JPH08144863A - 排気ガス還流装置 - Google Patents

排気ガス還流装置

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JPH08144863A
JPH08144863A JP6289346A JP28934694A JPH08144863A JP H08144863 A JPH08144863 A JP H08144863A JP 6289346 A JP6289346 A JP 6289346A JP 28934694 A JP28934694 A JP 28934694A JP H08144863 A JPH08144863 A JP H08144863A
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JP
Japan
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state
air amount
intake air
steady acceleration
opening
Prior art date
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Application number
JP6289346A
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English (en)
Inventor
Minoru Hotta
実 堀田
Yoshinori Maekawa
佳範 前川
Shigehiko Tajima
薫彦 田島
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 EGR異常判定処理を途中で中止すること無
く、精度良く行う。 【構成】 逐次検出される吸入空気量QA,QB,QC
の変化が直線的な変化であるか否かによって、運転状態
が定常加速状態であるか否かを判定し、この処理を定常
加速状態と判定されるまで繰り返す。その後、定常加速
状態と判定されたときに、EGRバルブを基準状態から
非基準状態に切り替えて、吸入空気量QDを検出する。
更に、この非基準状態における吸入空気量QDの検出時
点においても、定常加速状態が継続され且つEGRバ
ルブが基準状態に保持されたとした場合に得られるであ
ろう吸入空気量QDSを、基準状態における検出時点
,の吸入空気量QA,QCの記憶値に基づいてその
直線延長線上に推定する。この推定値QDSと、非基準
状態における吸入空気量QDの検出値とを比較して排気
ガス還流動作が異常か否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の排気ガス中の
NOxを低減させるための排気ガス還流(いわゆるEG
R)が正常に行われているか否かを判定する機能を備え
た排気ガス還流装置(以下「EGR装置」という)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】EGR装置が故障すると、排気ガス中の
NOxが増加するため、EGR装置の異常を検出して運
転者に警告するEGR異常判定システムが開発されてい
る。このシステムは、例えば特開昭62−51746号
公報に示すように、排気ガス還流通路中のEGRバルブ
を開放→閉鎖→開放と切り替え、開弁時の吸入空気量
(又は吸気管圧力)と閉弁時の吸入空気量(又は吸気管
圧力)とを検出してその検出値の差を異常判定値と比較
することによって、EGR装置の異常の有無を判定する
ものである。これは、排気ガス還流通路が目詰りした
り、EGRバルブが故障した場合に、EGRバルブを開
閉したときの吸入空気量(又は吸気管圧力)の変化幅が
小さくなることを利用してEGR装置の異常の有無を判
定するものである。
【0003】しかし、このシステムでは、EGR率が低
いと、EGRバルブを開閉したときの吸入空気量(又は
吸気管圧力)の変化量が少なくなるため、異常判定精度
が悪くなるという欠点がある。
【0004】この欠点を解消するために、本出願人は、
特開平5−231245号公報に示すEGR異常判定シ
ステムを開発している。このシステムは、図14に示す
ように定常加速中にEGRバルブを開放して吸入空気量
QAを検出した後、EGRバルブを閉鎖して吸入空気量
QBを検出し、再びEGRバルブを開放して吸入空気量
QCを検出し、QAとQCとを補間して求めたQBSと
実際の検出値QBとの差ΔQを異常判定値と比較するこ
とにより、EGR装置の異常の有無を判定するものであ
る。ここで、QAとQCとを補間して求めるQBSは、
QAとQCとを通る直線上において求めるQB検出時点
における値であり、このQBSは、検出時点におい
ても仮にEGRバルブが開放状態に保持された場合に得
られるであろう吸入空気量に相当する。このようにし
て、同一の時点における2つの状態の吸入空気量Q
B,QBSの差ΔQを求めることにより、異常判定精度
を高めるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、定常加速中にEGRバルブを開閉して異常の有
無を判定するため、最初の吸入空気量QAの検出時点
から最後の吸入空気量QCの検出時点までの間(以下
「異常判定期間」という)は加速状態が一定である必要
があり、この異常判定期間中にスロットル開度が変化さ
れて加速状態が変化すると、精度良く異常を判定するこ
とは困難である。従って、異常判定期間中にスロットル
開度に変化があった場合には、異常判定を中止し、再
度、最初から異常判定処理をやり直す必要があり、最終
的に判定結果が出るまでに異常判定処理を何回も繰り返
さなければならないという欠点がある。しかも、異常判
定処理の途中でEGRバルブを閉鎖する(EGRを停止
する)ため、異常判定処理の繰り返し回数が増えれば、
EGRを停止する回数が増えることになり、エミッショ
ンにも悪影響を及ぼしてしまう。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、EGR異常判定処理
を、途中で中止すること無く、精度良く行うことができ
て、EGR異常判定処理によるエミッションへの悪影響
を最小限に抑えることができる排気ガス還流装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の排気ガス還流装置は、図1に例
示するように、内燃機関11から排出される排気ガスの
一部を吸気管12へ還流させる排気ガス還流通路13を
開閉する開閉手段14と、前記内燃機関11の吸入空気
量を検出する吸入空気量検出手段15と、前記開閉手段
14を開閉して開状態又は閉状態のいずれか一方を基準
状態、他方を非基準状態とし、前記吸入空気量検出手段
15の検出信号に基づいて基準状態と非基準状態の各々
の検出時点における吸入空気量を記憶する記憶手段16
と、前記内燃機関11の運転状態が定常加速状態である
か否かを判定する定常加速判定手段17と、この定常加
速判定手段17により定常加速状態と判定されたときに
前記開閉手段14を基準状態から非基準状態に切り替え
る開閉制御手段18と、前記非基準状態における吸入空
気量の検出時点においても、定常加速状態が継続され且
つ前記開閉手段14が基準状態に保持されたとした場合
に得られるであろう吸入空気量を、前記記憶手段16か
ら得られる前記基準状態における複数の検出時点の吸入
空気量の記憶値に基づいて推定する推定手段19と、こ
の推定手段19による推定値と、非基準状態における吸
入空気量の検出値とを比較して排気ガス還流動作が異常
か否かを判定する異常判定手段20とを備えた構成とな
っている。
【0008】この場合、請求項2のように、前記定常加
速判定手段17は、前記吸入空気量検出手段15により
逐次検出される吸入空気量の変化具合によって定常加速
状態であるか否かを判定するようにしても良い。
【0009】更に、請求項3のように、前記定常加速判
定手段17により定常加速状態と判定されるまで、前記
吸入空気量検出手段17により逐次検出される吸入空気
量を前記記憶手段16に記憶しつつ前記定常加速判定手
段17による定常加速の判定を繰り返すようにしても良
い。
【0010】また、請求項4のように、前記吸入空気量
検出手段17により吸入空気量を検出する毎に前記内燃
機関11のスロットル開度を検出するスロットル開度検
出手段と、このスロットル開度検出手段により検出した
スロットル開度が先の検出時点から変化しているときに
は、当該検出時点における吸入空気量の検出値を、仮に
スロットル開度の変化が無かったとした場合に得られる
であろう値に補正する吸入空気量補正手段とを備えた構
成としても良い。
【0011】本発明の請求項5の排気ガス還流装置は、
図2に例示するように、内燃機関11から排出される排
気ガスの一部を吸気管12へ還流させる排気ガス還流通
路13を開閉する開閉手段14と、前記内燃機関11の
吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段21と、前記
開閉手段14を開閉して開状態又は閉状態のいずれか一
方を基準状態、他方を非基準状態とし、前記吸気管圧力
検出手段21の検出信号に基づいて基準状態と非基準状
態の各々の検出時点における吸気管圧力を記憶する記憶
手段16と、前記内燃機関11の運転状態が定常加速状
態であるか否かを判定する定常加速判定手段17と、こ
の定常加速判定手段17により定常加速状態と判定され
たときに前記開閉手段14を基準状態から非基準状態に
切り替える開閉制御手段18と、前記非基準状態におけ
る吸気管圧力の検出時点においても、定常加速状態が継
続され且つ前記開閉手段14が基準状態に保持されたと
した場合に得られるであろう吸気管圧力を、前記記憶手
段16から得られる前記基準状態における複数の検出時
点の吸気管圧力の記憶値に基づいて推定する推定手段1
9と、この推定手段19による推定値と、非基準状態に
おける吸気管圧力の検出値とを比較して排気ガス還流動
作が異常か否かを判定する異常判定手段20とを備えた
構成となっている。
【0012】この場合、請求項6のように、前記定常加
速判定手段17は、前記吸気管圧力検出手段により逐次
検出される吸気管圧力の変化具合によって定常加速状態
であるか否かを判定するようにしても良い。
【0013】更に、請求項7のように、前記定常加速判
定手段17により定常加速状態と判定されるまで、前記
吸気管圧力検出手段17により逐次検出される吸気管圧
力を前記記憶手段16に記憶しつつ前記定常加速判定手
段17による定常加速の判定を繰り返すようにしても良
い。
【0014】また、請求項8のように、前記吸気管圧力
検出手段21により吸気管圧力を検出する毎に前記内燃
機関11のスロットル開度を検出するスロットル開度検
出手段と、このスロットル開度検出手段により検出した
スロットル開度が先の検出時点から変化しているときに
は、当該検出時点における吸気管圧力の検出値を、仮に
スロットル開度の変化が無かったとした場合に得られる
であろう値に補正する吸気管圧力補正手段とを備える構
成としても良い。
【0015】
【作用】本発明の請求項1によれば、次のようにしてE
GR異常判定を行う。まず、開閉手段14(EGRバル
ブ)が基準状態(開状態又は閉状態)のときに、定常加
速判定手段17により内燃機関11の運転状態が定常加
速状態であるか否かを判定する。ここで、定常加速状態
であるか否かの判定は、請求項2のように、吸入空気量
検出手段15により逐次検出される吸入空気量QA,Q
B,QC(図3参照)の変化が直線的な変化であるか否
かで判定しても良いし、これ以外の内燃機関11の運転
状態を示すパラメータとなる例えば機関回転数Ne,ス
ロットル開度θ,吸気管圧力のいずれかによって判定し
ても良く、勿論、これらの中から2つ以上のデータを組
み合わせて総合的に判定するようにしても良い。
【0016】定常加速判定手段17により定常加速状態
と判定されなかった場合には、定常加速判定手段17に
よる定常加速の判定を繰り返すことになる。例えば、請
求項3では、定常加速判定手段17により定常加速状態
と判定されるまで、吸入空気量検出手段17により逐次
検出される吸入空気量を記憶手段16に記憶しつつ定常
加速判定手段17による定常加速の判定を繰り返す。
【0017】その後、定常加速判定手段17により定常
加速状態と判定されたときに、図3に示すように開閉制
御手段18により開閉手段14を基準状態から非基準状
態に切り替えて、吸入空気量検出手段15により吸入空
気量QDを検出する。更に、この非基準状態における吸
入空気量QDの検出時点においても、定常加速状態が
継続され且つ開閉手段14が基準状態に保持されたとし
た場合に得られるであろう吸入空気量QDSを、記憶手
段16から得られる基準状態における複数の検出時点
,の吸入空気量QA,QCの記憶値に基づいて推定
手段19により推定する。この推定手段19による推定
値QDSと、非基準状態における吸入空気量QDの検出
値とを比較して排気ガス還流動作が異常か否かを異常判
定手段20により精度良く判定する。
【0018】この場合、定常加速状態と判定されるまで
開閉手段14を基準状態に維持し、定常加速状態と判定
されて、初めて開閉手段14を非基準状態へ切り替える
ので、内燃機関11の運転状態が定常加速状態で安定す
るのを待ってEGR異常の判定を行うことができる。こ
のため、従来のように異常判定の判定結果が出るまでに
基準状態と非基準状態との切り替えを何回も繰り返すと
いう事態が避けられ、エミッションへの悪影響が最小限
に抑えられる。
【0019】また、請求項4では、吸入空気量検出手段
17により吸入空気量を検出する毎に内燃機関11のス
ロットル開度をスロットル開度検出手段により検出し、
このスロットル開度検出手段により検出したスロットル
開度が先の検出時点から変化しているときには、当該検
出時点における吸入空気量の検出値を、仮にスロットル
開度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値
に吸入空気量補正手段により補正する。この補正によ
り、定常加速状態とみなせる範囲を拡大することができ
て、定常加速の判定回数を少なくすることができると共
に、内燃機関11の運転状態が多少変化したとしても、
推定手段19による吸入空気量の推定値QDSを精度良
く求めることができて、異常判定精度を向上することが
できる。
【0020】ところで、吸入空気量は吸気管圧力に応じ
て変化するので、請求項5のように吸入空気量に代えて
吸気管圧力を検出するようにしても良い。この場合も、
検出データの処理方法は、請求項1と同じで良く、更
に、請求項6のように、吸気管圧力検出手段により逐次
検出される吸気管圧力の変化具合によって定常加速状態
であるか否かを判定するようにしても良い。
【0021】この場合、請求項7では、定常加速判定手
段17により定常加速状態と判定されるまで、吸気管圧
力検出手段17により逐次検出される吸気管圧力を記憶
手段16に記憶しつつ定常加速判定手段17による定常
加速の判定を繰り返す。これにより、定常加速状態にな
るまで連続的に定常加速の判定を繰り返すことができ
る。
【0022】更に、請求項8では、吸気管圧力検出手段
21により吸気管圧力を検出する毎に内燃機関11のス
ロットル開度をスロットル開度検出手段により検出し、
このスロットル開度検出手段により検出したスロットル
開度が先の検出時点から変化しているときには、当該検
出時点における吸気管圧力の検出値を、仮にスロットル
開度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値
に吸気管圧力補正手段により補正する。この補正によ
り、請求項4の場合と同じく、定常加速状態とみなせる
範囲を拡大することができて、定常加速の判定回数を少
なくすることができると共に、内燃機関11の運転状態
が多少変化したとしても、精度良く異常判定を行うこと
ができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図3乃至図9に
基づいて説明する。まず、図4に基づいてシステム全体
の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン1の排
気管2と吸気管3との間には、排気ガスの一部を吸気側
に還流させる排気ガス還流通路24が設けられ、この排
気ガス還流路24の途中にバキュームサーボ型のEGR
バルブ25(開閉手段に相当)が設けられている。この
EGRバルブ25を制御する圧力制御管路26は吸気管
3のスロットルバルブ27の近傍に接続され、この圧力
制御管路26の途中には、EGRバルブ25の開度を決
定するモジュレータ28と電磁弁29とが設けられてい
る。この電磁弁29は、例えば、冷間時、アイドル時、
高負荷時にはモジュレータ28に大気圧が加わるように
作動し、EGR制御中には、スロットルバルブ27の近
傍の負圧がモジュレータ28に加わるように作動する。
【0024】また、吸気管3には、エアクリーナ4を通
過した吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段である
エアフローメータ30と、スロットルバルブ27の開度
を検出するスロットル開度検出手段であるスロットル開
度センサ31と、吸気温を検出する吸気温センサ32が
設けられている。吸気管23内を流れる空気をエンジン
1の各気筒に導入するインテークマニホールド33に
は、燃料を噴射するインジェクタ34が取り付けられて
いる。
【0025】一方、エンジン1の冷却水が循環するウォ
ータジャケット35には、冷却水の温度を検出する水温
センサ36が取り付けられている。また、エンジン1の
点火プラグ37に高電圧を印加するディストリビュータ
38には、クランク角センサ39と基準角センサ40と
が設けられている。クランク角センサ39は、クランク
軸が例えば30℃A回転するごとにエンジン回転数信号
Neを出力し、基準角センサ40は、特定気筒のクラン
ク角基準位置を検出するためにクランク軸2回転につき
1パルスの割合で基準信号を出力する。
【0026】上述した各センサの出力信号に基づいて、
制御回路41は、エンジン制御やEGR制御を行うと共
に、図6乃至図8に示すEGR異常判定ルーチンによっ
てEGR装置46の異常の有無を判定し、異常時には警
告ランプ47を点灯して運転者に警告する。この制御回
路41は、マイクロコンピュータを主体として構成さ
れ、図示はいないが、各種の演算処理を行うCPU、図
6乃至図8に示すEGR異常判定ルーチン等の各種プロ
グラムを記憶したROM、吸入空気量やスロットル開度
の検出値等の各種データを記憶するRAM(特許請求の
範囲でいう記憶手段に相当)等を備えている。
【0027】ところで、スロットル開度θを増加して車
両を加速する場合、エンジン回転数Neおよび単位時間
当たりの吸入空気量Qは図5に示すような変化を示す。
例えば、車両が一定速度で定常走行しているとき、ある
時点aでスロットル開度θを増加すると、吸入空気量Q
が一旦急激に増加してその後ほぼ一定の割合で増加し、
それに伴ってエンジン回転数Neが増加して車両速度が
増加し、やがて、時点dにて、エンジン1の発生するト
ルクと車両の走行抵抗が等しくなって、エンジン回転数
Neと吸入空気量Qが一定値に収束して車両は再び定常
走行に戻る。
【0028】この加速中に、スロットル開度θが変化し
なければ、時点eで定常走行に戻るまでの期間a〜eに
吸入空気量Qが略直線的に増加するところがある(時点
b〜cの実線部分及びc〜dの破線部分)。以下、この
部分における走行状態を定常加速状態という。本実施例
では、図3に示すように、定常加速中にEGRバルブ2
5を開放(オン)から閉鎖(オフ)に切り替え、そのと
きの吸入空気量Qの変化に基づいて図6乃至図8に示す
EGR異常判定ルーチンによってEGR装置46の異常
を次のように判定する。
【0029】図6乃至図8に示すEGR異常判定ルーチ
ンは、エンジン運転中に常時反復して実行される。EG
R異常判定処理を開始すると、まず、図6のステップ1
01にて、異常判定処理の実行条件が成立しているか否
かを判断する。この実行条件は、スロットル開度θが増
加してから所定時間以上一定開度に保持され、且つ図示
しないEGR異常判定実施許可判断手段により異常判定
実施が許可された場合に成立するものである。上記所定
時間はスロットル開度θが増加してから車両が定常加速
に達するまでの時間に設定されている。また、上記EG
R異常判定実施許可手段はエンジン1が運転されてから
未だ一度もEGRの異常の有無を判定していない場合に
実施を許可する。この実施許可は、一度異常の有無を判
定した後も一定時間毎、或は所定のエンジン運転条件に
遭遇する毎に実施を許可するなど、複数回実施を許可し
ても良い。
【0030】定常走行時や加速直後には、異常判定処理
の実行条件が成立せず、ステップ101の判断結果が
「No」となり、ステップ102へ移行して、後述する
吸入空気量QAを読み込むためのフラグカウンタXを0
にセットする。続くステップ103では、EGRバルブ
25を開放(オン)して一旦処理を終了する。この後は
EGRバルブ25をエンジン1の運転状態に応じて所定
開度に制御する。
【0031】この制御により、車両が定常加速状態にな
ると、異常判定処理の実行条件が成立して、ステップ1
01からステップ104へ移行し、フラグカウンタXが
0か否かを判断する。前回の処理で、上述したステップ
102を通っていれば、フラグカウンタXは0にセット
されているので、続くステップ107へ移行し、エアフ
ローメータ30により検出されたそのときの吸入空気量
Qを吸入空気量QAとして読み込んで記憶する(図3の
時点)。
【0032】次いで、ステップ108で、フラグカウン
タXを1にセットし、ステップ109で、ステップ11
0で判断する所定時間t1をカウントするためのタイマ
をクリアする。この後、ステップ110で、QAを読み
込んでから所定時間t1(例えば500msec)が経
過したか否かを判断する。もし、所定時間t1が経過し
ていない場合には、ステップ110の判断結果が「N
o」となり、そのまま一旦処理を終了する。この後、再
び処理を実行したとき、今度はフラグカウンタXが1に
セットされているので、ステップ104からステップ1
05へ移行する。このようにして、ステップ101,1
04,105,110よりなる一連の処理によって、Q
Aを読み込んでから所定時間t1が経過するまで待機す
る。
【0033】この後、所定時間t1が経過すると、ステ
ップ110からステップ111へ移行し、エアフローメ
ータ30により検出されたそのときの吸入空気量Qを吸
入空気量QBとして読み込んで記憶する(図3の時点
)。次いで、ステップ112で、フラグカウンタXを
2にセットした後、ステップ113で、ステップ114
で判断する所定時間t2をカウントするためのタイマを
クリアする。この後、ステップ114で、QBを読み込
んでから所定時間t2(例えば500msec)が経過
したか否かを判断する。もし、所定時間t2が経過して
いない場合には、ステップ114の判断結果が「No」
となり、そのまま一旦処理を終了する。この後、再び処
理を実行したとき、今度はフラグカウンタXが2にセッ
トされているので、ステップ105からステップ106
へ移行する。このようにして、ステップ101,10
4,105,106,114よりなる一連の処理によっ
て、QAを読み込んでから所定時間t1が経過するまで
待機する。
【0034】この後、所定時間t2が経過すると、ステ
ップ114からステップ115へ移行し、エアフローメ
ータ30により検出されたそのときの吸入空気量Qを吸
入空気量QCとして読み込んで記憶する(図3の時点
)。次いで、ステップ116で、ステップ122で判
断する所定時間t3をカウントするためのタイマをクリ
アする。この後、ステップ117で、定常加速判定を行
うため、ステップ107,111で読み込まれた吸入空
気量QA,QBから定常加速時に得られるはずのQCS
を次式により求める。
【0035】QCS=QB−QA+QB すなわち、定常加速状態では、吸入空気量Qの変化が略
直線的になるため、上式により、QA,QBで求めた吸
入空気量変化の直線延長線上において時点におけるQ
CSを求める。本実施例ではt1,t2を等しく設定し
ているため、上式を補正する必要はないが、t1,t2
が異なる場合は、次式によりt1,t2の時間割合に応
じた補正を行ってQCSを求める。
【0036】 QCS=(QB−QA)×t2/t1+QB このようにして求めたQCSとステップ115で実測し
た吸入空気量QCとの差の絶対値をΔQCとする。
【0037】次いで、ステップ118で、ΔQCが所定
値kQC以下であるか否かを判断する。もし、定常加速
状態であれば、吸入空気量は略直線的に増加するため、
吸入空気量QCはQA,QBから直線延長して求めたQ
CSとほぼ等しくなり、ΔQCは0に近くなる。従っ
て、ΔQCが大きいということはQA,QB,QCが直
線的に変化していないことを意味し、定常加速状態にな
いと判断できる。ここで、所定値kQCは予め設定され
る定常加速状態を判定する許容変動幅であり、例えば
0.1g/sec と設定する。以上説明したステップ11
7,118の処理は、エンジン1の運転状態が定常加速
状態であるか否かを判定する定常加速判定手段として機
能する。
【0038】上述したステップ118にて、定常加速状
態でないと判定された場合、つまりΔQC>kQCの場
合には、ステップ119へ移行して、既に読み込まれた
吸入空気量QBの記憶値をQAへ移し替え、QCの記憶
値をQBへ移し替えて一旦処理を終了する。再び処理を
実行したときには、フラグカウンタXは2にセットされ
たままであるので、ステップ104からステップ105
へ移行し、続いてステップ106へ移行してステップ1
14へ移行する。タイマは上述したステップ116でク
リアされているので、前述したQC(ステップ119で
QBへ移行済み)を読み込んでからの所定時間t2が経
過したか否かをステップ114にて判定する。この後、
所定時間t2が経過すると、続くステップ115,11
6,117により再度QCを読み込んでΔQCを求め、
ステップ118にて定常加速状態であるか否かを判断す
る。
【0039】以上のようにして吸入空気量QA,QBを
読み込んだ後、ステップ115,116,117,11
8,119,101,104,105,106,114
よりなる一連の処理により、定常加速状態と判断される
まで繰り返しQCを読み込み、定常加速判定を行う。
【0040】上述したステップ118で定常加速(ΔQ
C≦kQC)と判定されれば、ステップ120に移行
し、フラグカウンタXを3にセットした後、ステップ1
21でEGRバルブ25を閉鎖(オフ)する(図3の時
点)。このステップ121の処理が、定常加速状態と
判定されたときにEGRバルブ25を非基準状態(閉状
態)に切り替える開閉制御手段として機能する。続くス
テップ122では、QCを読み込んでから所定時間t3
(例えば500msec)が経過したか否かを判断し、
所定時間t3が経過していなければ、そのまま一旦処理
を終了する。再び処理を実行したとき、今度はフラグカ
ウンタXが3にセットされているので、ステップ104
よりステップ105へ移行し、続いてステップ106へ
移行してステップ122へ移行する。このようにして、
ステップ101,104,105,106,122より
なる一連の処理により、QCを読み込んでから所定時間
t3が経過するまで待機する。
【0041】この後、所定時間t3が経過してステップ
123へ移行すると、エアフロメータ30にて検出され
たそのときの吸入空気量Qを吸入空気量QDとして読み
込んで記憶する(図3の時点)。次いで、ステップ1
24で、図3の時点から時点に至る間も、仮にEG
Rバルブ25が開放(オン)状態に保持され且つ定常加
速状態が継続されたとした場合に、時点で得られるで
あろう吸入空気量(以下推定吸入空気量と称する)QD
Sを次式により算出する。
【0042】 QDS=(QC−QA)×t3/(t1+t2)+QC すなわち、定常加速状態では、吸入空気量Qの変化が略
直線的になるため、上式により、QA,QCで求めた吸
入空気量変化の直線延長線上において時点におけるQ
DSを求める。このステップ124の処理が、特許請求
の範囲でいう推定手段として機能する。
【0043】この後、ステップ125で、時点にて実
測した吸入空気量QDより推定吸入空気量QDSを差し
引いて変化量ΔQを算出する。この変化量ΔQが、EG
Rバルブ25を閉鎖(オフ)したことによる吸入空気量
Qの変化である。続くステップ126では、推定吸入空
気量QDSより図9のマップに基づいて異常判定レベル
αを求める。ここで、EGRバルブ25を閉鎖したこと
による吸入空気量Qの変化量ΔQは吸入空気量Qに比例
して増加する傾向があり、EGR装置46が正常であれ
ば図9に例示する関係となる。そこで、ステップ126
では推定吸入空気量QBSに対応する変化量ΔQを求
め、これを異常判定レベルαとする。
【0044】次いで、ステップ127で、変化量ΔQが
異常判定レベルα以上であるか否かを判断する。もし、
変化量ΔQが異常判定レベルα以上であれば、EGR装
置46は正常と判断してステップ129へ移行する。一
方、変化量ΔQが異常判定レベルαより小さい場合は、
EGR装置46に異常があると判断してステップ128
へ移行し、EGR装置46の異常を警報する警報ランプ
47を点灯してステップ129へ移行する。このステッ
プ129で、フラグカウンタXを0にセットした後、ス
テップ130で、EGRバルブ25を開放し(図3の時
点)、処理を終了する。以後、EGRバルブ25をエ
ンジン1の運転状態に応じて所定開度に制御してEGR
を実行する。上述したステップ125〜127の処理
が、特許請求の範囲でいう異常判定手段として機能す
る。
【0045】尚、ステップ125にてEGR装置46の
異常の有無を判定すると、前述した図示しないEGR異
常判定実施許可判断手段によりEGR異常判定実施が不
許可となり、ステップ101で「No」と判断されるよ
うになる。つまり、異常判定が既に実行されたので実行
条件が不成立となるのである。この後、EGR異常判定
実施許可判断手段によりEGR異常判定実施が許可され
て実行条件が成立するまで、ステップ101〜103よ
りなる一連の処理が繰り返され、EGRバルブ25は開
放状態に維持される。
【0046】以上説明した第1実施例によれば、定常加
速状態と判定されるまでEGRバルブ25を基準状態
(開状態)に維持し、定常加速状態と判定されて、初め
てEGRバルブ25を非基準状態(閉状態)へ切り替え
るので、エンジン1の運転状態が定常加速状態で安定す
るのを待ってEGR異常の判定を行うことができる。こ
のため、従来のように異常判定の判定結果が出るまでに
基準状態と非基準状態との切り替えを何回も繰り返すと
いう事態を避けることができて、エミッションへの悪影
響を最小限に抑えることができる。しかも、非基準状態
における吸入空気量QDの検出時点においても、定常
加速状態が継続され且つEGRバルブ25が基準状態に
保持されたとした場合に得られるであろう吸入空気量Q
DSを、基準状態における検出時点,の吸入空気量
QA,QCの記憶値に基づいて推定し、この推定値QD
Sと、非基準状態における吸入空気量QDの検出値とを
比較して排気ガス還流動作が異常か否かを判定するよう
にしたので、EGR異常の有無を精度良く判定すること
ができる。
【0047】尚、上記第1実施例では、定常加速状態で
あるか否かの判定を、エアフローメータ30により逐次
検出される吸入空気量QA,QB,QC(図3参照)の
変化が直線的な変化であるか否かで判定するようにした
が、これ以外のエンジン1の運転状態を示すパラメータ
となる例えばエンジン回転数Ne,スロットル開度θ,
吸気管圧力のいずれかによって判定しても良く、勿論、
これらの中から2つ以上のデータを組み合わせて総合的
に判定するようにしても良い。
【0048】ところで、図10に示すように、定常加速
判定中にスロットル開度が変化すると、検出時点,
における吸入空気量の検出値QB,QCが定常加速時
(スロットル開度が変化しない場合)の値QBT,QC
Tから変化し、その変化量が所定値を越えると、前述し
たステップ117,118により、定常加速状態でない
と判定されてしまい、定常加速の判定を繰り返すことに
なる。また、図10に示すように、EGRバルブ25を
閉鎖して吸入空気量QDを検出する時点のスロットル
開度θDが最初の検出時点のスロットル開度θAから
変化すると、前述したステップ125で求める吸入空気
量変化量ΔQが変化してしまい、異常判定精度が低下し
てしまう。
【0049】そこで、図10乃至図13に示す本発明の
第2実施例では、時点,,,において、吸入空
気量QA,QB,QC,QDを検出するごとに、スロッ
トル開度センサ31(スロットル開度検出手段)により
スロットル開度θA,θB,θC,θDを検出し、スロ
ットル開度θB,θC,θDが最初の検出時点のθA
から変化しているときには、当該検出時点における吸入
空気量の検出値QB,QC,QDを、仮にスロットル開
度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値Q
BT,QCT,QDTに補正する。
【0050】以下、前記第1実施例と異なる処理につい
て説明する。図11乃至図13に示すように、ステップ
107,111,115,123で、吸入空気量QA,
QB,QC,QDを読み込むごとに、ステップ107
a,111a,115a,123aで、スロットル開度
θA,θB,θC,θDを読み込む。そして、ステップ
117aで、スロットル開度θBを次のようにして補正
する。まず、時点におけるスロットル開度θBと時点
におけるスロットル開度θAとの差ΔθBを算出し、
そのスロットル開度変化量ΔθBに基づき、時点にお
けるスロットル開度θBが時点で読み込んだスロット
ル開度θAであるとしたときの吸入空気量QBTを次式
により推定する。
【0051】QBT=QB−ΔθB×KQθ 上式により、時点で読込んだ吸入空気量QBから、時
点と時点でのスロットル開度変化量ΔθBに定数k
Qθを乗算した値(スロットル開度変化量ΔθBに伴う
吸入空気量変化)を減算し、時点にてスロットル開度
θBが時点でのスロットル開度θAであったとしたと
きの吸入空気量QBTを求める。ここでkQθは予め設
定されたスロットル開度θの変化に伴う吸入空気量変化
量(例えば1.5g/sec/deg)である。この値
は、EGR異常判定を実行するエンジン運転状態に応じ
て設定する。
【0052】続いてステップ117bで、図10の時点
におけるスロットル開度θCと時点におけるスロッ
トル開度θAとの差ΔθCを求め、そのスロットル開度
変化量ΔθCに基づき、時点におけるスロットル開度
θCが時点で読込んだスロットル開度θAであったと
したときの吸入空気量QCTを次式より推定する。
【0053】QCT=QC−ΔθC×KQθ 上式により、時点で読み込んだ吸入空気量QCから、
時点と時点でのスロットル開度変化量ΔθCに定数
kQθを乗算した値(スロットル開度変化量ΔθCに伴
う吸入空気変化量)を減算し、時点にてスロットル開
度θCが時点でのスロットル開度θAであったとした
ときの吸入空気量QCTを求める。
【0054】この後、ステップ117cで、定常加速判
定を行うため、ステップ107で読み込んだ吸入空気量
QAとステップ117aで求めた吸入空気量補正値QB
Tとから定常加速時に時点にて得られるはずのQCS
を次式により求める。
【0055】QCS=QBT−QA+QBT すなわち、定常加速状態では、吸入空気量Qの変化が略
直線的になるため、上式により、QA,QBTで求めた
吸入空気量変化の直線延長線上において時点における
QCSを求める。本実施例ではt1,t2を等しく設定
しているため、上式を補正する必要はないが、t1,t
2が異なる場合は次式によりt1,t2の時間割合に応
じた補正を行ってQCSを求める。
【0056】 QCS=(QBT−QA)×t2/t1+QBT このようにして求めたQCSとステップ117bで補正
した吸入空気量QCTとの差の絶対値をΔQCとする。
【0057】次いで、ステップ118で、ΔQCが所定
値kQC以下であるか否かを判断する。もし、定常加速
状態であれば、吸入空気量は略直線的に増加するため、
吸入空気量QCはQA,QBTから直線延長して求めた
QCSとほぼ等しくなり、ΔQCは0に近くなる。従っ
て、ΔQCが大きいということはQA,QBT,QCT
が直線的に変化していないことを意味し、定常加速状態
にないと判断できる。ここで、所定値kQCは予め設定
される定常加速状態を判定する許容変動幅であり、例え
ば0.1g/sec と設定する。
【0058】上述したステップ118にて、定常加速状
態でないと判定された場合、つまりΔQC>kQCの場
合には、ステップ119aへ移行して、既に読み込まれ
た吸入空気量QCの記憶値をQAへ移し替えると共に、
スロットル開度θCの記憶値をθAへ移し替え、ステッ
プ119bで、フラグカウンタXを1にセットして、一
旦処理を終了する。この後、再び処理を実行したときに
は、ステップ104からステップ105へ移行し、続い
てステップ110へ移行する。タイマは前回処理時にス
テップ116でクリアされているので、前述したQC,
θC(ステップ119aでQA,θAへ移行済み)を読
み込んでからの所定時間t1が経過したか否かをステッ
プ110にて判定する。この後、所定時間t1が経過す
ると、吸入空気量QBとスロットル開度θBを読み込み
(ステップ111,111a)、更に所定時間t2が経
過すると、吸入空気量QCとスロットル開度θCを読み
込んで(ステップ115,115a)、再度、ステップ
117a〜117cで、再度、吸入空気量QB,QCを
補正してΔQCを求め、定常加速状態であるか否かを判
定する。
【0059】以上の処理により、定常加速状態と判定さ
れると、EGRバルブ25を閉鎖し(ステップ12
1)、図10の時点で、吸入空気量QDとスロットル
開度θDを読み込んで(ステップ123,123a)、
ステップ123bに移行し、時点におけるスロットル
開度θDと時点におけるスロットル開度θAとの差Δ
θDを算出し、そのスロットル開度変化量ΔθDに基づ
き、時点におけるスロットル開度θDが時点で読み
込んだスロットル開度θAであるとしたときの吸入空気
量QDTを次式により推定する。
【0060】QDT=QD−ΔθD×KQθ 上式により、時点で読み込んだ吸入空気量QDから、
時点と時点でのスロットル開度変化量ΔθDに定数
kQθを乗算した値(スロットル開度変化量ΔθDに伴
う吸入空気変化量)を減算し、時点にてスロットル開
度θDが時点でのスロットル開度θDであったとした
ときの吸入空気量QDTを求める。本実施例では、上記
ステップ117a,117b,123bの処理が、特許
請求の範囲でいう吸入空気量補正手段として機能する。
【0061】この後、ステップ124aで、図10の時
点から時点に至る間も、仮にEGRバルブ25が開
放(オン)状態に保持され且つ定常加速状態が継続され
たとした場合に、時点で得られるであろう吸入空気量
(以下推定吸入空気量と称する)QDSを次式により算
出する。
【0062】 QDS=(QCT−QA)×t3/(t1+t2)+Q
CT すなわち、定常加速状態では、吸入空気量Qの変化が略
直線的になるため、上式により、QA,QCTで求めた
吸入空気量変化の直線延長線上において時点における
QDSを求める。
【0063】この後、ステップ125aで、吸入空気量
QDの補正値QDTより推定吸入空気量QDSを差し引
いて変化量ΔQを算出する。この変化量ΔQが、EGR
バルブ25を閉鎖(オフ)したことによる吸入空気量Q
の変化であり、この変化量ΔQをステップ126で求め
た異常判定レベルαと比較することにより、EGR装置
46の異常の有無を判定する(ステップ127)。
【0064】尚、各検出時点,,において検出し
たスロットル開度θB,θC,θDが最初の検出時点
のスロットル開度θAから変化していない場合には、ス
テップ117a,117b,123bにおいて、ΔθB
=0,ΔθC=0,ΔθD=0となり,QBT=QB,
QCT=QC,QDT=QDとなる。この場合には、各
検出時点,,において検出した吸入空気量QB,
QC,QDが補正されず、第1実施例と同じ処理とな
る。
【0065】以上説明した第2実施例によれば、検出時
点,,において検出したスロットル開度θB,θ
C,θDが最初の検出時点のスロットル開度θAから
変化しているときには、当該検出時点,,におけ
る吸入空気量の検出値θB,θC,θDを、仮にスロッ
トル開度の変化が無かったとした場合に得られるであろ
う値QBT,QCT,QDTに補正するようにしたの
で、定常加速状態とみなせる範囲を拡大することができ
て、定常加速の判定回数を少なくすることができると共
に、エンジン1の運転状態が多少変化したとしても、検
出時点における吸入空気量の推定値QDSを精度良く
求めることができ、この推定値QDSを補正値QDTと
比較することで、EGR装置46の異常の有無を一層精
度良く判定することができる。
【0066】前記各実施例では、EGRバルブ25の開
閉に伴う吸入空気量の変化量によりEGR装置46の異
常の有無を判定するようにしたが、吸入空気量は吸気管
圧力に応じて変化するので、吸入空気量に代えて、吸気
管圧力を検出する吸気管圧力センサ(吸気管圧力検出手
段)を吸気管3に設け、この吸気管圧力センサにより検
出した吸気管圧力を、前記各実施例における吸入空気量
に置き換えて処理しても、異常の判定を精度良く行うこ
とができる。この場合、前記第2実施例のステップ11
7a,117b,123bにおいて、スロットル開度変
化に伴う吸入空気量変化量を補正する定数kQθを、ス
ロットル開度変化に伴う吸気管圧力変化量を補正する定
数kPθに置き換える。この定数kQθ(又はkPθ)
は前記第2実施例のように一定値でも良いが、EGR異
常判定期間中のエンジン運転条件により設定(例えばエ
ンジン回転数Neによるテーブルにより設定)すれば、
スロットル開度変化に伴う吸入空気量変化量(又は吸気
管圧力変化量)の補正を一層精度良く行うことができ
る。
【0067】また、前記第2実施例では、EGR異常判
定期間中にスロットル開度が全く変化しない場合でも、
ステップ117a,117b,123bの処理を実行し
て、吸入空気量の補正値QBT,QCT,QDTを算出
するようにした(この場合でもスロットル開度が変化し
ないときにはQBT=QB,QCT=QC,QDT=Q
Dと算出される)が、スロットル開度が変化しない場合
には、QBT,QCTの演算を行わずに、制御回路41
のRAM(記憶手段)に記憶されているQB,QC,Q
DをそのままQBT,QCT,QDTとして用いて、以
降の異常判定処理を行うようにしても良い。
【0068】また、前記各実施例では、EGRバルブ2
5を開放した状態を基準状態とし、EGRバルブ25を
閉鎖した状態を非基準状態とし、EGR異常判定期間中
にEGRバルブ25を開放から閉鎖へ切り替えたが、こ
れとは反対に、EGRバルブ25を閉鎖した状態を基準
状態とし、EGRバルブ25を開放した状態を非基準状
態とし、EGR異常判定期間中にEGRバルブ25を閉
鎖から開放へ切り替えるようにしても良い。
【0069】また、前記第2実施例では、スロットル開
度をスロットル開度センサ31により検出するようにし
たが、スロットル開度はアクセル開度(アクセルペダル
の踏込み量)に応じて変化するため、アクセル開度セン
サによりアクセル開度を検出し、このアクセル開度から
スロットル開度を判定するようにしても良い。この場
合、アクセル開度センサは、スロットル開度を間接的に
検出するスロットル開度検出手段として機能する。
【0070】また、前記実施例では、EGRバルブ25
の開度を吸気管圧力で駆動するバキュームサーボ型のE
GRバルブを用いたが、ステップモータ等の他の駆動源
で動作するEGRバルブを用いるようにしても良い。
【0071】その他、本発明は、EGR装置46の異常
を警告する手段として、警告ランプ47に代えて、ブザ
ー等、音で警告するものを採用しても良い等、要旨を逸
脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うま
でもない。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、定常加速状態と判定される
まで開閉手段を基準状態に維持し、定常加速状態と判定
されて初めて開閉手段を非基準状態へ切り替えるので、
機関運転状態が定常加速状態で安定するのを待ってEG
R異常の判定を行うことができる。このため、従来のよ
うに異常判定の判定結果が出るまでに基準状態と非基準
状態との切り替えを何回も繰り返すという事態を避ける
ことができて、エミッションへの悪影響を最小限に抑え
ることができる。しかも、非基準状態における吸入空気
量の検出時点においても、定常加速状態が継続され且つ
開閉手段が基準状態に保持されたとした場合に得られる
であろう吸入空気量を、基準状態における複数の検出時
点の吸入空気量の記憶値に基づいて推定し、この推定値
と、非基準状態における吸入空気量の検出値とを比較し
て排気ガス還流動作が異常か否かを判定するようにした
ので、EGR異常の有無を精度良く判定することができ
る。
【0073】更に、請求項2では、吸入空気量検出手段
により逐次検出される吸入空気量の変化具合によって定
常加速状態であるか否かを判定するようにしたので、上
述した吸入空気量の推定値を求めるデータを定常加速状
態を判定するデータとしても利用することができ、効率
的なデータ処理が可能となる。
【0074】また、請求項3では、定常加速状態と判定
されるまで、吸入空気量検出手段により逐次検出される
吸入空気量を記憶手段に記憶しつつ定常加速の判定を繰
り返すようにしたので、定常加速状態になるまで連続的
に定常加速の判定を繰り返すことができて、定常加速状
態となったときに直ちに開閉手段を非基準状態に切り替
えてEGR異常の有無を判定することができる。
【0075】更に、請求項4では、検出したスロットル
開度が先の検出時点から変化しているときには、当該検
出時点における吸入空気量の検出値を、仮にスロットル
開度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値
に補正するようにしたので、定常加速状態とみなせる範
囲を拡大することができて、定常加速の判定回数を少な
くすることができると共に、機関運転状態が多少変化し
たとしても、推定手段による吸入空気量の推定値を精度
良く求めることができて、EGR異常の有無を一層精度
良く判定することができる。
【0076】また、吸入空気量は吸気管圧力に応じて変
化するので、請求項5のように吸入空気量に代えて吸気
管圧力を検出して、請求項1と同様の処理を行っても、
請求項1と同じ効果を得ることができる。
【0077】更に、請求項6乃至8のように、吸入空気
量に代えて吸気管圧力を用いて請求項2乃至4と同様の
処理を行っても、請求項2乃至4と同じ効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応する構成を示すブロッ
ク図
【図2】本発明の請求項5に対応する構成を示すブロッ
ク図
【図3】異常判定処理期間中の運転状態の変化の一例を
示すタイムチャート
【図4】本発明の第1実施例におけるシステム全体の概
略構成を示す図
【図5】車両加速時における運転状態の変化の一例を示
すタイムチャート
【図6】第1実施例のEGR異常判定ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その1)
【図7】第1実施例のEGR異常判定ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その2)
【図8】第1実施例のEGR異常判定ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その3)
【図9】吸入空気量Qと異常判定レベルαとの対応関係
を表すマップの図
【図10】本発明の第2実施例における異常判定処理期
間中の運転状態の変化の一例を示すタイムチャート
【図11】第2実施例のEGR異常判定ルーチンの処理
の流れを示すフローチャート(その1)
【図12】第2実施例のEGR異常判定ルーチンの処理
の流れを示すフローチャート(その2)
【図13】第2実施例のEGR異常判定ルーチンの処理
の流れを示すフローチャート(その3)
【図14】従来の異常判定処理を説明するためのタイム
チャート
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、2…排気管、3…吸気管、
11…内燃機関、12…吸気管、13…排気ガス還流通
路、14…開閉手段、15…吸入空気量検出手段、16
…記憶手段、17…定常加速判定手段、18…開閉制御
手段、19…推定手段、20…異常判定手段、21…吸
気管圧力検出手段、24…排気ガス還流通路、25…E
GRバルブ(開閉手段)、30…エアフローメータ(吸
入空気量検出手段)、31…スロットル開度センサ(ス
ロットル開度検出手段)、41…制御回路(記憶手段,
定常加速判定手段,推定手段,異常判定手段,吸入空気
量補正手段)、46…EGR装置、47…警告ランプ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から排出される排気ガスの一部
    を吸気管へ還流させる排気ガス還流通路を開閉する開閉
    手段と、 前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手
    段と、 前記開閉手段を開閉して開状態又は閉状態のいずれか一
    方を基準状態、他方を非基準状態とし、前記吸入空気量
    検出手段の検出信号に基づいて基準状態と非基準状態の
    各々の検出時点における吸入空気量を記憶する記憶手段
    と、 前記内燃機関の運転状態が定常加速状態であるか否かを
    判定する定常加速判定手段と、 この定常加速判定手段により定常加速状態と判定された
    ときに前記開閉手段を基準状態から非基準状態に切り替
    える開閉制御手段と、 前記非基準状態における吸入空気量の検出時点において
    も、定常加速状態が継続され且つ前記開閉手段が基準状
    態に保持されたとした場合に得られるであろう吸入空気
    量を、前記記憶手段から得られる前記基準状態における
    複数の検出時点の吸入空気量の記憶値に基づいて推定す
    る推定手段と、 この推定手段による推定値と、非基準状態における吸入
    空気量の検出値とを比較して排気ガス還流動作が異常か
    否かを判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とす
    る排気ガス還流装置。
  2. 【請求項2】 前記定常加速判定手段は、前記吸入空気
    量検出手段により逐次検出される吸入空気量の変化具合
    によって定常加速状態であるか否かを判定することを特
    徴とする請求項1に記載の排気ガス還流装置。
  3. 【請求項3】 前記定常加速判定手段により定常加速状
    態と判定されるまで、前記吸入空気量検出手段により逐
    次検出される吸入空気量を前記記憶手段に記憶しつつ前
    記定常加速判定手段による定常加速の判定を繰り返すこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス還流装
    置。
  4. 【請求項4】 前記吸入空気量検出手段により吸入空気
    量を検出する毎に前記内燃機関のスロットル開度を検出
    するスロットル開度検出手段と、 このスロットル開度検出手段により検出したスロットル
    開度が先の検出時点から変化しているときには、当該検
    出時点における吸入空気量の検出値を、仮にスロットル
    開度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値
    に補正する吸入空気量補正手段とを備えていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排気ガス還
    流装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関から排出される排気ガスの一部
    を吸気管へ還流させる排気ガス還流通路を開閉する開閉
    手段と、 前記内燃機関の吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手
    段と、 前記開閉手段を開閉して開状態又は閉状態のいずれか一
    方を基準状態、他方を非基準状態とし、前記吸気管圧力
    検出手段の検出信号に基づいて基準状態と非基準状態の
    各々の検出時点における吸気管圧力を記憶する記憶手段
    と、 前記内燃機関の運転状態が定常加速状態であるか否かを
    判定する定常加速判定手段と、 この定常加速判定手段により定常加速状態と判定された
    ときに前記開閉手段を基準状態から非基準状態に切り替
    える開閉制御手段と、 前記非基準状態における吸気管圧力の検出時点において
    も、定常加速状態が継続され且つ前記開閉手段が基準状
    態に保持されたとした場合に得られるであろう吸気管圧
    力を、前記記憶手段から得られる前記基準状態における
    複数の検出時点の吸気管圧力の記憶値に基づいて推定す
    る推定手段と、 この推定手段による推定値と、非基準状態における吸気
    管圧力の検出値とを比較して排気ガス還流動作が異常か
    否かを判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とす
    る排気ガス還流装置。
  6. 【請求項6】 前記定常加速判定手段は、前記吸気管圧
    力検出手段により逐次検出される吸気管圧力の変化具合
    によって定常加速状態であるか否かを判定することを特
    徴とする請求項5に記載の排気ガス還流装置。
  7. 【請求項7】 前記定常加速判定手段により定常加速状
    態と判定されるまで、前記吸気管圧力検出手段により逐
    次検出される吸気管圧力を前記記憶手段に記憶しつつ前
    記定常加速判定手段による定常加速の判定を繰り返すこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載の排気ガス還流装
    置。
  8. 【請求項8】 前記吸気管圧力検出手段により吸気管圧
    力を検出する毎に前記内燃機関のスロットル開度を検出
    するスロットル開度検出手段と、 このスロットル開度検出手段により検出したスロットル
    開度が先の検出時点から変化しているときには、当該検
    出時点における吸気管圧力の検出値を、仮にスロットル
    開度の変化が無かったとした場合に得られるであろう値
    に補正する吸気管圧力補正手段とを備えていることを特
    徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の排気ガス還
    流装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011169200A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Toyota Motor Corp 排気還流装置の異常検出装置

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