JP3870984B2 - フロントフォーク - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動二輪車に架装されるフロントフォークの改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
周知のように、自動二輪車に架装されるフロントフォークは、自動二輪車における急ブレーキ時などに車体の前輪側を必要以上に沈み込ませない、すなわち、必要以上にノーズダイブさせないように設定されるが、その一方で、前輪がジャンプ後に着地するなどの際には、所定の最圧縮阻止機能を発揮させながらフロントフォークの圧縮動作を許容するように設定されている。
【0003】
そして、この最圧縮阻止機能を発揮するフロントフォークとしては、従来から種々の提案があるが、その中で、油孔桿を利用してこの油孔桿廻りでオイルロック状態を招来させるものとしては、たとえば、図4に示すような構造のフロントフォークがある。
【0004】
すなわち、この従来例としてのフロントフォークは、車輪側チューブ1の上端側内に下端側が出没可能に挿通される車輪側チューブ1の軸芯部に立設のパイプ体3の下端部の外周側に油孔桿4を配在させる一方で、車体側チューブ2の下端内周に油孔桿4に対向しかつ内周が油孔桿4の外周に嵌合するオイルロックピース5を配在させてなる。
【0005】
そして、油孔桿4の外周は、下端側になる程に外径が大きくなるように設定されていて、車輪側チューブ1内への車体側チューブ2の大きいストロークでの没入の際、すなわち、オイルロックピース5の油孔桿4の外周での下降の際に、その下降量に応じて、オイルロックピース5の内周と油孔桿4の外周との間に出現される隙間が徐々に狭くなるように設定されている。
【0006】
それゆえ、このフロントフォークにあっては、その最圧縮動作によって、図4中に仮想線図で示すように、車体側チューブ2が最下降状態になるときには、オイルロックピース5を有する車体側チューブ2の下端面とこれに対向する車輪側チューブ1のボトム部1aの上面との間にオイルロック室Rが形成されると共にこのオイルロック室Rに作動油が閉じ込められるようになり、このとき、オイルロック状態が発現されることになる。
【0007】
しかしながら、その一方で、この従来例とされるフロントフォークには、以下のような不都合があることが指摘されている。
【0008】
すなわち、ジャンプ後の前輪の着地の際に、いわゆる高いオイルロック状態を発現し得るように設定すると、このオイルロック状態になる前における自動二輪車の乗り心地が悪化され易くなる。
【0009】
そこで、オイルロック状態になる前における乗り心地を良くするために、余り高くないオイルロック状態を発現し得るように設定すると、フロントフォークの高速状態での最圧縮時に車体側チューブ2の下端が対向する車輪側チューブ1のボトム部1aの上端に衝突することになり、その結果、この衝突による衝撃音が発生されたり、高速下の衝突によって車体側チューブ2が曲がったりなどすることになる。
【0010】
そして、さらには、所定のオイルロック状態、すなわち、最圧縮阻止機能を発揮させながら、所望の乗り心地を得られるように設定するとなると、たとえば、油孔桿4自体を長く形成すると共に、この油孔桿4の外周とこれを嵌合させる上方のオイルロックピース5の内周との間における精度管理を精緻にしなければならなくなる。
【0011】
その結果、油孔桿4自体を長く形成することで、オイルロック状態に関与しない通常の伸縮ストロークの領域を減殺する一方で、フロントフォークにおけるばね下側たる車輪側の重量を大きくし、かつ、精度管理を精緻にすることに伴い、コストの低廉化を困難にすることになり、フロントフォークの汎用性の向上を期待できなくすることになる。
【0012】
この発明は、上記したような事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、所定の最圧縮阻止機能の発揮および所望の乗り心地の確保を可能にしながらいたずらなコストの上昇化を招来せずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、 車輪側チューブと、車輪側チューブ内に出没可能に挿通される車体側チューブと、車輪側チューブのボトム部から起立して車体側チューブ内に出没可能に挿通するパイプ体と、このパイプ体の下端部の外周側に配在された油孔桿と、パイプ体と油孔桿との間に形成されて上方に開放された通路と、パイプ体に形成されて上記通路をパイプ体内に連通する開口と、車体側チューブの下端内周に配在されて当該車体側チューブの最圧縮近傍で上記油孔桿の外周に嵌合するオイルロックピースとを有してなるフロントフォークにおいて、油孔桿の下端部に上記通路を当該油孔桿の外周側油室に連通させる切欠き通路を形成し、更に油孔桿の下端部外周に車体側チューブの下端面に対向する環状のゴム製クッション部材を昇降自在に配在させ、圧縮作動時にこのクッション部材を車輪側チューブのボトム部に着座させて上記切欠き通路を遮断し、且つ伸長作動時にクッション部材をボトム部から離座させながら上記切欠き通路を開いて上記通路から油孔桿の外周側油室への油の吸い込みを許容させることを特徴とするものである。
【0014】
そして、より具体的には、油孔桿の下端部の外周に周方向に周回する凹溝が形成されてなると共に、この凹溝内にクッション部材の内周側端が臨在されてなるとし、また、油孔桿の下端にこの下端を介しての内外周側の連通を許容する切欠通路が形成されてなるとする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明のフロントフォークの基本は従来と同じく、 車輪側チューブ1と、車輪側チューブ1内に出没可能に挿通される車体側チューブ2と、車輪側チューブ1のボトム部1 a から起立して車体側チューブ2内に出没可能に挿通するパイプ体3と、このパイプ体3の下端部の外周側に配在された油孔桿4と、パイプ体3と油孔桿4との間に形成されて上方に開放された通路 a と、パイプ体3に形成されて上記通路 a をパイプ体3内に連通する開口3 a と、車体側チューブ2の下端内周に配在されて当該車体側チューブ2の最圧縮近傍で上記油孔桿4の外周に嵌合するオイルロックピース5とを有してなるものである。
そして、本発明では、更に、油孔桿4の下端部に上記通路 a を当該油孔桿4の外周側油室に連通させる切欠き通路4b、4dを形成し、更に油孔桿4の下端部外周に車体側チューブ2の下端面に対向する環状のゴム製クッション部材6を昇降自在に配在させ、圧縮作動時にこのクッション部材6を車輪側チューブ1のボトム部1 a に着座させて上記切欠き通路4dを遮断し、且つ伸長作動時にクッション部材6をボトム部1 a から離座させながら上記切欠き通路4dを開いて上記通路 a から油孔桿4の外周側油室への油の吸い込みを許容させるようになっている。
【0016】
なお、図示しないが、車輪側チューブ1は、下端が自動二輪車の前輪車軸に連繋され、車体側チューブ2は、上端側がアッパーブラケットの配在下に自動二輪車のハンドルに連繋される。
【0017】
以下に説明すると、まず、パイプ体3は、この実施の形態にあっては、ダンパを構成するシリンダ体とされていて、図示しないが、上端側内にロッド体の下端側を出没可能に挿通させている。
【0018】
また、同じく図示しないが、ロッド体の下端にはシリンダ体内に摺動可能に収容されてシリンダ体内に上方油室と下方油室とを区画するピストンが連設されていて、このピストンに配在の減衰バルブを介して上方油室と下方油室とが連通されるとき所定の減衰作用が発現されるように設定されている。
【0019】
さらに、同じく図示しないが、このシリンダ体とされるパイプ体3の上端と車体側チューブ2の上端内部との間には懸架ばねが配在されていて、ダンパを伸長方向に附勢すると共に車輪側チューブ1内から車体側チューブ2を突出させる方向に、すなわち、このフロントフォークを伸長方向に附勢している。
【0020】
ちなみに、パイプ体3は、上記したところに代えて、図示しないが、いわゆる中空ロッドと称されるパイプとされていて、このパイプの上端部たるヘッド部が軸受部材の配在下に車体側チューブ2の内周に液密状態に摺接されているものであっても良い。
【0021】
ところで、パイプ体3は、この実施の形態にあって、ダンパを構成するシリンダ体とされることから、詳しくは図示しないが、その下端内部にベースバルブ部を有しており、このベースバルブ部を構成するバルブブロック7がパイプ体3の下端内周に螺着されると共に固着ボルト8の締め付けによって車輪側チューブ1のボトム部1aに固着されることで、車輪側チューブ1の軸芯部に起立状態に配在されるとしている。
【0022】
なお、パイプ体3内のベースバルブ部の上方は、同じく図示しない前記した下方油室とされており、この下方油室がベースバルブ部およびパイプ体3の下端部に開穿の開口3aを介して後述する油孔桿4の内周側に連通している。
【0023】
つぎに、油孔桿4は、後述するオイルロックピース5との間でオイルロック状態を招来させるもので、外周が下端側になる程に外径が大きくなるように設定されていて、オイルロックピース5が嵌合しながら下降するのにしたがって、オイルロックピース5の内周と油孔桿4の外周との間に出現される隙間が徐々に狭くなるように設定されている。
【0024】
そして、この油孔桿4は、固着ボルト8のバルブブロック7への締め付けの際に、下端側の内周に形成された鍔部4aがバルブブロック7と車輪側チューブ1のボトム部1aとの間に挟持されることで、所定の固定状態に配在されるとしている。
【0025】
また、この油孔桿4は、上端側の内周がパイプ体3の下端部の外周に対して適宜の間隔を設けるように位置決められていて、その間を作動油の通路aに設定している。
【0026】
この通路a、すなわち、油孔桿4の内周側は、前記したように、パイプ体3に開穿の開口3aを介して内部のベースバルブ部の下方に連通する一方で、上記の鍔部4aに形成の切欠通路4bを介してこの鍔部4aの下面側、すなわち、この油孔桿4の下端の内周側に連通するとしている。
【0027】
さらに、この油孔桿4は、下端が環状に形成された脚部4cとされていて、この脚部4cに形成の切欠通路4dを介してこの油孔桿4の下端での内外周側の連通を許容している。
【0028】
一方、この油孔桿4は、パイプ体3の外周側に配在されるにあって、車輪側チューブ1のボトム部a上に載置された状態に配在されるが、このときに、下端の外周とこれが対向する部材との間に、すなわち、図示するところでは、車輪側チューブ1のボトム部aとの間に適宜の間隔の通路bが形成されるように設定されている。
【0029】
そして、この通路bは、上端が油孔桿4の上端側の外周側に連通する一方で、下端が上記の脚部4cに形成の切欠通路4dおよび鍔部4aに形成の切欠通路4bを介して上記の通路aに連通されるとしている。
【0030】
すなわち、この油孔桿4にあっては、後述するクッション部材6の配在を無視すれば、内周側と外周側とが、上端ではもちろんのことだが、下端で連通状態にあるように設定されているもので、それゆえ、図示しないが、上記の鍔部4aおよび脚部4cが一体に形成されていて、そこに切欠通路4b,4dが形成されてなるとしても良いことになる。
【0031】
そして、鍔部4aと脚部4cとが一体に形成される場合には、油孔桿4の下端部における耐久性が向上されて、前記した固着ボルト8のバルブブロック7への締め付けの際の螺着力を大きくし得る点で有利となる。
【0032】
オイルロックピース5は、油孔桿4の外周に嵌合する環状に形成されており、この実施の形態では、図2に誇張して示すように、車体側チューブ2が車輪側チューブ1内で最下降されたときにも、内周と油孔桿4の外周との間に油が通過し得るわずかな隙間sが出現される内径を有するように設定されている。
【0033】
それゆえ、この実施の形態による場合には、油孔桿4とオイルロックピース5との間における精度管理に高い精緻性が要求されなくて済み、したがって、この油孔桿4とオイルロックピース5とからなる油孔桿構造の形成にあってコストの上昇化を招来させない点で有利となる。
【0034】
なお、このオイルロックピース5は、図示する実施の形態に代えて、上記の車輪側チューブ1の最下降時に内周が油孔桿4の外周に隙間sを有することなく隣接されるように設定されるとしても良い。
【0035】
ちなみに、このオイルロックピース5は、車体側チューブ2の下端の内周側への折り曲げ加工によって所定位置に定着されており、車体側チューブ2が車軸側チューブ内で最上昇状態になるとき、パイプ体3の上端側の外周に定着されたばね受9に上端が係止される伸び切りばね10の下端に当接されるとしている。
【0036】
クッション部材6は、適宜肉厚の弾性材、たとえば、ゴム材で環状に形成されていて、油孔桿4の下端部外周に昇降可能に配在されてなるとするもので、上面が上方の車体側チューブ2の下端面に対向すると共に下面側が前記した通路bおよび切欠通路4d,4bを介して油孔桿4の内周側たる通路aに連通するように設定されている。
【0037】
すなわち、図示する実施の形態にあって、油孔桿4の下端部の外周に周方向に周回する凹溝4eが形成されてなると共に、この凹溝4e内にクッション部材6の内周側端が臨在されてなるとして、このクッション部材6の油孔桿4の下端部外周での昇降が可能とされている。
【0038】
そして、このクッション部材6は、図2示すように、車体側チューブ2の下端に押されるなどして下降したときに、車輪側チューブ1のボトム部1aに着座して上面側と下面側、すなわち、上記の通路bおよび切欠通路4d,4bを介して油孔桿4の内周側たる通路aとの連通を遮断するように設定されている。
【0039】
また、このクッション部材6は、図3示すように、車体側チューブ2が上昇してこのクッション部材6の上面側が負圧傾向になるときに、車輪側チューブ1のボトム部1aから離座して上面側と下面側、すなわち、上記通路b側との連通を許容するように設定されている。
【0040】
以上のように形成された油孔桿構造を有するこの実施の形態によるフロントフォークにあっては、車輪側チューブ1に対して車体側チューブ2が小さいストロークで出没される通常の伸縮時には、たとえば、パイプ体3を有するダンパ部における減衰作用で所定の伸側および圧側の各減衰力が発生されることになる。
【0041】
一方、車輪側チューブ1に対して車体側チューブ2が大きいストロークで没入される圧縮作動時には、上記の減衰作用によって圧側の減衰力が発生されるのはもちろんであるが、車体側チューブ2の下端内周に配設のオイルロックピース5が下方の油孔桿4の外周に嵌合するようになる。
【0042】
このとき、オイルロックピース5の下方の油圧が徐々に高くなることから、下方のクッション部材6は、車輪側チューブ1のボトム部1aに圧接される状態になり、その上面側の下面側への連通、すなわち、下方の通路bおよび切欠通路4d,4bを介しての油孔桿4の内周側たる通路aへの連通を阻止する。
【0043】
その結果、オイルロックピース5が下降するに伴い、その内周と油孔桿4の外周との間に形成される隙間が小さくなると共に、この隙間を介してオイルロックピース5の上方側に流出しようとする油の流れに抵抗が発生されることになり、したがって、オイルロックピース5の下降、すなわち、車体側チューブ2の下降が抑制されることになる。
【0044】
その結果、上記の圧縮作動が高速下に実現される場合には、油孔桿4の外周側であって、オイルロックピース5と車輪側チューブ1のボトム部1aとの間に形成されるオイルロック室Rからの油が上記の隙間を介してオイルロックピース5の上方側に流出し得なくなり、したがって、このときに、オイルロック状態、すなわち、フロントフォークが最圧縮状態になるのが阻止されることになる。
【0045】
一方、上記の圧縮作動が低速下に実現される場合には、上記のオイルロック室Rからの油が上記の隙間を介してオイルロックピース5の上方側に流出することになり、したがって、上記したオイルロック室Rにおけるオイルロック状態が出現されずして、図3に示すように、車体側チューブ2の下端がクッション部材6の上面に圧接され、フロントフォークが最圧縮状態になるのが許容されることになる。
【0046】
その結果、低速下での最圧縮作動時には、上記したようなオイルロック状態が招来されずして、言わばゴツゴツ感なくして乗り心地が改善されることになり、しかも、このときには、クッション部材6の具有する弾性で、車体側チューブ2の下端の車輪側チューブ1のボトム部1aへの直接の衝突を回避し得ることになり、その結果、衝突音が発生されないのはもちろんのこと、仮に高速下での衝突であっても車体側チューブ2の曲がりなどが招来されないことにもなる。
【0047】
上記した図3に示す最圧縮状態から反転して、伸長作動する場合には、上記したオイルロック室Rが負圧状態になり、したがって、図4に示すように、クッション部材6が油孔桿4の下端側の外周で上昇して車輪側チューブ1のボトム部1aから離座し、その上面側とその下面側、すなわち、下方の通路bおよび切欠通路4d,4bを介しての油孔桿4の内周側たる通路aとの連通を許容することになる。
【0048】
その結果、車体側チューブ2が車輪側チューブ1内を上昇し得ることになり、このフロントフォークが伸長し得ることになる。
【0049】
そして、この実施の形態にあっては、クッション部材6が油孔桿4の下端側の外周に形成の凹溝4e内でのみ上昇可能とされるから、必要以上にクッション部材6が浮き上がることがなく、また、油孔桿4自体を上昇させていわゆる吸い込み通路を形成する従来の場合に比較して、油孔桿4自体が固定されていて、クッション部材6が摺動するとし、しかも、クッション部材6自体がゴム材などの弾性に富む部材で形成されるとするから、油孔桿4が他部たる金属部分に衝突することで発生される金属音の発生を危惧しなくて済む。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、車輪側チューブに対して車体側チューブが大きいストロークで没入される圧縮作動時には、所定の圧側減衰力の発生状態下に、車体側チューブの下端内周に配設のオイルロックピースと下方の油孔桿との間にオイルロック室が形成されることになる。
【0051】
その結果、圧縮速度が速い場合には、オイルロック室からの油がオイルロックピースの内周と油孔桿の外周との間に形成される隙間を介してオイルロックピースの上方側に流出し得なくなり、このときに、オイルロック室にオイルロック状態が出現されて、車体側チューブの車輪側チューブ内へのそれ以上の没入が阻止されて、所望の最圧縮阻止機能が発揮されることになる。
【0052】
一方、圧縮速度が遅い場合には、オイルロック室からの油がオイルロックピースの内周と油孔桿の外周との間に形成される隙間を介してオイルロックピースの上方側に流出されることになり、このときの流路抵抗によって車体側チューブの車輪側チューブ内への没入が阻止される傾向になり、所望の最圧縮阻止が可能になると共に、急激な圧縮阻止が招来されないから、自動二輪車における乗り心地を悪化させないことになる。
【0053】
また、最圧縮状態になって、車体側チューブの下端が車輪側チューブ側に衝突するような状況になるときには、車体側チューブの下端がクッション部材の上面に当接されることになり、金属同志の衝突による衝突音が発生されないのはもちろんのこと、仮に高速下で衝突するよう場合にも車体側チューブの曲がりなどを招来させないことになる。
【0054】
そして、クッション部材は、油孔桿の下端側の外周に形成の凹溝内でのみ上昇可能とされるから、必要以上にクッション部材が浮き上がることがなく、また、油孔桿自体を上昇させて吸い込み通路を形成する従来の場合に比較して、油孔桿自体が固定されていて、クッション部材が摺動するとし、しかも、クッション部材自体がゴム材などの弾性に富む部材で形成されるとするから、油孔桿が他部たる金属部分に衝突することで発生される金属音の発生を危惧しなくて済むことにもなる。
【0055】
そしてさらに、油孔桿を長くしなくて済むのはもちろんのこと、油孔桿に対する部分的な改変加工のみで足りるから、いたずらなコストの上昇化が招来されずして、その実施化が可能になる。
【0056】
その結果、この発明によれば、所定の最圧縮阻止機能の発揮および所望の乗り心地の確保を可能にしながらいたずらなコストの上昇化を招来させないで、フロントフォークの汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるフロントフォークの下半側を一部破断して示す部分正面図である。
【図2】図1のフロントフォークの最圧縮状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図3】図1のフロントフォークの最圧縮状態から伸長作動に反転した状態を図2と同様に示す図である。
【図4】従来例としてフロントフォークを図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 車輪側チユーブ
1a ボトム部
2 車体側チューブ
3 パイプ体
4 油孔桿
4d 切欠溝
4e 凹状溝
5 オイルロックピース
6 クッション部材

Claims (1)

  1. 車輪側チューブと、車輪側チューブ内に出没可能に挿通される車体側チューブと、車輪側チューブのボトム部から起立して車体側チューブ内に出没可能に挿通するパイプ体と、このパイプ体の下端部の外周側に配在された油孔桿と、パイプ体と油孔桿との間に形成されて上方に開放された通路と、パイプ体に形成されて上記通路をパイプ体内に連通する開口と、車体側チューブの下端内周に配在されて当該車体側チューブの最圧縮近傍で上記油孔桿の外周に嵌合するオイルロックピースとを有してなるフロントフォークにおいて、油孔桿の下端部に上記通路を当該油孔桿の外周側油室に連通させる切欠き通路を形成し、更に油孔桿の下端部外周に車体側チューブの下端面に対向する環状のゴム製クッション部材を昇降自在に配在させ、圧縮作動時にこのクッション部材を車輪側チューブのボトム部に着座させて上記切欠き通路を遮断し、且つ伸長作動時にクッション部材をボトム部から離座させながら上記切欠き通路を開いて上記通路から油孔桿の外周側油室への油の吸い込みを許容させることを特徴とするフロントフォーク
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