JP2018031131A - 低層建築物及び基礎工事用アンカーホルダー - Google Patents

低層建築物及び基礎工事用アンカーホルダー Download PDF

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Abstract

【課題】 低層建築物において、専門の職人でなくとも容易に施工が可能で、且つ工期も大幅に短縮でき、さらに強度の面でも優れた性能である基礎構造を提供する。【解決手段】 基礎1の周状立ち上がりは、スチール製又は樹脂製の内板4と、スチール製又は樹脂製(発泡樹脂を除く)外板5と、内板4と外板5との間に充填、固化されたコンクリート層3とを備える。内板4及び外板5は、コンクリート層3の充填及び固化の際に型枠として使用されて残存している。コンクリート層3において、垂直部32と水平部31との間に界面は形成されていない。外板5は下側が地中に埋設されており、向かい合う内板4と外板5は、嵌め込み型の連結部材7で連結されている。コンクリート層3の水平部31の上面は、地表面GLより低い。【選択図】 図3

Description

この出願の発明は、各種用途に使用される4階までの低層建築物における基礎構造に関するものである。
住居用等としてしばしば建築される4階までの低層建築物は、木造や軽量鉄骨製とされる場合が多い。このような低層建築物は、他の大規模な建築物と同様、建物の施工に先立って基礎工事が行われる。低層建築物の基礎には、布基礎とベタ基礎とがあるが、耐震強度や不同沈下対策等の観点から、ベタ基礎が採用されることが多くなってきている。
このような低層建築物における基礎工事は、施工する基礎の形状に合わせて木製の型枠を組み上げて固定し、その中にコンクリートを流し込んで養生、固化させることで行われる。
図12は、このようにして施工される従来の低層建築物の基礎の主要部を示した断面概略図である。図12は、ベタ基礎の例を示している。
図12に示す基礎1は、コンクリートで形成された水平部101と、水平部101から上方に垂直に延びる垂直部102とから成る。垂直部102の上面に根太や柱等を構築して構造駆体とし、壁や屋根等を施工することで建物2が完成する。
特開2002−309774号公報
上述した低層建築物における基礎工事は、木製の型枠の組み上げに熟練を要するため、専門の職人(基礎工)によって施工されるが、職人の高齢化等に伴って人手不足が深刻になっている。多くの一戸建て住宅を一度に建築するような大規模な宅地開発の場合、基礎工事も同時期に大規模に行わなければならないため、人手不足な深刻な問題となる。
また、ベタ基礎にしろ布基礎にしろ、最初に水平部を形成するためにコンクリートを流し込んで養生、固化させ、その後、垂直部を形成するためにコンクリートを流し込んで養生、固化させることが必要である。即ち、二段階に分けて施工されている。このため、どうしても工期が長くなり易い。その上、それぞれの段階で型枠の組み上げと取り外しの作業が必要で、工期の長期化は深刻である。
また、二段階の基礎工事であるがために、従来の基礎構造では、垂直部と水平部との間に界面が形成される。界面の存在は、その部分でコンクリート層の強度が低下する問題に加え、ひび割れが生じ易いという問題がある。ひび割れが生じると、雨水が浸入してさらに強度が低下したり、シロアリ等の害虫が侵入したりする問題がある。
本願の発明は、低層建築物における従来の基礎構造が有するこのような問題を解決するために為されたものであり、低層建築物において、専門の職人でなくとも容易に施工が可能で、且つ工期も大幅に短縮でき、さらに強度の面でも優れた性能である基礎構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、この出願の請求項1記載の発明は、基礎と、基礎の上に構築された4階までの建物より成る低層建築物であって、
基礎は、建物の水平方向の輪郭に沿って周状に形成された周状立ち上がりを含んでおり、
周状立ち上がりは、周の内側に位置する内板と、周の外側に位置する外板と、内板と外板との間に充填されて固化したコンクリート層とを備えており、
内板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
外板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
内板は、スチール製又は樹脂製であり、
外板は、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製であり、
各外板は各内板よりも高さが高く、各外板の上端と各内板の上端とは高さ方向で同じ位置に位置しており、
各内板及び各外板は、コンクリート層の充填及び固化の際に型枠として使用されたものであって建物の完成後も残存しているものであり、
コンクリート層は、各内板と前記各外板との間の垂直部と、各内板の下端から内側にはみ出して形成された水平部とを有し、一度に充填されて固化したものであって垂直部と水平部との間に界面は形成されておらず、
地表面は各外板の下端と上端との間にあって、各外板は下側が地中に埋設されており、
向かい合う各内板と各外板は、嵌め込み型の連結部材で連結されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記コンクリート層の水平部は、建物の下側の領域を全て覆う形状であり、前記基礎はベタ基礎となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記コンクリート層の水平部の上面は、地表面より低い位置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、垂直部には水平方向に延びる梁鉄筋が埋設されて垂直部を補強しており、
前記連結部材は、梁鉄筋の保持に兼用されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記各外板の下側にはレールが設けられており、
レールは、前記建物の水平方向の輪郭に沿って延びており、
レールは、前記各外板の下端が嵌め込まれることで前記各外板を保持する凹部を有する形状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、4階までの低層建築物における基礎であって、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製の外板とスチール製又は樹脂製の内板より成る残存型の一対の枠板と、一対の枠板の間に充填されて固化したコンクリート層と、コンクリート層内に下端が埋設され上端がコンクリート層の上面から露出したアンカーボルトとを備えた基礎を施工する際に使用される基礎工事用アンカーホルダーであって、
一対の枠板の離間間隔に相当する長さのプレート状の主部と、
主部の長さ方向の両端に形成され、一対の枠板の上端に嵌め込まれる嵌め込み部と、
アンカー保持部と
を備えており、
アンカー保持部は、主部よりも上側の位置でアンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口を有しており、
主部は、アンカー保持部で保持されたアンカーボルトが挿通される切り欠き又は開口を有しており、
嵌め込み部は、基礎の一対の枠板の上端の外側の面に引っ掛けられる形状であるという構成を有する。
以下に説明する通り、この出願の請求項1記載の発明によれば、基礎を構成するコンクリート層の水平部と垂直部とが一回のコンクリートの打設及び養生により形成されるので、工期が非常に短くなる。その上、水平部と垂直部との間に従来のような界面は形成されないので、ひび割れ等が生じて強度が低下したり、シロアリのような害虫が侵入したり、雨水がしみこんだりする心配がない。
また、型枠として用いた各枠板がそのまま残留しており、これらの板材によってコンクリート層の垂直部が補強される。
また、各外板の途中の高さが地表面となっており、下側が地中に埋設され、上側が地表から露出しているので、コンクリート層の補強、保護効果が高い。
さらに、板連結具が嵌め込み型のものである点は、熟練工でなくとも容易に基礎の施工が可能である。
また、請求項3記載の発明によれば、水平部の上面の高さは地表面よりも下側となっているので、コンクリートの量が多くなってコスト高となる問題はなく、また床下空間が広く確保できるので、点検等が行い易く、好適である。
また、請求項4記載の発明によれば、連結部材が梁鉄筋の保持に兼用されているので、構造的にシンプルで、施工がさらに容易になる。
また、請求項5記載の発明によれば、外板を垂直に立てて並べていく際、レールに差し込むだけで良いので、さらに施工が容易になる。
また、請求項6記載の発明によれば、構造躯体用のアンカーボルトを含む基礎工事の施工において当該アンカーボルトの保持のための枠作業が簡単になり、この点でさらに施工が容易になる。
実施形態の低層建築物の断面概略図である。 図1に示す基礎の平面概略図である。 周状垂直部及びその付近の構造を拡大して示した正面断面概略図である。 周状垂直部における各板状部材とその連結構造を示した斜視概略図である。 内側延長垂直部及びその付近の構造を拡大して示した正面断面概略図である。 実施形態の低層建築物における基礎の施工方法を示した断面概略図である。 第二の実施形態の低層建築物の主要部を示した断面概略図であり、第二の実施形態における基礎の構造の主要部を示した断面概略図である。 第二の実施形態における各内板の連結構造及び保持構造を示した斜視概略図である。 第三の実施形態の低層建築物の断面概略図である。 実施形態に係る基礎工事用アンカーホルダーの斜視概略図である。 図11に示す基礎工事用アンカーホルダーの使用方法を示した正面断面概略図である。 従来の低層建築物の基礎の主要部を示した断面概略図である。
次に、この出願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の低層建築物の断面概略図である。低層とは4階までを指し、典型的には一戸建ての木造住宅が低層建築物に該当する。
図1に示す低層建築物は、基礎1と、基礎1の上に構築された建物2から成る。基礎1は、主たる要素としてコンクリート層3を含んでいる。コンクリート層3は、水平部31と垂直部32,33とを有する。この実施形態における基礎1は、いわゆるべた基礎であり、水平部31は、建物2の下側の領域を全て覆う形状である。
図2は、図1に示す基礎1の平面概略図である。図2において、建物2の施工領域が波線で示されている。この例では、建物2は方形の領域に形成される。
図2に示すように、コンクリート層3の垂直部は、建物2の施工領域の輪郭に沿って周状に延びた部分(以下、周状垂直部)32を有している。周状垂直部32は、同様に方形(ロ状)である。図2に示すように、垂直部は、周状部から内側に延びた部分(以下、内側延長垂直部)33を有している。内側延長垂直部33は、建物2の構造に応じて基礎1で支えるべき箇所として設けられており、建物2の構造によってその位置や形状が決定される。
実施形態の基礎構造の特徴点の一つは、このようなコンクリート層3に加え、垂直方向に立てて配設された板状部材4,5,6を備えている点である。板状部材4,5,6は、周状垂直部32及び各内側延長垂直部33のそれぞれに設けられている。まず、周状垂直部32に設けられた一対の板状部材4,5について説明する。図3は、周状垂直部32及びその付近の構造を拡大して示した正面断面概略図、図4は、周状垂直部32における各板状部材とその連結構造を示した斜視概略図である。
各板状部材4,5は、スチール製であり、いわゆる波板となっている。凹凸は水平方向に向いており、周状垂直部32に対して凸となった部分は垂直に延びており、リブ(補強用凸条)として機能する部分である。
周状垂直部32を挟んだ一対の板状部材4,5において、建物2の施工領域の中央に近い板状部材4を内板と呼び、遠い側の板状部材5を外板と呼ぶ。図1、図3及び図4に示すように、外板5は内板4よりも高さが高く、外板5の上端と内板4の上端とは高さ方向で同じ位置に位置している。したがって、外板5の下端は、内板4よりも下方に位置する。
外板5は、基礎構造において最も外側に位置するが、図1及び図3に示すように、地表面GLは、外板5の高さ方向の途中(上端と下端との間)に位置している。即ち、外板5は、下側が地中に埋設された状態となっており、埋設された部分の上側は、地表面GLから露出している。
また、内板4の下端は、コンクリート層3の水平部31の上面の高さとなっている。即ち、コンクリート層3は、内板4の下端において周状垂直部32と水平部31とが連続しており、L字状の断面形状を成している。
このような内板4及び外板5は、周状垂直部32が延びる方向に沿って多数設けられている。即ち、図1及び図2から解るように、内板4は建物2の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、外板5も建物2の水平方向の輪郭に沿って多数並べられている。そして、多数の内板4及び外板5のうち、互いに向かい合う幾つかの組の内板4及び外板5は、嵌め込み型の連結部材で連結されている。
より具体的に説明すると、この実施形態では、各外板5の下側にはレール(以下、外レールという)51が設けられている。外レール51は、建物2の水平方向の輪郭に沿って延びている。各外板5は下端が外レール51に嵌め込まれて立てられた状態となっている。即ち、外レール51は、各外板5を保持する凹部を有する形状である。この実施形態では、平板状の部材を断面凹状に折り曲げたものが外レール51として採用されている。
外レール51は、各外板5の幅より長い長尺なものである。複数の外レール51が繋ぎ合わされ、図1に示す建物2の水平方向の輪郭の全長に亘っている。外レール51同士の連結は、端部を重ね合わせた上でのボルト又はネジでの固定でも良いし、連結部材(嵌め込みタイプを含む)での連結でも良い。
各内板4も、下側に設けられたレール(以下、内レールという)41に下端が差し込まれて保持されている。内レール41も外レール51と同様で、平板状の部材を断面凹状に折り曲げた形状であり、相互に繋ぎ合わされて建物2の水平方向の輪郭のほぼ全長に亘っている。
外レール51には、外レール固定具52が設けられている。この実施形態では、コンクリート層3の下には捨てコンクリート(以下、捨てコンと略称する)30が設けられている。外レール固定具52は、先端で外レール51を支持しており、捨てコン30に対してアンカーボルト521を打ち込むことで固定されている。尚、外レール固定具52は、外レール51の長さ方向に間隔をおいて複数設けられている。
内レール41は、外板5に対して内レール固定具42により固定されている。内レール固定具42は、先端で内レール41を保持し、後端が外板5に対してピン打ち機等により固定されている。内レール固定具42は、外レール51に対して固定される場合もある。内レール固定具42は、外板5及び下板を下側において橋渡すように取り付けられているので、外板5と下板とを下側において連結する機能も有する。
一方、各外板5の上端は、カバー(以下、外カバーという)53が被せられている。外カバー53は、外レール51を上下逆にした形状、配置のものである。外カバー53は、同様に、長尺なものが複数繋ぎ合わされ、建物2の水平方向の輪郭の全長に亘っている。
各内板4についても同様であり、同様の形状のカバー(以下、内カバーという)43が被せられている。内カバー43も、建物2の水平方向の輪郭のほぼ全長に亘っている。
そして、向かい合った外板5の列と内板4の列は、嵌め込み型の連結具(以下、板連結具という)7で連結されている。板連結具7は、外板5の列と内板4の列との間隔に相当する長さの棒状の部材であり、両端に嵌め込み部71,72を有している。一方の嵌め込み部(以下、外嵌め込み部という)71は外カバー53の幅に相当する開口幅の凹部であり、他方の嵌め込み部(以下、内嵌め込み部という)72は内カバー43の幅に相当する開口幅の凹部である。板連結具7は、各々嵌め込み部71,27の開口を下方に向けて取り付けられる。外嵌め込み部71には、外カバー53を挟み込んだ状態で外板5の上端が嵌め込まれている。内嵌め込み部72には、内カバー43を挟み込んだ状態で内板4の上端が嵌め込まれている。板連結具7は、各カバー53,43の長さ方向に間隔をおいて複数設けられており、したがって、向かい合う外板5及び内板4の幾つかの組において連結をしたものとなっている。但し、各外板5は外カバー53で覆われており、各内板4は内カバー43で覆われているので、板連結具7は、外カバー53及び内カバー43を介して各外カバー53と各内カバー43とを連結した状態であるといえる。
このようにして連結されている各外板5及び各内板4は、コンクリート層3の形成の際の型枠として使用されたものである。即ち、図1〜図4に示すように組み上げられた後、各外板5と各内板4との間にコンクリートが流し込まれ、養生、固化させることでコンクリート層3が形成されている。そして、各外板5及び各内板4は、コンクリート層3の形成後も取り外されずに残存し、基礎1の一部となっている。
図5は、内側延長垂直部33及びその付近の構造を拡大して示した正面断面概略図である。図5に示すように、内側延長垂直部33についても、同様にスチール製の板状部材6が型枠として用いられ、そのまま残存した構造となっている。内側延長垂直部33については、内外の区別はなく、内板4と同様の寸法形状の板状部材6が一対となって設けられている。以下、内側延長垂直部33において型枠として用いられた板状部材6を「枠板」と呼ぶ。各枠板6は、内側延長垂直部33の幅を隔てて列を成している。そして、各列において下側にレール61が設けられ、各枠板6の下端はレール61に嵌め込まれている。また、各列において上側にカバー62が設けられ、各枠板6の上端はカバー62で覆われている。さらに、各レール61は、捨てコン30に対してロングアンカーボルト64で固定されたレール保持具63で保持されている。また、枠板6の列同士は、カバー62を介して板連結具7で連結されている。板連結具7は、上側梁鉄筋83の保持に兼用されている。
レール保持具63は、一対の枠板6を下側で連結する機能も兼用しており、両端にレール61を保持する凹部を有している。レール保持具63は、捨てコン30に打設されたロングアンカーボルト64の上端に固定されており、ロングアンカーボルト64により中に浮いた状態で取り付けられている。このロングアンカーボルト64は、通常より長いアンカーピン(ロングアンカーピン)であり、所定の高さに位置する頭部がボルト状になっており、そこにレール保持具63が固定されている。尚、ロングアンカーボルト64は、アンカー固定板641を挟み込んだ状態で捨てコン30に打設されている。
このような各外板5、各内板4及び各枠板6は、木製であった従来とは異なり、スチール製となっている。各外板5、各内板4及び各枠板6は、前述したように波板状であり、鋼板を塑性加工することで形成されている。凹凸形状は、コンクリートが流し込まれて固化する際、型枠としての形状を保持するための補強構造となっている。各外板5、各内板4及び各枠板6は平板状のものであっても、ある程度厚さを厚くすれば使用可能であるが、薄いものを使用すると、コンクリートを流し込んだ際に膨出してしまったり、破れてしまったりする可能性がある。波板状のものであると、厚さを薄くしても十分な形状保持強度があり、使用可能である。このような各外板5、各内板4及び各枠板6としては、例えば日新製鋼建材(株)製のセパメイト(同社の登録商標)を使用することができる。
また、この実施形態では、各レールや各カバー、各レール固定具もスチール製となっている。例えば溶融亜鉛メッキ鋼板に対して切断、打ち抜き、塑性変形等の加工を行うことで形成されたものが使用される。
この種の溶融亜鉛メッキ鋼板は、ステンレスに比べて安価であり、且つ錆にも強いという特性を有している。したがって、実施形態における各外板5、各内板4及び各枠板6等の材料として好適である。
尚、実施形態において、コンクリート層3内には補強用の鉄筋81,83,84が適宜配設されている。鉄筋81は、コンクリート層3の水平部31においては格子状に組み上げられている(以下、格子鉄筋という)。
また、垂直部32,33には、梁鉄筋83,84が配設されている。梁鉄筋83、84は、図3、図5の紙面垂直方向に延びており、従って垂直部32,33が水平面内で延びる方向と同じ方向に延びている。従来の基礎の構造では、コンクリート層の垂直部には、垂直方向に延びる鉄筋(以下、垂直鉄筋という。)に等間隔に多数配設され、これに保持される形で梁鉄筋が配設される。即ち、垂直な面内で格子となるよう鉄筋が組み合わされる。しかしながら、基礎の構造計算上、垂直鉄筋は特に意味がなく、重要なのは水平方向に延びる梁鉄筋である。垂直鉄筋は、梁鉄筋を保持するものとして設けられ、特に構造上必要なものではない。
一方、この実施形態では、上側梁鉄筋83は、板連結具7を利用して取り付けられている。具体的には、上側梁鉄筋83は、板連結具7の上に載せられており、不図示の紐又はワイヤー等で板連結具7に締結されている。このため、垂直鉄筋は設けていない。但し、垂直鉄筋を設けることを、本願発明は排除するものではない。尚、下側梁鉄筋84は、格子鉄筋81に紐又はワイヤー等で締結されている。
建物2は、上記のような基礎1に対して構造躯体を施工し、その上で床、壁、屋根等を施工することで建築されたものとなっている。実施形態の低層建築物は、建物2に関しては特に限定されるものではなく、在来工法(木造軸組工法)によるもの、ツーバイフォー(枠組壁工法)によるもの、軽量鉄骨工法(プレハブ工法)など、種々の工法で構築することができる。
このような実施形態の低層建築物のうち、特に基礎1の施工方法について図6を使用して説明する。図6は、実施形態の低層建築物における基礎1の施工方法を示した断面概略図である。
実施形態の低層建築物における基礎1の施工する場合、図6(1)に示すように、建物2の施工領域(水平方向の領域)より少し広い領域を掘り下げ、底部を地固めして砕石301を敷き詰める(地業する)。そして、砕石91の上にコンクリートを流し込み、養生させて捨てコン30を形成する。
捨てコン30が固化した後、図6(1)に示すように、アンカーボルト521の打設により各外レール固定具52を捨てコン30に固定する。各外レール固定具52の固定箇所は、コンクリート層3のうちの周状垂直部32を形成する位置である。したがって、設計図に基づいて捨てコン30の表面に墨出しが行われ、墨出しに沿って外レール固定具52が取り付けられる。
次に、図6(2)に示すように、外レール固定具52に外レール51を取り付ける。外レール51は、建築する建物2の水平方向の輪郭に沿うものであるので、平面視で周状に繋ぎ合わされる。
そして、外レール51に対して外板5を次々に嵌め込んでいく。外板5は、外レール51の長さ方向の全てに嵌め込まれ、外板5によって周状に壁が形成されたような状態となる。この際、必要に応じて、隣り合う外板5同士の端部を重ね合わせたり、重ね合わせた端部同士をネジで固定したりすることがあり得る。
次に、コンクリート層3の水平部31用の配筋作業を行う。即ち、捨てコン30の上に鉄筋を格子状に組み上げて格子鉄筋81を取り付ける。この際、捨てコン30に対して鉄筋用アンカー811を打設する。鉄筋用アンカーは、間隔を置いて多数打設され、鉄筋用アンカー811に格子鉄筋81を保持させ、格子鉄筋81を宙づり状態とする。
次に、図6(3)に示すように、外板5又は外レール51に対して、内レール固定具42を取り付ける。そして、内レール固定具42に対して内レール41を取り付ける。この結果、外板5又は外レール51に固定された内レール固定具42が内レール41を宙づりで保持した状態となる。
その後、内レール41に内板4を次々に嵌め込んでいく。この結果、内レール41に保持された状態で多数の内板4が周状に対して連なった状態となる。但し、内側延長垂直部33を形成する箇所には内レール41及び内板4は設けられない。この部分では、内レール41及び内板4は途切れた形となる。その上で、外カバー53と内カバー43との間を橋渡すようにして板連結具7を取り付ける。板連結具7は、一定の間隔をおいて多数取り付けられる。
尚、図示は省略するが、建物2の水平方向の輪郭におけるコーナーの部分(直角に曲がった部分)については、外レール51及び内レール41はそれぞれ二つのものを直角に接合し、外板5及び内板4も、それぞれ直角に当接させる。その上で、同様に直角に接合された外カバー53及び内カバー43を被せる。外板5、内板4の当接箇所は、端部を互いに折り曲げて重ね合わせてネジ止めで固定するか、又は直角に折り曲げられた短い幅のコーナー用の枠板6を被せて必要に応じて外板5、内板4に対してネジ止めして固定する。
次に、内側延長垂直部33用の各レール61や各枠板6、各カバー62についても同様に施工する。レール61の端部は内レール41の端部に対して直角に接合され、枠板6は内板4に対して直角に当接して固定される。そして、カバー63の端部は内カバー43の端部に対して直角に接合される。そして、一対の枠板6に対して板連結具7を取り付ける。即ち、一対の枠板6の列を覆うカバー62に両端を嵌め込むことで、一対の枠板6の列を板連結具7が連結した状態とする。
このようにして多数の外板5、内板4、枠板6を取り付けて各板連結具7で連結した後、図6(4)に示すように、各板連結具7に上側梁鉄筋83を載せて紐又はワイヤー等で連結する。下側梁鉄筋84は、格子鉄筋81に連結する。
このようにして組み上げた型枠(各外板5、各内板4、各枠板6)に対して、コンクリートの打設(流し込み)を行う。コンクリートは、まず格子鉄筋81が配設された箇所に流し込まれ、水平方向に充填される。これで、水平部31用のコンクリートの打設が完了する。その後、引き続いて(養生工程を介在させることなく)、各垂直部32,33の上からコンクリートを流し込み、各外板5と各内板4の間、各枠板6の間に充填する。
図6(5)に示すように、各外板5と各内板4との上端、各枠板6の上端までコンクリートが充填されると、コンクリートの打設は終了である。その後、所定期間放置して養生し、コンクリートを固化させる。
その後、図6(6)に示すように、埋め戻しを行って地表面GLを平らにすると、基礎1の施工が完了である。基礎工事の完了後も、各外板5、各内板4、各枠板6、各板連結具7、各外レール固定具52、各内レール固定具42、各レール固定具等は取り外されず、残存する。
上記説明から解る通り、実施形態の住宅用低層建築物では、基礎1を構成するコンクリート層3の水平部31と垂直部32,33とが一回のコンクリートの打設及び養生により形成されるので、工期が非常に短くなる。その上、水平部31と垂直部32,33との間に従来のような界面は形成されないので、ひび割れ等が生じて強度が低下したり、シロアリのような害虫が侵入したり、薄いがしみこんだりする心配がない。
また、型枠として用いた各外板5、各内板4及び各枠板6がそのまま残留しており、これらの板材によってコンクリート層3の垂直部32,33が補強される。また、各外板5は、建物2の下側で露出しており、外部からの衝撃等に対して基礎1を保護、補強している。
特に、この実施形態では、各外板5の途中の高さが地表面GLとなっており、下側が地中に埋設され、上側が地表から露出している。各外板5は基礎1の外周を取り囲んでおり、地中のある程度の深さから地表のある程度の高さまで、高さ方向では一枚の板で補強、保護している。このため、コンクリート層3の補強、保護効果が高い。コンクリート層3のうち地中に埋設されている部分のみ外板5を残留させる構造も考えられるが、そのようにすると、保護が必要な地上部分のコンクリート層3が露出した状態となってしまうので、好ましくない。スチール製の各外板5が見栄えが悪いということであれば、基礎1の施工後にモルタル又は塗料等を塗布して化粧しても良く、カラーリングされた板状部材も入手可能であるので、それを各外板5として使用しても良い。
また、この実施形態では、図1に示すように、水平部31の上面の高さは地表面GLよりも下側となっている。図10に示すように、従来の低層建築物におけるベタ基礎は、水平部101の上面が地表面GLより必ず高い位置とされる。これは、水平部101の施工後に雨が降ると、水平部31の上面の高さが地表面GLより低い場合、水平部101の表面に雨水や土砂が浸入してしまうからである。建築後も、水平部101と垂直部102との境界面にひび割れ等が発生した場合、雨水が浸入し易く、水平部101の上面に水が溜まったり、床下に湿気がこもってカビが生えやすくなったりする問題がある。このようなことから、従来は、コンクリート層の水平部101の上面が地表面GLよりも必ず高い位置とされる。
その一方、垂直部102の下側は十分な深さで地中に埋設されている必要がある。このため、水平部31は、垂直部102の下側において厚く形成され、図10に示すように下側の突出した断面構造とされる。水平部101と垂直部102とが直角(L字)とした方が構造的にシンプルであるが、水平部101の上面を地表面GLより高くしなければならず、L字とすると、水平部101の厚さが厚くなり、コンクリートの量が多くってコスト高となってしまうからである。それでも、垂直部102と水平部101との接続箇所は、図10に示すように斜めに垂直部102を支える部分が必要となる。この部分でコンクリートを多く使ってしまっており、コスト高となっている。
また別の問題として、従来の低層建築物では、水平部101の上面が地表面GLよりも高いため、水平部101と床との間の空間(床下空間)の高さが低い。この部分は床や基礎1の点検等のために十分な空間が確保されることが好ましいが、水平部101の上面を地表面GLよりも高くする関係上、十分な空間を確保することは難しい。
一方、実施形態の低層建築物では、水平部31の上面が地表面GLよりも低いので、コンクリートの量が多くなってコスト高となる問題はなく、また床下空間が広く確保できるので、点検等が行い易く、好適である。水平部31の上面が地表面GLよりも高くできるのは、水平部31と垂直部32,33との界面が形成されず、水平部31と垂直部32,33とが一回の施工で行えるからである。即ち、水平部31用のコンクリートの打設の後、垂直部32,33用のコンクリートの打設の前に水平部31のコンクリートの養生、固化をさせている期間は存在せず、その期間での降雨の問題はないからである。また、基礎1の施工後も、周状垂直部32が無終端状に取り囲み、且つ周状垂直部32と水平部31との間に界面がなくてひび割れ等が発生しないので、雨水の浸入の恐れがないからである。
板連結具7が嵌め込み型のものである点は、熟練工でなくとも容易に基礎1の施工を可能にするという意義がある。コンクリート層3の形成の際の型枠の組み上げについては、コンクリートの打設後、養生の際に乾燥収縮するので、向かい合う枠板6の離間距離が重要である。従来の木製の型枠を使用した施工では、熟練した職人が経験と勘で木材を連結して間隔を確保しているが、手間と技能を要する。実施形態では、板連結具7の長さを所定のものとしておき、嵌め込むだけで施工が完了するので、手間や技能が必要としない。
尚、板連結具7は、基礎1の施工後に残留させても良いが、取り除いても良い。上側の構造躯体等の施工の際に邪魔になるようであれば、取り除かれる。
また、外板5や内板4、枠板6を垂直に立てて並べていく際、レール51,52,61に差し込むだけで良いので、この点も施工を容易にしている。レールがない場合、外板5や内板4、枠板6を1枚ずつアンカーピン等で固定していかなればならず、大変面倒である。この実施形態では、捨てコン30に固定したレール51,41,61に外板5、内板4、枠板6を嵌め込んでいくだけで仮設が完了するので、極めて簡便である。
さらに、実施形態の低層建築物では、基礎1のコンクリート層3の垂直部32,33では、梁鉄筋83を板連結具7で保持しているので、垂直鉄筋を設けていない。このため、多数の垂直鉄筋を一定間隔をおいて並べて格子鉄筋81に締結するという面倒で専門的な作業は不要であり、この点でも施工が容易で短期間に施工が完了する構造となっている。多数の垂直鉄筋のコストも発生しないので、コスト削減の面でも非常に好適となっている。
次に、第二の実施形態の低層建築物について説明する。
図7は、第二の実施形態の低層建築物の主要部を示した断面概略図であり、第二の実施形態における基礎1の構造の主要部を示した断面概略図である。
第二の実施形態では、型枠として用いられる各内板4が第一の実施形態と異なっている。各外板5には、第一の実施形態と同様、スチール製の波板状の板状部材が使用されているが、各内板4は発砲スチロール製となっている。発砲スチロール製の各内板4は、図7に示すように厚いものであり、ブロック状というのが適切である。この明細書では、ブロック状の部材も、「板」の概念に含めるものとする。発砲スチロール製の内板4の厚さ(図6にtで示す)は、50〜100mm程度である。
第二の実施形態において、各内板4が発砲スチロール製であることに対応し、各内板4の保持構造が最適化されている。第二の実施形態において、外板5は、同様に外レール51に下端が差し込まれた状態で保持されており、外レール51は外レール固定具52で捨てコン30に固定されている。
各内板4は、同様に建物2の水平方向の輪郭に沿って並べられている。第二の実施形態では、各内板4についてレール状のものは設けられておらず、樹脂製のジョイント44,45によって相互に連結されている。そして、ジョイント44,45に対して内板保持具46が取り付けられており、ジョイント44,45を介して各内板4は内板保持具46で保持されている。
図8は、第二の実施形態における各内板4の連結構造及び保持構造を示した斜視概略図である。図8に示すように、ジョイント44,45は、一つの内板4に対して上下に二つ設けられている。以下、説明の都合上、上ジョイント44、下ジョイント45という。
各ジョイント44,45は、主部441,451と、内板4を保持した保持部442,452とから成っている。主部441,451は、水平方向に長い帯板状であり、幅方向を垂直にした姿勢となっている。保持部442,452は、Tの字を横にしたような断面形状である。
一方、内板4も、各ジョイント44,45の保持部442,452の形状に合わせた断面T字状の切り欠き40が形成されている。図8に示すように、内板4は、切り欠き40内に各ジョイント44,45の保持部442,452を挿通させた状態となっている。
内板保持具46は、スチール製の板状の部材である。内板保持具46の一端は外板5にネジ止めされており、他端は図8に示すように上方に折れ曲がっている。折れ曲がった他端は、先端で下ジョイント45を引っ掛けている。即ち、下ジョイント45の主部は、上端が断面L字状に折れ曲がっており、内板保持具46の他端は、先端を下ジョイント45の主部451の折れ曲がった部分に引っ掛ける形で下ジョイント45を保持している。尚、内板保持具46の他端は、下ジョイント45と内板4との間には差し込まれた状態である。このような構造により、内板4は、下ジョイント45を介して内板保持具46に保持されている。
図7に示すように、内板保持具46はロングアンカーボルト461によって外レール固定具52とともに捨てコン30に固定されている。ロングアンカーボルト461は、捨てコン30に接触する外レール固定具52を捨てコン30に固定するとともに、上端で内板保持具46を固定している。これにより、内板保持具46は宙づりされた状態となっており、内板4も宙づりされた状態で保持されている。
上記のような内板保持具46は、内板4を外板5に対して所定の距離を保つ連結具の機能も有している。同様の機能を果たすものとして、上ジョイント44に対して上連結具47が設けられている。上連結具47も、スチール製の板状の部材である。
図7に示すように、一列に並んだ外レール51には同様に外カバー53が被せられており、上連結具47の一端は、外カバー53の上から外レール51の上端に嵌め込まれている。上連結具47の他端は、図8に示すように下側に折れ曲がっており、下端が上ジョイント44と内板4との間に差し込まれている。これにより、上側において、内板4と外板5との離間距離が保持されている。
尚、内板保持具46及び上連結具47は、隣り合う内板4が離れてしまわないように固定する機能も有している。図8に示すように、内板保持具46の上方に折れ曲がった他端の外面には、突起462が形成されている。この突起462は、他端が内板4と下ジョイント45に差し込まれた際、発泡スチロールである内板4に食い込む。また、上連結具47の下方に折れ曲がった他端の外面にも、突起471が設けられている。この突起471も、他端が内板4と上ジョイント44の間に差し込まれた際、内板4に食い込む。このような各突起462,471の食い込みにより、各内板4は左右に動かないようになっている。
尚、第二の実施形態でも、内板4の上面には内カバー43が被せられている。内カバー43は、上方に部材を取り付ける際に内板4が損傷しないようにするための保護カバーである。
この実施形態においても、地業、捨てコン30の施工の後、水平部31用の格子鉄筋81を配設し、その後、多数の外板5、内板4及び各枠板6を上記のように組み上げて各梁鉄筋83,84及び各垂直鉄筋82を配設した後、コンクリートを打設、固化させることで基礎1が完了する。各外板5、各内板4、各枠板6は、コンクリート層3の形成後も残存し、コンクリート層3を補強、保護する。
さらにこの実施形態では、内板4が発泡スチロール製であるので、断熱効果が発揮される。断熱効果を発揮しつつコンクリート層3の形成のための型枠として強度が確保されるようにするには、発泡スチロール製の内板4の厚さtは50〜100mmとすることが好ましい。
尚、外板5についても発泡スチロール製とすることが可能であるが、外部からの衝撃に対する保護の点ではスチール製の方が好ましい。外板5を発泡スチロール製とする場合、厚さが厚くなるので、それに応じた幅広の外レール51を用意し、捨てコン30にアンカー止めした後、同様に外レール51に外板5を差し込みながら並べていく。また、発泡スチロール製の内板4又は外板5は、必要に応じて補強用のコーティングが表面に施されたものが使用される。
次に、第三の実施形態について説明する。
図9は、第三の実施形態の低層建築物の断面概略図である。第三の実施形態の低層建築物は、いわゆる軟弱地盤に建築されることを想定したものとなっている。
具体的に説明すると、この実施形態の低層建築物は、地盤対策を施した構造を有している。即ち、基礎1の下側には、地盤置換層が形成されている。地盤置換層は、地盤の土よりも比重の軽い部材で空間を置換し、それによって不同沈下を防止するものである。この実施形態では、樹脂(発泡スチロールを除く)製のブロック(以下、樹脂ブロックとう)91を水平方向に並べて敷き詰めることで形成された樹脂ブロック層9によって地盤置換をしている。
樹脂ブロック91は、全体としては直方体状の骨格部材であり、大小の開口が多数形成されて軽量化された部材である。樹脂ブロック91は、再生オレフィン系の樹脂で形成することができ、例えばポリプロピレン、ポリエチレン又はこれらの混合材料で形成される。このような樹脂ブロック91としては、(株)日東ジオテクノ製のジオプール(同社の商標)AE−S型やAE−K型を使用することができる。
第三の実施形態の低層建築物を建築する場合、通常よりも深く地面を掘り下げて底部を突き固め、砕石301を敷き詰める。そして、土砂を遮断して水を通す不図示の透水シートを砕石の上に敷き、その上に樹脂ブロック91を並べて敷き詰め、樹脂ブロック層9を形成する。そして、樹脂ブロック層9の側面や上面も透水シートで覆った後、必要に応じてリプラボード(再生プラスチックボード)のような軽量な板材を多数敷き詰めて緩衝層92とする。尚、掘り下げた側壁面と樹脂ブロック層9の間の隙間にも砕石301が充填される。その上で捨てコン30を形成する。
捨てコン30の形成後の工程は、上記第一の実施形態と同様である。格子鉄筋81の配設の後、外板5、内板4、枠板6を多数並べて組み上げる。そして、各梁鉄筋83,84を配設した後、コンクリートを打設して養生させ、コンクリート層3を形成することで基礎1が完成する。その後、建物2の建築が行われる。
この第三の実施形態においても、コンクリート層3の水平部31の上面の高さは、地表面GLよりも低くされる。この場合、水平部31の上面の高さが地表面GLよりも低いということは、軟弱地盤に建築される建築物において特別な意味を持つ。即ち、水平部31の上側の空間のうち、地表面GLの高さよりも低い部分の空間の容積は、重量ゼロで地盤を置換している効果を持つ。即ち、この部分の空間の重量がゼロであることから、上載圧が小さくなり、地耐力が低い地盤であっても不同沈下のような事故が生じにくくなる。
この場合、地耐力がより小さい地盤(より弱い地盤)の場合には、地盤置換の量を大きくする必要がある。これを、上記水平部31の上面の高さだけで達成しようとすると、水平部31の上面の地上面のレベルからの距離を長くする必要があるから、結果的に垂直部32,33の高さをより高くする必要がある。垂直部32,33の高さを高くすると、強度を確保するために厚さを厚くする必要が生じ、低層建築物としては大がかりな基礎1となってしまい、コンクリートの使用量がかさんで非常にコストの高い構造となってしまう。
一方、実施形態のように、基礎1の下側に軽量な多数の樹脂ブロック91で形成された樹脂ブロック層9を設けると、水平部31の上面の高さはそれほど低くする必要がなく、垂直部32,33の高さをそれほど高くする必要はない。即ち、水平部31の上面が地表面GLよりも低い位置である構造と樹脂ブロック層9を設けた構造とすることとは、互いに協働して安価なコストで高い地盤置換の効果をもたらし、地耐力が非常に小さいより軟弱な地盤に対しても安価なコストで不同沈下防止の効果を得ることができるという意義を有する。
尚、水平部31の上面が地表面GLよりも高い位置である場合、より軟弱な地盤に対して十分な地盤置換の効果を得るためには、高さの高い大型の樹脂ブロック91を並べて樹脂ブロック層9としたり、樹脂ブロック91を二段以上積み重ねて樹脂ブロック層9を高くしたりする必要が生じる。このようにすると、樹脂ブロック層9の形成のためのコストが高くなるが、この実施形態では、水平部31の上面が地表面GLより低い位置であることによっても地盤置換の効果が得られるため、樹脂ブロック層9の高さは低くて済み、樹脂ブロック層9の形成のコストは安価になる。樹脂ブロック層9としては、厚さが5〜30mm程度のものを並べた一層の構造とすれば足りる場合が多い。この場合、水平部31の上面は、地表面GLの高さに対して300〜900mm程度低い位置とされる。
樹脂ブロック91は相互に(水平方向で)連結される方が樹脂ブロック層9全体の強度は増すが、意図的に連結しない構造とする場合もある。樹脂ブロック層9を設けることで免震効果が発揮されることが発明者の研究により確認されており、この効果は、樹脂ブロック91を相互に連結しない方がより高くなる。
上記各実施形態では、基礎1はベタ基礎であったが、本願発明は、布基礎についても実施可能である。布基礎も、コンクリート層は水平部と垂直部とから成る。垂直部について一対の枠板で型枠を形成する。水平部については、側面用に高さの低い一対の型枠を設ける。各型枠については同様の固定構造、連結構造を採用し、布基礎から成るコンクリート層を形成することができ、各型枠は基礎工事の完了後も残存させる。
また、上記各実施形態において、水平部31の下側は捨てコン30でない場合もある。即ち、各アンカーボルトや各ロングアンカーボルトを地中に直接打設して固定する場合もある。
尚、第三の実施形態において、樹脂ブロック層9は、建物1の施工領域の全面に設けられる場合もあるが、必要な箇所にのみ設けられる場合もある。必要な箇所とは、柱の下側とか、各垂直部32,33の下側とかである。
また、低層建築物としては、住居用の他、小規模の商業施設や幼稚園、保育園、老人ホーム等の福祉・教育施設、集会場等の地域の公共施設等、種々の用途のものであり得る。
次に、基礎工事用アンカーホルダーの発明の実施形態について説明する。
図10は、実施形態に係る基礎工事用アンカーホルダーの斜視概略図である。このアンカーホルダーは、上記各実施形態における基礎1の施工の際に好適に用いられるアンカーホルダーである。
基礎の施工においては、その上に施工する建物の構造躯体の固定用のアンカーボルト(以下、躯体用アンカーボルトという。)も同時に施工される場合が多い。実施形態のアンカーホルダーは、この躯体用アンカーボルトを施工中に保持するものとなっている。
図10に示すように、アンカーホルダーは、プレート状の主部701と、主部701の長さ方向の両端に形成された嵌め込み部702と、アンカー保持部703とを有する形状となっている。このアンカーホルダーは、スチール製となっており。スチール製の板材に対して折り曲げ、切削、溶接等の加工を施すことで製作される。
図10に示すように、嵌め込み部702は、主部701の両端から下方に折れ曲がった部位となっている。折れ曲がりは二段階となっており、主部701の両端から下方に延びる第一の垂直板部704と、第一の垂直板部704の下端から外側に水平に延びる水平板部705と、水平板部705の先端から下方に延びる第二の垂直板部706とから成る形状となっている。
後述するように、主部701の長さは、基礎1における一対の枠板4,5,6の離間間隔に相当している。この距離は、両端で下方に折れ曲がった一対の嵌め込み部702の離間間隔は、一対の枠板4,5,6の内面の離間間隔に相当している。また、一対の第二の垂直板部706の離間間隔は、一対の枠体4,5,6の外面の離間間隔に相当している。したがって、水平板部705の幅は、各々枠板4,5,6の厚みに相当している。
アンカー保持部703は、主部701の長さ方向の中央に設けられている。アンカー保持部703は、主部701から上方に延びる一対の側板部707と、一対の側板部707を上端で橋渡しした上端板部708とから成る形状である。図10に示すように、上端板部708には、コ状の切り欠きが形成されている。切り欠きの縁は、躯体用アンカーボルト21の頭部を保持する部位である。
また、図10に示すように、主部701は、一対の側板部707が立ち上がった部分では切り欠きとなっている。図10に矢印で示すように、この切り欠きを通して躯体用アンカーボルト21が挿通される。
尚、嵌め込み部702の水平板部705や第二の垂直板部706には、固定用のビス孔709が設けられている。
このようなアンカーホルダーの使用方法について、図11を使用して説明する。図11は、図10に示す基礎工事用アンカーホルダーの使用方法を示した正面断面概略図である。図11は、内板4及び外板5を備えた周状垂直部32における使用方法を示しているが、内側延長垂直部33においても同様である。
実施形態のアンカーホルダーは、上述した基礎1の施工において枠板4,5,6を組み上げた際に併せて取り付けられる。即ち、前述したように捨てコン30に対して各レール41,51,61を固定した後、内板4及び外板5、一対の枠体6をそれぞれ並べていき、各カバー43,53,63を被せる。そして、図12に示すように、各カバー43,53,63の上から各枠板4,5,6に対してアンカーホルダー700を取り付ける。
この際、一対の嵌め込み部702において、各水平板部705が各カバー43,53,63の上面に載った状態となり、各第二の垂直板部706が各カバー43,53,63の外面に当接した状態となる。各第二の垂直板部706は、カバー43,53,63を介して各枠板4,5,6の外面に引っ掛かった状態となる。そして、必要に応じて、ビス孔709を通してビスが打ち込まれ、アンカーホルダー700は、カバー43,53,63に(又はカバー43,53,63及び枠板4,5,6に)固定される。
次に、取り付けたアンカーホルダー700に躯体用アンカーボルト21を保持させる。図11に示すように、躯体用アンカーボルト21を主部701及びアンカー保持部703のそれぞれの切り欠きに挿通させた後、頭部をアンカー保持部703から突出した状態とし、その頭部にナット22を取り付ける。ナット22は、アンカー保持部703の切り欠きの縁に載った状態となり、これにより躯体用アンカーボルト21がアンカー保持部703に保持される。尚、躯体用アンカーボルト21の姿勢を安定させるため、主部701の切り欠きの縁に対して躯体用アンカーボルト21の腹部を必要に応じてワイヤー等で固定する。
これで、アンカーホルダー700及び躯体用アンカーボルト21の取り付けは完了である。この後は前述したのと同様で、コンクリートの打設、養生が行われ、コンクリート層3が形成される。この場合も、水平部31と垂直部32,33とが同時に打設、養生されて形成される。
コンクリート層3の施工が完了した後、アンカーホルダー700は取り外される。即ち、固定用のビスを取り外し、躯体用アンカーボルト21のナット22も一時的に取り外す。そして、アンカーホルダー700を上側に引き抜くと、躯体用アンカーボルト21のみが残留した状態となる。その後、ナット22は元に戻して(躯体用アンカーボルト21の頭部に取り付けて)おく。これで、基礎工事が全て完了である。躯体用アンカーボルト21は、この後に施工される構造躯体に対する固定用として使用される。尚、図10に示すように、躯体用アンカーボルト21の下端は折れ曲がっている。これは、引き抜きに対する抵抗力を確保するためである。
実施形態の基礎工事用アンカーホルダーによれば、一対の枠板4,5,6に対して嵌め込むだけで取り付けが可能であり、コンクリートの養生中、アンカーボルトの姿勢を保つことができ、この点で枠作業が簡単になる。
また、一対の嵌め込み部702は、一対の枠板4,5,6の外面に引っ掛けられた状態となるので、コンクリートの養生中に一対の枠板4,5,6を連結する作用も有する。即ち、実施形態のアンカーホルダーは、前述した板連結具7と同様の作用を持ち、コンクリートを打設した際、一対の枠板4,5,6が広がってしまうのを防止する。即ち、実施形態のアンカーホルダーは、一対の枠体4,5,6の連結とアンカーボルト21の保持という二つの機能を有する。このため、板連結具7の代わりにアンカーホルダーを取り付けることで、板連結具7の数を少なくしたり、場合によっては板連結具7を無くしたりする(すべてアンカーホルダーでまかなう)ことも可能である。
尚、アンカーホルダーが保持するアンカーボルトは、広く解釈される必要がある。即ち、前述した躯体用アンカーボルト以外の部材を保持する用途で実施形態のアンカーホルダーは使用され得る。例えば、垂直鉄筋を設ける場合、コンクリート層から突出した状態で設ける場合がある。この場合、実施形態のアンカーホルダーは、アンカー保持部で垂直鉄筋の頭部を保持するよう取り付けられる場合があり得る。即ち、垂直鉄筋も、アンカーホルダーで保持されるアンカーボルトの範疇に含められる。垂直鉄筋と躯体用アンカーボルトと両方を一つのアンカーホルダーが保持する場合もある。
実施形態のアンカーホルダーはスチール製であったが、樹脂製のものが使用されることもある。また、嵌め込む部702は、断面がコ状(開口を下側に向けたコ状)となっており、レール43,53,63を介して枠板4,5,6の上端が挟み込むようにして嵌め込まれる部位である場合もあり得る。
尚、レール43,53,63が使用されない場合、アンカーホルダーは一対の枠板4,5,6に対して直接取り付けられる。
また、躯体用アンカーボルト21を挿通させる形状として切り欠きが設けられたが、開口であっても良い。
1 基礎
2 建物
3 コンクリート層
31 水平部
32 周状垂直部
33 内側延長垂直部
4 内板
41 内レール
43 内カバー
5 外板
51 外レール
53 外カバー
6 枠板
61 レール
63 カバー
7 板連結具
81 格子鉄筋
83 上側梁鉄筋
9 樹脂ブロック層
91 樹脂ブロック
700 アンカーホルダー
701 主部
702 嵌め込み部
703 アンカー保持部
704 第一の垂直板部
706 第二の垂直板部
上記課題を解決するため、この出願の請求項1記載の発明は、基礎と、基礎の上に構築された4階までの建物より成る低層建築物であって、
基礎は、建物の水平方向の輪郭に沿って周状に形成された周状立ち上がりを含んでおり、
周状立ち上がりは、周の内側に位置する内板と、周の外側に位置する外板と、内板と外板との間に充填されて固化したコンクリート層とを備えており、
内板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
外板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
内板は、スチール製又は樹脂製であり、
外板は、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製であり、
各外板は各内板よりも高さが高く、各外板の上端と各内板の上端とは高さ方向で同じ位置に位置しており、
各内板及び各外板は、コンクリート層の充填及び固化の際に型枠として使用されたものであって建物の完成後も残存しているものであり、
コンクリート層は、各内板と前記各外板との間の垂直部と、各内板の下端から内側にはみ出して形成された水平部とを有し、一度に充填されて固化したものであって垂直部と水平部との間に界面は形成されておらず、
地表面は各外板の下端と上端との間にあって、各外板は下側が地中に埋設されており、
向かい合う各内板と各外板は、嵌め込み型の連結部材で連結されており、嵌め込み型の連結部材は、一端に外板用の外嵌め込み部を有し、他端に内板用の内嵌め込み部を有する連結部材であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記コンクリート層の水平部は、建物の下側の領域を全て覆う形状であり、前記基礎はベタ基礎となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記コンクリート層の水平部の上面は、地表面より低い位置であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、垂直部には水平方向に延びる梁鉄筋が埋設されて垂直部を補強しており、
前記連結部材は、梁鉄筋の保持に兼用されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記各外板の下側にはレールが設けられており、
レールは、前記各外板の幅よりも長いものであって前記建物の水平方向の輪郭に沿って延びており、
レールは、前記各外板の下端が嵌め込まれることで前記各外板を保持する凹部を有する形状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、
前記各外板の上端には外カバーが被せられており、
外カバーは各外板の幅よりも長いものであり、
前記連結具の外嵌め込み部には、カバーを挟み込んだ状態で前記外板が嵌め込まれているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、4階までの低層建築物における基礎であって、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製の外板とスチール製又は樹脂製の内板より成る残存型の一対の枠板と、一対の枠板の間に充填されて固化したコンクリート層と、コンクリート層内に下端が埋設され上端がコンクリート層の上面から露出したアンカーボルトとを備えた基礎を施工する際に使用される基礎工事用アンカーホルダーであって、
一対の枠板の離間間隔に相当する長さのプレート状の主部と、
主部の長さ方向の両端に形成され、一対の枠板の上端に嵌め込まれる嵌め込み部と、
アンカー保持部と
を備えており、
アンカー保持部は、主部よりも上側の位置でアンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口を有しており、
アンカー保持部は、主部から上方に延びる一対の側板部と、一対の側板部を上端部で橋渡しした上端板部とから成っており、アンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口は上端板部に設けられており
主部は、アンカー保持部で保持されたアンカーボルトが挿通される切り欠き又は開口を有しており、
嵌め込み部は、基礎の一対の枠板の上端の外側の面に引っ掛けられる形状であるという構成を有する。
以下に説明する通り、この出願の請求項1記載の発明によれば、基礎を構成するコンクリート層の水平部と垂直部とが一回のコンクリートの打設及び養生により形成されるので、工期が非常に短くなる。その上、水平部と垂直部との間に従来のような界面は形成されないので、ひび割れ等が生じて強度が低下したり、シロアリのような害虫が侵入したり、雨水がしみこんだりする心配がない。
また、型枠として用いた各枠板がそのまま残留しており、これらの板材によってコンクリート層の垂直部が補強される。
また、各外板の途中の高さが地表面となっており、下側が地中に埋設され、上側が地表から露出しているので、コンクリート層の補強、保護効果が高い。
さらに、板連結具が嵌め込み型のものである点は、熟練工でなくとも容易に基礎の施工が可能である。
また、請求項3記載の発明によれば、水平部の上面の高さは地表面よりも下側となっているので、コンクリートの量が多くなってコスト高となる問題はなく、また床下空間が広く確保できるので、点検等が行い易く、好適である。
また、請求項4記載の発明によれば、連結部材が梁鉄筋の保持に兼用されているので、構造的にシンプルで、施工がさらに容易になる。
また、請求項5記載の発明によれば、外板を垂直に立てて並べていく際、レールに差し込むだけで良いので、さらに施工が容易になる。
また、請求項記載の発明によれば、構造躯体用のアンカーボルトを含む基礎工事の施工において当該アンカーボルトの保持のための枠作業が簡単になり、この点でさらに施工が容易になる。
そして、向かい合った外板5の列と内板4の列は、嵌め込み型の連結具(以下、板連結具という)7で連結されている。板連結具7は、外板5の列と内板4の列との間隔に相当する長さの棒状の部材であり、両端に嵌め込み部71,72を有している。一方の嵌め込み部(以下、外嵌め込み部という)71は外カバー53の幅に相当する開口幅の凹部であり、他方の嵌め込み部(以下、内嵌め込み部という)72は内カバー43の幅に相当する開口幅の凹部である。板連結具7は、各々嵌め込み部71,27の開口を下方に向けて取り付けられる。外嵌め込み部71には、外カバー53を挟み込んだ状態で外板5の上端が嵌め込まれている。内嵌め込み部72には、内カバー43を挟み込んだ状態で内板4の上端が嵌め込まれている。板連結具7は、各カバー53,43の長さ方向に間隔をおいて複数設けられており、したがって、向かい合う外板5及び内板4の幾つかの組において連結をしたものとなっている。但し、各外板5は外カバー53で覆われており、各内板4は内カバー43で覆われているので、板連結具7は、外カバー53及び内カバー43を介して各外板5と各板4とを連結した状態であるといえる。
上記課題を解決するため、この出願の請求項1記載の発明は、基礎と、基礎の上に構築された4階までの建物より成る低層建築物であって、
基礎は、建物の水平方向の輪郭に沿って周状に形成された周状立ち上がりを含んでおり
周状立ち上がりは、周の内側に位置する内板と、周の外側に位置する外板と、内板と外板との間に充填されて固化したコンクリート層とを備えており、
内板は、建物の水平方向の輸郭に沿って多数並べられており、
外板は、建物の水平方向の輪部に沿って多数並べられており、
内板は、スチール製又は樹脂製であり、
外板は、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製であり、
各外板は各内板よりも高さが高く、各外板の上端と各内板の上端とは高さ方向で同じ位置に位置しており、
各内板及び各外板は、コンクリート層の充項及び固化の際に型枠として使用されたものであって建物の完成後も残存しているものであり、
コンクリート層は、各内板と前記各外板との間の垂直部と、各内板の下端から内側にはみ出して形成された水平部とを有し、一度に充填されて固化したものであって垂直部と水平部との間に界面は形成されておらず、
地表面は各外板の下端と上端との間にあって、各外板は下側が地中に理設されており、
向かい合う各内板と各外板は、嵌め込み型の連結部材で連結されており、嵌め込み型の 連結部材は、一端に外板の上端を挟持するような嵌め込みで連結を行う外板用の外嵌め込み部を有し、
他端に内板の上端を挟持するような嵌め込みで連結を行う内板用の内嵌め込み部を有する連結部材であることを特徴とする低層建築物。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において前記コンクリート層の水平部は、建物の下側の領域を全て覆う形状であり、前記基礎はベタ基礎となっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記コンクリート層の水平部の上面は、地表面より低い位置であるという構成を有する。
また、上記課題、を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、垂直部には水平方向に延びる梁鉄筋が理設されて垂直部を補強しており、
前記連結部材は、梁鉄筋の保持に兼用されているという構成を有する。
また、上記課題を.解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記各外板の下側にはレールが設けられており、
レールは、前記各外板の幅よりも長いものであって前記建物の水平方向の輪郭に沿って延びており、
レールは、前記各外板の下端が嵌め込まれることで前記各外板を保持する凹部を有する形状であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれか の構成において、
前記各外板の上端には外カバーが被せられており、
外カバーは各外板の幅よりも長いものであり、
前記連結具の外嵌め込み部には。カバーを挟み込んだ状態で前記外板が嵌め込まれてい るという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、4階までの低層建築物における基礎であって、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製の外板とスチール製又は樹脂製の内板より成る残存型の一対の枠板と一対の枠板の間に充填されて固化したコンクリート層と、コンクリート層内に下端が理設され上端がコンクリート層
Figure 2018031131
であって、
一対の忰板の離間間隔に相当する長さのプレート状の主部と、
主部の長さ方向の両端に形成され、一対の枠板の上端に嵌め込まれる嵌め込み部と、
アンカー保持部と
を備えており、
アンカー保持部は、主部よりも上側の位置でアンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口を有しており、
アンカー保持部は、主部から上方に延びる一対の測板部と、一対の測板部を上端部で橋渡しした
上端板部とから成っており、アンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口は
上端板部に設けられており、
主部は、アンカー保持部で保持されたアンカーボルトが挿通される切り欠き又は開口を有しており、
嵌め込み部は、基礎の一対の枠板の上端の外側の面に引っ掛けられる形状であるという構成を有する。

Claims (6)

  1. 基礎と、基礎の上に構築された3階までの建物より成る低層建築物であって、
    基礎は、建物の水平方向の輪郭に沿って周状に形成された周状立ち上がりを含んでおり、
    周状立ち上がりは、周の内側に位置する内板と、周の外側に位置する外板と、内板と外板との間に充填されて固化したコンクリート層とを備えており、
    内板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
    外板は、建物の水平方向の輪郭に沿って多数並べられており、
    内板は、スチール製又は樹脂製であり、
    外板は、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製であり、
    各外板は各内板よりも高さが高く、各外板の上端と各内板の上端とは高さ方向で同じ位置に位置しており、
    各内板及び各外板は、コンクリート層の充填及び固化の際に型枠として使用されたものであって建物の完成後も残存しているものであり、
    コンクリート層は、各内板と前記各外板との間の垂直部と、各内板の下端から内側にはみ出して形成された水平部とを有し、一度に充填されて固化したものであって垂直部と水平部との間に界面は形成されておらず、
    地表面は各外板の下端と上端との間にあって、各外板は下側が地中に埋設されており、
    向かい合う各内板と各外板は、嵌め込み型の連結部材で連結されていることを特徴とする低層建築物。
  2. 前記コンクリート層の水平部は、建物の下側の領域を全て覆う形状であり、前記基礎はベタ基礎となっていることを特徴とする請求項1記載の低層建築物。
  3. 前記コンクリート層の水平部の上面は、地表面より低い位置であることを特徴とする請求項2記載の低層建築物。
  4. 垂直部には水平方向に延びる梁鉄筋が埋設されて垂直部を補強しており、
    前記連結部材は、梁鉄筋の保持に兼用されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の低層建築物。
  5. 前記各外板の下側にはレールが設けられており、
    レールは、前記建物の水平方向の輪郭に沿って延びており、
    レールは、前記各外板の下端が嵌め込まれることで前記各外板を保持する凹部を有する形状であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の低層建築物。
  6. 3階までの低層建築物における基礎であって、スチール製又は発泡樹脂を除く樹脂製の外板とスチール製又は樹脂製の内板より成る残存型の一対の枠板と、一対の枠板の間に充填されて固化したコンクリート層と、コンクリート層内に下端が埋設され上端がコンクリート層の上面から露出したアンカーボルトとを備えた基礎を施工する際に使用される基礎工事用アンカーホルダーであって、
    一対の枠板の離間間隔に相当する長さのプレート状の主部と、
    主部の長さ方向の両端に形成され、一対の枠板の上端に嵌め込まれる嵌め込み部と、
    アンカー保持部と
    を備えており、
    アンカー保持部は、主部よりも上側の位置でアンカーボルトの頭部が引っ掛けられる切り欠き又は開口を有しており、
    主部は、アンカー保持部で保持されたアンカーボルトが挿通される切り欠き又は開口を有しており、
    嵌め込み部は、基礎の一対の枠板の上端の外側の面に引っ掛けられる形状であることを特徴とする基礎工事用アンカーホルダー。
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