JP3872741B2 - プラズマ化学蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを発生させて基板上の物質を処理するプラズマ化学蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば半導体等の物質を基板に蒸着させるために、真空状態にした基板と、該基板と平行に対面配置された放電電極との間にこれらの物質を含む製膜用ガスを導入すると共に、該放電電極へ高周波電力を給電し、基板と放電電極との間にプラズマを発生させ、該プラズマにより物質を含む製膜用ガスを分解することにより目的の物質を基板に蒸着させるプラズマ化学蒸着装置(プラズマCVD装置)がある(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−274099号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなプラズマ化学蒸着装置では、例えば縦方向×横方向の寸法が1[m]×1[m]を超える大面積基板を製膜するような場合、生成される膜の膜厚分布を基板全体で均一化することが難しいという問題がある。
そのため、例えば特許文献1に記載の技術では、基板上の複数の放電電極へ給電するための複数の高周波ケーブルを均一のインピーダンスに調整し、高周波電力給電回路により発生した高周波電力を安定的に供給すると共に、周波数の異なる2つの高周波電力を放電電極に供給することにより、膜厚の均一化の妨げとなる放電電極上の定在波の発生を抑制し、膜厚分布を均一化しようとするものの、放電電極の配置に起因する局所的な膜厚分布の不平衡が発生し、大面積基板における膜厚の分布特性が十分に改善されていないという問題があった。
【0005】
特に、放電電極にラダー型電極や網目状電極を用いる場合、隣接する放電電極が左右に存在する基板中央部の放電電極と、隣接する放電電極が左右のどちらか一方にしか存在しない、給電方向と直角の方向の基板端部(以下、基板左右部とする)近傍の放電電極とでは、その配置及び構造上、それぞれの放電電極が基板に与える影響が異なるため、蒸着される膜の膜厚分布が均一にならない傾向があった。そのため、膜厚の分布特性が均一な基板を得ようとする場合、基板左右部の膜厚が不均一な部分の利用をあきらめて、希望の大きさの基板より一回り大きな基板を製膜し、膜厚の分布特性が均一な部分のみを切り出すような処理が必要となり、物質が蒸着された基板生産の歩留まりが低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、基板上の物質の膜厚分布を容易に均一化することができるプラズマ化学蒸着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項の発明に係るプラズマ化学蒸着装置は、高周波電力給電回路(例えば実施の形態の電力分配器10a、10bと高周波電源11a、11bとマッチングボックス12a、12b)により発生した高周波電力を複数の放電電極(例えば実施の形態のラダー電極2の縦方向電極棒2a)へ給電し、物質を含む製膜用ガスが導入された製膜室(例えば実施の形態の製膜室1)内の前記放電電極と基板(例えば実施の形態の基板3)との間にプラズマを発生させて、前記物質を前記基板上に蒸着させるプラズマ化学蒸着装置において、前記放電電極による給電方向に対して直角の方向に発生する前記放電電極上の電圧分布の偏差を調整するための電圧分布調整手段を備え、該電圧分布調整手段が、前記放電電極の給電点(例えば実施の形態の給電点6a〜6hと給電点7a〜7h)から前記高周波電力給電回路の方向を見た時のインピーダンスを変更するために、前記高周波電力給電回路から前記複数の放電電極へ高周波電力を供給するための複数の高周波ケーブル(例えば実施の形態の同軸ケーブル8a〜8hと同軸ケーブル9a〜9h)の中の少なくとも1つに設けられるインピーダンス変更手段であり、該インピーダンス変更手段が、前記高周波ケーブルから分岐する分岐ケーブル(例えば実施の形態の分岐ケーブル22)により構成されたスタブであり、該スタブが、前記分岐ケーブルの先端に接続された受動素子を備えると共に、該受動素子の定数の変更によって、前記放電電極の給電点から前記高周波電力給電回路の方向を見た時のインピーダンスを変更することを特徴とする。
【0010】
以上の構成を備えたプラズマ化学蒸着装置は、隣接する放電電極が左右に存在する基板中央部の放電電極と、隣接する放電電極が左右のどちらか一方にしか存在しない基板左右部(給電方向と直角の方向の基板端部)の放電電極との配置及び構造の違いにより偏差が発生する基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを、電圧分布調整手段を用いて均衡させて、プラズマを発生させるために前記放電電極と前記基板との間に印加される電圧分布を、前記基板全体において均一化させることができる。
【0012】
また、インピーダンス変更手段により、高周波電力給電回路から複数の放電電極へ高周波電力を供給するための複数の高周波ケーブルのそれぞれと、対応する放電電極の給電点との間のインピーダンス整合を調整することで、それぞれの放電電極に給電される高周波電力を調整し、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0014】
さらに、複数の放電電極へ高周波電力を供給するための複数の高周波ケーブルのそれぞれと、対応する放電電極の給電点との間のインピーダンス整合をスタブにより調整することで、それぞれの放電電極に給電される高周波電力を容易に調整し、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0016】
そして、受動素子の定数の選び方で、スタブのインピーダンスを自由に設定することができる。
【0021】
請求項の発明に係るプラズマ化学蒸着装置は、高周波電力給電回路(例えば実施の形態の電力分配器10a、10bと高周波電源11a、11bとマッチングボックス12a、12b)により発生した高周波電力を複数の放電電極(例えば実施の形態のラダー電極2の縦方向電極棒2a)へ給電し、物質を含む製膜用ガスが導入された製膜室(例えば実施の形態の製膜室1)内の前記放電電極と基板(例えば実施の形態の基板3)との間にプラズマを発生させて、前記物質を前記基板上に蒸着させるプラズマ化学蒸着装置において、前記放電電極による給電方向に対して直角の方向に発生する前記放電電極上の電圧分布の偏差を調整するための電圧分布調整手段を備え、前記電圧分布調整手段が、前記放電電極の給電点から前記放電電極の方向を見た時のインピーダンスを変更するために、前記放電電極と接地点との間に設けられるインピーダンス変更手段であり、該インピーダンス変更手段が、前記放電電極と前記接地点との間に接続された受動素子(例えば実施の形態の終端用コイル31a〜31d)を備えると共に、該受動素子の定数の変更によって、前記放電電極と前記接地点との間のインピーダンスを変更することを特徴とする。
【0022】
以上の構成を備えたプラズマ化学蒸着装置は、インピーダンス変更手段により、直接放電電極のインピーダンスを変更することで、それぞれの放電電極に給電される高周波電力を調整し、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0024】
さらに、受動素子の定数の選び方で、放電電極と接地点との間のインピーダンスを自由に設定することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置について説明する。図1は、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の製膜室であって、製膜室1内には、放電電極として用意されたラダー電極2と、ラダー電極2と所定の間隔をもって対面配置され、かつ接地されているアース電極(図示せず)と、該アース電極により保持された基板3とが備えられている。
【0030】
また、製膜室1には、基板3への蒸着を希望するアモルファスシリコンや多結晶薄膜シリコン等の物質を含む製膜用ガスを導入するためのガス供給管4と、プラズマによる分解後のガスを排気するためのガス排気管5とが備えられ、製膜室1は、図示しないガス供給源からガス供給管4を介して製膜用ガスが供給されると共に、図示しない真空ポンプにより、ガス排気管5を介してプラズマによる分解後のガスが吸引される構成をなしている。
【0031】
一方、ラダー電極2は、平行な複数本の縦方向電極棒2aと平行に対面配置された一対の横方向電極棒2b、2cとを格子状に組み立ててなるものであり、更にラダー電極2は、アース電極(図示せず)により保持される基板3と平行に対面配置されている。また、ラダー電極2を構成する横方向電極棒2bには例えば8つの給電点6a〜6hが設けられ、同様にラダー電極2を構成する横方向電極棒2cにも8つの給電点7a〜7hが設けられている。なお、各給電点6a〜6h、及び各給電点7a〜7hは、それぞれが受け持つ縦方向電極棒2aの本数が同じになるように横方向電極棒2b、2cを等分する位置にそれぞれ設けられている。
【0032】
なお、基板3が例えば1100[mm]×1400[mm]角サイズである場合は、ラダー電極2は、1200[mm]×1500[mm]角サイズ程度の基板3よりも一回り大きなサイズのものを利用する。
【0033】
また、給電点6a〜6hには、製膜用ガスを分解するためのプラズマを発生させる高周波電力をラダー電極2へ給電するために、8本の同軸ケーブル8a〜8hが接続されており、給電点6a〜6hに接続された8本の同軸ケーブル8a〜8hの反対側は、製膜室1の外部に配置された電力分配器10aの出力端子に接続されている。
【0034】
ここで電力分配器10aは、高周波電源11aの出力する高周波電力を均等に給電点6a〜6hへ分配するための分配器であって、電力分配器10aの入力端子は、効率よく高周波電力が供給されるように電力分配器10aと高周波電源11aとの間のインピーダンス整合を調整するためのマッチングボックス12aを介して、高周波電源11aへ接続されている。
【0035】
同様に、給電点7a〜7hには、製膜用ガスを分解するためのプラズマを発生させる高周波電力をラダー電極2へ給電するために、8本の同軸ケーブル9a〜9hが接続されており、給電点7a〜7hに接続された8本の同軸ケーブル9a〜9hの反対側は、製膜室1の外部に配置された電力分配器10bの出力端子に接続されている。また、電力分配器10bの入力端子は、マッチングボックス12bを介して、高周波電源11bへ接続されている。
【0036】
なお、ここで電力分配器10bは、電力分配器10aと同様に、高周波電源11bの出力する高周波電力を均等に給電点7a〜7hへ分配するための分配器である。また、マッチングボックス12bは、マッチングボックス12aと同様に、効率よく高周波電力が供給されるように電力分配器10bと高周波電源11bとの間のインピーダンス整合を調整するために用いられる。
また、電力分配器10a、10bと、高周波電源11a、11bと、マッチングボックス12a、12bは、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の高周波電力給電回路を構成している。
【0037】
このような構成により、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、真空状態にした製膜室1内に、ガス供給管4から例えばアモルファスシリコンを含む製膜用ガスを導入すると共に、ガス排気管5からプラズマによる分解後のガスを排気しながら、マッチングボックス12aと電力分配器10aとを介して、高周波電源11aからは、例えば周波数60.0MHzの高高周波(VHF)電力をラダー電極2へ給電する。
【0038】
一方、マッチングボックス12bと電力分配器10bとを介して、高周波電源11bからは、高周波電源11aと同一周波数60.0MHzの高高周波(VHF)電力をラダー電極2へ給電し、高周波電源11aの位相を基準にして高周波電源11bの位相を時間的に変動させて、給電点6a〜6hと7a〜7h間の縦方向電極棒2aの電圧分布の均一化を行う。また、この時、高周波電源11a及び高周波電源11bから供給される全電力は、例えば3000Wとなるように調整する。
【0039】
そして、この状態で5〜10分間程度、ラダー電極2と基板3との間にプラズマを発生させると、プラズマ中でアモルファスシリコンを含む製膜用ガスが分解され、基板3の表面に希望のアモルファスシリコンの結晶が生成される。また、この時、高周波電源11a、11bによる同一周波数の高周波電力の位相差を時間的に変化させることにより、膜厚の均一化の妨げとなるラダー電極2上の定在波の発生を抑制し、給電方向の膜厚分布の均一化が促進される。
【0040】
次に、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置において、上述のように物質を基板3に蒸着させる際の、給電方向と直角の方向の膜厚を均一化させる手段について説明する。
まず、同軸ケーブル8a〜8h、及び同軸ケーブル9a〜9hについて更に説明すると、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hに、それぞれの同軸ケーブルと、対応する給電点6a、6b、6g、6h、7a、7b、7g、7hとの間のインピーダンス整合を調整するためのインピーダンス変更手段が設けられている。
【0041】
具体的に図面を参照して説明すると、図2は、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hを代表して、同軸ケーブル8hについて詳細に示した図であって、同軸ケーブル8hは、製膜室1の外側(大気側)に、同軸ケーブル8hを分岐するT字コネクタ21と、T字コネクタ21の分岐端子に接続された分岐ケーブル22とを備えている。
【0042】
ここで、同軸ケーブル8hからT字コネクタ21により分岐された分岐ケーブル22は、同軸ケーブル8hに対するスタブを構成するものであって、該スタブのインピーダンスを調整することにより、給電点6hから、電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを変更することができる。
【0043】
これを、図3に示すモデル化されたスタブを用いて説明すると、スタブに用いる分岐ケーブル22の特性インピーダンスを同軸ケーブル8hの特性インピーダンス(例えば50[オーム])と同じ特性インピーダンスZ、分岐ケーブル22の長さをd、スタブ(分岐ケーブル22)の先端(T字コネクタ21の分岐端子とは反対の方向)に接続される負荷のインピーダンスをZとした時、T字コネクタ21の分岐端子からスタブ(分岐ケーブル22)の先端を見たインピーダンスZは、下記(1)式により求めることができる。
【数1】
Figure 0003872741
【0044】
なお、図2、図3及び(1)式において各要素の文字(インピーダンスを示す文字)上部に点が付与されているのは、各要素が抵抗成分とインダクタンス成分とを含む複素数で表されることを示し、本実施の形態、及び後述する第2の実施の形態で扱うインピーダンスは、全て複素数で表されるものとする。
【0045】
これにより、図4(a)に示すスタブ(分岐ケーブル22)の先端を短絡させた場合(短絡線路:インピーダンスZ=0)における分岐ケーブル22の長さdに対するインピーダンスZの特性と、図4(b)に示すスタブ(分岐ケーブル22)の先端を開放させた場合(開放線路:インピーダンスZ=無限大)における分岐ケーブル22の長さdに対するインピーダンスZの特性とを比較してもわかるように、分岐ケーブル22の長さdが同一でも、スタブ(分岐ケーブル22)の先端を短絡あるいは開放するだけで、T字コネクタ21の分岐端子からスタブ(分岐ケーブル22)の先端を見たインピーダンスZを変更することができる。
【0046】
なお、図4(a)、(b)に示すように、短絡線路及び開放線路では、電圧定在波の波節の点(短絡線路ではd=0、λ/2、λ・・・の点、開放線路ではd=λ/4、3λ/4、5λ/4の点)では電圧がゼロになるのでインピーダンスZはゼロとなり、電圧定在波の波腹の点(短絡線路ではd=λ/4、3λ/4、5λ/4の点、開放線路ではd=0、λ/2、λ・・・の点)では電流がゼロになるのでインピーダンスZは無限大となる。
【0047】
従って、スタブのインピーダンスZとT字コネクタ21の入力端子から電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスとの合成インピーダンスとなる、給電点6hから、電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを、スタブ(分岐ケーブル22)の先端の短絡あるいは開放の処理により変更することができる。
【0048】
また、スタブ(分岐ケーブル22)の先端を短絡あるいは開放のどちらかに固定した場合でも、分岐ケーブル22の長さdを変更することにより、T字コネクタ21の分岐端子からスタブ(分岐ケーブル22)の先端を見たインピーダンスZを変更することができる。従って、同様に給電点6hから、電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを、分岐ケーブル22の長さdによっても変更することができる。
【0049】
更に、スタブ(分岐ケーブル22)の先端にコイルやコンデンサ、または抵抗等の受動素子、あるいはこれらの複合回路による負荷を接続し、受動素子の定数変更により負荷のインピーダンスZを変更することでも、T字コネクタ21の分岐端子からスタブ(分岐ケーブル22)の先端を見たインピーダンスZを変更することができる。従って、同様に給電点6hから、電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを、受動素子の定数変更によっても変更することができる。
【0050】
また、スタブに用いる分岐ケーブル22自体の特性インピーダンスを同軸ケーブル8hの特性インピーダンスとは異なるものとすることでも、T字コネクタ21の分岐端子からスタブ(分岐ケーブル22)の先端を見たインピーダンスZを変更することができる。従って、同様に給電点6hから、電力分配器10a方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを、分岐ケーブル22自体の特性インピーダンスによっても変更することができる。
なお、同軸ケーブル8h以外の同軸ケーブル8a、8b、8g、9a、9b、9g、9hにも、同様のT字コネクタ21と分岐ケーブル22が備えられている。
【0051】
これにより、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hに設けられたスタブを用いて、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hと、対応する給電点6a、6b、6g、6h、7a、7b、7g、7hとの間のインピーダンス整合を調整し、給電点6a、6b、6g、6h、7a、7b、7g、7hに給電される高周波電力、すなわちラダー電極2を構成する平行な複数本の縦方向電極棒2aに給電される高周波電力をそれぞれ調整することで、基板左右部(給電方向と直角の方向の基板端部)の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0052】
そのため、プラズマを発生させるためにラダー電極2と基板3との間に印加される電圧分布を基板3全体において均一化させ、均一化された電圧分布により膜厚が均一な基板を製膜することができる。
【0053】
図5は、一例として、同軸ケーブル8a、8h、9a、9hに分岐ケーブル22の先端が開放されたスタブを配置し、分岐ケーブル22の長さdを変更した場合に、図1に示す放電電極中央位置Sにおいて給電方向に対し直角の方向に発生する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。図5に示すように、同軸ケーブル8a、8h、9a、9hが接続される給電点6a、6h、7a、7hに対応する基板3の一方の端から100〜300[mm]程度、及び1300〜1500[mm]程度の電圧分布を、分岐ケーブル22の長さdにより有効に調整可能なことがわかる。
【0054】
また、図6は、一例として、同軸ケーブル8b、8g、9b、9gに分岐ケーブル22の先端が開放されたスタブを配置し、分岐ケーブル22の長さdを変更した場合に、図1に示す放電電極中央位置Sにおいて給電方向に対し直角の方向に発生する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。図6に示すように、同軸ケーブル8b、8g、9b、9gが接続される給電点6b、6g、7b、7gに対応する基板3の一方の端から200〜400[mm]程度、及び1200〜1400[mm]程度の電圧分布を、分岐ケーブル22の長さdにより有効に調整可能なことがわかる。
【0055】
更に、図7は、一例として、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hに分岐ケーブル22の先端が開放されたスタブを配置し、分岐ケーブル22の長さdを変更した場合に、図1に示す放電電極中央位置Sにおいて給電方向に対し直角の方向に発生する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。この例では、図5及び図6に示すスタブの効果が合成され、図7に示すように、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hが接続される給電点6a、6b、6g、6h、7a、7b、7g、7hに対応する基板3の一方の端から100〜400[mm]程度、及び1200〜1500[mm]程度の電圧分布を、分岐ケーブル22の長さdにより有効に調整可能なことがわかる。
【0056】
なお、図5、図6、及び図7に示すシミュレーションの計算条件は、(1)電子質量:9.11E−31[kg]、(2)高周波電力周波数:60[MHz]、(3)ガス圧:6.66[Pa]、(4)電子温度:3.0[eV]、(5)電極−対向電極間距離:38[mm]、(6)電子質量:1.62E−19[C]、(7)ラダー導電体半径:5[mm]、(8)電子密度:5.0E−8[1/cc]、(9)誘電率:8.854E−12[F/m]、(10)シース長/デバイス長:2[倍]とした。また、図5、及び図6において示す「len」は、波長λで表された分岐ケーブル22の長さdを、実際の高周波電力の波長λに合わせて数値化した値である。
【0057】
本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、図5、図6、及び図7を参照してスタブの条件を求めた結果、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hに分岐ケーブル22の先端が開放されたスタブを配置した場合は、同軸ケーブル8a、8h、9a、9hに配置したスタブの分岐ケーブル22の長さdをd=λ/2.222とし、同軸ケーブル8b、8g、9b、9gに配置したスタブの分岐ケーブル22の長さdをd=λ/2.083とした時に、最適な状態が得られた。具体的には、高周波電源11a、11bによる同一周波数の高周波電力の位相差を時間的に変化させることで、膜厚の均一化の妨げとなるラダー電極2上の定在波の発生を抑制する方向に十分に調整した効果と合わせて、基板3全体の膜厚の誤差が膜厚自体の±10%程度の値まで改善することができる。
【0058】
なお、上述の実施の形態では、同軸ケーブル8a〜8h、及び同軸ケーブル9a〜9hの中で、同軸ケーブル8a、8b、8g、8h、9a、9b、9g、9hにスタブを配置する場合を説明したが、スタブを配置する同軸ケーブルの位置及び数は、これら8個のスタブに限らず、同軸ケーブル8a〜8h、及び同軸ケーブル9a〜9hがこれより多くなった場合も含め、どの同軸ケーブルに配置しても良い。従って、n本(nは正の整数)の同軸ケーブルに対するスタブの配置の組合せは、同軸ケーブルを1本、2本、3本、・・・n本ずつ選択する組合せ数の総計数だけ考えられる。
【0059】
また給電点から電力分配器方向(高周波電力給電回路方向)を見た場合のインピーダンスを変更する手段は、上述のようなスタブに限らず、それぞれの同軸ケーブルと、対応する給電点との間のインピーダンス整合を調整することができるものであれば、どのような手段であっても良い。
【0060】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置は、基板3の表面に希望の物質を蒸着させる際に、高周波電源11a、11bによる周波数が同一な高周波電力をラダー電極2に供給し,高周波電源11a、11bによる同一周波数の高周波電力の位相差を時間的に変化させることで、膜厚の均一化の妨げとなるラダー電極2上の定在波の発生を抑制し、給電方向の膜厚分布の均一化を促進すると共に、給電方向と直角の方向の膜厚を均一化させるように、高周波電力給電回路からラダー電極2へ高周波電力を供給するための複数の同軸ケーブルに配置したスタブにより、同軸ケーブルのそれぞれと、対応するラダー電極2の給電点との間のインピーダンス整合を調整することで、ラダー電極2のそれぞれの縦方向電極棒2aに給電される高周波電力を調整し、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0061】
従って、大面積基板における膜厚の分布特性を改善し、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
特に、PiN構造を持つ例えばアモルファスシリコン太陽電池等に用いる基板を製膜する際に、p層、i層、n層のいずれも有効に製膜することができ、電池性能を大きく向上させることができる。また、膜厚分布が均一化するため、プロセス中のレーザエッチング工程におけるレーザ切れが大幅に向上すると共に、製品の概観が良くなるという効果も得られる。更に、製膜室内への物質の付着も均一化されるため、セルフクリーニング時のクリーニング時間を短縮し、クリーニング前後における製膜への影響も最小化できるという効果も得られる。
【0062】
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置について説明する。第1の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置が、高周波電力給電回路からラダー電極2へ高周波電力を供給するための複数の同軸ケーブルに配置したスタブにより、同軸ケーブルのそれぞれと、対応するラダー電極2の給電点との間のインピーダンス整合を調整することで、ラダー電極2のそれぞれの縦方向電極棒2aに給電される高周波電力を調整していたのに対し、第2の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、同軸ケーブルにスタブは設けず、ラダー電極2側のインピーダンスを変更することで、同軸ケーブルのそれぞれと、対応するラダー電極2の給電点との間のインピーダンス整合を調整する場合について説明する。
【0063】
従って、以下の説明ではプラズマ化学蒸着装置の製膜室1内の構成についてのみ説明し、その他の構成は、上述のように同軸ケーブルにスタブを設けないことを除き、図1を用いて説明した第1の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置と同一であるので、ここでは説明を省略する。図8は、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の製膜室1内の主要部の構成を示す図である。
【0064】
図8において、終端コイル31a、31bは、主に、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の8つの給電点6a〜6hよりラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスを変更するために、基板3の基板左右部(給電方向と直角の方向の基板端部)近傍において、ラダー電極2を構成する横方向電極棒2bと接地点(例えば図示しないアース電極)との間に接続されたコイルであって、コイルのインピーダンスとラダー電極2のインピーダンスとの合成インピーダンスが、給電点6a〜6hよりラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスとなる。
【0065】
同様に、図8において、終端コイル31c、31dは、主に、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の8つの給電点7a〜7hよりラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスを変更するために、基板3の基板左右部(給電方向と直角の方向の基板端部)近傍において、ラダー電極2を構成する横方向電極棒2cと接地点(例えば図示しないアース電極)との間に接続されたコイルであって、コイルのインピーダンスとラダー電極2のインピーダンスとの合成インピーダンスが、給電点7a〜7hよりラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスとなる。
【0066】
これにより、本実施の形態のプラズマ化学蒸着装置では、終端コイル31a〜31dの定数を変更することにより、同軸ケーブル8a〜8h、及び同軸ケーブル9a〜9hと、対応する給電点6a〜6h、及び給電点7a〜7hとの間のインピーダンス整合を調整し、ラダー電極2を構成する平行な複数本の縦方向電極棒2aに給電される高周波電力を調整することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0067】
図9は、終端コイル31a〜31dの定数Lをパラメータにして、終端コイル31a〜31dの挿入位置(図9の中ではコイルを模した記号で示す)と、調整された電圧分布による放電電極中央位置(図8に示す放電電極中央位置S)における製膜速度比率の関係をシミュレーションした結果である。図9に示すように、ラダー電極2上の調整された電圧分布による基板3上の製膜速度を、終端コイル31a〜31dの定数により有効に調整可能なことがわかる。
従って、終端コイル31a〜31dにより、プラズマを発生させるためにラダー電極2と基板3との間に印加される電圧分布を基板3全体において均一化させ、均一化された電圧分布により膜厚が均一な基板を製膜することができる。
【0068】
なお、上述の実施の形態では、給電点からラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスを変更するために、ラダー電極2と接地点との間に接続された終端コイル31a〜31dを用いたが、終端コイル31a〜31dの代わりに、コンデンサや抵抗等の受動素子、あるいはコイルを含むこれらの複合回路を接続し、受動素子の定数変更により、給電点からラダー電極2の方向を見た場合のインピーダンスを変更するようにしても良い。更に、インピーダンスを変更するための終端コイル、及びコンデンサや抵抗等の受動素子、あるいはコイルを含むこれらの複合回路の数は、上述のように4個に限らず、いくつあっても良い。
【0069】
また給電点からラダー電極の方向を見た場合のインピーダンスを変更する手段は、上述のような受動素子やその複合回路に限らず、それぞれの同軸ケーブルと、対応する給電点との間のインピーダンス整合を調整することができるものであれば、どのような手段であっても良い。
【0070】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置は、基板3の表面に希望の物質を蒸着させる際に、高周波電源11a、11bによる周波数が同一な高周波電力をラダー電極2に供給し,高周波電源11a、11bによる同一周波数の高周波電力の位相差を時間的に変化させることで、膜厚の均一化の妨げとなるラダー電極2上の定在波の発生を抑制し、給電方向の膜厚分布の均一化を促進すると共に、給電方向と直角の方向の膜厚を均一化させるように、ラダー電極2に挿入した終端コイル31a〜31dにより、同軸ケーブルのそれぞれと、対応するラダー電極2の給電点との間のインピーダンス整合を調整することで、ラダー電極2のそれぞれの縦方向電極棒2aに給電される高周波電力を調整し、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
【0071】
従って、第1の実施の形態と同様に、大面積基板における膜厚の分布特性を改善し、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0072】
なお、上述の第1、第2の実施の形態では、同軸ケーブルに配置するスタブ(インピーダンス調整手段)によるインピーダンスの調整と、ラダー電極2に挿入する終端コイル(インピーダンス調整手段)によるインピーダンスの調整とを、それぞれ独立に実施する場合を説明したが、両方を同時に実施するようにしても良い。これにより、両者のインピーダンス調整の組合せにより、更に細かい電圧分布の調整が可能となる。
また、上述の第1、第2の実施の形態では、プラズマを発生させることで基板上に物質を蒸着させる場合を説明したが、ラダー電極2に給電する高周波電力を調整することで、発生したプラズマを利用した基板上の物質のエッチング処理を行うこともできる。
【0073】
【発明の効果】
以上の如く、本願発明によれば、放電電極の配置・構造の違いにより偏差が発生する基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを、電圧分布調整手段を用いて均衡させて、プラズマを発生させるために前記放電電極と前記基板との間に印加される電圧分布を、前記基板全体において均一化させ、基板上の物質を均一に処理することができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に起因する局所的な膜厚分布の不平衡を解消して大面積基板における膜厚の分布特性を改善することができるという効果が得られる。
【0074】
また、放電電極の配置・構造の違いにより偏差が発生する基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを、電圧分布調整手段を用いて均衡させて、プラズマを発生させるために前記放電電極と前記基板との間に印加される電圧分布を、前記基板全体において均一化させることができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に起因する局所的な膜厚分布の不平衡を解消して大面積基板における膜厚の分布特性を改善し、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0075】
さらに、インピーダンス変更手段により、高周波ケーブルと放電電極の給電点との間のインピーダンス整合を調整することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差を、インピーダンス整合の調整による放電電極の給電点における電圧調整によって容易に解消して大面積基板における膜厚の分布特性を改善し、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0076】
そして、高周波電力を供給するための複数の高周波ケーブルのそれぞれと、対応する放電電極の給電点との間のインピーダンス整合をスタブにより調整することで、容易に基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
従って、スタブを構成する分岐ケーブルを製膜室の外部に設ければ、製膜室内の状態に影響を与えることなく、それぞれの放電電極に給電される高周波電力を調整することができ、更に安定して物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0077】
また、受動素子の定数の選び方で、スタブのインピーダンスを自由に設定することができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に合わせてスタブのインピーダンスを容易にかつ細かく設定することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させ、大面積基板における膜厚の分布特性の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0078】
さらに、分岐ケーブルのケーブル長の選び方で、スタブのインピーダンスを自由に設定することができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に合わせて、コストをかけずにスタブのインピーダンスを細かく設定することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させ、大面積基板における膜厚の分布特性の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0079】
そして、分岐ケーブル自体の特性インピーダンスの選び方で、スタブのインピーダンスを自由に設定することができる。
従って、請求項5と同様に、コストをかけずにスタブのインピーダンスを細かく設定することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させ、大面積基板における膜厚の分布特性の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0080】
また、インピーダンス変更手段により、直接放電電極のインピーダンスを変更することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させることができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差を、放電電極のインピーダンスの調整による放電電極の電圧調整によって容易に解消して大面積基板における膜厚の分布特性を改善し、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0081】
さらに、受動素子の定数の選び方で、放電電極と接地点との間のインピーダンスを自由に設定することができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に合わせて放電電極と接地点との間のインピーダンスを容易にかつ細かく設定することで、基板左右部の電圧分布と基板中央部の電圧分布とを均衡させ、大面積基板における膜厚の分布特性の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0082】
そして、プラズマ処理装置において、基板全体において均一化された電圧分布により、膜厚が均一な基板を生成することができる。
従って、放電電極上の電圧分布の偏差に起因する局所的な膜厚分布の不平衡を解消して大面積基板における膜厚の分布特性を改善することができるという効果が得られる。
また、大面積基板を製膜する際に、基板全体において均一化された電圧分布により、膜厚が均一な基板を製膜することができる。
従って、物質が蒸着された基板生産の歩留まりを向上させると共に、生産された基板の品質を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の主要部を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の同軸ケーブルに設けられたスタブについて示した図である。
【図3】 図2に示すスタブをモデル化した回路図である。
【図4】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置のスタブにおける分岐ケーブルの長さdに対するインピーダンスZの特性を示す図である。
【図5】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置における分岐ケーブルの長さに対する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。
【図6】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置における分岐ケーブルの長さに対する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。
【図7】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置における分岐ケーブルの長さに対する放電電極上の電圧分布のシミュレーション結果を示したグラフである。
【図8】 本発明の第2の実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の製膜室内の主要部の構成を示す図である。
【図9】 同実施の形態のプラズマ化学蒸着装置の終端コイルの位置及び定数に対する基板上の製膜速度のシミュレーション結果を示したグラフである。
【符号の説明】
1 製膜室
2 ラダー電極(放電電極)
2a 縦方向電極棒(放電電極)
2b、2c 横方向電極棒(放電電極)
3 基板
4 ガス供給管
5 ガス排気管
6a〜6h、7a〜7h 給電点
8a〜8h、9a〜9h 同軸ケーブル(高周波ケーブル)
10a、10b 電力分配器(高周波電力給電回路)
11a、11b 高周波電源(高周波電力給電回路)
12a、12b マッチングボックス(高周波電力給電回路)
21 T字コネクタ
22 分岐ケーブル
31a〜31d 終端用コイル(受動素子)

Claims (2)

  1. 高周波電力給電回路により発生した高周波電力を複数の放電電極へ給電し、物質を含む製膜用ガスが導入された製膜室内の前記放電電極と基板との間にプラズマを発生させて、前記物質を前記基板上に蒸着させるプラズマ化学蒸着装置において、
    前記放電電極による給電方向に対して直角の方向に発生する前記放電電極上の電圧分布の偏差を調整するための電圧分布調整手段を備え、
    該電圧分布調整手段が、前記放電電極の給電点から前記高周波電力給電回路の方向を見た時のインピーダンスを変更するために、前記高周波電力給電回路から前記複数の放電電極へ高周波電力を供給するための複数の高周波ケーブルの中の少なくとも1つに設けられるインピーダンス変更手段であり、
    該インピーダンス変更手段が、前記高周波ケーブルから分岐する分岐ケーブルにより構成されたスタブであり、
    該スタブが、前記分岐ケーブルの先端に接続された受動素子を備えると共に、該受動素子の定数の変更によって、前記放電電極の給電点から前記高周波電力給電回路の方向を見た時のインピーダンスを変更することを特徴とするプラズマ化学蒸着装置。
  2. 高周波電力給電回路により発生した高周波電力を複数の放電電極へ給電し、物質を含む製膜用ガスが導入された製膜室内の前記放電電極と基板との間にプラズマを発生させて、前記物質を前記基板上に蒸着させるプラズマ化学蒸着装置において、
    前記放電電極による給電方向に対して直角の方向に発生する前記放電電極上の電圧分布の偏差を調整するための電圧分布調整手段を備え、
    前記電圧分布調整手段が、
    前記放電電極の給電点から前記放電電極の方向を見た時のインピーダンスを変更するために、前記放電電極と接地点との間に設けられるインピーダンス変更手段であり、
    前記インピーダンス変更手段が、
    前記放電電極と前記接地点との間に接続された受動素子を備えると共に、該受動素子の定数の変更によって、前記放電電極と前記接地点との間のインピーダンスを変更することを特徴とするプラズマ化学蒸着装置。
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