JP2816365B2 - ラジカル反応による無歪精密加工装置 - Google Patents

ラジカル反応による無歪精密加工装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ラジカル(遊離基)反応を利用した無歪精
密加工装置に係わり、更に詳しくは半導体製造用のシリ
コン及びゲルマニウム単結晶、又はガリウム−砒素化合
物又はその他各種セラミック材料等の難加工脆性材料の
切断加工、平面加工等の加工をすることの可能な精密加
工装置に関する。
〔従未の技術〕
近年の科学技術の進歩は著しく、特に材料学の分野で
は、新機能物質の発見、開発が相次ぐなど非常に目覚ま
しいものがある。例えば、高温超伝導セラミックスの開
発を始め、今後の科学技術の進むべき方向をも左右した
といって過言ではない。
ところで、今日まで材料開発から工業的応用に結びつ
けるためのキーテクノロジーとして、加工が重要な立場
を持っていたわけであるが、上述したように今日の状況
においては、その重要性はますます高まるばかりであ
る。機能材料を加工し、素子化などを行う場合、材料本
来の性能を最終的に持たせるためには、如何に結晶学的
な乱れを導入せずに加工を進めて行くかが、重要な問題
である。更に、今日の現状を付け加えるならば、最終表
面仕上加工を行うためのいわゆる超精密加工の分野で
は、本出願人が開発したEEM(Elastic Emission Machin
ing)(特開平1-236939号公報)を始めとして、非常に
優れたものが既に開発されている。
しかし、その前加工段階をみると、今日の現状におい
ても用いられる加工法は、研削やラッピングといった古
典的加工法である。これらは、材料のマクロな破壊現象
を利用したものであることから、加工表面の結晶学的な
制御性がなく、確率的に仕上加工層を上回る非常に深い
ダメージを与えてしまい、素子の性能を劣化させること
が非常に多かった。そのため今後更に高信頼性を要求さ
れる分野への応用は困難である。例えば、切断に関し
て、ダイヤモンドホイールによるダイシング加工法を用
いた場合、その加工原理は微細クラックによる脆性破壊
であるため、切断面を厚さ100μm程度除去しなけれ
ば、残留するクラックにより使用に耐える表面とはなら
ない。また、研磨加工に関して、砥粒を用いた従来の方
法を用いた場合も、脆性破壊を加工原理としている以
上、前述の問題を有する。更に、レーザの熱的溶融現象
を利用した穴加工及び溝加工等においても、加工面に熱
的変質層が残っていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、結晶学的な制御性を十分考慮し、更に多くの材料へ
の適用性及び高能率性まで考慮した加工法としてCVM(C
hemical Vaporization Machining)法を確立し、極在し
た真に化学的な反応を利用し、加工物の表面に確率的要
因として製品の信頼性を低下させていた残留クラック及
び熱的変質層等の欠陥を全く生じさせず、しかも空間分
解能の高い高精度の加工を行えるラジカル反応による無
歪精密加工装置を提供する点にある。
ここでCVMとは、電気陰性度の大きい原子を励起状態
にして、より化学反応性の強い中性ラジカルに変えて固
体と反応させ、これを揮発性物質に変えて除去を行う加
工法のことである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、前述の課題解決の為に、高周波電圧を加工
用電極へ供給する高周波電源と、前記高周波電源と負荷
とのインピーダンスを整合させる整合器と、前記高周波
電源より供給される高周波電圧を昇圧する空洞共振器
と、前記空洞共振器を接続し、内部の反応室に加工種に
応じた所望形状の電極及び被加工物を配するとともに、
互いの相対位置を可変となし、反応ガス及び不活性ガス
を含む雰囲気気体を内部に供給し且つ所定圧力に維持す
るためのガス供給系を付設した反応容器とからなり、加
工用電極の近傍で発生した不活性ガスに基づくプラズマ
によって反応ガスを励起して反応性に富んだ中性ラジカ
ルを生成し、該中性ラジカルと被加工物を構成する原子
又は分子とのラジカル反応によって生じた揮発性物質を
気化させて除去し、被加工物を加工してなるラジカル反
応による無歪精密加工装置であって、前記空洞共振器と
して共振周波数チューナを内蔵した偏平な半同軸型空洞
共振器を用いて昇圧された高周波電圧を前記加工用電極
に印加し、反応容器内の雰囲気気体の圧力を1気圧以上
の高圧力に設定するとともに、前記高周波電源の周波数
と、加工用電極に印加される電圧と、加工用電極と被加
工物間の加工ギャップとを、少なくとも不活性ガスに基
づくイオンが該加工ギャップ内に捕捉されるように設定
してなることを特徴とするラジカル反応による無歪精密
加工装置を構成した。
ここで、前記空洞共振器として共振周波数チューナを
内蔵した偏平な半同軸型空洞共振器を用い、該空洞共振
器の内部に同軸状に突設した内側円筒壁の内端を閉塞す
る中心円板壁と対向する空洞共振器の円板壁との間に平
行ギャップを形成し、該ギャップで昇圧された高周波電
圧を前記加工用電極に印加してなることが好ましい実施
例である。
〔作用〕
以上の如き内容からなる本発明のラジカル反応による
無歪精密加工装置は、反応ガスを含む1気圧以上の高圧
の気体雰囲気中に配した被加工物の近傍に、電極に印加
した高周波電圧によって不活性ガスに基づくプラズマを
発生させ、その荷電粒子及び電子によって反応ガスを励
起して反応性に富んだ中性ラジカルを生成し、該中性ラ
ジカルと被加工物を構成する原子又は分子とのラジカル
反応によって生じた揮発性物質を気化させて加工部分か
ら除去することにより、被加工物の切断加工、平面加工
等の加工を行うのである。
更に、具体的には、高周波電源より供給する高周波電
圧、電流を、整合器を通すことにより、任意の負荷に対
してインピーダンス整合がとれ、伝送線及び空洞共振器
との接続部での電力損失を最小限に抑制して供給するこ
とが可能となり、そして空洞共振器で不活性ガスを電離
させるのに十分な電圧に昇圧して、加工用電極に供給す
るのである。そして、加工用電極に印加された高周波電
圧によって該電極近傍で不活性ガスに基づくプラズマを
発生させ、反応ガスを励起して中性ラジカルを生成する
のである。この場合、反応ガス及び不活性ガスを含む雰
囲気気体の圧力は、1気圧以上の高圧力に設定している
ので、発生するプラズマは電極近傍に限定され、また中
性ラジカルの分布も該電極近傍に限定され、そのため加
工精度が高く、微細な加工も行えるのである。
また、高周波電源の周波数と、加工用電極に印加され
る電圧と、加工用電極と被加工物間の加工ギャップと
を、少なくとも不活性ガスに基づくイオンが該加工ギャ
ップ内に捕捉されるように設定し、加工ギャップ内でプ
ラズマによって反応ガスを励起して中性ラジカルを効率
良く生成するとともに、電界によって高速に加速された
イオンが被加工物に衝突してスパッタリングを生じない
ようにしているとともに、イオンによって被加工物に表
面準位が生じるようなダメージを与えることを極力防止
している。
〔実施例〕
(1)プラズマCVMの基礎概念 (加工原理) 本発明の加工装置の加工原理は、プラズマCVM(Chemi
cal Vaporization Machining)であり、加工の素過程は
ケミカルエッチングやプラズマエッチングと同様に化学
反応によるものであり、加工は被加工物(試料)にダメ
ージを与えることなく行われる。
加工の進行は、反応ガスと試料の組合わせに大きく依
存する。反応ガスとしては、試料と反応を起こし易く、
しかも生じた反応生成物が蒸気圧の高い、揮発性物質に
なるようなものを選ぶことが必要で、加工の高能率化を
考えた場合、試料と反応ガスの組合わせを決定すること
が重要となる。
本発明では、CVMを実現するために高周波プラズマを
用いている。プラズマ内には活性化した中性ラジカルが
多数存在している。これを用いて加工を行うわけである
が、この中性ラジカルと同時に電子、イオンといった荷
電粒子が電界による作用で電極と試料の間を運動してい
る。電子、イオンが大きなエネルギーをもって試料に衝
突するとスパッタリングや熱的作用により、表面は損傷
し、加工変質層が形成されることになる。これは、荷電
粒子を電極間に閉じ込めることで、試料への衝突を防ぐ
ことができる。この時、加工は純粋に化学反応だけで進
行することになり、電極、試料間において荷電粒子を捕
捉することが重要になる。
(プラズマCVMの特徴) 電気陰性度の大きい原子が被加工物表面の原子と結合
すると、結合部に電子分極を生じ、被加工物表面の第1
層と第2層の間の結合力が弱くなるために、表面原子の
除去が容易になる。また、中性ラジカルを固体と反応さ
せて揮発性物質に変える反応は、ケミカルエッチングと
同じく純粋に化学的作用のみを利用しており、中性ラジ
カルの種類を変えることによって被加工物の材料も種々
なものを選択できる。従って、CVMは材料内部に存在す
る種々の欠陥に基づく従来の機械的加工法と異なり、理
想的な加工法である。
CVMにおいて、中性ラジカルの生成は、重要な過程で
あり、この過程にプラズマを利用したものをプラズマCV
Mと呼び、高圧力雰囲気気体中の微小空間内にプラズマ
を発生させることにより、加工の空間分解能を向上させ
ることが可能となる。つまり、ケミカルエッチングでは
表面層の微小量の除去しかできないが、プラズマCVMで
はプラズマ発生領域を加工の進行とともに走査制御する
ことにより、被加工物の切断をも可能にするものであ
る。このようにしてプラズマCVMでは、従来の機械的加
工法と比べて加工変質層が極めて少ない加工が、また、
ケミカルエッチングにはないような空間分解能を持った
加工が可能となる。
プラズマの発生は、放電やレーザ照射などで実現でき
るが、本発明の加工原理であるプラズマCVMでは、電極
と被加工物との間に高周波電界をかけることにより、電
離度の小さい弱電離プラズマを得る。弱電離プラズマ内
の粒子は、大部分が中性ラジカルとなっており、この活
性化した中性ラジカルとの表面反応を利用して加工を行
うのである。この時、残り少数の荷電粒子が不必要に大
きな運動エネルギーを持ち、それが被加工物との衝突に
よって熱エネルギーに変わり、またスパッタリングを生
じるのを防ぐため、電極に印加される電圧はプラズマを
持続させるのに必要最小限にすることが重要である。
高周波電圧の周波数を上げると、電極間に存在する電
子やイオンは電界の変化に追従できなくなり、電極に到
達できなくなる。これを電子、イオンの捕捉というが、
この状態では被加工物への電子、イオンの衝突が殆どな
いため、加工は純枠に化学的作用のみによって起こり得
る。また、高周波電界を用いた場合、荷電粒子の捕捉と
同時に、SiO2、Al2O3のような絶縁体の加工が可能とな
る。更に、機械加工では困難であったセラミックスの加
工を無歪に行えるようになる。
また、加工種に応じて様々な形状の電極を採用するこ
とができる。例えば、ワイヤーを張ってこれを電極と
し、加工の進行とともに被加工物との間で相対運動させ
ると、切断加工(カッティング)を行うことができ、平
板の電極を用いる場合には、平面加工(ポリッシング)
を行うことができる。更に、複雑な形状の電極を用い
て、その電極形状を被加工物に転写する加工も可能であ
る。ここで、電極としては、反応性雰囲気内において腐
食されてはならず、各反応ガスに対して耐蝕性をもつ材
料を電極として使用し、又は電極表面にコーティングす
ることが必要である。
(プラズマCVMにおける化学反応) 次に、プラズマ内で起こる反応について述べる。プラ
ズマは、電子とイオンの電荷密度が等しく、全体として
電気的中性が保たれた状態であるが、高圧力におけるプ
ラズマ中では、電離度が低く大部分が中性分子(原子)
のままである。プラズマ発生領域内では、中性分子や電
子、イオンが衝突を繰り返しながら、エネルギーの受渡
しを行っており、電離、励起、解離の他に電子の付着や
再結合、またこれらが組合わさった反応が起こってい
る。プラズマ内の中性分子は、印加された電界によって
加速された電子やイオンの衝突を受け、その殆どが励起
状態になることから、通常の分子よりも活性で化学反応
性が高い。しかし、通常の励起状態は不安定でその寿命
は短く(10-8秒程度)、光子(フォトン)を放出してそ
の基底状態に戻る。ところが、中には寿命の長い励起状
態、即ち準安定状態を持つものが存在する。第1表に主
な気体のイオン化エネルギーと励起準位を示す。
この準安定状態は、光学的遷移が禁止、あるいは非常
に小さい確率でしか起こらない状態でありこの状態から
の脱出は、他の粒子等との衝突によって相手粒子からエ
ネルギーをもらって更に励起あるいは電離したり、逆に
エネルギーを与えてこれを励起、又は電離させることに
より行われる。プラズマCVMにおける反応種は、主にこ
の準安定状態にある中性ラジカルである。
また、中性ラジカルは気体分子が解離するときにも生
成する。気体分子の結合エネルギーは、一般に電離電圧
や励起電圧よりも小さく、分子の解離は容易に起こり、
この解離に伴って原子は励起したり、電子付着が生じた
りする。第2表に主な反応ガスの結合エネルギーを示
す。
このように、反応ガスに用いる分子の結合エネルギー
は、不活性ガス等の気体のイオン化エネルギー及び励起
準位若しくは準安定準位より遥かに低く、衝突により反
応ガスに基づく中性ラジカルが容易に生成する。
シリコン(Si)、アルミニウム(Al)とその酸化物の
エッチングは、半導体プロセスの中で特に重要であり、
その化学反応を以下に述べる。
Siのプラズマエッチングには、主にCF4、SF6等のフッ
素系ガスが使われている。フッ素は化学作用が極めて高
く(電気陰性度4.0)、またこのときの反応生成物であ
るSiF4の蒸気圧が高いことから化学反応後の表面からの
脱離が速やかに行われる。プラズマ内で解離生成したフ
ッ素ラジカルF′と表面のSi原子はつぎの反応を起こ
す。
Si+4F′→SiF4↑ 表面Si原子と反応するのは、プラズマ中で解離した
F′だけではなく、SF6、F2、Cl2等が表面に吸着した場
合、1〜2eV程度の解離エネルギーの減少が起こる。こ
れはSi側から吸着分子へ電子が流入することによって分
子の局所エネルギーが減少し、分解に至るためである。
このように解離していないSF6やプラズマ内で発生したS
Fx(x;1〜5)が表面に吸着した場合でも、エッチング
に必要なフッ素原子を供給することになる。
またSiO2をエッチングする場合、電気陰性度の大きい
酸素原子があることから、表面のSi原子は正に帯電して
おり、フッ素原子が表面に接近しても容易に結合しない
と予想される。そこで還元性気体を用いてSiO2表面を還
元する必要がある。還元性気体として一般にCOが用いら
れる。尚、CF4を用いる場合は酸素は炭素と反応するこ
とから還元性気体が不要である。この他に、H2も添加さ
れることがあり、この場合にはプラズマ中でフッ素ガス
と反応することでHFが生成され、これによりSiO2がエッ
チングされることになる。
また、SiのエッチングはCCl4、PCl4等の塩素系ガスに
よっても可能である(塩素の電気陰性度は3.0)。フッ
素との反応と同様に、プラズマ内で解離生成した塩素ラ
ジカルCl′と表面のSi原子は次の反応を起こしてSiCl4
を生成する。
Si+4Cl′→SiCl4↑ ここで、第3表にSiF4とSiCl4の化学的性質を示す。
Alのエッチングには、主にCCl4やBCl3、Cl2等の塩素
系ガスが用いられる。フッ素系ガスを用いないのは、Al
F3の蒸気圧が低いからである。ここで、AlF3とAlCl3
化学的性質も第3表に示す。この場合もSiのエッチング
と同様に、プラズマ中で解離したり、表面で解離したり
して生成される塩素ラジカルCl′により反応が進行す
る。
Al+3Cl′→AlCl3↑ また、Al2O3のエッチングにも還元剤が必要で、塩素
系のガスにCOを混ぜたり、ホスゲンCOCl2を用いてエッ
チングを行ことが可能である。また、CCl4単体でもAl2O
3をエッチングすることが可能である。但し、この場合
は、CCl3+が表面を衝撃しAl2O3を還元することによっ
て行われる。
Al2O3+3Cl2+3CO→2AlCl3↑+3CO2↑ Al2O3+3COCl2→2AlCl3↑+3CO2↑ Al2O3+2CC13+→2A1C31↑十CO↑十CO2↑ 次に、プラズマCVMでは、フッ素系、塩素系等の腐食
性ガス雰囲気で加工が行われるため、加工用電極には耐
蝕性のある適切な材料を用いる必要がある。
電極材料を選択する場合に重要なことは、ハロゲンと
の反応性の小さなもの、若しくは反応してもその反応生
成物(ハロゲン化物)の蒸気圧が低いものを選ぶという
ことである。この条件を満たす材料として金属フッ化物
が挙げられる。第4表に空気中で安定で、比較的高融点
のフッ化物の蒸気圧をいくつか示す。
これらの材料は既にフッ素と反応しているため、ハロ
ゲンガス雰囲気中でも安定であり、蒸気圧も低いことか
らブラズマ中での蒸発も少ないと予測される。これらフ
ッ化物は絶縁体であるため電極そのものとして使用でき
ないため、電極表面へのコーティング材料として用いる
必要がある。この場合、電極とコーティング膜との密着
性や、コーティング膜の緻密性が重要である。
Alの自然酸化膜は緻密で、これにより内部への酸化が
進まないことから、フッ素に対しても同様に緻密なフッ
化物の膜がその表面に形成されると推測される。更に、
フッ化物(AlF3)自身の蒸気圧も低いことから、Al単体
でも十分に電極として使用できると予想される。
また、フッ化物以外にもAl2O3、MgOなどの酸化物もプ
ラズマエッチングのマスクにマスキング材料として用い
られていることから、コーティング材料としての利用が
可能であると予想される。
(高周波プラズマ内での荷電粒子の捕捉) 本発明において電極に印加する高周波電圧は、1気圧
以上の高圧力の不活性ガスを電離し、発生したプラズマ
を維持するのに十分な大きさを有し、そのためその電界
中の荷電粒子の運動は、電界方向にのみ加速され、熱速
度を無視して近似的に記述できる。
高周波電界E=E0 sin(2πft)内での荷電粒子のド
リフト速度uは、 u=(eλE0 sin(2πft)/2m)1/2と表せられる。こ
こで、E0は最大電界強度、eは電荷素量、λは荷電粒子
の平均自由行程、fは周波数、tは時間、mは荷電粒子
の質量である。また、半周期の間の移動距離lは、 l=0.38/f・(eλE0/2m)1/2と計算さる。
従って、荷電粒子を電極ギャップd(加工ギャップ)
内に捕捉するためには、l≦dとなる条件により、 f≧0.38/d・(eλE0/2m)1/2を満たすことが必要であ
る。
プラズマCVMでは、荷電粒子を電極と被加工物間で捕
捉することが必要であることは前述の通りである。そこ
で、1気圧のHe雰囲気における加工ギャップdと捕捉周
波数fの関係について以下に述べる。
先ず、電子の捕捉周波数を求める。電子がその平均自
由行程λeだけ進む間に、He原子の電離が可能となるよ
うな電界中(eλeE0=24.58eV)で電子を捕捉するため
に必要な周波数feは、 fe(GHz)≧558/d(μm) となる。これより、加工ギャップdが10μmで55.8GH
z、50μmで11.2GHzとなり、電子を捕捉するためにはマ
イクロ波以上の高周波電源が必要になる。
次に、イオンの捕捉周波数を求める。捕捉したイオン
にHe原子を励起(eλiE0=19.82eV(Heの最低励起電
圧))するだけのエネルギーを与えることによって、プ
ラズマ内でのラジカル密度を増加させることができると
推測される。このようなイオンの捕捉周波数fiを求める
と、 fi(MHz)≧5870/d(μm) となる。これより、加工ギャップdが10μmで587MHz、
50μmで117MHzとなる。この場合、電子は捕捉できない
が該電子の持つ最大エネルギーは112eVであるが、この
程度のエネルギーを持つ電子の衝突では被加工物表面へ
のダメージは殆ど生じない。
実際の荷電粒子の自由行程は、分布を持つため完全な
捕捉は行えないが、これらの計算で得られた周波数の電
源を使用することで、被加工物表面へのダメージをかな
り減少させて加工できると推測される。
(2) カッティング装置 (装置の概略) 本発明のラジカル反応による無歪精密加工装置は、被
加工物1と加工用電極2との相対位置関係及び加工用電
極2の形状によって切断加工(カッティング装置)、平
面加工(ポリッシング装置)、溝加工、穿孔加工等の種
々の装置を構成できるが、ここではカッティング装置に
ついて説明する。
カッティング装置Aは、第1図に示す如く前記加工用
電極2に高周波電圧を印加する高周波電源10と、該高周
波電源10と負荷とのインピーダンスを整合させる整合器
20と、前記高周波電源10より供給される高周波電圧を昇
圧する空洞共振器30と、前記空洞共振器30を接続し、内
部に前記被加工物1及び加工用電極2を配するととも
に、反応ガスを含む雰囲気気体を1気圧以上の高圧力で
密封若しくは流動させ得る反応容器40と、前記被加工物
1と加工用電極2との相対位置を変化させる送り装置50
と、前記反応容器40に反応ガス等を供給するガス供給ユ
ニット60と、各部の状態を検知するセンサ70と、該セン
サ70の信号が入力され、各部に制御信号を出力するコン
ピュータからなる制御装置80とから構成される。
各部の可動部はステッピングモータ又はサーボモータ
等の駆動用モータで駆動され、その変化を各種センサ70
にて検知し、その情報を制御装置80にフィードバックし
て、予め設定した最適状態になるように制御装置80で前
記駆動用モータを制御するのである。
そして、前記高周波電源10の周波数を制御し、整合器
20のチューニングを行うとともに、反応ガス等の流量を
調節して反応容器40内の圧力を調整し、更に送り装置50
を制御して、被加工物1と加工用電極2の相対位置を変
化させ被加工物1を切断するのである。
本発明では、高圧力ガス雰囲気中でプラズマを発生、
維持することでプラズマ領域を微小空間内に限定し、加
工の空間分解能を高めている。そのため反応ガスを含む
高圧力の混合気体内でプラズマを維持する必要がある
が、一般に反応ガス(SF6、Cl2等)単体の高圧プラズマ
を発生、維持することは困難である。そこで、プラズマ
の発生、維持の容易な不活性ガス(He,Ne等)により反
応雰囲気の加圧を行うことで、プラズマ発生領域を空間
的に限定し、この領域内に反応ガスを供給混合する。こ
の場合、ブラズマを構成する荷電粒子は略不活性ガスに
より、この中には準安定状態にある不活性原子が多数存
在することから、これによる反応ガスの励起や解離が促
進され、中性ラジカル密度が増加する。
この場合、不活性ガスと反応ガスの組合わせにより、
加工速度が変化すると予想されるが、これは励起又は解
離した不活性ガスから反応ガスにエネルギーを与える場
合、その反応断面積はそれぞれの準位構造の間の関係に
依るからである。また、加工雰囲気の圧力が高いほど荷
電粒子の平均自由行程が短くなるので、プラズマ領域は
小さくなり、加工の空間分解能が高まるが、この時ガス
圧力と、被加工物1と加工用電極2との間隔(加工ギャ
ップ)の関係によりプラズマの分布が変化するため加工
特性も変化する。
(高周波電源10) 前述したように、加工ギャップ間に不活性ガスに基づ
くイオンを捕捉する必要があり、そのために100MHz以上
の周波数の高周波電圧を加工用電極2に印加する必要が
あり、そのために用いる高周波電源10は、発振器11と高
周波増幅器12からなり、発振器11で発生された146MHz帯
高周波信号を、高周波増幅器12で所望電力に増幅するも
のである。本実施例では、加工ギャップを10〜200μm
程度の範囲に設定したので、前述の如くイオン捕捉を可
能とする電源として、周波数146MHzのものを使用してい
る。前記発振器11は、周波数範囲を1〜520MHzで可変と
なし、出力レベルは−20〜123dBμ開放端(−133〜+10
dBm)であり、出力インピーダンスは50Ω、VSWR1.2以下
のものである。前記高周波増幅器12は、144MHz帯のもの
であり、その周波数帯域は144〜148MHz、高周波電力は
最大250W、励振電力は0dBm(@146MHz)、周波数特性は
±4.5dB(@144〜148MHz)、入力インピーダンスは50
Ω、VSWR1.2以下のものである。
本発明では、高周波を扱うため通常の集中定数回路理
論は適用できず、高周波電源10から負荷(加工用電極
2)へ電力を効率的に供給するには種々の工夫が必要で
ある。例えば、高周波電源10と負荷を導線(伝送線)で
接続した場合、電源を出発した正の半サイクルの電圧の
波が負荷に達するまでに、電源は次の負の半サイクルの
波を送り込むというような事態が発生する。その現象を
うまく利用して様々な回路素子が考えられ、後述する整
合器20や空洞共振器30などがその例である。
こうして高周波電源10で発生された高周波電圧、電流
は特性インピーダンスが50Ωの同軸線13にて負荷に供給
される。
(整合器20) 高周波回路では、高周波電圧、電流は、伝送線上を波
の形で伝搬するが、電源10から負荷に向かう入射波(前
進波)と反対に負荷から電源に戻ってくる反射波(後進
波)が存在し、入射波、反射波それぞれの電圧と電流の
比をとると伝送線路の特性インピーダンスZ0が求めら
れる。
反射波が存在するということは、負荷に投入された電
力の一部が消費されずに電源に戻ってくることを意味す
る。これを防ぐために伝送線に並列又は直列に容量又は
インダクタンスを入れることによって、みかけのインピ
ーダンスを特性インピーダンスZ0と一致させ、反射波
を消すことができる。これをインピーダンス整合と呼
び、この場合、容量又はインダクタンスでは電力消費は
起きないため、投入電力は全て負荷で消費されることに
なる。
本実施例では整合器20として代表的な3−スタブチュ
ーナを採用し、第1図及び第2図に概略示してあり、整
合器20は、前記同軸線13と同じ特性インピーダンスの主
伝送線21から3本のスタブ22、…を所定間隔を隔てて分
岐し、各スタブ22を構成する伝送線の特性インピーダン
スを前記主伝送線21の特性インピーダンスに合わせてZ
0としている。主伝送線21及びスタブ22は、内導体23の
外径9mm、外導体24の内径20mmに設定し、略同軸線13の
特性インピーダンスに合わせている。そして、各スタブ
22の内導体23と外導体24の間には、その軸方向に摺動可
能な円筒形導体からなる短絡体25を介装し、該短絡体25
は、パルスモータ26によって回転される螺軸27に螺合し
た可動体28に固定した操作扞29にて軸方向に移動させ、
実質的なスタブ22の長さを調節している。
その等価回路は第3図に示してあり、負荷のインピー
ダンスをZL、点Cから負荷の方を見たときのインピーダ
ンスをZc、スタブの方を見たときのインピーダンスを
Zc′とすると、 となる。ここで、 であり、λHはこの線路を伝搬する高周波の波長であ
る。従って点Cより負荷とスタブの両方を見たときのイ
ンピーダンスZc″は次のようになる。
同様にして点Bより負荷とスタブを見たときのインピー
ダンスZb″は、 となる。ここで、 である。また、点Aより負荷とスタブを見たときのイン
ピーダンスZa″は、 となる。ここで、 である。結局、点Aより負荷側にはZa″なる負荷がある
ように見えることになる。そこで、11′、12′、13′を
適当に選ぶことにより、即ち短絡体25を適当な位置に設
定することにより、Za″=Z0とすれば、インピーダンス
整合が行われ、投入電力が有効に負荷で消費されるよう
になる。本実施例では、前記短絡体25の可動範囲は、使
用電源周波数146MHzの波長の半分(103cm)で、この範
囲において並列に付加できるリアクタンスは一j∞〜+
j∞である。また、各スタブ22、…はλ/4の間隔で配置
されている。実際の使用においては、前記高周波電源10
と整合器20の間にパワーモニタ71を配し、反射電力を検
出してその信号を制御装置80に入力し、該制御装置80に
て前記パルスモータ26を回転制御して、様々な負荷に対
して完全に反射波をなくすることができる。
(空洞共振器30) 高圧力の反応ガス雰囲気中でプラズマを維持するため
に、高電圧電源が必要であるが、小さい出力電力の電源
でもこれを昇圧すれば、使用することができる。その手
段として、本実施例では空洞共振器30を用いた。
共振器は低い周波数においてはコイルとコンデンサに
よって構成されるが、周波数が高い場合には導体壁で囲
まれた空間よりなる空洞によって構成され、電磁界が外
部に漏れず放射損失が少ないので空洞共振器の共振特性
は鋭くなる。
第4図に本実施例で用いた空洞共振器30を示してい
る。空洞共振器30は、導体からなる偏平な半同軸型空洞
共振器であり、容量性負荷空洞共振器と呼ばれるもので
あり、外側円筒壁31の軸方向両端を軸と直交する円板壁
32,33で閉塞し、一方の円板壁32の中心から他方の円板
壁33へ向けて同軸状に内側円筒壁34を延設し、該内側円
筒壁34の内端を閉塞する中心円板壁35を前記円板壁33に
対向させて平行なギャップbを形成し、該ギャップbに
はギャップ容量を調節するためにテフロンシート36(比
誘電率εr=2.0)を挿入している。また、前記外側の円
筒壁31と内側の円筒壁34間にはリング状の短絡板37を密
装するとともに、該短絡板37を調節具38にて軸方向に移
動させることができるようになしている。該調節具38
は、前記短絡板37に固定し円板壁32から外部に導出した
複数の操作扞381,…と、該操作扞381を連結する連結板3
82と、該連結板382に螺合するとともに、円板壁32に定
位置回動可能に取付けられた調節螺軸383とよりなり、
該調節螺軸383を回転させることで、前記連結板382及び
操作扞381を介して短絡板37を軸方向に移動させるので
ある。そして、前記中心円板壁35の中心に円板壁33を貫
通し且つ該円板壁33に導通することなく加工用電極2に
電圧を供給するロッド39を接続している。更に、前記整
合器20に接続されるN型コネクタ14を円板壁33の外面所
定位置に接続固定し、その中心同軸線を該円板壁33の内
面に銅箔で形成した結合コイル15にて接続している。
そして、第4図に示す如く中心軸から内側円筒壁34の
外面までの半径をr1、外側円筒壁31の内面までの半径
をr2とし、円板壁33と短絡板37の間隔をb1とし、本実施
例では2r2=486.6mm、2r1=100mm、b1MAX=85mmに設
定した。共振器内側は、表皮抵抗による損失を小さくす
るために銅板、銅箔を用いて形成した。
第5図(a)には、空洞共振器30を簡略化して示し、
第5図(b)にその等価回路を示している。
前記コネクタ14から高周波電圧、電流が供給される
と、前記ギャップbに電界Eが集中するため容量として
働き、この容量Cとそれを取巻く導体壁によるインダク
タンスLとで決まる周波数で共振する。共振器の高さb
1に対して半径r2が大きい場合、インダクタンスLは主
に上下の円板壁33と短絡板37によって決まる。そこで、
分布定数回路としてとらえる場合、高周波の伝搬方向を
半径方向にとったラジアル伝送線路を対象とする。ラジ
アル伝送線路は、伝搬するに従ってその形状が変わって
くるため、同軸線路等の一般の伝送線路とは異なった性
質を持ち、特性インピーダンスZ0は半径rの関数とし
て次のように表される。
但し、hはラジアル伝送線路の高さである。ここで、半
径rにおけるアドミッタンスY(r)を、伝送線路の特
性アドミッタンスY0(r)(=1/Z0(r))で除した規
格化アドミッタンス(r)を定義する。
ここで、V(r)、I(r)は、r=rにおける電圧、
電流の値である。ラジアル伝送線路におけるインピーダ
ンス変換は次のように表せる。
但し、 である。ここで、Jm(x)、Nm(x)(m=0,1)は、
それぞれm次のベッセル関数、ノイマン関数である。そ
こで、r=r0で短絡終端しているラジアル伝送線路をr
=rで見たときの規格化アドミッタンス(r)を求め
ると、Y(r0)=∞より、 (r)=一jt(x,y) となる。また、r=rから中心方向(r0=0)を見たと
きの規格化アドミッタンスは、 となる。
次に、この空洞共振器30の共振周波数を求める。等価
回路より、この共振器は異なる特性アドミッタンスY
0(r)と、Y0′(r)を持つ開回路と閉回路が結合し
た形となっている。また、結合部の結合アドミッタンス
jB1は次のように表される。
ここで、r=r1から見た開回路、閉回路のそれぞれのサ
セプタンス成分と結合アドミッタンスの和が零になれ
ば、この回路は共振することから、Y0′(r1)に対する
アドミッタンスの和としてこれを表すと、 となる。x:kr1≪1の条件で近似を行うと、 となり、更にギャップb(r=0〜r1)に比誘電率εr
の誘電体を挿入した場合、特性インピーダンスZ0(r)
は√εr倍になる。また、ギャップb内の容量をCとす
ると、前式の第2項は、 となるので、ギャップb内に誘電体を挿入すると。εr
倍になることがわかる。以上から、ギャップbに誘電体
が挿入された共振器の共振周波数は次式で求められる。
共振周波数は、短絡板37を変位させてb1を変化させる
ことによって変えることができる。共振条件を決定する
容量Cは、共振器側の容量C0と加工ギャップによる容量
C1の合成容量となる。ここで、容量C1は加工の進行とと
もに変動する可能性があるため、共振器側の容量C0が大
きいほど合成容量Cの変化が少なく、共振周波数が安定
することになる。しかし、逆に容量C0が小さいほど投入
電力に対して得られる電圧は大きくなる。ここで、容量
C1の変化は数pFと見積もられるから、容量C0を100〜300
pFと設定し、前述の寸法が定められた。
そして、本実施例の空洞共振器30を用いることによ
り、投入電力10Wの場合に得られる電圧は、容量107pFの
場合は約1kV、容量347pFの場合は約400Vと計算される
が、実際に高周波電圧を計測するのは困難である。実際
にこの空洞共振器30を用いて約10気圧のHe、Ne雰囲気内
でプラズマを発生(ブレークダウン)、維持することが
できたことから、加工を行うのに必要な電圧が得られて
いることがわかる。
(反応容器40) 反応容器40は導体で形成し、内部に反応室41となる空
間を設け、反応ガスを含む雰囲気気体を10気圧程度まで
の高圧力で密封若しくは流動させ得るとともに、低真空
度まで減圧可能な気密容器であり、下部に前記空洞共振
器30を取付け、反応室41内には被加工物1と加工用電極
2が相対的に移動可能に設けられるものである。
加工用電極2は、加工の種類によって変わるものであ
り、切断加工する場合にはワイヤー2aが用いられる。そ
して、前記加工用電極2には、前記空洞共振器30から絶
縁状態で反応室41内に導かれた電圧供給用のロッド39が
接続されるとともに、加工用電極2は周囲とは絶縁状態
にされ、また反応容器40は接地されている。
本実施例では、反応容器40は円筒状の容器本体42の上
下に上蓋43と下蓋44が取付けられ、下蓋44は前記空洞共
振器30の円板壁33を兼用している。そして、下蓋44の内
面には絶縁体45を介してワイヤー送り装置46が設けら
れ、該ワイヤー送り装置46は、繰り送りドラムを有する
供給部461と該供給部461から送られるワイヤー2aの巻き
取りドラムを有する回収部462からなり、該ワイヤー2a
に一定の張力を持たせるものであり、その張力を常時検
知する張力計72が設けられている。
また、前記上蓋43には、被加工物1を取付けて前記ワ
イヤー2aに対して接近若しくは離間する方向に変位させ
る送り装置50が取付けられている。
更に、容器本体42の周囲にはプラズマの発生状態及び
加工状態を目視するための覗き窓47が適宜設けられてい
る。
また、反応容器40には、真空排気するためにロータリ
ーポンプが取付けられ、真空度が0.1Torr以下の状態で
反応ガスの導入が行えるようになし、更にガスフローを
するためには、反応性、毒性の強い反応ガスを扱うこと
もあるので、該反応ガスの処理装置を備えた排気装置が
適宜取付けられる。
(送り装置50) 送り装置50は、被加工物1を加工用電極2に対して接
近又は離間させるためのもので、該送り装置50の下端の
駆動部51は反応室41内に位置し、その先端に被加工物1
を取付けるステージ52が連結され、そして駆動部51及び
軸受部が反応ガスによって腐食しないように、送り装置
50と反応室41はベローズ53で隔離している。
前記駆動部51は、パルスモータ54の回転によって軸方
向、即ち垂直方向に移動可能にされ、ステージ52に固定
した被加工物1の送りは、制御装置80で速度制御してい
る。
そして、被加工物1と加工用電極2との間隔、即ち加
工ギャップdはギャップセンサ73で検知して、前記制御
装置80にてパルスモータ54を制御し、所定幅の加工ギャ
ップdが形成されるようにしている。
更に、パルスモータ、ハーモニックドライブ、ボール
ねじ、スプラインの組合せによる精密微小送り機構を採
用すれば、ミクロンオーダの精密送りを行うことができ
る。この送り装置50による寸法精度は、被加工物1の加
工仕上りに大きく影響する。
(ガス供給系) 本実施例のカッティング装置のガス供給ユニット60
は、第6図に示している。前記反応室41には、反応ガス
ボンベ61と不活性ガスボンベ62からそれぞれ流量計63,6
4及び制御装置80にて制御可能な電動バルブ631,641を介
してガスを供給する。反応ガス及び不活性ガスを供給す
る前に、反応室41は予め0.1Torr程度まで減圧して、反
応室41内の空気を排気するが、それにはバルブ65を介し
てロータリーポンプ66で減圧し、また反応室41内が1気
圧以上の反応ガス等で充満している場合には、制御装置
80で排気量を調節可能なリークバルブ67で反応カス等を
排出し、反応室41内の雰囲気気体の圧力を所望の値に設
定できるようにしている。また、前記送り装置50のベロ
ーズ53内の圧力は、ステージ52の位置設定を高精度に行
うために、反応室41内の圧力と常に等しいことが望まし
く、そのため窒素ガスボンベ68からバルブ681,682を介
して送り装置50に供給できるようにしてあり、またバル
ブ682とバルブ683を通じてロータリーポンプ66又はリー
クバルブ67から排気できるようになしている。前記ベロ
ーズ53内の圧力と反応室41内の圧力差は差圧計74で検知
し、それらの圧力差が零にあるように制御装置80でバル
ブ682,683を開閉制御している。
反応ガスとしては、SF6.CF4.H2.Cl2等が用いら
れ、不活性ガスとしては、He,Ne,Ar等が用いられる。ま
た、被加工物1が酸化物の場合には還元ガスも併用され
る。
(制御系) 制御系は、各部の状態を検知するセンサ70と、該セン
サ70からの信号を受けて予め設定された状態になるよう
に各部に制御信号を出力するマイクロコンピュータから
なる制御装置80とで構成される。
第7図は、高周波電源10の出力及びその周波数を制御
する制御回路のブロック図を示している。制御装置80に
て発生周波数が制御された発振器11で発生された高周波
信号は、高周波増幅器12で増幅された後、その高周波電
圧、電流はパワーモニタ71を介して整合器(3−スタブ
チューナ)20に通して、更に加工用電極2に印加され
る。高周波電源10の出力はパワーモニタ71で測定し、そ
の出力信号を受けた制御装置80が、設定した出力になっ
ているかどうかを判断して、設定値になるように発振器
11の出力を調節するのである。また、反応ガスと不活性
ガスのそれぞれの流量や反応ガスと不活性ガスの混合雰
囲気気体の圧力等、ガスの各種状態を検出するガスセン
サ75と、加工ギャップd間で発生されるプラズマの密
度、温度等を検出するプローブ76が設けられ、それらか
らの信号が制御装置80に入力され、それに基づき加工に
最適な状態になるように各種バルブの調節又は高周波電
源10の出力の調節を行うのである。
第8図は、インピーダンスのマッチング制御回路のブ
ロック図を示している。前記整合器20にて負荷とのイン
ピーダンス整合がとれてない場合には、整合器20から電
源側への反射波が発生して、投入電力が負荷で効率的に
消費されないので、前記パワーモニタ71によって反射波
を検出し、その反射波の電力に比例する信号を受けた制
御装置80が、整合器(3−スタブチューナ)20のパルス
モータ26,…を制御して、反射波が零になるように短絡
体25の位置を調節するのである。
第9図は、被加工物1の送り制御回路のブロック図を
示している。送り装置50は、パルスモータ54を回転させ
て駆動部51を作動させ、そして該駆動部51にて被加工物
(試料)1を下面に固定したステージ52を加工用電極
(ワイヤー2a)2に対して相対的に移動させるのであ
る。ここで、加工の進行と共に被加工物1と加工用電極
2の間隔、即ち加工ギャップの間隔dは変化するので、
その間隔をギャッブセンサ73で検出し、その信号を制御
装置80に入力して加工ギャップdが10〜200μmの範囲
内の設定値になっているかどうかを判断し、前記パルス
モータ54に正転又は逆転の方向信号及び回転数(回転
角)の信号等の指令信号を入力し、加工ギャップdが常
に設定値になるようにするのである。
第10図は、各種ガス圧の制御回路のブロック図であ
る。前記反応室41には反応ガスボンベ61及び不活性ガス
ボンベ62から流量計63及び流量計64を通してそれぞれガ
スが供給され、該流量計63及び流量計64を通るガス量を
調節することによって反応室41の全圧力及び各ガスの分
圧を設定するのである。図示したものは、流量計63,64
とそれぞれ電動バルブ631,641が一体となったものを示
し、特に電動バルブ631,641は示さなかったが、流量計6
3,64からのガス流量に関する信号を制御装置80に入力
し、その信号に基づいて電動バルブ631,641に信号を送
り、開閉操作して反応室41内のガス圧を制御するのであ
る。また、送り装置50のベローズ53内には前述の如く窒
素ガスボンベ68から窒素ガスが供給され、反応室41の圧
力と略一致させるように、反応室41と送り装置50間に差
圧計74が設けられ、該差圧計74からの信号を受けた制御
装置80は、窒素ガスの供給量、排気量を調節するコント
ロールバルブ682,683を開閉制御するのである。尚、送
り装置50の駆動部51にガスの圧力差で駆動させる気体軸
受機構を採用した場合には、前記差圧計74と併せて送り
装置50に圧力計75を接続し、差圧計74と圧力計75の信号
を受けて制御装置80が同様にそれにガスを供給するコン
トロールバルブを開閉制御するのである。
第11図は、加工用電極2としてのワイヤー2aの送り制
御回路のブロック図である。ワイヤー2aは、ワイヤー送
り装置46の供給部461から回収部462に繰り送られ、それ
ぞれの間に張られワイヤー2aの露出部分で被加工物1を
切断するのであるが、精度よく直線状に切断するには所
定以上の張力で、ワイヤー2aが断線しない張力以下に設
定する必要があり、それを張力計72で検知して制御装置
80に入力し、該制御装置80からの信号でワイヤー送り装
置46の駆動モータを制御するとともに、ワイヤー2aは反
応ガスによって浸食されるので、駆動モータの回転数を
制御して、ワイヤー2aの送り速度を制御し、常時有効な
部分を露出させるのである。
(3) ポリッシング装置 (装置の概略) ポリッシング装置Bの構成は、基本的には前述のカッ
ティング装置Aと同じであり、高周波電源10、整合器2
0、空洞共振器30及び反応容器40は全く同じであるので
説明を省略する。
ポリッシング装置Bは、第12図に示す如く反応容器40
内に、ステージ52に固定された平面状の被加工物1と、
下蓋44に取付けた絶縁体45に固定した平面状の加工用電
極2とを平行に対向させて配置し、該加工用電極2に高
周波電源10、整合器20及び空洞共振器30を通して高周波
電圧を印加し、加工用電極2の近傍でガス供給ユニット
60によって反応室41内に供給された反応ガスと不活性ガ
スの混合雰囲気気体に基づく高圧プラズマを発生、維持
して、反応ガスに基づく中性ラジカルを生成し、該ラジ
カルと被加工物1の表面に有する微小突出部分との選択
的ラジカル反応によって生じた揮発性反応物質を昇華除
去して、被加工物1の表面を平滑化するものである。ま
た、送り装置50で被加工物1と加工用電極2との間隔を
調節することによって加工深さを変化させることが可能
である。また、加工用電極2としてワイヤー2aを被加工
物1の加工面に対して平行に走査することによって、平
面加工することも可能である。
前記カッティング装置Aと若干相違する点を以下に述
べる。尚、カッティング装置Aと同一構成には同一符号
を付して説明を省略する。
(送り装置50) 送り装置50のステージ52は、図示しない駆動部51を介
して複数のパルスモータ54,…で5軸調節可能となし、
被加工物1と加工用電極2との相対位置は勿論、平行度
をも調節できるようになしたものである。ポリッシング
装置Bにおいて、被加工物1と加工用電極2が平行でな
い場合には、加工面の加工深さが不均一となり仕上りに
大きく影響するので、両者を平行に維持することは重要
なことである。
本実施例では、ステージ52に気体軸受的運動機構を採
用し、バルブ55を通して供給した作動気体により負荷56
でステージ52に流体力学的負荷を与え、それを検出する
負荷センサ77と、作動気体の圧力を検出する流圧センサ
78を備えている。
(ガス供給系) 第12図及び第13図にポリッシング装置Bのガス供給系
を示している。ポリッシング装置Bにおいて、加工面の
面積は比較的広いので、反応室41内に反応ガスと不活性
ガスが均一に拡散されることが要求され、そのため反応
ガスボンベ61と不活性ガスボンベ62から流量計63,64を
介してリザーブタンク69に導き、その内部で混合した
後、反応室41内に供給するのである。
(制御系) 第14図は、各種ガス圧力の制御回路のブロック図を示
している。前述の如くリザーブタンク69に供給する反応
ガスと不活性ガスの流量は、流量計63,64で検出され、
混合ガスの全圧力と分圧を所望値に設定するため、流量
計63,64からの信号を受けた制御装置80から、その電動
バルブ631,641を開閉操作するのである。
第15図はステージの制御回路のブロック図を示してい
る。バルブ55を通して供給された作動気体と負荷55によ
ってステージ52は変位するが、この変位を制御するため
に負荷センサ77と流圧センサ78で状態を検出し、その信
号を受けた制御装置80が前記バルブ55と負荷55を制御し
て、定められた状態になるようにステージ52の姿勢を制
御するものである。
第16図は、加工用電極2としてワイヤー2aを走査する
場合の制御回路のブロック図を示している。本実施例の
ワイヤー送り装置46は、ワイヤー2aを送ることは勿論、
送り方向と直交する方向に移動可能なものであり、該ワ
イヤー送り装置46から送られるワイヤー2aの張力は張力
計72にて検出し、その信号を制御装置80に入力して、張
力を最適状態に設定する。一方、パルスモータ54で移動
されるステージ52と、前記ワイヤー2aとの平行度をギャ
ップ平行度センサ79で検出し、その信号を制御装置80に
入力する。該信号を受けた制御装置80は、前記ワイヤー
送り装置46とパルスモータ54に信号を入力してその平行
度を常に保ようにするものである。尚、第12図に示した
ものは、加工用電極2を固定するものであり、ワイヤー
送り装置46は示していないが、被加工物1と加工用電極
2の平行度を検出するギャップ平行度センサ79は備えて
いる。
(4) 加工用電極 プラズマCVMでは、フッ素系、塩素系等の腐食性ガス
雰囲気で加工が行われるため、加工用電極2には耐食性
のある適切な材料を用いる必要があることは既に述べ
た。
従来の放電加工機のワイヤー電極として利用されてき
たタングステンは、フッ素に対して容易に腐食され、加
工時間をあまり長くとれない。そこで、ワイヤーの材質
としては耐食性があり、また張力をかけるため機械的強
度の大きなものを選ぶ必要がある。
フッ素に対して耐食性を示す材料としては、例えばAl
があるが、Alのワイヤーは機械的強度が弱いため実用的
でない。耐食性材料として第4表の1及び第4表の2に
示したフッ化物には導電性がなく、そのものでは電極と
して使えないが、タングステン、モリブデン等の表面に
これらのフッ化物をコーティングすれば、電極として使
える可能性があることを実験により確認した。即ち、A
l、Al2O3、MgF2のバルクに対して、タングステンワイヤ
ーを用い、ガス雰囲気はHe(3気圧)+SF6(0.1気圧)
で、加工時間は20〜30分で加工実験を行った結果、Alの
表面は薄いフッ化物の膜で覆われており、またAl2O3、M
gF2の表面は、全く変化しないことを確認したのであ
る。これにより、織密なコーティング膜を機械的強度を
有し且つ導電性のワイヤー表面に形成することができれ
ば、耐食性を有する電極を得ることができる。
これらのコーティングの効果は、前述のポリッシング
装置Bを用いて、加工ギャップ内でSF6プラズマを発生
させ、この中に(a)真空蒸着(膜厚4μm)と(b)
イオンプレーティング(膜厚1μm)によってAlをコー
ティングした銅ワイヤー(50μmφ)と、(C)コーテ
ィングを行っていない銅ワイヤーを曝して調べた。実験
条件は、Heを100Torr、SF6を1Torr以下とし、電力75W、
時間120分とした。その結果は第17図に示している。こ
れにより、Alコーティングを行っていない銅ワイヤー表
面はフッ素に侵され荒れている(第17図(c))が、Al
コーティングを行ったワイヤーは、両者ともAlの光沢が
残っており、表面に腐食の跡は見られない(第17図
(a),(b))。これより、Alのコーティングを行う
ことでワイヤーの耐食性が大幅に向上することが判っ
た。
以上により、ワイヤーに限らず加工用電極2の表面に
耐食材料をコーティングすることで、電極の消耗を防ぐ
ことができる。
電極材料としては、フッ素系の反応ガスに対しては、
前述のAlの他に、反応生成物の蒸気圧が低い元素、Ni、
Ni−Cr、Mg、Mn、Ca、Ce、Ba、Sr等があり、塩素系の反
応ガスに対しては、Ti、Ni、Ni−Cr、インコネル、モネ
ル、グラファイト(C)を用いることができる。
また、電極のコーティングに関しては、低蒸気圧のフ
ッ化物、塩化物のコーティング(プラズマCVD、イオン
プレーティング、真空蒸着)や、表面処理(プラズマ酸
化,熱酸化,フッ化,塩化)や、複合電極(不活性元素
+高張力、高融点材料)、例えばWの表面にNiを電気メ
ッキしたり、W又はMoの表面にカーボン(C)をプラズ
マCVD等による処理、反応ガス供給用高蒸気圧フッ化物
(NaHF2,KHF2,NbF5,BrF5,lF5,HF等)又は塩化物(H
Cl,CCl4,S2Cl2,SCl2等)のコーティング及びディップ
したものが使用できる。
更に、ポリッシング装置Bの電極として、導電性多孔
質電極を用いることにより、該多孔質を通して雰囲気ガ
スを加工ギャップ間に送るフローシステムを構成するこ
とも可能である。
(5) 加工特性 (加工面の一般的特性) 前述のカッティング装置Aによって50μmφのワイヤ
ーを用いて実際に切断加工を行った結果を以下に示す。
切断途中における加工溝の形状をタリサーフで測定
し、また加工溝底部の表面粗さをタリステップで測定し
た。第18図には、加工条件としてHe9atm+SF6 1Torr,電
力14W,加工時間3分,加工ギャップ20μmとした場合の
加工溝の形状を示し、第19図には加工条件としてHe3atm
+SF6 1Torr,電力34W,加工時間3分,加工ギャップ80μ
mとした場合の加工溝底部の表面状態を示している。そ
れぞれのグラフは、横軸に表面に沿った長さ、縦軸に表
面の凹凸の深さを示し、スケール及び単位はグラフ中に
示している。
また、ノマルスキー型微分干渉顕微鏡によって、加工
条件として第19図に示したものと同様にHe3atm+SF6 1T
orr,電力34W,加工時間3分,加工ギャップ80μmとした
場合の加工溝を観察した結果を第20図に示している。
この結果、加工溝の開口幅はワイヤー電極の直径50μ
mの略2倍の100μm程度であり、その加工溝底部の表
面の凹凸は0.1μm以下に抑えられていることが判る。
(雰囲気気体の種類による加工速度の変化) 加工速度は、被加工物1の材質に合った雰囲気気体の
選択と、その圧力、投入電力、加工ギャップ等によって
大きく影響する。その中で最も重要なパラメータは、雰
囲気気体の選択である。
そこで、Siの加工を、反応ガスとしてSF6を用いて行
う場合、加工効率が最も上がる不活性ガスを選択するた
め、先ずHe、Ne、Arの単体の性質を調べるためにワイヤ
ー電極のまわりにプラズマを発生、維持するのに必要な
電力を求めた。この結果を第5表に示す。
これより、Heのプラズマを発生、維持するためには多
くの電力が必要であり、Neはその逆で発生、維持ともに
容易に行えることが判る。また、Arの場合は、プラズマ
の発生は困難であるが、その維持は容易に行えることが
判った。この傾向はこれらのガスを混合した場合も同じ
で、例えばHeとNeを混合する場合、発生電力、維持電力
ともにHeの分圧とともに上昇する。
次に、不活性ガスとSF6の混合気体を用いて、P型Si
(比抵抗0.01〜0.02Ωcm)の加工を行った。ワイヤー電
極はNi−Cr:50μmφのものを用い、加工時間は4〜6
分、加工ギャップは280μmとした場合の加工におい
て、不活性ガスの種類によって加工速度が変化すること
を第6表に示す。表中の投入電力は、それぞれのプラズ
マを維持するための最小限の電力である。
このとき、プラズマ内には不必要に大きなエネルギー
を持つ荷電粒子は少なく、主に化学的な作用により加工
が進行すると考えられる。この結果により、SF6の解
離、励起を起こすためにはHeの方が適していることが判
る。また、ArとNeについても同様な実験を行った結果、
ArとNeでは加工速度に差はないことが判った。
また、加工速度は、当然反応ガスの種類によっても影
響を受ける。前記同様の加工条件で、反応ガスとして、
SF6の代わりにCl2を用いてP型Si(比抵抗0.01〜0.02Ω
cm)の加工実験を行った。投入電力は14Wで、その他の
条件は全く同じである。その結果をSF6と比較して第7
表に示す。
この結果、Cl2を反応ガスとして用いた場合、Siの加
工は殆ど進行しないことが判った。これは、フッ素と塩
素の反応性の違いが挙げられ、またSF6とCl2の同体積中
に含まれるハロゲン原子の数も異なるためである。ま
た、SF6に対してHeが最も加工能率を高めることは既に
述べたが、Cl2をあまり活性化できず、また反応生成物
の蒸気圧も比較的低いからであると思われ、それぞれの
要因によってCl2の方が加工速度が低くなる。
(ガス圧力と加工ギャップによる影響) ここでは、反応ガスとしてSF6を用い、不活性ガスと
してHeを用いてガス圧力と加工ギャップが加工特性に及
ぼす影響を調べた。加工ギャップを20〜180μmと直線
的に変化させ、一定量のSF6(1Torr)に対してHeを1、
3、9気圧混合した雰囲気の中、加工時間を3分間とし
て、P型Si(比抵抗0.01〜0.02Ωcm)を加工した。ワイ
ヤー電極は50μmφのタングステンを使用した。
この加工の結果、被加工物の表面にできた加工溝の幅
と圧力の関係を第21図に示す。この時、プラズマは1気
圧と3気圧では全ギャップにわたって存在していたが、
9気圧では20〜100μmのギャップの間だけに存在して
いた。全体的にみて圧力の増加に伴って加工溝の幅が小
さくなる傾向を有し、これはガス圧力の増加に伴ってプ
ラズマの半径方向の広がりが小さくなることを示し、従
って加圧することで加工の空間分解能が向上する。
また、1気圧と3気圧において、ギャップの狭いとこ
ろでは、ギャップ内に存在している粒子密度が小さいた
め、ワイヤー電極、被加工物面上で失われてゆく電荷に
対してプラズマを維持するために必要な電荷の生成が十
分でないためにプラズマを維持できなくなり、電極と被
加工物間にはプラズマが存在せず、プラズマはそのまわ
りの空間に存在しており、そのため加工溝幅が広くなっ
たものと思われる。一方、ギャップが広くなると、プラ
ズマはギャップ内に集中するようになり加工溝幅は小さ
くなる。更にギャップが広がると、プラズマは主にワイ
ヤー電極のまわりに集中し、被加工物面上でのラジカル
密度分布がなだらかになるため、加工溝幅は再び広くな
る。これは、ワイヤーまわりの形状による電界の集中に
よっても、プラズマの維持が可能なためであるが、9気
圧雰囲気においてはこの程度の電力ではワイヤーまわり
の電界集中だけではプラズマが維持できなくなり、その
ためギャップの狭い側だけでプラズマが存在していたも
のと思われる。このとき、プラズマはギャップ間に集中
していることから加工溝幅は狭いが、ギャップが広がる
につれて電界の集中が少なくなり、プラズマはその領域
を減少させながら電極の方へ移動してゆき、更に加工溝
幅が狭くなったのである。
第22図は前記と同じ条件で加工した場合の深さ方向の
加工速度を測定した結果を示したものである。全般的に
見てギャップが広がるにつれて加工速度が減少してい
る。これはプラズマの集中部分が被加工物表面から離れ
ていくに従って、被加工物表面でのラジカル密度が減少
するためである。この傾向はガス圧の増加に伴ってラジ
カルの拡散が起こり難くなり、被加工物表面とラジカル
との反応で該ラジカルが消費され、表面ラジカル密度が
減少してくるため、加工速度が低下するためである。し
かし、3気圧と9気圧の加工速度の大きさに逆転が見ら
れることから、ギャップの狭いところでは9気圧の方が
ラジカル密度が高くなっている。それは電極と被加工物
間のラジカル密度は、まわりのプラズマ領域からの拡散
によって決まり、3気圧雰囲気ではラジカル密度が低い
が、9気圧雰囲気ではプラズマ領域がギャップ内に集中
して存在しているため、ラジカル密度が逆に高くなって
いるからである。また、1気圧雰囲気においてギャップ
が狭くなるに従って、加工速度が低下、若しくは飽和し
ているように見えるが、これはプラズマの存在できない
空間が広がってゆくため、ラジカル密度が減少したと推
測される。
(絶縁体の加工特性) 本発明の装置は、高周波を用いているので、導体のみ
ならず絶縁体でも加工をすることが可能であり、その1
例を次に示す。
被加工物として絶縁体であるSiO2を選び、加工ギャッ
プを280μm、加工時間を4〜6分に設定して加工を行
った結果を第8表に示す。その他の加工条件は表中に記
載している。
これにより、還元剤としてCOを用いて、絶縁体である
SiO2を十分に加工できることが実証された。
また、その還元剤の効果も顕著に現れている。今回の条
件では、加工速度はP型Siの場合よりも小さいが、これ
がCO濃度による表面の還元速度で加工速度が律速されて
いる可能性があり、反応速度を更に高めることができる
可能性がある。
ここでは絶縁体としてSiの酸化物を示したが、各種セ
ラミックスの加工も行うことができ、その場合には反応
ガス等に新たな反応促進ガスを混合すれば、実用的に十
分な反応速度が得られる。
(ガスフローの効果) ラジカルと反応した被加工物の構成原子は、揮発性の
反応生成物としてその表面から除去されるが、ガスフロ
ーを行ってない場合には、加工溝内にその反応生成物若
しくは被加工物の構成原子のCVD(化学気層成長)によ
って再付着したものと思われる粒子の付着が見られるこ
とがある。
ポリッシング装置Bを用いて、ガスフローの効果を調
べた。その結果、ガスフローを行わなかった場合、被加
工物の表面は付着物で覆われていたが、ガスフローを行
った場合には付着物が明らかに減少した。その表面の状
態をタリステップで測定した結果を第23図に、またノマ
ルスキー型微分干渉顕微鏡で観察した結果を第24図に示
している。加工条件は、He:10atm、SF6:0.1atm、それら
の混合ガスを1分間に6.8lの割合で流し、また電力は10
0W、加工時間は3分、加工ギャップは便宜上800μmと
し、加工速度は5μm/minである。この結果を、ガスフ
ローを行っていない第19図及び第20図に示した結果と比
較した場合、カッティングとポリッシングの違いはある
が、ガスフローによって表面の付着物はなくなり、表面
の粗さが減少していることが判る。
(6) 加工面の評価 前述のように、被加工物1の加工面の粗さをタリステ
ップで測定するとともに、ノマルスキー型微分干渉顕微
鏡で観察して、その表面状態が優れていることを既に示
したが、更にSPVS(Sur−face Photo Voltage Spectros
copy)を用いて、プラズマCVM加工面の表面準位の分布
を測定し、更に他の加工方法である機械研磨面とケミカ
ルエッチング面とArイオンスパッタリング面のそれぞれ
の表面準位密度との比較を行って、本発明によるプラズ
マCVM加工面の評価を行った。
金属や半導体の結晶の表面は、結晶内部の周期性、連
続性が失われる一種の巨大な欠陥であり、局在する電子
準位が現れる。更に、表面のステップや転移、空孔等の
格子欠陥や吸着原子等に起因する電子準位もある。この
ように表面に局在する電子準位を広義に表面準位と呼ん
でいる。半導体材料を加工した場合、加工面には、表面
粗さや加工変質層が存在し、物性的、結晶学的に鏡面で
ないものには、禁止帯内の様々なレベルに表面準位が現
れ、また結晶学的に悪い加工面ほど、表面準位密度も高
くなる。そして、表面準位が存在すると、電子と正孔の
散乱、捕獲、放出、再結合が起こり、表面近傍のキャリ
ア数の変化、易動度の減少、再結合速度の増加等、デバ
イスの特性に影響する原因になるので、ウエハーの表面
は特に高精度な研磨が施されている。
プラズマCVM面と比較する機械研磨面としては、最も
優れた機械研磨面と考えられている通常のSiウエハーの
最終研磨面を用いた。また、物性的乱れの最も少ないと
考えられる液中エッチング(化学エッチング)面と、更
にArイオンスパッタリング面との比較も行った。
SPVSの測定原理は、Siのバンドギャップ以下のエネル
ギーを持つ赤外線を測定面に照射したときの表面での電
子遷移の有無を測定するものである。もし、加工時にダ
メージが入ると、このとき生じる原子配列の乱れに対応
した電子準位が、本来準位の存在しないバンドギャップ
内に形成されることから、赤外線による電子遷移が可能
となり、大きな信号が得られる。逆に、加工が理想的で
表面の結晶性を乱すものでなければ、新たな準位が生じ
ることはなく、信号は小さいものとなる。
第25図は、得られたデータから加工表面に形成された
電子準位密度を求めたものである。この図からも判るよ
うに、最も穏やかな機械研磨による場合でも多くの準位
が形成されているが、プラズマCVM面では非常に少な
く、最も理想的な加工法と考えられる液中エッチング面
と殆ど変わらない結果が得られている。
以上のように、数10μm/minという非常に激しい機械
加工に相当する加工速度を得ながらも、その表面物性
は、最も穏やかな機械加工面より優れており、化学研磨
面に匹敵する特性を有することが判る。このことは、現
状では機械加工に頼らざるを得ないセラミックスの加工
において、本発明の装置により、高い信頼性を有する面
を極めて高能率に得ることが可能となるのである。
〔発明の効果〕
以上にしてなる本発明のラジカル反応による無歪精密
加工装置によれば、高周波電源によって発生された高周
波電圧、電流を、整合器を通すことにより、任意の負荷
に対してインピーダンス整合を取り、伝送線路等におけ
る電力損失を最小限に抑制して加工用電極に高周波電圧
を印加することができ、しかも空洞共振器を介している
ので、電圧を昇圧することができ、少ない電力で被加工
物と加工用電極間に効果的に高圧プラズマを発生、維持
することができるのである。
また、反応ガス及び不活性ガスを含む雰囲気気体の圧
力を1気圧以上となしているので、プラズマの発生領域
が空間的に限定され、ひいては反応ガスに基づくラジカ
ル密度の分布が局在され、空間分解能の高い加工が可能
となるのである。即ち、従来のプラズマエッチング等で
は考えられなかった高圧力ガス雰囲気中でのプラズマ生
成により、従来の機械加工に匹敵する高い空間分解能が
得られたのである。
その上、加工面の表面粗さは、0.1μm以下の鏡面に
仕上げることが可能であり、特に、ポリッシング装置に
よる加工面は、ガスフローを用いた場合、反応生成物の
再付着による面の荒れは全くなく、表面粗さ0.01μm程
度の極めて優れた鏡面が得られるのである。このときの
加工面は、物性的、結晶学的な観点から、従来最も優れ
た加工面が得られるとされている化学エッチング面に匹
敵するものである。しかも、加工速度を1μm/min以上
にすることができ、特に条件によっては数10μm/minに
もなり、機械加工によって行う場合の加工速度に匹敵
し、あるいはそれよりも速くなることもあり、通常のプ
ラズマエッチングと比べても2桁以上大きい加工速度が
得られるばかりでなく、被加工物の表面物性は化学エッ
チング面に匹敵する特性が得られるのである。
更に、高周波を用いているので、雰囲気気体の圧力が
1気圧以上でもブラズマを発生させることができるとと
もに、それを安定に維持することかでき、更に被加工物
も導体に特定されることなく、絶縁体にまでその加工種
を広げることができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるカッティング装置の簡略説明図、
第2図は整合器の部分断面図、第3図は同じく整合器の
等価回路、第4図は空洞共振器の断面図、第5図(a)
は同じく空洞共振器の簡略図、第5図(b)はその等価
回路、第6図はカッティング装置のガス導入系を示した
ブロック図、第7図〜第11図はカッティング装置の各種
制御回路のブロック図であり、第7図は高周波電源出力
の制御回路のブロック図、第8図はインピーダンスのマ
ッチング制御回路のブロック図、第9図は被加工物の送
り制御回路のブロック図、第10図は各種ガス圧の制御回
路のブロック図、第11図はワイヤー電極の送り制御回路
のブロック図、第12図は本発明によるポリッシング装置
の簡略説明図、第13図〜第16図はポリッシング装置の各
種制御回路のブロック図であり、第13図はガス導入系を
示したブロック図、第14図は各種ガス圧の制御回路のブ
ロック図、第15図はステージの制御回路のブロック図、
第16図はワイヤー電極の走査制御回路のブロック図、第
17図(a),(b),(c)は加工に用いるワイヤー電
極の耐久試験後の表面状態を示し、(a)は直径50μm
の銅ワイヤーの表面に真空蒸着によってアルミニウムを
4μmの膜厚でコーティングしたものの側面図、(b)
は直径50μmの銅ワイヤーの表面にイオンプレーティン
グによってアルミニウムを1μmの膜厚でコーティング
したものの側面図、(c)はコーティングを行っていな
い直径50μmの銅ワイヤーの側面図、第18図はカッティ
ング装置による加工溝の形状をタリサーフで測定した結
果のグラフ、第19図は同じく加工溝底部の表面粗さをタ
リステップで測定した結果のグラフ、第20図は同じく加
工溝底部の表面状態をノマルスキー型微分干渉顕微鏡で
撮影した結果を示した部分平面図、第21図は加工ギャッ
プと圧力に対する加工溝の幅の変化を示したグラフ、第
22図は加工ギャップと圧力に対する加工速度の変化を示
したグラフ、第23図はポリッシング装置により加工した
加工面の表面粗さをタリステップで測定した結果のグラ
フ、第24図は同じくその表面状態をノマルスキー型微分
干渉顕微鏡で撮影した結果を示した部分平面図、第25図
は各種方法で作成した加工面と本発明の加工面を表面準
位密度で比較したグラフである。 A:カッティング装置、B:ポリッシング装置、1:被加工
物、2:加工用電極、2a:ワイヤー、10:高周波電源、11:
発振器、12:高周波増幅器、13:同軸線、20:整合器、21:
主伝送線、22:スタブ、30:空洞共振器、40:反応容器、4
1:反応室、42:容器本体、43:上蓋、44:下蓋、45:絶縁
体、46:ワイヤー送り装置、50:送り装置、52:ステー
ジ、60:ガス供給ユニット、61:反応ガスボンベ、62:不
活性ガスボンベ、70:センサ、80:制御装置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−125829(JP,A) 特開 昭64−23536(JP,A) 特開 平1−297141(JP,A) 特開 昭62−44576(JP,A) 特開 昭61−216325(JP,A) 特開 昭59−223005(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波電圧を加工用電極へ供給する高周波
    電源と、前記高周波電源と負荷とのインピーダンスを整
    合させる整合器と、前記高周波電源より供給される高周
    波電圧を昇圧する空洞共振器と、前記空洞共振器を接続
    し、内部の反応室に加工種に応じた所望形状の電極及び
    被加工物を配するとともに、互いの相対位置を可変とな
    し、反応ガス及び不活性ガスを含む雰囲気気体を内部に
    供給し且つ所定圧力に維持するためのガス供給系を付設
    した反応容器とからなり、加工用電極の近傍で発生した
    不活性ガスに基づくプラズマによって反応ガスを励起し
    て反応性に富んだ中性ラジカルを生成し、該中性ラジカ
    ルと被加工物を構成する原子又は分子とのラジカル反応
    によって生じた揮発性物質を気化させて除去し、被加工
    物を加工してなるラジカル反応による無歪精密加工装置
    であって、前記空洞共振器として共振周波数チューナを
    内蔵した偏平な半同軸型空洞共振器を用いて昇圧された
    高周波電圧を前記加工用電極に印加し、反応容器内の雰
    囲気気体の圧力を1気圧以上の高圧力に設定するととも
    に、前記高周波電源の周波数と、加工用電極に印加され
    る電圧と、加工用電極と被加工物間の加工ギャップと
    を、少なくとも不活性ガスに基づくイオンが該加工ギャ
    ップ内に捕捉されるように設定してなることを特徴とす
    るラジカル反応による無歪精密加工装置。
  2. 【請求項2】前記空洞共振器として共振周波数チューナ
    を内蔵した偏平な半同軸型空洞共振器を用い、該空洞共
    振器の内部に同軸状に突設した内側円筒壁の内端を閉塞
    する中心円板壁と対向する空洞共振器の円板壁との間に
    平行ギャップを形成し、該ギャップで昇圧された高周波
    電圧を前記加工用電極に印加してなる請求項1記載のラ
    ジカル反応による無歪精密加工装置。
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