JP3874210B2 - モノリシックマイクロ波集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロ波やミリ波などの高周波信号を取り扱う回路を集積したモノリシックマイクロ波ICに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モノリシックマイクロ波ICは超高周波帯の信号を扱う回路、例えば発振回路や増幅回路、逓倍回路などを半導体基板上に集積したICであり、略してMMIC(Monolithic Microwave Integrate Circuit)と呼ばれている。MMICには例えばトランジスタのような、高周波信号の増幅・生成等を行う能動素子が組み込まれており、これらトランジスタを動作させるためにバイアス電源を外部から印加する必要がある。
【0003】
バイアス電源を印加するためのいわゆるバイアス回路には、高周波回路から高周波信号が電源側に漏洩するのを防止する必要があり、例えば図11,12に示すような構造も採用されている。図11,12に示す構造は従来から広く用いられているマイクロストリップ線路を用いたMMICの例であり、スタブ60の先端からバイアスを加える構造をとる。スタブ60の先端とバイアス用パッド61との間には、コンデンサC、および抵抗62を接続し、高周波信号のバイパスと、漏洩した信号の減衰を行っている。コンデンサCは一方の電極63をスタブ60の先端に、もう一方の電極64を接地電極に接続する必要がある。ここで、マイクロストリップ線路は基板65の表面に伝送線路を、裏面に接地電極を配置する構造をとるため、電極64は基板65にビアホール66を開口して接地電極67と接続している。
【0004】
ここで、コンデンサCは、スタブ60の先端に直接接続する必要があり、回路内の寸法やレイアウトが回路の特性に影響する高周波回路では、回路パターンのレイアウトの制約がある。さらにこれらのコンデンサは、一方の電極をバイアスを供給する線路に接続し、もう一方の電極を接地する必要がある点も問題であり、コンデンサを配置しやすくするために例えば特開昭62−183206号公報に記載のように、ストリップ線路で形成したバイアス供給用線路の近傍に、接地電位の電極を沿って配置する技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
MMICは元来、小さいチップ上に高周波回路を集積することを目的としているが、基板表面上に接地電極を配置して、バイパスコンデンサを接続しやすくすると、接地電極が高周波回路内部の信号線と電磁界的に相互作用を及ぼさないよう、信号線と、接地電極とにある程度の距離をおく必要があり、チップが大きくなってしまい、MMICの本来の目的を満たさない。
【0006】
又、コンデンサCを接続すべきスタブの先端は高周波回路の内部に位置するため、容量を稼ぐためにコンデンサの電極面積を増すと他の高周波回路素子と干渉してしまう可能性もあり、あまり容量を増やせない。
【0007】
このため従来技術をMMICに応用すると、低周波信号のIC外への漏洩は避けられず、MMICの外部にさらに大容量のコンデンサを外付けし、バイパスする必要がある。この場合、コンデンサ実装の手間がかかるばかりでなく、バイアス用パッドと外部に接続するコンデンサとの接続線が、MMIC内部の高周波回路に悪影響を及ぼす可能性もあり、外付けコンデンサをMMICになるべく近づけて配置する必要がある。
【0008】
この発明はこの問題を解決するためになされたものであり、MMICを形成する場合に回路のレイアウトに及ぼす影響を最小限にして、ICチップ上の空間を有効活用して効率よく、なるべく大容量のバイパスコンデンサをMMIC内部に配置し、MMIC外部への信号の漏洩を防止することを目的とする。加えて、コンデンサ等をMMIC内部に配置する際、新たなマスクの追加等を行わずに、MMICの高周波回路を構成する素子のみで形成し、コストアップや製造工程が複雑になるのを防ぐことも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の記載のように、コプレナー線路形成基板を用い、スタブとバイアス用パッドとの間において、高周波回路で扱う周波数領域の信号の通過を阻止する第1のMIMコンデンサと、高周波回路で扱う周波数よりも低い周波数領域の信号の通過を阻止する第2のMIMコンデンサとを直列に接続する。
【0010】
つまり、伝送線路には、バイパスコンデンサの接続のしやすさを考慮し、マイクロストリップではなくコプレナー線路を用いる。コプレナー線路は信号線と接地電極とがいずれも基板の表面に配置されており、信号線の両側に平行して接地電極を設けることにより、高周波信号の伝達を行う伝送線路である。コプレナー線路では、接地電極も含めて全ての電極が基板表面にあり、基板にビアホールを設ける必要がなく、しかも信号線に沿って接地電極が配置される構造をとるため、バイパスコンデンサの接続に有利となる。又、信号線の幅(Ws)と、信号線と接地電極との間隔(Wg)で線路の特性インピーダンスが決まり、線路が形成されている基板の厚みは、周波数で決まる適切な厚み以上の厚さであればインピーダンスにはほとんど影響を与えない。
【0011】
さらに、スタブに接続される第1のMIMコンデンサにて高周波回路で用いる周波数領域の信号の通過が阻止されるとともに第2のMIMコンデンサにて高周波回路で扱う周波数よりも低い周波数領域の信号の通過が阻止される。このように2つのコンデンサをMMIC上に配置することにより、高周波回路の設計に応じて長さの決まったスタブの先端には、最小限の大きさの第1のMIMコンデンサを配置し、より大きく低周波側の信号を阻止できる第2のMIMコンデンサはMMIC上の余裕のある場所に配置することが可能となり、限られたMMICのチップを有効に活用することができる。よって、コンデンサのレイアウトに柔軟性を持たせることができる。
【0012】
その結果、MMICを形成する場合に回路のレイアウトに及ぼす影響を最小限にして、ICチップ上の空間を有効活用して効率よく、なるべく大容量のバイパスコンデンサをMMIC内部に配置し、MMIC外部への信号の漏洩を防止することが可能となる。
【0013】
ここで単純に2つのコンデンサを接続しただけでは、第1及び第2のMIMコンデンサを結ぶ伝送線路が、第1のMIMコンデンサで阻止できない周波数帯城の信号に影響を及ぼす可能性がある。
【0014】
そこで、請求項2に記載のように、第1のMIMコンデンサと第2のMIMコンデンサとを接続する部分の信号線の線幅Wsと信号線・接地電極間の間隔Wgを異ならせると、高周波回路内と異なったインピーダンスにすることができ、第1のMIMコンデンサの出口で線路の特性インピーダンスを不連続にして、信号の第2のMIMコンデンサ側の線路への漏洩が抑制される。特にWsを小さく、Wgを大きくすることにより、線路の特性インピーダンスは高くなるため、漏洩防止にはより効果的である。
【0015】
又、請求項3に記載のように、第1のMIMコンデンサと第2のMIMコンデンサとの間の接続線路の線幅を、信号線の線幅より狭くすると、インピーダンスが大きくなりスタブとインピーダンスの不整合が発生してスタブから高周波信号が漏洩にしにくくなる。
【0016】
又、絶縁膜を上下の電極で挟んだMIM構造を採用することによりコンデンサを追加する際のコストアップや工程の複雑化が避けられる。この場合、請求項4,5に示すように、MIMコンデンサの上部電極、コンデンサ間の接続線路、コンデンサ・パッド間の接続線路を、信号線と同一の金属層で構成し、下部電極は絶縁膜と半導体基板との間に形成した金属層を用い、下部電極を絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して接地電極と接続することにより、容易にバイパスコンデンサを形成することができる。
【0017】
しかも、絶縁膜は高周波回路内でトランジスタ等を保護する目的で形成するパッシベーション膜と兼用し、MIMコンデンサの下部電極はトランジスタ等のソース・ドレイン電極と兼用すれば、MIMコンデンサの上部電極は前述の通りコプレナー線路の信号線と共通の材質なので、特に新たにマスクを追加することなく、従来の工程のままでMMIC上にバイパスコンデンサを追加することができる。
【0018】
このようにして、コンデンサ等をMMIC内部に配置する際、新たなマスクの追加等を行わずに、MMICの高周波回路を構成する素子のみで形成し、コストアップや製造工程が複雑になるのを防ぐことが可能となる。
【0019】
又、バイアス電源への信号の漏洩がより問題となる場合には、請求項6に記載のように第1のMIMコンデンサと第2のMIMコンデンサの間、あるいは第2のMIMコンデンサとバイアス用パッドとの間の少なくとも一方に抵抗を挿入すればよい。
【0020】
ここで、挿入する抵抗は、請求項8に記載のように高周波回路内のトランジスタで用いる半導体層や、請求項7に記載のように例えばTi(チタン)などの比抵抗の比較的高い金属を用いることにより、特にマスクを増やすことなく形成可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に従って説明する。
本実施の形態においては、電圧制御発振器(VCO;Voltage ContorolledOscillator )に具体化している。本装置は、30GHz帯のミリ波信号を扱うMMICである。
【0022】
図1には電圧制御発振器(VCO)の回路構成を示す。VCOには電界効果トランジスタ1,2が備えられ、発振部の電界効果トランジスタ1の出力に対しバッファアンプ用の電界効果トランジスタ2を接続した構成をとっている。より詳しくは、電界効果トランジスタ1のゲート端子は伝送線路3が接続されている。電界効果トランジスタ1のソース端子は伝送線路4を介して接地されている。電界効果トランジスタ1のドレイン端子は伝送線路5およびコンデンサ6を介して電界効果トランジスタ2のゲート端子と接続されている。電界効果トランジスタ2のドレイン端子は伝送線路7と接続されている。
【0023】
本実施形態では、電界効果トランジスタ1,2として図2に示すHEMT(高移動度電界効果トランジスタ)を用いている。つまり、接地電位の金属製キャリア18の上にMMICを構成する厚さ400nmのInPからなる半導体基板20が実装され、半導体基板20上にi−In0.52Al0.48As層21、厚さ16nmのi−In0.80Ga0.20Asチャネル層22、厚さ4nmのi−In0.53Ga0.47As層23、厚さ5nmのi−In0.52Al0.48Asスペーサ層24、厚さ10nmのn−In0.52Al0.48As層25、厚さ10nmのi−In0.52Al0.48As層26、n−In0.53Ga0.47As層27が順に積層されている。この積層体19はHEMTの活性層に相当する。この積層体の上面にはi−In0.52Al0.48As層26に至るリセス(凹部)27aが形成され、このリセス27a内にはフィンガー型ゲート電極28が形成されている。最表面のn−In0.53Ga0.47As層27の上にはソース電極29とドレイン電極30とが形成されている。
【0024】
尚、MMICのトランジスタ部以外の領域は活性層19をエッチング等により除去し、半導体基板20を露出させて使用する。
図1において、電界効果トランジスタ1における伝送線路3には第1のMIMコンデンサC1の一方の電極が接続され、さらに、第2のMIMコンデンサC2の一方の電極が接続されている。第1および第2のMIMコンデンサC1,C2の他方の電極は接地されている。このMIMコンデンサC1,C2を介してゲートバイアス電圧Vg が供給される。この発振部の電界効果トランジスタ1のゲートバイアス電圧Vg により発振周波数が制御される。又、伝送線路5とコンデンサ6との間には伝送線路8を介して第1のMIMコンデンサC1の一方の電極が接続され、さらに、第2のMIMコンデンサC2の一方の電極が接続されている。第1および第2のMIMコンデンサC1,C2の他方の電極は接地されている。このMIMコンデンサC1,C2を介してドレインバイアス電圧Vd が供給される。
【0025】
同様に、バッファ用電界効果トランジスタ2のゲート端子には伝送線路9を介して第1のMIMコンデンサC1の一方の電極が接続され、さらに、第2のMIMコンデンサC2の一方の電極が接続されている。第1および第2のMIMコンデンサC1,C2の他方の電極は接地されている。このコンデンサC1,C2を介してゲートバイアス電圧Vbgが供給される。又、電界効果トランジスタ2における伝送線路7には伝送線路10を介して第1のMIMコンデンサC1の一方の電極が接続され、さらに、第2のMIMコンデンサC2の一方の電極が接続されている。第1および第2のMIMコンデンサC1,C2の他方の電極は接地されている。このコンデンサC1,C2を介してドレインバイアス電圧Vbdが供給される。
【0026】
図3は、MIMコンデンサC1,C2を含むバイアス供給回路を示す斜視図であり、MMIC内に設けたスタブの部分を拡大して表示している。又、図4には平面図を示す。図5には図4でのA−A断面図、図6には図4でのB−B断面図を示す。
【0027】
図3に示すように、金属製キャリア18の上に半導体基板20が装着され、半導体基板20の上面には絶縁膜31が形成されている。絶縁膜31は窒化シリコンよりなる。この絶縁膜31の上には、図4に示すように、信号線33が延設されるとともにその両側に接地電極32,34が平行に延設されている。この信号線33と接地電極32,34とでコプレナー線路を構成している。又、接地電極34は一部が遮断され、接地電極34aと接地電極34bとに区画されている。接地電極34bはボンディグワイヤ35により金属製キャリア18と電気的に接続され、MMICの接地電極34は接地電位のキャリア18と同電位になっている。
【0028】
図5に示すように、半導体基板20の上面(27)と絶縁膜31との間には金属層(下部電極)36が帯状に延設され、金属層36の一端部が絶縁膜31に形成されたコンタクトホール37を通して接地電極34aと接続されるとともに、金属層36の他端部が絶縁膜31に形成されたコンタクトホール38を通して接地電極34bと接続されている。
【0029】
同様に、図6に示すように、半導体基板20の上面(27)と絶縁膜31との間には金属層(下部電極)39が帯状に延設され、金属層39の一端部が絶縁膜31に形成されたコンタクトホール40を通して接地電極34aと接続されるとともに、金属層39の他端部が絶縁膜31に形成されたコンタクトホール41を通して接地電極34bと接続されている。
【0030】
図4に示すように、信号線33からは帯状の突起部42が分岐され、突起部42は金属層36の上方まで延びている。突起部42における分岐箇所から金属層36に達するまでの箇所がスタブ42aであり、金属層36の上方に位置する箇所がコンデンサ上部電極42bとなっている。スタブ42aは高周波回路の設計に応じた長さとなっている。上部電極42bと絶縁膜31と金属層36とから第1のMIMコンデンサC1が構成されている。又、上部電極42bの先端からは帯状の接続線路43が金属層39に向かって延びている。接続線路43の先端には長方形の上部電極44が形成され、上部電極44は金属層39の上方に位置している。この上部電極44と絶縁膜31と金属層39とから第2のMIMコンデンサC2が構成されている。
【0031】
上部電極44からは帯状の接続線路45を介して絶縁層31上に配置されたバイアス用パッド46と接続されている。バイアス用パッド46はボンディグワイヤ47により外部のバイアス電源と接続されている。
【0032】
一方、信号線33からスタブ42aを分岐している部分には、信号線33を流れる高周波信号の位相が、分岐部で乱れるのを防ぐために、エアブリッジ48,49,50が設けられ、分岐の出入り口を同位相にしている。つまり、図3に示すように、接地電極32と接地電極34aとを跨ぐエアブリッジ48、接地電極32と接地電極34bとを跨ぐエアブリッジ49、接地電極34aと接地電極34bとを跨ぐエアブリッジ50とを設けている。
【0033】
ここで、MIMコンデンサC1,C2の下部電極36,39には金の蒸着薄膜等が用いられ、信号線33、接地電極32,34、スタブ42a、上部電極42b,44、バイアス用パッド46、接続線路43,45には金のメッキ膜が用いられる。
【0034】
つまり、製造の際には、InP基板20上に、MMICの高周波回路で用いるトランジスタの活性層19となる半導体膜積層構造体21〜27を結晶成長にて形成し、トランジスタ部以外の不要な活性層19をエッチング等により除去した後、トランジスタ部を製造する各工程のうちで、図2のソース・ドレイン電極29,30上に中間配線電極(図2中、符号15で示す)を形成する工程で、MIMコンデンサの下部電極(金の蒸着薄膜等)36,39を形成する。又、窒化シリコンからなる絶縁膜31を100nm形成した後に、コンタクトホール37,38,40,41を開口し、その後に、金のメッキによりスタブ42a,上部電極42bおよび接地電極32,34を形成する。尚、この工程では信号線33や第2のMIMコンデンサC2の上部電極44、バイアス用パッド46、第1と第2のMIMコンデンサの接続線路43、第2のMIMコンデンサC2とバイアス用パッド46との接続線路45等もすべて同一のメッキ電極で形成する。
【0035】
電極および線路のサイズは以下の通りである。まず、信号線33の線幅Wsは50μm、信号線33と接地電極32,34との間隔Wgは43μmとしている。この場合のコプレナー線路の特性インピーダンスは50Ωである。スタブ42aの幅は信号線幅Wsと同一となっている。又、第1と第2のMIMコンデンサの接続線路43は線幅を10μmと細くしている。この結果、接続線路43の特性インピーダンスは約850Ωと高周波回路のインピーダンスに比べて高くなり、スタブ42aとインピーダンスの不整合が発生するために、スタブ42aから高周波信号が漏洩しにくくすることができる。第2のMIMコンデンサC2とバイアス用パッド46との間の接続線路45の線幅も10μmとなっている。
【0036】
第1のMIMコンデンサC1の上部電極42bと下部電極36とが重なる領域は、50μm×30μm、第2のMIMコンデンサC2の領域は100μm×300μmとした。この場合、第1のMIMコンデンサC1の容量は約1PF、第2のMIMコンデンサC2の容量は約20PFである。
【0037】
以上の構造を用いることにより、第1のMIMコンデンサC1で10GHz以上の信号を、第2のMIMコンデンサC2で500MHz〜1GHzの信号をそれぞれ接地電極にバイパスでき、バイアス電源側への漏洩を阻止することができる。
【0038】
尚、図4では第1のMIMコンデンサC1はスタブ42aの延長線上に配置しているが、高周波信号は、スタブ42a先端に配置した第1のMIMコンデンサC1でバイパスされ、しかも接続線路43とのインピーダンス不整合の効果により第2のMIMコンデンサC2側に漏洩しないために、第2のMIMコンデンサC2はMMIC内の自由な位置に配置することができる。回路によっては、例えば複数のスタブの間など、比較的スペースに余裕のある場所がMMIC内に存在する場合がある。この場合、第2のMIMコンデンサC2を余裕のあるスペースに配置し、チップ面積を効率よく利用するとともに、コンデンサの電極面積をより大きくして、容量を稼ぎ、信号の漏洩防止能力を高めることが可能である。
【0039】
このように低周波側の信号のバイアス電源への漏洩を防止する回路をMMIC内部に設けることが可能になる。このため、特に外部に回路を付加しなくとも、MMICの寄生発振等を防止することができる。又、漏洩防止回路で用いるバイバスコンデンサをMMIC内部に自由にレイアウトできるため、チップ面積を有効に活用し、大容量のコンデンサを配置することが可能となる。
【0040】
このように本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)コプレナー線路形成基板を用い、スタブ42aとバイアス用バッド46との間において、高周波回路で扱う周波数領域の信号の通過を阻止する第1のMIMコンデンサC1と、高周波回路で扱う周波数よりも低い周波数領域の信号の通過を阻止する第2のMIMコンデンサC2とを直列に接続した。よって、最小限の大きさの第1のMIMコンデンサC1を配置するとともに、より大きく低周波側の信号を阻止できる第2のMIMコンデンサC2をMMIC上の余裕のある場所に配置することが可能となり、MMICを形成する場合に回路のレイアウトに及ぼす影響を最小限にして、ICチップ上の空間を有効活用して効率よく、なるべく大容量のバイパスコンデンサをMMIC内部に配置し、MMIC外部への信号の漏洩を防止することが可能となる。
(ロ)第1のMIMコンデンサC1と第2のMIMコンデンサC2とを接続する部分における信号線33の線幅Wsと信号線・接地電極間の間隔Wgを異ならせて、高周波回路内と異なったインピーダンスにすることにより、第1のMIMコンデンサC1の出口で線路の特性インピーダンスを不連続にして、信号の第2のMIMコンデンサC2側の線路への漏洩を抑制することができる。
(ハ)第1のMIMコンデンサC1と第2のMIMコンデンサC2との間の接続線路43の線幅を、信号線33の線幅より狭くしたので、インピーダンスが大きくなりスタブ42aとインピーダンスの不整合が発生してスタブ42aから高周波信号が漏洩にしにくくなる。
(ニ)絶縁膜を上下の電極で挟んだMIM構造を採用してコンデンサを追加する際のコストアップや工程の複雑化を回避するにあたり、MIMコンデンサの上部電極42b,44、接続線路43,45を、コプレナー線路の信号線33と同一の金属層(Au)で構成し、下部電極36,39は絶縁膜31と半導体基板19との間に形成した金属層(Au)を用い、下部電極36,39の端部を絶縁膜に形成したコンタクトホール37,38,40,41を介して接地電極34と接続することにより、容易にバイパスコンデンサを形成することができる。
【0041】
この際、絶縁膜31は高周波回路内でトランジスタ等を保護する目的で形成するパッシベーション膜と兼用し、MIMコンデンサの下部電極36,39はトランジスタ等のソース・ドレイン電極と兼用すれば、MIMコンデンサの上部電極42a,44はコプレナー線路の信号線33と共通の材質なので、特に新たにマスクを追加することなく、従来の工程のままでMMIC上にバイパスコンデンサを追加することができる。
【0042】
このようにして、コンデンサ等をMMIC内部に配置する際、新たなマスクの追加等を行わずに、MMICの高周波回路を構成する素子のみで形成し、コストアップや製造工程が複雑になるのを防ぐことが可能となる。
【0043】
以下、その他の実施の形態を説明する。
MMICで扱う周波数が極めて高い場合、高周波性能に優れたトランジスタを用いることがある。このようなトランジスタは、数GHz帯で極めて高い利得を持つため、寄生発振が生じやすく、バイアス回路への不要な信号の漏洩をより厳密に阻止する必要がある。この場合、上述した実施形態に加えて、信号減衰用の抵抗をMMIC内に内蔵するとより効果的である。図7および図8にこのような目的で作製した実施形態を示す。
【0044】
図7は、第2のMIMコンデンサC2とバイアス用パッド46との間に抵抗51を直列に接続した例であり、第2のMIMコンデンサC2で阻止しきれなかったMHzオーダの信号を抵抗51で減衰させる構造をとっている。
【0045】
又、図8は第1及び第2のMIMコンデンサC1,C2の間に抵抗52を接続した例であり、第1のMIMコンデンサC1で阻止しきれなかった、高周波回路で用いる周波数よりもやや低い領域の信号を抵抗52で減衰させる構造である。特に図8は、高周波回路で用いる周波数が比較的低い場合や、第1のMIMコンデンサC1の電極面積をあまり大きくできない場合に有効である。
【0046】
尚、図7,8では、スタブ42aの横にスペースの余裕がある場合を想定し、第2のMIMコンデンサC2をスタブ42aの延長線上ではなく、スタブ42aの横に配置している例を示している。
【0047】
このように、第1のMIMコンデンサC1と第2のMIMコンデンサC2の間、あるいは第2のMIMコンデンサC2とバイアス用パッド46との間に抵抗を挿入することにより、バイアス電源への信号の漏洩が回避できる。尚、コンデンサ間とコンデンサ・パッド間の両方に抵抗を挿入してもよい。
【0048】
抵抗51,52の構造・製造法について図9および図10を用いて説明する。図9は抵抗体に金属を用いた例である。
半導体基板20上にTi(チタン)の薄膜よりなる金属層56を100nm形成し、抵抗体として用いる。この抵抗体は絶縁膜31に開口したコンタクトホール53a,53bを介して線路54,55に直列に接続されている。
【0049】
図10は抵抗体に半導体を用いた例である。基本的な構造は図9と同じであるが、抵抗体に高周波回路内のトランジスタ等を構成するための半導体活性層(図2の21〜27に相当)19を用いている。この抵抗体はMMICの製造工程の中で、高周波回路内のトランジスタ部の素子分離を行うメサエッチング工程で、抵抗の部分にも活性層を残すことで実現できる。
【0050】
図9および図10に示した例では、いずれの場合も抵抗体の幅と長さとの比を変えることにより抵抗値を調節することができるが、図9は抵抗体に金属を用いているため、ドレインバイアス供給回路のような比較的抵抗の少ない用途に、図10は抵抗体に半導体を用いているため、ゲートバイアス供給回路のような比較的抵抗の高い用途にそれぞれ適している。
【0051】
このように、挿入する抵抗は、高周波回路内のトランジスタで用いる半導体層や、例えばTiなどの比抵抗の比較的高い金属を用いることにより、特にマスクを増やすことなく形成可能となる。即ち、バイパスコンデンサや、図9,10で示した抵抗は、MMICの高周波回路部分で用いている電極や絶縁膜をそのまま利用しているため、マスクの追加や製造工程の追加を行うことなく適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電圧制御発振器(VCO)の回路構成図。
【図2】 HEMT(高移動度電界効果トランジスタ)の断面図。
【図3】 MMIC内に設けたスタブの部分の斜視図。
【図4】 同じく平面図。
【図5】 図4でのA−A断面図。
【図6】 図4でのB−B断面図。
【図7】 MMIC内に設けたスタブの部分の平面図。
【図8】 MMIC内に設けたスタブの部分の平面図。
【図9】 抵抗を説明するための平面及び断面図。
【図10】 抵抗を説明するための平面及び断面図。
【図11】 従来のMMIC内に設けたスタブの部分の平面図。
【図12】 図11のF−F断面図。
【符号の説明】
19…活性層、20…半導体基板、31…絶縁膜、32…接地電極、33…信号線、34…接地電極、36…下部電極としての金属層、37…コンタクトホール、38…コンタクトホール、39…下部電極としての金属層、40…コンタクトホール、41…コンタクトホール、42a…スタブ、42b…上部電極、43…接続線路、45…接続線路、46…バイアス用パッド、51…抵抗、52…抵抗、56…金属層、57…半導体層。

Claims (8)

  1. 半導体基板上に一部金属層を介して形成された絶縁膜の上に信号線が延設されるとともに、該信号線と同一平面状に接地電極が延設されたコプレナー線路形成基板と、
    前記絶縁膜上において前記信号線から分岐したスタブと、
    前記絶縁膜上に配置され、集積回路で用いる素子にバイアス電圧を印加するためのバイアス用パッドと、
    前記絶縁膜上に配置される第1の上部電極と同絶縁膜を介して対向する前記金属層を第1の下部電極として、前記絶縁膜をこれら上下の電極で挟んだMIM構造をなし、前記コプレナー線路形成基板上において前記第1の上部電極が前記スタブと接続されるとともに前記第1の下部電極が前記接地電極と接続され、高周波回路で扱う周波数領域の信号の通過を阻止する第1のMIMコンデンサと、
    前記絶縁膜上に配置される第2の上部電極と同絶縁膜を介して対向する前記金属層を第2の下部電極として、前記絶縁膜をこれら上下の電極で挟んだMIM構造をなし、前記コプレナー線路基板上において前記第2の上部電極が前記第1の上部電極と前記バイアス用パッドとの間にて接続されるとともに前記第2の下部電極が前記接地電極と接続され、高周波回路で扱う周波数よりも低い周波数領域の信号の通過を阻止する第2のMIMコンデンサと
    を備えたことを特徴とするモノリシックマイクロ波集積回路。
  2. 前記信号線の線幅と、信号線・接地電極間の間隔とを異ならせた請求項1に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  3. 前記第1のMIMコンデンサと第2のMIMコンデンサとの間の接続線路の線幅を、前記信号線の線幅より狭くした請求項1に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  4. 前記第1および第2のMIMコンデンサの上部電極、第1と第2のMIMコンデンサ間の接続線路、第2のMIMコンデンサとバイアス用パッド間の接続線路を、それぞれ前記信号線と同一の金属層で構成した請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  5. 前記第1および第2のMIMコンデンサの下部電極は、前記絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して前記接地電極と接続した請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  6. 前記第1のMIMコンデンサと第2のMIMコンデンサの間、および第2のMIMコンデンサとバイアス用パッドの間の少なくとも一方に抵抗を挿入した請求項1〜5のいずれか一項に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  7. 前記抵抗は金属層からなる請求項6に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
  8. 前記抵抗は半導体層からなる請求項6に記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
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