JP3865484B2 - 遮音体、遮音壁および遮音壁の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音を遮蔽する遮音体、遮音壁および遮音壁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道の軌道や道路に沿って、沿線地域の騒音対策として、略平板状の遮音体を並設して遮音壁を設ける構成として、例えば実公平7−45612号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この実公平7−45612号公報に記載の遮音壁は、略長方形の平板状の遮音部の長手方向の一端部に略垂直に壁状の下面部を一体に有するとともに、遮音部の長手方向の両側に略垂直に壁状の側面部を有した平板状の遮音体が複数並設されて構成されており、高架橋の側縁部に所定間隔でアンカーボルトを突設し、アンカーボルトの雄ねじ部を露出させてモルタル部を設け、遮音体の下面部に設けた通孔にアンカーボルトの雄ねじ部を挿通させつつモルタル部上に遮音体を連続した壁状に並列載置し、アンカーボルトの雄ねじ部にナットを螺合させて固定して構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実公平7−45612号公報に記載の従来の遮音壁は、遮音体を地面に載置する際の遮音体の下面部に設けた通孔にアンカーボルトを挿通する作業が煩雑で、さらに、遮音体を連続した壁状に設けるためにアンカーボルトを所定の位置に誤差なく設けなければならず、高度な設置作業が要求され設置作業も煩雑となる。また、遮音体は、アンカーボルトに螺合されるナットと下面部との重なる部分でのみ固定され、遮音体に倒れる方向の力が掛かった場合にはこの重なる部分のみに力が掛かり、下面部が損傷するおそれがある。さらに、ナットの緩みによる遮音体のがたつきを防止するためにナットの緩み防止対策も必要で施工性が低下するなどの問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、連続した壁状に強固で確実な施工が容易にできる遮音体、遮音壁および遮音壁の施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の遮音体は、コンクリート製で略板状の遮音部と、この遮音部の周縁にて少なくとも一面側に壁状に突出された補強用リブと、遮音部の下端側にてこれら補強用リブに段差部を介してさらに略壁状に突設され地面に立設されたアンカを介在させてコンクリートが現場打ちされる間隙を介して対向する一対の施工壁部と、これらの施工壁部の相対向する面に設けられ現場打ちされるコンクリートとの接合強度を向上させる補強部材とを具備した遮音体である。
【0007】
請求項2記載の遮音体は、請求項1記載の遮音体において、遮音部は、少なくとも一面に多孔質吸音部材が一体的に設けられたものである。
【0008】
請求項3記載の遮音体は、請求項1または2記載の遮音体において、施工壁部は、相対向する面に凹凸を設けたものである。
【0009】
請求項4記載の遮音壁は、アンカが長手方向を上下方向に立設された地面上に、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体が施工壁部間に前記アンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置されて、前記施工壁部間に現場打ちされたコンクリートにて前記遮音体が前記地面に一体的に立設されて形成されたものである。
【0010】
請求項5記載の遮音壁の施工方法は、アンカが長手方向を上下方向に立設された地面上に、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体を、施工壁部間に前記アンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置し、前記施工壁部間に前記アンカを埋設させてコンクリートを現場打ちして前記遮音体を前記地面に一体的に立設するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遮音壁の実施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0012】
図1、図5および図6において、1は鉄道の軌道や道路などの現場コンクリート打ちにて形成された高架橋で、高架橋1の上面は連続した略平滑な地面2が形成されている。この地面2の両側縁部分には、略棒状のアンカ3が長手方向を略鉛直方向となるように突設されている。
【0013】
一方、5は遮音壁で、この遮音壁5は、地面2の両側縁部分に連続した壁状に略平板状の遮音体6が複数並設されて構成されている。そして、遮音体6は、コンクリート製で、図1ないし図6に示すように、長方形略平板状で長手方向の一端側が一面側に彎曲した遮音部7を有している。また、遮音部7の長手方向の両側には、略垂直に壁状の補強用リブである側壁部8,8が一体的に設けられている。さらに、遮音部7の彎曲する側の端部には側壁部8,8の先端部に連続する補強用リブである端壁部9が壁状に設けられている。
【0014】
また、遮音体6には、長手方向の他端側である端壁部9が設けられていない側の両側には、側壁部8,8より突出長さ寸法が長い壁状の施工壁部11,11が一対突設されている。そして、これら施工壁部11,11の側壁部8,8側の端部には段差部12が設けられ、施工壁部11の遮音部7の端部縁に連続する端面は載置面13となり、遮音部7の端面および載置面13にて地面2上に立位状態で静置されるようになっている。さらに、施工壁部11,11の対向する面には、アンカ3と同様の補強部材である鉄筋棒15の端部が嵌挿されて取り付けられる略円形の取付孔16が設けられている。なお、この取付孔16は、遮音体6を原料コンクリートを所定の型枠内流し込んで形成する際に、この取付孔16を設ける位置にナットなどを埋設し、このナットの雌ねじが取付孔16となっている。そして、この雌ねじ状の取付孔16に端部に雄ねじが設けられた鉄筋棒15を嵌挿、すなわち螺合させて取り付けるようになっている。
【0015】
さらに、施工壁部11,11の突出する側の先端面には、施工壁部11,11間に打設されるコンクリート17が流れ出ないように塞ぐ図示しない閉塞板を取り付けるための施工用固定孔18が穿設されている。この施工用固定孔18は、取付孔16と同様に、ナットのインサート形成によりナットの雌ねじが施工用固定孔18となり、この施工用固定孔18にボルトなどの固定部材を螺合して閉側板を固定するようになっている。
【0016】
さらに、一方の側壁部8の外面側には、長手方向に沿って断面略等脚台形状の係合手段としての凹溝部20が設けられている。また、他方の側壁部8の外面側には、凹溝部20の断面形状と略同形状の断面を有する壁状の係止手段としての係止壁部21が設けられている。そして、遮音体6が隣接されて地面2に載置される際に、一方の遮音体6の係止壁部21が隣接する遮音体6の凹溝部20内に係合して、遮音部7が連続して並列載置されるようになっている。また、一対の側壁部8,8の突出する先端面には、端壁部9側に位置して遮音体6を吊下げ支持するための図示しないフックなどを取り付けるための吊下用固定孔22が穿設されているとともに、地面2上に載置された遮音体6を持ち上げるための図示しない冶具が係合される嵩上げ用固定孔23が穿設されている。そして、これら吊下用固定孔22および嵩上げ用固定孔23は、取付孔16および施工用固定孔18と同様に、ナットのインサート形成によりナットの雌ねじが吊下用固定孔22および嵩上げ用固定孔23となり、これら吊下用固定孔22および嵩上げ用固定孔23にフックボルトや固定用ボルトなどの取付部材24を螺合して取り付けるようになっている。
【0017】
次に、上記実施の一形態の遮音壁を形成する動作を説明する。
【0018】
あらかじめ上面の地面2の両側縁部分に、アンカ3が遮音体6の施工壁部11,11の長さ寸法より若干短い例えば長さ寸法が約400mmで、施工壁部11の厚さ寸法の2倍の寸法より若干長い寸法、例えば約200mmの間隔で突出するように現場コンクリート打ちにて高架橋1を形成する。なお、アンカ3は、施工性および施工強度などにより、載置される遮音体6の施工壁部11,11間に6本〜8本程度位置するように設定することが好ましい。また、この高架橋1の両側縁部分の所定位置に、遮音体6の高さが所定の高さとなるように、図5に示すように、地面2と遮音体6の底面との間に介在される防錆処理された座金などのスペーサ25,25を載置する。
【0019】
そして、遮音体6の吊下用固定孔22を利用、すなわち吊下用固定孔22にフックボルトなどの取付部材を螺合させて取り付け、この取付部材にて遮音体6を図示しないクレーンなどにて吊り上げて、側壁部8,8が突出する側の遮音部7の平面を騒音発生箇所となる地面2側に向けて地面2の所定位置に載置する。この遮音体6の載置の際、施工壁部11,11間にアンカ3,3が接触することなく位置するようにする。
【0020】
この後、図1および図6に示すように、長手略棒状の仮止用のステイ26を遮音体6と地面2との間に掛け渡すように取り付け、遮音体6を仮止めしフックボルトなどの取付部材24を取り外す。なお、このステイ26の取り付けは、嵩上げ用固定孔23を利用する。すなわち、嵩上げ用固定孔23にボルトなどの取付部材24を螺合してステイ26を固定する。
【0021】
さらに、別の遮音体6を同様に取り上げ、仮止めした遮音体6に同方向に連続するように隣接させて地面2上に載置する。この連続するように載置する並設は、仮止めした遮音体6の凹溝部20に吊上げた遮音体6の係止壁部21を係止させつつ隣接させる。そして、図6に示すように、隣接する遮音体6,6を連結金具27にて仮止め連結する。この連結金具27は、嵩上げ用固定孔23を利用し、ステイ26と同様にボルトなどの取付部材24を螺合させて連結金具27を取り付けて連結仮止する。このようにして、複数の遮音体6,6を連続した壁状となるように地面2の両側縁部分に適宜ステイ26にて仮止めしつつ複数並列載置させる。
【0022】
次に、遮音体6の施工壁部11,11の取付孔16,16に鉄筋棒15,15の端部を嵌挿して取り付け、すなわち鉄筋棒15の端部に設けた雄ねじを取付孔16に螺合して取り付け、取り付けた鉄筋棒15,15とアンカ3,3とを結束する。
【0023】
そして、施工壁部11,11の先端部間に架橋するように図示しない閉塞板をボルトなどの図示しない固定部材を施工用固定孔18に螺合させて取り付けて、アンカ3,3および鉄筋棒15,15を囲むように施工空間28を区画形成する。なお、スペーサ25,25を介在させることにより、地面2とこの地面2と対向する遮音体6の底面との間に間隙を生ずる場合には、遮音体6の外周面からコンクリート17が流れ出ないように、目張りする。
【0024】
この後、この施工空間28内にコンクリート17を流し込んで打設して、施工壁部11,11およびコンクリート17にて地覆部10を形成し、コンクリート17の硬化後に閉塞板、ステイ26および連結金具27などを取り外して遮音体6を地面2に一体的に固定する。このように次々並設された遮音体6,6にて壁状に連続する遮音壁5を形成する。
【0025】
また、鉄道の軌道や道路の縁部分にケーブルダクト30を設ける場合、すなわち図示しない電線や信号線などを鉄道の軌道や道路の縁部分に配線する場合には、図1に示すように、遮音壁5の内側である施工壁部11,11側に施工壁部11,11および現場打ちされたコンクリート17に端部縁が当接するように断面略L字状のコンクリートブロック台31を配置する。そして、施工壁部11,11および現場打ちされたコンクリート17とコンクリートブロック台31とにて上面を開口する溝状の配線空間32を区画形成する。この配線空間32内に電線や信号線などを配設し、略平板状のコンクリートブロック蓋33をコンクリートブロック台31と施工壁部11,11の段差部12,12および現場打ちされたコンクリート17の上面に載置して閉塞しケーブルダクト30を形成する。
【0026】
上記実施の形態によれば、遮音部7の一端側に地面2に立設したアンカ3,3を介在させてコンクリート17が現場打ちされる間隔を介して対向する地覆部10を構成する一対の施工壁部11,11を壁状に突設したため、地面2にアンカ3,3を設ける際の設置精度が低くても、遮音体6を所定の位置に連続した壁状に容易に設けることができ、施工性を向上できるとともに、コンクリート17の打設により地覆部10を形成して遮音体6を地面2に強固に固定でき、長期に亘って確実に立設でき、振動や気候による温度変化などにてボルトが緩むことによる弊害もない。
【0027】
また、施工壁部11,11にアンカ3,3に結束される鉄筋棒15,15を取り付ける取付孔16,16を設けたため、打設されるコンクリート17部分の強度を向上できるとともに、地面2との連結強度を増大でき、遮音体6の固定性を向上できる。
【0028】
さらに、取付孔16をナットのインサート形成にて形成したため、鉄筋棒15を強固に固定でき、打設されたコンクリート17部分の強度も強固とできる。
【0029】
そして、遮音体6に、互いに係合し合う係合手段としての凹溝部20および係止手段としての係止壁部21を設けたため、遮音体6の設置の際の位置決めが容易にできるとともに、遮音体6の連結性を向上でき、遮音壁5の一体性を向上できる。
【0030】
また、地覆部10を構成する施工壁部11,11を設けることにより、ケーブルダクト30を設ける場合には、地覆部10の上端部がケーブルダクト30を覆うコンクリートブロック蓋33を載置する段差部12,12となるために、別途この段差部12,12を設ける必要がなく、容易にケーブルダクト30を設けることができる。
【0031】
さらに、スペーサ25,25を介在させて隙間が生じても施工壁部11,11間に連続する間隙に打設されるコンクリート17が流れ込むため、別途モルタル部分を地面2上に設ける必要がなく、施工性を向上できる。
【0032】
一方、ナットのインサート形成により、施工用固定孔18、吊下用固定孔22および嵩上げ用固定孔23をそれぞれ設けたため、現場コンクリート打ちのための施工準備である閉側板の強固な取り付け、遮音体6の搬送や載置などの移動、および、スペーサ25を介在させたり仮止めする作業などが容易にでき、施工性を向上できる。
【0033】
なお、上記実施の形態において、遮音体6の設置の際に遮音体6と地面2との間を目張りして説明したが、図7に示すように、遮音体6の地面2に対向する底面、すなわち遮音部7の端面および載置面13に、外周側に沿うように地面2と略液密に当接するシール部材35を設けてもよい。この構成によれば、高さ調整のために座金などのスペーサ25,25を介在させて遮音体6と地面2との間に生じる間隙に、現場打設されて流れ込むコンクリート17が漏れ出すことがなく、容易に外観よく施工できる。
【0034】
また、遮音体6は、有機ファイバを配合したり、多孔質に形成するなどして軽量化されたものが好ましい。また、多孔質に形成したり、図8ないし図10に示すように、多孔質吸音部材40を貼り合わせるなどして、吸音性を付与するようにしてもよい。
【0035】
さらに、係止壁部21が凹溝部20に係合する側壁部8,8の対向する面の間にモルタルや合成樹脂などの接着剤などを設けてもよい。この構成によれば、遮音体6の形成誤差も吸収でき、隙間なく一体的に連結でき、隙間による騒音の漏れや風の流れによる騒音の発生などを防止でき、遮音壁5の一体性を向上できる。
【0036】
また、ケーブルダクト30を設けて説明したが、ケーブルダクト30を設ける必要がない場合には、コンクリートブロック台31およびコンクリートブロック蓋33を配置しなくてよい。
【0037】
さらに、施工壁部11,11を遮音部7の両側に側壁部8,8に連続するように設け、遮音体6の一端側である下端部全域を現場コンクリート打ちして説明したが、例えば遮音部7の一端側の略中央に、間隙を介して対向させて施工壁部11,11を形成し、この区画される略中央部分のみを現場コンクリート打ちして地覆部10を形成したり、側壁部8と施工壁部11との間に現場コンクリート打ちして2箇所に地覆部10を形成するなどしてもよい。なお、側壁部8と施工壁部11との間に現場コンクリート打ちする場合には、側壁部8の一部分が施工壁部11を構成する。
【0038】
そして、補強部材として鉄筋棒15を用いて説明したが、鉄筋棒15に限らず、例えば図11に示すように、パンチングメタルやエキスパンドメタルなどの凹凸41を有した板状の補強部材42を施工壁部11,11の対向する面および施工空間28に臨む遮音部7の面に設けるなどいずれのものを用いてもよい。なお、これら補強部材42は、あらかじめ形成した遮音体6にモルタルなどの接着剤にて取り付けるなどしてもよいが、遮音体6の形成時に、型枠にあらかじめ設置しておき、この型枠に原料コンクリートを流し込んで補強部材42を一体的に設けて形成する。この形成方法によれば、製造性が向上するとともに、型枠の一部を補強部材42で代用でき、型枠のコストの低減が図れる。また、アンカ3と連結させる鉄筋棒15を取り付ける取付孔16を設け、補強部材42と鉄筋棒15とを併用してもよい。この併用によれば、さらなる現場打ちされるコンクリート17との接合強度を増大でき、地面2との固定性を向上できる。
【0039】
また、図11に示す補強部材42に代えて例えば図12に示すように、遮音体6の形成時に、遮音体6の骨組部材であるメッシュ筋43に鉄筋棒15と同様の補強部材としてのひげ筋44を溶接や結束などにより連結して一端側が施工空間28に突出するように一体的にインサート形成したり、遮音体6の未硬化時にひげ筋44の一端を差し込むように埋設させるなどしてもよい。なお、あらかじめ設けたひげ筋44の一部とアンカ3と連結させる鉄筋棒15を連結して併用することにより、さらなる現場打ちされるコンクリート17との接合強度を増大でき、地面2との固定性を向上できる。
【0040】
さらに、鉄筋棒15を取り付ける取付孔16もナットをインサート形成した雌ねじ状に限らず、単に略円形の孔状に形成して鉄筋棒15を嵌挿させたり、あらかじめ遮音体6の形成時にインサート形成するなど、鉄筋棒15が取付保持可能にいずれの構造に形成したり、遮音体6の大きさや施工方法などにより、全く設けなくてもよい。そして、あらかじめ鉄筋棒15を設けておくことにより、施工性を向上できる。
【0041】
そしてさらに、図11および図12に示すように、別部材の補強部材42や補強部材としてのひげ筋44を設けず、型枠にあらかじめ凹凸を設け、図13に示すように、施工壁部11,11の対向する面および施工空間28に臨む遮音部7の面に凹凸45を設けたり、図14に示すように、遮音体6の未硬化時にブラシ掛けなどにて細かい凹凸46を複数設けたり、型枠にあらかじめ硬化遅延剤を塗布しておき、脱型後に水で洗い流して遮音体6を構成する原料コンクリートの粗骨材を露出させるようにして凹凸を形成させるようにしたり、サンドブラストやショットブラストなどにて表面部分を削り取るようにして凹凸を形成させるようにしてもよい。
【0042】
また、施工用固定孔18、吊下用固定孔22および嵩上げ用固定孔23も、上述した取付孔16と同様に、単に孔状にするなどいずれの形状に形成したり、全く設けなくてもよい。
【0043】
そして、遮音体6を載置する際に仮止めするステイ26が設けられない場合には、別途いずれの構成にて仮止めしてもよい。
【0044】
例えば図15に示すように、施工壁部11の内面側である取付孔16が設けられた面に、図示しない固定用孔を設け、この固定用孔にボルトなどの固定金具47を螺合などにより取り付けるととともに、ホールインアンカやボルトなどの固定部材48にて略L字状の取付金具49を地面2および施工壁部11に亘って固定して仮止めし、現場コンクリート打ちにてそのまま埋設させてもよい。
【0045】
この図15に示す構成によれば、ステイ26が取り付けられないような場合などでも場所を取らずに遮音体6の仮止めができ、打設されるコンクリート17にて埋設してしまうので取り外す必要がなく、施工性を向上できる。
【0046】
なお、この図15に示す実施の形態において、別途固定用孔を設けて説明したが、取付孔16の1つを利用するなどし、また固定金具47の代わりに鉄筋棒15などの補強部材を利用してもよい。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の遮音体によれば、コンクリート製で略板状の遮音部の周縁にて少なくとも一面側に壁状の補強用リブを突設したため、高強度および軽量化が容易に図れるとともに、遮音部の下端側にてこれら補強用リブに段差部を介してさらに略壁状に突設された一対の施工壁部を、地面に立設したアンカを介在させて現場コンクリート打ちされる間隙を介して対向させたため、地面へアンカを設ける作業および地面上へ連続した壁状に遮音部を並列載置する作業が容易にでき、これらの施工壁部間にコンクリートを現場打ちして固定することで、地面に遮音部を容易にかつ強固に取り付けできる。特に、施工壁部の相対向する面に補強部材を設けたため、施工壁部間に現場打ちされるコンクリートとの接合強度を増大でき、地面との固定性を向上できる。
【0048】
請求項2記載の遮音体によれば、請求項1記載の遮音体の効果に加え、遮音部の少なくとも一面に多孔質吸音部材を一体的に設けたため、遮音性がさらに向上できる。
【0049】
請求項3記載の遮音体によれば、請求項1または2記載の遮音体の効果に加え、施工壁部の対向する面に凹凸を設けたため、施工壁部間に現場打ちされるコンクリートとの接合強度を増大でき、地面との固定性を向上できる。
【0050】
請求項4記載の遮音壁によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体を、施工壁部間に地面に立設したアンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置してコンクリートを現場打ちして地面に一体的に連続した壁状に立設されるため、地面へアンカを設ける作業および地面上へ連続した壁状に並列載置する作業を容易にでき、施工性を向上できるとともに、現場コンクリート打ちにて地面へ強固で確実に施工できる。
【0051】
請求項5記載の遮音壁の施工方法によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体を、施工壁部間に地面に立設したアンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置してコンクリートを現場打ちして地面に一体的に連続した壁状に立設して遮音壁を形成するため、地面へアンカを設ける作業および地面上へ連続した壁状に遮音体を並列載置する作業を容易にでき、施工性を向上できるとともに、現場コンクリート打ちにて地面へ強固で確実に施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遮音壁の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】 同上遮音体を示す正面図である。
【図3】 同上側面断面図である。
【図4】 同上底面図である。
【図5】 同上遮音壁を形成する施工状況を示す説明図である。
【図6】 同上遮音壁を形成する施工状況を示す説明図である。
【図7】 本発明の遮音体の他の実施の形態を示す底面図である。
【図8】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態を示す側面断面図である。
【図9】 同上正面図である。
【図10】 同上底面図である。
【図11】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態を示す平面断面図である。
【図12】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態を示す平面断面図である。
【図13】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態を示す施工壁部近傍の一部を切り欠いた斜視図である。
【図14】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態を示す施工壁部近傍の一部を切り欠いた斜視図である。
【図15】 本発明の遮音体のさらに他の実施の形態の仮止め状況を示す施工壁部近傍の斜視図である。
【符号の説明】
2 地面
3 アンカ
5 遮音壁
6 遮音体
7 遮音部
8 補強用リブである側壁部
9 補強用リブである端壁部
11 施工壁部
12 段差部
15 補強部材としての鉄筋棒
17 コンクリート
40 多孔質吸音部材
41,45,46 凹凸
42 補強部材
44 補強部材としてのひげ筋
Claims (5)
- コンクリート製で略板状の遮音部と、
この遮音部の周縁にて少なくとも一面側に壁状に突出された補強用リブと、
遮音部の下端側にてこれら補強用リブに段差部を介してさらに略壁状に突設され地面に立設されたアンカを介在させてコンクリートが現場打ちされる間隙を介して対向する一対の施工壁部と、
これらの施工壁部の相対向する面に設けられ現場打ちされるコンクリートとの接合強度を向上させる補強部材と
を具備したことを特徴とする遮音体。 - 遮音部は、少なくとも一面に多孔質吸音部材が一体的に設けられた
ことを特徴とする請求項1記載の遮音体。 - 施工壁部は、相対向する面に凹凸を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の遮音体。 - アンカが長手方向を上下方向に立設された地面上に、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体が施工壁部間に前記アンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置されて、前記施工壁部間に現場打ちされたコンクリートにて前記遮音体が前記地面に一体的に立設されて形成された
ことを特徴とする遮音壁。 - アンカが長手方向を上下方向に立設された地面上に、請求項1ないし3いずれか一記載の遮音体を、施工壁部間に前記アンカを介在させ遮音部を騒音発生箇所に対向させて並列載置し、
前記施工壁部間に前記アンカを埋設させてコンクリートを現場打ちして前記遮音体を前記地面に一体的に立設する
ことを特徴とした遮音壁の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29135997A JP3865484B2 (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | 遮音体、遮音壁および遮音壁の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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