JP3873877B2 - 内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置 - Google Patents

内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からある吸入空気量センサの故障を検出するものとして、例えば特開昭55−164312号公報に開示されるものがある。これは吸入空気量を検出するセンサの出力の基準値を外れた回数が所定回数を越えたときセンサの異常状態と判断するものである。
【0003】
また特開平3−23346号公報に開示されるものは運転状態に応じた吸入空気量の学習された初期値とその後の変化量とからセンサの特性劣化に応じた吸入空気量を算出し、学習値を更新していくものである。そして特開昭59−60067号公報に開示されるものはセンサからの信号が所定範囲を越えた値をとったときにセンサを異常状態と判断するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−164312号公報(第4頁左下欄第10行乃至第5頁左上欄第18行、第7図等)
【特許文献2】
特開平03−023346号公報(第3頁左上欄第20行乃至右上欄第11行、第3図等)
【特許文献3】
特開昭59−060067号公報(第3頁左下欄第16行乃至同頁右下欄第5行等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術はいずれもセンサの出力信号の時間経過に伴った変化を考慮したものではないため、センサ出力の時間変化がある内燃機関の加減速時、すなわちセンサの動特性(応答性)の劣化、故障を検出していない。実際の吸入空気量を検出するセンサは吸入空気量を変えるように吸入空気量を制御する制御弁の開度が変化したあとその吸入空気量の変化を伝える信号が出力されるまでに時間がかかる。この時間が応答性と関係するものであり、この応答性を考慮に入れて設計がなされる。
【0006】
しかし劣化等の原因でセンサのこの応答性が低下した場合、例えば内燃機関を搭載した車両の加速時において実際の吸入空気量が増加したのにもかかわらず、この時点でセンサは実際の吸入空気量よりも少ない値を出力するので、吸入空気量は少ないと判断される。よって空燃比はリーン側に偏りドライバビリティが悪化するという問題がある。
【0007】
また減速時においては実際の吸入空気量は減少しているのにもかかわらず、この時点で逆にセンサは実際の吸入空気量よりも大きい値を出力するので、吸入空気量は多いと判断される。よって空燃比はリッチ側に偏り燃費と排ガス量とが悪化するという問題がある。このため本発明はセンサの応答性に対する劣化と故障とを簡易な方法で検出することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために、内燃機関の吸入空気量を検出し、検出された吸入空気量に対応した信号を出力する吸入空気量センサと、所定の負荷に応じて所定量だけ吸入空気量を可変制御する吸入空気量制御手段と、前記吸入空気量センサの出力値を検出し、前記吸入空気量制御手段が駆動している過程のある2点の出力値とその2点の出力値の間の時間とを用いて、前記吸入空気量センサの故障と判断するセンサ故障判断手段と、前記吸入空気量制御手段により、所定量だけ吸入空気量を可変制御する際に、所定の駆動量だけ駆動される時間を検出し、この検出された時間が第2の所定時間よりも大きい場合は吸入空気量制御手段が故障していると判断する吸入空気量制御手段故障判断手段とを備え、該吸入空気量制御手段故障判断手段が前記吸入空気量制御手段の故障を判断したとき前記センサ故障判断手段による故障判断を中止することを特徴とする内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置を提供するものである。
【0010】
また前記センサ故障判断手段が故障判断する際の前記吸入空気量制御手段の駆動と前記吸入空気量制御手段故障判断手段が故障判断する際の前記吸入空気量制御手段の駆動とを同時に行ってもよい。また前記センサ故障判断手段および前記吸入空気量制御手段故障判断手段による故障判断は、内燃機関がアイドリング状態で、回転数が目標回転数と等しく、暖機状態であるときに行われてもよい。
【0011】
また前記吸入空気量制御手段は内燃機関のアイドリング時の回転数を制御するものでもよい。
【0012】
【作用】
前記構成よりなる本発明は、吸入空気量センサにより内燃機関の吸入空気量を検出し、検出された吸入空気量に対応した信号を出力する。また、吸入空気量制御手段により内燃機関に所定の負荷が加わったとき、所定の負荷に応じて所定の駆動量だけ駆動して吸入空気量を可変制御する。そして、センサ故障判断手段は吸入空気量センサの出力値を検出し、吸入空気量制御手段が駆動している過程のある2点の出力値と、その2点の出力の間の時間を用いて吸入空気量センサの故障を判断する。さらに、前記吸入空気量制御手段により、所定量だけ吸入空気量を可変制御する際に、所定の駆動量だけ駆動される時間を検出し、この検出された時間が第2の所定時間よりも大きい場合は吸入空気量制御手段が故障していると吸入空気量制御手段故障判断手段により判断され、吸入空気量制御手段故障判断手段が吸入空気量制御手段の故障を判断したときセンサ故障判断手段による故障判断を中止する。
【0013】
これにより時間変化に対する吸入空気量センサの劣化と故障とが検出される。
【0014】
【実施の形態】
以下、本発明を適用した吸入空気量センサの故障検出装置を実施の形態の第1の実施例として図面を用いて説明する。
【0015】
図1は本発明に係る内燃機関周辺の構成図を示した図である。この内燃機関4には吸入空気の通路として、図示されないアクセルペダルと連動して開閉されるスロットルバルブ16を途中に備える主吸気通路15が具備されている。この主吸気通路15にはスロットルバルブ16の開度を検出するスロットル開度センサ12が備えつけられている。また内燃機関4は吸入空気の通路として、アイドル時の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段をなすバイパス弁3を途中に備えるバイパス吸気通路11をも備えている。このバイパス吸気通路11はスロットルバルブ16をバイパスするように備えられている。
【0016】
これら主吸気通路15およびバイパス吸気通路11の吸気の上流側には吸入空気量を検出する吸入空気量センサをなすエアフロセンサ1が備えつけられている。本実施例はこのエアフロセンサ1の故障を検出するものである。このエアフロセンサ1により、検出された吸入空気量に基づく信号が電子制御ユニット(ECU)7に入力されて燃料噴射量が算出され、算出された値に基づく量の燃料が燃料噴射弁6から噴射される。
【0017】
またスロットルバルブ16の開度を検出するスロットル開度センサ12、内燃機関4の回転数を検出する回転数センサ13、内燃機関4の冷却水の温度を検出する冷却水温センサ14等の内燃機関4の運転状態を表した各種信号がECU7に入力され、内燃機関4がエアフロセンサ1の故障を検出するのに相応しい所定運転状態が検出される。
【0018】
ここで所定運転状態とは故障検出に際し内燃機関4の通常の運転に支障が与えられず、しかも内燃機関4の運転が安定している状態である。本実施例では、(1)内燃機関4が完全に暖機された後であること、(2)スロットルバルブ16が全閉状態にあること、(3)変速のギヤがONとOFFとの間の過渡状態にないこと(ONもしくはOFF状態)、(4)エアコン等の補機類がONとOFFとの間の過渡状態にないこと(ONもしくはOFF状態)、以上をその条件としている。すなわち内燃機関4がアイドル状態で、その回転数が目標回転数で安定している状態を選んでいる。
【0019】
またバイパス弁3の故障を検出するためにバイパス弁3の開度信号がECU7に入力され、バイパス弁3の故障が検出される。もしバイパス弁3が故障の状態と判断されたとき、正確な応答性の判断が困難であるのでエアフロセンサ1の故障判断は中止される。エアフロセンサ1の応答性に関する故障の判断はバイパス弁3が正常時に所定運転状態が検出されたのち行われる。まずエアフロセンサ1の出力とバイパス弁3の開度とに基づいて応答性が演算され、演算結果によりエアフロセンサ1の劣化、故障が判断される。
【0020】
図2、図3は本発明の第1実施例にかかるエアフロセンサ1の故障判断処理を示したフローチャートである。この処理は図示されないイグニッション(IG)スイッチがONのときなどに、先述で述べた内燃機関4が所定運転状態にある場合において、特定の補機類がONされるときなどバイパス弁3が特定の開度だけ開かれるタイミングで故障検出が行われる。例えば本実施例はエアコンのスイッチが入れられたときに故障検出が行われるように設定されているとする。つまり本実施例では所定開度Δθはエアコンの負荷に応じた値で設定されているとする。
【0021】
この処理はまず所定運転状態にあるか否かが判断される。所定運転状態にあるときエアコンのスイッチがOFFからONになったならば最初にバイパス弁3の故障が検出される。バイパス弁3が故障していないと判断された場合、再び所定運転状態にあるか否かが判断され、所定運転状態にあるときエアコンのスイッチがOFFからONになったならば次にエアフロセンサ1の故障が検出される。ここでバイパス弁3が故障していると判断された場合エアフロセンサ1の故障検出は行わない。これはエアフロセンサ1の故障検出はバイパス弁3を用いるためであり、バイパス弁3が故障している場合エアフロセンサ1の故障検出が正確にできないからである。
【0022】
バイパス弁3の故障判断としてエアコンのスイッチがONされたとき、バイパス弁3がエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれ、所定開度Δθだけ開かれる時間ΔtVが計測される。この所定開度Δθだけ開かれる時間ΔtVが所定時間(第2の所定時間)を越えなかったときはバイパス弁3が正常であると判断される。
【0023】
そしてエアフロセンサ1の故障判断としてエアコンのスイッチがONされたとき、エアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれてエアフロセンサ出力qが所定値qaに到達する時間Δtが計測される。このエアフロセンサ出力qが所定値qaに到達する時間Δtが所定時間tth(第1の所定時間)より大きいと判断された場合、エアフロセンサ1が故障していると判断される。
【0024】
次にこのフローチャートの各ステップについて説明する。まずステップ101からステップ103にてバイパス弁3の故障を検出するために内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。ステップ101にてスロットルバルブ16の開度が全閉状態であるか、ステップ102にて内燃機関4の回転数がアイドル時の目標回転数であるか、ステップ103にて冷却水温が暖機時に相当する水温であるかが判断される。つまりステップ101からステップ103にて内燃機関4が故障検出にふさわしい状態である所定運転状態かが判断される。ここで所定運転状態とは先述で述べた通常の運転に支障を与えず、しかも内燃機関4の回転数が安定した状態とする。このときのエアフロセンサ出力qはq0とする。
【0025】
ステップ101からステップ103にて所定運転状態にないと判断された場合、つまりステップ101からステップ103の条件に1つでもあてはまらないと判断された場合、所定運転状態になるまでこのステップ101からステップ103の処理が繰り返される。次のステップ104からステップ109にてバイパス弁3の故障が検出される。
【0026】
ステップ101からステップ103で所定運転状態と判断された場合、ステップ104にてエアコンのスイッチがOFFからONに変わったか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、所定運転の状態でエアコンのスイッチが入れられるまでステップ101に戻る。ステップ104でエアコンのスイッチが入れられたと判断された場合、ステップ105にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。そしてステップ106にてバイパス弁3がΔθだけ開かれるまでに要する時間ΔtVが計測される。本実施例ではこの時間ΔtVの計測はエアコンのスイッチが入れられたときからバイパス弁3が所定開度Δθ開かれたことを示す開度信号が検出されるまでにカウントされるタイマのカウント値に基づくものである。
【0027】
ステップ107にてこのΔθだけ開かれるまでに要する時間ΔtVが所定時間(本実施例では10ms)を越えているか否かが判断される。所定時間より大きいと判断された場合はバイパス弁3の開きが所定時間より遅いので、ステップ109にてバイパス弁3が故障していると判断される。エアフロセンサ1の故障検出はバイパス弁3を用いて行うのでバイパス弁3が故障していると判断された場合、エアフロセンサ1の故障検出は行われない。
【0028】
ステップ109にてバイパス弁3が故障していると判断された場合、運転者にバイパス弁3の故障を知らせるなどバイパス弁3の故障時になされる所定の手続きが行われる。そしてバイパス弁3が一時的な故障状態(バイパス弁3に氷が付着し、回動性が悪くなる、など)が考えられるのでステップ101にもどり、再びバイパス弁3の故障検出が行われる。
【0029】
ステップ107にてΔθだけ開かれるまでに要する時間ΔtVが所定時間より小さいと判断された場合、ステップ108にてバイパス弁3が正常であると判断され、エアフロセンサ1の故障検出がなされるようにステップ110に進む(以上、吸入空気量制御手段故障判断手段)。ステップ110からステップ112にて今度はエアフロセンサ1の故障を検出するために、ステップ101からステップ103と同様に内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。
【0030】
ステップ110にてスロットルバルブ16の開度が全閉状態であるか、ステップ111にて内燃機関4の回転数がアイドル時の目標回転数であるか、ステップ112にて冷却水温が暖機時に相当する水温であるかが判断される。つまりステップ110からステップ112にて内燃機関4が故障検出にふさわしい状態である所定運転状態かが判断される。このときのエアフロセンサ出力qもq0でなる。
【0031】
ステップ110からステップ112にて所定運転状態にないと判断された場合、つまりステップ110からステップ112の条件に1つでもあてはまらないと判断された場合、所定運転状態になるまでこのステップ110からステップ112の処理が繰り返される。以下、ステップ113からステップ117にてエアフロセンサ1の故障検出が行われる。ステップ110からステップ112で所定運転状態と判断された場合、ステップ113にてエアコンのスイッチがOFFからONされたか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、ふたたび所定運転の状態でエアコンのスイッチが入れられるまでステップ110に戻る。ステップ113でエアコンのスイッチが入れられたと判断された場合、ステップ114にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。
【0032】
そしてステップ115にてエアフロセンサ1の故障判断として、バイパス弁3が開かれ始めてから、エアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δtが計測される。この時間Δtはバイパス弁3が開かれはじめてからエアフロセンサ出力qが所定値qaに達した時点までにカウントされるタイマのカウント数に基づくものである。
【0033】
ここで所定値qaも外部負荷(本実施例ではエアコン)に応じた値である。例えばバイパス弁3が正常であるとき所定開度Δθだけ開かれた際に最終的にエアフロセンサ1の出力がq’に収束する場合、所定値qaはq’以下の値であればよい。本実施例ではqa=q’として考えている。そしてステップ116にて、ステップ115で計測されたエアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δtが所定時間tthより大きいか否かが判断される。
【0034】
所定時間tthはエアフロセンサ1の正常時にエアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δt程度の時間である。所定時間tthより大きいと判断された場合はエアフロセンサ1の応答性が悪いのでステップ117にてエアフロセンサ1が故障であると判断される。よって運転者にエアフロセンサ1の故障を知らせるなどエアフロセンサ1の故障時に実施される所定の手続きが実施される。
【0035】
ステップ116で計測された時間Δtが所定時間tthより小さいと判断された場合、エアフロセンサ1は正常とされ、再びエアフロセンサ1の故障を検出するためにステップ101にもどる(以上、センサ故障判断手段)。本実施例ではエアコンがONされたときバイパス弁3が一度エアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれ、バイパス弁3の故障検出が行われたあと、再度エアコンがONされバイパス弁3が所定開度Δθだけ開かれたときにエアフロセンサ1の故障検出を行う構成になっている。このエアコンが作動したときに故障検出が行われる場合のバイパス弁3の開度の挙動とエアフロセンサ出力の挙動とを図4に示す。
【0036】
内燃機関4は所定運転状態にあるとする。このときエアフロセンサ1の出力がq0(本実施例では8m3/h)とする。まずエアコンのスイッチがONされたとき(時刻T1)バイパス弁3の開度制御が実行され、バイパス弁3がエアコンの負荷に応じた所定開度Δθ(本実施例では0.7m3/h増量相当分)だけ開かれた(時刻T2)とする(ステップ105)。このとき所定開度Δθ開かれる時間ΔtV(=T2−T1)が計測される(ステップ106)。
【0037】
計測された所定開度Δθ開かれる時間ΔtVと所定時間(本実施例では10ms)との比較に基づいてバイパス弁3の故障検出が行われる(ステップ107)。そしてここではバイパス弁3が故障していないと判断された(ステップ108)とする。その後エアコンのスイッチがOFFされ(時刻T3)、エアフロセンサ出力qがそれに遅れて内燃機関4が所定運転状態にあるときのエアフロセンサ出力q0になる(時刻T4)。バイパス弁3が正常であることが検出できたので、次回の所定運転状態にエアコンのスイッチがONされるまでエアフロセンサ1の故障検出は行われない。
【0038】
そして次に所定運転状態になり、エアコンスイッチがONされたとき(時刻T5)、再びバイパス弁3がエアコンに応じた所定開度Δθだけ開かれ(ステップ114)、それに遅れてエアフロセンサ出力qがq0からqa(本実施例では8.7m3/h増量相当分)になる(時刻T6)。そしてこのバイパス弁3が開かれてからエアフロセンサ出力qがqaになるまでの時間Δt(=T6−T5)が計測される(ステップ115)。計測されたエアフロセンサ出力qがqaになるまでの時間Δtが所定時間tth(本実施例では50ms)より大きいか否かが判断され(ステップ116)、大きい場合エアフロセンサの故障と判断される(ステップ117)。
【0039】
しかし1回目(ステップ105)および2回目(ステップ113)のバイパス弁3が開かれる時は同じ補機類である必要がなく、それぞれ別の補機類の作動によるバイパス弁3の開度変化によりバイパス弁3とエアフロセンサ1の故障検出が実施されてもよい。例えば一回目のバイパス弁3が開かれるとき作動した補機類をエアコン、2回目のバイパス弁3が開かれたとき作動した補機類を電動ファン(FAN)とする。このときのバイパス弁3の開度の挙動とエアフロセンサ出力の挙動とを図5に示す。
【0040】
1回目のバイパス弁3の開度制御が実行され(時刻T7)、バイパス弁3がエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれたとする(ステップ104、時刻T8)。このとき所定開度Δθだけ開かれる時間ΔtV(=T8−T7)が計測される(ステップ105)。計測された所定開度Δθだけ開かれる時間ΔtVと所定時間との比較に基づいてバイパス弁3の故障検出が行われる(ステップ106)。そしてここではバイパス弁3が故障していないと判断された(ステップ107)とする。
【0041】
エアコンがOFFされたとすると、バイパス弁3が所定開度Δθだけ閉じられ(時刻T9)、エアフロセンサ出力qがそれに遅れて内燃機関4が所定運転状態にあるときのエアフロセンサ出力q0になる(時刻T10)。その後電動FANがONされたとすると、バイパス弁3は故障していないと判断されているのでエアフロセンサ1の故障を検出するために2回目にバイパス弁3が電動FANに応じた所定開度だけΔθ1(≠Δθ)(本実施例では0.8m3/h増量相当分)開かれ(ステップ109、時刻T11)、それに遅れてエアフロセンサ出力qがq0からq’aとなる(時刻T12)。
【0042】
そしてこのバイパス弁3が開かれてからエアフロセンサ出力qがq’1になるまでの時間Δt’1(=T11−T12)が計測される(ステップ110)。計測されたエアフロセンサ出力qがq’aとなるまでの時間Δtが所定時間t’thより大きいか否かが判断され(ステップ111)、大きい場合エアフロセンサの故障と判断される(ステップ112)。
【0043】
以上のように本実施例はエアフロセンサ出力qがある出力値をとるまでの時間と所定時間とを比較することにより、応答性に対するセンサの劣化と故障とを検出することができる。上の実施例では一度目のエアコンがONされたときにバイパス弁3が開かれバイパス弁3の故障が検出された。そして次にエアコンがONされたときにエアフロセンサ1の故障が検出された。これに対し第2実施例では一回のバイパス弁3の開度変化にバイパス弁3およびエアフロセンサ1の各々の故障検出処理が一括して行われる。この処理について図6に説明する。
【0044】
この処理もIGスイッチがONされたときに実施されるとする。そして先述で述べた内燃機関4が所定運転状態にある場合において、特定の補機類がONされるときなどバイパス弁3が特定の開度で開かれるタイミングで双方の故障検出が行われるとする。例えば本実施例でもエアコンのスイッチが入れられたときに故障検出が始まるように設定されているとする。
【0045】
第2実施例ではまず所定運転状態にあるか否かが判断される。所定運転状態にありエアコンのスイッチがONされたときにバイパス弁3の故障とエアフロセンサ1の故障とが1回のバイパス弁3の開度変化で判断される。バイパス弁3の故障検出としてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれる際に所定開度Δθ開かれる時間ΔtVが計測される。このΔtVが所定時間を越えなかったときはバイパス弁3が正常であると判断される。
【0046】
そしてエアフロセンサ1の故障検出としてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれる際にバイパス弁3の故障検出と同時にエアフロセンサ出力qが所定値qaに到達する時間Δtが計測される。この時間Δtが所定時間tthより大きいと判断された場合、エアフロセンサ1が故障していると判断される。次にこのフローチャートの各ステップについて説明する。
【0047】
まずステップ201からステップ203は第1実施例のステップ101からステップ103と同様のステップで内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。ステップ201にてスロットルバルブ16の開度が全閉状態であるか、ステップ202にて内燃機関4の回転数がアイドル時の目標回転数であるか、ステップ203にて冷却水温が暖機時に相当する水温であるかが判断される。つまりステップ201からステップ203にて内燃機関4が故障検出にふさわしい状態である所定運転状態かが判断される。このときのエアフロセンサ出力qはq0とする。
【0048】
ステップ201からステップ203にて所定運転状態にないと判断された場合、つまりステップ201からステップ203の条件に1つでもあてはまらないと判断された場合、所定運転状態になるまでこのステップ201からステップ203の処理が繰り返される。次にステップ204からステップ211にてバイパス弁3およびエアフロセンサ1の故障が検出される。
【0049】
ステップ201からステップ203で所定運転状態と判断された場合、ステップ204にてエアコンのスイッチがOFFからONされたか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、ふたたび所定運転の状態でエアコンのスイッチが入れられるまでステップ201に戻る。ステップ204でエアコンのスイッチが入れられたと判断された場合、ステップ205にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。そしてステップ206にてバイパス弁3の故障を検出するためにバイパス弁3がΔθだけ開かれるまでに要する時間ΔtVが計測される(吸入空気量制御手段故障判断手段)。次にステップ207にてエアフロセンサ1の故障を検出するために、バイパス弁3が開かれ始めてからエアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δtが計測される(センサ故障判断手段)。
【0050】
ステップ208にてまずバイパス弁3の故障を検出するためにステップ206で計測されたバイパス弁3がΔθだけ開かれる時間ΔtVが所定時間(本実施例では10ms)より大きいか否かが判断される(吸入空気量制御手段故障判断手段)。大きくないと判断された場合はバイパス弁3の開く速さが所定時間より遅いので、ステップ210にてバイパス弁3が故障していると判断される。バイパス弁3が故障している場合、エアフロセンサ1の故障検出が正確にできない。よってバイパス弁3の故障を運転者に伝えるなどのバイパス弁3の故障時の手続きを取り、ステップ201にもどる。
【0051】
ステップ208にてバイパス弁3がΔθだけ開かれる時間ΔtVが所定時間より小さいと判断された場合、ステップ209にてバイパス弁3は正常であると判断され、ステップ211にてエアフロセンサ1の故障を検出するためにエアフロセンサ出力qが所定値qaに到達するまでの時間Δtが所定時間tthより大きいか否かが判断される(センサ故障判断手段)。大きい場合はエアフロセンサ1の応答性が悪いのでステップ212にてエアフロセンサ1が故障していると判断される。
【0052】
なおステップ211にてエアフロセンサ出力qが所定値qaに到達するまでの時間Δtが所定時間tthより大きくないと判断された場合、エアフロセンサ1は故障していないので再びエアフロセンサ1の故障検出がなされるようにステップ201にもどる。第2実施例のエアコンが作動したときに故障検出が行われる場合のバイパス弁3の開度の挙動とエアフロセンサ出力の挙動とを図7に示す。
【0053】
所定運転状態にあるときのエアフロセンサ出力qがq0であるとき、エアコンがONされ(時刻T13)バイパス弁3が開かれはじめる。するとそれに伴いエアフロセンサ出力qも上昇する。バイパス弁3がエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれたとき(時刻T14)、バイパス弁3が開かれはじめてから所定開度Δθだけ開かれるまでの時間ΔtV(=T14−T13)が計測される(ステップ206)。このΔθだけ開かれるまでの時間ΔtVが所定時間より大きいと判断された場合(ステップ208)、バイパス弁3が正常と判断される(ステップ209)。
【0054】
これと同時にバイパス弁3が開かれはじめてからエアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δtが計測され(ステップ207)、エアフロセンサ出力qが所定値qaに達する(時刻T15)までの時間Δt(=T15−T13)が所定時間tthより大きいか否かが判断される(ステップ211)。大きいと判断されたときエアフロセンサ1は故障していると判断される(ステップ212)。
【0055】
以上のように第2実施例は第1実施例と同様に応答性に対するセンサの劣化と故障とを検出することができるとともに、バイパス弁3およびエアフロセンサ1の故障検出を1回のバイパス弁3の開度変化により実施するので、2回に分けて実施するより簡素なプログラムで素早く双方の故障検出ができる。なお以上の第1および第2の実施例では外部負荷のない状態(エアフロセンサ1の出力がq0)から特定の補機類(本実施例ではエアコン)のON時に故障検出が行われる場合が述べられている。しかし他の様々な外部負荷のある状態から特定の補機類のON時に故障検出を行う場合も考えられる。この場合内燃機関4の回転数が外部負荷の補正分を入れた目標回転数か否かの判断を含む所定運転状態か否かの判断がまず行われる。そしてエアコンのスイッチがONされたときに、エアコンのスイッチがONされる前の様々な外部負荷のある状態でのエアフロセンサ出力q0からq=|qa−q0|に達するまでの時間に基づいたエアフロセンサ1の故障検出を行う構成となる。
【0056】
本発明の第3実施例を図8に示す。上述の第1、第2実施例におけるエアフロセンサ1を故障と判断する条件は共に計測されたエアフロセンサ出力qが所定値qaに達するまでの時間Δtが所定時間tthを越えたときであった。これに対し第3実施例ではエアフロセンサ1の故障検出としてエアコンのスイッチがONされバイパス弁3を外部負荷に応じた所定開度Δθだけ開かれるときに、開かれはじめてから所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力値qbが計測される。このΔt経過後のエアフロセンサ出力値qbが所定値qth1(第2の所定値)を下回った場合エアフロセンサ1の故障と判断される。
【0057】
次にこのフローチャートの各ステップについて説明する。本実施例も吸入空気量制御手段故障判断手段としてバイパス弁3の故障検出が行われたあと、バイパス弁3が正常と判断されたときエアフロセンサ1の故障検出が行われる。このバイパス弁3の故障検出はステップ301からステップ309として図2のステップ101からステップ109の処理と同じ処理であるのでその説明および図は省く。
【0058】
ステップ310からステップ312にて今度はエアフロセンサ1の故障を検出するために、ステップ101からステップ103と同様に内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。この所定運転状態の判断もこれまでの実施例と同じであるのでその説明を省く。以下のステップ313からステップ317では本発明の第3実施例に係るエアフロセンサ1の故障検出処理を行っている。
【0059】
ステップ310からステップ312で所定運転状態と判断された場合、ステップ313にてエアコンのスイッチがOFFからONされたか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、ふたたび所定運転の状態でエアコンのスイッチがONされるまでステップ310に戻る。ステップ313でエアコンのスイッチがONされたと判断された場合、ステップ314にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。
【0060】
そしてステップ315にてエアフロセンサ1の故障を検出するために、バイパス弁3が開かれてから所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力qbが計測される。所定時間Δtはバイパス弁3が開かれたときからカウントされるタイマによるものであり、所定時間Δtに対応する値がカウントされたときにエアフロセンサ出力qbが計測される。
【0061】
ステップ316にて所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力qbが所定値qth1以下か否かが判断される。ここで所定値qth1はエアフロセンサ1が正常時、所定開度Δθだけ開かれたときの所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力qb 程度である。所定値qth1以下と判断された場合はエアフロセンサ1の応答性が悪いので、ステップ317に進みエアフロセンサ1が故障していると判断される。
【0062】
ステップ316にて所定値qth1より大きいと判断された場合、エアフロセンサ1は正常であると判断され、再びエアフロセンサ1の故障検出がなされるようにステップ310にもどる(センサ故障判断手段)。第3実施例のエアコンが作動したときに故障検出が行われる場合のバイパス弁3の開度の挙動とエアフロセンサ出力の挙動とを図10に示す。なお、バイパス弁3の故障検出の作動は第1実施例のその部分と同じであるので省く。
【0063】
第1実施例と同様にバイパス弁3が正常と判断された場合(ステップ108)、再び所定運転状態でエアコンのスイッチが入れられ、バイパス弁3が所定開度Δθだけ開かれはじめる(時刻T16)ときにエアフロセンサ1の故障検出が行われる。そしてバイパス弁3が開きはじめてから所定時間Δt(本実施例では50ms)後(時刻T17)のエアフロセンサ出力qbが計測され(ステップ315)、エアフロセンサ出力qbが所定値qth1(本実施例では8.6m3/h)より大きいか否かが判断される(ステップ316)。大きいと判断されたときエアフロセンサ1は故障していると判断される(ステップ317)。
【0064】
なお第3実施例では外部負荷がない所定運転状態での目標回転数が基準とされ、その基準からの補正において故障検出が行われたが、本発明はこの基準からの補正に限られない。図9は本発明の第4実施例を示すフローチャートである。第4実施例はアイドル時で暖機され、外部負荷分補正された目標回転数とエンジン回転数とがほぼ一致していているときのエアフロセンサ1の出力をqcとして、そこからある特定の補機(ここではエアコン)によりバイパス弁3が開かれる場合を考えている。このときエアコン分の負荷を考慮してバイパス弁3がΔθ(本実施例では0.7m3/h増量相当分)開かれるが、このときのエアフロセンサ出力qをqdとすると、前の故障判定の基準である
qb≦qth1(本実施例では=8.6m3/h)

|qd−qc|≦qth2(第1の所定値、本実施例では=0.6m3/h)とする。
【0065】
次にこのフローチャートの各ステップについて説明する。本実施例も吸入空気量制御手段故障判断手段としてバイパス弁3の故障検出が行われたあと、バイパス弁3が正常と判断されたときエアフロセンサ1の故障検出が行われる。このバイパス弁3の故障検出はステップ401からステップ409として図2のステップ101からステップ109の処理と同様な処理であるのでその説明および図は省く。
【0066】
ステップ410からステップ412にて今度はエアフロセンサ1の故障を検出するために、ステップ101からステップ103と同様に内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。ここでこれまでの判断基準としての目標回転数は補機類が全く作動していない状態での目標回転数であったが、本実施例ではある特定の補機類が作動している状態での目標回転数を考えている。この点以外の所定運転状態の判断はこれまでの実施例と同じであるのでその説明を省く。
【0067】
また同様にステップ410からステップ412にて所定運転状態にないと判断された場合、つまりステップ410からステップ412の条件に1つでもあてはまらないと判断された場合、所定運転状態になるまでこのステップ410からステップ412の処理が繰り返される。以下のステップ413からステップ419では本発明の第3実施例に係るエアフロセンサ1の故障検出処理を行っている。
【0068】
ステップ410からステップ412で所定運転状態と判断された場合、ステップ413にてエアフロセンサ出力qcが計測される。そしてステップ414にてエアコンのスイッチがOFFからONされたか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、ふたたび所定運転の状態でエアコンのスイッチがONされるまでステップ410に戻る。
【0069】
ステップ414でエアコンのスイッチがONされたと判断された場合、ステップ415にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。そしてステップ416にてエアフロセンサ1の故障を検出するために、バイパス弁3が開かれてから所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力qdが計測される。所定時間Δtはバイパス弁3が開かれたときからカウントされるタイマによるものであり、所定時間Δtに対応する値がカウントされたときにエアフロセンサ出力qdが計測される。
【0070】
計測されたのちステップ417にてエアフロセンサ1の故障判断として、エアフロセンサ出力qdおよびqcの差の絶対値|qd−qc|が算出される。そしてステップ418にて算出された絶対値|qd−qc|が所定値qth2以下か否かが判断される。ここで所定値qth2はエアフロセンサ1が正常時、所定開度Δθだけ開かれたときの所定時間Δt経過後のエアフロセンサ出力|qd−qc|程度である。所定値qth2以下と判断された場合はエアフロセンサ1の応答性が悪いので、ステップ419に進みエアフロセンサ1が故障していると判断される。
【0071】
ステップ418にて所定値qth2より大きいと判断された場合、エアフロセンサ1は正常であると判断され、再びエアフロセンサ1の故障検出がなされるようにステップ401にもどる(センサ故障判断手段)。以上のような第3実施例の構成で応答性に対するセンサの劣化と故障とを検出することができる。
【0072】
本発明の第5実施例を図11に示す。第5実施例ではバイパス弁3が開かれはじめてから微小の所定時間dtごとにエアフロセンサ出力qが計測される。バイパス弁3が開かれる直前のエアフロセンサ出力がq0、バイパス弁3が開かれはじめてから所定時間dt後のエアフロセンサ出力がq1、次の所定時間dt後のエアフロセンサ出力がq2、…という具合に、i番目の所定時間dt後のエアフロセンサ出力がqi(i=1、2、3、…)とされる。そして所定回数k回以上のエアフロセンサ出力qi(i=1、2、3、…、k)の計測が行われる。
【0073】
k回計測されたエアフロセンサ出力qiから所定時間ごとのエアフロセンサ出力の変化量
v1=dq1/dt=(q1−q0)/dt
v2=dq2/dt=(q2−q1)/dt
vi=dqi/dt=(qi−qi−1)/dt
を算出し、viの最大値
Vmax=(dqi/dt)max
を求める。この最大値Vmaxが所定値Q(第3の所定値)を下回った場合エアフロセンサ1の故障と判断する。次にこのフローチャートの各ステップについて説明する。本実施例も吸入空気量制御手段故障判断手段としてバイパス弁3の故障検出が行われたあと、バイパス弁3が正常と判断されたときエアフロセンサ1の故障検出が行われる。このバイパス弁3の故障検出はステップ501からステップ509として図2のステップ101からステップ109の処理と同じ処理であるのでその説明および図は省く。
【0074】
ステップ510からステップ512にて今度はエアフロセンサ1の故障を検出するために、ステップ101からステップ103と同様に内燃機関4が所定運転状態であるか否かが判断される。この所定運転状態の判断もこれまでの実施例と同じであるのでその説明を省く。以下のステップ513からステップ517では本発明の第5実施例に係るエアフロセンサ1の故障検出処理を行っている。
【0075】
ステップ510からステップ512で所定運転状態と判断された場合、ステップ513にてエアコンのスイッチがOFFからONされたか否かが判断される。エアコンのスイッチがONされていない場合、ふたたび所定運転の状態でエアコンのスイッチが入れられるまでステップ510に戻る。ステップ513でエアコンのスイッチが入れられたと判断された場合、ステップ514にてエアコンの負荷に応じた所定開度Δθだけバイパス弁3が開かれる。
【0076】
そしてステップ515にてエアフロセンサ1の故障を検出するためにバイパス弁3が開かれはじめてから所定時間dtごとのエアフロセンサ出力qi(i=1、2、…)が計測される。所定時間dtはタイマのカウントにより計測され、この所定時間dtに対応する値がカウントされるごとに、出力されたエアフロセンサ出力qiが検出される。ここでエアフロセンサ出力qiの添字iはエアフロセンサ出力qの計測順番を示す。
【0077】
ステップ516にてエアフロセンサ出力qの計測がk回以上行われるように計測順番iが所定値k以上か否かが判断される。ここでこの所定値kはバイパス弁3の開度変化にかかる時間を所定時間dtで除したときの商よりも小さく、また所定時間dtに対するエアフロセンサ出力qの変化量の最大(中心付近)となる測定位置(順番)よりも大きい値をとる。
【0078】
そしてステップ516にてiがkより小さいと判断された場合はステップ515にもどり、iがk以上になるまで続けられる。ステップ516にてiがk以上になったと判断されたときステップ517に進み、所定時間dtごとのエアフロセンサ出力qの変化viが算出される。そしてステップ518にて算出された所定時間dtごとの変化viの最大値がVmaxと置き換えられる。
【0079】
ステップ519にて最大値Vmaxが所定値Qより小さいか否かが判断される。ここでこの所定値Qはエアフロセンサ1が正常時にとる出力qの最大変化量とほぼ同量である。つまり検出された2点のエアフロセンサ出力qの間の差の所定時間dtに対する比viの最大値Vmaxが所定値Qより小さい場合はエアフロセンサ1の故障と判断する。最大値Vmaxが所定値Qより小さいと判断された場合はエアフロセンサ1の応答性が悪いとして、ステップ520にてエアフロセンサ1が故障していると判断される。
【0080】
ステップ519にて最大値Vmaxが所定値Qより小さいと判断された場合はエアフロセンサ1は正常であると判断され、再びエアフロセンサ1の故障検出がなされるようにステップ501に戻る(センサ故障判断手段)。第5実施例のエアコンが作動したときに故障検出が行われる場合のバイパス弁3の開度の挙動とエアフロセンサ出力の挙動とを図12に示す。なお、バイパス弁3の故障検出の作動は第1実施例のその部分と同じであるので省く。
【0081】
第1実施例と同様にバイパス弁3が正常と判断された場合(ステップ509)、再び所定運転状態でエアコンのスイッチがONされ、所定開度Δθだけ開かれはじめる(時刻T16)ときにエアフロセンサ1の故障検出が行われる。そしてバイパス弁3が開かれはじめてから所定時間dt(本実施例では2ms)ごとのエアフロセンサ出力qiが計測される(ステップ515)。計測がk回を越えるまで(ステップ516)繰り返され、k回を越えたとき所定時間dtごとのエアフロセンサ出力qの変化率viが算出される(ステップ517)。
【0082】
本実施例ではエアコンのスイッチがONされたときにエアフロセンサ出力の立ち上がりに100msかかることを想定している。またエアフロセンサ出力qiの変化の最大はこの中間の50ms経過前後である。つまり計測は所定時間dt=2ms経過ごとになされるのでk=50程度でよい。しかし余裕をもたせて70ms経過するまで計測を行うことにする。よって本実施例ではk=35とする。
【0083】
算出された変化率のうち最大のものをVmaxとし(ステップ518)、この最大値Vmaxが所定値Qより大きいか否かが判断される(ステップ519)。ここで所定値QはここではQ=0.2(m3/h)/ms程度とする。そして最大値Vmax が所定値Qより大きいと判断されたときエアフロセンサ1の故障と判断される(ステップ520)。
【0084】
以上のような第5実施例は本発明における効果に加え、第1から第4までの実施例より狭い特定部分で故障検出を行うので、第1から第4までの実施例より検出精度がよい。また特定部分として最大変化部分のみを選び処理を簡易にしている。以上の実施例ではエアフロセンサ1の故障診断であるがこれを吸気圧センサにも採用できる。またバイパス弁3が開かれるときにエアフロセンサ1の故障検出を行ったが、外部負荷がOFFされて吸入空気量を減らすためにバイパス弁3が閉じられる際にも故障検出を行うことができる。
【0085】
以上の実施例ではバイパス弁3の開度を変化させることにより吸入空気量を変化させ、センサ故障を検出していたが、バイパス弁3に限らず吸入空気量を制御させる制御弁であれば、例えば電気信号により負圧回路を切り換える制御弁(VSV)、リンクレススロットルバルブ、エアバイパスバルブ(過給機)、エキゾーストガスリサキュレーション(EGR)バルブでもよい。そしてエアコンがONされたときや電動FANがONされたときを例に説明したがバイパス弁3が特定開度で開閉されるタイミングであればエアコンや電動FANに限らない。この場合外部負荷によって判断する所定開度Δθの値が変わるので、エアフロセンサ1の出力も故障判断する補機類に合わせて設定する構成が必要である。
【0086】
なお第3乃至第5実施例でも第2実施例のようにバイパス弁3とエアフロセンサ1とを一回のバイパス弁3の開度制御にて実施できる。そして第1、第3、第4、第5実施例では2回エアコンがONされて2回バイパス弁3が開かれたときはじめて1回のエアフロセンサ1の故障検出がなされる構成になっている。しかしこの他にも様々な方法が考えられる。
【0087】
例えばエアコンがONされたときに所定開度を一度に開くのではなく2段階に開き、最初にバイパス弁の故障検出を行い、次の開度変化でエアフロセンサの故障検出を行う方法も可能である。またエアコンがON、OFFされるときに双方の故障検出を行い、ON時にバイパス弁の、OFF時にエアフロセンサの故障検出を行う方法も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成の一実施例を示した図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施例におけるエアコンのみのバイパス弁開度の変化によるエアフロセンサ出力qと時間の関係を表した図である。
【図5】本発明の第1実施例におけるエアコンと電動FANとのバイパス弁開度の変化によるエアフロセンサ出力qと時間の関係を表した図である。
【図6】本発明の第2実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施例におけるエアフロセンサ出力qと時間の関係を表した図である。
【図8】本発明の第3実施例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施例におけるエアフロセンサ出力qと時間の関係を表した図である。
【図11】本発明の第5実施例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施例におけるエアフロセンサ出力qと時間の関係を表した図である。
【符号の説明】
1 エアフロセンサ
3 バイパス弁
4 内燃機関
6 燃料噴射弁
7 ECU
11 バイパス吸気通路
12 スロットル開度センサ
13 回転数センサ
14 冷却水温センサ
15 主吸気通路
16 スロットルバルブ

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸入空気量を検出し、検出された吸入空気量に対応した信号を出力する吸入空気量センサと、
    所定の負荷に応じて所定量だけ吸入空気量を可変制御する吸入空気量制御手段と、
    前記吸入空気量センサの出力値を検出し、前記吸入空気量制御手段が駆動している過程のある2点の出力値とその2点の出力値の間の時間とを用いて、前記吸入空気量センサの故障と判断するセンサ故障判断手段と、
    前記吸入空気量制御手段により、所定量だけ吸入空気量を可変制御する際に、所定の駆動量だけ駆動される時間を検出し、この検出された時間が第2の所定時間よりも大きい場合は吸入空気量制御手段が故障していると判断する吸入空気量制御手段故障判断手段とを備え、
    該吸入空気量制御手段故障判断手段が吸入空気量制御手段の故障を判断したとき前記センサ故障判断手段による故障判断を中止することを特徴とする内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置。
  2. 前記センサ故障判断手段が故障判断する際の前記吸入空気量制御手段の駆動と前記吸入空気量制御手段故障判断手段が故障判断する際の前記吸入空気量制御手段の駆動とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置。
  3. 前記センサ故障判断手段および前記吸入空気量制御手段故障判断手段による故障判断は、内燃機関がアイドリング状態で、回転数が目標回転数と等しく、暖機状態であるときに行われることを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置。
  4. 前記吸入空気量制御手段は内燃機関のアイドリング時の回転数を制御するものであることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用吸入空気量センサの故障検出装置。
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