JP2011247072A - 据付け基礎及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、新築又は既存のコンクリート建物のスラブや、新設又は既存のコンクリート上に機器や鉄骨建造物などを設置するとき、そのための基礎を効率的且つ強固に形成し、その設置に要する労力や設置のための工期、或いは設置コストを一層低減化することのできる据付け基礎及びその施工方法を提供する。
【解決手段】新築又は既存コンクリート建物のスラブ11に形成される据付け基礎10A,10Bは、環状のプレコンクリート部材12を備え、このプレコンクリート部材12は、スラブに立てられた鉄筋22が内部の空洞部13内に入るように設置され、その後プレコンクリート部材12の内側の空洞部13にコンクリート又はグラウトなどからなる充填材を打設して硬化させることで形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、据付け基礎及びその施工方法に関し、更に詳細には、新築若しくは既存のコンクリート構造物のスラブ、或いは新設又は既存のコンクリートの上に水槽、ソーラーパネル或いはクーリングタワーなどの機器、若しくは鉄塔や鉄骨建設物などを設置するための据付け基礎及びその施工方法に関する。
例えば、新築若しくは既存の鉄筋コンクリート造等の建築構造物では、機械室の床や屋上に水槽、空調設備のクーリングタワー、或いはソーラーパネルなどの様々な機器が設置される。通常、このような機器は、機器内部への水の侵入を防いだり或いは種々の目的からスラブの表面に直置きすることはなく、スラブから所定高さを確保する据付け基礎に乗せて設置される。新築或いは既に建造されたコンクリート建物のいずれでも、機器を設置する箇所に据付け基礎を形成する場合には、該基礎をスラブに固結して形成しなければならない。
そこで、このような据付け基礎における従来の技術について具体的に説明する。特許文献1には、「太陽電池パネル据え付け構造」に関する発明が開示されている。この特許文献1で説明している従来技術は、太陽電池パネルなどの設置現場においてその据え付け箇所で型枠を製作し、その型枠内にコンクリートを流し込んで硬化させることにより基礎を形成し、搬送されてきた太陽電池パネル及びその架台をその基礎の上に組み付ける、というものであった。そして、特許文献1において、このような従来の据付け基礎では、常に、設置現場で型枠を製作しなければならないので手間が掛かり、しかもこの型枠内に流し込んだコンクリートの硬化は天候などに左右されるので太陽電池パネルを設置する上での工期を正確に設定することができない、等の問題点を挙げている。
かかる従来の問題点を解決するために、特許文献1に開示された発明では、コンクリート又は鉄筋コンクリート製で運搬可能な基礎を予め製作しておき、それを設置現場に搬送し、例えばスラブなどの設置予定面に薄くセメント層を形成してこれを接着層としてその上に載せてスラブに固定して一体化し、その後に太陽電池パネルの設置用架台をそれらの基礎に据え付けるようにするものであった。これにより、機器を据え付けるための基礎を形成する際に設置現場で型枠を製作する必要がないので手間が省け、また天候などに左右されないので作業の簡略化や工期の正確な設定が行える効果がある、としている。
特開平9−070188号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載された発明では、機器を据え付ける基礎それ自体を、例えば工場などから運搬してくることになり、その基礎自体はかなりの重量があることから設置現場まで運搬するのに大変な労力を必要とする。機器が据え付けられる場所が、例えば、新築或いは既存建物の屋上であったり、地下室であったりする場合には、工場から運搬してきた重い基礎を所定箇所に設置するのに更に大変な労力が掛かる。その結果、特許文献1に開示された発明では、機器据付用の基礎を施工する労力やコストが低減されない、という問題があった。
また、特許文献1に記載された発明では、機器を据え付ける基礎それ自体を、例えば工場で製作し、それを設置現場まで運んでくるので、これをスラブに固定する場合、モルタルを接着層としてスラブに固定する方法、或いは推状の凹部をスラブに形成して基礎の下端を嵌め込む方法しか無く、スラブと強固な一体化を図ることが難しい、という問題もあった。このような問題の解決は、例えば、大きな風圧を受け易い機器を屋上スラブに据え付けるような場合、非常に重要であった。
さらに、特許文献1の記載では、設置場所に防水層が施されている場合についてはまったく言及されていないが、もし、防水層が施されたコンクリート建物の屋上などに特許文献1に記載の技術を用いて太陽電池パネルを設置する場合には、当然に、既存防水層の補修を行わなければならない。そのような場合、この防水補修工事における養生期間も予定しなければならないことから工期がより長くなり、また、前述したように天候に左右されることと相まって、工期を正確に設定することができない、という問題が考えられた。
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、新築又は既存のコンクリート建物のスラブやコンクリートの上に機器や鉄骨建造物などを設置するとき、そのための基礎を効率的且つ強固に形成し、その設置に要する労力や設置のための工期、或いは設置コストを一層低減化することのできる据付け基礎及びその施工方法を提供することにある。
本発明は、新設又は既存のコンクリート表面に形成された据付け基礎である。本発明が特徴とするところは、前記コンクリートの上に設置された環状のプレコンクリート部材と、このプレコンクリート部材の内側の空洞部内に配筋された鉄筋と、前記プレコンクリート部材の前記空洞部に充填材を打設して硬化した充填材料部とから形成され、前記鉄筋の一端側は、前記コンクリートに埋め込まれ、他端側は、前記コンクリートから立ち上がり、前記プレコンクリート部材の前記空洞部に打設されて硬化した前記充填材料部に埋設される。
本発明に係る据付け基礎の一実施形態としては、前記コンクリートが、下地コンクリートの表面に防水機能付きの表面処理層を備えるスラブであるとき、一部領域について前記表面処理層を除去して露出した前記下地コンクリートの前記表面に前記プレコンクリート部材が設置され、前記プレコンクリート部材の外側周辺における前記表面処理層の一部を補修して新たに防水機能を備える表面処理層が再形成され、この再形成された前記表面処理層の一部が、前記プレコンクリート部材外周囲に沿って立ち上がり、該外周囲の側面に密着している。
また、本発明は、新設又は既存のコンクリート表面に据付け基礎を施工する方法である。本発明が特徴とするところは、前記コンクリートに鉄筋の一端側を埋め込む工程と、次いで、前記既存コンクリートから立ち上がった前記鉄筋の他端側を取り囲むように前記コンクリートの上に環状のプレコンクリート部材を配置する工程と、その後、前記鉄筋の前記他端側が位置する前記プレコンクリート部材の内側の空洞部に充填材を打設して硬化させる工程とから構成されている。
本発明に係る据付け基礎を施工する方法の一実施形態としては、前記コンクリートが、下地コンクリート表面上に防水機能付きの表面処理層を備えるスラブであるとき、前記プレコンクリート部材の下部形状にほぼ整合する形状で前記表面処理層を除去して前記下地コンクリートを露出させ、前記鉄筋の前記一端側が、この露出した前記下地コンクリートに埋め込まれる。
本発明に係る据付け基礎によると、プレコンクリート部材は、環状になっていて内部が空洞であるため軽いことから、従来のように重量のある基礎自体を運搬するのに比べ、格段に作業が楽になる。しかも、プレコンクリート部材を設置した後に内側の空洞部に充填材を打設するため、例えば、機器などを据付ける際にはその架台の脚を同時に埋め込むこともでき、更に、機器を設置する予定箇所のコンクリートに鉄筋の一端側を埋め込んだ後にこの鉄筋を取り囲むように環状のプレコンクリート部材を配置してその内部の空洞部に充填材を打設して基礎を完成させるので、非常に強固な基礎が形成でき、しかもかかる基礎を作業労力があまり掛からず、かつ工期が短く、低コストで形成することができる、という優れた効果を奏する。
また、本発明に係る据付け基礎によると、機器などを設置する場所が既存のコンクリート建物の屋上のような表面に防水機能付きの表面処理層を備えたスラブであるときでも、所定範囲の表面処理層を取り除いた後の露出した下地コンクリート面にプレコンクリート部材を配置するので、これを配置した直後にプレコンクリート部材外周囲付近の表面処理層を補修(新たな表面処理層を施す)ことができるので、据付け基礎の施工を非常に迅速にできる。そのため、屋上のような防水機能を備える表面処理層が施されている箇所でも天候を心配することなく据付け基礎を形成することができる。
更に、本発明に係る据付け基礎を施工する方法によると、コンクリートに鉄筋の一端側を埋め込んで、その鉄筋の他端側を取り囲むようにコンクリートの上に環状のプレコンクリート部材を配置した後にプレコンクリート部材の内側の空洞部に充填材を打設して硬化させる、という一連の非常に簡単な工程により据付け基礎を形成できるため、多大な労力を掛けることなく、かつ僅かな工期で強固な基礎を形成することができる、という優れた効果を奏する。
また、本発明に係る据付け基礎を施工する方法によると、例えば、機器などを設置する場所がコンクリート建物の屋上のように表面に防水機能付きの表面処理層が施されたスラブであるときでも、所定範囲の表面処理層を取り除いた後の露出した下地コンクリート面にプレコンクリート部材を配置した直後にプレコンクリート部材外周囲付近における表面処理層を補修して新たな表面処理層を施すことができるので、据付け基礎の施工を非常に迅速にできる。そのため、屋上のような防水機能を備える表面処理層が施されている箇所でも天候を心配することなく据付け基礎を施工することができる。
既存のコンクリート建物の屋上スラブに形成された本発明の一実施形態に係る据付け基礎を示す斜視図。 図1の2−2線で切断して示す据付け基礎の断面図。 据付け基礎を施工する屋上スラブを概略的に示す断面図。 図3の屋上スラブに据付け基礎を施工する断面図。 図4に続き屋上スラブに据付け基礎を施工する断面図。 図5に続き屋上スラブに据付け基礎を施工する断面図。 図6に続き屋上スラブに据付け基礎を施工する断面図。 本発明の第2の実施形態に係る据付け基礎を形成途中の状態で示す平面図。 図8に示される据付け基礎の断面図。
図1及び図2には、本発明における第1の実施形態に係る据付け基礎(以下、基礎と称する)10Aが2つ示されている。これらの基礎10Aは、既存のコンクリート建築物におけるスラブ11に形成されている。ここで、「スラブ」とは、厳密には「床版」を意味するが、この明細書では、コンクリート建物の床のみならず屋上なども含む意味で用いている。図1に示される2つの基礎10Aは、既存のコンクリート建物の屋上スラブ11に形成されている。この基礎10Aは、プレコンクリート部材12を備えている。このプレコンクリート部材12は、予め工場などで形成され、内部にはせん断補強筋が埋設されたもので、横断面が四角形の空洞部13(図6を参照)を画成するように環状に形成されている。
環状のプレコンクリート部材12の構成を更に具体的に説明すると、該プレコンクリート部材12は、横断面が四角形をした環状の主体部12aと、この主体部12aの上部外周において外側に張り出すように一体的に形成され、主体部12aよりも大きな上部拡大部12bとにより構成されている。上部拡大部12bの外形も横断面が四角形状であるが、主体部12aの上部内縁から上部拡大部12bの上部外縁までの上面は外側に僅かに傾斜した傾斜面12cとされている。この基礎10Aの構成については、その施工方法と共にさらに詳しく説明する。コンクリート建物の屋上スラブ11では、図3に示されるように、下地コンクリート表面14上に防水機能を備える表面処理層(以下、「防水層」と称する)15が形成されている。
この防水層15は、下地コンクリート表面14を平坦にするためのモルタル層16、その上に防水のために形成されたアスファルト層17、更にその上にアスファルト層17を保護するために形成されたコンクリート層(押さえコンクリート層)18から構成されている。既存のコンクリート建物における屋上スラブ11に本発明の基礎10Aを形成する場合を例とする第1の実施形態では、防水層15が基礎10Aの施工前から既に形成されているので、この明細書では「既存防水層」15と称することにする。この実施形態において、既存防水層15は、上述のようにモルタル層16と、アスファルト層17と、押さえコンクリート層18とにより構成したものを示しているが、防水機能を備える従来の表面処理層即ち防水層には種々の層構成があり、例えば、押さえコンクリート層18の上にさらにウレタン樹脂を塗布して被膜を形成する場合もある。このような屋上スラブ11に基礎10Aが形成されるとき、図4に示されるように屋上スラブ11の基礎形成予定位置には、プレコンクリート部材12の主体部12aにおける底面形状に整合する領域部分19について既存防水層15が除去され、下地コンクリート表面14が露出される。
より具体的には、プレコンクリート部材12の主体部12aにおける底面形状に整合する領域部分19について、既存防水層15がすべて除去されて下地コンクリート表面14が露出される。他方、既存防水層15がすべて除去された領域部分19より外側の環状領域部分については、主体部12aの外側面から外方へ張出した上部拡大部12bの幅寸法より多少大きな環状の領域部分だけ既存防水層15の一部、即ちモルタル層16とアスファルト層17とを残してその上部の層が除去される。すなわち、プレコンクリート部材12の主体部12aより外側の所定環状領域については、下側2層16,17を残してその上部の押さえコンクリート層18のみが除去される。このようにして既存防水層15の一部及び全部が除去されると、その除去部分にレベル調整用の急結モルタル20が設置される。
その後、図5に示されるように露出された下地コンクリート表面14のうち、プレコンクリート部材12の空洞部13に整合する領域内に適当な数の穴21が開けられる。第1の実施形態では、プレコンクリート部材12の空洞部13に整合する四角形領域における四隅に位置する箇所が削孔され、その内部に数本の鉄筋22が束にされ、それらの一端側が入れられ、コンクリート又は接着剤などが充填されて固定される。これらの鉄筋22は、最終的に形成される基礎10Aを補強するものであるので、これら鉄筋22の本数や太さ、或いは配筋位置などは、この基礎10Aに載置される機器の重量などにより適宜選択される。また、これら鉄筋22が下地コンクリート表面14に埋め込まれるとき、この下地コンクリート表面14からの立ち上がり高さは、プレコンクリート部材12の高さより低くなるような寸法とされる。
次いで、図6に示されるように前述した環状のプレコンクリート部材12が、複数の鉄筋22を囲むように配置される。すなわち、既存防水層15の一部及び全部を除去した部分において、プレコンクリート部材12の主体部12aにおける底面環状部が、露出した下地コンクリート表面14上に置かれ、これによりプレコンクリート部材12の空洞部13内には、下地コンクリートに埋め込まれた複数の鉄筋22が相対的に入り込んだ状態となる。プレコンクリート部材12の空洞部13内に位置する各鉄筋22の下地コンクリート表面14からの立ち上がり高さは、前述したようにプレコンクリート部材12の全高よりも短いので、空洞部13から上方に飛び出すことはない。
このようにして環状のプレコンクリート部材12が屋上スラブ11の所定位置に配置されると、プレコンクリート部材12の外周付近における既存防水層除去部分を補修するため、既存防水層15の除去部分には新たな表面処理層即ち防水層23が新設される。具体的に説明すると、既存防水層15を部分的に除去した箇所には、図7に示されるようにアスファルト層17の上に新たに塩化ビニルなどからなる第1樹脂シート23aが配置される。この第1樹脂シート23aは、プレコンクリート部材12の主体部12a外側面に沿って立ち上がり、この外側面に密着されている。プレコンクリート部材12の主体部12a外側面に沿って立ち上がった第1樹脂シート23aの上端部は、プレコンクリート部材12における上部拡大部12bの下面と主体部12aの外側面との連接部でシール端部金物押さえ24により固定されている。
そして、第1樹脂シート23a上には、この樹脂シート23aを含めた新たな防水層23(図2参照)が設置される。このような新たな防水層は、従来知られている種々の構成を採用することができ、その施工場所に適した態様で構成することができる。図2では、最上部に配置される防水シートを含めてこの新たな防水層全体を符号23で示しその層構造の詳細は省略しているが、かかる防水層23の一例を説明すると、例えば、第1樹脂シート23a上にアスファルト層を設け、このアスファルト層は、プレコンクリート部材12の外側面に沿って立ち上がっている第1樹脂シート23aの表面にも形成される。そして、下地コンクリート表面14の直上部分におけるアスファルト層上には押さえコンクリートが打設され、また、プレコンクリート部材12の外側面に沿って立ち上がっている第1樹脂シート23aの表面上のアスファルト層にはモルタルが塗られ、これら押さえコンクリートとモルタルとの上には塩化ビニルなどからなる防水シート23bが設けられる。このような新たな防水層23の上端は、シール端部金物押さえ24によりプレコンクリート部材12の主体部12aに固定されている。なお、新たな防水層23と既存防水層15との取合部には、水などの侵入防ぐために目地シールなどを充填することが好ましい。
次いで、プレコンクリート部材12における空洞部13の上部には十字状に鉄筋25が配置される。これらの鉄筋25は、プレコンクリート部材12における空洞部13の内壁に予め開けられた孔に端部を差し込むようにして取り付けられる。その後、図7に示されるように空洞部13には、コンクリート又はグラウトなどの充填材が打設され、所定の時間に渡って養生されて硬化することによりプレコンクリート部材12と一体化された充填材料部26が形成される。プレコンクリート部材12の空洞部13にコンクリート又はグラウトなどの充填材を充填するとき、機器を据え付けるための架台(図示せず)の脚などを予め配置しておき、充填材料部26の形成時にそれを埋め込むこともできる。なお、プレコンクリート部材12の空洞部13内壁面は、空洞部13に充填される充填材との付着力を高めるために粗面、即ち非常に細かい凹凸を形成した面に仕上げられている。このようにしてプレコンクリート部材12の空洞部13に充填材料部26が形成されると、プレコンクリート部材12の上部拡大部12bを含む上部全体を包囲するようにウレタン樹脂が塗布され防水被膜27が形成される。
このように、第1の実施形態に係る据付け基礎10A及びその施工方法では、特に、表面に防水層15が形成されている屋上スラブ11の場合でも、既存防水層15の一部及び全部を除去した後に直ちに、内部が空洞となった環状のプレコンクリート部材12を配置するので、該プレコンクリート部材12の外側周囲における既存防水層除去部分を補修することができ、既存防水層15の部分的な除去から補修までを非常に短時間で行え、従って降雨などによる漏水の恐れがまったくないばかりか、基礎10Aの施工自体が短期間であるので施工コストの低減化も図ることができる。
前述した第1の実施形態では、環状のプレコンクリート部材12の空洞部13内において、その四隅に位置する箇所に鉄筋22が配筋されていたが、本発明では空洞部13内に配筋する鉄筋22の位置については第1の実施形態に限定されるものではない。例えば、図8及び図9には、第2の実施形態に係る据付け基礎10Bの施工途中の状態が示されている。この据付け基礎10Bの場合には、プレコンクリート部材12の空洞部13内で鉄筋22が分散して配筋されている。具体的に説明すると、第2の実施形態に係る据付け基礎10Bでは、下地コンクリート表面14のうち、プレコンクリート部材12の空洞部13に整合する領域内にレベル調整用急結モルタル20を配置し、次いでその領域内において分散して削孔し、それら削孔に鉄筋22の一端側を入れ、コンクリート又は接着剤などを充填して固定する。
これらの鉄筋22は、図1〜図7に示される実施形態と同様に、最終的に形成される基礎10Bを補強するものであるので、これら鉄筋22の本数や太さ、或いは配筋位置などは、この基礎10Bに載置される機器の重量などにより適宜選択される。また、これら鉄筋22が下地コンクリート表面14に埋め込まれるとき、この下地コンクリート表面14からの立ち上がり高さは、プレコンクリート部材12の高さより低くなるような寸法とされる。その後、プレコンクリート部材12が、空洞部13内に鉄筋22を相対的に挿入するようにレベル調整用急結モルタル20上に設置される。このようにしてプレコンクリート部材12が配置された後の施工は、第1の実施形態と同じであるのでその説明を省略する。
前述した各実施形態に係る据付け基礎10A,10B及びその施工方法は、典型的な例について説明したもので、本発明の趣旨の範囲内で種々の変形をすることができる。例えば、前述した実施形態では、プレコンクリート部材12の主体部12aや上部拡大部12bの外形、或いは空洞部13の横断面形状が、四角形であったが、本発明ではこのような形状に限定されるものではなく種々の形状のものを使用することができる。また、前述した各実施形態では、コンクリート建物の屋上スラブに機器などを据付けるための据付け基礎10A,10Bを施工する場合について説明したが、本発明では屋上スラブに限定されるものではなく、例えば、コンクリート建物における機械室のスラブに機器を新たに据え付ける場合や、コンクリートの表面に鉄塔やフェンスなどを設置する際に形成する据付け基礎としても適用することができる。
さらに、このようなコンクリート建物或いはコンクリート表面が既存のものであるか、新築又は新設されるものであるかという違いは、本発明の据付け基礎10A,10B及びその施工方法を限定するものではない。従って、本発明の据付基礎10A,10Bが、新築のコンクリート建物において防水層のないスラブなどに形成される場合には、当然に防水層を除去する工程はなく、下地コンクリートの形成後、プレコンクリート部材12が設置される予定の領域に直ちに鉄筋22が配筋される。その場合でも、下地コンクリートの打設時に予め鉄筋22を配筋しておけば、「削孔」という工程も省略することができる。要するに、新築又は既存のコンクリート建物、或いは新設又は既存のコンクリートにおいて、防水層を備えるスラブやコンクリート、或いはこのような防水層を備えないスラブやコンクリートなどであっても本発明に係る据付け基礎10A,10B及びその施工方法を適用することができる。
特に、後者の場合、すなわち、防水層が施されていない新築又は既存のコンクリート建物におけるスラブや、新設又は既存のコンクリートなどの場合には、一般的には下地コンクリート表面の上にモルタル層が形成されているだけなので、プレコンクリート部材を設置した後にその周辺の防水処理をする必要もないことから、内側が空洞になったプレコンクリート部材を用いた本発明の据付け基礎10A,10B及びその施工方法を用いることで、多大な労力を必要とせず、かつ短期間に、強度の高い据付け基礎を形成することができ、施工コストの低減化を図ることができる。
以上説明したように、前述した2つの実施形態に係る据付け基礎によれば、内側が空洞になった環状のプレコンクリート部材を用いてかかる据付け基礎10A,10Bを施工することにより強度の高い基礎を多大な労力を必要とせずにかつ短期間に施工することができるので、施工コストの低減化を図ることができるばかりではなく、屋上スラブのような箇所でも漏水などの問題を起こすことなく施工することができる。
10A,10B 据付け基礎
11 屋上スラブ
12 環状のプレコンクリート部材
12a 主体部
12b 上部拡大部
13 空洞部
14 下地コンクリート表面
15 表面処理層(防水層)
16 モルタル層
17 アスファルト層
18 押さえコンクリート層
19 主体部の底面形状に整合する領域部分
21 鉄筋取付け用の削孔
22 鉄筋
23 新たな表面処理層(防水層)
24 シール端部金物押さえ
25 鉄筋
26 充填材料部
27 防水皮膜

Claims (4)

  1. 新設又は既存のコンクリート表面に形成された据付け基礎において、
    前記コンクリートの上に設置された環状のプレコンクリート部材と、このプレコンクリート部材の内側の空洞部内に配筋された鉄筋と、前記プレコンクリート部材の前記空洞部に充填材を打設されて硬化した充填材料部とから形成され、前記鉄筋の一端側は、前記コンクリートに埋め込まれ、他端側は、前記コンクリートから立ち上がり、前記プレコンクリート部材の前記空洞部に打設されて硬化した前記充填材料部に埋設されていることを特徴とする据付け基礎。
  2. 前記コンクリートが、下地コンクリートの表面に防水機能付きの表面処理層を備えるスラブであるとき、一部領域について前記表面処理層を除去して露出した前記下地コンクリートの前記表面に前記プレコンクリート部材が設置され、前記プレコンクリート部材の外側周辺における前記表面処理層の一部を補修して新たに防水機能を備える表面処理層が再形成され、この再形成された前記表面処理層の一部が、前記プレコンクリート部材外周囲に沿って立ち上がり、該外周囲の側面に密着している請求項1に記載の据付け基礎。
  3. 新設又は既存のコンクリート表面に据付け基礎を施工する方法において、
    前記コンクリートに鉄筋の一端側を埋め込む工程と、次いで、前記既存コンクリートから立ち上がった前記鉄筋の他端側を取り囲むように前記コンクリートの上に環状のプレコンクリート部材を配置する工程と、その後、前記鉄筋の前記他端側が位置する前記プレコンクリート部材の内側の空洞部に充填材を打設して硬化させる工程とからなる据付け基礎を施工する方法。
  4. 前記コンクリートが、下地コンクリート表面上に防水機能を備える表面処理層を備える既存のスラブであるとき、前記プレコンクリート部材の下部形状にほぼ整合する形状で前記表面処理層を除去して前記下地コンクリートを露出させ、前記鉄筋の前記一端側が、この露出した前記下地コンクリートに埋め込まれる請求項3に記載の据付け基礎を施工する方法。
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