信は、この送信時刻メモリ46eに記憶される時刻に基づいて実行される。尚、この送信時刻メモリ46eには、親機40の入力装置49の所定の操作により入力された時刻が書き込まれる。
【0071】
第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20は、各子機20のそれぞれに対応して設けられ、各子機20のデータ(設定値)を記憶するためのメモリである。このため、該子機メモリ46f1〜46f20は、親機40に接続し得る子機20の数だけ設けられている。この第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20には、入力装置49を操作することによりデータが書き込まれる。この第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に書き込まれるデータは、子機20の設置場所とその子機20に接続されるセンサの種類とである。
【0072】
第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20のそれぞれには、子機20に与えられる1の識別番号に対応する識別番号が予め記憶されている。第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に書き込まれたデータは、この予め記憶される識別番号と対応付けて各子機メモリ46f1〜46f20に記憶される。
【0073】
尚、入力されるデータが、いずれのメモリに書き込まれるかは、指定ボタン49aにより指定される。指定ボタン49aは、上記したように子機20(及び親機40)の識別番号(0〜20)に対応する番号(0〜20)を有している。指定ボタン49aが押下されると、その指定ボタン49aの番号と同じ識別番号を記憶する第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20へ、入力されたデータは書き込まれる。このため、指示ボタン49aの番号を識別番号に有する子機20のデータを、その指示ボタン49aを押下した後に入力することにより、子機20のデータが、その識別番号に対応付けて第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に記憶される。これにより、親機40は、各子機20をその識別番号で管理することができる。
【0074】
上記したMPU41、フラッシュメモリ45、EEPROM46はバスライン50を介して相互に接続されており、このバスライン50は、入出力ポート47にも接続されている。入出力ポート47には、バスライン50のほかにLCD48、入力装置49、LED51、ブザー52、第1コネクタ53、第2コネクタ54、インターフェース55が接続されている。
【0075】
第1コネクタ53は、親機40と子機20とを接続するためのコネクタである。この第1コネクタ53は、一端に子機20が接続された複数の有線回線35を接続可能に構成されている。第2コネクタ54は、親機40本体と親機40に備えられた携帯電話56とを接続するためのコネクタである。携帯電話56は、この第2コネクタ54を介して、親機40の本体に接続される。
【0076】
携帯電話56は、携帯電話100或いはPC110へとデータを送信するための装置であり、自動ダイヤル回路を備えている。MPU41は、定時送信或いは緊急通報を実行する際に、上記した電話番号メモリ46dに記憶される電話番号(メールアドレス)を読み出し、その電話番号と携帯電話100或いはPC110へ送信するメールデータとを携帯電話56に送信する。携帯電話56は、親機40から送信された電話番号とメールデータとを受信すると、受信した電話番号を自動ダイヤル回路により発呼するとともに、その回線が閉結されるとメールデータを送信する。これにより、親機40から、検出データが無線回線60を介して送信先の携帯電話100或いはPC110へと送信されるのである。
【0077】
また、携帯電話56は、呼出信号が着呼すると、着呼信号と呼出元の電話番号を応答要求コマンドとしてMPU41に送信する。これに基づいて、親機40では、登録された電話番号からの呼出であるか否かが判断される。そして、登録された電話番号からの呼出(正当な応答要求コマンドの受信)であった場合には、上記した応答データ送信処理(S15)が実行される。
【0078】
次に、図3〜図6のフローチャートを参照して、上記したハウスセキュリティシステム1で実行される各処理について説明する。図3は、親機40で実行される管理処理のフローチャートである。管理処理は、主として、子機20から送信される検出データに基づいて、異常の発生を判定する処理である。
【0079】
この管理処理では、まず、セキュリティモードフラグ46cがオンされているか否かを確認する(S1)。本実施例のハウスセキュリティシステム1は、留守宅のセキュリティを確保するためのものであるので、居住者(所有者)の操作により、セキュリティモードは任意に解除できるようになっている。S1の処理で確認した結果、セキュリティモードフラグ46cがオフであれば(S1:No)、この管理処理を終了する。一方、セキュリティモードフラグ46cがオンであれば(S1:Yes)、正当な応答要求コマンドを受信したか否かを確認する(S2)。その結果、正当な応答要求コマンドの受信であれば(S2:Yes)、S3の処理をスキップし、S4の処理に移行する。
【0080】
応答要求コマンドは、携帯電話56に呼出信号が着呼すると、携帯電話56から親機40へと送信されるコマンドである。携帯電話56からは、呼出信号が着信する度に応答要求コマンド(着呼信号と呼出元の電話番号)が親機40に送信されるが、親機40においては、電話番号メモリ46dに記憶(登録)されている電話番号にのみ検出データを送信するよう設定されている。このため、親機40では、携帯電話56からの応答要求コマンドを受信すると、受信した電話番号が登録されている電話番号か否かを判別し、登録された電話番号であった場合にのみ応答要求コマンドを正当な応答要求コマンドとしてこの管理処理を続行する。
【0081】
また、S2の処理で確認した結果、正当な応答要求コマンドの受信でなかった場合には(S2:No)、データ読取時間か否かを確認する(S3)。確認の結果、データ読取時間でなければ(S3:No)、この管理処理を終了する。一方、S3の処理で確認した結果、データ読取時間であれば(S3:Yes)、検出データ要求コマンドに子機20の識別番号を付加し、各子機20へ順番に送信する(S4)。つまり、親機40から子機20へのデータ要求は、所定時間毎に定期的に行われる一方で、携帯電話56を介して接続される携帯電話100などからのデータ送信要求に応じて実行される。
【0082】
S4の処理の後は、子機20から送信された検出データを受信したか否かを確認する(S5)。その結果、子機20から送信された検出データを受信していれば(S5:Yes)、受信した検出データを受信バッファ43aに書き込む(S6)。そして、全ての子機20から送信された検出データを受信したか否かを確認し(S7)、ここで、全ての子機20から送信された検出データを受信していれば(S7:Yes)、異常判定処理を実行する(S8)。
【0083】
異常判定処理(S8)の実行後は、温度センサ2、人体センサ28、ガス漏れセンサ5、煙センサ6に異常有りが判定されたか否かを確認する(S9)。その結果、異常がなければ(S9:No)、S2〜S9の一連の処理が応答要求コマンドに基づいて実行されたか否かを確認し(S10)、応答要求コマンドに基づいて実行された処理でなければ(S10:No)、送信時刻メモリ46eに記憶される定時送信時刻が到来したか否かを確認する(S11)。
【0084】
ここで、定時送信時刻が到来していなければ(S11:No)、この管理処理を終了する。一方、定時送信時刻が到来していれば(S11:Yes)、定時送信処理を実行する(S12)。この定時送信処理(S12)は、操作者により定時送信が指定されている場合(定時送信フラグ46bがオン)である場合に、読取った検出データや異常の有無などを登録された携帯電話100などに送信する処理である。この定時送信処理(S12)の実行後は、各処理(S13)を実行し、この管理処理を終了する。
【0085】
各処理(S13)は、子機20から送信された検出データに基づいて、その検出データの送信元子機20に所定の動作を行わせるためのコマンドを送信する処理である。具体的には、この各処理(S13)では、異常が検出されたセンサに接続される子機20に対し、ブザー7を呼動させるコマンドを送信する処理や、ACスイッチ32を動作させるコマンドを送信する処理などを実行する。
【0086】
また、S5の処理において確認した結果、子機20から送信された検出データを受信しなかった場合には(S5:No)、エラー判定処理を実行する(S14)。このエラー判定処理(S14)は、子機20の異常を検出する処理である。親機40から送信された検出データ要求コマンドに基づいて、子機20からは検出データが送信されるが、所定時間内に子機20からの検出データを受信できなかった場合、親機40は、子機20からの検出データが未受信であると判断し、このエラー判定処理(S14)を実行する。エラー判定処理(S14)では、検出データが未受信である子機20に対し、接続状態を確認するコマンドの送信や、検出データ要求コマンドを再度送信する処理を実行する。かかる処理の実行の後においても検出データが未受信であれば、該子機20に対してエラーを判定する。エラー判定処理(S14)においてエラーが判定されると、そのエラー判定された子機20からは、0の検出データが送信されたものとしてS5以降の処理を実行する。尚、このエラー判定処理において、データ受信のための待機時間は、他の処理に大きな支障を与えない時間、例えば略1秒〜2秒に設定されている。
【0087】
更に、S7の処理において確認した結果、全ての子機20から送信された検出データを受信していなければ(S7:No)、その処理をS5の処理に移行する。また、S9の処理で確認した結果、異常判定処理(S8)において、温度センサ2、人体センサ28、ガス漏れセンサ5、煙センサ6について異常有りを判定した場合には(S9:Yes)、携帯電話100などの予め登録された連絡先に警報を通報する緊急通報処理を実行し(S16)、この管理処理を終了する。加えて、S10の処理で確認した結果、S2〜S9の一連の処理が応答要求コマンドに基づいて実行したものであれば(S10:Yes)、検出データを要求元の携帯電話(携帯電話56など)に送信する応答データ送信処理を実行して(S15)、この管理処理を終了する。尚、この管理処理においては、データ読取時間は例えば略10秒毎などの短い時間をインターバルとして実行される。これにより、異常が発生した場合に、確実にその異常を検出することができる。
【0088】
尚、エラー判定処理(S14)により、子機20にエラーが判定された場合には、子機20に内蔵されている人体センサ28に異常有りが判定されるので、実際に検出データの異常が発生していなくとも、緊急通報処理(S16)が実行される。これにより、データの受信者(携帯電話100の所持者など)は、エラーの発生を知ることができる。
【0089】
図4は、図3の管理処理において実行される異常判定処理(S8)のフローチャートである。異常判定処理(S8)は、子機20から送信される検出データを予めROM42に記憶されている標準値と比較して、検出データの異常の有無を判定するための処理である。
【0090】
この異常判定処理(S8)では、まず、受信データ(子機20から送信された検出データ)のヘッダデータを読取り、該データの送信元子機の識別番号を第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20を参照して確認する(S21)。これにより、親機40において、いずれの子機20から送信された検出データを受信したかが把握される。次に、その(受信した検出データの)識別番号に対応付けて第1〜第20子機メモリ46f1〜46f20に記憶されるセンサの種類を確認する(S22)。その後、確認したセンサの種類に対応する標準値、即ち判定データをROM42から読み出し(S23)、読み出した判定データと、受信した検出データの内の対応するデータとをそれぞれ比較する(S24)。
【0091】
かかるS21〜S24の処理は、1の子機20毎(その検出データ毎)に実行される。そして、S21〜S24の処理の対象となる子機20が、検出データが未受信である子機20、即ち、管理処理においてエラーと判定された子機20であると、その子機20について、異常有りを判定する(S25)。その後、接続される全ての子機20についての判定が終了したか否かを確認し(S26)、その結果、全ての子機20についての判定が終了していれば(S26:Yes)、この異常判定処理を終了する。一方、S26の処理で確認した結果、全ての子機20についての判定が終了していなければ(S26:No)、その処理をS21の処理に移行し、全ての子機20についての判定が終了するまで、S21〜S26の処理を繰り返す。
【0092】
図5は、子機20において実行されるデータ変換処理のフローチャートである。データ変換処理は、子機20に接続されるアナログセンサ(センサ2〜4)により検出されるアナログの検出データをデジタルの検出データに変換する処理である。このデータ変換処理は、各子機20毎に実行される。各子機20は、上記したように1の監視エリアごとに設置されるので、その監視エリアに設置されるアナログセンサ2〜4により検出されたアナログデータをその近傍においてデジタルデータに変換することができる。
【0093】
このデータ変換処理では、まず、検出されたアナログデータを所定時間毎にサンプリングし(S31)、そのサンプリングしたアナログデータをデジタルデータに変換する(S32)。その後、変換したデジタルデータに検出元センサの情報(センサの種類)を付加する(S33)。子機20に接続されるセンサ2〜6,28は、そのセンサ2〜6,28の信号線が接続されるポートの位置によりMPU21に認識される。子機20においては、各ポートに対応して、予めROM22にセンサの情報(センサの種類)が記憶されている。よって、子機20に接続されたセンサ2〜6,28に、それぞれのセンサの情報を付加することができる。
【0094】
S33の処理の後は、センサの情報が付加された検出データをRAM23の所定のエリアに書込み、先に記憶されるデータを更新して(S34)、このデータ変換処理を終了する。
【0095】
図6は、子機20において実行される検出データ送信処理のフローチャートである。検出データ送信処理は、上記したデータ変換処理でRAM23の所定エリアに記憶された検出データを、親機40から送信される検出データ要求コマンドに基づいて、親機40に送信する処理である。
【0096】
この検出データ送信処理では、まず、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドを受信したか否かを確認し(S41)、確認の結果、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドの受信でなければ(S41:No)、この検出データ送信処理を終了する。一方、S41の処理で確認した結果、自己の識別番号の付加された検出データ要求コマンドの受信であれば(S41:Yes)、RAM23に記憶される検出データを送信メモリ23aに書込み(S42)、その後、送信メモリ23aに記憶される検出データに子機の識別番号(番号1〜20のいずれか)と送信先の親機40の識別番号とをヘッダデータとして付加する(S43)。そして、ヘッダデータの付加された検出データを親機40に送信し(S44)、この検出データ送信処理を終了する。
【0097】
尚、子機20は、親機40から送信されたデータ(コマンド)を、第1コネクタ26を介して受信するが、この受信したデータ(コマンド)に自己の識別番号が付加されていなければ、そのデータ(コマンド)を第2コネクタ27から出力して、受信したデータを通過させる(検出データ送信処理は実行されない)。また、この子機20に(親機40の反対側において)接続される他の子機20から親機40に送信されるデータは、第2コネクタ27により受信された後、第1コネクタ26から出力される。つまり、他の子機20から親機40へ送信されるデータについても通過させるのである。
【0098】
以上説明したように、上記実施例のハウスセキュリティシステム1によれば、アナログセンサ2〜4により検出されたアナログデータを、そのアナログセンサの近傍においてデジタルデータに変換し、変換されたデジタルデータを親機40に送信することができる。このため、親機40においては、データの劣化の小さなデジタルデータを用いて、異常の有無を判定することができる。また、子機20は、他の子機20を介して親機40に接続することができるので、親機40に備えられたコネクタ数に規制されることなく、親機40に子機20を接続することができる。また、子機20と親機40との接続は、有線回線35で行われるので、その接続を無線で行う場合に比べ、安価にハウスセキュリティシステム1を構築することができる。
【0099】
なお、上記各実施例において、請求項記載の識別番号付与手段としては、図3のフローチャートのS4の処理が該当する。請求項記載の中継装置識別番号付加手段としては、図6のフローチャートのS43の処理が該当する。請求項記載の認識手段としては、図4のフローチャートのS21の処理が該当する。請求項記載のセンサ情報付加手段としては、図5のフローチャートのS33の処理が該当する。請求項記載の異常判定手段としては、図4のフローチャートのS21〜S26の処理が該当する。請求項記載の処理実行手段としては、図3のフローチャートのS13,S15,S16の処理が該当する。請求項記載の無線通報手段としては、図3のフローチャートのS16の処理が該当する。
【0100】
以上、上記第1実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記第1実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0101】
例えば、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1においては、子機20により検出された全ての検出データは、同じ送信先に送信されるように構成したが、これに変えて、検出データの内容によって、異なる送信先へ送信するように構成してもよい。例えば、異常時に緊急の対応が必要となる温度センサ2、ガス漏れセンサ5、煙センサ6、人体センサ28などの検出データについては、警備会社(PC110)へ送信するように構成すれば、異常の発生により緊急の対応が必要な場合において、専門家(警備会社)による迅速な対応を実行することができる。また、通常の定時送信される検出データについては、その住居の居住者の携帯電話100へ送信し、異常があった場合には、警備会社(PC110)にそのデータを送信するように構成してもよい。
【0102】
更に、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1は、居住者が留守の場合のセキュリティを確保するものとして構成されたが、これに変えて、在宅モードを設け、居住者(所有者)が在宅の際においても(在宅時に適した)セキュリティモードが動作するように構成してもよい。かかる場合には、選択された監視領域(部屋)や、選択されたセンサのみを稼動する(例えば、人体センサ28からの検出データは破棄し、窓センサや振動センサを設けて侵入者を検知する)ように構成してもよい。これによれば、不要な警報(誤報や誤動作)を解消することができる。
【0103】
また、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1では、各種センサ2〜6,28から出力される検出データにより、異常を判定するように構成したが、画像を検出するビデオカメラを(センサと共に)設け、このビデオカメラによる映像により室内を監視するように構成してもよい。これによれば、ビデオカメラからの映像を観察することにより、センサの検出データの信憑性を知ることができる。
【0104】
加えて、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1において、停電時の動作については特に言及していないが、停電時にも各装置が所定時間以上動作するように、2次電池や太陽電池などによって停電時の電源を確保するように構成してもよい。また、停電の発生を監視する停電監視回路を設けてもよい。この停電監視回路により停電が感知された場合には、その旨(異常の発生)を携帯電話100やPC110に通報するように構成してもよい。
【0105】
また、上記第1実施例のハウスセキュリティシステム1において、親機40(携帯電話56)から、緊急通報がなされた場合に、その解除を居住者の所持する携帯電話56から、暗号を入力することなどにより解除してもよい。これにより同じ警報が何度も送信されることを回避することができる。
【0106】
更に、設定スイッチ29は、子機20の数に対応する数と同じ数のスイッチにより構成され、所定の位置のスイッチが押下されることにより子機20に識別番号が付与された。これに代えて、ダイヤル式のスイッチを用いて、そのダイヤル位置によって識別番号を付与しても良い。また、スライドスイッチを複数を設けて、スイッチ位置の組み合わせにより、識別番号を付与しても良い。また、子機20に書換え可能な不揮発性のメモリを設け、親機40からかかるメモリへ識別番号を書き込むことにより、各子機20に識別番号を付与しても良い。
【0107】
加えて、管理処理において、子機20にエラーが検出された場合には、その旨をメールデータにより携帯電話100などに通報するように構成しても良い。
【0108】
【発明の効果】
請求項1記載のハウスセキュリティシステムによれば、アナログセンサにより検出された建造物内外のセキュリティに関するアナログデータを、該アナログセンサ近傍に設置される中継装置により、デジタルデータに変換し、その変換されたデジタルデータを、有線回線を介して管理装置に送信する。つまり、アナログセンサにより検出されたアナログデータは、アナログデータの態様で僅かな距離を伝送されると、すぐにデジタルデータに変換され、デジタルデータの態様で管理装置まで送信される。よって、データ伝送中にノイズの影響などにより信号が劣化することを抑制することができ、また、信号が劣化しても容易に修復することができるという効果がある。このため、検出データの伝送距離を長くしても、正確な検出データを得ることができ、センサを管理装置から遠く離れた場所に設置しても、正確な検出データに基づく、高いセキュリティを確保することができるという効果がある。また、検出データは、無線回線に比べて安価な有線回線で管理装置に伝送されるので、システムにかかるコストを低減することができるという効果がある。
【0109】
また、中継装置には、管理装置側接続手段により、管理装置側に位置する1の中継装置が接続され、また、その管理装置側接続手段とは別に備えられた中継装置側接続手段により、1の中継装置が接続される。つまり、中継装置を介して他の中継装置を管理装置に接続することができる。よって、直接、管理装置に接続される中継装置の数を少なくすることができるという効果がある。ここで、直接、管理装置に接続される中継装置の数が少ないと、例えば、中継装置を管理装置に接続するために設けられるコネクタ数などを少なくすることができる。多数のコネクタが管理装置に設けられると(多数の中継装置を管理装置に接続すると)、管理装置の装置構成が大型化してしまうが、中継装置を介して他の中継装置を管理装置に接続することにより、かかる装置の大型化を回避し、管理装置をコンパクトに設計することができる。
【0110】
また、中継装置は、管理装置側接続手段を介して受信したデータに付与された識別番号が、他の中継装置の識別番号であると、中継装置側接続手段から該データを出力すると共に、中継装置側接続手段を介して受信したデータは、管理装置側接続手段から出力する。つまり、中継装置は、自己の中継装置へ送信されたデータ以外のデータについては、単に通過させるだけである。このため、中継装置を介して、他の中継装置と管理装置とがデータの通信を行っても、中継点となる中継装置において制御上の負担が増加することがないという効果がある。
【0111】
また、管理装置は、中継装置に対して順番にコマンドを送信するものであり、コマンドを受信した中継装置との間でのデータ通信が終了した後に、次の中継装置との間でデータ通信を実行する。よって、中継装置を介して他の中継装置と管理装置とのデータ通信を実行しても、即ち、1のデータの送信経路において、複数の中継装置と管理装置とのデータ通信を行っても、データの衝突を回避することができるという効果がある。
【0112】
また、中継装置から管理装置に送信されるデータには、中継装置識別番号付加手段により送信元の中継装置の識別番号を付加する。その識別番号が付加されたデータが管理装置により受信されると、その識別番号が付加されたデータの送信元の中継装置を認識手段により認識することができる。よって、いずれの中継装置から送信されたデータであるかを管理装置において把握することができ、そのデータに基づいて、各中継装置の管理を容易に行うことができるという効果がある。
【0113】
請求項記載のハウスセキュリティシステムは、請求項1記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加えて、中継装置は、検出データにその検出元のセンサの情報を付加するので、いずれのセンサにより検出された検出データであるかを的確に把握することができるという効果がある。
【0114】
請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、管理装置の異常判定手段により、中継装置に接続されるアナログセンサによって検出された検出データの異常を判定し、異常判定手段により異常が判定された場合には、処理実行手段により、異常内容に対応した処理を実行する。つまり、各中継装置においては、検出された検出データに基づく異常判定などの複雑な処理は実行されない。よって、中継装置には複雑で高度な制御回路を搭載する必要がなく、中継装置のコストを低く抑えることができるという効果がある。このため、高いセキュリティを確保するべく、建造物内外の随所に(多数の)中継装置を設置しても(検出データの検出ポイントを増やしても)、システム全体にかかるコストを低く抑えることができる。
【0115】
請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、異常判定手段により異常が判定されると、その旨を、無線回線を介して、管理装置と遠隔に設置される管理データ受信装置に通報する。よって、有線回線のように(侵入者などによって容易に)回線が切断されることがなく、異常が発生した場合には、確実にその旨を通報することができるという効果がある。このため、高いセキュリティを保障することができる。
【0116】
請求項記載のハウスセキュリティシステムによれば、請求項1からのいずれかに記載のハウスセキュリティシステムの奏する効果に加え、管理装置は、管理データ受信装置からの管理データの送信要求に応答して、管理データ受信装置に管理データを送信するので、管理データ受信装置の操作者は、所望のタイミングで、管理データを受信することができるという効果がある。つまり、管理データ受信装置の操作者は、必要時に直ちに管理データを入手することができ、セキュリティの状況を確認することができる。尚、管理装置は、前回、中継装置から送信されて管理装置に記憶されているデータを、管理データとして管理データ受信装置へ送信しても良く、また、管理データの送信要求の受信に基づいて、中継装置へデータの送信を要求するコマンドを送信し、そのコマンドに基づいて新たに中継装置から送信されたデータを管理データとして管理データ受信装置へ送信しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハウスセキュリティシステムを模式的に表した外観図である。
【図2】 ハウスセキュリティシステムの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 親機により実行される管理処理のフローチャートである。
【図4】 親機により実行される異常判定処理のフローチャートである。
【図5】 子機により実行されるデータ変換処理のフローチャートである。
【図6】 子機により実行される検出データ送信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ハウスセキュリティシステム
2 温度センサ(センサ、アナログセンサ)
3 照度センサ(センサ、アナログセンサ)
4 湿度センサ(センサ、アナログセンサ)
5 ガス漏れセンサ(センサ)
6 煙センサ(センサ)
10 外部装置(センサユニットの一部)
20 子機(中継装置、センサユニットの一部)
26 第1コネクタ(管理装置側接続手段)
27 第2コネクタ(中継装置側接続手段)
28 人体センサ(センサ)
40 親機(管理装置)
100 携帯電話、データ受信装置(管理データ受信装置)
110 パーソナルコンピュータ(PC)、データ受信装置(管理データ受信装置)

Claims (6)

  1. 建造物内外の所定の箇所に取り付けられセキュリティに関するデータを検出するセンサを備えたセンサユニットと、そのセンサユニットにより検出された検出データを管理する管理装置とを備えたハウスセキュリティシステムにおいて、
    前記センサユニットは、検出データをアナログデータで検出するアナログセンサと、そのアナログセンサにより検出されたアナログ検出データをデジタルデータに変換し、その変換されたデジタルデータを有線回線を介して前記管理装置に送信する中継装置とを備えており、
    その中継装置は前記アナログセンサの近傍に配置され
    前記中継装置は、各中継装置を個別に識別するための識別番号を有しており、前記管理装置またはその管理装置側に位置する1の中継装置を接続する管理装置側接続手段と、その管理装置側接続手段とは別に備えられ、1の中継装置を接続する中継装置側接続手段とを備え、
    前記管理装置は、前記中継装置に送信するデータにその送信先の中継装置の識別番号を付与する識別番号付与手段を備え、
    前記中継装置は、前記管理装置側接続手段を介して受信したデータに他の中継装置の識別番号が付与されていた場合には、そのデータを前記中継装置側接続手段から出力すると共に、前記中継装置側接続手段を介してデータを受信した場合には、その受信したデータを管理装置側接続手段から出力し、
    前記管理装置は、前記中継装置に対して順番にコマンドを送信するものであり、コマンドを受信した中継装置との間でのデータ通信が終了した後に、次の中継装置との間でデータ通信を実行するものであって、
    前記中継装置は、前記管理装置にデータを送信する場合に、そのデータに自己の識別番号を付加する中継装置識別番号付加手段を備え、
    前記管理装置は、その中継装置識別番号付加手段により付加された識別番号により、その識別番号が付加されたデータの送信元の中継装置を認識する認識手段を備え、
    前記管理装置は、所定時間内に中継装置からのデータを受信しなかった場合、前記中継装置のエラーを判定し、他の中継装置にコマンドを送信し、前記他の中継装置との間でデータ通信を行い、且つ、予め登録された連絡先に警報を通報する緊急通報処理を実行するものであることを特徴とするハウスセキュリティシステム。
  2. 前記中継装置は、検出データにその検出元のセンサの情報を付加するセンサ情報付加手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のハウスセキュリティシステム。
  3. 前記管理装置は、前記中継装置から送信されたデジタルデータに基づいて、その中継装置に接続されるアナログセンサにより検出された検出データの異常を判定する異常判定手段と、その異常判定手段により異常が判定された場合に、異常内容に対応した処理を実行する処理実行手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のハウスセキュリティシステム。
  4. 前記管理装置と遠隔に設置され、前記管理装置により管理される管理データを受信する管理データ受信装置を備えており、
    前記管理装置の処理実行手段は、前記異常判定手段により異常が判定された場合に、前記管理データ受信装置に無線回線を介してその旨を通報する無線通報手段を備えていることを特徴とする請求項記載のハウスセキュリティシステム。
  5. 前記管理装置と遠隔に設置されると共に、無線回線を介して前記管理装置と相互に接続され、前記管理装置により管理される管理データを前記無線回線を介して受信する管理データ受信装置を備えており、
    前記管理装置は、前記管理データ受信装置から送信される管理データの送信要求に応答して、前記管理データ受信装置に管理データを送信することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のハウスセキュリティシステム。
  6. 前記中継装置にはブザー音を出力するブザーが接続され、
    前記管理装置の識別番号付与手段は、前記中継装置に接続されたブザーを呼動させる呼動コマンドに、その送信先の中継装置の識別番号を付与するものであり、
    前記中継装置は、前記管理装置側接続手段を介して受信した呼動コマンドに他の中継装置の識別番号が付与されていた場合には、その呼動コマンドを前記中継装置側接続手段から出力するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のハウスセキュリティシステム。
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