JP3468084B2 - 組立型中空カムシャフトとその製造方法 - Google Patents
組立型中空カムシャフトとその製造方法Info
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- JP3468084B2 JP3468084B2 JP04716298A JP4716298A JP3468084B2 JP 3468084 B2 JP3468084 B2 JP 3468084B2 JP 04716298 A JP04716298 A JP 04716298A JP 4716298 A JP4716298 A JP 4716298A JP 3468084 B2 JP3468084 B2 JP 3468084B2
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- outer peripheral
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/02—Valve drive
- F01L1/04—Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
- F01L1/047—Camshafts
- F01L2001/0475—Hollow camshafts
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用エンジ
ン等の往復ピストン型エンジンに組み込む組立型中空カ
ムシャフトの改良に関し、中空軸に対するカムロブの結
合強度を、このカムロブに加わる応力を過大にする事な
く確保し、優れた耐久性を得られる組立型中空カムシャ
フトとその製造方法を実現するものである。
ン等の往復ピストン型エンジンに組み込む組立型中空カ
ムシャフトの改良に関し、中空軸に対するカムロブの結
合強度を、このカムロブに加わる応力を過大にする事な
く確保し、優れた耐久性を得られる組立型中空カムシャ
フトとその製造方法を実現するものである。
【０００２】
【従来の技術】往復ピストン型エンジンには、吸気弁及
び排気弁の開閉駆動を行なわせる為のカムシャフトを組
み込む。この様なカムシャフトを組み込んだ往復ピスト
ン型エンジンの小型・軽量化並びに耐久性向上を図る為
に組立型中空カムシャフト１を使用する事が、特開平８
−１０９８０９号公報、同８−１５８８１７号公報、同
９−１００７０３号公報等に記載されている様に、従来
から知られている。図４は、この様な組立型中空カムシ
ャフト１の１例を示している。
び排気弁の開閉駆動を行なわせる為のカムシャフトを組
み込む。この様なカムシャフトを組み込んだ往復ピスト
ン型エンジンの小型・軽量化並びに耐久性向上を図る為
に組立型中空カムシャフト１を使用する事が、特開平８
−１０９８０９号公報、同８−１５８８１７号公報、同
９−１００７０３号公報等に記載されている様に、従来
から知られている。図４は、この様な組立型中空カムシ
ャフト１の１例を示している。
【０００３】この組立型中空カムシャフト１は、炭素鋼
溶接鋼管等の金属材により円管状に形成した中空軸２
と、この中空軸２の端部に外嵌固定されたギヤ３等の回
転伝達部材と、この中空軸２の中間部外周面に外嵌固定
された複数個のカムロブ４、４とを備える。これら各カ
ムロブ４、４は、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙っ
て漸次変化させる事により、中心軸から外周面までの距
離を円周方向に亙って漸次変化させている。上述の様な
組立型中空カムシャフト１は、上記中空軸２を使用する
事による軽量化の他、構成各部に最適な材料を使用する
事により、上記ギヤ３及びカムロブ４、４の耐摩耗性向
上を図れる。尚、上記ギヤ３は、隣接して互いに平行に
配置した２本の組立型中空カムシャフト１同士の回転を
同期させる事を、チェン或はタイミングベルトによらず
に行なわせる事により、上記２本の組立型中空カムシャ
フト１を組み込んだエンジン（ＤＯＨＣ型エンジン）の
小型・軽量化を図る。この様なギヤ３は、必ずしも設け
るとは限らない。
溶接鋼管等の金属材により円管状に形成した中空軸２
と、この中空軸２の端部に外嵌固定されたギヤ３等の回
転伝達部材と、この中空軸２の中間部外周面に外嵌固定
された複数個のカムロブ４、４とを備える。これら各カ
ムロブ４、４は、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙っ
て漸次変化させる事により、中心軸から外周面までの距
離を円周方向に亙って漸次変化させている。上述の様な
組立型中空カムシャフト１は、上記中空軸２を使用する
事による軽量化の他、構成各部に最適な材料を使用する
事により、上記ギヤ３及びカムロブ４、４の耐摩耗性向
上を図れる。尚、上記ギヤ３は、隣接して互いに平行に
配置した２本の組立型中空カムシャフト１同士の回転を
同期させる事を、チェン或はタイミングベルトによらず
に行なわせる事により、上記２本の組立型中空カムシャ
フト１を組み込んだエンジン（ＤＯＨＣ型エンジン）の
小型・軽量化を図る。この様なギヤ３は、必ずしも設け
るとは限らない。
【０００４】上述の様な組立型中空カムシャフト１を造
る場合には、上記ギヤ３及びカムロブ４、４を上記中空
軸２の所定位置に外嵌した状態で、この中空軸２を拡径
する作業を行なう。即ち、上記中空軸２はエンジンのク
ランクシャフトとの間に掛け渡したチェン或はタイミン
グベルトにより回転駆動されるのに対して、上記ギヤ３
は相手ギヤとの噛合に基づき、上記各カムロブ４、４は
吸気弁或は排気弁に設けたバルブリフタ等との係合に基
づき、回転に対する制動力を加えられる。従って、上記
エンジンの運転時に上記中空軸２の外周面と上記ギヤ３
及びカムロブ４、４の内周面との嵌合部には、回転方向
に亙る大きな力（トルク）が作用する。そこで、この様
な力に拘らず上記ギヤ３及びカムロブ４、４が上記中空
軸２に対して回転するのを防止する為に、次の様にし
て、これらギヤ３及びカムロブ４、４を中空軸２の外周
面に外嵌固定している。
る場合には、上記ギヤ３及びカムロブ４、４を上記中空
軸２の所定位置に外嵌した状態で、この中空軸２を拡径
する作業を行なう。即ち、上記中空軸２はエンジンのク
ランクシャフトとの間に掛け渡したチェン或はタイミン
グベルトにより回転駆動されるのに対して、上記ギヤ３
は相手ギヤとの噛合に基づき、上記各カムロブ４、４は
吸気弁或は排気弁に設けたバルブリフタ等との係合に基
づき、回転に対する制動力を加えられる。従って、上記
エンジンの運転時に上記中空軸２の外周面と上記ギヤ３
及びカムロブ４、４の内周面との嵌合部には、回転方向
に亙る大きな力（トルク）が作用する。そこで、この様
な力に拘らず上記ギヤ３及びカムロブ４、４が上記中空
軸２に対して回転するのを防止する為に、次の様にし
て、これらギヤ３及びカムロブ４、４を中空軸２の外周
面に外嵌固定している。
【０００５】上記中空軸２に上記ギヤ３及びカムロブ
４、４を外嵌固定する作業は、図５に示す様な組立装置
５を使用して、図６（Ａ）（Ｂ）に示す様な拡管用パン
チ６を図７に示す様に上記中空軸２内に押し込み、この
中空軸２を図８に示す様に拡管する。上記組立装置５
は、それぞれが支柱７、７により支えられたギヤ支持テ
ーブル８とカムロブ支持テーブル９、９とを有する。拡
管すべき中空軸２は、これら各テーブル８、９の上面中
央部に、それぞれが円周方向に亙る位相並びに軸方向に
亙る位置を規制した状態で載置された上記ギヤ３及びカ
ムロブ４、４を貫通して鉛直方向に配置し、下端面を受
台１０の上面に突き当てている。又、上記ギヤ３及びカ
ムロブ４、４の内周面の円周方向複数個所には凹部１
１、１１を、図８〜９に示す様に、この内周面の全周に
亙り間欠的に、それぞれ軸方向に亙り形成している。
又、上記拡管用パンチ６の外周面には複数（上記各凹部
と同数）の突部１２、１２を、上記各凹部１１、１１の
位相と一致させて、それぞれ軸方向に亙り形成してい
る。
４、４を外嵌固定する作業は、図５に示す様な組立装置
５を使用して、図６（Ａ）（Ｂ）に示す様な拡管用パン
チ６を図７に示す様に上記中空軸２内に押し込み、この
中空軸２を図８に示す様に拡管する。上記組立装置５
は、それぞれが支柱７、７により支えられたギヤ支持テ
ーブル８とカムロブ支持テーブル９、９とを有する。拡
管すべき中空軸２は、これら各テーブル８、９の上面中
央部に、それぞれが円周方向に亙る位相並びに軸方向に
亙る位置を規制した状態で載置された上記ギヤ３及びカ
ムロブ４、４を貫通して鉛直方向に配置し、下端面を受
台１０の上面に突き当てている。又、上記ギヤ３及びカ
ムロブ４、４の内周面の円周方向複数個所には凹部１
１、１１を、図８〜９に示す様に、この内周面の全周に
亙り間欠的に、それぞれ軸方向に亙り形成している。
又、上記拡管用パンチ６の外周面には複数（上記各凹部
と同数）の突部１２、１２を、上記各凹部１１、１１の
位相と一致させて、それぞれ軸方向に亙り形成してい
る。
【０００６】上記中空軸２に上記ギヤ３及びカムロブ
４、４を外嵌固定するには、これら中空軸２とギヤ３及
びカムロブ４、４とを図５に示す様に組立装置５にセッ
トした状態で、上記中空軸２の上端開口から、芯金１３
の下端部に結合固定した上記拡管用パンチ６を押し込
む。この押し込み作業の結果、上記中空軸２が拡径され
て、この中空軸２の外周面と上記ギヤ３及びカムロブ
４、４の内周面とが強く当接し、これら両周面同士が摩
擦係合する。又、この拡管作業に伴い、上記中空軸２の
外周面で上記拡管用パンチ６の突部１２、１２に整合す
る部分の外径が特に大きくなる。そして、この外径が特
に大きくなった部分の一部と上記ギヤ３及びカムロブ
４、４の内周面に形成した凹部１１、１１の円周方向両
端縁１７、１７部分とが、強く摩擦係合すると共に、エ
ッヂ効果により噛み合う。この様にして上記ギヤ３及び
カムロブ４、４は、上記中空軸２の端部及び中間部に、
上記両周面同士の間に働く摩擦力、並びに上記凹部１
１、１１の円周方向両端縁１７、１７部分に働く、強い
摩擦力及びエッヂ効果による係合力に基づいて、しっか
りと固定され、上記ギヤ３及びカムロブ４、４が中空軸
２に対して相対回転する事もなくなる。
４、４を外嵌固定するには、これら中空軸２とギヤ３及
びカムロブ４、４とを図５に示す様に組立装置５にセッ
トした状態で、上記中空軸２の上端開口から、芯金１３
の下端部に結合固定した上記拡管用パンチ６を押し込
む。この押し込み作業の結果、上記中空軸２が拡径され
て、この中空軸２の外周面と上記ギヤ３及びカムロブ
４、４の内周面とが強く当接し、これら両周面同士が摩
擦係合する。又、この拡管作業に伴い、上記中空軸２の
外周面で上記拡管用パンチ６の突部１２、１２に整合す
る部分の外径が特に大きくなる。そして、この外径が特
に大きくなった部分の一部と上記ギヤ３及びカムロブ
４、４の内周面に形成した凹部１１、１１の円周方向両
端縁１７、１７部分とが、強く摩擦係合すると共に、エ
ッヂ効果により噛み合う。この様にして上記ギヤ３及び
カムロブ４、４は、上記中空軸２の端部及び中間部に、
上記両周面同士の間に働く摩擦力、並びに上記凹部１
１、１１の円周方向両端縁１７、１７部分に働く、強い
摩擦力及びエッヂ効果による係合力に基づいて、しっか
りと固定され、上記ギヤ３及びカムロブ４、４が中空軸
２に対して相対回転する事もなくなる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】従来の組立型中空カム
シャフトとその製造方法の場合には、各カムロブ４、４
の内周面に形成する凹部１１、１１の円周方向に亙る幅
寸法Ｗ11（図９）を互いに同じにし、且つ、円周方向に
亙り互いに等間隔で配置していた。従って、上記各カム
ロブ４、４と中空軸２との間に作用する捩り方向の力
（トルク）は、これら各カムロブ４、４の内周面と上記
中空軸２の外周面との摩擦係合と、上記各凹部１１、１
１の円周方向両端縁１７、１７部分のうち、回転方向に
応じて一方の端縁１７側の噛み合い部とにより、ほぼ均
等に支承する事になる。
シャフトとその製造方法の場合には、各カムロブ４、４
の内周面に形成する凹部１１、１１の円周方向に亙る幅
寸法Ｗ11（図９）を互いに同じにし、且つ、円周方向に
亙り互いに等間隔で配置していた。従って、上記各カム
ロブ４、４と中空軸２との間に作用する捩り方向の力
（トルク）は、これら各カムロブ４、４の内周面と上記
中空軸２の外周面との摩擦係合と、上記各凹部１１、１
１の円周方向両端縁１７、１７部分のうち、回転方向に
応じて一方の端縁１７側の噛み合い部とにより、ほぼ均
等に支承する事になる。
【０００８】これに対して、上記各カムロブ４、４の直
径方向に亙る肉厚は、図８から明らかな通り、円周方向
に亙って不均一である。又、前述の様に、中空軸２内に
拡管用パンチ６を押し込んで、この中空軸２の外周面と
上記各カムロブ４、４の内周面とを摩擦係合させると共
に、この中空軸２の一部外周面と上記各凹部１１、１１
の円周方向両端縁１７、１７部分とを係合させる際に、
この中空軸２には、断面の直径方向外方に向く力が加わ
る。そして、この力に基づき、上記各カムロブ４、４の
内径が押し広げられて、これら各カムロブ４、４の外周
部分に引っ張り応力が発生する。そして、この様にして
発生する引っ張り応力は、上記各カムロブ４、４のうち
で、直径方向に亙る肉厚が大きいノーズ部１６で小さ
く、肉厚が小さいベース円部１４で大きくなる。上記拡
管用パンチ６の押し込みに拘らず、上記各カムロブ４、
４の外周部分に加わる引っ張り応力が過大になる事を防
止し、これら各カムロブ４、４が破損するのを防止する
為には、これら各カムロブ４、４の肉厚との関係で、上
記ベース円部１４の外周部分での引っ張り応力が過大に
なる事を防止する必要がある。
径方向に亙る肉厚は、図８から明らかな通り、円周方向
に亙って不均一である。又、前述の様に、中空軸２内に
拡管用パンチ６を押し込んで、この中空軸２の外周面と
上記各カムロブ４、４の内周面とを摩擦係合させると共
に、この中空軸２の一部外周面と上記各凹部１１、１１
の円周方向両端縁１７、１７部分とを係合させる際に、
この中空軸２には、断面の直径方向外方に向く力が加わ
る。そして、この力に基づき、上記各カムロブ４、４の
内径が押し広げられて、これら各カムロブ４、４の外周
部分に引っ張り応力が発生する。そして、この様にして
発生する引っ張り応力は、上記各カムロブ４、４のうち
で、直径方向に亙る肉厚が大きいノーズ部１６で小さ
く、肉厚が小さいベース円部１４で大きくなる。上記拡
管用パンチ６の押し込みに拘らず、上記各カムロブ４、
４の外周部分に加わる引っ張り応力が過大になる事を防
止し、これら各カムロブ４、４が破損するのを防止する
為には、これら各カムロブ４、４の肉厚との関係で、上
記ベース円部１４の外周部分での引っ張り応力が過大に
なる事を防止する必要がある。
【０００９】この為従来は、上記拡管用パンチ６により
上記中空軸２の一部を拡管する程度を、上記各カムロブ
４、４のうち、最も肉厚が小さいベース円部１４を基準
に規制していた。即ち、このベース円部１４の外周部分
に加わる引っ張り応力が過大にならない程度に、上記拡
管用パンチ６の外周面に設けた突部１２、１２の形状及
び大きさを規制していた。この為、上記ベース円部１４
よりも肉厚が大きい、上記ノーズ部１６部分では、外周
部分に作用する引っ張り応力が低く、破壊応力に対して
十分過ぎる程の余裕がある。この為、上記各カムロブ
４、４全体としての、上記中空軸２に対する結合強度
を、許容限度まで大きくできないのが現状である。本発
明の組立型中空カムシャフトとその製造方法は、上述の
様な事情に鑑みて発明したものである。
上記中空軸２の一部を拡管する程度を、上記各カムロブ
４、４のうち、最も肉厚が小さいベース円部１４を基準
に規制していた。即ち、このベース円部１４の外周部分
に加わる引っ張り応力が過大にならない程度に、上記拡
管用パンチ６の外周面に設けた突部１２、１２の形状及
び大きさを規制していた。この為、上記ベース円部１４
よりも肉厚が大きい、上記ノーズ部１６部分では、外周
部分に作用する引っ張り応力が低く、破壊応力に対して
十分過ぎる程の余裕がある。この為、上記各カムロブ
４、４全体としての、上記中空軸２に対する結合強度
を、許容限度まで大きくできないのが現状である。本発
明の組立型中空カムシャフトとその製造方法は、上述の
様な事情に鑑みて発明したものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の組立型中空カム
シャフトとその製造方法のうち、請求項１に記載した組
立型中空カムシャフトは、前述した従来の組立型中空カ
ムシャフトと同様に、円管状の中空軸と、内周面に複数
の凹部を、この内周面の全周に亙り間欠的に形成すると
共に、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化
させる事により、中心軸から外周面までの距離を円周方
向に亙って漸次変化させた複数個のカムロブとを備え
る。そして、上記中空軸の中間部外周面にこれら複数個
のカムロブを外嵌した状態でこの中空軸の一端開口から
この中空軸内に、外周面に互いに同形・同大の突部を上
記凹部と同数設けた拡管用パンチを押し込み、この中空
軸の中間部外周面と上記各カムロブの内周面とを摩擦係
合させると同時に、この中空軸の外周部分の円周方向複
数個所で上記各凹部と整合する部分を上記各突部により
径方向外方に変形させ、この変形させた部分と上記各凹
部の円周方向両端縁部分とを強く摩擦係合させると共に
噛み合わせて、これら各カムロブを上記中空軸の中間部
外周面に、この中空軸に対する回転不能な状態に外嵌固
定して成る。特に、請求項１に係る組立型中空カムシャ
フトに於いては、上記各凹部の幅寸法を、上記各カムロ
ブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分で小さく、この肉
厚が小さい部分で大きくする事により、上記各凹部の円
周方向両端縁部分と上記中空軸の外周部分との摩擦係合
並びに噛み合いの強度を、カムロブの直径方向に亙る肉
厚が大きい部分で大きくし、この肉厚が小さい部分で小
さくしている。又、請求項２に記載した組立型中空カム
シャフトの製造方法は、やはり前述した従来の組立型中
空カムシャフトの製造方法と同様に、内周面に複数の凹
部を、この内周面の全周に亙り間欠的に形成すると共
に、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化さ
せる事により、中心軸から外周面までの距離を円周方向
に亙って漸次変化させた複数個のカムロブを、円管状の
中空軸の中間部外周面に固定する為、この中空軸の中間
部外周面にこれら複数個のカムロブを外嵌した状態でこ
の中空軸の一端開口からこの中空軸内に、外周面に互い
に同形・同大の突部を上記凹部と同数設けた拡管用パン
チを押し込む。そして、上記中空軸の中間部外周面と上
記各カムロブの内周面とを摩擦係合させると同時に、こ
の中空軸の外周部分の円周方向複数個所で上記各凹部と
整合する部分を上記各突部により径方向外方に変形さ
せ、この変形させた部分と上記各凹部の円周方向両端縁
部とを強 く摩擦係合させると共に噛み合わせて、これら
各カムロブを上記中空軸の中間部外周面に、この中空軸
に対する回転不能な状態に外嵌固定する。 特に、請求項
２に係る組立型中空カムシャフトの製造方法に於いて
は、上記各凹部の幅寸法を、上記各カムロブの直径方向
に亙る肉厚が大きい部分で小さく、この肉厚が小さい部
分で大きくする事により、上記各凹部の円周方向両端縁
部と上記中空軸の外周部分との摩擦係合並びに噛み合い
の強度を、カムロブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分
で大きくし、この肉厚が小さい部分で小さくする。
シャフトとその製造方法のうち、請求項１に記載した組
立型中空カムシャフトは、前述した従来の組立型中空カ
ムシャフトと同様に、円管状の中空軸と、内周面に複数
の凹部を、この内周面の全周に亙り間欠的に形成すると
共に、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化
させる事により、中心軸から外周面までの距離を円周方
向に亙って漸次変化させた複数個のカムロブとを備え
る。そして、上記中空軸の中間部外周面にこれら複数個
のカムロブを外嵌した状態でこの中空軸の一端開口から
この中空軸内に、外周面に互いに同形・同大の突部を上
記凹部と同数設けた拡管用パンチを押し込み、この中空
軸の中間部外周面と上記各カムロブの内周面とを摩擦係
合させると同時に、この中空軸の外周部分の円周方向複
数個所で上記各凹部と整合する部分を上記各突部により
径方向外方に変形させ、この変形させた部分と上記各凹
部の円周方向両端縁部分とを強く摩擦係合させると共に
噛み合わせて、これら各カムロブを上記中空軸の中間部
外周面に、この中空軸に対する回転不能な状態に外嵌固
定して成る。特に、請求項１に係る組立型中空カムシャ
フトに於いては、上記各凹部の幅寸法を、上記各カムロ
ブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分で小さく、この肉
厚が小さい部分で大きくする事により、上記各凹部の円
周方向両端縁部分と上記中空軸の外周部分との摩擦係合
並びに噛み合いの強度を、カムロブの直径方向に亙る肉
厚が大きい部分で大きくし、この肉厚が小さい部分で小
さくしている。又、請求項２に記載した組立型中空カム
シャフトの製造方法は、やはり前述した従来の組立型中
空カムシャフトの製造方法と同様に、内周面に複数の凹
部を、この内周面の全周に亙り間欠的に形成すると共
に、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化さ
せる事により、中心軸から外周面までの距離を円周方向
に亙って漸次変化させた複数個のカムロブを、円管状の
中空軸の中間部外周面に固定する為、この中空軸の中間
部外周面にこれら複数個のカムロブを外嵌した状態でこ
の中空軸の一端開口からこの中空軸内に、外周面に互い
に同形・同大の突部を上記凹部と同数設けた拡管用パン
チを押し込む。そして、上記中空軸の中間部外周面と上
記各カムロブの内周面とを摩擦係合させると同時に、こ
の中空軸の外周部分の円周方向複数個所で上記各凹部と
整合する部分を上記各突部により径方向外方に変形さ
せ、この変形させた部分と上記各凹部の円周方向両端縁
部とを強 く摩擦係合させると共に噛み合わせて、これら
各カムロブを上記中空軸の中間部外周面に、この中空軸
に対する回転不能な状態に外嵌固定する。 特に、請求項
２に係る組立型中空カムシャフトの製造方法に於いて
は、上記各凹部の幅寸法を、上記各カムロブの直径方向
に亙る肉厚が大きい部分で小さく、この肉厚が小さい部
分で大きくする事により、上記各凹部の円周方向両端縁
部と上記中空軸の外周部分との摩擦係合並びに噛み合い
の強度を、カムロブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分
で大きくし、この肉厚が小さい部分で小さくする。
【００１１】
【作用】上述の様に本発明の組立型中空シャフトとその
製造方法の場合には、各カムロブの内周面に形成した各
凹部の円周方向両端縁部分と中空軸の外周面の一部との
係合部の強度を、各カムロブの直径方向に亙る肉厚が大
きい部分で大きくしているので、上記中空軸に対するこ
れら各カムロブの結合強度を大きくできる。反対に、必
要とする結合強度を同じとした場合には、ベース円部等
の肉厚が小さい部分の肉厚をより小さくして、組立型中
空シャフトのより小型・軽量化を図れる。或は、上記中
空軸の外周部分を広げる程度を小さくして、上記各カム
ロブに加わる直径方向外方の力を小さく抑え、これら各
カムロブの損傷防止に対する余裕代を大きくできる。
製造方法の場合には、各カムロブの内周面に形成した各
凹部の円周方向両端縁部分と中空軸の外周面の一部との
係合部の強度を、各カムロブの直径方向に亙る肉厚が大
きい部分で大きくしているので、上記中空軸に対するこ
れら各カムロブの結合強度を大きくできる。反対に、必
要とする結合強度を同じとした場合には、ベース円部等
の肉厚が小さい部分の肉厚をより小さくして、組立型中
空シャフトのより小型・軽量化を図れる。或は、上記中
空軸の外周部分を広げる程度を小さくして、上記各カム
ロブに加わる直径方向外方の力を小さく抑え、これら各
カムロブの損傷防止に対する余裕代を大きくできる。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施の形態の第
１例を示している。カムロブ４の外周面形状は卵形と
し、内周面形状は円形としている。この様なカムロブ４
は、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化さ
せる事により、中心軸（図１の点Ｏを通り、紙面に垂直
方向に存在する仮想の軸）から外周面１５までの距離
を、円周方向に亙って漸次変化させている。内周面及び
外周面の形状を上述の様にしたカムロブ４は、肉厚が小
さく、且つこの肉厚が円周方向に亙って（次述する凹部
１１、１１に対応する部分を除き）変化しないベース円
部１４と、肉厚が大きく、円周方向中央部程この肉厚が
大きくなるノーズ部１６とを備える。又、この様なカム
ロブ４は、外周面部分を高周波焼き入れにより硬化する
と共に、内周面には、この外周面部分を焼き入れ硬化し
た後にブローチ加工を施す事により、複数の凹部１１、
１１ａを形成している。これら各凹部１１、１１ａは上
記内周面の全周に亙り間欠的に形成している。言い換え
れば、これら各凹部１１、１１ａを、上記ベース円部１
４の内周面と上記ノーズ部１６の内周面との双方に形成
している。
１例を示している。カムロブ４の外周面形状は卵形と
し、内周面形状は円形としている。この様なカムロブ４
は、直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化さ
せる事により、中心軸（図１の点Ｏを通り、紙面に垂直
方向に存在する仮想の軸）から外周面１５までの距離
を、円周方向に亙って漸次変化させている。内周面及び
外周面の形状を上述の様にしたカムロブ４は、肉厚が小
さく、且つこの肉厚が円周方向に亙って（次述する凹部
１１、１１に対応する部分を除き）変化しないベース円
部１４と、肉厚が大きく、円周方向中央部程この肉厚が
大きくなるノーズ部１６とを備える。又、この様なカム
ロブ４は、外周面部分を高周波焼き入れにより硬化する
と共に、内周面には、この外周面部分を焼き入れ硬化し
た後にブローチ加工を施す事により、複数の凹部１１、
１１ａを形成している。これら各凹部１１、１１ａは上
記内周面の全周に亙り間欠的に形成している。言い換え
れば、これら各凹部１１、１１ａを、上記ベース円部１
４の内周面と上記ノーズ部１６の内周面との双方に形成
している。
【００１３】これら各凹部１１、１１ａのうち、上記ベ
ース円部１４に対応する部分、並びにこのベース円部１
４とノーズ部１６との境界部分に形成した凹部１１、１
１は、比較的幅広に形成している。これに対して、上記
ノーズ部１６の中央部に対応する部分に形成した凹部１
１ａの幅寸法Ｗ11a は、上記各凹部１１、１１の幅寸法
Ｗ11よりも小さく（Ｗ11a ＜Ｗ11）している。この様な
各凹部１１、１１ａは、上記カムロブ４の内周面の円周
方向等間隔位置に、それぞれ軸方向に亙って形成してい
る。
ース円部１４に対応する部分、並びにこのベース円部１
４とノーズ部１６との境界部分に形成した凹部１１、１
１は、比較的幅広に形成している。これに対して、上記
ノーズ部１６の中央部に対応する部分に形成した凹部１
１ａの幅寸法Ｗ11a は、上記各凹部１１、１１の幅寸法
Ｗ11よりも小さく（Ｗ11a ＜Ｗ11）している。この様な
各凹部１１、１１ａは、上記カムロブ４の内周面の円周
方向等間隔位置に、それぞれ軸方向に亙って形成してい
る。
【００１４】上述の様なカムロブ４は、中空軸２（図
４、５、７、８）の中間部に外嵌した状態で前述した図
５に示す様な組立装置５にセットし、やはり前述した図
６に示す様な拡管用パンチ６を上記中空軸２に押し込む
事により、この中空軸２の中間部外周面に固定する。こ
の中空軸２の中間部外周面には、複数個のカムロブ４
を、軸方向に亙り互いに間隔をあけ、且つ円周方向に亙
る位相を互いにずらせた状態で外嵌している。そして、
これら複数個のカムロブ４、４の固定作業を、１個の拡
管用パンチ６により行なう。この為、この拡管用パンチ
６は、従来の組立型中空カムシャフト１（図４）の組立
に使用しているものと同様に、同形・同大の突部１２、
１２を円周方向等間隔に配置したものを使用する。
４、５、７、８）の中間部に外嵌した状態で前述した図
５に示す様な組立装置５にセットし、やはり前述した図
６に示す様な拡管用パンチ６を上記中空軸２に押し込む
事により、この中空軸２の中間部外周面に固定する。こ
の中空軸２の中間部外周面には、複数個のカムロブ４
を、軸方向に亙り互いに間隔をあけ、且つ円周方向に亙
る位相を互いにずらせた状態で外嵌している。そして、
これら複数個のカムロブ４、４の固定作業を、１個の拡
管用パンチ６により行なう。この為、この拡管用パンチ
６は、従来の組立型中空カムシャフト１（図４）の組立
に使用しているものと同様に、同形・同大の突部１２、
１２を円周方向等間隔に配置したものを使用する。
【００１５】上記拡管用パンチ６を上記中空軸２内に押
し込む事により、この中空軸２の外周面と上記各カムロ
ブ４、４の内周面のうちで上記各凹部１１、１１ａから
外れた部分が摩擦係合すると共に、上記中空軸２の外周
面の一部で、上記各突部１２、１２に整合する部分が、
上記各凹部１１、１１ａに入り込もうとする。上述の様
に、これら各突部１２、１２の幅寸法Ｗ12は、これら各
凹部１１、１１ａの幅寸法Ｗ11、Ｗ11a の相違に拘らず
同じである為、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａの内径側
にも、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１の内径側にも、
同じ形状及び大きさを有する突部１２、１２が進入す
る。内側に拡管用パンチ６を押し込まれる事により上記
中空軸２の肉は、直径方向外方に変形し、その一部が上
記各凹部１１、１１ａに入り込もうとする。この様に直
径方向外方に変形した上記中空軸２の肉は、これら各凹
部１１、１１ａの円周方向両端縁１７、１７ａ部分に食
い込み、この両端縁１７、１７ａ部分と強く摩擦係合す
ると共に噛み合う。この様に、上記中空軸１２の一部外
周面が上記両端縁１７、１７ａ部分と摩擦係合すると共
に噛み合う程度は、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａの場
合が、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１の場合よりも著
しくなる。
し込む事により、この中空軸２の外周面と上記各カムロ
ブ４、４の内周面のうちで上記各凹部１１、１１ａから
外れた部分が摩擦係合すると共に、上記中空軸２の外周
面の一部で、上記各突部１２、１２に整合する部分が、
上記各凹部１１、１１ａに入り込もうとする。上述の様
に、これら各突部１２、１２の幅寸法Ｗ12は、これら各
凹部１１、１１ａの幅寸法Ｗ11、Ｗ11a の相違に拘らず
同じである為、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａの内径側
にも、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１の内径側にも、
同じ形状及び大きさを有する突部１２、１２が進入す
る。内側に拡管用パンチ６を押し込まれる事により上記
中空軸２の肉は、直径方向外方に変形し、その一部が上
記各凹部１１、１１ａに入り込もうとする。この様に直
径方向外方に変形した上記中空軸２の肉は、これら各凹
部１１、１１ａの円周方向両端縁１７、１７ａ部分に食
い込み、この両端縁１７、１７ａ部分と強く摩擦係合す
ると共に噛み合う。この様に、上記中空軸１２の一部外
周面が上記両端縁１７、１７ａ部分と摩擦係合すると共
に噛み合う程度は、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａの場
合が、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１の場合よりも著
しくなる。
【００１６】即ち、上記中空軸１２の円周方向一部で上
記各突部１２、１２により直径方向外方に押し広げられ
る部分は、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａに対向する部
分も、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１に対向する部分
も、同じ様に広がろうとする。これに対して、幅寸法Ｗ
11が広い凹部１１、１１に対向する部分は比較的直径方
向外方に広がり易く、上記中空軸１２の外周面のうちの
円周方向一部が、上記各凹部１１、１１の円周方向両端
縁１７、１７部分に食い込む程度は小さい。言い換えれ
ば、上記中空軸１２の外周面のうちの円周方向一部で上
記各凹部１１、１１の円周方向両端縁１７、１７部分に
対向する部分の塑性変形量及び弾性変形量は、比較的小
さくなる。この為、これら各広い凹部１１、１１部分で
の、中空軸２とカムロブ４との係合部の端縁の噛み合い
による結合強度はあまり高くならない代わりに、この部
分でカムロブ４の外周部分に作用する引っ張り応力は限
られたものとなって、前記ベース円部１４の外周部分
に、破壊に結び付く程の応力が作用する事はない。一
方、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａに対向する部分は比
較的直径方向外方に広がりにくく、上記中空軸１２の外
周面のうちの円周方向一部が、上記凹部１１ａの円周方
向両端縁１７ａ、１７ａ部分に食い込む程度は大きい。
言い換えれば、上記中空軸１２の外周面のうちの円周方
向一部で上記凹部１１ａの円周方向両端縁１７ａ、１７
ａ部分に対向する部分の塑性変形量及び弾性変形量は、
比較的大きくなる。この為、この狭い凹部１１ａ部分で
の、中空軸２とカムロブ４との係合部の結合強度は十分
に大きくなる。この様に、中空軸２の外周部分が凹部１
１ａの円周方向両端縁１７ａ、１７ａ部分に強く食い込
む際に、上記カムロブ４の一部でこの凹部１１ａを形成
した部分には、直径方向外方に向いた大きな力が加わ
る。但し、この凹部１１ａを形成したノーズ部１６の肉
厚は大きい為、この大きな力により、上記カムロブ４の
外周面部分に、破壊に結び付く程の大きな引っ張り応力
が加わる事はない。
記各突部１２、１２により直径方向外方に押し広げられ
る部分は、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａに対向する部
分も、幅寸法Ｗ11が広い凹部１１、１１に対向する部分
も、同じ様に広がろうとする。これに対して、幅寸法Ｗ
11が広い凹部１１、１１に対向する部分は比較的直径方
向外方に広がり易く、上記中空軸１２の外周面のうちの
円周方向一部が、上記各凹部１１、１１の円周方向両端
縁１７、１７部分に食い込む程度は小さい。言い換えれ
ば、上記中空軸１２の外周面のうちの円周方向一部で上
記各凹部１１、１１の円周方向両端縁１７、１７部分に
対向する部分の塑性変形量及び弾性変形量は、比較的小
さくなる。この為、これら各広い凹部１１、１１部分で
の、中空軸２とカムロブ４との係合部の端縁の噛み合い
による結合強度はあまり高くならない代わりに、この部
分でカムロブ４の外周部分に作用する引っ張り応力は限
られたものとなって、前記ベース円部１４の外周部分
に、破壊に結び付く程の応力が作用する事はない。一
方、幅寸法Ｗ11a が狭い凹部１１ａに対向する部分は比
較的直径方向外方に広がりにくく、上記中空軸１２の外
周面のうちの円周方向一部が、上記凹部１１ａの円周方
向両端縁１７ａ、１７ａ部分に食い込む程度は大きい。
言い換えれば、上記中空軸１２の外周面のうちの円周方
向一部で上記凹部１１ａの円周方向両端縁１７ａ、１７
ａ部分に対向する部分の塑性変形量及び弾性変形量は、
比較的大きくなる。この為、この狭い凹部１１ａ部分で
の、中空軸２とカムロブ４との係合部の結合強度は十分
に大きくなる。この様に、中空軸２の外周部分が凹部１
１ａの円周方向両端縁１７ａ、１７ａ部分に強く食い込
む際に、上記カムロブ４の一部でこの凹部１１ａを形成
した部分には、直径方向外方に向いた大きな力が加わ
る。但し、この凹部１１ａを形成したノーズ部１６の肉
厚は大きい為、この大きな力により、上記カムロブ４の
外周面部分に、破壊に結び付く程の大きな引っ張り応力
が加わる事はない。
【００１７】上述の様に本発明の組立型中空シャフトと
その製造方法の場合には、各カムロブ４の内周面に形成
した各凹部１１、１１ａの円周方向両端縁１７、１７ａ
部分と中空軸２の外周面の一部との係合部の結合強度
を、カムロブ４の直径方向に亙る肉厚が大きいノーズ部
１６の中央部に形成した狭い凹部１１ａ部分で大きくし
ている。又、それ以外の部分に形成した広い凹部１１、
１１部分での係合部の結合強度は、前述した従来構造の
場合と同じである。従って、上記狭い凹部１１ａ部分の
係合部の結合強度を大きくした分、上記中空軸２に対す
る上記カムロブ４の結合強度を大きくできる。反対に、
必要とする結合強度を同じとした場合には、肉厚が小さ
い前記ベース円部１４部分の肉厚をより小さくして、組
立型中空シャフトのより小型・軽量化を図れる。或は、
上記中空軸２の外周部分を広げる程度を小さくして、上
記各カムロブ４に加わる直径方向外方の力を小さく抑
え、これら各カムロブ４の損傷防止に対する余裕代を大
きくできる。
その製造方法の場合には、各カムロブ４の内周面に形成
した各凹部１１、１１ａの円周方向両端縁１７、１７ａ
部分と中空軸２の外周面の一部との係合部の結合強度
を、カムロブ４の直径方向に亙る肉厚が大きいノーズ部
１６の中央部に形成した狭い凹部１１ａ部分で大きくし
ている。又、それ以外の部分に形成した広い凹部１１、
１１部分での係合部の結合強度は、前述した従来構造の
場合と同じである。従って、上記狭い凹部１１ａ部分の
係合部の結合強度を大きくした分、上記中空軸２に対す
る上記カムロブ４の結合強度を大きくできる。反対に、
必要とする結合強度を同じとした場合には、肉厚が小さ
い前記ベース円部１４部分の肉厚をより小さくして、組
立型中空シャフトのより小型・軽量化を図れる。或は、
上記中空軸２の外周部分を広げる程度を小さくして、上
記各カムロブ４に加わる直径方向外方の力を小さく抑
え、これら各カムロブ４の損傷防止に対する余裕代を大
きくできる。
【００１８】次に、図２は、本発明の実施の形態の第２
例を示している。本例の場合には、ベース円部１４とノ
ーズ部１６との境界部分に形成した凹部１１ｂ、１１ｂ
の幅寸法Ｗ11b を、上記ベース円部１４に形成した凹部
１１、１１の幅寸法Ｗ11と上記ノーズ部１６の中央部に
形成した凹部１１ａの幅寸法Ｗ11a との中間程度として
いる（Ｗ11＞Ｗ11b ＞Ｗ11a ）。又、本例の場合には、
上記境界部分に設けた凹部１１ｂ、１１ｂの中心を、上
記各凹部１１、１１ａ、１１ｂのピッチの中心からベー
ス円部１４側にずらせている。この様な本例の場合、こ
れら各凹部１１、１１ａ、１１ｂと中空軸２の外周部分
との係合部の結合強度は、最も肉厚の大きいノーズ部１
６の中央部に設けた凹部１１ａ部分で最も大きく、最も
肉厚の小さなベース円部１４に設けた凹部１１、１１部
分で最も小さく、中間の肉厚を有する各境界部分で中間
の値となる。この結果、上述した第１例の場合に比べ
て、カムロブ全体として、中空軸２に対するカムロブ４
の結合強度が大きくなる。その他の構成及び作用は、上
述した第１例の場合と同様である。
例を示している。本例の場合には、ベース円部１４とノ
ーズ部１６との境界部分に形成した凹部１１ｂ、１１ｂ
の幅寸法Ｗ11b を、上記ベース円部１４に形成した凹部
１１、１１の幅寸法Ｗ11と上記ノーズ部１６の中央部に
形成した凹部１１ａの幅寸法Ｗ11a との中間程度として
いる（Ｗ11＞Ｗ11b ＞Ｗ11a ）。又、本例の場合には、
上記境界部分に設けた凹部１１ｂ、１１ｂの中心を、上
記各凹部１１、１１ａ、１１ｂのピッチの中心からベー
ス円部１４側にずらせている。この様な本例の場合、こ
れら各凹部１１、１１ａ、１１ｂと中空軸２の外周部分
との係合部の結合強度は、最も肉厚の大きいノーズ部１
６の中央部に設けた凹部１１ａ部分で最も大きく、最も
肉厚の小さなベース円部１４に設けた凹部１１、１１部
分で最も小さく、中間の肉厚を有する各境界部分で中間
の値となる。この結果、上述した第１例の場合に比べ
て、カムロブ全体として、中空軸２に対するカムロブ４
の結合強度が大きくなる。その他の構成及び作用は、上
述した第１例の場合と同様である。
【００１９】次に、図３は、本発明の実施の形態の第３
例を示している。本例の場合には、カムロブ４のノーズ
部１６が、前述した第１例及び上述した第２例の場合よ
りも幅広である（太っている）。この為、ベース円部１
４とノーズ部１６との境界部分の肉厚が上記第１〜２例
の場合よりも大きい。これに合わせて本例の場合には、
上記両境界部分に、幅が狭い凹部１１ａ、１１ａを形成
して、カムロブ４全体として、中空軸２との係合部の結
合強度を大きくしている。その他の構成及び作用は、前
述した第１例及び上述した第２例の場合と同様である。
例を示している。本例の場合には、カムロブ４のノーズ
部１６が、前述した第１例及び上述した第２例の場合よ
りも幅広である（太っている）。この為、ベース円部１
４とノーズ部１６との境界部分の肉厚が上記第１〜２例
の場合よりも大きい。これに合わせて本例の場合には、
上記両境界部分に、幅が狭い凹部１１ａ、１１ａを形成
して、カムロブ４全体として、中空軸２との係合部の結
合強度を大きくしている。その他の構成及び作用は、前
述した第１例及び上述した第２例の場合と同様である。
【００２０】
【発明の効果】本発明の組立型中空カムシャフトとその
製造方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、
カムロブに過大な引っ張り応力を発生させず、このカム
ロブの耐久性を確保しつつ、このカムロブと中空軸との
結合強度を大きくできる。この結果、組立型中空カムシ
ャフトの信頼性及び耐久性の向上を図れる。
製造方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、
カムロブに過大な引っ張り応力を発生させず、このカム
ロブの耐久性を確保しつつ、このカムロブと中空軸との
結合強度を大きくできる。この結果、組立型中空カムシ
ャフトの信頼性及び耐久性の向上を図れる。
【図１】本発明の実施の形態の第１例を示す、カムロブ
の端面図。
の端面図。
【図２】同第２例を示すカムロブの端面図。
【図３】同第３例を示すカムロブの端面図。
【図４】組立型中空カムシャフトの１例を示す部分切断
側面図。
側面図。
【図５】組立型中空カムシャフトを造る為の組立装置の
側面図。
側面図。
【図６】拡管用パンチを示しており、（Ａ）は平面図、
（Ｂ）は（Ａ）の側方から見た図。
（Ｂ）は（Ａ）の側方から見た図。
【図７】中空軸に拡管用パンチを押し込んだ状態を示す
部分断面図。
部分断面図。
【図８】図７のＸ−Ｘ断面図。
【図９】従来の組立型中空カムシャフトに組み込むカム
ロブの端面図。
ロブの端面図。
１ 組立型中空カムシャフト
２ 中空軸
３ ギヤ
４ カムロブ
５ 組立装置
６ 拡管用パンチ
７ 支柱
８ ギヤ支持テーブル
９ カムロブ支持テーブル
１０ 受台
１１、１１ａ、１１ｂ 凹部
１２ 突部
１３ 芯金
１４ ベース円部
１５ 外周面
１６ ノーズ部
１７、１７ａ 端縁
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F01L 1/04
B21D 39/18
B23P 11/02
F16H 53/02
Claims (2)
- 【請求項１】 円管状の中空軸と、内周面に複数の凹部
を、この内周面の全周に亙り間欠的に形成すると共に、
直径方向に亙る肉厚を円周方向に亙って漸次変化させる
事により、中心軸から外周面までの距離を円周方向に亙
って漸次変化させた複数個のカムロブとを備え、上記中
空軸の中間部外周面にこれら複数個のカムロブを外嵌し
た状態でこの中空軸の一端開口からこの中空軸内に、外
周面に互いに同形・同大の突部を上記凹部と同数設けた
拡管用パンチを押し込み、この中空軸の中間部外周面と
上記各カムロブの内周面とを摩擦係合させると同時に、
この中空軸の外周部分の円周方向複数個所で上記各凹部
と整合する部分を上記各突部により径方向外方に変形さ
せ、この変形させた部分と上記各凹部の円周方向両端縁
部とを強く摩擦係合させると共に噛み合わせて、これら
各カムロブを上記中空軸の中間部外周面に、この中空軸
に対する回転不能な状態に外嵌固定して成る組立型中空
カムシャフトに於いて、上記各凹部の幅寸法を、上記各
カムロブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分で小さく、
この肉厚が小さい部分で大きくする事により、上記各凹
部の円周方向両端縁部と上記中空軸の外周部分との摩擦
係合並びに噛み合いの強度を、カムロブの直径方向に亙
る肉厚が大きい部分で大きくし、この肉厚が小さい部分
で小さくした事を特徴とする組立型中空カムシャフト。 - 【請求項２】 内周面に複数の凹部を、この内周面の全
周に亙り間欠的に形成すると共に、直径方向に亙る肉厚
を円周方向に亙って漸次変化させる事により、中心軸か
ら外周面までの距離を円周方向に亙って漸次変化させた
複数個のカムロブを、円管状の中空軸の中間部外周面に
固定する為、この中空軸の中間部外周面にこれら複数個
のカムロブを外嵌した状態でこの中空軸の一端開口から
この中空軸内に、外周面に互いに同形・同大の突部を上
記凹部と同数設けた拡管用パンチを押し込み、上記中空
軸の中間部外周面と上記各カムロブの内周面とを摩擦係
合させると同時に、この中空軸の外周部分の円周方向複
数個所で上記各凹部と整合する部分を上記各突部により
径方向外方に変形させ、この変形させた部分と上記各凹
部の円周方向両端縁部とを強く摩擦係合させると共に噛
み合わせて、これら各カムロブを上記中空軸の中間部外
周面に、この中空軸に対する回転不能な状態に外嵌固定
する組立型中空カムシャフトの製造方法に於いて、上記
各凹部の幅寸法を、上記各カムロブの直径方向に亙る肉
厚が大きい部分で小さく、この肉厚が小さい部分で大き
くする事により、上記各凹部の円周方向両端縁部と上記
中空軸の外周部分との摩擦係合並びに噛み合いの強度
を、カムロブの直径方向に亙る肉厚が大きい部分で大き
くし、この肉厚が小さい部分で小さくする事を特徴とす
る組立型中空カムシャフトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04716298A JP3468084B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 組立型中空カムシャフトとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04716298A JP3468084B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 組立型中空カムシャフトとその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11247623A JPH11247623A (ja) | 1999-09-14 |
| JP3468084B2 true JP3468084B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=12767390
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04716298A Expired - Fee Related JP3468084B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 組立型中空カムシャフトとその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3468084B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4877446B2 (ja) * | 2003-10-03 | 2012-02-15 | トヨタ自動車株式会社 | 塑性流動締結方法及び塑性流動締結構造 |
| KR101723218B1 (ko) * | 2016-07-01 | 2017-04-06 | 주식회사이원정공 | 엔진용 캠샤프트 및 그 제조방법 |
-
1998
- 1998-02-27 JP JP04716298A patent/JP3468084B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11247623A (ja) | 1999-09-14 |
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