JP5039476B2 - 真空処理装置、及び真空処理装置の調整方法 - Google Patents

真空処理装置、及び真空処理装置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空処理装置に関し、特にプラズマを用いて処理を行う真空処理装置に関する。
プラズマCVD(Plasma enhanced Chemical Vapor Deposition)法が知られている。そのプラズマCVD法を用いた真空処理装置は、例えば、大面積(例示:縦1m以上×横1m以上)を有する基板に、シランガスなどの材料ガスを導入しプラズマを発生させて薄膜を形成する場合に使用される。形成される薄膜としては、アモルファス太陽電池や微結晶太陽電池や液晶ディスプレイなどに用いられる非晶質シリコン、微結晶シリコン、窒化シリコンが例示される。そのような真空処理装置は、エッチングガスを供給してプラズマを発生させることにより、チャンバや放電電極に付着した膜をクリーニング(プラズマクリーニング)することも可能である。
上述のプラズマCVD装置の放電電極としては、棒状の電極をほぼ平行に並べた放電電極が用いられることが多い。このような放電電極は高高周波数(30MHzから800MHz)の電源を用いて、大面積を有する基板に対して製膜を行う場合に適している。そのような放電電極を用いたプラズマCVD装置の一例が特開2005−113178号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に開示されたプラズマ化学蒸着装置は、複数の第1整合器と、放電電極と、複数の第2整合器と、対向電極とを具備する。複数の第1整合器は、第1電力を第1出力側へ出力する。ここで、前記複数の第1整合器の各々は、前記第1出力側のインピーダンスの整合をとる。放電電極は、前記第1出力側にあり、前記複数の第1整合器の各々に対応した複数の第1給電点のうちの一つに前記第1電力を供給される。複数の第2整合器は、第2電力を第2出力側へ出力する。ここで、前記複数の第2整合器の各々は、前記第2出力側のインピーダンスの整合をとる。対向電極は、前記放電電極に対向する。前記放電電極は、更に、前記第2出力側にあり、前記複数の第2整合器の各々に対応した複数の第2給電点のうちの一つに前記第2電力を供給され、前記対向電極との間に、供給されたガスの放電を形成し、前記対向電極上の基板に製膜する。このプラズマCVD装置では、第1電力及び第2電力の位相を相対的に変動させる位相変調を行うことができる。その場合、プラズマが時間的に変動して上記第1出力側及び第2出力側の負荷インピーダンスが時間的に変化する。
真空処理装置に係る技術として、WO2003/046959号公報(特許文献2)にプラズマ処理装置が開示されている。このプラズマ処理装置は、被処理体を処理する処理チャンバと、前記処理チャンバに高周波電力を供給する電力供給手段と、前記処理チャンバ内を所定の減圧状態に真空排気する排気手段と、前記処理チャンバ内に処理ガスを導入する処理ガス導入手段とを備える。このプラズマ処理装置は、前記供給された高周波電力により前記処理チャンバ内に高周波電界を形成して前記導入された処理ガスをプラズマ化してプラズマ処理を行う。前記電力供給手段は、前記処理チャンバに高周波電力を伝送する伝送路を介して前記処理チャンバに接続され、前記伝送路のインピーダンスを前記プラズマ化される処理ガスのインピーダンスに整合させる整合器と、前記整合器に接続された高周波アンプと、前記高周波アンプに接続された直流アンプとを備える。前記高周波アンプは、前記直流アンプと別体として、前記直流アンプから離れた位置であって前記整合器の近傍に配置されている。
特表2002−530856号公報(WO00/30148)(特許文献3)に、プラズマ処理システム用統合電源モジュールが開示されている。この電力供給システムは、基板を処理するプラズマ処理室に、プラズマを維持するエネルギを供給する。この電力供給システムは、入力ポートと、第一の出力ポートと、第二の出力ポートと、第三の出力ポートとを有する金属製の格納容器と、 前記格納容器内に設けられた第一のAC入力ポートからAC電力の供給を受けるとともに、前記第一の出力ポートを介して該格納容器の外部のAC負荷にAC電力を供給する配電ボックスと、 前記金属製の格納容器内に設けられ、前記配電ボックスから前記AC電力の供給を受けて、該格納容器の外部に設けられたDC負荷に、前記第二の出力ポートを介してDC電力を供給するDC電源と、 前記金属製の格納容器内に設けられ、前記配電ボックスから前記AC電力の供給を受けるとともに、前記DC電源から前記DC電力の供給を受ける第一の高周波発生器と、 前記第一の高周波発生器から受け取った高周波エネルギを、インピーダンスを整合した第一の高周波エネルギとして、前記プラズマ処理室の第一の電極に前記第三の出力ポートから供給するとともに、該プラズマ処理室に接続された全ての高周波発生器を格納する前記金属製の格納容器内に設けられている第一のインピーダンス整合器と、を備える。
特開2006−278777号公報(特許文献4)に、薄膜製造装置及び薄膜製造方法が開示されている。この薄膜製造装置は、出力側のインピーダンスを整合可能で、供給された第1電力を送電する第1整合器と、一端を前記第1整合器に接続され、前記第1電力の送電を媒介する第1給電伝送路と、前記第1給電伝送路の他端に接続され、前記第1電力を受電する放電電極と、前記放電電極に対向する対向電極とを具備する。前記第1給電伝送路の特性インピーダンスは20Ω以上300Ω以下である。
特開2005−113178号公報 WO2003/046959号公報 特表2002−530856号公報 特開2006−278777号公報
特許文献1には、相対的に位相が変動する複数の電力が一つの放電電極に供給され、負荷インピーダンスが時間的に変化するプラズマ化学蒸着装置に関して記載されている。しかし、そのような装置は、一つの電力が一つの放電電極に供給される装置と比較して、電源にかかわる機器が増加し、装置が複雑になるので、その電源コストや設置スペースが増加する。電源コストを低減し、設置スペースを減少させることが可能な技術が望まれる。
また、特許文献1の装置では、電力を供給するRF電源の高周波アンプの発振効率は、負荷のインピーダンスにより大きく変動する。例えば、その負荷インピーダンスが発振効率の極めて悪い負荷インピーダンスとなった場合、発振素子(FET:Field−Effect Transistor)が異常加熱するので、装置が安定して運転できなくなる。更に、高周波アンプには、特性上、異常発振を起こす負荷インピーダンスの領域(以下、異常発振領域ともいう)が存在する。すなわち、正常に動作しない負荷インピーダンスが存在する。このように、高周波アンプでは、効率の高い安定した電源動作を行うか否かは負荷インピーダンスによって変化する。異常発振を回避し、効率を最大化することが可能な技術が望まれる。
特許文献2では、同軸ケーブルの配線長の低減により、コスト及び電力の損失を低減することが記載されている。しかし、この特許文献2は、一つの電力供給装置が一つのプロセスチャンバに設けられたプラズマ処理装置、すなわち、一つの電力が一つの放電電極に供給されるプラズマ処理装置に関して言及しているのみである。そして、特許文献1に記載されるような相対的に位相が変動する複数の電力が一つの放電電極に供給され、インピーダンスが時間的に変化する装置に関しては何ら記載がない。
特許文献3では、重複して設けられている構成要素を取り除くことで、電力供給システムの設置面積を減少させることが記載されている。しかし、この特許文献3も、一つの電力供給装置が一つのプロセスチャンバに設けられたプラズマ処理システム、すなわち、一つの電力が一つの放電電極に供給されるプラズマ処理システムに関して言及しているのみである。そして、特許文献1に記載されるような相対的に位相が変動する複数の電力が一つの放電電極に供給され、インピーダンスが時間的に変化する装置に関しては何ら記載がない。
特許文献4では、相対的に位相が変動する複数の電力が一つの放電電極に供給され、負荷インピーダンスが時間的に変化するプラズマ化学蒸着装置に関して記載されている。しかし、電源コストの低減、設置スペースの低減、異常発振の回避、効率最大化などに関し、記載はない。
上記したように、特許文献1から特許文献4に各種改善対策が提案されているが、高出力の高周波電源の実用に当たっては不十分にあり、異常発信を回避して高効率の状態で運用するとともに、電源コストを低減して設置スペースを減少させるという高周波電源としての本質的な高性能化が必要とされている。更には複数の電力を1つの放電電極に供給し、インピーダンスが時間的に変化する大面積におけるプラズマ均一化を行う装置へ適用する技術が必要とされている。
本発明の目的は、高周波電力を放電電極へ供給するとき、効率の高い安定した電源動作を行うことが可能な真空処理装置、真空処理装置の製造方法、及び真空処理装置の調整方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、初期コストや設置スペースを抑制することが可能な真空処理装置、真空処理装置の製造方法、及び真空処理装置の調整方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の真空処理装置は、放電電極(3)と、保持電極(2)と、製膜室(6)と、第1電源部(21a)と、第2電源部(21b)と、第1整合器(13a)と、第2整合器(13b)とを具備する。放電電極(3)は、第1給電点(43)と第2給電点(44)とを有する。保持電極(2)は、放電電極(3)と離間されて対面配置され、被処理基板(8)を保持可能である。製膜室(6)は、放電電極(3)と保持電極(2)とを内部に含む。第1電源部(21a)は、第1高周波電力を供給する。第2電源部(21b)は、第1高周波電力の電圧波形の位相に対して、電圧波形の位相が時間的に相対的に変化する第2高周波電力を供給する。第1整合器(13a)は、第1高周波電力を第1給電点(43)へ向けて出力し、第1給電点(43)側のインピーダンスの整合を取る。第2整合器(13b)は、第2高周波電力を第2給電点(44)へ向けて出力し、第2給電点(44)側のインピーダンスの整合を取る。第1電源部(21a)と第1整合部(13a)とは一体として製膜室(6)に結合される。第2電源部(21b)と第2整合部(13b)とは一体として製膜室(6)に結合される。
本発明では、従来は制御機器の設置される場所に配置されていた第1電源部(21a)及び第2電源部(21b)を、それぞれ第1整合部(13a)及び第2整合部(13b)に一体化して製膜室(6)に結合している。加えて、一体化により筐体、冷却機構等が共通化できるので、従来のように別体で構成するよりも大幅に小型化できる。それらのため、制御機器側の設置スペースを大幅に削減することが出来る。特に、複数の給電点を有する放電電極を用い、複数の給電点の各々に対して別々の電源部を設けている場合、その設置スペース削減効果は極めて大きい。また、第1電源部(21a)及び第2電源部(21b)は、それぞれ第1整合部(13a)及び第2整合部(13b)と実質的に一体化され、同一の筐体に収まるので、従来両者を接続していた同軸ケーブルが不要となり、頑丈な銅板、銅線等を用いることが出来る。その結果、同軸ケーブルによる電力損失を低減することができる。更に、同軸ケーブルが不要となるので、電力系のコネクタ数が大幅に少なくなり、コネクタ部分でのトラブルを著しく抑制することが出来る。特に、複数の給電点の各々に対して別々の電源部を設けている場合、及び、高周波電力に対して位相変調を行うような特殊な給電方法を用いる場合、安定した給電を実現するという観点で同軸ケーブル及びコネクタ部分の削減効果は極めて大きい。
上記の真空処理装置において、第1電源部(21a)は、第1高周波給電路(25)を介して第1整合部(13a)に接続された第1高周波アンプ(23、23a)を備えていても良い。第2電源部(21b)は、第2高周波給電路(25)を介して第2整合部(13b)に接続された第2高周波アンプ(23、23a)を備えていても良い。
本発明では、第1高周波アンプ(23、23a)に接続された第1高周波給電路(25)や、第2高周波アンプ(23、23a)に接続された第2高周波給電路(25)が、従来のような同軸ケーブルを用いる必要が無く、頑丈な銅板、銅線等を用いることが出来る。その結果、同軸ケーブルによる電力損失を低減することができる。更に、同軸ケーブルが不要となるので、電力系のコネクタ数が大幅に少なくなり、コネクタ部分でのトラブルを著しく抑制することが出来る。
上記の真空処理装置において、第1高周波アンプ(23a)及び第2高周波アンプ(23a)は、アンプの初段部分としての一次アンプ(23b)を外部に有していても良い。
本発明では、第1高周波アンプ(23a)及び第2高周波アンプ(23a)に本来含まれるはずの一次アンプ(23b)(例示:ドライブアンプ(23b))を、例えば設置スペースの増加なしに制御装置(30)に組み込むことが出来る。それにより、第1高周波アンプ(23a)及び第2高周波アンプ(23a)を小型化することが出来る。
上記の真空処理装置において、第1電源部(21a)は、第1高周波アンプ(23、23a)に接続された第1直流電源(24)を更に備えていても良い。第2電源部(21b)は、第2高周波アンプ(23、23a)に接続された第2直流電源(24)を更に備えていても良い。
本発明では、従来は制御機器の設置される場所に配置されていた第1直流電源(24)及び第2直流電源(24)を、それぞれ第1整合部(13a)及び第2整合部(13b)に一体化された第1電源部(21a)や第2電源部(21b)に備えている。従って、制御機器側の設置スペースを更に大幅に削減することが出来る。
上記の真空処理装置において、第1高周波給電路(25)の電気長は、第1高周波給電路(25)の電気長で変化する第1高周波アンプ(23、23a)の効率の最大値と最小値の巾を100とした時に、当該効率が最小値+50以上になるように設定されていても良い。第2高周波給電路(25)の電気長は、第2高周波給電路(25)の電気長で変化する第2高周波アンプ(23、23a)の効率の最大値と最小値の巾を100とした時に、当該効率が最小値+50以上になるように設定されていても良い。ここで、「電気長」は、給電路を伝播する高周波の波長に対する給電路の電気的長さである。例えば、60MHzでは真空中(比誘電率:2.1)の1波長は5m、絶縁物がテフロン(登録商標)(比誘電率:2.1)の同軸ケーブルでは1波長は5m/√(2.1)=3.45mとなり、これが基準になる。
本発明では、第1高周波給電路(25)及び第2高周波給電路(25)の電気長が、アンプ効率が高くなる負荷インピーダンスとなるように設定されているので、第1高周波アンプ(23、23a)や第2高周波アンプ(23、23a)を高効率で運転することが出来る。
上記の真空処理装置において、第1高周波給電路(25)の電気長は、第1高周波アンプ(23、23a)から見た負荷インピーダンスと第1高周波アンプ(23、23a)の特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、第1高周波アンプ(23、23a)の特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、第1高周波電力及び第2高周波電力が放電電極(3)へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて設定されていても良い。第2高周波給電路(25)の電気長は、第2高周波アンプ(23、23a)から見た負荷インピーダンスと第2高周波アンプ(23、23a)の特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、第2高周波アンプ(23、23a)の特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、第1高周波電力及び第2高周波電力が放電電極(3)へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて設定されていても良い。
本発明では、第1高周波給電路(25)及び第2高周波給電路(25)の電気長が、異常発振しない負荷インピーダンスとなるように設定されているので、第1高周波アンプ(23、23a)や第2高周波アンプ(23、23a)を安定的に運転することが出来る。
上記の真空処理装置において、第1電源部(21a)は、第1高周波給電路(25)と第1整合部(13a)との間に第1方向性結合器(22)を更に備えていても良い。第2電源部(21b)は、第2高周波給電路(25)と第2整合部(13b)との間に第2方向性結合器(22)を更に備えていても良い。
本発明では、第1高周波給電路(25)及び第2高周波給電路(25)が短く且つ同軸ケーブルを用いていないこと、同軸ケーブルが少ないのでコネクタ部分も少ないこと等の理由から、第1高周波給電路(25)及び第2高周波給電路(25)がノイズの影響をほとんど受けることがない。そのため、この位置に配置された方向性結合器(22)は、高周波電力における進行電力及び反射電力を正確に計測することが出来る。それにより、異常振動を発生した場合、直ちに把握することが出来る。
本発明は、真空処理装置の調整方法である。ここで、真空処理装置は、放電電極(3)と、保持電極(2)と、製膜室(6)と、第1電源部(21a)と、第2電源部(21b)と、第1整合部(13a)と、第2整合部(13b)とを具備する。放電電極(3)は、第1給電点(43)と第2給電点(44)とを有する。保持電極(2)は、放電電極(3)と離間されて対面配置され、被処理基板(8)を保持可能である。製膜室(6)は、放電電極(3)と保持電極(2)とを内部に含む。第1電源部(21a)は、第1高周波電力を供給する。第2電源部(21b)は、第1高周波電力の電圧波形の位相に対して、電圧波形の位相が時間的に相対的に変化する第2高周波電力を供給する。第1整合部(13a)は、第1高周波電力を第1給電点(43)へ向けて出力し、第1給電点(43)側のインピーダンスの整合を取る。第2整合部(13b)は、第2高周波電力を第2給電点(44)へ向けて出力し、第2給電点(44)側のインピーダンスの整合を取る。第1電源部(21a)と第1整合部(13a)とは一体として製膜室(6)に結合される。第2電源部(21b)と第2整合部(13b)とは一体として製膜室(6)に結合される。真空処理装置の調整方法は、(a)第1電源部(21a)の第1高周波アンプ(23、23a)と第1整合部(13a)との間の第1高周波給電路(25)の電気長を、第1高周波給電路(25)の電気長で変化する第1高周波アンプ(23、23a)の効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になるように調整するステップと、(b)第2電源部(21b)の第2高周波アンプ(23、23a)と第2整合部(13b)との間の第2高周波給電路(25)の電気長を、第2高周波給電路(25)の電気長で変化する第2高周波アンプ(23、23a)の効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になるように調整するステップとを具備する。
なお、真空処理装置において、第1電源部(21a)は、第1高周波給電路(25)を介して第1整合部(13a)に接続された第1高周波アンプ(23、23a)を備えていても良い。第2電源部(21b)は、第2高周波給電路(25)を介して第2整合部(13b)に接続された第2高周波アンプ(23、23a)を備え、第1高周波アンプ(23a)及び第2高周波アンプ(23a)は、アンプの初段部分としての一次アンプ(23b)を外部に有する。
上記の真空処理装置の調整方法において、(c)第1高周波給電路(25)の電気長を、第1高周波アンプ(23、23a)から見た負荷インピーダンスと第1高周波アンプ(23、23a)の特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、第1高周波アンプ(23、23a)の特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、第1高周波電力及び第2高周波電力が放電電極(3)へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて調整するステップと、(d)第2高周波給電路(25)の電気長を、第2高周波アンプ(23、23a)から見た負荷インピーダンスと第2高周波アンプ(23、23a)の特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、第2高周波アンプ(23、23a)の特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、第1高周波電力及び第2高周波電力が放電電極(3)へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて調整するステップとを更に具備していても良い。
上記の真空処理装置の調整方法において、(c)ステップは、(c1)第1高周波給電路(25)と第1整合部(13a)との間の第1方向性結合部(22)で、第1高周波アンプ(23、23a)の異常発振を検知したとき、第1高周波給電路(25)の電気長を所定の範囲内の長さだけ延長するステップを更に備えていても良い。(d)ステップは、(d1)第2高周波給電路(25)と第2整合部(13b)との間の第2方向性結合部(22)で、第2高周波アンプ(23、23a)の異常発振を検知したとき、第2高周波給電路(25)の電気長を所定の範囲内の長さだけ延長するステップを更に備えていても良い。
本発明の真空処理装置を用いることにより、高周波電力を放電電極へ供給するとき、効率の高い安定した電源動作を行うことが可能となる。また、本発明の真空処理装置を用いることにより、初期コストや設置スペースを抑制することが可能となる。
以下、本発明の真空処理装置、及び真空処理装置の調整方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。ここでは、本発明の真空処理装置として、製膜条件として高圧狭ギャップ条件により、高速製膜を行うことが可能な薄膜製造装置について説明する。
ここで、本発明の薄膜製造装置(真空処理装置)において、製膜室(6)の放電電極(3)に高周波電力を供給するシステムは、以下に示すとおりである。
(1)商用電源を用いて制御部(30)で発生させた高周波と第1直流電源(24)を用いて、第1電源部(21a)で高出力な高周波電力を供給する。
(2)第1電源部(21a)は、第1高周波アンプ(23)または一次アンプ(23b)+第1高周波アンプ(23a)と、第1高周波給電路(25)と、第1方向性結合器(22)で構成される。
(3)第1高周波アンプ(23)または一次アンプ(23b)+第1高周波アンプ(23a)において、出力を増加させる。
(4)第1高周波給電路(25)を介して送電する。
(5)第1方向性結合器(22)により、高周波電力における進行電力及び反射電力を正確に計測する。
(6)第1電源部(21a)から送電された高周波電力は、第1整合部(13a)により、高周波電力を放電電極(3)にある第1給電点(43)へ向けて出力し、第1給電点(43)側のインピーダンスの整合を取る。
以下詳細に説明する。
図1は、本発明の真空処理装置としての薄膜製造装置の実施の形態の構成を示す概略図である。図中に矢印でXYZ方向を示す。薄膜製造装置1の側面から見た図である。薄膜製造装置1は、製膜室6、対向電極2、均熱板5、均熱板保持機構11、放電電極3、防着板4、支持部7、高周波給電伝送路12a、12b、整合器13a、13b、高周波電源21a、21b、高真空排気部31、低真空排気部35、及び台37を具備する。なお、本図において、ガス供給に関する構成は省略している。
製膜室6は真空容器であり、その内部で基板8に微結晶シリコンi層などが製膜される。製膜室6は、台37上で支持部36によりz方向(鉛直方向)に対してθ=7°〜12°傾けて保持されている。接地されている。このため、対向電極2の基板8の製膜処理面が、z方向に対して7°〜12°上に向く。基板8を鉛直方向から僅かに傾けることは、装置の設置スペースの増加を抑えながら基板8の自重を利用して少ない手間で基板8を保持し、更に基板8と対向電極2の密着性を向上して基板8の温度分布と電位分布を均一化することが出来て好ましい。
対向電極2は、基板8を保持可能な保持手段(図示されず)を有する非磁性材料の導電性の板である。大面積基板(例示:縦1m以上×横1m以上)を保持可能である。プラズマクリーニングを行う場合は耐フッ素ラジカル性からニッケル合金やアルミやアルミ合金の使用が望ましい。対向電極2は、放電電極3に対向する電極(例示:接地側)となる。対向電極2は、一方の面を均熱板5の表面に密接し、製膜時に他方の面を基板8の表面と密接する。
均熱板5は、内部に温度制御された熱媒体を循環したり、または温度制御されたヒーターを組み込むことで、自身の温度を制御して、全体が概ね均一な温度を有し、接触している対向電極2の温度を均一化する機能を有する。熱媒体は、非導電性媒体であり、水素やヘリウムなどの高熱伝導性ガス、フッ素系不活性液体、不活性オイル、及び純水等が使用でき、中でも150℃〜250℃の範囲でも圧力が上がらずに制御が容易であることから、フッ素系不活性液体の使用が好適である。
均熱板保持機構11は、均熱板5及び対向電極2を製膜室6の側面(図1の右側)に対して略平行となるように保持する。製膜時は、均熱板5、対向電極2及び基板8を、放電電極3へ近づける。それにより、基板8と放電電極3との距離dは、例えば、3mm〜10mmとすることができる。
放電電極3は、各棒状の縦電極を略平行に組み合わせて構成され、更に複数の電極単位に分割構成しても良い。放電電極3を分割構成する場合は、好ましくは給電点の数に合わせて分割形成する。高周波給電伝送路12a、12bを接続する給電点43、44とから、それぞれ高周波電力を供給され、放電電極3と対向電極2との間に原料ガスのプラズマを発生させ基板8に膜を製膜する。なお、放電電極3は、平板であっても良い。
防着板4は、接地されプラズマの広がる範囲を抑えることにより、膜が製膜される範囲を制限する。本実施の形態の場合、製膜室6の内側における防着板4の後ろ側(基板8と反対の側)の壁に膜が製膜されないようにしている。
支持部7は、製膜室6の側面(図1における左側の側面)から内側へ垂直に延びている部材である。支持部7は防着板4と結合され、放電電極3における対向電極2と反対側の空間を覆うように防着板4を保持している。それと共に、支持部7は放電電極3と絶縁的に結合され、放電電極3を製膜室6の側面(図1における左側の側面)に対して略平行に保持している。
高周波電源21a、21b(以下、区別する必要がない場合には、単に高周波電源21とも記す)は、それぞれ整合器13a、13bに一体に設けられている。所定の大きさ、周波数及び位相を有する高周波電力を生成し、それぞれ整合器13a,13bへ出力する。例えば、高周波電源21bの高周波電力の電圧波形の位相は、高周波電源21aの高周波電力の電圧波形の位相に対して、時間的に相対的に変化する。その詳細は後述される。
整合器13a、13b(以下、区別する必要がない場合には、単に整合器13とも記す)は、出力側のインピーダンスを整合する。そして、高周波電源21a、21bから供給される高周波電力を、それぞれ高周波給電伝送路12a、12bを介して放電電極3の給電点43、44へ送電する。高周波電源21aと整合部13aとは一体として製膜室6に結合され、高周波電源21bと整合部13bとは一体として製膜室6に結合されている。
低真空排気部35は、初めに製膜室6内の気体を排気して、製膜室6内を低真空とする粗引き排気用の真空ポンプである。弁34は、低真空排気部35と製膜室6との経路を開閉する。高真空排気部31は、粗引き排気された製膜室6内の気体をさらに排気して、製膜室6内を高真空とする高真空排気用の真空ポンプである。弁32は、高真空排気部31と製膜室6との経路を開閉する弁である。台37は、上面に配置された保持部36を介して製膜室6を保持するものである。台37の内部には低真空排気部35が配置される領域が形成されている。
放電電極3の温度調節を行う場合、高周波給電伝送路12は、例えば、その円管の中心部分に設けた細管を用いて熱媒体を通し、その円管の周辺部を用いて電力を給電することが可能である。熱媒体は、熱媒体供給管15b及び高周波給電伝送路12bを介して放電電極3の給電点44側に供給され、放電電極3内部を通り、給電点43側から高周波給電伝送路12a及び熱媒体供給管15aを介して熱媒体供給装置(図示されず)へ送出される。熱媒体の温度を熱媒体供給装置で制御することで、放電電極3の温度を所望の温度に制御して製膜室6内のヒートバランスを適切に保つことができる。これにより、基板8の表裏温度差にともなうソリ変形を抑制することができる。
図2は、図1の薄膜製造装置の構成の一部を示す部分斜視図である。図中に矢印でXYZ方向を示す。本実施の形態においては、一例として、1つの製膜室6について8個の放電電極3を備えた薄膜製造装置1について説明する。ただし、放電電極3の数は8個よりも多くてもよいし、少なくてもよく、基板サイズによって変わるものであり、特に限定されるものではない。
製膜室6には、防着板4に後部を覆われた放電電極3として8個の放電電極3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h(以下、放電電極3a〜3hとも表記する。区別する必要がない場合には、単に放電電極3とも記す)が備えられている。放電電極3a〜3hの各々は、互いに略平行にY方向へ伸びる二本の横電極と、二本の横電極の間に設けられ互いに略平行にZ方向へ伸びる複数の棒状の縦電極とを備える。なお、放電電極3a〜3hは、一体であっても良いし、それぞれ平板であっても良い。また、放電電極3a〜3hは、一体の平板であっても良い。
放電電極3a〜3hの各々に対応して、整合器13aとして、整合器13aa、13ba、13ca、13da、13ea、13fa、13ga、13ha(以下、整合器13aa〜13haとも表記する。区別する必要がない場合には、単に整合器13aとも記す)が設けられている。更に、高周波電源21aとして、高周波電源21aa、21ba、21ca、21da、21ea、21fa、21ga、21ha(以下、高周波電源21aa〜21haとも表記する。区別する必要がない場合には、単に高周波電源21aとも記す)が設けられている。整合器13aa〜13haの各々は、高周波電源21aa〜21haの内の対応するものと一体に設けられている。
同様に、放電電極3a〜3hの各々に対応して、整合器13bとして、整合器13ab、13bb、13cb、13db、13eb、13fb、13gb、13hb(以下、整合器13ab〜13hbとも表記する。区別する必要がない場合には、単に整合器13bとも記す)が設けられている。更に、高周波電源21bとして、高周波電源21ab、21bb、21cb、21db、21eb、21fb、21gb、21hb(以下、高周波電源21ab〜21hbとも表記する。区別する必要がない場合には、単に高周波電源21bとも記す)が設けられている。整合器13ab〜13hbの各々は、高周波電源21ab〜21hbの内の対応するものと一体に設けられている。
放電電極3aの給電点(端部)43側には、高周波給電伝送路12a、整合器13aa、高周波電源21aa、熱媒体供給管15a、及び原料ガス配管16aが設けられている。また、給電点(端部)44側には、高周波給電伝送路12b、整合器13ab、高周波電源21ab、熱媒体供給管15b、及び原料ガス配管16bが設けられている。
同様に、放電電極3b〜3hの各々に対して、給電点43側には、高周波給電伝送路12a、整合器13ba〜13haの内の対応するもの、高周波電源21ba〜21haの内の対応するもの、熱媒体供給管15a、及び原料ガス配管16aがそれぞれ設けられている。また、給電点44側には、高周波給電伝送路12b、整合器13bb〜13hbの内の対応するもの、高周波電源21bb〜21hbの内の対応するもの、熱媒体供給管15b、及び原料ガス配管16bがそれぞれ設けられている。なお、図2においては、図を見易くために整合器13aa、13ab、13haのみ、及び高周波電源21aa、21ab、21haのみを表示し、他の整合器及び他の高周波電源の表示を省略している。
放電電極3a〜3hの給電点43の近傍には、原料ガス配管16aが接続されている。同様に、放電電極3a〜3hの給電点44の近傍には、原料ガス配管16bが接続されている。原料ガス配管16a、16bからは、放電電極3a〜3hに原料ガスが供給され、放電電極3a〜3hは、この原料ガスを対向電極2側(図2中の右側)へ略均一に放出している。
ただし、放電電極3a〜3hへの電力供給を、8個を超えるまたは8個未満の整合器13a、13b及び高周波給電伝送路12a、12bとの組みで行うことも可能である。また各々個別の高周波電源から電力を供給しても良い。これら場合、その組の数に対応するように、放電電極3a〜3hを加減して組み分けが好ましい。
図3は、図2の複数の放電電極に対する電力供給に関わる構成を示す概略図である。
高周波電源21aa〜21ha、21ab〜21hbは、放電電極3a〜3hに対応して設けられている。それぞれ高周波給電伝送路12a、12bを含む各機器を介して、放電電極3a〜3hの給電点43、44へ高周波電力を供給する。その高周波電力は、高高周波(VHF(Very High Frequency)を有し、10〜800MHzが好ましく、より好ましくは30〜800MHzであり、後述の位相変調の特性が発揮できる60MHzが最も好ましい。この理由として周波数が増加すると電極を伝播する高周波電力の減衰が大きくなり、電圧定在波の形が位相変調に適しない形になってしまうためである。このような高周波にすると、プラズマの電子温度が下がり、膜質が向上する。加えて、プラズマの密度が増加するので、製膜速度を向上させることができる。
高周波電源21aa〜21haは、制御部30の制御信号に基づいて、所望の大きさ、周波数及び位相を有する高周波電力を、高周波給電路(図示されず)を介して、それぞれ整合器13aa〜13haへ出力する。同様に、高周波電源21ab〜21hbは、制御部30の制御信号に基づいて、所望の大きさ、周波数及び位相を有する高周波電力を、高周波給電路(図示されず)を介して、それぞれ整合器13ab〜13hbへ出力する。
ただし、高周波電源21ab〜21hbから出力される高周波電力は、高周波電源21aa〜21haから出力される高周波電力と比較して、電力の大きさは同じであるが、その位相が相対的に時間的に変化する位相変調が施されている。上記位相変調により負荷インピーダンスが変化するため、整合器13aa〜13ha、13ab〜13hbは、高周波電源への反射電力を最小にするように放電電極3でプラズマ発生中にインピーダンス調整を行う。
給電点43に供給される高周波電力の位相に対して、給電点44に供給される高周波電力の位相は、相対的に位相を変調されている。それにより、放電電極3a〜3h上に発生する電圧の定在波を揺動させて、プラズマを均一化させることができる。その結果、形成される膜の膜厚及び膜質をより均一にすることができる。その際、特開2001−257098号公報や、特開2002−322563号公報や、特開2004−128159号公報の技術を用いることが出来る。
制御部(コントローラ)30は、パーソナルコンピュータに例示される情報処理装置である。制御信号S1aa〜S1ha、S1ab〜S1hb(区別する必要がない場合には、単に制御信号S1とも記す)により、所望の大きさ、周波数及び位相を有する高周波電力を出力するように、所定の出力に増幅するように高周波電源21aa〜21ha、21ab〜21hbを制御する。また、そのとき、制御信号により、高周波電源21ab〜21hbからの高周波電力が、高周波電源21aa〜21haからの高周波電力に対して、電力の大きさは同じであるが、その位相が相対的に時間的に変化する位相変調が施されるように、高周波電源21aa〜21ha、21ab〜21hbを制御する。
更に、制御部30は、整合器13aa〜13haの出力特性を高周波給電伝送路12aで検知して、出力の反射波ができるだけ少なくなるように整合器13aa〜13haを制御する。同様に、整合器13ab〜13hbの出力特性を高周波給電伝送路12bで検知して、出力の反射波ができるだけ少なくなるように整合器13ab〜13hbを制御する。
ここで、整合器13aa〜13haは、反射波ができるだけ少なくなるように、整合器配列の上下左右のインピーダンス対称性を保持した状態で制御される。例えば、全電源の反射電力の平均値が最小になるように全整合器のインピーダンス設定を同一とし、整合器のインピーダンスの上下左右対称性を保持する。
図4は、図3の高周波電源の構成を示すブロック図である。高周波電源21aa〜21ha、21ab〜21hbは全て同じ構成を有しているので、そのうちの一つを高周波電源21として説明する。
高周波電源21は、DC電源24、高周波アンプ23、及び方向性結合器(進行/反射電力計)22を備える。DC電源24は、商用電力を直流(DC)電力に変換して、電源配線26を介して高周波アンプ23へ出力する。高周波アンプ23は、1次アンプと2次アンプとを含む。1次アンプは、例えば、アンプにおける初段部分であり、低パワー(例示:0〜5W)であるが、パワー調整が可能である。ドライブアンプに例示される。2次アンプは、例えば、アンプにおける初段に続く部分であり、ゲインは概ね固定(例示:100倍)されているが、高パワーを出力することが可能である。ファイナルアンプに例示される。高周波アンプ23は、DC電源24の直流電力出力が電力源となり、1次アンプの高周波を2次アンプで増幅して、所望の高周波電力に変換する。そして、その高周波電力を高周波給電路25を介して整合器13へ出力する。方向性結合器22は、高周波給電路25と整合器13との間にあり、高周波給電路25を通る高周波電力の進行電力及び反射電力を計測する。計測された値は、その進行電力及び反射電力を表示するメータに表示される。制御部30は、高周波電源21の高周波アンプ23を制御信号S1で制御する。
本実施の形態では、高周波アンプ23と方向性結合器22との距離が短い、すなわち高周波給電路25が短いので、高周波給電路25がノイズの影響をほとんど受けることがない。そのため、この位置に配置された方向性結合器22は、正確に高周波電力における進行電力及び反射電力を計測することができる。
図5は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムの構成を示す概略図である。ここでは、高周波電源21aa〜21ha、21ab〜21hbは全て同じ構成を有しているので、そのうちの一つを高周波電源21として説明する。同様に、整合器13aa〜13ha、13ab〜13hbは全て同じ構成を有しているので、そのうちの一つを整合器13として説明する。ただし、破線の右側が製膜室6の近傍を示し、破線の左側が制御機器側を示している。制御機器は製膜室6から離れたところに設けられている。給電システムは、制御機器側に設けられ制御部30と、製膜室6側に設けられた高周波電源21及び整合器13とで構成される。この給電システムは、給電点毎に設けられている。以上は図6〜図7において同様である。
制御部30は商用電源により動作し、制御信号S1を高周波アンプ23へ出力する。高周波電源21は、図5に示されたものである。商用電源から電力を供給されたDC電源24は、その商用電力を直流電力に変換して、電源配線26を介して高周波アンプ23へ出力する。高周波アンプ23は、DC電源24の直流電力出力を所望の高周波電力に変換して、高周波給電路25及び方向性結合器22を介して整合器13へ出力する。
本実施の形態では、設置スペースをできるだけ小さくするために、製膜室6側に整合器13及び高周波電源21(DC電源24、高周波アンプ23、方向性結合器22)を一体化して取り付ける。ここで一体化とは、放電電極3の給電点43、44から電気長で1/2λ以下の位置に整合器13(整合器の出口部分)を設けることをいう。このとき、製膜室6に整合器13の筐体及び高周波電源21の筐体が結合され、一体化されていることが好ましい。
製膜室6の周辺は、空間に余裕があるので、各放電電極3ごとの整合器13及び高周波電源21を製膜室6に取り付けても、追加の設置スペースを設ける必要がない。しかし、制御部30の側では、機器を設置するために、機器ごとの設置スペースが必要である。従って、高周波アンプ23、DC電源24を製膜室6側へ移設することで、制御部30の側では、その機器ごとの設置スペースを大きく削減することが出来る。ただし、制御部30は、操作の関係で、製膜室6から離れて設置する必要があるので移設されることはない。
図1〜図3の構成を有する薄膜製造装置1の場合、放電電極3a〜3hの各々について、給電点43と給電点44とに対応して高周波電源21が設けられている。従って、放電電極8個×給電点2個=16個の高周波電源21が必要となる。薄膜製造装置1が、例えば8kWシステム(500W/ch(個)×16ch(個))の場合、高周波電源21(高周波アンプ23、DC電源24(ただし、方向性結合器22は小さいので無視して考える))は16個必要となる。しかし、本発明の図5の構成にすると、それらを製膜室6と一体化させるので、制御機器側の設置スペースを著しく低減することができる。
なお、この場合、後述の図7のように高周波アンプ23の1次アンプを制御部30に含ませても良い。1次アンプは、制御部30に設置スペース(容積)のほとんど増加なしに組み込むことが出来る。
図9は、高周波電源が制御機器側にある真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムを示す概略図である。ただし、破線の右側が製膜室106の近傍を示し、破線の左側が制御機器側を示している。制御機器は製膜室106から離れたところに設けられている。給電システムは、制御部130、高周波電源121及び整合器113で構成され、高周波電源121は高周波給電伝送路114を介して整合器113に接続されている。ここで、制御部130、高周波電源121、DC電源124、電源配線126、高周波アンプ123、高周波給電路125、方向性結合器122、整合器113は、制御部30、高周波電源21、DC電源24、電源配線26、高周波アンプ23、高周波給電路25、方向性結合器22、整合器13に対応する。
図9の8kWシステムの場合、高周波電源121(高周波アンプ123、DC電源124(ただし、方向性結合器は小さいので無視して考える))のサイズは、例えばW500mm×H250mm×D600mm×8個((500W/ch×2ch)×8個)であった。この場合、全体の高さは、H250mm×8台=H2000mm(2m)となる。従って、本発明の図5の構成では、制御機器側で、従来の場合と比較して、この領域(W500mm×H2000mm×D600mm)の省スペース化を行うことが出来る。
ここで、プラズマ発生用の給電システムは、上記例に限定されるものではなく、以下のような構成を有していても良い。
図6は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムの他の構成を示す概略図である。給電システムは、制御機器側に設けられた制御部30及びDC電源24と、製膜室6側に設けられた高周波電源21A及び整合器13とで構成される。この給電システムは、給電点毎に設けられている。
制御部30は商用電源により動作し、制御信号S1を高周波アンプ23へ出力する。高周波電源21Aは、図5に示されたものからDC電源24を外部へ取り出したものである。商用電源から電力を供給されたDC電源24は、その商用電力を直流電力に変換して、電源配線26を介して高周波アンプ23へ出力する。高周波アンプ23は、DC電源24の直流電力出力を所望の高周波電力に変換して、高周波給電路25及び方向性結合器22を介して整合器13へ出力する。
本実施の形態では、設置スペースをできるだけ小さくするために、製膜室6側に整合器13及び高周波電源21A(高周波アンプ23、方向性結合器22)を一体化して取り付ける。このとき、製膜室6に整合器13の筐体及び高周波電源21Aの筐体が一体化されていることが好ましい。ただし、この例では、高周波電源21AはDC電源24を含まず、DC電源24は制御機器側に配置されている。この場合にも、高周波アンプ23の分だけ制御機器側の設置スペースを削減することが出来る。
8kWシステムのDC電源24の全体分のサイズは、例えばW500mm×H500mm×D600mmである。従って、従来の8kWシステムの場合(W500mm×H2000mm×D600mm)と比較すると、制御機器側の給電システム(制御部30を除く)の容積を1/4にすることが出来る。従って、本発明の図6の構成では、制御機器側で、従来の場合と比較して3/4の省スペース化を行うことが出来る。
更に、プラズマ発生用の給電システムは、以下のような構成を有していても良い。図7は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムの更に他の構成を示す概略図である。給電システムは、制御機器側に設けられた制御部30及びDC電源24及び1次アンプ23bと、製膜室6側に設けられた高周波電源21B及び整合器13とで構成される。この給電システムは、給電点毎に設けられている。1次アンプ23bは、制御部30に設置スペース(容積)のほとんど増加なしに組み込むことが出来る。
制御部30は商用電源により動作し、制御信号S1を内部に取り込んだ1次アンプ23bへ出力する。高周波電源21Bは、図5に示されたものからDC電源24及び高周波アンプの1次アンプ23bを外部へ取り出したものである。商用電源から電力を供給されたDC電源24は、その商用電力を直流電力に変換して、電源配線26を介して高周波アンプ23aへ出力する。高周波アンプ23a(2次アンプ)は、DC電源24の直流電力出力を所望の高周波電力に変換して、高周波給電路25及び方向性結合器22を介して整合器13へ出力する。
本実施の形態では、設置スペースをできるだけ小さくするために、製膜室6側に整合器13及び高周波電源21B(1次アンプ23bを含まない高周波アンプ23a、方向性結合器22)を一体化して取り付ける。このとき、製膜室6に整合器13の筐体及び高周波電源21Bの筐体が一体化されていることが好ましい。ただし、この例では、高周波電源21BはDC電源24及びドライブアンプ23bを含まず、DC電源24及びドライブアンプ23bは制御機器側に配置されている。この場合にも、高周波アンプ23bの分だけ制御機器側の設置スペースを削減することが出来る。
8kWシステムのDC電源24の全体分のサイズは、例えばW500mm×H500mm×D600mmである。従って、従来の8kWシステムの場合(W500mm×H2000mm×D600mm)と比較すると、制御機器側の給電システム(制御部30を除く)の容積を1/4にすることが出来る。従って、本発明の図7の構成では、制御機器側で、従来の場合と比較して3/4の省スペース化を行うことが出来る。
図8は、上記図5〜図7の各ケースについて効果をまとめた表である。比較例の真空処理装置(図9)では製膜室側に整合器113のみが設けられ、制御機器側に高周波アンプ123及びDC電源124が設けられていた。しかし、ケース1(図5)では製膜室側に整合器13の他に、制御機器側から高周波アンプ23及びDC電源24が移設され設置されている。この場合、従来と比較した場合の制御機器側の設置スペース比は0とすることが出来る。ケース2(図6)では製膜室側に整合器13及び高周波アンプ23が設けられ、制御機器側にDC電源24が設置されている。この場合、従来と比較した場合の制御機器側の設置スペース比は1/4とすることが出来る。ケース3(図7)では製膜室側に整合器13及び高周波アンプ23aが設けられ、制御機器側にDC電源24が設置されている。この場合、従来と比較した場合の制御機器側の設置スペース比は1/4とすることが出来る。
上記ケース1(図5)、ケース2(図6)及びケース3(図7)の各構成では、高周波アンプ23(23a)と整合器13とが実質的に一体化され、同一の筐体に収めることが出来る。そのため、従来必要であった高周波給電路124用の高周波給電ケーブル(同軸ケーブル)が不要となる。高周波給電路25としては、被覆なしの短い銅板や銅線、銅管を用いることが出来る。高周波給電ケーブルによる給電損失は約0.5%/mであるので、給電損失が大幅に低減され(20mで約10%の損失低減)、電力効率を向上させることが出来る。それにより、ランニングコストを大幅に低減することが出来る。
また、従来必要であった高周波電源と整合器間をつなぐ高周波給電ケーブル(同軸ケーブル)が不要となるので、高周波給電ケーブルに関わる電力系のコネクタ数が大幅に少なくなり、コネクタ部分でのトラブル(接触不良)を著しく抑制することが出来る。また従来必要であった高周波給電ケーブル(同軸ケーブル)は何mもの長い距離を伝送し、損失や個体差が大きかったが、これらの損失を著しく抑制することが出来る。それにより、真空処理装置としての安定性を増すことが出来る。加えて、高周波給電ケーブル及びコネクタ部分のコストを更に削減することが出来る。
更に、上記各構成では、高周波アンプ23(23a)と整合器13とが実質的に一体化され、同一の筐体に収めることが出来る。その場合、筐体、冷却機構等が共通化できるので、従来のように別体で構成するよりも大幅に小型化でき、単に近接して配置するよりも更に小型化することが可能となる。加えて、筐体及び冷却機構等の共通化によりコストを更に削減することが出来る。
本実施の形態では、高周波アンプと放電電極の距離が従来の回路構成と比べて短いため、高周波給電路がノイズの影響をほとんど受けることがない。そのため、この位置に配置された方向性結合器22は、高周波電力における進行電力及び反射電力を正確に計測することが出来る。それにより、負荷インピーダンスが異常振動領域の値になり、異常振動が発生した場合、方向性結合器22の進行電力及び反射電力を表示するメータの表示から容易にその事実を容易に知ることが出来る。その結果、高周波アンプ23(23a)が破損する前に、対処することが可能となる。
次に、本発明の真空処理装置の調整方法の実施の形態について説明する。ここでは、高周波アンプ23(23a)を効率的に用いる高周波電源の調整方法について説明する。
まず、上記図5〜図7の各ケースについて真空処理装置を効率的且つ安定的に用いるためには、高周波アンプ23(23a)に関わる構成について、以下の点に注意する必要がある。
図10は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートである。中心点はインピーダンス50Ωを示し、曲線Aは等VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)=3(反射25%)を示す。高周波アンプ23(23a)の発振特性は、高周波アンプ23(23a)から見た負荷(高周波給電路25−整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3)のインピーダンスにより大きく変動する。例えば、高周波アンプ23(23a)には、特性上、異常発振を起こす負荷インピーダンスの領域(異常発振領域)が存在する。図10の例では、領域Bがその異常発振領域に対応する。負荷インピーダンスがその領域にあると、高周波アンプ23(23a)は正常に動作することができない。従って、その領域を避けるように負荷インピーダンスを決定することが好ましい。
図11は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの他の特性との関係を示すスミスチャートである。中心点及び曲線Aは図10と同じである。高周波アンプ23(23a)の発振効率は、高周波アンプ23(23a)から見た負荷(高周波給電路25−整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3)のインピーダンスにより大きく変動する。例えば、高周波アンプ23(23a)には、特性上、発振効率が高くなる、中位になる、低くなる負荷インピーダンスの領域が存在する。図10の例では、「高」と記載した位置を含むその周辺領域が、発振効率が高くなる負荷インピーダンスの領域である。同様に、「中」と記載した位置を含むその周辺領域が、発振効率が中位になる負荷インピーダンスの領域である。「低」と記載した位置を含むその周辺領域が、発振効率が低くなる負荷インピーダンスの領域である。負荷インピーダンスがその「低」の領域にあると、発振効率が低いため発振素子(FET)が異常加熱してしまう。そうなると、発振素子の動作が不安定となり、最悪の場合には発振素子が破損するなど、真空処理装置が安定して運転できなくなる。また、たとえ破損まで至らなくても、効率が悪い分だけアンプ容量を大きくしなければならない。従って、その領域を避けるように負荷インピーダンスを決定することが好ましい。
図12は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの更に他の特性との関係を示すスミスチャートである。中心点及び曲線Aは図10と同じである。高周波アンプ23(23a)への反射電力は、高周波アンプ23(23a)から見た負荷(高周波給電路25−整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3)のインピーダンスにより大きく変動する。例えば、中心点に近いほど反射電力は低くなり、中心点から遠ざかるほど反射電力は大きくなる。従って、できるだけ中心点に近くなるように負荷インピーダンスを決定することが好ましい。
上記の点を考慮して、高周波アンプ23(23a)に関わる構成について、以下のような調整を実施することが好ましい。図13は、本発明の真空処理装置の調整方法の実施の形態としての高周波電源の調整方法を示すフローチャートである。
ここでは、高周波アンプ23(23a)から見た負荷(高周波給電路25−整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3)のインピーダンスにおいて、整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3がすでに設定されている場合を考える。その場合、高周波アンプ23(23a)の発振効率を向上させるために、高周波位相(物理的には高周波アンプ23(23a)と整合器の入口までの高周波給電路25のケーブル長(電気長))を調整する。
(1)ステップS01
まず、高周波アンプ23(23a)の製作又は改造後、その高周波アンプ23(23a)の特性として異常発振領域(図10に対応)及び発振効率(図11に対応)を計測する。それにより、例えば、図14のようなスミスチャートが得られる。図14は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートである。中心点、曲線A、領域B、「高」、「中」、「低」は、図10及び図11と同じである。得られたスミスチャートを参照して、異常発振がなく且つ効率が良い負荷インピーダンスを選定する。すなわち、スミスチャート上で、異常発振領域に入らず、効率が中程度以上(又は設定された基準値以上)から最高値までの範囲で、反射電力の小さい負荷インピーダンスになるように設定する。図14の例では、領域Bに入らず、「中」近傍から「高」近傍までの範囲で、中心点に近い範囲において設定する。例えば、図中の領域Cである。高周波アンプ23(23a)の回路構成の相違によってこの特性は変化する。そのため、新規に設計した高周波アンプに対してはその都度計測が必要である。
ただし、負荷インピーダンスの選定の条件は上記のものに限定されず、他の条件を用いてもよい。例えば、効率を最優先にして異常発振領域に近い負荷インピーダンスでもかまわないとする条件や、効率をやや犠牲にしつつ異常発振領域から遠い負荷インピーダンスにする条件や、その折衷案的な中間の条件などが考えられる。
(2)ステップS02
次に、製作された高周波アンプ23(23a)を、高周波電源21aa〜ha、21ab〜hbの高周波アンプとして、図5〜図7のいずれかの形態で、実際に製膜室6に取り付ける。そして、製膜室6内には製膜時と同様の原料ガスを導入した上で、高周波電力を、位相変調を行いながら負荷(高周波給電路25−整合器13−高周波給電伝送路12−放電電極3)に供給して、DC電源24の出力電流(DC電流)を計測する。このとき、位相変調を行っているので、負荷のインピーダンスは変動して、スミスチャート上のある経路を周期的に動くことになる。DC電源24の出力電流は、その経路上の各点で測定される。さらに、高周波位相(物理的には高周波給電路25のケーブル長(電気長))を変えた上で、同様に、DC電源24の出力電流の大きさを計測する。それにより、例えば、図15のようなグラフが得られる。図15は、高周波給電路25のケーブル長とDC電源の出力電流との関係を示すグラフである。縦軸はDC電源24の出力電流の電流値、横軸は高周波給電路25のケーブル長である。この図から、出力電流の電流値が最小となる点を探索する。電流値が最小となる点が効率最大点となる。そして、高周波給電路25の電気長が、高周波給電路25の電気長で変化する高周波アンプ23(23a)の効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になるように設定する。より好ましくは当該効率が80%以上となる電気長であり、更に好ましくは効率最大となる点の電気長である。
図15の場合、上記効率の最大値及び最小値に対応するDC電源の電流値の最小値及び最大値は、それぞれ約13mA及び約26mAである。したがって、上記効率50%以上に対応する電流値は、19.5mA以下となる。よって、対応する高周波給電路25のケーブル長は、0m(0λ)より大きく0.5m(0.14λ)以下、及び、1.5m(0.43λ)以上2.2m(0.63λ)以下となる。すなわち、高周波給電路25の電気長は、上記効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になる0mより大きく0.5m以下、又は、1.5m以上2.2m以下である。同様にすれば、効率80%の場合、0mより大きく0.2m以下、又は、1.7m以上2.0m以下である。なお、DC電源24の出力電圧は約50V一定であり、出力電力は50V×出力電流(DC電流)値となる。
(3)ステップS03
続いて、ステップS02で算出した高周波給電路25の電気長の範囲から、例えば、出力電流の電流値が最小となる最小点の高周波位相を選定し、全高周波電源21aa〜ha、21ab〜hbに反映させる。図15の場合、ステップS02で算出した高周波給電路25の電気長の範囲である0mより大きく0.5m以下、又は、1.5m以上2.2m以下から、出力電流の電流値が最小となる最小点の高周波位相として、ケーブル長0.2m(0.056λ)を選定する。そして、そのケーブル長0.2m(0.056λ)を全高周波電源21aa〜ha、21ab〜hbに設定する。
(4)ステップS04
高周波位相が確実に設定・固定できるように高周波電源21(高周波アンプ23(23a))と整合器13とは一体化(1つの金属箱の中に収める)し、負荷インピーダンスが変化しないように製膜室6の放電電極3に対して位置決めし、固定する。
以上により、高周波電源の調整方法が終了する。
但し、製膜する膜の種類によって製膜ガスが異なるため、負荷インピーダンスが変わる。従って、製膜に用いるガスごとに高周波位相(高周波給電路25のケーブル長(電気長))の選定が必要である。例えば、太陽電池用の薄膜を製造する場合、アモルファス薄膜と微結晶薄膜との間の相違、p層とi層とn層との間の相違があり、それぞれの薄膜に応じた各層の製膜室6ごとに選定を行うことが好ましい。
図16は、DC電流と高周波給電路の追加ケーブル長との関係の一例を示すグラフである。縦軸はDC電流を示し、横軸は基準の長さのケーブル(追加ケーブル長=0m)に対する追加すべきケーブルの長さを示す。上記の調整により、追加ケーブル長が−0.1mの場合、DC電流が非常に大きく(効率が悪く)、FETが破損する可能性がある。一方、追加ケーブル長が0.2mの場合、DC電流が最小(効率が最大)となり、高周波給電路25のケーブル長の変更により、DC電流の大きさを制御することができ、高周波アンプの効率を向上させることが出来る。
製膜室6と整合器13、整合器13と高周波アンプ23(23a)間を同軸ケーブルで接続すると物理長(高周波位相)が変化(個体差、人為的なミスによる長さ違い)する可能性が高く、装置不安定性が助長される。しかし、本実施の形態では、整合器13と高周波アンプ23(23a)との間は、同軸ケーブルでない高周波給電路25で接続されているので、安定的な装置とすることができる。
上記の高周波電源の調整方法は、真空処理装置の改造時やメンテンナンス時に、真空処理装置の調整方法の一部として実行することが出来る。それにより、高周波電源21の確実な立ち上げが可能となる。すなわち、高周波電源21の改造やメンテナンス後に製膜室6に取り付け後、プラズマを発生させて初めて効率が悪い、FETが破損するというような事象が無くなる。
上記の高周波電源の調整方法は、真空処理装置の製造時に、高周波アンプ23や高周波給電路25を製造し製膜室6に取り付ける工程で、真空処理装置の製造方法の一部として実施することが出来る。それにより、高周波電源21の確実な立ち上げが可能となる。すなわち、高周波電源21を製膜室6に取り付け後、プラズマを発生させて初めて効率が悪い、FETが破損するというような事象が無くなる。
また、効率が高くなることで、初期コストが高くなること及びランニングコストが高くなることを避けることが出来る。例えば、効率が悪い場合、効率が良い場合と比較して、DC電源の容量が最大で約2倍必要となり、初期コストが増大してしまう。また、効率が悪い場合、効率が良い場合と比較して、電気代が最大で約2倍必要となり、ランニングコストが増大してしまう。効率が高くなることで、それらの高コスト要因を排除することが出来る。
上記ステップS01において、効率を最優先にして異常発振領域に近い負荷インピーダンスとした場合、位相変調による負荷インピーダンスの変動により実際に異常発振が発生(方向性結合器22で検知可能)する場合が考えられる。その場合には、例えば、高周波給電路25のケーブル長を1/16λ以上1/4λ以下分だけ付加する。スミスチャート上では、1/16λは45度の回転に相当し、1/4λは180度の回転に相当する。図10や図13の例では、1/16λ以上1/4λ以下分だけ長さを変えることで、負荷インピーダンスを異常発振領域(領域B)からほぼ確実に外れるようにすることが出来る。1/4λ以下としたのは、ケーブル長の追加を最小とするためである。
次に、本発明の真空処理装置(薄膜製造装置1)を用いて製造される光電変換装置の構成について説明する。図17は、本発明の真空処理装置を用いて製造される光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置90は、シリコン系太陽電池であり、基板51、透明電極層52、太陽電池光電変換層53、及び裏面電極層54を具備する。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系という場合、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコン系も含まれる。
ここで、アモリファス太陽電池の場合、太陽電池光電変換層53は、アモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を有する第1セル層91である。多接合型(タンデム型)太陽電池の場合、太陽電池光電変換層53は、上記第1セル層91、及び微結晶シリコン薄膜からなる微結晶p層膜/微結晶i層膜/微結晶n層膜を有する第2セル層92を積層した構造である。図17は、多接合型(タンデム型)太陽電池の例を示している。
なお、第1セル層91と第2セル層92との間に、透明電極層(中間コンタクト層)93を設けてもよい。透明電極層93を設けた場合、透明電極層93で基板側からの入射光の一部が反射され、第1セル層91での光吸収率が向上し、発電電流を増加させることができる。
次に、上記光電変換装置の製造方法について説明する。ここでは、光電変換装置90として、基板51としてのガラス基板上に太陽電池光電変換層53として多接合型(タンデム型)太陽電池を用いた例について説明する。
基板51としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。基板端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
透明導電層52として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明導電層52として、透明電極膜に加えて、基板51と透明電極膜52との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
本実施の形態の薄膜製造装置1を使用して、減圧雰囲気:30〜1000Pa、基板温度:約200℃にて、光電変換層53の第1セル層91としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。第1セル層91は、SiHガスとHガスとを主原料に、透明導電層52の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。第1セル層91は本実施の形態では、p層:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10nm〜30nm、i層:アモルファスSiを主とし膜厚200nm〜350nm、n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚30nm〜50nmである。また、p層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。なお、単層アモルファスシリコン薄膜太陽電池の場合、以上により、光電変換層53の製造は終了する。
多接合型(タンデム型)太陽電池の場合、更に以下の工程を行い、光電変換層53を完成させる。すなわち、次に、第1セル層91の上に、本実施の形態の薄膜製造装置1を使用して、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz〜100MHzにて、第2セル層92としての微結晶シリコン薄膜からなる微結晶p層膜/微結晶i層膜/微結晶n層膜を順次製膜する。第2セル層92は本実施の形態では、微結晶p層:Bドープした微結晶SiCを主とし膜厚10nm〜50nm、微結晶i層:微結晶Siを主とし膜厚1.2μm〜3.0μm、微結晶n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚20nm〜50nmである。
微結晶シリコン薄膜、特に微結晶i層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、放電電極3と基板51の表面との距離dは、3mm〜10mmにすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
第1セル層91と第2セル層92の間に電流整合性を取るための半反射膜となることを目的に、中間コンタクト層93としてGZO(GaドープZnO)膜を膜厚:20nm〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。また、中間コンタクト層93を設けない場合もある。多接合型(タンデム型)太陽電池の場合、以上により、光電変換層53の製造は終了する。
裏面電極層54としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。裏面電極層54は本実施の形態では、Ag膜:200〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。n層と裏面電極層54との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層53と裏面電極層4との間にGZO(GaドープZnO)膜を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。
本実施の形態の薄膜製造装置1を使用して光電変換装置を製造した場合、放電が安定しているので、形成される光電変換層53の膜厚分布及び膜特性の均一性がより高くなっている。そのため、形成される光電変換装置90としての太陽電池の特性をより向上させることが可能となる。
上記実施の形態では光電変換装置90としての太陽電池として、単層アモルファスシリコン太陽電池、又は、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池とを積層した多接合型(タンデム型)太陽電池を用いたものについて説明した。しかし、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、これら太陽電池を各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
図1は、本発明の真空処理装置としての薄膜製造装置の実施の形態の構成を示す概略図である。 図2は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成の一部を示す部分斜視図である。 図3は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成における複数の放電電極に対する電力供給に関わる構成を示す概略図である。 図4は、図3の高周波電源の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムを示す概略図である。 図6は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムの他の構成を示す概略図である。 図7は、本発明の真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムの更に他の構成を示す概略図である。 図8は、上記図5〜図7の各ケースについて効果をまとめた表である。 図9は、高周波電源が制御機器側にある真空処理装置のプラズマ発生用の給電システムを示す概略図である。 図10は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートである。 図11は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの他の特性との関係を示すスミスチャートである。 図12は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの更に他の特性との関係を示すスミスチャートである。 図13は、本発明の真空処理装置の調整方法の実施の形態としての高周波電源の調整方法を示すフローチャートである。 図14は、高周波アンプから見た負荷インピーダンスと高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートである。 図15は、高周波給電路のケーブル長とDC電源の出力電流との関係を示すグラフである。 図16は、DC電流と高周波給電路の追加ケーブル長との関係の一例を示すグラフである。 図17は、本発明の真空処理装置を用いて製造される光電変換装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 薄膜製造装置(真空処理装置)
2 対向電極
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h 放電電極
4 防着板
5 均熱板
6、106 製膜室
7 支持部
8 基板
11 均熱板保持機構
12a、12b 高周波給電伝送路
13a、13aa、13ba、13ca、13da、13ea、13fa、13ga、13ha、13b、13ab、13bb、13cb、13db、13eb、13fb、13gb、13hb、113 整合器
14a、14b、114 高周波給電伝送路
15a、15b 熱媒体供給管
16a、16b 原料ガス配管
21a、21aa、21ba、21ca、21da、21ea、21fa、21ga、21ha、21b、21ab、21bb、21cb、21db、21eb、21fb、21gb、21hb、21A、21B、121 高周波電源
22、122 方向性結合器(進行/反射電力計)
23、23a、123 高周波アンプ
23b 1次アンプ
24、124 DC電源
25、125 高周波給電路
26 電源配線
30、130 制御部
31 高真空排気部
32、34 弁
35 低真空排気部
36 支持部
37 台
43、44 給電点(端部)

Claims (8)

  1. 第1給電点と第2給電点とを有する放電電極と、
    前記放電電極と離間されて対面配置され、被処理基板を保持可能な保持電極と、
    前記放電電極と前記保持電極とを内部に含む製膜室と、
    第1高周波電力を供給する第1電源部と、
    前記第1高周波電力の電圧波形の位相に対して、電圧波形の位相が時間的に相対的に変化する第2高周波電力を供給する第2電源部と、
    前記第1高周波電力を前記第1給電点へ向けて出力し、前記第1給電点側のインピーダンスの整合を取る第1整合部と、
    前記第2高周波電力を前記第2給電点へ向けて出力し、前記第2給電点側のインピーダンスの整合を取る第2整合部と
    を具備し、
    前記第1電源部と前記第1整合部とは一体として前記製膜室に結合され、
    前記第2電源部と前記第2整合部とは一体として前記製膜室に結合され
    前記第1電源部は、第1高周波給電路を介して前記第1整合部に接続された第1高周波アンプを備え、
    前記第2電源部は、第2高周波給電路を介して前記第2整合部に接続された第2高周波アンプを備え、
    前記第1高周波アンプ及び前記第2高周波アンプは、アンプの初段部分としての一次アンプを外部に有する真空処理装置。
  2. 請求項に記載の真空処理装置において、
    前記第1電源部は、前記第1高周波アンプに接続された第1直流電源を更に備え、
    前記第2電源部は、前記第2高周波アンプに接続された第2直流電源を更に備える真空処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の真空処理装置において、
    前記第1高周波給電路の電気長は、前記第1高周波給電路の電気長で変化する前記第1高周波アンプの効率の最大値と最小値の巾を100とした時に、当該効率が最小値+50以上になるように設定され、
    前記第2高周波給電路の電気長は、前記第2高周波給電路の電気長で変化する前記第2高周波アンプの効率の最大値と最小値の巾を100とした時に、当該効率が最小値+50以上になるように設定される真空処理装置。
  4. 請求項乃至のいずれか一項に記載の真空処理装置において、
    前記第1高周波給電路の電気長は、前記第1高周波アンプから見た負荷インピーダンスと前記第1高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、前記第1高周波アンプの特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、前記第1高周波電力及び前記第2高周波電力が前記放電電極へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて設定され、
    前記第2高周波給電路の電気長は、前記第2高周波アンプから見た負荷インピーダンスと前記第2高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、前記第2高周波アンプの特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、前記第1高周波電力及び前記第2高周波電力が前記放電電極へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて設定される真空処理装置。
  5. 請求項乃至のいずれか一項に記載の真空処理装置において、
    前記第1電源部は、前記第1高周波給電路と前記第1整合部との間に第1方向性結合器を更に備え、
    前記第2電源部は、前記第2高周波給電路と前記第2整合部との間に第2方向性結合器を更に備える真空処理装置。
  6. 真空処理装置の調整方法であって、
    ここで、前記真空処理装置は、
    第1給電点と第2給電点とを有する放電電極と、
    前記放電電極と離間されて対面配置され、被処理基板を保持可能な保持電極と、
    前記放電電極と前記保持電極とを内部に含む製膜室と、
    第1高周波電力を供給する第1電源部と、
    前記第1高周波電力の電圧波形の位相に対して、電圧波形の位相が時間的に相対的に変化する第2高周波電力を供給する第2電源部と、
    前記第1高周波電力を前記第1給電点へ向けて出力し、前記第1給電点側のインピーダンスの整合を取る第1整合部と、
    前記第2高周波電力を前記第2給電点へ向けて出力し、前記第2給電点側のインピーダンスの整合を取る第2整合部と
    を具備し、
    前記第1電源部と前記第1整合部とは一体として前記製膜室に結合され、
    前記第2電源部と前記第2整合部とは一体として前記製膜室に結合され、
    前記第1電源部は、第1高周波給電路を介して前記第1整合部に接続された第1高周波アンプを備え、
    前記第2電源部は、第2高周波給電路を介して前記第2整合部に接続された第2高周波アンプを備え、
    前記第1高周波アンプ及び前記第2高周波アンプは、アンプの初段部分としての一次アンプを外部に有し、
    前記真空処理装置の調整方法は、
    (a)前記第1電源部の第1高周波アンプと前記第1整合部との間の第1高周波給電路の電気長を、前記第1高周波給電路の電気長で変化する前記第1高周波アンプの効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になるように調整するステップと、
    (b)前記第2電源部の第2高周波アンプと前記第2整合部との間の第2高周波給電路の電気長を、前記第2高周波給電路の電気長で変化する前記第2高周波アンプの効率の最大値と最小値の巾を100%とした時に、当該効率が50%以上になるように調整するステップと
    を具備する真空処理装置の調整方法。
  7. 請求項に記載の真空処理装置の調整方法において、
    (c)前記第1高周波給電路の電気長を、前記第1高周波アンプから見た負荷インピーダンスと前記第1高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、前記第1高周波アンプの特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、前記第1高周波電力及び前記第2高周波電力が前記放電電極へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて調整するステップと、
    (d)前記第2高周波給電路の電気長を、前記第2高周波アンプから見た負荷インピーダンスと前記第2高周波アンプの特性との関係を示すスミスチャートに基づいて、前記第2高周波アンプの特性上発生する異常発振領域を回避するように該負荷インピーダンスが設定された後、前記第1高周波電力及び前記第2高周波電力が前記放電電極へ向けて供給されて、測定された出力電流の電流値が最小となる点に基づいて調整するステップと
    を更に具備する真空処理装置の調整方法。
  8. 請求項又はに記載の真空処理装置の調整方法において、
    前記(c)ステップは、
    (c1)前記第1高周波給電路と前記第1整合部との間の第1方向性結合器で、前記第1高周波アンプの異常発振を検知したとき、前記第1高周波給電路の電気長を所定の範囲内の長さだけ延長するステップを更に備え、
    前記(d)ステップは、
    (d1)前記第2高周波給電路と前記第2整合部との間の第2方向性結合器で、前記第2高周波アンプの異常発振を検知したとき、前記第2高周波給電路の電気長を所定の範囲内の長さだけ延長するステップを更に備える真空処理装置の調整方法。
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