JP3865973B2 - ウエハ加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にウエハを200℃以下の温度に加熱するのに用いるウエハ加熱装置に関するものであり、例えば、半導体ウエハや液晶基板あるいは回路基板等のウエハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体装置の製造工程における、成膜処理、エッチング処理、レジスト膜の貼付等では、半導体ウエハを加熱するためにウエハ加熱装置が用いられている。
【0003】
このうち半導体ウエハ上へのレジスト膜の貼付にあたっては、図5に示すような、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属から成る均熱板22の一方の主面を、半導体ウエハWを載せる載置面23とし、他方の主面には複数個のシーズヒータ25を当接させ、押せ板24にて保持して成るウエハ加熱装置21が用いられている。なお、27は、均熱板22を支持するための支持枠、26はシーズヒータ25と電気的に接続された給電部である。
【0004】
そして、ウエハ加熱装置21の載置面23に、レジスト液が塗布された半導体ウエハWを載せたあと、シーズヒータ25を発熱させることにより、均熱板22を介して載置面23上の半導体ウエハWを加熱し、レジスト液を乾燥焼付けして半導体ウエハW上にレジスト膜を貼付するようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5のウエハ加熱装置21では、均熱板22の熱変形を抑える観点から板厚が15mm以上と非常に厚く、熱容量が大きいために、半導体ウエハWを所定の処理温度に加熱するまでの時間や処理温度から室温付近に冷却するまでの時間が長くなり、生産性が悪かった。
【0006】
一方、成膜処理やエッチング処理では、図6に示すような、アルミナ、窒化珪素、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする絶縁性セラミックスから成る円盤状体32内に発熱抵抗体35を埋設し、前記円盤状体32の一方の主面を半導体ウエハWの載置面33とするとともに、他方の主面に前記発熱抵抗体35と電気的に接続された給電部36を具備して成るウエハ加熱装置31が用いられている。
【0007】
しかしながら、アルミナや窒化珪素を主成分とする絶縁性セラミックスは、熱伝導がそれほど良くないため、載置面33の温度ばらつきが比較的大きく、また、発熱抵抗体35が円盤状体32中に埋設されていることから、トリミングを施しての抵抗値調整ができず、載置面33の温度ばらつきを制御することができなかった。
【0008】
その為、円盤状体32がアルミナや窒化珪素を主成分とする絶縁性セラミックスより成る図6のウエハ加熱装置31を用いて半導体ウエハW上にレジスト膜を貼付けるため、半導体ウエハWを加熱すると、温度ムラのために乾燥焼付けされるレジスト膜の組織が粗くなり、露光処理時におけるレジスト膜の感光精度が悪いためにパターン形状が不均一なものとなり、近年、要求されている微細な配線を高密度に形成することは難しいものであった。
【0009】
これに対し、窒化アルミニウムを主成分とする絶縁性セラミックスは、熱伝導率が80W/(m・K)以上の優れた特性を有することから、載置面33を均熱化し易いものの、窒化アルミニウムは化1のように大気中の水分と反応してアンモニアガスを発生し、このアンモニアガスが半導体ウエハW上に乾燥焼付けされるレジスト膜の組織に悪影響を与え、露光処理時におけるレジスト膜の感光精度を劣化させるといった課題があり、アンモニアガスの濃度が1ppb程度でも問題となっていた。
【0010】
【化1】
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板の一方の主面をウエハを載せる載置面とするとともに、他方の主面に絶縁層を介して発熱抵抗体及び該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を具備して成り、前記絶縁層は、0℃〜200℃の温度範囲における熱膨張係数が32〜44×10 −7 /℃であるガラスから成り、その厚みが100μm〜350μmとしてウエハ加熱装置を構成したものである。
【0012】
また、本発明は、板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板の一方の主面をウエハを載せる載置面とするとともに、他方の主面に絶縁層を介して発熱抵抗体及び該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を具備して成り、前記絶縁層を、ポリイミド樹脂により形成し、その厚みを30μm〜150μmとしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は本発明に係るウエハ加熱装置の一例を示す断面図で、炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2の一方の主面を、例えばウエハとして半導体ウエハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面にガラス又は樹脂等の絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成したものである。
【0015】
発熱抵抗体5のパターン形状としては、図2又は図3に示すような、円弧状の電極部5aと直線状の電極部5bとから成る略同心円状をしたものや図示していないが渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に加熱できるパターン形状であれば良い。
【0016】
なお、7はウエハ加熱装置1を設置するための支持枠で、ウエハ加熱装置1の均熱板2が支持枠7の開口部を覆うように設置してある。また、6は発熱抵抗体5へ通電するための電気的に接続された給電部、8は支持枠7内に昇降自在に設置され、半導体ウエハWを載置面3上に載せたり、載置面3より持ち上げるためのリフトピンである。
【0017】
そして、このウエハ加熱装置1により半導体ウエハWを加熱するには、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで運ばれた半導体ウエハWをリフトピン8にて支持したあと、リフトピン8を降下させて半導体ウエハWを載置面3上に載せる。次に、給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶縁層4及び均熱板2を介して載置面3上の半導体ウエハWを加熱するのであるが、本発明によれば、均熱板2を炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体により形成してあることから、熱を加えても変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性を高めることができるとともに、60W/(m・K)以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵抗体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ばらつきを極めて小さくすることができる。しかも、大気中の水分等と反応してガスを発生させることもないため、半導体ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な配線を高密度に形成することが可能である。
【0018】
また、使用条件等によって、載置面3の温度分布がばらつくことがあるが、本発明によれば、均熱板2、絶縁層4、発熱抵抗体5の三層構造とし、発熱抵抗体5を露出させてあることから、使用条件等に合わせて載置面3の温度分布が均一となるように、発熱抵抗体5にトリミングを施して抵抗値を調整するもできる。ところで、このような特性を満足するには、均熱板2の板厚2mm〜7mmとすることが良い。これは、板厚tが2mm未満であると、板厚が薄すぎるために温度ばらつきを平準化するという均熱板2として効果が小さく、発熱抵抗体5におけるジュール熱のばらつきがそのまま載置面3の温度ばらつきとして表れるため、載置面3の均熱化が難しいからであり、逆に板厚tが7mmを越えると、均熱板2が高熱伝導率を有する炭化珪素質焼結体や炭化硼素質焼結体から成ると言えども金属と比較して熱伝導率が小さいために、均熱板2の熱容量が大きくなり過ぎ、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間や処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間が長くなり、生産性を向上させることができないからである。
【0019】
なお、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体としては、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を含有した焼結体や、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤としてアルミナ(Al2 O3 )とイットリア(Y2 O3 )を含有した焼結体を用いることができ、また、炭化珪素はα型を主体とするものあるいはβ型を主体とするもの、のいずれであっても構わない。
【0020】
また、均熱板2を形成する炭化硼素質焼結体としては、主成分の炭化硼素に対し、焼結助剤として硼酸(B2 O3 )を含有した焼結体や、主成分の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭化珪素(SiC)を含有した焼結体を用いることができる。
【0021】
さらに、均熱板2の載置面3と反対側の主面は、ガラスや樹脂から成る絶縁層4との密着性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくことが好ましい。
【0022】
一方、半導電性を有する均熱板2と発熱抵抗体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は樹脂を用いることができ、ガラスを用いる場合、その厚みsが100μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回り、絶縁性が保てず、逆に厚みsが350μmを越えると、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や炭化硼素質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくなる。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁層4の厚みsは100μm〜350μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの範囲で形成することが良い。
【0023】
また、絶縁層4を形成するガラスの特性としては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が32〜44×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や炭化硼素質焼結体との熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時においてクラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
【0024】
次に、絶縁層4に樹脂を用いる場合、その厚みsが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5にレーザ加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4を傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みsが150μmを越えると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤や水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害される。その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層4の厚みsは30μm〜150μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは60μm〜150μmの範囲で形成することが良い。
【0025】
また、絶縁層4を形成する樹脂としては、200℃以上の耐熱性と、発熱抵抗体5との密着性を考慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂等が好ましい。
【0026】
なお、ガラスや樹脂から成る絶縁層4を均熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペースト又は樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペーストにあっては、600℃の温度で、樹脂ペーストにあっては、300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2を1200℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化処理しておくことで、ガラスから成る絶縁層4との密着性を高めることができる。
【0027】
さらに、絶縁層4上に被着する発熱抵抗体5としては、金(Au) 、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法にて直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウム(Re2 O3 )、ランタンマンガネート(LaMnO3 )等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガラスペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリーン印刷法等にて印刷したあと焼付けて前記導電材を樹脂やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。メトリックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0028】
ただし、発熱抵抗体5に銀又は銅を用いる場合、マイグレーションが発生する虞があるため、このような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4と同一の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被覆しておけば良い。
【0029】
ところで、図1では発熱抵抗体5に給電部6を導電性接着剤にて接合した例を示したが、図4に示すように、発熱抵抗体5に対し、給電ピン9をスプリング10で押しつけるようにしても構わない。
【0030】
【実施例】
(実施例1)熱伝導率が80W/(m・K)の炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、板厚を異ならせた外径230mmの円盤状をした均熱板を複数製作し、各均熱板の一方の主面に絶縁層を被着するため、ガラス粉末に対してバインダーとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに700℃〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、ガラスから成る厚み200μmの絶縁層を形成し、次いで絶縁層上に発熱抵抗体を被着するため、導電材としてAu粉末とPd粉末を添加したガラスペーストを、スクリーン印刷法にて図3に示すパターン形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700℃〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの発熱抵抗体を形成し、しかるのち発熱抵抗体に給電部を導電性接着剤にて固着することにより、ウエハ加熱装置を製作した。
【0031】
そして、各ウエハ加熱装置の給電部に通電して発熱抵抗体を発熱させることにより、載置面の中央を150℃に保持し、その時の温度分布をサーモビュア(日本電子データム社製 JTG−5200型)を用いて測定したあと、通電を止めて自然冷却させ、載置面の中央が100℃に冷却されるまでの時間を測定した。なお、載置面上の温度分布の測定にあたっては、PCD200上の任意の6点の温度を測定し、それらの最大値と最小値との差を温度バラツキとして測定した。
【0032】
そして、評価にあたっては、載置面の温度バラツキが10℃以内で、かつ冷却時間が4分以内であったものを良好として判断した。
【0033】
それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0034】
【表1】
【0035】
この結果、まず、均熱板の板厚が厚くなるにつれて、載置面の温度バラツキが小さくなり、その反面、冷却時間が長くなることが判る。即ち、載置面の温度バラツキと冷却時間とは相反する特性であることが判る。そして、均熱板の板厚を2mm〜7mmとすることで、載置面の温度バラツキを10℃以内、冷却時間を4分以内とできることが判る。
【0036】
よって、均熱板の板厚は2mm〜7mmとすることが良く、好ましくは2.5mm〜4mmの範囲で形成することが良いことが判る。
【0037】
(実施例2)
次に、均熱板の板厚を4mmとし、絶縁層の厚みを異ならせるとともに、絶縁層に熱膨張係数の異なるガラスを用いる以外は実施例1と同様の条件にてウエハ加熱装置を試作し、絶縁層の耐電圧について調べる実験を行った。
【0038】
なお、各ウエハ加熱装置は、試作後に載置面の温度分布をサーモビュアで測定し、温度が高い箇所の発熱抵抗体にAuから成る導電シートを貼り付け、載置面の温度バラツキが1℃以内となるようにトリミング調整した。
【0039】
そして、耐電圧の評価は、給電部に通電する電圧値を0.5kVから順次10秒間ずつ保持しながら上げていった時の絶縁層の漏れ電流量を、耐電圧計(菊水電子工業社製:TOS5051)にて測定し、この漏れ電流量が20mAを越えた時を絶縁破壊として判断し、その時の電圧値を耐電圧とした。そして、この耐電圧が1.5kV以上であるものを良好として判断した。
【0040】
それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0041】
【表2】
【0042】
この結果、絶縁層を形成するガラスの0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が32×10-7/℃未満あるいは44×10-7/℃を越えたものは、給電部に0.5kVの電圧を印加した時に絶縁層にクラックが発生した。
【0043】
また、絶縁層を形成するガラスとして0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が32〜44×10-7/℃であっても、その厚みが100μm未満では、1.5kV以上の耐電圧を満足することができず、逆に厚みが600μmを越えると、製造過程における絶縁層の冷却時にクラックが発生した。
【0044】
これに対し、0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が32〜44×10-7/℃の範囲にあり、その厚みを100μm〜350μmとすれば、クラック等の発生がなく、1.5kV以上の耐電圧を得ることがき、十分な絶縁性を確保することができた。
【0045】
よって、絶縁層をガラスにより形成する場合、0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が32〜44×10-7/℃の範囲にあるガラスを用いるとともに、その厚みを100μm〜350μmとすれば良いことが判る。
【0046】
(実施例3)次に、熱伝導率が80W/(m・K)の炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、外径230mm、板厚4mmの円盤状をした均熱板を複数製作し、各均熱板の一方の主面に絶縁層を被着するため、ポリイミドワニス(宇部興産製:UワニスS)をスピンコーターにて厚みを変えて被着したあと、70℃の温度で乾燥させ、さらに400℃〜450℃の温度で焼き付けを行うことにより、ポリイミド樹脂から成る絶縁層を形成し、次いで絶縁層上に発熱抵抗体を被着するため、導電材としてAu粉末とPd粉末を添加したPbO系のガラスペーストを、スクリーン印刷法にて図3に示すパターン形状に印刷したあと、400℃〜450℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの発熱抵抗体を形成し、しかるのち発熱抵抗体に給電部を導電性接着剤にて固着することにより、ウエハ加熱装置を製作した。
【0047】
そして、ポリイミド樹脂から成る絶縁層の耐電圧及びフクレの有無を確認するため、まず、耐電圧の測定にあっては、給電部に通電する電圧値を0.5kVから順次10秒間ずつ保持しながら上げていった時の絶縁層の漏れ電流量を、耐電圧計(菊水電子工業社製:TOS5051)にて測定し、この漏れ電流量が20mAを越えた時を絶縁破壊として判断し、その時の電圧値を耐電圧とするとともに、フクレの測定にあっては、均熱板と絶縁層との間にフクレがないかを目視により確認した。
【0048】
そして、フクレがなく、耐電圧が1.5kV以上であるものを良好として判断した。
【0049】
それぞれの結果は表3に示す通りである。
【0050】
【表3】
【0051】
この結果、絶縁層をポリイミド樹脂にて形成する場合、その厚みを30μm〜150μmとすれば、フクレの発生がなく、また1.5kV以上の耐電圧を得ることができるため、十分な絶縁性を確保することができた。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板の一方の主面をウエハを載せる載置面とするとともに、他方の主面に絶縁層を介して発熱抵抗体と該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を具備して成り、前記絶縁層は、0℃〜200℃の温度範囲における熱膨張係数が32〜44×10 −7 /℃であるガラスから成り、その厚みを100μm〜350μmとして、あるいは、前記絶縁層は、ポリイミド樹脂から成り、その厚みを30μm〜150μmとしてウエハ加熱装置を構成したことから、均熱板での熱容量を小さくできるため、所定の処理温度に加熱するまでの時間及び所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの時間を短くすることができ、生産性を高めることができる。また、優れた熱伝導率を有するとともに、ウエハ加熱装置を製作したあとに発熱抵抗体の抵抗値を調整するトリミングを施すことができるため、載置面における温度ムラを極めて小さくすることができる。しかも、大気中の水分と反応することがないため、本発明のウエハ加熱装置を、ウエハ上へのレジスト膜の貼付に用いた時には、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、露光処理時には優れた感光精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ加熱装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のウエハ加熱装置に備える発熱抵抗体のパターン形状を示す平面図である。
【図3】本発明のウエハ加熱装置に備える発熱抵抗体の他のパターン形状を示す平面図である。
【図4】本発明のウエハ加熱装置に備える他の給電構造を示す部分断面図である。
【図5】従来のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図6】従来の他のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1:ウエハ加熱装置 2:均熱板 3:載置面 4:絶縁層 5:発熱抵抗体
6:給電部 7:支持枠 8:リフトピン W:半導体ウエハ
Claims (2)
- 板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板の一方の主面をウエハを載せる載置面とするとともに、他方の主面に絶縁層を介して発熱抵抗体及び該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を具備して成り、前記絶縁層は、0℃〜200℃の温度範囲における熱膨張係数が32〜44×10−7/℃であるガラスから成り、その厚みが100μm〜350μmであることを特徴とするウエハ加熱装置。
- 板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板の一方の主面をウエハを載せる載置面とするとともに、他方の主面に絶縁層を介して発熱抵抗体及び該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を具備して成り、前記絶縁層は、ポリイミド樹脂から成り、その厚みが30μm〜150μmであることを特徴とするウエハ加熱装置。
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