JP3873355B2 - ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物及びそのマスターバッチ並びにポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物及びそのマスターバッチ並びにポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観、表面光沢、機械的特性及び耐光性が良好な、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形物及びその成形物を製造することができるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物、並びにポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、機械的性質、ガス遮断性、耐薬品性、保香性、透明性、衛生性等が良好であるため、各種部品、繊維状物、シート状物、管状物、容器状物等に加工され、広範囲に使用されている。
【0003】
用途によっては、着色によりポリエチレンテレフタレート樹脂に更に機能を加えることが必要となる。ポリエチレンテレフタレート樹脂の着色は、遮光性、装飾、色分け、プラスチックの耐光性向上、内容物の保護や隠蔽等の目的で行われ、産業界では、黒色の着色成形物が最も一般的で重要である。
【0004】
ポリエチレンテレフタレート樹脂の黒色着色は、従来から、カーボンブラックに代表される黒色顔料により行われている。例えば、重合時にカーボンブラックを添加したポリエチレンテレフタレート樹脂にその他の顔料を混合して製膜した特開昭49−40347号記載の多色配合原着ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートに顔料(例えば、カーボンブラック)を混合した原着ポリエステルペレットを製造する場合に、ポリエステルと顔料を溶融混合してマスターバッチを調整する特開昭61−250034号記載の原着ポリエステルペレットの製造法、ポリエチレンテレフタレート樹脂にヘマタイト構造の球状酸化鉄を添加する特開平2−281070号記載のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂との混合樹脂にカーボンブラックを分散した特開平5−194825号記載の黒色ポリエステル着色剤等が試みられている。
【0005】
また、繊維強化したポリエチレンテレフタレート樹脂は、成形材料として熱硬化性樹脂に匹敵する優れた物性(機械的強度、弾性率、衝撃強度、耐熱変形等)をもつことから、電子部品、自動車部品、電装部品等に使用されている。
【0006】
繊維強化したポリエチレンテレフタレート樹脂の着色としては、固有粘度0.35以上のポリエチレンテレフタレートと強化材とカーボンブラックを配合してなる特開平2−117951号記載の成形用ポリエステル樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレートとガラス繊維に加えて、脂肪族ポリエステル、イオン状炭化水素コポリマーの金属塩、酸化防止剤及び第二アミドを含有し、更に着色剤としてカーボンブラックを配合してなる特開平4−261462号記載の成形用組成物、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm 以下であるガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂にカーボンブラックを配合してなる特開平8−53610号記載の帯電防止性ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物等が挙げられる。
【0007】
近年においては、屋外において使用される製品にポリエチレンテレフタレート樹脂製品が広く利用されているため、より優れた耐光性を示すポリエチレンテレフタレート樹脂組成物が市場から強く要望されている。また、電気製品や自動車製品用の各部品に対しては、細部にわたって精度の高い成形品が強く望まれようになっている。
【0008】
ところが、従来のようにポリエチレンテレフタレート樹脂の黒色着色を黒色顔料(例えばカーボンブラック、フタロシアニンブラック等)を用いて行った場合、長時間混練しても黒色顔料が樹脂中に微細に分散し難く、着色剤を含有しないナチュラルレジンと比較して物性や耐光性の低下が生じる。またガラス繊維により強化されたポリエチレンテレフタレート樹脂の黒色着色を黒色顔料を用いて行った場合、流動性や成形品表面の光沢の著しい低下が生じ、成形中に熱変化によるそり変形が増大する場合もある。
【0009】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行なわれたものであって、その目的とするところは、均一に黒色着色され、表面光沢、耐光性、機械的特性、及び熱時寸法安定性が良好なポリエチレンテレフタレート系樹脂成形物、及びその成形物を製造することができるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ニグロシンにより着色したポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の成形物が、外観、表面光沢、機械的特性及び耐光性の何れにも優れることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、上記目的を達成する本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とニグロシンとを有してなり、前記ニグロシンがC.I.Solvent Black 5またはC.I.Solvent Black 7であり、前記ニグロシンの含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%であり、成形物の引張破壊までの伸びが元の樹脂の成形物に比し良好なものである
【0012】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、芳香族ジカルボン酸類(主に、テレフタル酸又はそのエステル)とグリコール類(主に、エチレングリコール)を主たる原料として得られ、分子内に多数のエチレンテレフタレートの繰り返し単位が存在するポリマーをいう。
【0013】
また、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し、繊維状補強材を10乃至60重量%有するものとすることができる。
【0014】
繊維状補強材としては、合成樹脂中に含有させて補強する上で用いることができるものを適宜使用し得、特に限定されない。例えば、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維(アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ナイロン、ポリエステル及び液晶ポリマー等)などを用いることができる。
【0015】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形物は、上記のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物からなる。
【0016】
次に、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂中に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%のニグロシンを加えることにより元の樹脂よりも伸びを改善させる方法であって、前記ニグロシンがC.I.Solvent Black 5またはC.I.Solvent Black 7であるものである。
【0017】
【発明の効果】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)の成形物は、ニグロシンによる着色の耐光性に優れ、退色の速度が緩やかであると共に同系色の退色変化のため、退色変化がわかりにくい。更に、多量の光の照射(耐光性試験)を受けたことによる表面光沢及び表面形状の変化は、カーボンブラックで着色した場合に比較して小さく、特に、繊維状補強材を有する成形物においては、カーボンブラックで着色した場合との差が大きい。
【0018】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の成形物は、着色剤を含有しないナチュラルレジンの成形物に比し、アイゾット衝撃値においてやや下回るものの、引っ張り降伏強さ、引っ張り破壊強さ、伸び、曲げ強さ、及び曲げ弾性率において同等又は上回ると共に伸びにおいて大きく上回り、機械的特性の劣化はほとんど生じない。カーボンブラックで着色した樹脂組成物の成形物と比較すると、ほとんどの機械的特性において上回り、特に、カーボンブラックで着色した樹脂組成物の成形物がほとんど伸びを示さず、降伏現象を生ずることがないのと比較して、極めて顕著な相違を示す。また、本発明の繊維状補強材を有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の成形物は、カーボンブラックで着色した繊維状補強材を有する樹脂組成物の成形物に比し、ほとんどの機械的特性において上回る。
【0019】
また本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)は、成形品の強度の異方性がほとんどなく、熱時寸法安定性も良好である。
【0020】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)におけるニグロシンは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対する分散性及び溶解性が良好なため、カーボンブラックのみを着色剤とした場合に比し、ドライカラー法においても短時間でより均一な黒色にポリエチレンテレフタレート系樹脂を着色することができ、均一な黒色に着色された成形物を容易に得ることができる。この均一着色の効果は、繊維状補強材の影響を受けるため着色剤が著しく分散しにくい繊維状補強材を含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の場合に、特に顕著である。
【0021】
また、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)は、金型を用いた成形において、そのポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶化速度が良好に調節されるので、ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物が金型内の隅々まで広がる。そのため、精度の良い成形が可能であると共に、成形物の表面に細かい凹凸ができにくく、外観及び表面光沢の良好な成形物が得られる。
【0022】
更に、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)は、熱溶融によってもニグロシンによる着色の変退色がほとんど生じず、また、ニグロシンを含有することによって熱溶融時の流動性が低下することがほとんどないので、熱溶融による成形物の製造に好適である。
【0023】
また本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物(繊維状補強材を有する場合も含む)は、カーボンブラック等の黒色顔料のみを着色剤とした場合とは異なり、ニグロシンを含有することにより絶縁性が低下することがほとんどないので、絶縁性の良い成形物を提供することができ、例えば電気、電子、自動車等の分野の部品の材料として最適である。
【0024】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法によれば、ニグロシンを加えることにより、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、ナチュラルレジンに比し大きく伸びることが可能なものとすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下の記述は、繊維状補強材を有するものと繊維状補強材を有しないものとを区別している場合を除き、繊維状補強材を有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物と繊維状補強材を有しないポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物に共通する。
【0026】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、エチレンテレフタレートの繰り返し単位を60モル%以上有するものが特に適する。より好ましくは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位を80モル%以上有するもの、更に好ましくは、エチレンテレフタレートの繰り返し単位を90モル%以上有するものである。
【0027】
本発明におけるポリエチレンテレフタレート系樹脂は、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸として、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸)等を共重合成分として含むものでもよく、エチレングリコール以外のグリコール類として、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレンオキサイド、ネオペンチルグリコール等を共重合成分として含むものでもよい。
【0028】
また、本発明におけるポリエチレンテレフタレート系樹脂は、上記のようなテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸および/またはエチレングリコール以外のグリコール類を共重合成分として含んでいてもよいポリエチレンテレフタレートと他の合成樹脂とのポリマーアロイとすることも可能である。そのようなポリマーアロイの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリカーボネートアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ポリアミドアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ABSアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレンアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ポリフェニレンエーテルアロイ、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートアロイ等を挙げることができる。
【0029】
ニグロシンは、C.I.Solvent Black5やC.I.Solvent Black7としてColor Indexに記載されているような、黒色のアジン系縮合混合物である。その合成は、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160乃至180℃で酸化及び脱水縮合することにより行い得る。ニグロシンは、反応条件、仕込み原料及び仕込比によって、種々の異なる化合物の混合物として生成するものであり、各種のトリフェナジンオキサジン及びフェナジンアジン等のアジン系化合物の混合物と推定されている。市販されているニグロシンとしては、スピリットブラックSB、スピリットブラックSSBB、スピリットブラックAB(以上、C.I.Solvent Black5);ニグロシンベースSA、ニグロシンベースSAP、ニグロシンベースEE、ニグロシンベースEX、ニグロシンベースEX−BP(以上、C.I.Solvent Black7)等を例示することができる[何れもオリヱント化学工業社製のニグロシンの商品名]。
【0030】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物中におけるニグロシンの含有量は、一般的樹脂着色(低着色濃度成形物)の場合、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至10重量%とすることができる。好ましくは0.01乃至5重量%、機械的物性を考慮すると、特に好ましくは0.01乃至3重量%である。また、マスターバッチ(高着色濃度成形物)の場合のニグロシンの含有量は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し20乃至50重量%とすることができる。好ましくは20乃至35重量%である。
【0031】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物は、用途・目的に応じ、各種の繊維状補強材を適量含有するものとすることができる。この繊維状補強材は、通常の合成樹脂の補強に用いるものであればよく、特に限定されない。例えば、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維(アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ナイロン、ポリエステル及び液晶ポリマー等)等であり、好ましくはガラス繊維である。
【0032】
ガラス繊維の場合、含アルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどの何れを用いることもできる。好ましくは、Eガラス及びTガラスである。このガラス繊維としては、2乃至15mmの繊維長で、1乃至20μmの繊維径のものが好適に用いられる。ガラス繊維の形態についての制限は特にない。例えば、ロービング、ミルドファイバー、チョップドストランド等の何れの形態であってもよい。このようなガラス繊維は、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0033】
ガラス繊維等の繊維状補強材の使用量は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対して例えば5乃至120重量%程度とすることができる。好ましくは10乃至60重量%、特に好ましくは20乃至50重量%である。5重量%未満の量では、ガラス繊維等による補強効果が十分には得られ難いことが多く、120重量%を越えると、成形性が低下することとなり易い。
【0034】
上記のガラス繊維は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂との親和性を高めるために、カップリング剤で表面処理されたものであってもよい。使用し得るカップリング剤の例としては、アミノシラン系、エポキシシラン系、ビニルシラン系及びメタクリルシラン系等のシラン系、並びに、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、及びボラン系の各カップリング剤を挙げることができる。これらの中では、シラン系カップリング剤及びチタネート系カップリング剤が好ましい。これらのカップリングでガラス繊維を表面処理する方法については、特に制限はなく、従来慣用されている水溶液法、有機溶媒法、スプレー法等の任意の方法を用いることができる。カップリング剤の使用量に特に制限はないが、通常、ガラス繊維に対して、0.1乃至1.5重量%になるように用いられる。
【0035】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物は、必要な各種添加剤を含有するものであってもよい。そのような添加剤の例としては、助色剤、分散剤、充填剤、安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、結晶促進剤、結晶核剤、難燃剤、及び耐衝撃性改良用のエラストマー等を挙げることができる。
【0036】
助色剤としては、着色力の強化や色調の調整等のために必要な場合、少量の無機顔料(例えばカーボンブラック、酸化鉄等)、有機顔料(例えばアニリンブラック、フタロシアニンブラック、ペリノンブラック等)又は有機染料(例えばモノアゾ含クロム染料、モノアゾ含コバルト染料等)を、本発明の目的を阻害しない範囲で含むことができる。
【0037】
分散剤の例としては、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ナトリウム等のステアリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0038】
改質剤の例としては、アミノ変性シリコンオイル及びアルキル変性シリコンオイル等のケイ素化合物を挙げることができる。
【0039】
紫外線吸収剤及び光安定剤の例としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾエート系化合物、オギザアリド系化合物、ヒンダードアミン系化合物及びニッケル酸塩等が挙げられる。
【0040】
酸化防止剤の例としては、フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物及びチオエーテル系化合物等が挙げられる。
【0041】
抗菌・防カビ剤の例としては、2−(4’−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、10,10’−オキシビスフェノキサアルシン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド及びビス(2−ピルジルチオ−1−オキシド)亜鉛等が挙げられる。
【0042】
難燃剤の例としては、テトラブロモビスフェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエーテル及びテトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン含有化合物;トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスファイト、赤リン及びポリリン酸アンモニウム等のリン含有化合物;尿素及びグアニジン等の窒素含有化合物;シリコンオイル、有機シラン及びケイ酸アルミニウム等のケイ素含有化合物;三酸化アンチモン及びリン酸アンチモン等のアンチモン化合物等を挙げることができる。
【0043】
潤滑剤の例としては、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテル等が挙げられる。
【0044】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の調製は、任意の方法により行い得る。例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂のペレット又は粉末と、粉砕されたニグロシンと、繊維強化の場合には繊維状補強材と、必要に応じ適量の各種添加物を、適当なミキサー中で混合することにより行い得る。
【0045】
通常、これらの配合成分はより均一に分散させることが好ましい。そのためには、例えば、配合成分の一部を配合機により別に十分に混合した後、残りの成分と混合して均質化させる方法(例えば、ニグロシンとポリエチレンテレフタレート系樹脂を別に十分に混合した後、ガラス繊維を含む他の成分と混合する方法)や、予めドライブレンドされた組成物を、加熱した押出機で溶融混練して均質化する方法等を用いることができる。また、本発明の樹脂組成物の調製は、適当な重合触媒を含有するモノマーにニグロシンを加え、重合によって所望のポリエチレンテレフタレート系樹脂とすることによっても行い得る。
【0046】
また本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の成形は、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形、発泡成形、ブロー成形、真空成形、インジェクションブロー成形、回転成形、カレンダー成形、溶液流延等の、一般に行なわれる何れの成形方法によっても成形可能である。また、押出機で溶融混練して針金状に押出し、それを所望の長さに切断して粒状化することもできる。
【0047】
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物のマスターバッチ(高濃度成形物)は、例えば、マスターバッチのベースとなるポリエチレンテレフタレート系樹脂の粉末又はペレットとニグロシンをタンブラー又はスーパーミキサー等で混合し、押出機、バッチ式混練機又はロール式混練機等を用いて、加熱溶融法によりペレット化又は粗粒子化することにより得ることができる。また、例えば合成後未だ溶液状態にあるマスターバッチ用ポリエチレンテレフタレート系樹脂に着色剤を添加した後、溶媒を除去してマスターバッチを得ることもできる。
【0048】
繊維状補強材を含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物の調製は、より具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とニグロシンを混合した後、この混合物とガラス繊維等の繊維状補強材とを通常の押出機を用いて溶融混練することにより、或は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とガラス繊維等の繊維状補強材とを通常の押出機を用いて溶融混練する工程中に、ニグロシンを、定量供給装置を用いて混入しながら溶融混練することにより、或は、ニグロシンを高濃度に含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂のマスターバッチを作成し、このマスターバッチとポリエチレンテレフタレート系樹脂及びガラス繊維等の繊維状補強材を混合して、通常の押出機により溶融混練することにより、得ることができる。
【0049】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0050】
実施例1乃至4並びに比較例1及び2は、繊維状補強材を有しないポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及び繊維強化されないポリエチレンテレフタレート樹脂成形物に関する。
【0051】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)・・・・500g
ニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースEX)・・・・0.25g
上記配合物をステンレス製タンブラーに入れ、1時間撹拌混合した。
【0052】
その混合物を、ベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)により260℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、このペレットを乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥させた。
【0053】
この乾燥させた着色ペレットを用いて、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)により、260℃で通常の方法で射出成形したところ、外観及び表面光沢が良好で、表面が滑らかで金型に対する精度が良く、色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0054】
この試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表2に示す。
【0055】
また、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記ニグロシン5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0056】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り降伏強さ、引張り破壊強さ、伸び、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表3に示す。
【0057】
本明細書における各実施例及び比較例についての試験方法、評価基準、及び測定方法は、下記のとおりである。
(1)外観試験
標準の光C(JISL0804)下で試験片を目視し、着色状態(着色剤の分散及び相溶性)と表面光沢と表面形状を評価した。
▲1▼着色の評価基準
◎:均一に鮮明に着色されている。
○:均一に着色されている。
△:一部着色がまばらである。
×:全体に着色がまばらである。
▲2▼表面光沢の評価基準
○:表面に光沢がある。
△:表面の一部に光沢がない。
×:表面に光沢がない。
▲3▼表面形状の評価基準
○:表面なめらかで、歪みがなく、寸法どおりである。
△:表面の一部に歪みがある。
×:表面に細かな凹凸があり、歪んでいる。
(2)耐光性試験
サンシャインキセノンロングライフウェザメーター(島津製作所社製 商品名:XW−1200A)を用い、006の試験条件のサイクル[下記条件のフェーズ1とフェーズ2の繰り返し]で、200時間、400時間、600時間及び800時間照射した。
【0058】
サンシャインキセノンロングライフウェザメーターによる耐光試験条件
[設定項目] [フェーズ1] [フェーズ2]
放射照度(Wm/2)(E) 70 70
ブラックスタンダード温度(℃) 63 ―
降雨試験 なし あり
湿度(%) 60 ―
時間(min) 120 18
耐光性試験前の試験片(標準)及び各時間照射後の試験片の反射濃度(OD値)を、透過・反射兼用濃度計(マクベス社製 商品名:TR−927)を用いて測定した。
【0059】
一般に、反射濃度(OD値)が高いものの方が、より表面の平滑性が高く、表面光沢が豊富であり、照射時間の経過に従いOD値がより大きく低下するものの方が、試験片の色相の変退色がより進んでいるものと判断される。
(3)アイゾット衝撃値の測定
アイゾット衝撃値の試験規格(繊維補強されない樹脂成型品:JISK7110、繊維補強された樹脂成型品:JISK7062)に従い、アイゾット衝撃値測定試験機(東洋精機社製 商品名:ユニバーサルインパクトテスターB−122403800)を用いて試験片のアイゾット衝撃値を測定した。
【0060】
アイゾット衝撃値:試験片が破壊した時、これに吸収されたエネルギーを試験片の切欠き部の元の断面積で除した値
(4)引張り降伏強さ、引張り破壊強さ及び伸びの測定
引張り強さの試験規格(繊維補強されない樹脂成型品:JISK7113、繊維補強された樹脂成型品:JISK7054)に従い、引張り強さ測定試験機(島津製作所社製 商品名:オートグラフDSS−5000)を用いて試験片の引張り降伏強さ、引張り破壊強さ及び伸びを測定した。
【0061】
引張り降伏強さ:荷重−伸び(ひずみ)曲線上で、荷重の増加なしに伸びの増加が認められる最初の点における引張り応力
引張り破壊強さ:試験片が破壊した瞬間における引張り応力
伸び:引張り破壊時に測定された伸びの値
(5)曲げ強さ及び曲げ弾性率の測定
曲げの試験規格(繊維補強されない樹脂成型品:JISK7203、繊維補強された樹脂成型品:JISK7055)に従い、曲げ測定試験機(島津製作所社製 商品名:オートグラフAG−50KNE)を用いて、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
【0062】
曲げ強さ:試験片の両端部分を支点で支えて両端支持梁とし、その中央部に上部から集中荷重を加えたときの最大曲げ応力
曲げ弾性率:弾性限度内の荷重−たわみ曲線の直線部における曲げ応力に対する試験片の変形抵抗度
実施例2及び3
実施例1のニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースEX)を、下記表1に示すニグロシンにそれぞれ変更する以外は実施例1と同様に処理して射出成形し、外観及び表面光沢が良好で、表面が滑らかで金型に対する精度が良く、色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0063】
【表1】
Figure 0003873355
これらの試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表2に示す。
【0064】
また、表1のポリエチレンテレフタレート樹脂500gと表1のニグロシン5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0065】
これらの試験片のアイゾット衝撃値、引張り降伏強さ、引張り破壊強さ、伸び、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表3に示す。
【0066】
次に、実施例4は、先ずマスターバッチ(高濃度成形物)を製造し、そのマスターバッチをポリエチレンテレフタレート樹脂で希釈成形した例に関する。
【0067】
実施例4
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)・・・・500g
ニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースSAP)・・・・125g
上記配合物をステンレス製タンブラーに入れ、1時間撹拌混合した。
【0068】
その混合物を、二軸押出機(池貝鉄工社製 商品名:PCM−30)を用いて発生ガスを吸引しつつ260℃で溶融混練することにより、黒色ペレットを得た。このペレットを一昼夜120℃で減圧乾燥させることにより、着色剤濃度20重量%のマスターバッチを得た。
【0069】
このマスターバッチをポリエチレンテレフタレート樹脂で100倍濃度(重量比)に希釈するために、このマスターバッチ及び必要量のポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)をステンレス製タンブラーに入れて1時間撹拌混合した。
【0070】
その後、混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)により260℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、このペレットを乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥させた。
【0071】
その着色ペレットを用いて、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)により、260℃で通常の方法で射出成形したところ、外観及び表面光沢が良好で色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0072】
比較例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)・・・・500g
カーボンブラック(三菱化学社製 商品名:960)・・・・0.25g
上記配合物を用い、実施例1と同様に着色ペレットを作成して射出成形したところ、表面光沢が少なく、また着色剤の分散が不均一で色むらが大きい黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0073】
この試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表2に示す。
【0074】
また、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記カーボンブラック5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0075】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り降伏強さ、引張り破壊強さ、伸び、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表3に示す。
【0076】
比較例2
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)・・・・500g
カーボンブラックの25重量%マスターバッチ(越谷化学社製 商品名:カーボンMB)・・・・1g
上記配合物を用い、実施例1と同様に着色ペレットを作成して射出成形したところ、表面光沢が少なく、また着色剤の分散が良好でない黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0077】
この試験片の外観、表面、耐光性に関する測定結果を、後記表2に示す。
【0078】
また、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記カーボンブラックの25重量%マスターバッチ20gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0079】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り降伏強さ、引張り破壊強さ、伸び、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表3に示す。
【0080】
【表2】
Figure 0003873355
【0081】
【表3】
Figure 0003873355
実施例1乃至3の試験片は、伸びが良好なため、引張り降伏後に引張り破壊が起こった。ところが、比較例1及び2の試験片は伸びがほとんどなく、引張り降伏強さの測定途中に試験片が破壊してしまい、引張り降伏強さを測定できなかった。
【0082】
実施例5乃至8並びに比較例3及び4は、繊維状補強材を有するポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及び繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂成形物に関する。
【0083】
実施例5
ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂[ポリエチレンテレフタレート樹脂:ガラス繊維=100:30の重量混合比の繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂](デュポン社製 商品名:ライナイト)・・・・500g
ニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースEX)・・・・0.25g
上記配合物をステンレス製タンブラーに入れ、1時間撹拌混合した。
【0084】
その混合物を、ベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)により270℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、このペレットを乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥させた。
【0085】
この乾燥させた着色ペレットを用いて、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)により、270℃で通常の方法で射出成形したところ、外観及び表面光沢が良好で、表面が滑らかで金型に対する精度が良く、色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0086】
この試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表5に示す。
【0087】
また、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記ニグロシン5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0088】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り破壊強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表6に示す。
【0089】
実施例6及び7
実施例5のニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースEX)を、下記表4に示すニグロシンにそれぞれを変更する以外は実施例5と同様に処理して射出成形し、外観及び表面光沢が良好で、表面が滑らかで金型に対する精度が良く、色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0090】
【表4】
Figure 0003873355
これらの試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表5に示す。
【0091】
また、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記ニグロシン5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0092】
これらの試験片のアイゾット衝撃値、引張り破壊強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表6に示す。
【0093】
次に、実施例8は、先ずマスターバッチ(高濃度成形物)を製造し、そのマスターバッチを繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂で希釈成形した例に関する。
【0094】
実施例8
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 商品名:ES2040)・・・・500g
ニグロシン(オリヱント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースEX)・・・・167g
上記配合物をステンレス製タンブラーに入れ、1時間撹拌混合した。
【0095】
その混合物を、二軸押出機(池貝鉄工社製 商品名:PCM−30)を用いて、発生ガスを吸引しつつ270℃で溶融混練することにより、黒色ペレットを得た。このペレットを一昼夜120℃で減圧乾燥することにより、着色剤濃度25重量%のマスターバッチを得た。
【0096】
このマスターバッチをガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂で100倍濃度(重量比)に希釈するために、このマスターバッチ及び必要量のガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂(デュポン社製 商品名:ライナイト)をステンレス製タンブラーに入れて1時間撹拌混合した。
【0097】
その後、混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)により270℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、このペレットを乾燥機に入れて80℃で3時間乾燥させた。
【0098】
その着色ペレットを用いて、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)により、270℃で通常の方法で射出成形したところ、外観及び表面光沢が良好で色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0099】
比較例3
ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂(デュポン社製 商品名:ライナイト)・・・・500g
カーボンブラック(三菱化学社製 商品名:960)・・・・0.25g
上記配合物を用い、実施例5と同様に着色ペレットを作成して射出成形したところ、ガラス繊維が表面に浮き出て表面光沢が少なく、また着色剤の分散が不均一で色むらが大きい黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0100】
この試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表5に示す。
【0101】
また、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記カーボンブラック5gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0102】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り破壊強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表6に示す。
【0103】
比較例4
ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂(デュポン社製 商品名:ライナイト)・・・・500g
カーボンブラックの25重量%マスターバッチ(越谷化学社製 商品名:カーボンMB)・・・・1g
上記配合物を用い、実施例5と同様に着色ペレットを作成して射出成形したところ、ガラス繊維が表面に浮き出て、表面光沢が少なく、また着色剤の分散が良好でない黒色の試験片[48×86×3(mm)]を得た。
【0104】
この試験片の外観についての目視評価結果及び耐光性試験における反射濃度測定結果を、後記表5に示す。
【0105】
また、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂500gと上記カーボンブラックの25重量%マスターバッチ20gを上記と同様に処理して成形を行うことにより、アイゾット衝撃値、引張り降伏強さ・引張り破壊強さ・伸び、曲げ強さ・曲げ弾性率の各試験規格に従った物性試験用試験片を得た。
【0106】
この試験片のアイゾット衝撃値、引張り破壊強さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率に関する測定結果を、後記表6に示す。
【0107】
【表5】
Figure 0003873355
【0108】
【表6】
Figure 0003873355
なお、実施例5乃至7並びに比較例3及び4の試験片は、繊維強化されているため、引張り降伏強さは測定できず、伸びもほとんどなかった。

Claims (6)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂とニグロシンと繊維状補強材を有してなり、
    前記ニグロシンがC.I.Solvent Black 5またはC.I.Solvent Black 7であり、前記ニグロシンの含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%であり、
    前記繊維状補強材の含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し10乃至60重量%であるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. 上記繊維状補強材が、繊維長が2乃至15mmで繊維径が1乃至20μmのガラス繊維である請求項1記載のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  3. 上記ガラス繊維が、カップリング剤で表面処理されたものである請求項2記載のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  4. ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、ニグロシンと、充填剤または補強材を有してなり、
    前記ニグロシンがC.I.Solvent Black 5またはC.I.Solvent Black 7であり、前記ニグロシンの含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%であり、
    前記充填剤又は補強材として、繊維状補強材を、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し10乃至60重量%含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  5. 上記繊維状補強材が、繊維長が2乃至15mmで繊維径が1乃至20μmのガラス繊維である請求項4記載のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  6. 上記ガラス繊維が、カップリング剤で表面処理されたものである請求項5記載のポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
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