JP3866110B2 - 磁気メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気メモリに関し、より詳細には、小さい書き込み電流により磁気抵抗効果素子の記録層に効率的に磁場を印加することにより消費電力を低減できる磁気メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体磁気メモリとして、巨大磁気抵抗効果(Giant Magnetoresistance effect)を有する磁気素子を用いた磁気ランダムアクセスメモリが提案され、特に、磁気抵抗効果素子として「強磁性トンネル接合」を用いた磁気メモリに注目が集まっている。
【0003】
強磁性トンネル接合は、主に、(第1の強磁性層)/(非磁性絶縁層)/(第2の強磁性層)という3層構造を基本とし、非磁性絶縁層をトンネルして電流が流れる。この場合、接合抵抗値は、第1及び第2の強磁性層における磁化の相対角の余弦に比例して変化する。したがって、抵抗値は、第1及び第2の強磁性層の磁化が平行のときに極小値、反平行のときに極大値をとる。これは、「トンネル磁気抵抗(Tunneling MagnetoResistance:TMR)効果」と呼ばれている。例えば、Appl.Phys.Lett.;vol.77、(2000)p.283 において、TMR効果による抵抗値変化が室温において49.7%にも達することが報告されている。
【0004】
強磁性トンネル接合をメモリセルとして備えた磁気メモリにおいては、一方の強磁性層の磁化を固定して「基準層」とし、他方の強磁性層を「記憶層」として用いる。このセルにおいて、基準層と記憶層の磁化の方向が平行または反平行に対して、2値情報すなわち「0」、「1」を対応づけることにより、情報を記憶させることができる。
【0005】
記録情報の書き込みは、書き込み配線に電流を流すことにより発生する磁場をセルに印加することにより、記憶層の磁化を反転させて行う。この際、互いに交差し且つ接触していない2本の書き込み配線に同時に書き込み電流を流し、記憶層の磁化容易軸に対してゼロでないある角度をもつ方向に合成磁場を印加することにより、磁化反転を行うことが多い。また、この書き込み動作の際には、印加磁場方向と反転磁場の関係を表す「アステロイド曲線」を考慮する。
【0006】
一方、読み出しは、強磁性トンネル接合に電流を流し、TMR効果による抵抗変化を検出することで行われる。磁気メモリは、このようなメモリセルを多数配置することで大容量のメモリとして構成される。
【0007】
このようなメモリセルをマトリクス状に設けて実際の磁気メモリを構成する際には、任意のひとつのメモリセルを選択できるように、例えば半導体DRAM(Dynamic Random Access Memory)同様に各セルに対しスイッチングトランジスタなどを配置し、周辺回路を組み込んで構成する。また一方、ワード線とビット線が交差する位置にダイオードと強磁性トンネル接合素子とを組み合わせて設ける構造も提案されている(米国特許第5、640、343号、第5、650、958号)。
【0008】
さて、磁気抵抗効果素子をメモリセルとして用いる磁気メモリの集積密度を上げるためには、それぞれのメモリセルのサイズを小さくし、セルを構成する強磁性体のサイズも必然的に小さくする必要がある。しかし一般に、強磁性体が小さくなると、その保磁力は大きくなる。保磁力の大きさは磁化を反転するために必要なスイッチング磁場の大きさの目安となるので、これはスイッチング磁場の増大を意味する。よって、ビット情報を書き込む際にはより大きな電流を書き込み配線に流さなければならなくなり、消費電力の増加、配線寿命の短命化など、好ましくない結果をもたらす。従って、より小さな書込み電流によるビット情報の書き込みは、高集積化磁気メモリの実用化において重要な課題である。
【0009】
この課題を解決するために、書き込み配線の周囲に高透磁率材料からなる薄膜を備えた磁気メモリ素子が提案されている(米国特許第5、659、499号、米国特許第5、956、267号、米国特許第5、940、319号および国際特許出願WO00/10172号)。これらの素子においては、書き込み配線の周囲にある高透磁率薄膜によって、書き込み電流により発生する磁束を収束することができる。このため、書き込み時において発生する磁場を強くすることができ、その結果として、より小さな電流でビット情報を書き込むことができるようになる。同時に、高透磁率薄膜の外部にもれる磁束を大きく低減することができるため、クロストークを抑制できる効果も得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、米国特許第5、659、499号に開示されている構造の場合、磁気記録層の全体にわたって均一に磁場を印加することができない。また、米国特許第5、956267号、および米国特許第5、940、319号に開示された構造においては、高透磁率薄膜と磁気記録層との距離が遠く、特に高出力を得られる複数の磁化固着層をもつ磁気メモリ素子の場合に距離が遠くなり、磁気記録層に効率的に磁場を印加することができない。
【0011】
一方、国際特許出願WO00/10172に開示されている構造の場合、高透磁率薄膜と磁気記録層との距離が近くなるような構造を備えているが、磁気記録層に十分な磁束を集中させることは困難である。
【0012】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、より小さな書込み電流により磁気記録層に効率的に磁場を印加することにより、高集積度で消費電力を低減し且つ信頼性も高い磁気メモリ素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の磁気メモリは、
磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークを防止し、磁気記録層に対して磁場を効果的に集中できる。
【0014】
また、本発明の第2の磁気メモリは、
磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向にみた幅が、前記側面に対して平行な面内において、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部で、それ以外の部分における幅よりも狭くなっていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によっても、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークを防止し、磁気記録層に対して磁場を効果的に集中できる。
【0016】
また、本発明の第3の磁気メモリは、
磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部における厚みがそれ以外の部分における厚みよりも薄く、
さらに前記被覆層は、前記第1の方向にみた幅が、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部において、それ以外の部分における幅よりも狭くなっていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークを防止し、磁気記録層に対して磁場をさらに効果的に集中できる。
【0018】
ここで、前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有するものとすることができる。
【0019】
また、前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に近づくにつれて前記幅が徐々に狭くなっているテーパ部を有するものとすることができる。
【0020】
また、前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に向けて前記第1の書き込み配線よりも突出した突出部を有するものとすれば、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークを防止し、磁気記録層に対してさらに磁場を効率的に集中させることができる。
【0021】
またここで、前記突出部は、前記第1の書き込み配線の前記側面から前記磁気抵抗効果素子の方向に向けて傾斜して設けられたものとすれば、磁気ヨークとして作用する被覆層の突出部をさらに磁気記録層に接近させ、効率的な書き込みが可能となる。
【0022】
また、前記突出部の少なくとも一部は、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有するものすることができる。
【0023】
また、前記突出部の少なくとも一部は、前記磁気抵抗効果素子に近づくにつれて前記幅が徐々に狭くなっているテーパ部を有するものとすることができる。
【0024】
また、 前記第1の書き込み配線と交差する第2の方向に延在する第2の書き込み配線をさらに備え、
前記第1の書き込み配線と前記第2の書き込み配線との交差部にこれらの配線に挟まれて前記磁気抵抗効果素子が配置され、
前記第1及び第2の書き込み配線にそれぞれ電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされたものとすれば、それぞれの書き込み配線に流す電流を下げて配線の疲労やエレクトロマイグレーションなどの問題を解消できる。
【0025】
なおここで、「交差する」とは、空間において交わることなく互いに平行でない配置を含むものとする。
【0026】
また、前記第2の書き込み配線は、その両側面及び前記磁気抵抗効果素子からみて反対側の面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有するものとすれば、第2の書き込み配線においても、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークを抑制し、効率的な書き込みが可能となる。
【0027】
また、本発明の第1乃至第3の磁気メモリにおいて、前記第1の書き込み配線は、前記磁気抵抗効果素子からみて反対側の面にも磁性体からなる被覆層を有していても良いし、有していなくても良いが、被覆層を有する場合には、隣接するメモリセルへの書き込みクロストークをさらに抑制し、より効率的な書き込みが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【0029】
また、図2は、この磁気メモリの要部斜視図である。
【0030】
すなわち、これらの図面に表した構造は、はランダムアクセスメモリとして動作する磁気メモリの1ビット部分のメモリセルに対応する。このメモリセルは、記憶素子部分11とアドレス選択用トランジスタ部分12とからなる。
【0031】
記憶素子部分11は、磁気抵抗効果素子21と、これに接続された一対の配線22、24とを有する。磁気抵抗効果素子21は、例えば、磁性層/非磁性層/磁性層、あるいは磁性層/絶縁トンネル層/磁性層という積層構造をもち、GMR効果やTMR効果などを有するものであればよい。
【0032】
GMR効果を有する場合は、ビット情報読み出しの際には磁気抵抗効果素子21にセンス電流を流してその抵抗変化を検出すればよい。
【0033】
また、特に、磁性層/非磁性トンネル層/磁性層/非磁性トンネル層/磁性層という構造をもつ強磁性2重トンネル接合などを含むものであると、トンネル磁気抵抗(TMR)効果による抵抗変化により高い磁気抵抗効果が得られる点で有利である。
【0034】
これらの構造において、いずれかの磁性層は、磁化固着層として作用し、他のいずれかの磁性層が磁気記録層として作用するものとすることができる。
【0035】
磁化固着層と磁気記録層は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)あるいはこれらいずれかを含む合金などからなる強磁性体層を含むものとしたり、または、ニッケル・マンガン・アンチモン(NiMnSb)、白金マンガン・アンチモン(PtMnSb)、コバルト・マンガン・ゲルマニウム(Co2MnGe)などのハーフメタル磁性体層を含むものとすることが望ましい。
【0036】
また、磁化固着層としては,これらの磁性層の膜厚を厚くして保磁力を高めたものを用いることができ,または、反強磁性層を隣接して積層させた構造とすることにより、磁性層と反強磁性層の間に働く交換相互作用により磁化を固着することができる。
【0037】
なお、本発明において用いる磁気抵抗効果素子21は、配線22(あるいは23、またはこれらの両方)に電流を流したときに発生する磁場の方向と磁気記録層の磁化容易軸とがほぼ一致していることが望ましい。これは、磁気抵抗効果素子21の成膜後に磁場を印加した状態でアニールを行うことにより簡単に実現できる。また、配線22に電流を流したときに発生する磁場の方向に長軸をもつ長方形、ひし形、楕円などの扁平な形状に加工することにより形状異方性をもたせてもよい。
【0038】
一方、選択用トランジスタ部分12には、ビア26及び埋め込み配線28を介して接続されたトランジスタ30が設けられている。このトランジスタ30は、ゲート32に印加される電圧に応じてスイッチング動作をし、磁気抵抗効果素子21と配線34との電流経路の開閉を制御する。゜
また、磁気抵抗効果素子の下方には、書き込み配線23が、配線22と略直交する方向に設けられている。これら書き込み配線22、23は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、タンタル(Ta)あるいはこれらいずれかを含む合金により形成することができる。
【0039】
このような構成のメモリセルにおいて、ビット情報を磁気抵抗効果素子21に書き込むときは、配線22、23に書き込みパルス電流を流し、それら電流により誘起される合成磁場を印加することにより磁気抵抗効果素子の記録層の磁化を適宜反転させる。
【0040】
また、ビット情報を読み出すときは、配線22と、磁気記録層を含む磁気抵抗効果素子21と、下部電極24とを通してセンス電流を流し、磁気抵抗効果素子21の抵抗値または抵抗値の変化を測定することにより行われる。
【0041】
さて、本実施形態においては、書き込み用配線22、23の側面および磁気記録層と対向する裏面側に磁性体からなる被覆層SMが設けられている。そしてさらに、配線22の側壁に設けられた被覆層SMは、磁気抵抗効果素子21に向かって、その先端部の厚さが徐々に薄くされたテーパ部Tを有する。
【0042】
磁性体からなる被覆層SMは、書き込み用配線22、23において生ずる電流磁界が周囲に漏洩することを防止する。すなわち、書き込み用配線22、23に書き込み電流を流すことにより生ずる書き込み磁界は、被覆層SMの内部を磁路として配線22、23の周囲に磁気回路を形成する。その結果として、左右方向あるいは裏面側に隣接する他のメモリセルの磁気抵抗効果素子に対する「書き込みクロストーク」を効果的に防止することができる。
【0043】
そしてさらに、配線22の被覆層SMの先端にテーパ部Tを設けることにより、被覆層SMを通る磁束Mを収束させて磁気抵抗効果素子21の磁気記録層に集中させることができる。つまり、「磁気ヨーク」として作用する被覆層SMの先端にテーパ部Tを設けることにより、書き込み用配線22の周囲に生ずる書き込み磁界を磁気記録層に集中させて、高い効率の書き込みが可能となる。
【0044】
本実施形態によれば、このように被覆層SMに独特の特徴を与えることにより、書き込みに伴う磁気メモリの消費電力を低減することができる。また、磁気メモリの集積度を上げるために磁気抵抗効果素子21を微細化し、その記録層の保磁力が増大しても、安定した書き込みが可能となる。
【0045】
さらにまた、書き込み配線に流す書き込み電流を低減することにより、配線のエレクトロマイグレーションなどの発生を抑制し、磁気メモリの信頼性を向上させて寿命も延ばすことができる。
【0046】
このような作用を得るために、被覆層SMの材料としては、一般に比透磁率が大きい高透磁率材料を用いることが望ましい。特に、比透磁率が5以上であることが好ましく、100以上がより好ましい。また、飽和磁化が大きいほうが好ましく、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。
【0047】
このような材料としては、鉄(Fe)、鉄アルミニウム(Fe−Al)合金、鉄シリコン(Fe−Si)合金、センダストなどの鉄シリコン・アルミニウム(Fe−Si−Al)合金、ニッケル鉄(NiFe)合金、酸化鉄(Fe2O3)を主成分とするソフトフェライト、あるいは、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)とボロン(B)、シリコン(Si)、りん(P)などとのアモルファス合金など、各種の高透磁率材料を用いることができる。
【0048】
なお、図1及び図2に表した具体例の場合、書き込み配線22、23の側壁と磁気抵抗効果素子21からみて裏面側の両方に被覆層SMが設けられているが、このような被覆層SMは、配線22、23の側壁のみに設けても、ある程度の効果は得られる。
【0049】
また、図1及び図2においては、被覆層SMを配線22、23に密着させて設けた場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、被覆層SMをこれら書き込み用配線22、23からある程度離間させた状態で配置しても磁界の漏洩防止及び磁気記録層への磁束の収束の効果は得られる。
【0050】
また、図1及び図2においては、書き込み用配線22、23の周囲に設けられる被覆層SMは、これら配線の交差領域、すなわち磁気抵抗効果素子21が設けられた領域の付近にのみ、形成されている。この場合、被覆層SMの配線22、23のそれぞれの長手方向にみた長さは、磁気抵抗効果素子21のそれぞれの配線長手方向の長さに対して1.2倍以上であることが望ましく、2倍以上の長さであることがより望ましく、さらに長くして、複数個の磁気抵抗効果素子を含むように設けてもよい。さらに、マトリクス状に形成されたメモリ領域の全体に亘ってこのような被覆層SMを設けてもよい。
【0051】
またさらに、配線22、23の両側の側面に設けられる被覆層SMは、それらの厚さが同一でなくてもよい。つまり、配線22、23の左側側面と右側側面とにおいて、これら被覆層SMの厚みが異なるようにしてもよい。
【0052】
また、図1では配線22に設けられた被覆層SMのみにテーパ部Tが形成されているが、同様のテーパ部Tを配線23に設けられた被覆層SMに形成しても同様の効果が得られることはいうまでもない。またさらに、上下の配線22、23の被覆層SMの両方にテーパ部Tを形成すれば、さらに大きな効果が得られることはいうまでもない。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0054】
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【0055】
また、図4は、この磁気メモリの要部斜視図である。
【0056】
これらの図面については、図1及び図2に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、書き込み用配線22、23の両側面及び磁気抵抗効果素子21からみた裏面側に磁性体からなる被覆層SMが設けられている。
【0057】
そしてさらに、配線22の両側面に設けられた被覆層SMは、磁気抵抗効果素子21の方向に向かって突き出した突出部Pを有する。この突出部Pは、磁気抵抗効果素子21の磁気記録層の近傍にまで延出して設けることが可能である。つまり、「磁気ヨーク」として作用する被覆層SMの先端に突出部Pを設ける。このようにすれば、配線22に電流を流して発生する磁束が磁気抵抗効果素子21のごく近傍まで誘導され、磁気記録層における書き込み磁場をさらに高くすることができる。
【0058】
また本実施形態において、図4に表したように、突出部Pの幅Wがその先端に向けて徐々に狭くなるようなテーパ部TWを設けてもよい。このようなテーパ部TWを設けると、磁気ヨークとして作用する被覆層SMを誘導された書き込み磁束を、さらに効率的に磁気抵抗効果素子21に集中させることができる。
【0059】
また一方、このような幅方向のテーパ部TWは、突出部Pに設けるのではなく、被覆層SMのうちの配線22、23に隣接した部分に設けてもよい。
【0060】
図5は、このように配線に隣接した被覆層の部分にテーパ部TWを設けた磁気メモリの要部を表す斜視図である。同図についても、図1乃至図4に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
図5に表した具体例の場合、被覆層SMのうちの配線22に隣接した部分に幅方向のテーパ部TWが設けられている。このようにしても、配線22に電流を流して発生する磁束が磁気抵抗効果素子21のごく近傍まで誘導され、磁気記録層における書き込み磁場をさらに高くすることができる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0063】
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【0064】
また、図7は、この磁気メモリの要部斜視図である。
【0065】
これらの図面についても、図1乃至図4に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、書き込み用配線22、23の両側面及び磁気抵抗効果素子21からみた裏面側に磁性体からなる被覆層SMが設けられている。
【0066】
そしてさらに、配線22の両側面に設けられた被覆層SMは、第2実施形態と同様に磁気抵抗効果素子21に向けて突出した突出部Pを有する。さらに、この突出部Pは、その先端に向けて厚みが徐々に薄くなるようなテーパ部TTを有する。このようなテーパ部TTは、第1実施形態において説明したテーパ部Tと同様の作用を有する。つまり、配線22に電流を流して発生する磁束をより効率よく磁気抵抗効果素子21の磁気記録層の近傍に集めることができ、発生磁場を強くすることができる。
【0067】
またこの効果は、図7に例示したように、幅Wの方向のテーパTWと組み合わせることにより、さらに顕著となる。
【0068】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0069】
図8(a)は、本発明の第2の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【0070】
また、図9は、この磁気メモリの要部斜視図である。
【0071】
これらの図面についても、図1乃至図7に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、書き込み用配線22、23の両側面及び磁気抵抗効果素子21からみた裏面側に磁性体からなる被覆層SMが設けられている。
【0072】
そしてさらに、配線22の両側面に設けられた被覆層SMは、第2及び第3実施形態と同様に磁気抵抗効果素子21に向けて突出した突出部Pを有する。但し、本実施形態においては、この突出部Pは、配線22に隣接した根本部分あるいはこの根本から離れた途中の部分から屈曲して方向を変え、所定の角度で磁気抵抗効果素子21の磁気記録層に向けて接近するように設けられている。このようにすれば、突出部Pの先端を、磁気抵抗効果素子21の磁気記録層に対してさらに接近させることが可能となり、書き込み磁束を効率的に磁気記録層に集中させることができる。
【0073】
また、本実施形態においても、第2実施形態に関して前述した幅方向のテーパ部TWや、第3実施形態に関して前述した厚み方向のテーパ部TTと組み合わせることにより、さらに書き込み磁束を効率的に収束させることができる。
【0074】
以上、本発明の第1乃至第4実施形態として、本発明の磁気メモリのメモリセルの構造について説明した。
【0075】
これらのメモリセルは、マトリクス状に配列することにより磁気メモリを形成することができる。
【0076】
図10は、本発明の磁気メモリのマトリクス構成を例示する概念図である。
【0077】
すなわち、同図は、図1乃至図9に関して前述したメモリセルをアレイ状に配置した場合の実施形態の回路構成を示す。アレイ中の1ビットを選択するために、列デコーダ50、行デコーダ51が備えられており、ビット線34とワード線32によりスイッチングトランジスタ30がオンになり一意に選択され、センスアンプ52で検出することにより磁気抵抗効果素子21を構成する磁気記録層に記録されたビット情報を読み出すことができる。
【0078】
ビット情報を書き込むときは、特定の書込みワード線23とビット線22に書き込み電流を流して発生する磁場により行われる。
【0079】
この構成においては、ビット線22とワード線23にそれぞれ被覆層SMが設けられ、さらにこの被覆層SMが、図1乃至図9のいずれかに例示した如く独特の特徴を有し、磁気抵抗効果素子21の磁気記録層に対する書き込みを効率的に行うことできる。
【0080】
図11は、本発明の磁気メモリのマトリクス構成のもうひとつの具体例を表す概念図である。すなわち、本具体例の場合、マトリクス状に配線されたビット線22とワード線34とが、それぞれデコーダ60、61により選択されて、アレイ中の特定のメモリセルが選択される。それぞれのメモリセルは、磁気抵抗効果素子21とダイオードDとが直列に接続された構造を有する。ここで、ダイオードDは、選択された磁気抵抗効果素子21以外のメモリセルにおいてセンス電流が迂回することを防止する役割を有する。
【0081】
書き込みは、特定のビット線22と書き込みワード線23とにそれぞれに書き込み電流を流して発生する磁場により行われる。
【0082】
このマトリクス構成においても、ビット線22とワード線23のそれぞれに被覆層SMが設けられ、さらにこれらの被覆層SMが、図1乃至図9のいずれかに例示した如く独特の特徴を有し、磁気抵抗効果素子21の磁気記録層に対する書き込みを効率的に行うことできる。
【0083】
【実施例】
以下、実施例を参照しつつ本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
すなわち、ここでは、本発明の磁気メモリの書き込み配線22、23に設ける被覆層SMの効果について、具体例を挙げつつその配線が発生する磁場を定量的に調べた結果について説明する。
【0084】
(第1の実施例)
まず、本発明の第1の実施例として、図1及び図2に表した構造のメモリセルについて説明する。
【0085】
このメモリセルのトランジスタ部分11は、通常のシリコンプロセスと同様にしてシリコンウエハ上に作製できる。さらに、磁気記録部分12を作製するために、その表面をエッチングまたは化学機械研磨(CMP)により平坦化した上で、磁気抵抗効果素子21を作製した。その作製にはスパッタ法、蒸着法など、通常用いられる薄膜堆積法を用いることができる。また、TMR構造を得るための酸化トンネル膜の作製は、プラズマ酸化法を用いた。
【0086】
さらに、この磁気抵抗効果素子をフォトリソフラフィーとイオンミリング法により微細加工した。上側の配線22も同様に微細加工により形成できる。ただし、本発明で用いられる配線23、22の周りに付加される被覆層SMについては、ダマシン法を用いて作製した。
【0087】
図12は、本実施例における書き込み配線22からの発生磁場の分布を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は、配線22の下方に設けられた磁気抵抗効果素子21の中心軸上での配線22からの距離を表し、同図の縦軸は磁場強度を表す。
【0088】
ここでは、配線22の幅を200nm、高さを100nmとして、この配線22の長手方向に2mAの電流を流したときの発生する磁場をプロットした。
【0089】
また、配線22の周囲に形成した被覆層SMは、比透磁率1000、飽和磁化10000のニッケル鉄(NiFe)により形成し、その厚みは約10nmとした。さらに、図1及び図2に表したように、その先端にテーパ部Tを設けた。テーパ部Tは、配線22の高さ方向の半分すなわち50nm付近からその先端に向けて被覆層SMの厚みが徐々に薄くなり、先端において厚みがほぼ半分になるように形成した。
【0090】
図12には、このようなテーパ部Tを設けた場合(菱形のプロット)と設けない場合(三角形のプロット)のそれぞれを表した。
【0091】
同図から分かるように、配線22から約100nmの距離までの範囲内においては、テーパ部Tを設けた場合の方が、設けない場合よりも高い発生磁場が得られている。
【0092】
このように、本発明の効果は、磁気メモリの集積度を高くした場合に特に顕著となる。
【0093】
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例として、図3に表したように突出部Pを設けた磁気メモリの具体例について説明する。
【0094】
本実施例においても、第1実施例に関して前述した手順とほぼ同様の手順により磁気メモリを形成した。
【0095】
ここで、配線22の幅を200nm、高さを100nmとし、この配線の長手方向に2mAの電流を流したときの発生する磁場を求めた。
【0096】
図13は、本実施例における書き込み配線22からの発生磁場の分布を表すグラフ図である。すなわち、同図(a)は、配線22から磁気抵抗効果素子21の中心に向けた垂直方向をz軸としたときに、z軸方向の磁場分布を表す。また、同図(b)は、配線22のz軸方向に向けて110nmだけ離れた位置において、配線22の長手方向に対して垂直な方向の磁場分布を表す。
また、これらいずれのグラフにおいても、突出部Pを設けない場合(菱形のプロット)と、突出量が100nmの突出部Pを設けた場合(クロスのプロット)を表した。
【0097】
図13(a)から、突出部Pを設けることによりz軸上での発生磁場が大きくなってたことがわかる。また、図13(b)から、一対の突出部Pの間においては、磁場が収束されて高い発生磁場が得られ、一方、一対の突出部Pの外側においては、磁場の漏洩が顕著に抑止されて発生磁場が大幅に下がっていることがわかる。つまり、このような突出部Pを設けることにより、磁気抵抗効果素子21に向けて発生磁場を極めて効率的に収束させ、周囲への発散を大幅に低減できることがわかる。
【0098】
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例として、図8乃至図9に表した磁気メモリの具体例について説明する。
【0099】
本実施例においても、第1及び第2実施例に関して前述した手順とほぼ同様の手順により磁気メモリを形成した。
【0100】
ここで、配線22の幅を200nm、高さを100nmとし、この配線の長手方向に2mAの電流を流したときの発生する磁場を求めた。また、突出部Pは、配線22の側面の位置から約10nmほど内側に入り込むように根本から屈曲させて形成した。
【0101】
その結果、配線22からz軸方向に110nm離れた位置では、直線状の突出部P(第2実施例)の場合に約90エルステッドの磁場を発生しているのに対して、本実施例により突出部Pに角度をつけて内側に曲げた場合には、約98エルステッドの発生磁場が得られ、約10%の磁場増加の効果が確認できた。
【0102】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気メモリを構成する磁気抵抗素子やスイッチング素子の構造や配置関係、あるいは各配線の配線関係や材料などに関しては、当業者が適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の範囲に包含される。
【0103】
また、以上説明したような被覆層の厚み方向あるいは幅方向のテーパ部T、TW、TTに関しては、配線22あるいは23の両側に対称に設ける構成には限定されない。すなわち、磁気抵抗効果素子の磁気記録層のヒステリシスが、通常はヒステリシス特性曲線の中央においてゼロ磁場が対応するようにする場合が多く、このようにすればデバイスとして使いやすい。
【0104】
しかし、磁性積層膜やその微細加工の影響により磁気記録層のヒステリシスが特性グラフ上の左右のいずれかにシフトするような場合もよくある。このような場合に対処して、配線のいずれか片側のみにテーパ部を設けたり、あるいは配線の左右のテーパ部の厚み分布やテーパ角度などを異なるようにしてもよい。
【0105】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気メモリを基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気メモリも同様に本発明の範囲に属する。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、磁気メモリの書き込み用配線の周囲に被覆層を設け、さらに、その形態に独特の特徴を与えることにより、書き込み磁界の漏洩を阻止し、隣接する他の磁気抵抗効果素子への書き込みクロストークを抑制できる。
【0107】
またさらに、被覆層を磁気ヨークとして作用させることにより、書き込み磁界を磁気抵抗効果素子の磁気記録層に集中させ、高い効率で書き込みを行うことができる。
【0108】
その結果として、ビット情報を記録するために必要な書き込み電流を大きく低減することができ、消費電力の少ない磁気メモリを提供できる。
【0109】
さらにまた、磁気メモリの集積度を上げるために磁気抵抗効果素子を微細化し、その記録層の保磁力が増大しても、安定した書き込みが可能となる。
【0110】
また、書き込み配線に流す書き込み電流を低減することにより、配線のエレクトロマイグレーションなどの発生を抑制し、磁気メモリの信頼性を向上させて寿命も延ばすことができる。
【0111】
すなわち、本発明によれば、低消費電力で高集積度の磁気メモリを実現することができ、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の磁気メモリの要部斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の磁気メモリの要部斜視図である。
【図5】配線に隣接した被覆層の部分にテーパ部TWを設けた磁気メモリの要部を表す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の磁気メモリの要部斜視図である。
【図8】、本発明の第4の実施の形態にかかる磁気メモリの要部断面構造を表す概念図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態の磁気メモリの要部斜視図である。
【図10】本発明の磁気メモリのマトリクス構成を例示する概念図である。
【図11】本発明の磁気メモリのマトリクス構成のもうひとつの具体例を表す概念図である。
【図12】本発明の実施例における書き込み配線22からの発生磁場の分布を表すグラフ図である。
【図13】本発明の実施例における書き込み配線22からの発生磁場の分布を表すグラフ図である。
【符号の説明】
11 記憶素子部分
12 選択用トランジスタ部分
21 磁気抵抗効果素子
22 ビット線
23 ワード線
24 下部電極
26 ビア
30 トランジスタ
32 ゲート(ワード線)
34 ビット線
34 ワード線
50 列デコーダ
51 行デコーダ
52 センスアンプ
60 デコーダ
D ダイオード
M 磁界
P 突出部
SM 被覆層
T、TW、TT テーパ部
Claims (12)
- 磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有することを特徴とする磁気メモリ。 - 磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向にみた幅が、前記側面に対して平行な面内において、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部で、それ以外の部分における幅よりも狭くなっていることを特徴とする磁気メモリ。 - 磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部における厚みがそれ以外の部分における厚みよりも薄く、
さらに前記被覆層は、前記第1の方向にみた幅が、前記磁気抵抗効果素子にもっとも近い先端部において、それ以外の部分における幅よりも狭くなっていることを特徴とする磁気メモリ。 - 前記被覆層は、前記第1の方向に対して垂直な断面において、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有することを特徴とする請求項3記載の磁気メモリ。
- 前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に近づくにつれて前記幅が徐々に狭くなっているテーパ部を有することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気メモリ。
- 前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に向けて前記第1の書き込み配線よりも突出した突出部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の磁気メモリ。
- 前記突出部は、前記第1の書き込み配線の前記側面から前記磁気抵抗効果素子の方向に向けて傾斜して設けられたことを特徴とする請求項6記載の磁気メモリ。
- 前記突出部の少なくとも一部は、前記磁気抵抗素子に近づくにつれてその厚みが徐々に薄くなっているテーパ部を有することを特徴とする請求項6または7に記載の磁気メモリ。
- 前記突出部の少なくとも一部は、前記磁気抵抗効果素子に近づくにつれて前記幅が徐々に狭くなっているテーパ部を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の磁気メモリ。
- 磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向に延在する第1の書き込み配線と、
を備え、
前記第1の書き込み配線に電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされ、
前記第1の書き込み配線は、その両側面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、
前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に向けて前記第1の書き込み配線よりも突出した突出部を有し、
前記突出部は、前記第1の書き込み配線の前記側面から前記磁気抵抗効果素子の方向に向けて傾斜して設けられたことを特徴とする磁気メモリ。 - 前記第1の書き込み配線と交差する第2の方向に延在する第2の書き込み配線をさらに備え、
前記第1の書き込み配線と前記第2の書き込み配線との交差部にこれらの配線に挟まれて前記磁気抵抗効果素子が配置され、
前記第1及び第2の書き込み配線にそれぞれ電流を流すことにより形成される磁界によって前記磁気記録層の磁化の方向が可変とされたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の磁気メモリ。 - 前記第2の書き込み配線は、その両側面及び前記磁気抵抗効果素子からみて反対側の面の少なくともいずれかに磁性体からなる被覆層を有することを特徴とする請求項11記載の磁気メモリ。
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