JP3921143B2 - ウエハ加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、半導体の製造用や検査用の装置として用いられるホットプレート、静電チャック、ウエハプローバなどを構成するウェハ加熱装置及びこれを用いた半導体製造検査装置に関し、特に、設定温度変更時の冷却速度が速い半導体製造・検査装置を構成するウェハ加熱装置及び半導体製造・検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品は、種々の産業において必要とされる極めて重要な製品であり、その代表的製品である半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハ上に種々の回路等を形成することにより製造される。
【0003】
この種の回路等を形成するには、シリコンウエハ上に、感光性樹脂を塗布し、これを露光、現像処理した後、ポストキュアさせたり、スパッタリングにより導体層を形成する工程が必要である。このためには、シリコンウエハを加熱する必要がある。
【0004】
かかるシリコンウエハを加熱するためのヒータとして、従来から、アルミニウム製の基板の裏側に電気的抵抗体等の抵抗発熱体を備えたものが多用されていたが、アルミニウム製の基板は、厚さ15mm程度を要するので、重量が大きくなり、また、嵩張るために取扱いが容易ではなく、さらに、通電電流に対する温度追従性という観点でも温度制御性が不充分であり、シリコンウエハを均一に加熱することは容易ではなかった。
【0005】
そこで、最近では、窒化アルミニウムや炭化珪素等のセラミックを基板として用いたセラミックヒータが開発されている。これらのヒータでは、曲げ強度等の機械的特性に優れるため、その厚さを薄くすることができ、また、熱容量を小さくすることができるため、温度追従性等の諸特性に優れる。
【0006】
ところで、近年の半導体製品の製造においては、スループットに要する時間の短縮が要求されており、昇温時間のみならず、冷却時間を短縮したいとの強い要請がある。そこで、半導体製造・検査装置では、通常ヒータとして機能するセラミックからなる均熱板を支持容器に設置し、この均熱板の冷却を行う際には、例えば、特開2001−203068号公報に示されるように、支持容器としてのケーシング内部に流体を流通可能な空間が設けられ、中底板に開口が設けられた構造(図10)としたり、また、特開2002−164157号公報や特開2002−64133号公報に示されるように、セラミックからなる均熱板を支持する支持容器の底面に複数の開口が形成された構造(図11)で、均熱板と支持容器で囲まれた空間に気体を緩やかに流通させることにより均熱板を冷却する方法が紹介されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体生産効率の向上の為、Φ300mm以上の大型ウエハを用いたプロセスが主流になりつつあり、それに伴いウェハ加熱装置も大型化されつつあるが、スループット時間短縮の要求は益々高まっており、特開2001−203068号公報や特開2002−64133号公報に記載されているような、均熱板と支持容器との間に緩やかに気体を流し冷却する方法では十分な冷却速度を確保できない事が判った。
【0008】
また、半導体の配線ルールの微細化に伴い、種々のレジスト膜が開発され、多様な温度での熱処理が必要になってきた。処理速度の短縮は製造上の重要な課題であり、そのためにはウェハ加熱装置の温度変更時間の短縮は極めて重要である。
【0009】
ウェハ加熱装置を高い温度へ温度変更するには、抵抗発熱体の加熱により温度制御しながらの変更であり安定かつ短時間で変更することが可能である。しかし、低い温度へ温度変更するには降温を伴うことから冷却ガスを均熱板に吹き付ける等の手法による強制冷却が必要であり、また、冷却時の温度ばらつきを小さくすることがスループット時間の短縮に極めて重要である。
【0010】
しかし、先に示した従来の加熱装置では、冷却ガスの流れの制御が十分でない為、冷却中の温度バラツキが大きくなるとともに、温度バラツキが所望のレベル以内に小さくなるまでに時間がかかり、速やかに次のウエハ処理が行えないという問題があった。
【0011】
図10に示す従来の構造では、均熱板とケーシングの間に気体流通可能な空間を設け、その中に冷却ガスを緩やかに流通させ、均熱板に略平行に冷却ガスが流れる事により均熱板の熱を奪い冷却する手法を取っていた。しかしながらこの方法では半導体プロセスにおけるスループットの改善の為に要求される冷却速度を達成することは出来なかった。
【0012】
また、従来の構造の冷却ガスの流れは図8、9に示すように、均熱板に当たる冷却ガスの流速が小さいことから、均熱板に当たった冷却ガスは均熱板に平行に流れ、均熱板と冷却ガスの摩擦により、その均熱板と冷却ガスの界面に流速が小さな薄い層が発生し、この薄い層が冷却ガスと均熱板の間の熱交換を妨げる断熱ガス層となり、均熱板の冷却速度が遅くなるとの問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題について鋭意検討した結果、セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に抵抗発熱体を有するとともに、該抵抗発熱体に電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、前記均熱板を冷却するためのガス噴射口を複数備えたウエハ加熱装置において、前記ガス噴射口が前記均熱板に対して80〜100°の角度で設置され、前記ガス噴射口と前記均熱板の距離が0.2〜3mmであり、かつ前記ガス噴射口を有するノズルの前記均熱板に近接する対向面の面積が80mm以下であり、冷却ガスの総流量(リットル/分)を前記ガス噴射口の総面積(mm)で除した冷却ガスの流速F0と、前記均熱板の面積S0と前記ガス噴射口の数Nとの関係が2≦(S0/N)/F0≦28で、かつN≧4であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るウエハ加熱装置1の例を示す断面図で、炭化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなる均熱板2の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面にガラス又は樹脂等からなる絶縁層4を介して抵抗発熱体5を形成したものである。特に図示しないが、抵抗発熱体5はセラミックスに埋設されたものであってもかまわない。
【0015】
抵抗発熱体5のパターン形状としては、円弧状の電極部と直線状の電極部とからなる略同心円状をしたものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改善するため、抵抗発熱体5を複数のパターンに分割することも可能である。
【0016】
抵抗発熱体5には、金や銀、パラジウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給電部6に導通端子11を弾性体27により押圧して接触させることにより、導通が確保されている。また、導通端子は半田付けやロー付けなどにより発熱体に直接接合されたものであっても差し支えない。
【0017】
金属製の支持体7は側壁部9とベースプレート10を有し、均熱板2はそのベースプレート10に対向する上部を覆うように設置してある。また、ベースプレート10には冷却ガスを排出するための開口部14が施されており、均熱板2の抵抗発熱体5に給電するための給電部6に導通するための導通端子11、均熱板2を冷却するためのガス噴射口12、均熱板2の温度を測定するための温度センサー13を設置してある。
【0018】
また、均熱板2と支持体7の外周にボルト16を貫通させ、均熱板2と支持体7が直接当たらないように、断熱部17を介在させ、ベースプレート10に固定部材20を用いて、支持部材15、弾性体18を介在させてナット19を螺着することにより弾性的に固定している。これにより、均熱板2の温度が変動した場合に支持体7が変形しても、上記弾性体18によってこれを吸収し、これにより均熱板2の反りを抑制し、ウエハ表面に、均熱板2の反りに起因する温度ばらつきが発生することを防止できるようになる。
【0019】
本発明においては、ガス噴射口12と均熱板2との距離Lが0.2〜3mmであり、かつガス噴射口12を有するノズルの均熱板2に近接する対向面の面積が80mm2以下であり、冷却ガスの総流量(リットル/分)をガス噴射口12の総面積(mm2)で除した流速F0と、均熱板2の面積S0と、ガス噴射口12の数Nとの関係が2≦(S0/N)/F0≦28、かつN≧4であることを特徴とする。
【0020】
均熱板の熱を冷却ガスで効率良く取り除くには、前記の断熱ガス層を取り除くことが重要である。この断熱ガス層を取り除く為には、均熱板に冷却ガスをより速い速度で衝突させ、衝突して熱を奪った冷却ガスが阻害されることなくすぐにその部分から排出されることが必要である。具体的には、均熱板2の面積S0に対するガス噴射口12の数Nと冷却ガスの流速F0の関係を限定すると効率よく冷却速度を高められる事が判った。
【0021】
より高速で冷却ガスを均熱板2に衝突させるためには、均熱板2とガス噴射口12との距離Lが重要であり、0.2〜3mmとすることが望ましい。このように配置すると噴射された冷却ガスは、図2,3に示すように極端に速度低下することなく断熱ガス層を破壊するに十分な速度で均熱板2に直接衝突するので効率よく熱を奪うことが出来る。図2の様に冷却ガスが長い直線部30aを通過してガス噴射口12から飛び出すと冷却ガスの直進性が優れ、ガス噴射口12から離れても速度の大きな冷却ガスを均熱板に衝突させることができる。また、図3の様に冷却ガスだまり30bを設けると冷却ガスの流れが整流され、ガス噴射口12から直線性の優れた冷却ガスを噴射することができることから好ましい。
【0022】
均熱板2とガス噴射口12との距離Lが0.2mmより小さいと噴射され均熱板2に衝突したガスの吹き返しがガスの噴射を阻害し、効率が落ちてしまう。逆に均熱板2とガス噴射口12との距離Lが3mmより大きいと噴射ガスは拡散してしまい、均熱板2に衝突する際の流速が低下し、断熱ガス層を破壊できず冷却効率が著しく低下する。より望ましくは0.2〜2mmがよい。
【0023】
尚、図8、9は、従来の特開2001−203068号公報や特開2002−50573号公報、特開2002−164157号公報に示された従来のガス噴射口であり、均熱板2とガス噴射口との距離Lが3mmを越えて大きく均熱板2を冷却する効率が悪かった。
【0024】
また、ガス噴射口12を有するノズル30の均熱板2に近接する対向面30cの面積が80mm2以下である事が望ましい。対向面30cの面積が80mm2を越えると均熱板2から反射した冷却ガスが対抗面30cに衝突する量が多くなり冷却ガスの排出が阻害され冷却速度が遅くなる。また、対向面30cからの熱輻射により均熱板2の均熱性が阻害されることから好ましくない。
【0025】
尚、対向面30cとは図2に示すようにガス噴射口12の周辺に広がるノズル30の端面である。
【0026】
また、冷却ガスの総流量(リットル/分)をガス噴射口12の総面積(mm2)で除した冷却ガスの流速F0と、均熱板の面積S0とガス噴射口12の数Nとの関係が2≦(S0/N)/F0≦28であり、かつN≧4とすることが望ましい。
【0027】
尚、ガス噴射口12とは、ガスが噴射されるノズル30の開口部であり、該開口部の面積をガス噴射口12の面積とした。
【0028】
上述のごとく、均熱板2に衝突する冷却ガスの流速は極めて重要なファクターであり、これは冷却ガスの流量とガス噴射口12の口径に左右される、またいくら冷却ガスの流速が速くても、均熱板2に対して噴射口12が少なければ冷却速度は均熱板の熱伝導に依存することになり効率が悪い。従ってガス噴射口12は4箇所以上とすることが望ましい。そして、均熱板2の面積S0と噴射口12の数Nと冷却ガス流速との関係は、4≦(S0/N)/F0≦28であることが望ましい。
【0029】
(S0/N)/F0が28より小さければ前記断熱ガス層を破壊するの十分な冷却ガス流速が確保されるため必要な冷却効率を満たす事ができる。(S0/N)/F0が28を越えると冷却ガス流速が小さくなりすぎて断熱ガス層を破壊できず冷却効率が著しく低下する。
【0030】
また、(S0/N)/F0が4以上であることが望ましい。(S0/N)/F0が4を下回るとガス流量が大きくなり過ぎて、それを得るためにガス噴射口12に供給する冷却ガスの圧力が極めて大きくなり、一般的な圧縮機で確保出来る大きさを超えてしまい実用的でない。また、仮にそうした供給冷却ガスの圧力が得られたとしても、冷却ガスの流量が大きくなり過ぎて一度に多数のウェハ加熱装置を運転することができず、設備費用が膨大となり好ましくない。
【0031】
ガス噴射口12の配置については、図4〜6に示すように、均熱板2の中心からひとつ以上の略同一半径の円周上に複数個のガス噴射口12を略均等に配置することが望ましい。そうすることで均熱板2の冷却時の温度ムラを抑制することが出来る。
【0032】
一般的な冷却ガス圧縮機のガス圧力において、断熱ガス層を破壊するに必要な冷却ガス流速を確保するためには、ガス噴射口12の口径を0.5〜3.0mmとすることが望ましい。ガス噴射口12の口径が3.0mmを越えると流速が遅くなりすぎて冷却効率が著しく低下する。逆に0.5mm以下では口径が小さすぎて圧力損失が大きく冷却ガスの流量が小さくなり、冷却効率が低下し好ましくない。
【0033】
また、ガス噴射口12の開口部に1mm以上のストレート部を有することが望ましい。そうすることで噴射されてガスが広がることなく流速が低下しないため冷却効率がよい、逆にストレート部が1mmより小さいと図8、9に示すように噴射直後に冷却ガスが広がり均熱板2に衝突する冷却ガスの流速が低下し冷却効率が低下し好ましくない。
【0034】
更に、噴射口12は均熱板2に対して、80〜100°の角度で設置されていることが必要である。すると噴射された冷却ガスが均熱板2に強く衝突することになり断熱ガス層を破壊し効率よく冷却できる。噴射口12が均熱板2に対して80°未満、又は100°を越えると、噴射された冷却ガスは均熱板2に斜めに当たり、均熱板2に平行に進むことから均熱板2の表面に断熱ガス層が形成され冷却効率が低下し好ましくない。
【0035】
ガス噴射口12は、ステンレス(Fe−Ni−Cr合金)、ニッケル(Ni)等の耐酸化性金属や、一般鋼(Fe)、チタン(Ti)にニッケルメッキやニッケルメッキ上に金メッキを重ねて耐酸化処理を施した金属材料を用いる。または、ジルコニア(ZrO2)などのセラミックスを用いることがよい。このようなガス噴射口12は、熱による酸化で噴射口の内径が変化することなく流速を安定させられるし、ウエハ熱処理に有害なガスやパーティクルの発生のない信頼性の高いウエハ加熱装置とすることが出来る。
【0036】
また、抵抗発熱体5の一部または全部の表面に、厚み40〜400μmのコート層29を設けることが望ましい。具体的には、ガス噴射口12から噴射された冷却ガスを長期間当て続けた場合に、冷却ガスによって抵抗発熱体5内の導電体粒子が脱落してしまう虞があり、抵抗発熱体5の膜厚が徐々に薄くなり抵抗発熱体5の抵抗値が大きくなり、最終的には断線に至ってしまう。このような不具合を防止するために、抵抗発熱体5を覆うようにコート層29を形成してあるが、コート層29の厚みが薄いとパターンニングされた抵抗発熱体5の凹凸を吸収できず抵抗発熱体5が部分的に露出してしまうがあることから、コート層29の厚みは40μm以上とすることが望ましい。またコート層29が極端に厚い場合には均熱板2材質との熱膨張率の差があるために、その厚みが厚いほど、均熱板2に変形が生じてしまうので400μm以下とすることが好ましい。特に厚みを50〜150μmとすることで、保護層の役割を十分に果たし、均熱板2の変形量も小さく安定して製造できる。
【0037】
コート層29を設ける領域は、抵抗発熱体5の給電部6を除く全ての面でも良いし、図7に示すように冷却ガスの噴射中心から半径3.0mm程度の部分的なものであっても良い。本発明の冷却ガスが加熱された均熱板2の熱を最も効率よく奪い取る領域は、略垂直に冷却ガスが均熱板2にぶつかる領域であり、ガス噴射口12の口径の約2倍程の面積となるからである。従ってこの領域さえコートされていれば抵抗発熱体5の脱落等の著しい劣化は起こらない。
【0038】
また、万が一冷却ガスに油分や水分などの不純物が混入していた場合でも直接抵抗発熱体5にダメージを与えることを防止できるが、冷却ガスをクリーンフィルターなどを通し不純物を除去することで更に信頼性を高める事が出来るのは言うまでもない。
【0039】
また、ここで供給された冷却ガスを外に排出するために、前記支持体7のベースプレート10には、その面積の5〜70%の開口部14が形成されている。この開口部14の面積が5%未満であると、支持体7の容積の中でガス噴射口12から噴射されるガスと排出されるべきガスが混合されて、冷却効率が低下してしまう。また、開口部14の面積が70%を越えると、導通端子11やガス噴射口12を保持するスペースが確保できなくなる。また支持体7の強度が不足して、均熱板2の平坦度が大きくなり均熱性、特に昇温時などの過渡的な均熱性が悪くなる。
【0040】
このように、ベースプレート10に開口部14を設けることにより、冷却時はガス噴射口12から噴射された冷却ガスが均熱板2の表面の熱を奪い、支持体7の内部に滞留することなく開口部から順次ウェハ加熱装置1外に排出され、ガス噴射口12から噴射される新しい冷却ガスで均熱板2の表面を効率的に冷却できるので冷却時間短縮することができる。
【0041】
また、支持体7内に昇降自在に設置されたリフトピン23により、ウエハWを載置面3上に載せたり載置面3より持ち上げたりといった作業がなされる。そして、ウエハWは、ウエハ支持ピン8により載置面3から浮かした状態で保持され、片当たり等による温度バラツキを防止するようにしている。
【0042】
そして、このウエハ加熱装置1によりウエハWを加熱するには、搬送アーム(不図示)にて載置面3の上方まで運ばれたウエハWをリフトピン8にて支持したあと、リフトピン8を降下させてウエハWを載置面3上に載せる。
【0043】
さらに、均熱板2を炭化珪素質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体により形成してあることから、熱を加えても変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性を高めることができるとともに、均熱板2は50W/(m・K)以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも抵抗発熱体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ばらつきを極めて小さくすることができる。
【0044】
また、他の実施形態として、図示しないが抵抗発熱体5を均熱板2に埋設するものを用いても構わない。
【0045】
均熱板2の厚みは、2〜7mmとすることが好ましい。均熱板2の厚みが2mmより薄いと、均熱板2の強度が弱くなり抵抗発熱体5の発熱による加熱時、ガス噴射口12からの冷却流体を吹き付けた際に、冷却時の熱応力に耐えきれず、均熱板2にクラックが発生する場合がある。また、均熱板2の厚みが7mmを越えると、均熱板2の熱容量が大きくなるので加熱および冷却時の温度が安定するまでの時間が長くなり好ましくない。
【0046】
抵抗発熱体5への給電方法は、支持体7に設置した導通端子11を均熱板2の表面に形成した給電部6に導通端子11を弾性体27で押圧することにより接続を確保し給電するが、接点が点接触となるのを防止するため、弾性のある導体を中間層として挿入しても構わない。この中間層は単に箔状のシートを挿入するだけでも効果がある。導通端子7の給電部6側の径は、1.5〜4mmとすることが好ましい。細すぎると強度が低くなり、安定して保持されない場合があり、逆に太すぎると熱引きされ均熱性が阻害されるためである。導通端子11は、給電部6に半田や導電性樹脂を用いて接着されても何ら差し支えない。
【0047】
均熱板2の温度は、均熱板2にその先端が埋め込まれた熱電対13により測定する。熱電対13としては、その応答性と保持の作業性の観点から、外径1.0mm以下のシース型の熱電対13を使用することが好ましいが、外径0.5mm以下の素線の熱電対やRTDなどの測温抵抗体を用いても何ら差し支えない。
【0048】
ここで熱電対13の先端部は、均熱板2に孔が形成され、この中に設置された円筒状の金属体の内壁面にバネ材により押圧固定することが測温の信頼性を向上させるために好ましい。
【0049】
さらに、均熱板2の材質は熱伝導の点で窒化アルミや炭化珪素などの材料が好ましいが、特にレジスト膜形成用のウエハ加熱装置1として使用する場合は、主成分を炭化珪素にすることがより好ましい。窒化アルミを用いると、大気中の水分等と反応してNH3ガスを発生させる事があり、近年多く用いられる様になった化学増幅型レジストに悪影響を与えるからである。
【0050】
なお、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体は、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を添加したり、もしくはアルミナ(Al23)イットリア(Y23)のような金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に加工したのち、1900〜2100℃で焼成することにより得られる。炭化珪素はα型を主体とするものあるいはβ型を主体とするもののいずれであっても構わない。
【0051】
また、均熱板2を形成する窒化アルミニウム質焼結体は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤としてY23やYb23等の希土類元素酸化物と必要に応じてCaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜2100℃で焼成することにより得られる。
【0052】
さらに、均熱板2の載置面3と反対側の主面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくことが好ましい。
【0053】
一方、炭化珪素質焼結体を均熱板2として使用する場合、半導電性を有する均熱板2と抵抗発熱体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下回り絶縁性が保てず、逆に厚みが400μmを越えると、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくなる。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁層4の厚みは100〜400μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの範囲とすることが良い。
【0054】
また、均熱板2を、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体で形成する場合は、均熱板2に対する抵抗発熱体5の密着性を向上させるために、ガラスからなる絶縁層4を形成する。ただし、抵抗発熱体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
【0055】
この絶縁層4を形成するガラスの特性としては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均熱板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5〜+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時においてクラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
【0056】
なお、ガラスからなる絶縁層4を均熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペーストを600℃以上の温度で焼き付けすれば良い。また、絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体からなる均熱板2を850〜1300℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化処理しておくことで、ガラスからなる絶縁層4との密着性を高めることができる。
【0057】
さらに、絶縁層4上に被着する抵抗発熱体5材料としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法にて直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウム(Re23)、ランタンマンガネート(LaMnO3)等の導電性の金属酸化物や上記金属材料を樹脂ペーストやガラスペーストに分散させたペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリーン印刷法等にて印刷したあと焼付けして、前記導電材を樹脂やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マトリックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0058】
ただし、抵抗発熱体5材料に銀(Ag)又は銅(Cu)を用いる場合、マイグレーションが発生する恐れがあるため、このような場合には、抵抗発熱体5を覆うように抵抗発熱体5のマトリクス成分に用いるのと同一の材質、ガラスもしくは樹脂成分からなるからなるコート層を40〜400μm程度の厚みで被覆しておけば良い。
【0059】
形成された抵抗発熱体5は、例えば50mm程度の長さに細かく分割して抵抗値を測定し、所望の温度分布を得るために、必要に応じてトリミングを行う。トリミングはレーザートリマーなどを用いて、発熱パターンを幅方向や厚み方向に削ることができる。また、発熱体表面を研磨してもよく、逆に導電性ペーストを塗布して行ってもかまわない。
【0060】
また、抵抗発熱体5を主成分が窒化アルミニウムからなる均熱板2に埋設するには、抵抗発熱体5の材料としては窒化アルミニウムと同時焼成できる材料という観点から、WもしくはWCを用いる。均熱板2は、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤を適宜含有する原料を十分混合したのち円盤状に成形し、その表面にWもしくはWCからなるペーストを抵抗発熱体5のパターン形状にプリントし、その上に別の窒化アルミニウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中1900〜2100℃の温度で焼成することにより得ることが出来る。
【0061】
また、抵抗発熱体5からの導通は、窒化アルミニウム質基材にスルーホールを形成し、WもしくはWCからなるペーストを埋め込んだ後焼成するようにして表面に電極を引き出すようにすれば良い。また、給電部6は、ウエハWの加熱温度が高い場合、Au、Ag等の貴金属を主成分とするペーストを前記スルーホールの上に塗布し900〜1000℃で焼き付けることにより、内部の抵抗発熱体5の酸化を防止することができる。
【0062】
本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で改変できることは言うまでもない。
【0063】
【実施例】
(実施例 1)
熱伝導率が100W/(m・K)の炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、板厚3mm、外径330mmと外径230mmの円盤状をした均熱板2を複数製作し、各均熱板2の一方の主面に絶縁層4を被着するため、ガラス粉末にエチルセルロースとテルピネオールからなるバインダーを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印刷法にて印刷した後、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、ガラスからなる厚み200μmの絶縁層4とした。
【0064】
次いで絶縁層4上に抵抗発熱体5及び給電部6を被着するため、導電材としてAu粉末とPt粉末と、前記同様の組成からなるバインダーを添加したガラスペーストを混練して作製した導電体ペーストをスクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの抵抗発熱体5を形成した。ここで給電部6は抵抗発熱体5よりも比抵抗が小さくなるように金属成分とガラス成分の比率を調整した。
【0065】
抵抗発熱体5は中心部と外周部を周方向に4分割した5パターン構成とした。また、支持体7は、厚み3.0mmのSUS304からなるベースプレート10を基礎にして、噴射口12の位置は図4〜6に示すとおり4〜13箇所とし、均熱板2との距離L、対向面の面積、ガス噴射口12の口径、設置角度を変化させて設置し、熱電対13、導通端子11を所定の位置に形成し、同じくSUS304からなる側壁部9とネジ締めにて固定して構成した。この時のガス噴射口12へのガス供給経路はそれぞれのガス噴射口12へ1本づつ配管した。
【0066】
その後、前記支持体7の上に、均熱板2を重ね、その外周部にボルト16を貫通させ、均熱板2と支持体7が直接当たらないように、断熱部17を介在させ、支持体7側より弾性体18、支持部材15を介在させてナット19を螺着することにより弾性的に固定することによりウエハ加熱装置1とした。
【0067】
そして、各ウエハ加熱装置1の給電部6に通電して140℃保持時のウエハW表面の温度ばらつきが±0.5℃となるように調整し、140℃に保持した。その後、ガス噴射口12から冷却ガスを均熱板に2に向けて噴射を開始し、90℃まで温度が低下安定し、ウエハW表面の温度バラツキが±0.5℃となるまでの時間を降温安定時間とした。降温安定時間が180秒以内を合格、180秒を越えるものを不合格とした。
【0068】
冷却ガスの総流量は、120(リットル/分)を基準とし、360(リットル/分)までの範囲で上記の降温安定時間を満足するものを合格とした。冷却ガスの総流量が360(リットル/分)を越えると半導体製造装置1台に搭載するウエハ加熱装置の台数が少なくなり効率が悪くなるからである。
【0069】
また、各ウエハ加熱装置1の給電部6に通電して140℃保持時のウエハW表面の温度ばらつきが±0.5℃となるように調整し、ガス噴射口12から冷却ガスを均熱板に2に向けて噴射し、90℃まで温度が低下安定し、ウエハW表面の温度バラツキが±0.5℃となった後60分待機した。しかる後に、再び140℃に昇温を開始してから、ウエハWの表面温度が140℃となりばらつきが±0.5℃となるまでの時間を昇温安定時間とした。昇温安定時間が180秒以内を合格、180秒を越えるものを不合格とした。
【0070】
ウエハW表面の温度ばらつきについては、直径300mmのウエハ表面に、測温センサーを29箇所の埋めこんだ測温用ウエハを用いて評価した。
【0071】
比較のため、表1に*で示した従来のウエハ加熱装置も準備した。ガス噴射口12が2箇所のものは図4の配置からガス噴射口12を2箇所を取り除き対向する2箇所のみ残した配置として作成した。そして、作製したウェハ加熱装置の評価結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0003921143
【0073】
まず、外径330mmの均熱板2からなる試料No.1〜9を用いて、均熱板2とガス噴射口12との距離Lについて評価した。ガス噴射口12の配置は図5に示す8箇所にガス流量は120(リットル/分)に固定し、ガス噴射口の口径を1mmと1.2mmとした。
【0074】
均熱板2とガス噴射口12との距離Lが0.2〜3mmの試料No.2〜6は、降温安定時間、昇温安定時間が180秒以内で良好な結果が得られた。
【0075】
しかし、均熱板2とガス噴射口12との距離Lが0.1mmの試料No.1は、降温時間がやや大きく、昇温時間が212秒と大きく不合格となった。これはガス噴射口12が均熱板2に近づきすぎた為に熱引きが生じて均熱性を阻害し、安定に時間がかかったからである。
【0076】
また、均熱板2とガス噴射口12との距離Lが4、7、10mmの試料No.7、8、9は、降温安定時間がそれぞれ214秒、276秒、354秒と大きく好ましくなかった。
【0077】
従って、均熱板2とガス噴射口12との距離Lが0.2〜3mmであると優れた降温安定時間や昇温安定時間を得ることができることが分った。
【0078】
次に、試料No.10〜14で、均熱板2とガス噴射口12との距離Lを2mmに、ガス噴射口の口径を1.2mmに、ガス流量を120(リットル/分)に固定し、ガス噴射口12の均熱板2への対向面の面積を7〜113mm2(外径3〜12mm)に変えて評価した。
【0079】
本発明の範囲内であるガス噴射口12の均熱板2への対抗面の面積が80mm2より小さい試料No.10〜13は、降温安定時間、昇温安定時間共に180秒以内の良好な結果を得た。
【0080】
しかし、本発明の範囲外であるガス噴射口12の均熱板2への対抗面の面積80(平方mm)を越えた試料No.14は、降温安定時間が大きく好ましくなかった。これは噴射された冷却ガスが跳ね返ってガス噴射口12との間で乱流を起こし抵抗となって冷却ガスの排出が阻害された為と考えられる。また昇温安定時間も大きく好ましくなかった。これは均熱板に対し対抗面が輻射面となり熱引き量は増え均熱性を阻害した為である。
【0081】
また、試料No.15〜31において、均熱板2とガス噴射口12との距離Lを2mmに固定し、ガス噴射口12の口径及び流量、ガス噴射口12の数を変えて、冷却ガス流量(リットル/分)をガス噴射口総面積mm2で除した冷却ガスの流速F0と、均熱板の面積S0と関係する(S0/N)/F0を1.0〜84まで変えて評価した。
【0082】
(S0/N)/F0が2を下回る試料No.15は降温安定時間が196秒と大きく好ましくなかった。
【0083】
また、(S0/N)/F0が28を越える試料No.21、22、24、26、28は降温冷却安定時間が192秒以上と大きく好ましくなかった。
【0084】
更に、ガス噴射口の数が2個である試料No.29は降温冷却時間が271秒と大きく好ましくなかった。
【0085】
従って、(S0/N)/F0が本発明の範囲である2〜28では降温安定時間及び昇温安定時間共に180秒以内となり良好な結果が得られた。
【0086】
但し、(S0/N)/F0が2〜28であっても、ガス噴射口12の数が4未満であれば、冷却むらの影響で降温安定時間が大きくなり好ましくなかった。
【0087】
一方、S0/N)/F0が2〜28である試料No.15〜20、23、25、27、29において、ガス噴射口の内径を0.3mmから4mmまで変えて降温安定時間を比較したところ、ガス噴射口の内径が本発明の範囲である0.5〜3mmである試料No.16〜20、23、25、27は、降温安定時間及び昇温安定時間が180秒以内であり好ましことが分った。
【0088】
更に、ガス噴射口の内径が0.5mmを越えると圧力損出が小さく流量の低下が小さく更に好ましい。また、ガス噴射口の内径が4mm以下で、流量が比較的小さく好ましいことが分った。
【0089】
次に、ガス噴射口12と均熱板2との角度について試料No.32〜36を使い検討した。
【0090】
試料No.32はガス噴射口12と均熱板2との角度が70度と小さく降温安定時間が225秒と大きかった。
【0091】
また、試料No.36はガス噴射口12と均熱板2との角度が110度と大きく降温安定時間が223秒と大きかった。
【0092】
従って、本発明の範囲内であるガス噴射口12と均熱板2との角度が80〜110°の試料No.33〜35で降温安定時間、昇温安定時間が小さく良好な結果が得られた。これは噴射された冷却ガスが均熱板2に略垂直に衝突するため断熱ガス層が吹き飛ばされ熱交換効率が高まるものと考えられる。しかし、80°未満や110°以上では、噴射された冷却ガスが均熱板2に斜めに衝突し、均熱板2に略平行なガス流となり均熱板2の近傍には摩擦によりガスが停滞する領域が存在し断熱ガス層となり冷却ガスと均熱板2との熱交換を阻害し、降温安定時間が大きくなったと考えられる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に抵抗発熱体を有するとともに、該抵抗発熱体に電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、前記均熱板を冷却するためのガス噴射口を複数備えてなるウエハ加熱装置において、前記ガス噴射口が前記均熱板に対して80〜100°の角度で設置され、前記ガス噴射口と前記均熱板の距離Lが0.2〜3mmであり、かつ前記ガス噴射口を有するノズル30の前記均熱板に近接する対向面30cの面積が80mm以下であり、冷却ガスの総流量(リットル/分)を前記ガス噴射口の総面積mm)で除した冷却ガスの流速F0と、前記均熱板の面積S0と前記ガス噴射口の数Nとの関係が2≦(S0/N)/F0≦28で、かつN≧4とすることにより、降温及び昇温安定時間短くし、スループットが優れたウエハ加熱装置を提供できる。
【0094】
更に望ましくは、前記ガス噴射口の口径が0.5〜3.0mmとし、かつ前記均熱板に対して、80〜100°の角度で設置することにより、冷却ガス圧力や流量に負担を掛けることなく、降温及び昇温安定時間を短くし、スループット速度に優れたウエハ加熱装置を提供できる。
【0095】
更に望ましくは、前記他方の主面に形成された抵抗発熱体の一部または全部の表面に、厚み40〜400μmのコート層を形成することにより、急激な冷却ガス噴射を受けても、劣化や性能変化のない信頼性の高いウエハ加熱装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ加熱装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の冷却ガス噴射口の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の冷却ガス噴射の状態を示す断面図である。
【図4】本発明のウエハ加熱装置におけるガス噴射口の位置を示す平面図である。
【図5】本発明のウエハ加熱装置におけるガス噴射口の位置を示す平面図である。
【図6】本発明のウエハ加熱装置におけるガス噴射口の位置を示す平面図である。
【図7】本発明のウエハ加熱装置の一例を示す断面図である。
【図8】本発明以外の冷却ガス噴射の状態を示す断面図である。
【図9】本発明以外の冷却ガス噴射の状態を示す断面図である。
【図10】本発明以外のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図11】本発明以外のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1:ウエハ加熱装置
2:均熱板
3:載置面
4:絶縁層
5:抵抗発熱体
6:給電部
7:支持体
8:支持ピン
9:側壁部
10:ベースプレート
11導通端子
12:ガス噴射口
13:温度センサー
14:開口部
15:支持部材
16:ボルト
17:断熱部
18:弾性体
19:ナット
20:固定部材
21:保持部材
22:押圧部材
23:リフトピン
24:貫通孔
25:リフトピンガイド
26:冷却ガス配管
27:弾性体
28:弾性体
30:ノズル
30a:ノズルの直進部
30b:冷却ガスだまり
W:半導体ウエハ

Claims (1)

  1. セラミックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面もしくは内部に抵抗発熱体を有するとともに、該抵抗発熱体に電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備し、前記均熱板を冷却するためのガス噴射口を複数備えたウエハ加熱装置において、前記ガス噴射口が前記均熱板に対して80〜100°の角度で設置され、前記ガス噴射口と前記均熱板の距離が0.2〜3mmであり、かつ前記ガス噴射口を有するノズルの前記均熱板に近接する対向面の面積が80mm以下であり、冷却ガスの総流量(リットル/分)を前記ガス噴射口の総面積(mm)で除した冷却ガスの流速F0と、前記均熱板の面積S0(mm)と前記ガス噴射口の数Nとの関係が2≦(S0/N)/F0≦28で、かつN≧4であることを特徴とするウエハ加熱装置。
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