JP3873512B2 - D−3−(2−ナフチル)アラニンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬・農薬等の合成中間体として有用なD−3−(2−ナフチル)アラニンの生物化学的製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
天然に存在する光学活性アミノ酸の多くは、微生物を用いた発酵法や天然物からの抽出法により製造されている。しかしながらD−3−(2−ナフチル)アラニンは非天然型アミノ酸であるため、従来のような発酵法や抽出法によっては工業的に製造されてはいなかった。
一般に光学活性アミノ酸を製造する方法としては、有機化学的合成法により製造したDL−アミノ酸を光学分割する方法がよく知られている(Bull.Agr.Chem.Soc.Jap.,21,304(1957);J.Am.Chem.Soc.,76,6045(1954);J.Biol.Chem.,188,657(1951))。しかしながら、DL−アミノ酸の光学分割は操作が煩雑であり、収率も低くなるという欠点を有している。
【0003】
また、D−アミノ酸を製造する方法として、DL体の5−置換ヒダントイン類にヒダントイン環を不斉的に開裂加水分解する能力を有する、シュードモナス属等の微生物の菌体、固定化菌体又は菌体破砕物を作用させることによりD−アミノ酸を取得する方法が知られているが、主に天然型のD型アミノ酸に関してのみであった(特開昭54−89088号公報;同55−11569号公報;同55−153595号公報等)。従って、非天然型のD型アミノ酸、具体的には、D−3−(2−ナフチル)アラニンの高収率な製造方法の確立が期待されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはD−3−(2−ナフチル)アラニンの工業的製法につき鋭意検討した結果、原料としてのDL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインにある種の微生物の菌体及び/またはその処理物を作用させれば、該原料が生物化学的に加水分解し、目的とするD−3−(2−ナフチル)アラニンが高効率に製造出来ることを初めて見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち本発明は、DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインに、D−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインからD−3−(2−ナフチル)アラニンを生成する能力を有する微生物の菌体及び/またはその処理物を水性媒体中で作用させ、該水性媒体中にD−3−(2−ナフチル)アラニンを生成蓄積せしめ、該水性媒体中からD−3−(2−ナフチル)アラニンを採取することを特徴とするD−3−(2−ナフチル)アラニンの製造方法を提供するものである。
【0006】
本発明において原料として用いられる5−(2−ナフチル)メチルヒダントインは、DL体はもちろんD体もまた利用できるが、化学合成で安価に製造されるDL体が好適に用いられる。又、L体の5−(2−ナフチル)メチルヒダントインは、酵素的に又は/および化学的に容易にラセミ化されDL体に変換される為、ラセミ化反応を共存させることでL体もまた原料として利用することが出来る。
【0007】
本発明で使用される微生物は、D−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを選択的に開裂加水分解してD−3−(2−ナフチル)アラニンに変換する能力を有するものであれば特に限定はされない。かかる微生物としては、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、バチルス(Bacillus)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属及び/またはパラコッカス(Paracoccus)属からなる群より選ばれる微生物等が挙げられる。
【0008】
アグロバクテリウム(Agrobacterium)属に属する微生物としては例えばアグロバクテリウム ラジオバクター(Agrobacteriumradiobacter)等が挙げられ、具体的にはNRRL B11291(Agricultural Research Service Culture Collectionに保存)やMCI3662等が挙げられる。
【0009】
アルカリゲネス(Alcaligenes)属に属する微生物としては例えばアルカリゲネス アクアマリヌス(Alcaligenes aquamarinus)等が挙げられ、具体的にはFERM P−4229(工業技術院生命工学工業技術研究所に保存)等が挙げられる。
アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物としては例えばアルスロバクター クリスタロポイエテス(Arthrobacter crystallopoietes)等が挙げられ、具体的にはJCM2522(Japan Collection of Microorganisms:理化学研究所微生物系統保存施設に保存)等が挙げられる。
【0010】
バチルス(Bacillus)属に属する微生物としては例えばバチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)等が挙げられ、具体的にはIFO12199やIFO12200(財団法人 発酵研究所に保存)等が挙げられる。
フラボバクテリウム(Flavobacterium)属に属する微生物としては例えばフラボバクテリウム ヒダントイノフィラム(Flavobacterium hydantoinophilum)等が挙げられ、具体的にはFERM P−4819(工業技術院生命工学工業技術研究所に保存)等が挙げられる。
【0011】
パラコッカス(Paracoccus)属に属する微生物としては例えばパラコッカス デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)等が挙げられ、具体的にはFERM P−4349(工業技術院生命工学工業技術研究所に保存)等が挙げられる。
前述したアグロバクテリウム ラジオバクター(MCI3662)の菌学的性質は以下の通りである。なお、アグロバクテリウム ラジオバクター(MCI3662)は、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号:FERMP−17312として寄託されている。
【0012】
Figure 0003873512
Figure 0003873512
Figure 0003873512
【0013】
6.分類学的考察
(1)属の同定
本菌株MCI3662株は1)グラム陰性桿菌、2)絶対好気性、3)芽胞を形成しない、4)運動性なし、5)O−Fテストは酸化型、6)硫化水素を生成しない、7)ウレアーゼ陽性、8)主要なイソプレノイドキノンはユビキノンQ10を有する、9)DNA中のG+C含量は59.5モル%などの特徴を持っている。これらの特徴から、本菌株はバージェイズマニュアル・システマティック・バクテリオロジー〔Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology〕第1巻、234〜256頁(1984)に記載されているリゾビアシーエ科(Rhizobiaceae)に含まれる、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)及びリゾビウム属(Rhizobium)に帰属することが示唆された。
【0014】
(2)種の同定
現在、16S rRNA塩基配列の解析結果から、アグロバクテリウム属とリゾビウム属は属レベルでまとまった菌群であることが判明している。従って本菌株の種を決定するため、16S rRNAの塩基配列(1445塩基)を決定した。得られた結果に基づくデータベース検索により、本菌株はアグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に最も近縁であることが判明した。
【0015】
インターナショナル ジャーナル オブ システマティック バクテリオロジー〔International Journal Systematic Bacteriology〕第43巻、694−702頁(1993)によると、アグロバクテリウム属にはアグロバクテリウム ツメファシエンス(A.tumefaciens)、アグロバクテリウム ラディオバクター(A.radiobacter)、アグロバクテリウム リゾゲネス(A.rhizogenes)、アグロバクテリウム ビティス(A.vitis)及びアグロバクテリウムルビ(A.rubi)の5種が知られているが、アグロバクテリウム ツメファシエンス(A.tumefaciens)とアグロバクテリウム ラディオバクター(A.radiobacter)は16S rRNAの解析から同一種として統合され、アグロバクテリウム ラディオバクターとなっている。従って本菌株はアグロバクテリウム ラディオバクターと99.6%の相同値を示し、他種(相同値94.6〜97.7%)より高い相同性を示した。さらに生理学的性質においても、1)37℃での生育、2)エリスリトールの資化性、3)アルギニンジヒドロラーゼの有無などの点で明らかに他種とは区別された。
【0016】
以上の結果から、本菌株MCI3662株をアグロバクテリウム ラディオバクター(Agrobacterium radiobacter)と同定した。本発明で用いられる微生物は、上記微生物から、UV照射、N−メチル−N′−ニトロソグアニジン(NTG)処理、エチルメタンスルホネート(EMS)処理、亜硝酸処理、アクリジン処理等により誘導される変異株、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法により誘導される組換え株等であってもよい。
【0017】
本発明の製造方法においては、上記微生物の1種あるいは2種以上が菌体及び/またはその処理物として用いられる。具体的には、上記微生物を培養して得られた菌体をそのまま、あるいは培養して得られた菌体を公知の手法で処理したもの、即ち、アセトン処理したもの、凍結乾燥処理したもの、菌体を物理的または酵素的に破砕したもの等の菌体処理物を用いることができる。また、これらの菌体及び/または菌体処理物から、D−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインにのみ選択的に作用して、それを開裂加水分解してD−3−(2−ナフチル)アラニンを生成する能力を有する酵素画分を粗精製物あるいは精製物として取り出して用いることも可能である。さらには、このようにして得られた菌体又は/および菌体処理物又は/および酵素画分等をポリアクリルアミドゲル、カラギーナンゲル等の担体に固定化したもの等を用いることも可能である。そこで本明細書において、「菌体及び/またはその処理物」の用語は、上述の菌体、菌体処理物、酵素画分、及びそれらの固定化物全てを含有する概念として用いられる。
【0018】
本発明において、これらの微生物を、予めヒダントイン類を含む培地中で培養させた場合に、該微生物のヒダントイン環の不斉的開裂加水分解能が増強されている場合があるのでヒダントイン類を含む培地中で培養することが望ましいが、それに限定されるものではない。UV照射、N−メチル−N′−ニトロソグアニジン(NTG)処理、エチルメタンスルホネート(EMS)処理、亜硝酸処理、アクリジン処理等による変異株、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法により誘導された組換え株で、誘導物質なしに高い活性が得られる菌株を用いることも可能である。
【0019】
本発明における微生物の培養培地としては、通常の炭素源、窒素源、無機イオンを含有する一般的な培地が使用できる。さらにビタミン、アミノ酸などの有機微量栄養素を添加することもできる。
炭素源としてはグルコース、シュクロース等の炭水化物、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸、アルコール類その他が適宜使用される。
窒素源としては、アンモニウム塩や硝酸塩などの無機窒素源、あるいは酵母エキスやペプトン等の有機窒素源が適宜使用される。本発明においては主に酵母エキスが0.1〜0.5%で用いられ、好ましくは0.3〜1%である。
無機イオンとしては、マグネシウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、リン酸イオンその他が必要に応じて適宜使用される。本発明においては、主に硫酸マグネシウム0.01〜0.1%、リン酸二水素カリウム0.05〜0.5%、リン酸水素二カリウム0.1〜1%、硫酸マンガン0.001〜0.05%が用いられる。
【0020】
又、必要に応じて反応を触媒する酵素を菌体内に著量生合成させる為の誘導物質として添加する5−置換ヒダントイン類としては特に限定されるものではないが、例えばメチルヒダントイン、イソプロピルヒダントイン、ヒダントイン、メチルチオエチルヒダントイン、5−(2,2−ジメチルプロピル)ヒダントイン等が使用される。好ましくは、メチルヒダントイン又はイソプロピルヒダントインが用いられる。
【0021】
前記微生物を培養する際に必要に応じ5−置換ヒダントイン類を培地に添加する場合には、はじめから5−置換ヒダントイン類を含有した培地で培養してもよいし、培養途中から添加してもよい。
5−置換ヒダントイン類の培地への添加量は特に制限されるものではないが、一般的には0.0001〜3重量%、より好ましくは0.001〜1重量%が用いられる。
【0022】
培養は好気的条件下に、前記培地中で15〜50℃、好ましくは25〜40℃で、pH4〜9、好ましくはpH5〜8の範囲に制御しつつ5〜72時間、好ましくは12〜48時間行うことが出来る。
反応は、前述した如く、微生物菌体又は/およびその処理物を原料としてDL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインに作用させることにより行なわれる。
【0023】
微生物菌体を作用させる場合、前述の培養条件にて十分に菌を生育させた後、菌体を分離し洗浄後、水あるいは適当な緩衝液に懸濁させ、原料としてDL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを飽和濃度以上添加する。DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインは水性媒体に対する溶解度は低いが、反応の進行と共に溶解する。DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインの添加量は、特に制限されるものではないが、一般に0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜4重量%である。反応は10〜50℃、好ましくは25〜40℃の温度で、pHは4.0〜10.0、好ましくは7.0〜9.0で、水性媒体中又は/および該水性媒体を含有する容器中を窒素で置換した後、1〜14日、通常は1〜7日間程度撹拌しながら実施する。
【0024】
菌体処理物を作用させる場合、タンパク質重量で10〜100mg程度の菌体破砕物等を含む0.01〜1Mの緩衝液(pH7〜9)等の水性媒体に、DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを上記範囲で添加後反応させることが出来る。
なお、本発明でいう水性媒体とは、水または例えばリン酸バッファー等の適当な緩衝液を意味する。
このようにして水性媒体中に生成したD−3−(2−ナフチル)アラニンの反応終了液からの分離精製は常法通り公知の方法、例えば酸で沈殿させる酸晶析方法、あるいは合成吸着剤等を用いたカラムクロマトグラフィー法等で行なうことが出来る。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げるが、その要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
グルコース1g、酵母エキス1g、K2 HPO4 0.3g、KH2 PO4 0.1gMgSO4 ・7H2 O 50mg、MnSO4 ・7H2 O 1mg、5−イソプロピルヒダントイン0.3gを水100mlに溶解した培地を、20mlづつ200ml容量のバッフル付きフラスコに分注し、120℃で20分間殺菌した。30℃に冷却後、普通寒天培地上で24時間培養した下記の各菌株を1白金耳づつ接種し、30℃、20時間、160rpmのロータリーシェーカーで培養した。
【0026】
実施菌株
菌株A Agrobacterium radiobacter NRRL B11291
菌株B Agrobacterium radiobacter MCI3662
菌株C Alcaligenes aquamarinus FERM P−4229
菌株D Arthrobacter crystallopoietes JCM2522
菌株E Bacillus licheniformis IFO12199
菌株F Bacillus licheniformis IFO12200
菌株G Flavobacterium hydantoinophilum FERM P−4819
菌株H Paracoccus denitrificans FERM P−4349
【0027】
20時間後それぞれの培養物を回収し、菌体を遠心分離によって分離した。分離した菌体を再度100mMのリン酸緩衝液(pH7)に懸濁洗浄し、遠心分離によって菌体を分離した。該分離菌体を10mlの100mMリン酸緩衝液(pH7)に懸濁し、50ml容量の蓋付き遠沈管に入れ、DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを0.1g添加した。遠沈管を窒素置換した後、蓋を閉め、30℃にて24時間撹拌し、反応を行った。24時間後、遠沈管に1規定度のNaOH 1mlを加え反応終了液をアルカリ性にし、生成した未溶解のD−3−(2−ナフチル)アラニンおよび未反応のDL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを完全に溶解した後、遠心分離により菌体を除去した。シリカゲルの薄相クロマトグラフィー(TLC)を用いて、得られた反応上清中のD−3−(2−ナフチル)アラニンの生成を確認した。更に、HPLCにより、未反応基質およびD−3−(2−ナフチル)アラニンの定量と光学純度の測定を行った。又、反応終了液からHPLCによりD−3−(2−ナフチル)アラニンの画分を分取後、濃縮乾固し採取量を定量した。結果を下表に示した。
【0028】
Figure 0003873512
【0029】
実施例2
上記菌株B(MCI3662)を実施例1と同様の条件で培養して菌体を得た。この休止菌体を10mlの100mMリン酸緩衝液(pH7)に懸濁し、50ml容量の蓋付き遠沈管に入れ、DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインを0.3g添加した。遠沈管を窒素置換した後、蓋を閉め、30℃にて55時間撹拌し、反応を行った。55時間後、シリカゲルのTLCにて未反応のDL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインがないことを確認した。遠沈管に1規定度のNaOH 1mlを加えて生成した未溶解のD−3−(2−ナフチル)アラニンを完全に溶解した後、遠心分離により菌体を除去した。この反応上清に1規定度のHClを滴下し、pH7としたところ、結晶が析出し、系内が白濁した。遠心分離によりこの白色結晶を分離し、水および有機溶媒で数回洗浄した後、真空乾燥し、白色の粉体を192mg得た。この結晶の一部を0.01規定度のNaOHに溶解し、HPLCで測定した結果、D−3−(2−ナフチル)アラニンの純度は99.0%以上であった。さらにHPLCにて光学純度を測定した結果、各々99.5%eeであった。
なお、上記実施例にて用いたHPLCの分析条件は以下の通りである。
【0030】
Figure 0003873512
【0031】
Figure 0003873512
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬・農薬の合成中間体として有用なD−3−(2−ナフチル)アラニンを高収率で得ることが出来る。

Claims (2)

  1. DL−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインに、D−5−(2−ナフチル)メチルヒダントインからD−3−(2−ナフチル)アラニンを生成する能力を有するアグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、及び/またはバチルス(Bacillus)属からなる群より選ばれる微生物の菌体及び/またはその処理物を水性媒体中で作用させ、該水性媒体中にD−3−(2−ナフチル)アラニンを生成蓄積せしめ、該水性媒体中からD−3−(2−ナフチル)アラニンを採取することを特徴とするD−3−(2−ナフチル)アラニンの製造方法。
  2. アグロバクテリウム(Agrobacterium)属に属する微生物がアグロバクテリウム ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)、アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物がアルスロバクター クリスタロポイエテス(Arthrobacter crystallopoietes)、バチルス(Bacillus)属に属する微生物がバチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、である請求項1記載の製造方法。
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