JP3865482B2 - 信号波形等化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値ディジタルマイクロ波通信の受信側で利用される信号波形等化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルマイクロ波通信の変復調技術は、近年、周波数を有効利用するために多値化の傾向にある。例えば、変調方式として、QPSK,16QAMだけでなく64QAM,256QAM等が用いられ始めている。
【0003】
このように変復調の多値化が進むと、伝送路で発生する信号歪み等による影響が大きくなり、このため正常な信号を受信側で保証する技術が益々重要になる。そこで、受信側で伝送路の等化を行う自動適応型等化器が提案されている。
【0004】
図13は伝送路及びその等化のモデルを表す図である。図13に示すように、送信機から送られた信号は伝送路の特性によって変化し、さらに雑音が加わった形で受信される。このため伝送信号は、反射波等により時間的に遅延したゴースト信号の影響を受けて歪みが生じたり、雑音等により位相誤差や周波数誤差が生じたりするので、様々な要因が複雑に絡まりあって、受信側では元の伝送信号と異なる波形の信号が観測される。
【0005】
そこで受信側では、一般に、受信機の前に直列に挿入した等化器によって、受信信号X0 を受信機にとって望ましい信号Z0 に等化し、さらにその後、搬送波再生処理として周波数誤差を除去するAFC(Auto Frequency Control)および位相誤差を除去するAPC(Auto Phase Control)を行う。
【0006】
等化に関しては、雑音が非常に小さい場合は伝送路の伝達関数の逆特性を持つ等化器を用いればよいが、雑音がある程度大きい場合は雑音も考慮して等化器の設計を行う必要がある。実際には等化器はディジタルフィルタを用いて構成され、ディジタルフィルタを用いて構成された等化器をディジタル等化器という。
【0007】
図14はディジタルフィルタの構成の一例を示すブロック図である。図14において、X0 は伝送路を経て入力された受信信号、X1 〜Xm は受信信号X0 を各遅延素子によって遅延した信号、C0 〜Cm は等化係数である。受信信号X0 は乗算器によって等化係数C0 と乗算される。同様に、信号X1 〜Xm は乗算器によって等化係数C1 〜Cm とそれぞれ乗算される。各乗算器の乗算結果は加算器によって加算され、等化信号Z0 として出力される。ディジタルフィルタにおいて、ある遅延信号と等化係数とを乗算する機構をタップという。各タップにおける乗算結果を加算することによって等化信号Z0 が得られるが、このとき、信号を復元するのに最適な等化係数C0 〜Cm を算出する必要がある。通常、等化係数を算出するためにLMS(Least Mean Square )アルゴリズムが用いられる。
【0008】
また、従来のAFC/APCとしては、位相誤差検出器、ループフィルタ、およびディジタルVCOによってその機能を実現したものがある(特開平7−66843号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
等化器は前述したようにディジタルフィルタで構成されるため、複素乗算が必要であり、そのタップ数が増大するにつれて回路規模および消費電力は飛躍的に増大する。またAFC/APCにおいて、ループフィルタでは積和演算が必要であり、またディジタルVCOは一般的にはデータを記憶する記憶手段を備えており、信号のビット数が大きくなると膨大な記憶容量が必要になる。このような点から、信号波形等化装置においては、回路規模の削減は重要な課題である。
【0010】
一方、図13に示すように、波形等化およびAFC/APCは1回の処理で終わるものではなく、AFC/APCが行われた信号は再び波形等化のために帰還され、最終的に信号がある基準に達して収束するまで波形等化およびAFC/APCは繰り返し行われる。そして信号は、最終的にはほぼ同時に、等化され、かつ周波数誤差および位相誤差が除去される。言い換えると、まず波形等化によって等化信号になり、次にAFC/APCによって誤差が除去された信号になるというようにそれぞれの機能が単独で実現されるものではなく、等化およびAFC/APCの相乗効果によって、互いの処理の効果が高められる。ところがこのように、波形等化およびAFC/APCは元来相互関係の深い、単独で機能を果たすのが困難なものであるにもかかわらず、機能を共有するブロックが存在しない、それぞれ独立した構成により実現されていた。
【0011】
前記の問題に鑑み、本発明は、信号波形等化装置として、AFC/APCの機能を波形等化の機能と融合させるとともに、回路規模を削減することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、請求項1の発明が講じた解決手段は、多値変調され伝送された信号の波形を伝送前の信号の波形に等化する信号波形等化装置として、入力された変調信号をLMS(Least Mean Square )アルゴリズムに基づいて等化する波形等化部と、前記波形等化部において等化係数を更新するために必要となるエラーデータを生成する誤差評価ブロックと、入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC(Auto Frequency Control)/APC(Auto Phase Control )ブロックとを備え、前記AFC/APCブロックは、LMSアルゴリズムに基づいて前記入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差の除去を行い、かつ、前記誤差評価ブロックによって生成されたエラーデータを用いて係数の更新を行うものとする。
【0013】
請求項1の発明によると、変調信号の波形等化を行う波形等化部とともに、変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC/APCブロックを備え、しかもAFC/APCブロックは波形等化部と誤差評価ブロックを共用する。このため、波形等化およびAFC/APCを実現する機能ブロックは互いに独立したものとはならず、信号波形等化装置にAFC/APC機能を融合させることができ、しかも大幅な回路規模の削減を行うことができる。
【0014】
そして、請求項2の発明では、前記請求項1の信号波形等化装置において、前記波形等化部は前段と後段とに分かれて構成されており、前記AFC/APCブロックは、前記波形等化部の前段から出力された変調信号を入力とし、かつ、出力信号は前記波形等化部の後段に入力されるものとする。
【0015】
また、請求項3の発明では、前記請求項2の信号波形等化装置における波形等化部の、前段はFFE(Feed Forward Equalizer)ブロックであり、後段はDFE(Decision Feedback Equalizer )ブロックであるものとする。
【0016】
さらに、請求項4の発明では、前記請求項3の信号波形等化装置において、前記FFEブロックは、FFE前方フィルタとFFE後方フィルタとに分かれて構成されたFFEフィルタ部を備え、前記DFEブロックは、DFE前方フィルタとDFE後方フィルタとに分かれて構成されたDFEフィルタ部を備え、前記FFE前方フィルタおよびFFE後方フィルタ、並びに前記DFE前方フィルタおよびDFE後方フィルタはそれぞれ、構成が共通する複素演算マクロを備えているものとする。
【0017】
また、請求項5の発明が講じた解決手段は、多値変調され伝送された信号の波形を伝送前の信号の波形に等化する信号波形等化装置として、入力された変調信号をLMSアルゴリズムに基づいて等化する波形等化部と、入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC/APCブロックとを備え、前記AFC/APCブロックは、入力された変調信号と、周波数誤差および位相誤差の除去のための係数とを乗算する1個のタップと、前記係数をLMSアルゴリズムに基づいて更新するAFC/APC係数更新とを備えているものとする。
【0018】
請求項5の発明によると、変調信号の波形等化を行う波形等化部とともに、変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC/APCブロックを備え、しかもAFC/APCブロックは波形等化部と同様に、LMSアルゴリズムに基づいて動作する。このため、波形等化およびAFC/APCは同様の機構によって実現できるので、信号波形等化装置にAFC/APC機能を融合させることができ、しかも回路規模の削減を行うことができる。
【0019】
請求項6の発明では、前記請求項5の信号波形等化装置において、前記波形等化部は、各々フィルタ部および係数更新部を備えた前段と後段とに分かれて構成されており、前記AFC/APCブロックは、前記波形等化部の前段から出力された変調信号を入力とし、かつ、出力信号は前記波形等化部の後段に入力され、前記波形等化部の前段と後段のフィルタ部は、同数のタップを備えているものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明の信号波形等化装置の構成の概略を示すブロック図である。図1において、10は変調信号の波形等化を行う波形等化部1の前段であるFFE(Feed Forward Equalizer)ブロック、20は波形等化部1の後段であるDFE(Decision Feedback Equalizer )ブロック、30は誤差評価ブロック、40は変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC(Auto Frequency Control)/APC(Auto Phase Control)ブロックである。FFEブロック10はFFE係数更新部11およびFFEフィルタ部12を備え、DFEブロック20はDFE係数更新部21およびDFEフィルタ部22を備え、AFC/APCブロック40はAFC/APC係数更新部41およびタップ42を備えている。
【0022】
図1に示す本発明に係る信号波形等化装置は、多値変調されて伝送された変調信号を受信し、等化信号に変換して出力する。受信された変調信号は、まず波形等化部1の前段のFFEブロック10によって等化された後、AFC/APCブロック40に入力され、周波数誤差および位相誤差が除去される。AFC/APCブロック40から出力された変調信号は、波形等化部1の後段のDFEブロック20によって等化され、当該信号波形等化装置から等化信号として出力される。
【0023】
本発明では、波形等化部1およびAFC/APCブロック40は、ともにLMSアルゴリズムに基づいて動作するものとする。そして、波形等化部1およびAFC/APCブロック40はともに、誤差評価ブロック30によって生成されたエラーデータを用いて係数の更新を行うものとする。
【0024】
波形等化部1における等化係数を生成するためのアルゴリズムについて説明する。
【0025】
送信機から送られた信号は伝送路の特性によって変化し、さらに雑音が加わった形で受信機に送られる。伝送路の特性が一定であるなら、伝送路の逆特性を算出し、算出した逆特性を実現する一定の等化係数を用いればよい。しかし、ノイズの影響や特性が刻々と変化する系では、受信信号の状態に応じて等化係数を逐次更新していく必要がある。等化係数の更新に用いられるのが、自動適応型のアルゴリズムと呼ばれるものである。実際には、一つ前の状態の等化係数を基にして次の等化係数を算出するのだが、この場合、何らかの評価指標を設定しその値が最小になるように等化係数の更新を行っていく。このようなアルゴリズムの代表的なものとして、LMSアルゴリズムがある。
【0026】
LMS(Least Mean Square )アルゴリズムは、等化係数の評価指標として平均2乗誤差を用いるものである。具体的には、次式に示すように等化係数が決定される。
n+1,m =Cn,m −α×Xm ×e0 …(1)
n:等化係数の更新回数 m:等化係数のタップ番号
0 :Z0 −χ0 (χ0 は伝送前の信号) α:ステップサイズ
ここで、信号Xm 及びエラーデータe0 を、
m =Xm(r)−jXm(i)
0 =e0(r)+je0(i)
というように複素表現すると((r)は実数部データを、(i)は虚数部データを表す、以下同様)、
m ×e0 =(Xm(r)×e0(r)+Xm(i)×e0(i)
+j(Xm(r)×e0(i)−Xm(i)×e0(r)
となり、式(1)は次のようになる。
n+1,m(r)=Cn,m(r)−α×(Xm(r)×e0(r)+Xm(i)×e0(i))…(2)
n+1,m(i)=Cn,m(i)−α×(Xm(r)×e0(i)−Xm(i)×e0(r))…(3)
【0027】
ところが、実際の伝送系の場合、受信側では伝送前の信号χ0 はわからないのでエラーデータe0 の算出に用いることはできない。そこで、受信側で伝送前の信号を推測し、その推測値を基準信号として用いて波形等化を行う。これをブラインドアルゴリズムという。ブラインドアルゴリズムを用いてある制約の下に数千回の更新を繰り返すと等化係数は収束し、信号波形の等化が実現される。
【0028】
STOP&GOアルゴリズムとは、LMSエラーとサトーエラーとのベクトルの向きによって複素乗算における係数の更新をするか否かを決める方法である。まず、LMSエラーは次のように定義される。LMSエラーをLMSER、基準信号をDとすると、
LMSER=Z0 −D
となる。
【0029】
次に、サトーエラーは次のように定義される。サトーエラーの基準値をBとすると、Bは次のように定義される。
B=E(|An|2 )/E(|An|)
An:基準信号のベクトル E():平均
サトーエラーをSATERとすると、
SATER=Z0 −B
となる。
【0030】
図11は64QAMの位相図の第1象限を示す図であり、LMSエラーとサトーエラーの関係を示すものである。図11において、黒丸は信号点位置、丸で囲んだ黒丸はサトーエラーの基準点である。等化信号Z0 が図11の白丸の位置にあったとすると、LMSエラー及びサトーエラーは図11に示したベクトルになる。サトーエラーの基準点は各象限に一つずつすなわち全部で4つあり、LMSエラーの基準位置は各信号点であり、64QAMの場合全部で64点ある。
【0031】
STOP&GOアルゴリズムを用いると、等化係数の更新の式は次のようになる。
n+1,m(r)=Cn,m(r)−α×(Xm(r)×e0(r)×fr +Xm(i)×e0(i)×fi )…(4)
n+1,m(i)=Cn,m(i)−α×(Xm(r)×e0(i)×fi −Xm(i)×e0(r)×fr )…(5)
ここで、fr ,fi は、実軸,虚軸それぞれについて独立に算出されるフラグであり、以下の条件によって定義される。
Figure 0003865482
ここで、e0(r)×fr をEI、e0(i)×fi をEQとすると、式(4),(5)はそれぞれ、
n+1,m(r)=Cn,m(r)−α×(Xm(r)×EI+Xm(i)×EQ) …(6)
n+1,m(i)=Cn,m(r)−α×(Xm(r)×EQ−Xm(i)×EI) …(7)
となる。ここで、EI,EQをエラーデータという。
【0032】
本実施形態に係る波形等化装置は、式(6)及び(7)に従って等化係数の更新を行うものである。
【0033】
本発明のAFC/APCブロック40における周波数補正および位相補正も、LMSアルゴリズムによって実現している。補正係数の更新式を次式に表す。
n+1 =Hnn+μ(Dn −Hnn)Un * …(8)
n+1 =Fn +μf (Hn+1 −Fnn)Hn * …(9)
上式において、
n :位相補正係数
n :周波数補正係数
n :ディシジョン信号
n :入力信号
μ,μf :ステップサイズ
を表す。また*は共役複素数を表す。LMSアルゴリズムに基づく上式を用いることによって、周波数誤差および位相誤差を同時に補正することが可能である。式(8)における(Dn −Hnn)は、等化係数を求めるSTOP&GOアルゴリズムにおけるエラーデータに相当し、これは誤差評価ブロック30から出力されるエラーデータを用いることができる。
【0034】
また、誤差を除去した信号はHnnであり、本アルゴリズムにおいてはHn にFn の成分が含まれているため、Hnnが位相誤差および周波数誤差の両方を補正した信号となる。最終的にAFC/APCを行なった信号はHnn * である。
【0035】
(第1の実施形態)
図2は本発明の第1の実施形態に係る信号波形等化装置の構成を示す図である。図2において、FFEフィルタ部12は(m+1)個(mは正の整数)のタップと、遅延素子および加算器によって構成されており、各タップにはFFE係数更新部11によって更新された等化係数Cf0〜Cfmがそれぞれ与えられる。また、DFEフィルタ部22はスライサ25と、(m+1)個のタップと、遅延素子および加算器によって構成されており、各タップにはDFE係数更新部21によって更新された等化係数Cd0〜Cdmがそれぞれ与えられる。スライサ25は、変調信号が、例えば図12に示すような位相平面図(図12は64QAM)上において、点線で区切られるどの領域に属するかを判断して、その領域に存在する信号点位置に対応する信号(デシジョン信号)を出力する。例えば変調信号の実数成分(Iデータ)が13、虚数成分(Qデータ)が15であるとき、Iデータ=9、Qデータ=9というデシジョン信号を出力する。
【0036】
誤差評価ブロック30によって生成されたエラーデータErrは、FFE係数更新部11、DFE係数更新部21、およびAFC/APC係数更新部41に入力され、係数更新のために用いられる。
【0037】
本実施形態では、AFC/APCブロック40を波形等化部1のちょうど真ん中に配置している。すなわち、波形等化部1の前段であるFFEブロック10のタップの数と、後段のDFEブロック20のタップの数とが等しくなっている。これは、回路構成を簡易にして回路規模を小さくするためのものであるが、このような構成によって、性能も向上することが分かっている。
【0038】
図3はシミュレーションによって得られた本実施形態における座標点配置図(コンスタレーション)であり、図4は同様にシミュレーションによって得られた,比較例としての、AFC/APCブロック40を波形等化部1全体の後に配置した場合の座標点配置図である。図3に示す座標点配置図の方が、図4よりも、等化信号が信号点位置に集まっており、これにより、本実施形態の方が比較例よりも性能面で優れていることが分かる。
【0039】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、図1に示す本発明に係る信号波形等化装置において、FFEフィルタ部12およびDFEフィルタ部22が、それぞれ前方フィルタと後方フィルタとに分かれて構成されており、各フィルタが、構成の共通する複素演算部を備えているものである。
【0040】
以下、本実施形態に係る信号波形等化装置について詳細に説明する。なおここでは、便宜的に、FFEフィルタ部12およびDFEフィルタ部22は、ともにフィルタのタップ数が8であるものとして説明を行う。
【0041】
図5は本実施形態に係る信号波形等化装置におけるFFEフィルタ部12の構成図である。図5において、50Aおよび50Bは後に詳述する複素演算マクロによって実現される複素演算部、51aおよび51bは変調信号の実数成分を順に保持するデータ保持器列、52aおよび52bは変調信号の虚数成分を順に保持するデータ保持器列、53aおよび53bはタップ係数を順に保持するデータ保持器列、54aおよび54cは実数成分計算用の加算器、55aおよび55cは虚数成分計算用の加算器、54b,54d,55bおよび55dはデータ保持器である。
【0042】
データ保持器列51a,52a,53aおよび複素演算部50AによってFFE前方フィルタ12aが構成されている。また、データ保持器列51b,52b,53b、複素演算部50B、加算器54a,54c,55a,55cおよびデータ保持器54b,54d,55b,55dによってFFE後方フィルタ12bが構成されている。
【0043】
FFE前方フィルタ12aにおいて、データ保持器列51a,52aは外部から多値変調され順に伝送されてきた変調信号の実数成分および虚数成分を、それぞれ保持する。一方、データ保持器列53aは、FFE係数更新部11から生成出力されたタップ係数を保持する。ここで、タップ係数は変調信号が転送される2倍の速度で転送されるものとし、データ保持器列53aはタップ係数の実数成分および虚数成分をシリアルに転送する構成としている。複素演算部50Aは、データ保持器列51a,52aに保持された4個の変調信号の実数成分および虚数成分、並びにデータ保持器列53aに保持された4個のタップ係数の実数成分および虚数成分を用いて、データを適切に切り替えて複素演算を行い、演算結果の実数成分DRaおよび虚数成分DIaをFFE後方フィルタ12bに出力する。
【0044】
FFE後方フィルタ12bにおいて、データ保持器列51b,52bは、FFE前方フィルタ12aのデータ保持器列51a,52aから、一旦保持された後に出力された変調信号の実数成分および虚数成分を、それぞれ保持する。一方、データ保持器列53bは、FFE前方フィルタ12aのデータ保持器列53aから、一旦保持された後に出力されたタップ係数を保持する。ここで、FFE前方フィルタ12aと同様に、タップ係数は変調信号が転送される2倍の速度で転送されるものとし、データ保持器列53bはタップ係数の実数成分および虚数成分をシリアルに転送する構成としている。複素演算部50Bは、データ保持器列51b,52bに保持された4個の変調信号の実数成分および虚数成分、並びにデータ保持器列53bに保持された4個のタップ係数の実数成分および虚数成分を用いて、データを適切に切り替えて複素演算を行い、演算結果の実数成分DRbおよび虚数成分DIbを出力する。
【0045】
FFE後方フィルタ12bの複素演算部50Bの演算結果の実数成分DRbは、FFE前方フィルタ12aの複素演算部50Aの演算結果の実数成分DRaと加算器54aによって加算され、保持器54bに保持される。保持器54bの保持データは、データ保持器列51bに保持された適切な変調信号の実数成分と加算器54cによって加算され、保持器54dに保持された後、FFEフィルタ部12の最終結果データの実数成分として出力される。同様に、FFE後方フィルタ12bの複素演算部50Bの演算結果の虚数成分DIbは、FFE前方フィルタ12aの複素演算部50Aの演算結果の虚数成分DIaと加算器55aによって加算され、保持器55bに保持される。この保持器55bの保持データは、データ保持器列52bに保持された適切な変調信号の虚数成分と加算器55cによって加算され、保持器55dに保持された後、FFEフィルタ部12の最終結果データの虚数成分として出力される。
【0046】
図6は本実施形態に係る信号波形等化装置におけるDFEフィルタ部22の構成図である。図6において、50Cおよび50Dは後に詳述する複素演算マクロによって実現される複素演算部、60はAFC/APCブロック40によって周波数誤差および位相誤差が除去された変調信号をデシジョン信号に変換するスライサ、61aおよび61bはデシジョン信号の実数成分を順に保持するデータ保持器列、62aおよび62bはデシジョン信号の虚数成分を順に保持するデータ保持器列、63aおよび63bはタップ係数を順に保持するデータ保持器列、64aは実数成分計算用の加算器、65aは虚数成分計算用の加算器、64b,64c,65b,65cはデータ保持器である。
【0047】
スライサ60、データ保持器列61a,62a,63aおよび複素演算部50CによってDFE前方フィルタ22aが構成されている。また、データ保持器列61b,62b,63b、複素演算部50D、加算器64a,65aおよびデータ保持器64b,64c,65b,65cによってDFE後方フィルタ22bが構成されている。
【0048】
DFE前方フィルタ22aにおいて、データ保持器列61a,62aは実数成分および虚数成分に分離されたデシジョン信号を、それぞれ保持する。一方、データ保持器列63aは、DFE係数更新部21から生成出力されたタップ係数を保持する。こここで、FFEフィルタ部12と同様に、タップ係数はディシジョン信号が転送される2倍の速度で転送されるものとし、データ保持器列63aはタップ係数の実数成分および虚数成分をシリアルに転送する構成としている。複素演算50Cは、データ保持器列61a,62aに保持された4個のデシジョン信号の実数成分および虚数成分、並びにデータ保持器列63aに保持された4個のタップ係数の実数成分および虚数成分を用いて、データを適切に切り替えて複素演算を行い、演算結果の実数成分DRcおよび虚数成分DIcをDFE後方フィルタ22bに出力する。
【0049】
DFE後方フィルタ22bにおいて、データ保持器列61b,62bは、DFE前方フィルタ22aのデータ保持器列61a,62aから、一旦保持された後に出力されたデシジョン信号の実数成分および虚数成分を、それぞれ保持する。一方、データ保持器列63bは、DFE前方フィルタ22aのデータ保持器列63aから、一旦保持された後に出力されたタップ係数を保持する。ここで、DFE前方フィルタ22aと同様に、タップ係数はデシジョン信号が転送される2倍の速度で転送されるものとし、データ保持器列63bはタップ係数の実数成分および虚数成分をシリアルに転送する構成としている。複素演算部50Dは、データ保持器列61b,62bに保持された4個のデシジョン信号の実数成分および虚数成分、並びにデータ保持器列63bに保持された4個のタップ係数の実数成分および虚数成分を用いて、データを適切に切り替えて複素演算を行い、演算結果の実数成分DRdおよび虚数成分DIdを出力する。
【0050】
DFE後方フィルタ22bの複素演算部50Dの演算結果の実数成分DRdは、DFE前方フィルタ22aの複素演算部50Cの演算結果の実数成分DRcと加算器64aによって加算され、保持器64bに保持される。保持器64bの保持データは、さらに保持器64cに保持された後に、DFEフィルタ部22の最終結果データの実数成分として出力される。同様に、DFE後方フィルタ22bの複素演算部50Dの演算結果の虚数成分DIdは、DFE前方フィルタ22aの複素演算部50Cの演算結果の虚数成分DIcと加算器65aによって加算され、保持器65bに保持される。保持器65bの保持データは、さらに保持器65cに保持された後に、DFEフィルタ部22の最終結果データの虚数成分として出力される。
【0051】
図7は本実施形態において用いる複素演算マクロの構成を示す図である。この複素演算マクロは、4タップ分のタップ係数および等化すべき変調信号を多重化して複素乗算する機能を実現するものであり、図5に示すFFEフィルタ部12における複素演算部50A,50Bとして、および図6に示すDFEフィルタ部22における複素演算部50C,50Dとして用いられる。
【0052】
図7において、101a〜101d,103a〜103dはセレクタであり、102a〜102d,104a〜104dはデータ保持器である。パラレル入力された4タップ分のタップ係数の実数成分は、セレクタ101a〜101dおよびデータ保持器102a〜102dによってシリアル変換されて1タップ分に分離され、データ保持器102dからシリアル出力cとして出力される。同様に、パラレル入力された4タップ分のタップ係数の虚数成分は、セレクタ103a〜103dおよびデータ保持器104a〜104dによってシリアル変換されて1タップ分に分離され、データ保持器104dからシリアル出力dとして出力される。シリアル出力c,dはそれぞれセレクタ101aおよび103aに入力され、タップ係数の実数成分および虚数成分はともにデータが巡回する構成となっている。
【0053】
一方、4個の等化すべき変調信号の実数成分および虚数成分は、セレクタ105および106によって適切なタイミングで1タップ分のデータがその中から選択され、実数成分aおよび虚数成分bとして出力される。
【0054】
このようにして準備された変調信号の実数成分aおよび虚数成分b並びにタップ係数の実数成分cおよび虚数成分dを基にして、次のような式の複素乗算を行う。
(a+bj)(c+dj)=(ac−bd)+(ad+bc)j
【0055】
乗算器107aは上式におけるacを算出する一方、乗算器107bは上式におけるbdを算出する。また、乗算器108aは上式におけるadを算出する一方、乗算器108bは上式におけるbcを算出する。減算器107cは乗算器107aによって算出されたacから乗算器107bによって算出されたbdを減算して、複素乗算における実数成分として(ac−bd)を算出する。一方、加算器108cは乗算器108aによって算出されたadと乗算器108bによって算出されたbcとを加算して、複素乗算における虚数成分として(ad+bc)を算出する。
【0056】
加算器107dは減算器107cによって算出された複素乗算における実数成分(ac−bd)とデータ保持器107eの保持データとを加算し、この加算結果はデータ保持器107eに保持される。一方、加算器108dも全く同様に、加算器108cによって算出された複素乗算における虚数成分(ad+bc)とデータ保持器108eの保持データとを加算し、この加算結果はデータ保持器108eに保持される。
【0057】
このように、1タップ分の複素乗算における実数成分および虚数成分を算出したあと、加算器107d,108dおよびデータ保持器107e,108eによって順にこの実数成分および虚数成分を加算して、最終的に4タップ分の複素乗算の実数成分および虚数成分を出力する。
【0058】
図8は本実施形態に係る信号波形等化装置におけるFFE係数更新部11の構成を示す図である。FFE係数更新部11は、基本的にはSTOP&GOアルゴリズムに基づいて、式(6),(7)に従い係数更新の計算を行うものであるが、ここではアンチローテーションデータを複素乗算する処理を追加している。すなわち、図8に示すFFE係数更新部11は、式(6),(7)に従った係数更新処理とアンチローテーションデータの複素乗算処理とを多重化した回路構成となっている。
【0059】
図8において、セレクタ71aはAFC/APCブロック40から出力された、位相成分および周波数成分の誤差を除去するためのアンチローテーションデータの正弦成分および余弦成分のいずれかを選択出力する。同様に、セレクタ71bは誤差評価ブロック30から出力されたエラーデータの実数成分および虚数成分のいずれかを選択出力し、セレクタ71cはFFEフィルタ部12から適切なタイミングを図って保持された後出力された変調信号の実数成分および虚数成分のいずれかを選択出力する。
【0060】
セレクタ71bによって選択出力されたエラーデータの実数成分または虚数成分とセレクタ71cによって選択出力された変調信号の実数成分または虚数成分とは、乗算器72によって乗算され、その乗算結果は積和演算器73に入力される。積和演算器73はセレクタ71aによって選択出力されたアンチローテーションデータの正弦成分または余弦成分と乗算器72の乗算結果とを乗算し、さらにこの乗算結果にデータ保持器74に保持されていた積和演算結果を加算し、新たな積和演算結果を出力する。この積和演算結果はデータ保持器74に保持される。
【0061】
次に式(6),(7)におけるステップパラメータαの乗算処理を行うが、図8に示すFFE係数更新部11では、ステップパラメータαの乗算をビットシフトによって行うものとする。75a,75b,75cはそれぞれステップパラメータα1,α2,α3の乗算を行うビットシフタ、76a,76b,76cはセレクタである。セレクタ76aは積和演算器73の演算結果またはこの演算結果にビットシフタ75aによってα1が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。セレクタ76bはセレクタ76aの出力データまたはこの出力データにビットシフタ75bによってα2が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。セレクタ76cはセレクタ76bの出力データまたはこの出力データにビットシフタ75cによってα3が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。各セレクタ76a,76b,76cによるデータ選択を適宜、設定変更することによって、8種類の値のステップパラメータの乗算を乗算器を用いないで実現することができる。またこのビットシフタの個数またはビットシフト数を変えることで、乗算するステップパラメータのバリエーションを変更することが可能である。
【0062】
セレクタ76cの出力データは、加算器77によって、FFEフィルタ部12から、適切なタイミングを図って、保持され出力されたタップ係数と加算される。この加算結果が新たに更新されたタップ係数であり、保持器78によって保持された後、新たなタップ係数として出力される。
【0063】
図9は本実施形態に係る信号波形等化装置におけるDFE係数更新部21の構成を示す図である。DFE係数更新部21は、基本的にはSTOP&GOアルゴリズムに基づいて、式(6),(7)に従い係数更新の計算を行う。ただし、図9に示すDFE係数更新部21は、DFEブロック20の係数更新を行うので、FFEブロック10およびAFC/APCブロック40を経て得られたディシジョン信号を入力とし、このディシジョン信号とエラーデータとの複素乗算処理を多重化した回路構成となっている。
【0064】
図9において、セレクタ81aはDFEフィルタ部22から適切なタイミングを図って保持された後出力されたデシジョン信号の実数成分および虚数成分のいずれかを選択出力する。セレクタ81bは誤差評価ブロック30から出力されたエラーデータの実数成分および虚数成分のいずれかを選択出力する。積和乗算器82はセレクタ81aによって選択出力されたデシジョン信号の実数成分または虚数成分とセレクタ81bによって選択出力されたエラーデータの実数成分または虚数成分とを乗算し、さらにこの乗算結果にデータ保持器83に保持されていた積和演算結果を加算し、新たな積和演算結果を出力する。この積和演算結果はデータ保持器83に保持される。
【0065】
次に式(6),(7)におけるステップパラメータαの乗算処理を行うが、図9に示すDFE係数更新部21では、図8に示すFFE係数更新部11と同様に、ステップパラメータαの乗算をビットシフトによって行うものとする。84a,84b,84cはそれぞれステップパラメータα1,α2,α3の乗算を行うビットシフタ、85a,85b,85cはセレクタである。セレクタ85aは積和演算器82の演算結果またはこの演算結果にビットシフタ84aによってα1が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。セレクタ85bはセレクタ85aの出力データまたはこの出力データにビットシフタ84bによってα2が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。セレクタ85cはセレクタ85bの出力データまたはこの出力データにビットシフタ84cによってα3が乗算されたデータのいずれかを選択出力する。各セレクタ85a,85b,85cによるデータ選択を適宜、設定変更することによって、8種類の値のステップパラメータの乗算を乗算器を用いないで実現することができる。またこのビットシフタの個数またはビットシフト数を変えることで、乗算するステップパラメータのバリエーションを変更することが可能である。
【0066】
セレクタ85cの出力データは、加算器86によって、DFEフィルタ部22から、適切なタイミングを計って、保持され出力されたタップ係数と加算される。この加算結果が新たに更新されたタップ係数であり、保持器87によって保持された後、新たなタップ係数として出力される。
【0067】
図10は本実施形態に係る信号波形等化装置におけるAFC/APC係数更新部41の構成を示す図である。AFC/APC係数更新部41は、基本的にはLMSアルゴリズムに基づいて、式(8),(9)に従い係数更新の計算を行う。
【0068】
まず、式(8)の計算について説明する。複素乗算器91aは、エラーデータの実数成分および虚数成分とFFEフィルタ部12から出力された変調信号の実数成分および虚数成分との複素乗算を行う。この乗算結果に式(8)におけるステップサイズを乗算するが、ここではステップサイズの乗算をビットシフトによって行うものとし、ビットシフトによって乗算を行うことができる値をステップサイズとして設定する。ビットシフタ91bによって、複素乗算器91aの乗算結果に対してステップサイズを乗算する。一方、複素乗算器93は、更新前の周波数補正係数の実数成分および虚数成分と更新前の位相補正係数の実数成分および虚数成分とを複素乗算して、その結果を出力する。
【0069】
したがって、ビットシフタ91bの出力データと複素演算器93の出力データとを加算器91cによって加算することによって、式(8)の演算を実現することができる。保持器91dは加算器91cの出力データすなわち位相補正係数を保持した後、その実数成分および虚数成分を出力する。この位相補正係数は、次の式(8)における演算に必要となる更新前の位相補正係数となる。
【0070】
次に式(9)の計算について説明する。式(9)の右辺のHn+1 に式(8)を代入することによって、式(9)を次のように変形する。
n+1=Fn+μf ・μ(Dn−Hnn)Un *n * …(10)
【0071】
複素乗算器92aは、エラーデータの実数成分および虚数成分と複素乗算器42の乗算結果データである変調信号の実数成分および虚数成分との複素乗算を行う。ここで式(8)による位相補正係数の更新演算と同様に、ステップサイズの乗算をビットシフトによって行うものとし、ビットシフタ92bによって、複素乗算器92aの乗算結果に対してステップサイズを乗算する。
【0072】
したがって、ビットシフタ92bの出力データと保持器92dから出力された更新前の周波数補正係数の実数成分および虚数成分とを加算器92cによって加算することによって、式(10)の演算を実現することができる。保持器92dは加算器92cの出力データすなわち周波数補正係数を保持した後、その実数成分および虚数成分を出力する。この周波数補正係数は、次の式(10)における演算に必要となる更新前の周波数補正係数となる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、変調信号の波形等化を行う波形等化部と変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC/APCブロックを備えた信号波形等化装置において、AFC/APCブロックは波形等化部と同様にLMSアルゴリズムに基づいて動作するため、AFC/APCブロックをタップと係数更新部という、波形等化部と同様の機構によって実現することができ、しかもAFC/APCブロックは波形等化部と誤差評価ブロックを共用するので、信号波形等化装置にAFC/APC機能を融合させることができるとともに、大幅な回路規模の削減を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号波形等化装置の構成の概略を表すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る信号波形等化装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る信号波形等化装置における座標点配置図である。
【図4】AFC/APCブロックを波形等化部の後方に配置した比較例としての信号波形等化装置における座標点配置図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるFFEフィルタ部の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるDFEフィルタ部の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるFFEフィルタ部およびDFEフィルタ部において用いられる、複素演算マクロの構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるFFE係数更新部の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるDFE係数更新部の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る信号波形等化装置におけるAFC/APC係数更新部の構成を示す図である。
【図11】QAMにおけるLMSエラー及びサトーエラーを説明するための図である。
【図12】64QAMの位相平面図におけるスライスレベルと信号点の位置を示す図である。
【図13】伝送路およびその等化のモデルを表す図である。
【図14】ディジタル等化器の構成図である。
【符号の説明】
1 波形等化部
10 FFEブロック
11 FFE係数更新部
12 FFEフィルタ部
12a FFE前方フィルタ部
12b FFE後方フィルタ部
20 DFEブロック
21 DFE係数更新部
22 DFEフィルタ部
22a DFE前方フィルタ部
22b DFE後方フィルタ部
40 AFC/APCブロック
41 AFC/APC係数更新部
42 タップ

Claims (6)

  1. 多値変調され伝送された信号の波形を伝送前の信号の波形に等化する信号波形等化装置であって、
    入力された変調信号を、LMS(Least Mean Square )アルゴリズムに基づいて等化する波形等化部と、
    前記波形等化部において等化係数を更新するために必要となるエラーデータを生成する誤差評価ブロックと、
    入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC(Auto Frequency Control)/APC(Auto Phase Control )ブロックとを備え、
    前記AFC/APCブロックは、LMSアルゴリズムに基づいて前記入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差の除去を行い、かつ、前記誤差評価ブロックによって生成されたエラーデータを用いて係数の更新を行うものである
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
  2. 請求項1記載の信号波形等化装置において、
    前記波形等化部は、前段と後段とに分かれて構成されており、
    前記AFC/APCブロックは、前記波形等化部の前段から出力された変調信号を入力とし、かつ、出力信号は前記波形等化部の後段に入力される
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
  3. 請求項2記載の信号波形等化装置において、
    前記波形等化部の、前段はFFE(Feed Forward Equalizer)ブロックであり、後段はDFE(Decision Feedback Equalizer )ブロックである
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
  4. 請求項3記載の信号波形等化装置において、
    前記FFEブロックは、FFE前方フィルタとFFE後方フィルタとに分かれて構成されたFFEフィルタ部を備え、
    前記DFEブロックは、DFE前方フィルタとDFE後方フィルタとに分かれて構成されたDFEフィルタ部を備え、
    前記FFE前方フィルタおよびFFE後方フィルタ、並びに前記DFE前方フィルタおよびDFE後方フィルタはそれぞれ、構成が共通する複素演算マクロを備えている
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
  5. 多値変調され伝送された信号の波形を伝送前の信号の波形に等化する信号波形等化装置であって、
    入力された変調信号をLMSアルゴリズムに基づいて等化する波形等化部と、
    入力された変調信号の周波数誤差および位相誤差を除去するAFC/APCブロックとを備え、
    前記AFC/APCブロックは、
    入力された変調信号と、周波数誤差および位相誤差の除去のための係数とを乗算する1個のタップと、
    前記係数をLMSアルゴリズムに基づいて更新するAFC/APC係数更新とを備えている
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
  6. 請求項5記載の信号波形等化装置において、
    前記波形等化部は、各々フィルタ部および係数更新部を備えた前段と後段とに分かれて構成されており、
    前記AFC/APCブロックは、前記波形等化部の前段から出力された変調信号を入力とし、かつ、出力信号は前記波形等化部の後段に入力され、
    前記波形等化部の前段と後段のフィルタ部は、同数のタップを備えている
    ことを特徴とする信号波形等化装置。
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