JP3868537B2 - 個人識別媒体発行システム及びデータチェック方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は身分証明手段となり得る運転免許証、パスポート、社員証等のいわゆるIDカードに代表される個人識別媒体を発行する発行システムに関する。特に、発行に必要なデータの不足、品質を事前にチェックできる発行システム、およびそのチェック方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、運転免許証、パスポート、社員証、会員証、学生証等の身分証明となるいわゆるIDカード、或いは、クレジットカード、バンクカード等の、個人識別媒体が普及している。そして、これら個人識別媒体の製造(発行)は、媒体に印刷する等して記録する、文字や画像等の全てのソースデータを予め発行システムに登録してから、発行時に必要なデータを検索、抽出して個々の個人識別媒体に必要な情報を取り出した後、該媒体に印刷する等して行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、個人識別媒体を発行する時点で、初めて印刷等に必要とする文字データや画像データ等のソースデータを検索し、その時点でデータに不足などがあれば、エラーを発生させていたり、或いは不足したデータは印刷などせずにその所は空白として発行し、次の発行処理で再発行したりしていた。また、システムに入力したソースデータなどの発行に必要なデータの信頼性(例えば画像ならば所定のサイズのデータになっていない等)や整合性(例えばレイアウト仕様が指定するデータとその配置を指定するデータとが一致しない等)がない場合には、個人識別媒体を発行してから初めてデータ内容のミスや不整合が判明することになり、発行の処理効率、発行歩留りが悪くなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決する為に、本発明は個人識別媒体発行システムでは、個人識別媒体の実際の発行前に、発行すべき個人識別媒体等の出力媒体の種類、対象とする個人の指定等の発行内容を指示する発行指示情報で規定される媒体出力仕様に基づいて、該発行指示情報で指定される発行に必要なデータの不足、データの品質をチェックするデータチェック手段を少なくとも備えた構成の個人識別媒体発行システムとして、データの不足や品質不良をチェックするデータチェック方法とした。
このような個人識別媒体発行システムは、上記データチェック手段とともに、テキスト等のソースデータとなる情報を入稿するときの入稿仕様を登録する入稿仕様登録手段と、個人識別媒体等の出力媒体に印刷するテキストを入力するテキスト入力手段と、個人識別媒体上でのテキスト等の印刷レイアウト仕様等の媒体出力仕様を登録する媒体出力仕様登録手段と、発行する個人識別媒体等の出力媒体の種類、対象とする個人等の発行内容を指示する発行指示情報を作成する発行指示手段と、個人識別媒体等の出力媒体に印刷等により記録する情報を、発行指示情報が規定する媒体出力仕様に基づいてソースデータから抽出して中間データを生成する抽出手段と、中間データに基づいて個人識別媒体に印刷等の出力をする個人識別媒体出力手段と、入稿仕様、印刷レイアウト仕様等の媒体出力仕様、入力されたソースデータ等のデータをデータベースとして管理するデータベース管理手段と、を少なくとも備えた構成として、個人識別媒体等出力媒体の発行の先立ち、用いるデータの不足や品質をチェックできる様にした。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1は、本発明の個人識別媒体発行システムのシステム構成の一形態を示す図である。
同図の発行システムでは、入稿仕様登録手段1、テキスト入力手段2、媒体出力仕様登録手段として個人識別媒体(カード)印刷レイアウト登録手段31及び帳票印刷レイアウト登録手段32、発行指示手段4、データチェック手段5、抽出手段6、個人識別媒体(カード)出力手段7、データベース管理手段8を備えており、これらはLAN(ローカルエリアネットワーク)9により接続された構成となっている。そして、さらに、写真台紙等の画像入力帳票を出力する帳票出力手段10、画像入力手段11も備えた構成である。
【0006】
入稿仕様登録手段1ではテキストや画像を入稿するときの入稿仕様を登録する。入稿仕様はテキストや画像等が得意先から入稿される時の媒体の種類や、ファイルとして入稿されるファイルレイアウト情報等を、また画像等ではそのサイズ等が登録される。
テキスト入力手段2では、個人識別媒体等や画像入力帳票の出力媒体に印刷等により記録する各人毎に固有の(可変情報)あるいは或る集合で共通(固定情報)のテキストを入力する。テキストは、磁気メディア等の媒体に格納されたファイルから、先の入稿仕様を参照しながら入力される。
媒体出力仕様登録手段である個人識別媒体印刷レイアウト登録手段31では、発行する個人識別媒体上での画像やテキストについて、印刷すべき画像、テキスト、及びそれらの位置、サイズ等を媒体印刷レイアウト仕様として登録する。
同じく媒体出力仕様登録手段である帳票印刷レイアウト登録手段32では、出力媒体として画像入力帳票に印刷する個人識別バーコード、個人氏名などの画像入力帳票上での印刷のレイアウトを帳票印刷レイアウト仕様として登録する。
【0007】
発行指示手段4では、発行する個人識別媒体或いは画像入力帳票等の種類や、媒体種類、対象個人等の内容を指示する発行指示情報を作成する。この発行指示情報に基づいて、発行に必要なデータがデータベース管理手段のデータベースから取り出されて、個人識別媒体や画像入力帳票等の出力媒体の発行に利用される。なお、発行指示手段は、既に他の装置で作成された発行指示情報を磁気メディア、ネットワーク等を通して入力し、データベース管理手段に登録することもこともできる。
【0008】
また、発行指示情報では指定された媒体集合に対して、作成する順番(例えば、個人氏名のアイウエオ順、社員番号の昇順、降順等の個人情報、或いは入力日等の生産管理情報等の属性値による)も指示することもできる。順番は発行序列指示データで規定する(図2参照)。例えば、発行指示情報は発行する個人識別コード分のレコードを有するテーブルからなり、レコードの各フィールドとして、図2の如く、製造ロット番号、得意先コード、媒体集合識別コード、媒体加工コード、帳票加工コード、個人識別コード、そして発行序列指示データを有する。ここで、発行序列指示データ(或いはそのフィールド自身)が無ければ、発行順は例えば単にレコード順となる。しかし、発行序列指示データとして、例えば最初のレコード1には2が、次のレコード2には1が、その次のレコード3には3が格納され、該データの昇順発行とすれば、レコード2、レコード1、レコード3の順番で発行される。この場合、発行序列指示データは主キー(「#」印。意味は後述。)となる。
また、発行する対象の出力媒体の集合を、既に登録済みの個人情報であるテキストデータや画像データ、或いは入力日時等が記録された生産管理情報等から、例えば、特定の部署、或いは、住所が「東京都」で且つ入力日が「1996年1月11日」の個人分等と、データベース管理手段に格納されているデータを特定の属性値で検索し、その検索で得られた集合とすることもできる。この場合は、該集合を規定するキーや検索式を発行序列指示データとして、発行指示情報が持つこととなる。この場合、発行序列指示データは単なるデータ(「>」印)となる。
この結果、発行する順番が、テキストデータファイルに格納された個人データの序列の順番であったり、画像データを入力した順番であったりして、発行システムにデータを入力する際に個人識別媒体を発行する順番が決まってしまうことがないから、望みの序列で発行する為に、発行する序列を考慮してソースデータを入力して、発行システムへのデータ入力前に、ソースデータを手作業或いは事前に他のシステムで並べ替えるとった非効率な作業は必要ない。
【0009】
データチェック手段5は、本発行システムの特徴的な手段であり、個人識別媒体の実際の発行前に、発行すべき個人識別媒体等の出力媒体の種類、対象とする個人の指定等の発行内容を指示する発行指示情報が規定する媒体出力仕様に基づいて、該発行指示情報で指定される発行に必要なデータの不足、データの品質(ミス)を、データベース管理手段に働きかけてデータベースに入力済みのデータをチェックする。そのデータは、後述する如く、個人情報に関するデータ、或いは媒体出力仕様で個人属性に関連したデータ等もある。
【0010】
そして、抽出手段6では、発行指示情報で指定された媒体出力仕様等の内容に基づいて、指定された対象分について、データベース管理手段に格納されたソースデータから必要なデータを抽出して、出力媒体及び出力手段に応じたフォーマット(例えば出力プリンタに対応したページ記述言語)で、発行順に整列された中間データを作成し、それを個人識別媒体出力手段や帳票出力手段等の出力手段に渡す。
【0011】
個人識別媒体出力手段7では、抽出手段から渡された中間データを、カード等の個人識別媒体に印刷等により所望の情報を記録する。個人識別媒体出力手段は、カラー昇華熱転写プリンタ等の画像印刷できるプリンタで印刷し、また磁気ストライプ付き等であれば適宜、カードリーダライタ等により情報を記録する等して個人識別媒体を作製(出力)する。
【0012】
また、帳票出力手段10では、出力媒体として、写真台紙等の画像入力帳票を出力する。帳票出力手段では、該出力手段用のフォーマットで抽出手段によって作成さた中間データを入力データとして用いる。画像入力帳票には、機械読取可能な個人識別コードとして個人識別バーコードがプリンタ等により印刷する。なお、画像入力帳票には、個人識別コード、さらには画像種類、媒体種類等の識別コードをバーコードやOCR文字等の機械読取可能な識別手段で印刷しておくと、これらの識別コードも機械読取りしながら画像入力ができる。
【0013】
画像入力手段11では、画像入力帳票に添付された画像を読み取る。画像はCCDカメラ等を用いて読取り入力する。また、個人識別バーコード等の機械読取可能な識別手段は、バーコードリーダ、あるいは画像と同じCCDカメラ等で読み取る。読み取って得た画像データはデータベース管理手段に渡され、そこで格納管理される。
【0014】
そして、データベース管理手段8では、上記各手段で入力されたテキストデータ、画像データ等のソースデータ、及び、帳票及び媒体印刷レイアウト仕様、入稿仕様、発行指示情報等の媒体発行に必要な各種データをデータベースとして一元的に管理し、データの新規登録、挿入、更新、修正、削除、分解、結合、検索、抽出等のデータベースとしての基本的機能を受け持つ。
【0015】
なお、この様な発行システムにおいて、入稿仕様登録手段1、テキスト入力手段2、個人識別媒体印刷レイアウト登録手段31や帳票印刷レイアウト登録手段32などの媒体出力仕様登録手段、発行指示手段4、データチェック手段5、抽出手段6、データベース管理手段8、の各手段は、共通の或いは各々で別々の、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ本体とディスプレイ及びキーボード等から構成される。
【0016】
なお、データベース管理手段8では、発行処理に必要なソースデータ等の各種データをデータベースとして例えば図2に示す様なキーで相互に関連付けされた各種のファイル(テーブル)で管理する。また、図2に示すそれらファイル及びファイル内容は、説明を分かり易くする為に概念的表現としてあり、また単純化してある。同図の表記は、〔 〕は各々のファイル、ファイル下の「#」は主キー、「$」は主キーとなる外部キー、「》」はデータとなる外部キー、「>」はデータを表す。
【0017】
〔媒体集合情報〕のファイルは、得意先コードと媒体集合識別コードを主キーとして、これら二つの主キーで、個人識別媒体の或る特定の集合を同定する。データとしては、得意先コードに対応した得意先名、媒体集合識別コードに対応した媒体集合名等を有している。
媒体集合とは、或る属性で出力媒体を分類して得られる共通の属性値を有する集まりで、例えば個人識別媒体自身の種類分けによる集合である。その種類とは、例えば、個人識別媒体の発行を請け負う者にとってみれば、得意先のみ、或いは得意先と該得意先の中でも下位のレベルで細分化された分類による種類である。具体的には例えば、同じ会社の社員証でも役員用、正社員用、パート用等と異なる社員証、同じ会社のクレジットカードでも通常のカードとゴールドカード等と異なるカード等である。これら各種類毎に、カード上での写真の位置や大きさ、文字の位置や大きさ、書体等を規定する出力仕様である媒体印刷レイアウト仕様は異なる。この細分化レベルは任意である。また、媒体集合とは少なくとも個人識別媒体自身の種類による集合だが、他の要素も加えて種類分けされた集合も意味する。例えば、入稿仕様の相違でも種類分けされた集合である。
【0018】
〔入稿仕様〕のファィルでは、得意先コードと媒体集合識別コードの二つの外部キーと、入稿仕様コードを主キーとして有し、これら三つの主キーで入稿仕様を同定する。この入稿仕様ファイルでは、前記二つの外部キーで同定される媒体集合に対して、入稿仕様コードにより或る入稿仕様を同定する。入稿仕様のデータとしては、磁気メディア等で供給されるテキストファイルのテキスト格納様式、テキスト項目数、各項目のテキスト長等を有する。また、画像に関しては、画像種類、画像サイズ等を有する。
【0019】
〔媒体印刷レイアウト仕様〕のファイルでは、個人識別媒体に関する媒体印刷レイアウト仕様を規定するファイルで、その対象を特定する為に、得意先コードと媒体集合識別コードの二つの外部キーを主キーとして有し、この対象における媒体印刷レイアウト仕様を同定する為に、媒体加工コードを主キーとして有する。媒体印刷レイアウト仕様のデータとしては、個人氏名等のテキスト印刷位置及びテキストのサイズ、また画像について画像印刷位置及びサイズ等を有する。
さらに、媒体印刷レイアウト仕様は、後述する様に男女別でレイアウトを変える等の個々の細かい対応について、フラグ値でそれらを選択できる、可変テキスト及びその印刷位置、可変画像及びその印刷位置等の情報を有している。
〔帳票印刷レイアウト仕様〕のファイルは、画像入力帳票に関する帳票印刷レイアウト仕様を規定するファイルで、その対象を特定する為に、得意先コードと媒体集合識別コードの二つの外部キーを主キーとして有し、この対象における帳票印刷レイアウト仕様を同定する為に、帳票加工コードを主キーとして有する。帳票印刷レイアウト仕様のデータとしては、個人識別コード印刷位置、画像種類識別コード印刷位置、個人識別媒体の媒体集合識別コード印刷位置、及びこれらのバーコード印刷位置、個人氏名等のテキスト印刷位置等を有する。
【0020】
〔発行指示情報〕のファイルは、画像入力帳票や、個人識別媒体の発行を指示する情報である。発行指示情報ファイルには、製造ロット番号を主キーとして、発行対象及びその発行条件を特定する為のデータとして、得意先コード、媒体集合識別コード、媒体加工コード、帳票加工コードを有し、そして、発行の対象となる各個人を特定する為に、通常は複数の個人識別コードを外部キー且つ主キーとして有し、1レコードが各個人識別コードに対応する。ただ、発行対象とする個人の同定は、個人識別コードの先頭と最終を指定する等の間接的指定等その他の方法でも勿論良い。また、前述した如く発行序列指示データを、検索式等のデータ(「>」)、又は主キー(「#」)として適宜有する。
【0021】
〔テキストデータ〕のファイルでも、入稿仕様ファイル同様に得意先コードと媒体集合識別コードの二つの外部キーを主キーとして有、さらに、個人識別コードを主キーとして有する。そして、データとして、個人識別コードに応じた個人属性として、氏名、年齢、部署、住所等のテキストデータを有する。さらに、該テキストデータの内容に誤りが無いとチェックした事を記録する校了フラグを有する。
〔画像データ〕のファイルでは、得意先コードと媒体集合識別コードの二つの外部キーを主キーとして有し、さらに個人識別コードを主キーとして有する。そして、データとして、個人識別コードに応じた個人属性として顔写真等の画像データを有する。さらに、該画像データの内容に誤りが無いとチェックした事を記録する校了フラグを有する。
なお、個人を同定するキーである個人識別コードは、社員番号等の或る得意先において付与されたコードを用いるならば、個人の同定は得意先コードと該個人識別コードの両コードを主キーとすれば同定できる。或いは、個人識別コードは、社員番号等とは別に、発行システム側で、システムとして有する全個人データの重複の無い様に入力時に独自に付与したコードとすれば、得意先が異なる等の異なる媒体集合間でも、それのみで個人を同定できる主キーとなる。
【0022】
そして、本発明の発行システムでは、このようなファイル(テーブル)をデータベース管理手段を通じて操作して、発行に必要なデータの不足、データの品質等をチェックした上で、媒体の発行を行う。次に、処理の流れについて説明する。
【0023】
先ず、図3は、一連の発行処理の全体の流れの一例を示すフロー図である。先ず最初は、各種仕様の登録から始まる(ステップS1、以下S1等と記す)。仕様しては、媒体集合情報、入稿仕様、並びに、媒体印刷レイアウト仕様及び帳票印刷レイアウト仕様などの媒体出力仕様などである。媒体集合情報、入稿仕様は入稿仕様登録手段で、媒体印刷レイアウト仕様は媒体印刷レイアウト登録手段で、帳票印刷レイアウト仕様は帳票印刷レイアウト登録手段で入力し、データベース管理手段に渡されてそこで格納管理される。媒体集合情報としては得意先名、個人識別媒体の種類等を登録し、入稿仕様としては入稿されるテキストデータのファイルレイアウト等を登録し、帳票印刷レイアウト仕様としては画像入力帳票上に印刷する文字や個人識別バーコード等の位置、大きさ等を登録する。
次に、登録された入稿仕様を基に、入稿したテキストデータをテキスト入力手段によって入力し、テキストデータは上記同様にデータベース管理手段に格納管理される(S2)。次に、画像入力帳票を作製し発行すべく、発行指示手段で指示して最初の発行指示情報を作成する。発行指示情報もデータベース管理手段に格納される(S3)。そして、発行指示情報に基づいて、データ抽出手段はデータべース管理手段に対して、得意先コード及び媒体集合識別コードの両コードで指定された媒体集合の指定された個人について、個人情報として氏名等のテキストデータ、個人識別バーコードの為の個人識別コードなどをデータベース管理手段に格納された中から抽出させ、抽出結果を受けて、帳票印刷レイアウト情報に基づいて、帳票出力手段に合わせたフォーマットの中間データとした上で帳票出力手段に渡して、用紙に所望の印刷が施されて、画像入力帳票が作製、出力される(S4)。
【0024】
作製された画像入力帳票は得意先に渡されて、得意先で、該帳票に印刷された個人氏名等の個人属性情報に基づいて、該当する個人に対応した顔写真等の画像やサンイ等を添付した後、返送されて、画像が得意先から入稿する。そして、画像入力帳票に添付された画像を入力する(S5)。画像の入力は、個人識別バーコードが機械読取りされると共に、添付された画像が読取りされ、データベース管理手段に画像データとして格納される。以上で、一応は発行に必要なソースデータ等は揃ったことになる。
【0025】
そして、発行指示手段で指示して、個人識別媒体の発行に関して、該媒体を発行すべき個人氏名等を特定して二回目の発行指示情報を作成する(S6)。発行指示情報はデータベース管理手段に一旦格納される。
次に、個人識別媒体の発行に先立って、データチェック手段で、発行指示情報によって指定された対象の媒体集合の指定された各個人に対する個人識別媒体の発行に必要なデータについて、データ不足やデータ品質上の問題がないか、データベース管理手段を通じてデータべースに格納された関連するデータをデータチェックする(S7)。発行指示情報が有する、得意先コード及び媒体集合識別コードの両コードにより媒体対象が指定され、(得意先コード及び媒体集合識別コード及び)媒体加工コードで指定された媒体印刷レイアウト仕様に対して、発行指示情報が有する(得意先コード及び媒体集合識別コード及び)個人識別コードで指定される個人分についての、テキストデータ及び画像データ等の個人データが対応して存在するか、存在する場合は校了フラグによりそのデータ品質がチェック済みであるか否かなどが、チェックされる。
【0026】
そして、データチェックが終了すると、次は、抽出手段によって、発行指示情報で指定された媒体対象に対して、指定された各個人に対する個人識別媒体の発行に必要なデータを、媒体印刷レイアウト仕様を参照しながらデータベース管理手段に格納された、氏名や個人識別コード等のテキストデータ、画像データ等のソースデータの中から抽出し、媒体出力に応じたフォーマットの中間データとする(S8)。なお、抽出手段は発行指示情報に発行序列指示データがあれば、該発行序列でデータベース管理手段に検索、抽出させ、複数個人分のデータを指定された序列に整列した中間データの作成をさせる。この中間データは出力手段に渡される。
【0027】
そして、個人識別媒体出力手段は中間データを抽出手段から受け取り、媒体基材に所望の印刷が施されて個人識別媒体が作製、出力され、かくして個人識別媒体の発行が行われる(S9)。
【0028】
ところで、個人識別媒体の発行で単純なケースは、発行対象の個人識別媒体が、各個人で異ならず全て同一のデザインで、媒体印刷レイアウト仕様のみで全てが決まるケースである。しかし、中にはデザインが個人で異なるケースもある。例えば、会員カード等で男女の区別により印刷するイラスト画像を使い分け、しかもその印刷位置を変える等である。この様なケースは、子供大人の区別、所属部署の区別、或いは同じ得意先会社だがその子会社の区別等がある。文字や画像は異なるが印刷位置が同じケースならば、可変となる文字や画像データを個人データとして扱い、媒体印刷レイアウト仕様はそのまま用いることもできる。しかし、印刷位置も異なる可変のケースでは、固定的な媒体印刷レイアウト仕様では対応しずらい。そこで、このような対象とする媒体の中で可変となるが半固定的なデータの取扱い方としては、それをレイアウト仕様のデータとして、フラグの値により選択指示することができる。そして、本発明によるデータチェックでは、このような半固定的データのチェックもできる。
なお、個人氏名等のデータは各個人識別媒体毎に明らかに異なるので、ここでは、あえて「可変データ」とは言わずに、上記の可変するが半固定的な半固定データを「可変データ」とする。固定データとは、対象となる媒体で完全に固定的なデータとする。
【0029】
各個人で完全に異なるデータ、及び、或る個人集合で共通だが対象とする個人識別媒体内では可変である可変データに対して、データチェック手段が行うデータチェックの処理の一例の詳細を、図4のフロー図、及び図2を参照しながら更に説明する。データチェックは、媒体印刷レイアウト仕様が有する可変データのチェック後、各個人の毎に異なるデータをチェックする。
【0030】
先ず最初のステップは、指定された製造ロット番号に対する発行指示情報を、データベース管理手段から読み込む(S11)。次いで、データチェック候補を選択する(S12)。選択される候補は、発行指示情報が有する得意先コード及び媒体集合識別コードの両キーにより同定される媒体の集合である。さらに具体的には、その集合の中で個人識別コードや発行序列指示データで指定される。また、用いられる媒体印刷レイアウト仕様の候補は、上記両コードと帳票加工コードとで同定される。
【0031】
この媒体印刷レイアウト使用が有する情報に、前記可変データが必要な分だけ有るか否かをチェックする。例えば、フラグの値によりA、B、Cの三通りの可変データが用いられるケースのとき、これらA、B、Cの三通りのデータ(印刷されるデータと印刷位置等のデータ)の有無である。このフラグは、テキストデータ及び画像データ以外の第3の個人データとして、〔レイアウト指示情報〕ファイルが有している(図2参照)。テキスト用は可変文字レイアウト指示フラグ、画像用は可変画像レイアウト指示フラグである。ただ、媒体印刷レイアウト仕様側にA、B、Cの三通りの可変データがあっても、そのとき選択された媒体候補が用いるのはBとCの二種類ならば、Aのレイアウト情報には欠損があっても良しとすべきである。従って、媒体印刷レイアウト仕様が有する可変データに対するチェックは、選択候補の各々の個人情報である可変文字及び可変画像のレイアウアト指示フラグがどの値を有するか、そのフラグ値の確認が必要となる。
【0032】
そこで、選択候補に含まれる全ての各個人識別コードで、一旦、レイアウト指示情報を検索し、各フラグ毎に指定された値をまとめる(S13)。その結果、もしも、値が皆無ならばレイアウト指示フラグは使われず、可変データの取扱はない単純ケースである(この単純ケースの場合、すなわち固定レイアウトの場合は、ステップS14をスキップしてステップS16の処理に移る)。そして、まとめた値の各々について、先に同定された媒体印刷レイアウト仕様が、フラグ値に対応する可変テキストや可変画像のデータを有しているかをチェックする(S14)。データに一部でも不足があれば、レイアウト情報不足とする(S15)。以上で、媒体印刷レイアウト仕様が有する可変的データである可変データのチェックは終了する。
【0033】
次は、各々の個人情報について、テキストデータや画像データの不足や品質を、各個人毎に検索しながらチェックする。先ず、発行指示情報で指示された(複数の)個人識別コードの中から、チェックすべき個人識別コードを選び、この個人識別コードに該当する個人情報としてテキストデータと画像データを読み込む(S16)。次に、媒体印刷レイアウト仕様がテキスト項目を指定しているか確認する(S17)。指定がなければ、画像データをチェックすべく画像項目の指定の確認(S23)に移る。ステップS17で指定があれば、該当するテキスト項目が個人情報であるテキストデータ中にあるか検索し(S18)、データの存在をチェックする(S19)。データが存在しなければ、文字データ不足とする(S20)。また、データが存在すれば、そのデータが校了済みであるか、校了ステータスを確認し(S21)、未校了であれば文字データ品質不良(S22)とする。校了済みであればテキストデータの品質は良好であり、次は以下の如くテキスト同様に画像データをチェックする。
【0034】
画像データでは、先ず、媒体印刷レイアウト仕様が画像項目を指定しているか確認する(S23)。指定がなければ、テキスト及び画像のデータチェックは終了し、その個人に関係するデータは、データチェック処理後に行う抽出処理が可能とする(S29)。ステップS23で画像項目の指定があれば、該当する画像項目が画像データ中にあるか検索し(S24)、データの存在をチェックする(S25)。データが存在しなければ画像データ不足とする(S26)。また、データが存在すれば、そのデータが校了済みであるか、校了ステータスを確認し(S27)、未校了であれば画像データ品質不良(S28)とする。校了済みであれば、画像データの品質は良好であり、抽出可能とする(S29)。
そして、未確認の個人データの残が有ればステップS16に戻り、同様の処理を指定された全ての個人識別コードについて繰り返す。指定された個人分全てのデータチェックが終了すれば(S30)、データチェック結果を、映像や印刷により表示する(S31)。表示は、レイアウト情報不足のデータ項目、また、各個人のデータで、テキストデータ不足、テキスト品質不良、画像データ不足、画像データ品質不良のいずれかの不具合が発生したものを、個人名、個人識別コード、不具合内容などを表示する。
【0035】
【発明の効果】
本発明の個人識別媒体発行システムによれば、個人識別媒体等の出力媒体の発行に際して、その発行内容を指示する発行指示情報に対して、必要なデータの不足の有無、或いはデータの内容に間違いが無いか等のデータ品質を事前にチェックできる。このため、誤った情報が印刷された個人識別媒体等が発行されることがない。また、個人識別媒体を発行してから、データ不足、或いはデータ品質欠陥等が発見されることなく、発行歩留りが向上する。また、人手によらずにデータの入稿管理ができ、発行前に、未入稿データを迅速且つ正確に見つける事もできる。また、人手の場合に対して、機械的に行う為にチェックするデータ及びそのチェック内容等のチェック基準が一定するので、入力されるデータの安定的な品質管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の個人識別媒体発行システムの一形態を例示するシステム構成図。
【図2】本発明の個人識別媒体発行システムで、データベースとして管理するファイル内容を一例を概念的に示す説明図。
【図3】本発明の個人識別媒体発行システムによる、発行処理全体の流れの一例を示すフロー図。
【図4】本発明の個人識別媒体発行システムで、データチェック部分の処理の流れの一例を示すフロー図。
【符号の説明】
1 入稿仕様登録手段
2 テキスト入力手段
3 媒体出力仕様登録手段
31 個人識別媒体(カード)印刷レイアウト登録手段
32 帳票印刷レイアウト登録手段
4 発行指示手段
5 データチェック手段
6 抽出手段
7 個人識別媒体(カード)出力手段
8 データベース管理手段
9 LAN(ローカルエリアネットワーク)
10 帳票出力手段
11 画像入力手段
Claims (4)
- 個人識別媒体を発行する個人識別媒体発行システムにおいて、
入稿仕様、印刷レイアウト仕様等の媒体出力仕様、入力されたソースデータ、等のデータをデータベースとして管理するデータベース管理手段と、
発行する個人識別媒体等の出力媒体の種類、対象とする個人等の発行内容を指示する発行指示情報を作成する発行指示手段と、
個人識別媒体の実際の発行前に、前記発行指示情報で規定される媒体出力仕様に基づいて、前記データベースが格納するデータに対して、前記発行指示情報で指定される発行に必要なデータの不足、データの品質を、チェックするデータチェック手段と、
個人識別媒体等の出力媒体に印刷等により記録する情報を、発行指示情報が規定する媒体出力仕様に基づいて、前記ソースデータから抽出し、複数個人分のデータで指定された序列に配列した中間データを生成する抽出手段と、
中間データに基づいて個人識別媒体に印刷等の出力をする個人識別媒体出力手段と、
を少なくとも備えた個人識別媒体発行システム。 - テキスト等のソースデータとなる情報を入稿するときの入稿仕様を前記データベースに登録する入稿仕様登録手段と、
個人識別媒体等の出力媒体に印刷するテキストを前記データベースに入力するテキスト入力手段と、
個人識別媒体上でのテキスト等の印刷レイアウト仕様等の媒体出力仕様を前記データベースに登録する、媒体出力仕様登録手段と、を少なくとも備えた、
請求項1記載の個人識別媒体発行システム。 - 画像入力帳票上での印刷レイアウト仕様を登録する帳票印刷レイアウト登録手段と、
出力媒体として画像入力帳票を出力する帳票出力手段と、
ソースデータとして画像データを入力する為の画像入力帳票が有する画像を読み取る画像入力手段と、を少なくとも備え、
上記発行指示手段は、画像入力帳票に対する発行指示情報も作成し、上記抽出手段は、画像入力帳票に対する中間データも作成する、請求項2記載の個人識別媒体発行システム。 - 入稿仕様、印刷レイアウト仕様等の媒体出力仕様、入力されたソースデータ、等のデータをデータベースとして管理するデータベース管理手段と、
発行する個人識別媒体等の出力媒体の種類、対象とする個人等の発行内容を指示する発行指示情報を作成する発行指示手段と、
個人識別媒体等の出力媒体に印刷等により記録する情報を、発行指示情報が規定する媒体出力仕様に基づいて、前記ソースデータから抽出し、複数個人分のデータで指定された序列に配列した中間データを生成する抽出手段と、
中間データに基づいて個人識別媒体に印刷等の出力をする個人識別媒体出力手段と、を少なくとも備えた個人識別媒体を発行する個人識別媒体発行システムにおいて、
個人識別媒体の実際の発行前に、前記発行指示情報で規定される媒体出力仕様に基づいて、前記データベースが格納するデータに対して、前記発行指示情報で指定される発行に必要なデータの不足、データの品質を、チェックする個人識別媒体発行システムにおけるデータチェック方法。
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