JP3873704B2 - カムピース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、組み立て式カムシャフトのカムピースに関する。
【0002】
【従来の技術】
組み立て式カムシャフトは、これまで鋳造法や鍛造法によりカムピース(カムロブとも称する)とシャフトが一体的に成形されていたカムシャフトに対して、焼結法などによりカムピースを別に製作し、これにシャフトを結合することでカムシャフトとするもので、製造コストの低減や軽量化を図ることを目的に開発されている。
【0003】
この組み立て式カムシャフトの製造方法は、たとえば焼結合金などによりカムノーズ部とベースサークルとを一体成形した中空カムピースを製作し、このカムピースのベースサークル内周に合わせたパイプをベースサークル内に挿入した後に、バルジ加工やマンドレル加工などの拡管法によりパイプを膨出させて、パイプをカムピースに結合させている。
【0004】
ところが、このような組み立て式カムシャフトでは、ベースサークル内に挿入したパイプを拡管させる時に、カムピースに内側から大きな力が加わるため、クラックが発生するといった問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、たとえば特開平10−339110号公報には、カムピースを、その外周部の表面硬さより内周部の硬さの方が低くなるよう熱処理して、シャフト拡管時の応力を内周部の硬度が低い部分で受けることによりクラックの発生を防止することが開示されている。
【0006】
また、特開平6−106267号公報には、カムピースを焼結法ではなく、厚さがほぼ均等な中空部材により成形し、ベースサークルの内周部に設ける回転止めの位置をベースサークルと曲率が異なる円部を除く部位に設けることで、回転止め部分への応力集中を避けて、クラックの発生を防止することが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の特開平10−339110号公報に開示されている方法では、カムピースを硬度の異なる二重構造としなければならず、このために複雑な熱処理工程が必要となることから、組み立て式カムシャフトの主目的の一つである製造コスト低減効果が損なわれてしまうという問題がある。
【0008】
また、特開平6−106267号公報では、ほぼ均等な肉厚の中空材によりカムピースを製作していることから、回転止め以外の部分にもクラックが発生する可能性があり、特に、この方法を焼結法に適用した場合には、カムノーズ部もベースサークルと厚みが同じであることから、パイプの拡管時に加わる力によってカムノーズ部にもクラックが発生してしまう可能性がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、組み立て式カムシャフトのカムピースにおいて、製造コストの増加を招くことなく、カムピースのベースサークル内に挿入したパイプ拡管時におけるクラックの発生を防止することのできるカムピースを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の構成により達成される。
【0011】
(1)カムノーズ部とカムベース部とからなり、前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、該切り欠きは、前記ベースサークルの穴部内周面から該穴部の径方向に前記凹部よりも深く形成されており、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。
【0012】
(2)前記切り欠きは、先端が円弧状であることを特徴とする。
【0013】
(3)前記切り欠きは、先端が矩形状であることを特徴とする。
【0014】
(4)前記切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅と同じであり、前記切り欠きは、複数の前記凹部とともに前記ベースサークルの穴部内周面に等間隔となるように設けられていることを特徴とする。
【0015】
(5)前記切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅より小さいことを特徴とする。
【0016】
(6)前記カムピースは、焼結法により製作されたものであることを特徴とする。
【0017】
(7)カムノーズ部とカムベース部とからなり、前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、該切り欠きは、V字形状であって、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。
【0018】
(8)カムノーズ部とカムベース部とからなり、前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、該切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅より小さく、該切り欠きは、複数の前記凹部の配置間隔とは異なる位置に設けられており、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、請求項ごとに以下の効果を奏する。
【0020】
請求項1記載の本発明によれば、ベースサークルに切り欠きを設けることで、ベースサークルにパイプ挿入後パイプを拡管したときに、ベースサークルの穴部内周面から外周面までの距離が最も短くなる部分における応力集中を緩和してクラックの発生を防止することができる。また、切り欠きを設けることで、その分カムピースの重量を軽くすることができる。
【0021】
請求項2記載の本発明によれば、切り欠き先端を円弧形状としたので、なだらかな形状により切り欠きが構成されるため、カムピース全体の強度を高くすることができる。特に、焼結法によりカムピースを成形する場合には、角部がないことから焼結前の焼結合金成形時における成形品の安定性がよい。
【0022】
請求項3記載の本発明によれば、切り欠き先端を矩形状としたので、寸法管理が容易である。
【0023】
請求項4記載の本発明によれば、切り欠きの開口幅を凹部の開口幅と同じにして、複数の凹部とともにベースサークルの穴部内周面に等間隔となるように配置することで、切り欠き自体に回転止めの凹部としての機能を持たせることができ、切り欠きを設けたことによるパイプとベースサークルとの接触面積の減少をなくすことができる。
【0024】
請求項5記載の本発明によれば、切り欠きの開口幅を凹部の開口幅より小さくしたので、切り欠きを設けたことによるパイプとベースサークル穴部内周面との接触面積の減少を必要最小限に抑えることができる。
【0025】
請求項6記載の本発明によれば、カムピースが焼結法により製作されたものとしたので、切り欠きを設けることでその分の焼結合金を節約することができる。
【0026】
請求項7記載の本発明によれば、切り欠きをV字形状としたので、切り欠きに応力集中を起こさせやすくなり、小さな切り欠きで、十分な応力緩和効果をもたらすことができる。
請求項8記載の本発明によれば、切り欠きの開口幅を凹部の開口幅より小さくして、複数の凹部の配置間隔とは異なる位置に配置したので、切り欠きを凹部の配設位置に設けることができない場合でも、切り欠きを設けたことによるパイプとベースサークルの穴部内周面との接触面積の減少を必要最小限に抑えることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適当した第1の実施の形態における組み立て式カムシャフトのカムピースを、シャフトとなるパイプの挿入方向から見た図面である。
【0029】
このカムピース1は、焼結合金を用いて焼結法により製作したもので、カムノーズ部11とカムベース部12からなる。
【0030】
カムベース部12には、シャフトとなるパイプを挿入するための穴部を持つベースサークル13がある。このベースサークル13の穴部内周面には、回転止めとなる凹部14が7個と、ベースサークル13からカムノーズ部11方向に空間が連続する切り欠き21が設けられている。
【0031】
切り欠き21は、凹部14とともに回転止めの一つとして機能し、かつ、後述するように、パイプ結合の際におけるパイプの拡管時に各凹部14における応力集中を緩和させるためのものである。
【0032】
この切り欠き21の設置位置は、ベースサークル13の穴部内周面に設置されている凹部14とともに等間隔の位置にある。
【0033】
切り欠き21の開口幅Aは、凹部14の開口幅Uと同じにしてある。また、切り込み21の深さBは、凹部14の深さWより深く、かつ、この切り込み12による空間の先端から外周面までの距離(残し部分と称する)Cが、ベースサークル13の穴部内周面から外周面までの距離のうち最も短くなっている部分、ここでは凹部14の先端から外周面までの距離(最短部と称する)Xよりも長くなるようにしている。
【0034】
切り込み部21のこのような条件は、まず、開口幅を凹部14と同じくすることで、拡管時において拡管される部分の面積を凹部14と変化させずに、不要な力や外径の変化などを発生させないようにするためである。これは、開口幅があまり大きいと、切り込みを設けたことにより強度不足が発生したり、またパイプとベースサークル穴部内周面との接触面積が少なくなり、パイプとベースサークルとの接合強度が低下したりするので、切り欠き21の開口幅を凹部14の開口幅と同じにしたものである。
【0035】
さらに、切り欠き21の開口幅を凹部14の開口幅と同じにすることで、拡管時にマンドレルを使用する場合には、従来(切り込みを設けていないもの)から用いているマンドレルをそのまま使用することができる。
【0036】
切り込み深さBを凹部深さWより深くするのは、切り込み深さが凹部より浅いと回転止めとして機能しなくなるためである。その一方で、残し部分Cを最短部Xよりも長くするのは、この切り欠き21を設けた部分に応力が集中するため、もし残し部分Bが最短部Xより短くなると、切り込み21を設けた部分が破損する恐れがあり、好ましくないからである。
【0037】
この切り込み21の形状は、端部を円弧状にしている。このように端部を円弧状にすることで、焼結法において、焼結合金を金型に充填した後、金型から焼結前成形物を取り出したときに、成形割れを発生しにくくすることができる。
【0038】
図2は、このように切り欠きを設けたカムピースと、シャフトとなるパイプを接合する工程を示す概略図である。ここでは、カムピース1とパイプ51を接合する方法の一例として、図示するようにマンドレル52を用いた方法を示す。
【0039】
マンドレル52を用いた方法では、カムピース1にパイプ51を挿入後、カムピース1をパイプ51の所定の位置に位置決めする。そして、パイプ51内にマンドレル52を挿入する。このときマンドレル52の角部分は、カムピース1に設けられている凹部14と切り欠き21に合うように向けられている。
【0040】
マンドレル52の挿入に伴いマンドレル52の角部がパイプ51を拡管して、凹部14および切り欠き21に、拡管されたパイプ51の一部が嵌合し、カムピース1とパイプ51が接合される。
【0041】
なお、このようなカムピース1とパイプ51の接合には、マンドレルを用いるほか、液圧や空圧によるバルジ加工を用いてもよい。
【0042】
次に、本第1の実施の形態の切り欠きを設けたカムピースと、従来の切り欠きを設けていないカムピースについて、上述したマンドレル加工を行った際にカムピースに加わる応力をシミュレーションした結果を説明する。
【0043】
図3は従来のカムピースにおける応力シミュレーションの結果を示す概略図であり、図4は本第1の実施の形態のカムピースにおける応力シミュレーションの結果を示す概略図である。なお、図3および図4ともに、カムピースのベースサークル内が見渡せるように、カムピースの半分のみを示している。
【0044】
まず、図3に示した従来のカムピースでは、シミュレーションの結果、マンドレルの挿入にともなって、各凹部14の先端から外周までの距離が最も短くなっている部分に大きな応力が加わっている。図3においては、この部分の色が濃くなって強い応力が加わっていることを示している。
【0045】
これに対して、図4に示した本実施の形態のカムピースでは、切り欠き21部分に応力が集中することで、カムピース全体に応力が分散し、均一化が図られて、凹部14にかかっていた応力が緩和されている。図4においては、前記の図3と比較して、凹部14部分の色が薄くなり応力が緩和されていることを示している。なお、応力の集中した切り欠き21による残し部分は、カムピースのなかで最も内周面から外周面までの距離が長くなっている部分であるため、この応力集中によるクラックの発生はない。
【0046】
このように、シミュレーションの結果からも、本第1の実施の形態のごとくカムピースに切り欠きを設けることで、これまで穴部内周面から外周面までの距離が短く、拡管時にクラック発生の恐れがあった凹部部分の応力を緩和できることがわかる。
【0047】
そして、このように凹部部分での応力を緩和することができるため、カムピースを成形するための焼結合金材料としては、比較的安価な合金材料を用いればよいので、より一層のコスト低減効果を期待することができる。
【0048】
また、カムピースに切り欠きを設けることで、その分の重量が軽くなり、カムピースの軽量化を図ることができる。さらには、焼結法の場合、この切り欠きの分だけ材料を節約できることになり、材料コストの低減化にも寄与することができる。
【0049】
さらに、切り欠きは、ベースサークルの空間から連続しているため、複数の形状が分離したような特殊な金型を用いる必要がないので、金型制作費についても従来並みとすることができる。
【0050】
以上本発明を適用した一実施の形態を説明したが、本発明における切り欠き形状は、さまざまな形とすることが可能である。そこで、以下では、切り欠き形状の異なる実施の形態を説明する。
【0051】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【0052】
本第2の実施の形態は、カムピース2に設けた切り欠き22の形状を、図示するように、切り欠き先端を矩形状とし、切り欠き全体がほぼ長方形となるようにしたものである。なお、その他の構成は前述した実施の形態と同様であり、特に、切り欠き22の大きさは、開口幅が凹部14の開口幅と同じであり、切り欠きの深さは、凹部14より深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。
【0053】
このように、長方形の切り欠き22を設けたカムピース2は、前述した第1の実施の形態と同じく、拡管時における凹部14の応力集中を緩和することができるとともに、切り欠き22の形状が長方形であることから、焼結に用いる金型の寸法管理や製作が容易になる。
【0054】
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【0055】
本第3の実施の形態は、カムピース3に設けた切り欠き23の形状を図示するようにV字形としたものである。なお、その他の構成は前述した実施の形態と同様であり、特に、切り欠き23の大きさは、開口幅が凹部14の開口幅と同じであり、切り欠きの深さは、凹部より深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。
【0056】
このように、V字形の切り欠き23を設けたカムピース1は、先端形状が小さいため、この部分に全体の応力が集中しやすくなり、前述した第1の実施の形態や第2の実施の形態と比較して小さな切り欠きにより、凹部14に対する応力緩和効果を出すことができる。
【0057】
(第4の実施の形態)
図7は、第4の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【0058】
本第4の実施の形態は、図示するように、カムピース4に二つの切り欠き24aおよび24bを設けたものである。
【0059】
この切り欠き24aおよび24bは、回転止めの凹部14とは異なる位置に設けたものである。その開口幅Dは、凹部14の開口幅U以下でよく、上述した第1〜3の実施の形態のように、必ずしも同じにする必要はない。一方、切り欠きの深さEは、凹部14の深さより深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。
【0060】
これは、二つ設けた切り欠き24aおよび24bは、ともに回転止めとしての機能を持っていないため、その開口幅を凹部の開口幅と必ずしも合わせる必要がないのである。そしてこの場合は、開口幅が大きいと、パイプとベースサークル内周面との接触面積が少なくなり、パイプとベースサークルの接合強度が低下するので、できるだけ小さくすることが好ましい。なお、切り欠きの開口幅の下限は、ごくわずかでよく特に限定されないが、焼結に用いる金型の製作できる開口幅限界によって規定される。
【0061】
一方、切り欠きの深さは、あまり浅いと効果がなく、逆に、あまり深くして残し部分が最短部より短くなるようでは、この部分の強度不足となるので好ましくない。
【0062】
なお、二つの切り欠き24aおよび24bは、カムノーズ部11の先端を通る中心線Tに対して対象となる位置に、同じ形状で設ける必要がある。これは、もし二つの切り欠き24aおよび24bの設置位置や形状が異なる場合、カムとしての対象性が崩れてバランスが悪くなり、カムシャフトとして使用することができなくなるためである。
【0063】
このように、切り欠きを二つ設けても、前述した第1〜3の実施の形態と同様に、凹部14への応力集中を緩和することができる。
【0064】
なお、図7に示した切り欠き24aおよび24bは、その先端形状を円弧状としているが、これに代えて、長方形としたり、または、V字形としてもよい。
【0065】
(第5の実施の形態)
図8は、第5の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【0066】
このカムピース5は、回転止めの凹部14の位置が、前述した各実施の形態と異なり、カムノーズ部11の先端を通る中心線Tに対して対象となるように設けられているものであり、切り欠き25は中心線T上に設けている。
【0067】
この切り欠き24aおよび24bは、回転止めの凹部14とは別の位置に設けたものである。その開口幅Dは、凹部14の開口幅Wと同じか、小さければよく、上述した第1〜3の実施の形態のように、必ずしも同じにする必要はない。一方、切り欠きの深さは、凹部より深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。
【0068】
この場合、切り欠き25は、回転止めとしての機能を持っていないため、その開口幅を凹部の開口幅と必ずしも合わせる必要がない。しかしながら、前述した第4の実施の形態と同様に、開口幅が大きいと、パイプとベースサークル穴部内周面との接触面積が少なくなり、パイプとベースサークルとの接合強度が低下するので、その開口幅を凹部14の開口幅より小さくすることが好ましい。
【0069】
一方、切り欠きの深さは、前述した各実施の形態と同様に、凹部14より深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。
【0070】
このように、回転止めである凹部14の位置がカムノーズ部先端を通る中心線と異なる位置に設けられている場合には、1つの切り欠き25を設けることで、前述した第1〜4の実施の形態と同様に、凹部14への応力集中を緩和することができる。
【0071】
なお、図8に示した切り欠き25は、その先端形状を円弧状としているが、これに代えて、長方形としたり、または、V字形としてもよい。
【0072】
(第6の実施の形態)
図9は、第6の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【0073】
このカムピース6は、前述した第5の実施の形態と同様に、回転止めである凹部14の位置が、カムノーズ部11の先端を通る中心線Tに対して対象となるように設けられているものであり、二つの切り欠き26aおよび26bを凹部14とともにベースサークル13の穴部内周面に等間隔となるように設けたものである。
【0074】
この切り欠き26aおよび26bは、前述した第1の実施の形態と同様に、回転止めとしての機能も有するため、その開口幅は、凹部14の開口幅と同じにしてある。切り欠きの深さは、凹部より深く、かつ、残し部分が最短部より長くなるようにしている。また、二つの切り欠き26aおよび26bは、カムノーズ部11の先端を通る中心線Tに対して対象となる位置に、同じ形状で設けている。
【0075】
このように、回転止めである凹部14の位置がカムノーズ部先端を通る中心線と異なる位置に設けられている場合に、凹部14とともに等間隔となるように切り欠き26aおよび26bを設けることで、前述した第1〜5の実施の形態と同様に、凹部14への応力集中を緩和することができる。
【0076】
なお、図9に示した切り欠き26aおよび26bは、その先端形状を円弧状としているが、これに代えて、長方形としたり、または、V字形としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適当した第1の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【図2】 第1の実施の形態におけるカムピースとパイプを接合する工程を示す概略図である。
【図3】 従来のカムピースにおける応力シミュレーションの結果を示す概略図である。
【図4】 本第1の実施の形態のカムピースにおける応力シミュレーションの結果を示す概略図である。
【図5】 本発明を適当した第2の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【図6】 本発明を適当した第3の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【図7】 本発明を適当した第4の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【図8】 本発明を適当した第5の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【図9】 本発明を適当した第6の実施の形態におけるカムピースを示す図面である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5、6 カムピース
11 カムノーズ部
12 カムベース部
13 ベースサークル
14 凹部
21 切り欠き
51 パイプ
52 マンドレル
Claims (8)
- カムノーズ部とカムベース部とからなり、
前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、
前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、
前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、
該切り欠きは、前記ベースサークルの穴部内周面から該穴部の径方向に前記凹部よりも深く形成されており、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。 - 前記切り欠きは、先端が円弧状であることを特徴とする請求項1記載のカムピース。
- 前記切り欠きは、先端が矩形状であることを特徴とする請求項1記載のカムピース。
- 前記切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅と同じであり、前記切り欠きは、複数の前記凹部とともに前記ベースサークルの穴部内周面に等間隔となるように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカムピース。
- 前記切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカムピース。
- 前記カムピースは、焼結法により製作されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のカムピース。
- カムノーズ部とカムベース部とからなり、
前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、
前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、
前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、
該切り欠きは、V字形状であって、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。 - カムノーズ部とカムベース部とからなり、
前記カムベース部に形成され、シャフトとなるパイプが挿入される穴部を有したベースサークルと、
前記ベースサークルの穴部内周面に形成された複数の凹部と、
前記ベースサークルから前記カムノーズ部方向に空間が連続する切り欠きが設けられ、
該切り欠きの開口幅は、前記凹部の開口幅より小さく、該切り欠きは、複数の前記凹部の配置間隔とは異なる位置に設けられており、その先端から外周面までの距離が、前記各凹部の先端から外周面までの距離のうち最も短い距離よりも長く形成されていることを特徴とするカムピース。
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