JP4325894B2 - ウエハ加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にウエハを加熱するのに用いるウエハ加熱装置に関するものであり、例えば、半導体ウエハや液晶基板あるいは回路基板等のウエハ上に半導体薄膜を生成したり、前記ウエハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体製造装置の製造工程における、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジスト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウエハ(以下、ウエハと略す)を加熱するためにウエハ加熱装置が用いられている。
【0003】
従来の半導体製造装置は、まとめて複数のウエハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていたが、ウエハの大きさが8インチから12インチと大型化するにつれ、処理精度を高めるために、一枚づつ処理する枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかしながら、枚葉式にすると1回当たりの処理数が減少するため、ウエハの処理時間の短縮が必要とされている。このため、ウエハ支持部材に対して、ウエハの加熱時間の短縮、ウエハの吸着・脱着の迅速化と同時に加熱温度精度の向上が要求されていた。
【0004】
このうち半導体ウエハ上へのレジスト膜の形成にあたっては、図4に示すような、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属からなる均熱板22の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面23とし、他方の主面には複数個のシーズヒータ25を当接させ、押さえ板24にて保持してなるウエハ加熱装置21が用いられていた。ここで、前記均熱板22は支持枠27により保持され、給電部26から供給される電力によりシーズヒータ25を発熱させることにより均熱板22の温度を調整するようになっていた。
【0005】
そして、ウエハ加熱装置21の載置面23に、レジスト液が塗布されたウエハWを載せたあと、シーズヒータ25を発熱させることにより、均熱板22を介して載置面23上のウエハWを加熱し、レジスト液を乾燥焼付けしてウエハW上にレジスト膜を形成するようになっていた。
【0006】
ところが、図4に示すウエハ加熱装置21では、均熱板22の熱変形を抑える観点からその板厚を15mm以上と非常に厚くしているため熱容量が大きく、ウエハWを所定の処理温度に加熱するまでの時間や処理温度から室温付近に冷却するまでの時間が長くなり、生産性が悪かった。
【0007】
そこで、成膜処理やエッチング処理では、図5に示すようなウエハ加熱装置31が用いられている。これは、アルミナ、窒化珪素、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする板状セラミック体32内に発熱抵抗体33を埋設し、前記板状セラミック体32の一方の主面をウエハWの載置面34とするとともに、他方の主面に発熱抵抗体33と電気的に接続された給電部35を具備してなる。
【0008】
また、レジスト膜形成用のウエハ加熱装置に関しては、図6に示すように、板厚が2mm〜7mmである炭化珪素質焼結体からなる均熱板2の一方の主面をウエハの載置面3とするとともに、他方の主面に絶縁層4を介して発熱抵抗体5および該発熱抵抗体5と電気的に接続される給電部6を設けてウエハ加熱装置を構成したものが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示すウエハ加熱装置31では、均熱板32の中央に筒状支持部36を有する構造であるため、筒状支持部36の熱引きの影響が大きく、高い精度で均熱板32の温度を調整することが困難であった。また、前記筒状支持部36の熱引きの影響を小さくするためには、均熱板32をある程度厚くする必要があり、加熱冷却のサイクルに時間を要するという課題があった。
【0010】
一方、図6に示すウエハ加熱装置1の場合は均熱板2を金属製の支持体7に固定する場合に均熱板2が変形したり、使用時の熱サイクルにより疲労して均熱板2にクラックが発生するという問題は同様であり、特に、熱サイクルに関しては、使用温度が500℃以上と高い分影響が大きかった。
【0011】
さらに、例えば図5に示すウエハ加熱装置31において、アルミナや窒化珪素を主成分とする絶縁性セラミックスを用いると、熱伝導がそれほど良くないため、載置面34の温度ばらつきが比較的大きくなるという課題もあった。
【0012】
その為、板状セラミック体32がアルミナや窒化珪素を主成分とする絶縁性セラミックスよりなるウエハ加熱装置31を用いて、ウエハW上にレジスト膜を貼付けるためにウエハWを加熱すると、▲1▼温度ムラのために乾燥焼付けされるレジスト膜の組織が粗くなる、▲2▼露光処理時におけるレジスト膜の感光精度が悪くなるのでパターン形状が不均一なものとなる、といった課題があり、近年要求されている微細な配線を高密度に形成することは難しかった。
【0013】
また、図6に示すウエハ加熱装置において、均熱板2の表面に形成された給電部6と導通端子の接続部をロウ材等で接合すると、均熱板2とその支持体7の間の温度差による寸法変化に起因する熱応力により、ロウ付け部が破壊し接触不良を起こすという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題について鋭意検討した結果、セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、前記均熱板の外周を支持体に保持してなるウエハ加熱装置において、前記支持体の内側に多層構造部を有し、さらに該多層構造部前記均熱板を冷却するためのガス噴射口が設置され、前記多層構造部にその面積の5〜70%の開口部を形成したウエハ加熱装置とすることにより、上記課題を解決した。
【0015】
また、前記支持体の前記多層構造部のうち前記均熱板側の層に、前記ガス噴射口設置されているときには、例えばウエハ加熱装置の温度変更時の温度が安定するまでの時間を短縮することが可能となる。また、前記均熱板の前記給電部に導通端子を、押圧して接触させることが好ましい。
【0016】
さらに、レジスト膜形成用のウエハ加熱装置として使用する場合は、前記均熱板の主成分を炭化珪素とすることにより、アンモニアガス等により悪影響を受けずにレジスト膜を形成することができる。
【0017】
また、SOG膜や半導体薄膜形成用の半導体製造装置のように、500〜800℃の温度で使用する可能性のある装置では、前記均熱板の主成分を、熱伝導率が高い窒化アルミニウムとすることにより、均熱性の良好なウエハ加熱装置とすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は本発明に係るウエハ加熱装置の一例を示す断面図で、炭化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなる均熱板2の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面にガラスまたは樹脂等からなる絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成したものである。
【0020】
発熱抵抗体5のパターン形状としては、円弧状の電極部と直線状の電極部とからなる略同心円状をしたものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改善するため、発熱抵抗体5を複数のパターンに分割することも可能である。
【0021】
なお、均熱板2は金属製の支持体7に、その開口部を覆うように設置してある。金属製の支持体7は、側壁部9と多層構造部10を有し、該多層構造部10には、その面積の5〜70%にあたる開口部14が形成されている。また、該多層構造部10には、必要に応じて他に、均熱板2の発熱抵抗体5に給電するための給電部6と導通するための導通端子11、均熱板2を冷却するためのガス噴射口12、均熱板2の温度を測定するための熱電対13を設置する。
【0022】
多層構造部10は、2層以上とすることが好ましい。これを1層とすると、均熱となるのに時間がかかり好ましくない。なお、多層構造部10の最上層のものは、均熱板2から5〜15mmの距離に設置することが望ましい。これにより、均熱板2と多層構造部10相互の輻射熱により均熱化が容易となり、また、他層との断熱効果があるので、均熱となるまでの時間が短くなる。また、冷却時は、ガス噴射口12から均熱板2の表面の熱を受け取ったガスが、順次層外に排出され、新しい冷却ガスが均熱板2の表面を冷却できるので、冷却時間が短縮できる。
【0023】
また、支持体7内に昇降自在に設置されたリフトピン8により、ウエハWを載置面3上に載せたり載置面3より持ち上げたりといった作業がなされる。そして、ウエハWは、ウエハ支持ピン17により載置面から浮かした状態で保持され、片当たり等による温度バラツキを防止するようにしている。
【0024】
そして、このウエハ加熱装置1によりウエハWを加熱するには、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで運ばれたウエハWをリフトピン8にて支持したあと、リフトピン8を降下させてウエハWを載置面3上に載せる。
【0025】
次に、給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶縁層4および均熱板2を介して載置面3上のウエハWを加熱するのであるが、本発明によれば、支持体7に多層構造部10を備えているため、均熱板2に近接した多層構造部10を均熱板2の熱の輻射板として活用できるので、均熱板2を有効に短時間で均熱化することができる。さらに、均熱板2を炭化珪素質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体により形成してあることから、熱を加えても変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間および所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性を高めることができるとともに、50W/m・K以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵抗体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ばらつきを極めて小さくすることができる。
【0026】
また、均熱板の構造として、図2に示すように、発熱抵抗体5を内蔵するものを用いても構わない。
【0027】
均熱板2の厚みは、2〜7mmとすることが好ましい。均熱板2の厚みが2mmより薄いと、均熱板2の強度が弱くなり発熱抵抗体5の発熱による加熱時、空気噴射口12からのガス吹き付けによる冷却時の熱応力に耐えきれず、均熱板2にクラックが発生する。また、均熱板2の厚みが7mmをえると、均熱板2の熱容量が大きくなるので加熱および冷却時の温度が安定するまでの時間が長くなってしまい好ましくない。
【0028】
このように、均熱板2の熱容量を小さくすると、支持体7からの熱引きにより均熱板2の温度分布が悪くなる。そこで、支持体7が均熱板2をその外周部で保持する構造としている。
【0029】
また、均熱板2を冷却する際は、ガス噴射口12から均熱板2の表面にガスを噴射し冷却効率を向上させる。ガス噴射口12の数は、できるだけ多く設ける方が全体を均一に冷却する上で好ましいが、4〜15個程度とするのがよい。ガスの種類としては、定圧熱容量の大きなものを使用することが冷却には有利であるが、安全性の面から、空気もしくは炭酸ガスを用いることが好適である。また、ガスの流量は、1〜100×10-33/分とすることが好ましい。
【0030】
また、ここで供給されたガスを外に排出するために、前記支持体7の多層構造部10には、その面積の5〜70%の開口部14が形成されている。この開口部14の面積が5%未満であると、支持体7の容積の中でガス噴射口12から吐出されるガスと排出されるべきガスが混合されて、冷却効率が低下してしまう。また、開口部14の面積が70%をえると、導通端子11やガス噴射口12を保持するスペースが不足するとともに強度が不足して、導通端子11の給電部6への押圧力が安定せず、断続使用時の耐久性が悪くなる。
【0031】
また、多層構造部10の各層間は、必要に応じて層間に設けた支柱(不図示)により補強する。
【0032】
そして、前記開口部14を多層構造部10に設けるのは、ここから排出されるガスがウエハWの載置面側に漏れないようにするためである。図1に示すように、支持体7は、ガス噴射口12とウエハの載置面3が分離されるように、ウエハ加熱装置1に設置されている。側壁9に開口部14を設け、さらにガスを透過させないカバーを形成して、載置面3側にガスが漏れないような構造とすることも可能であるが、装置が大きくなり形が複雑になるので、好ましくない。
【0033】
また、発熱抵抗体5への給電方法については、支持体7に設置した導通端子11を均熱板2の表面に形成した給電部6にバネで押圧することにより接続を確保し給電する。これは、2〜7mmの厚みの均熱板2に金属からなる端子部を埋設して形成すると、該端子部の熱容量により均熱性が悪くなるからである。そのため、本発明のように、導電端子11をバネで押圧して電気的接続を確保することにより、均熱板2とその支持体7の間の温度差による熱応力を緩和し、高い信頼性で電気的導通を維持できる。さらに、接点が点接触となるのを防止するため、弾性のある導体を中間層として挿入しても構わない。単に箔状のシートを挿入するだけでも効果がある。そして、導通端子11の給電部6側の径は、1.5〜4mmとすることが好ましい。
【0034】
ここで、導通端子11の断面図の一例を図3に示した。導通端子11の端子部41は、給電部6を外套45に内蔵されたバネ43により押圧するように設置されている。また、端子部41の後端部には、電源から電力を供給するリード線が接続される接点44が形成されている。また、この通電端子11は、ネジ4により多層構造部10に固定されている。なお、端子部41の材質としては、その使用温度により、真鍮、ステンレス等の材料を使用することができる。また、外套45およびネジ4については、電気絶縁性のPEEK材(ポリエトキシエトキシケトン樹脂)、もしくはセラミックス製のものを使用することができる。また、バネ43としては、ステンレス、インコネル(登録商標)等の材質のものを使用することができる。また、端子部の構造は、図3に限定されることはなく、端子部41とバネ43を組み合わせた、多様な形状のものを使用して構わない。
【0035】
また、均熱板2の温度は、均熱板2にその先端が埋め込まれた熱電対13により測定する。熱電対13としては、その応答性と保持の作業性の観点から、外径1.0mm以下のシース型の熱電対13を使用することが好ましい。また、均熱板2に埋め込まれた先端部に力が掛からないように熱電対13の途中が支持部7の多層構造部10に保持されている。この熱電対13の先端部は、均熱板2に孔が形成され、この中に設置された円筒状の金属体の内壁面にバネ材により押圧固定することが測温の信頼性を向上させるために好ましい。
【0036】
さらに、レジスト膜形成用のウエハ加熱装置1として使用する場合は、均熱板2の主成分を炭化珪素にすると、大気中の水分等と反応してガスを発生させることもないため、ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な配線を高密度に形成することが可能である。この際、焼結助剤に水と反応してアンモニアやアミンを形成する可能性のある窒化物を含まないようにすることが必要である。
【0037】
なお、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体は、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を添加したり、もしくはアルミナ(Al23)イットリア(Y23)のような金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に加工したのち、1900〜2100℃で焼成することにより得られる。炭化珪素はα型を主体とするものあるいはβ型を主体とするもののいずれであっても構わない。
【0038】
また、均熱板2を形成する窒化アルミニウム質焼結体は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤としてY23やYb23等の希土類元素酸化物と必要に応じてCaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜2100℃で焼成することにより得られる。
【0039】
さらに、均熱板2の載置面3と反対側の主面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくことが好ましい。
【0040】
一方、炭化珪素質焼結体を均熱板2として使用する場合、半導電性を有する均熱板2と発熱抵抗体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラスまたは樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下回り絶縁性が保てず、逆に厚みが350μmをえると、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくなる。そのため、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁層4の厚みは100μm〜350μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの範囲で形成することが良い。
【0041】
また、均熱板2を、窒化アルミニウムを主成分とするセラミック焼結体で形成する場合は、均熱板2に対する発熱抵抗体5の密着性を向上させるために、ガラスからなる絶縁層4を形成する。ただし、発熱抵抗体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
【0042】
この絶縁層4を形成するガラスの特性としては、結晶質または非晶質のいずれでも良く、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均熱板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5〜+5×10−7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時においてクラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
【0043】
次に、絶縁層4に樹脂を用いる場合、その厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5に例えばレーザ加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4を傷付け、絶縁層4として機能しなくなる。逆に厚みが150μmをえると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤や水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと呼ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により熱伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害される。そのため、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層4の厚みは30μm〜150μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは60μm〜150μmの範囲で形成することが良い。
【0044】
また、絶縁層4を樹脂により形成する場合、200℃以上の耐熱性と発熱抵抗体5との密着性を考慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることが好ましい。
【0045】
なお、ガラスや樹脂からなる絶縁層4を均熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペーストまたは樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペーストの場合は600℃の温度で、樹脂ペーストの場合は300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体からなる均熱板2を1200℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化処理しておくことで、ガラスからなる絶縁層4との密着性を高めることができる。
【0046】
さらに、絶縁層4上に被着する発熱抵抗体5としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法にて直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウム(Re)、ランタンマンガネート(LaMnO)等の導電性の金属酸化物や記金属材料を樹脂ペーストやガラスペーストに分散させたペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリーン印刷法等にて印刷したあと焼付けて、前記導電材を樹脂やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マトリックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0047】
ただし、発熱抵抗体5に銀または銅を用いる場合、マイグレーションが発生するがあるため、このような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4と同一の材質からなる保護膜を30μm程度の厚みで被覆しておけば良い。
【0048】
図1では、発熱抵抗体5に対し、給電部6において導通端子11を不図示のスプリングで押しつけて導通を確保するようにしている。給電部6は、発熱抵抗体の端子部に導電性接着剤を塗布、硬化させることにより形成しても構わない。
【0049】
また、これまで、発熱抵抗体5を均熱板2の表面に形成するタイプのウエハ加熱装置1について説明してきたが、発熱抵抗体5は、均熱板2に内蔵されていても構わない。図2を例にして説明すると、例えば主成分が窒化アルミニウムからなる均熱板2を用いる場合、まず、発熱抵抗体5の材料としては窒化アルミニウムと同時焼成できる材料という観点から、WもしくはWCを用いる。均熱板2は、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤を適宜含有する原料を十分混合したのち円盤状に成形し、その表面にWもしくはWCからなるペーストを発熱抵抗体5のパターン形状にプリントし、その上に別の窒化アルミニウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中1900〜2100℃の温度で焼成することにより得ることができる。また、発熱抵抗体5からの導通は、窒化アルミニウム質基材にスルーホール19を形成し、WもしくはWCからなるペーストを埋め込んだ後焼成するようにして表面に電極を引き出すようにすれば良い。また、給電部6は、ウエハWの加熱温度が高い場合、Au、Ag等の貴金属を主成分とするペーストを前記スルーホール19の上に塗布し900〜1000℃で焼き付けることにより、内部の発熱抵抗体5の酸化を防止することができる。
【0050】
【実施例】
実施例 1
熱伝導率が80W/m・Kの炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、板厚4mm、外径230mmの円盤状をした均熱板2を複数製作し、各均熱板2の一方の主面に絶縁層を被着するため、ガラス粉末に対してバインダーとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、ガラスからなる厚み200μmの絶縁層4を形成した。次いで絶縁層4上に発熱抵抗体5を被着するため、導電材としてAu粉末とPd粉末を添加したガラスペーストを、スクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの発熱抵抗体5を形成した。発熱抵抗体5は中心部と外周部を周方向に4分割した5パターン構成とした。しかるのち発熱抵抗体5に給電部6を導電性接着剤にて固着させることにより、均熱板2を製作した。
【0051】
また、支持体7は、主面の30%に開口部14を形成した厚み2.5mmのSUS304からなる2枚の多層構造体10を準備し、この内の1枚に、12個のガス噴射口12、熱電対13、10本の導通端子11を所定の位置に形成し、同じくSUS304からなる側壁部9とネジ締めにて固定して支持体7を準備した。
【0052】
その後、前記支持体7の上に、均熱板2を重ね、その外周部をネジ締めすることによりウエハ加熱装置1とした。
【0053】
また、同時にガス噴射口12を形成しないものと、多層構造部10に3%、5%、10%、25%、50%、70%、75%の開口部14を形成したウエハ加熱装置1を準備した。
【0054】
そして、各ウエハ加熱装置1の給電部6に通電して250℃保持時のウエハW表面の温度バラツキを±0.5℃となるように調整し、250℃に保持した後、150℃まで温度が低下安定し、ウエハW表面の温度バラツキが±0.5℃となるまでの時間を評価した。ウエハW表面の温度バラツキは、ウエハWの表面に中心と、ウエハ半径Aに対し1/3Aと2/3Aの半径で90度毎に合計9点の熱電対を設置して、測温した。また、250℃保持時のウエハWの表面の温度バラツキを±0.5℃となるように調整し、250℃保持30分、50℃保持30分のサイクルを500サイクル繰り返した後のウエハWの表面の温度バラツキを調べた。
【0055】
それぞれの評価基準としては、ガス噴射口12を形成しないものの前記冷却時間90分に対し、冷却時間を45分以下に半減できるものをOKとした。また、サイクルテスト後の温度バラツキが1℃以内であるものをOKとした。
【0056】
それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0057】
【表1】
Figure 0004325894
【0058】
表1から判るように、まず、ガス噴射口12を形成しないNo.1は、250℃から150℃に安定するまでに90分の時間を要した。これに対し、ガス噴出口を設けたNo.2〜1は、冷却時間を60%以下に低減することができた。しかしながら、多層構造部10の開口部14の開口率が3%であるNo.2は、冷却が不十分で前記冷却時間が55分となった。これに対し、多層構造部10の開口部14の開口率を5%以上としたNo.3〜1は、前記冷却時間を30分以内に短縮できた。
【0059】
一方、サイクルテスト後の温度バラツキの評価については、多層構造部10の開口部14の開口率を75%としたNo.10は、導通端子11保持部と均熱板2の温度差による応力による変形や擦れが発生し導通端子11の接点の信頼性が低下し、温度分布が大きくなってしまうので好ましくない。
【0060】
これに対し、多層構造部10の開口部14の開口率を5〜70%にしたものは、均熱板2の冷却時の均熱化を早く達成でき、且つ耐久テスト後の温度バラツキの拡大を防止することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、記均熱板の外周を支持体に保持してなるウエハ加熱装置において、前記支持体の内側に多層構造部を有し、さらに該多層構造部に均熱板を冷却するためのガス噴射口が設置され、前記多層構造部にその面積の5〜70%の開口部を形成することにより、加熱、冷却時の温度が安定するまでの時間を短縮できるようになった。
【0062】
これにより、半導体素子の製造工程において、例えば、ウエハ表面に均一なレジスト膜を形成したり、均一な半導体薄膜を形成したり、また、均一なエッチング処理を施すことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウエハ加熱装置の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のウエハ加熱装置の導通端子の断面図である。
【図4】 従来のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図5】 従来のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図6】 従来のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1:ウエハ加熱装置
2:均熱板
3:載置面
4:絶縁層
5:発熱抵抗体
6:給電部
7:支持体
8:リフトピン
9:側壁部
10:多層構造部
12:ガス噴射口
W:半導体ウエハ

Claims (4)

  1. セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に発熱抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、記均熱板の外周を支持体に保持してなるウエハ加熱装置において、前記支持体の内側に多層構造部を有し、さらに該多層構造部前記均熱板を冷却するためのガス噴射口が設置され、前記多層構造部にその面積の5〜70%の開口部を形成したことを特徴とするウエハ加熱装置。
  2. 前記支持体の前記多層構造部のうち前記均熱板側の層に、前記ガス噴射口が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加熱装置。
  3. 前記均熱板の前記給電部に導通端子を、押圧して接触させたことを特徴とする請求項1に記載のウエハ加熱装置。
  4. 前記セラミックスが、炭化珪素または窒化アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加熱装置。
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