JP3865103B2 - 外壁パネル用トロリおよび外壁パネル搬送用複合デバイス - Google Patents
外壁パネル用トロリおよび外壁パネル搬送用複合デバイス Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の外壁施工において、外壁パネルを躯体に沿ってスライドさせ取付位置へ搬送するためのトロリ、ならびに外壁パネルの吊り上げから前記スライドまでを一貫して行うのに用いられるデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外壁パネルを用いた建物の外壁施工においては、施工現場にクレーン車を配置し、該クレーン車により外壁パネルを吊り上げ搬送して、所定の取付位置に取り付けるようにするのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現場の状況によっては、上記のようなクレーン車による施工に限界があるケースもある。例えば、図12に示すように、敷地Lの奥行が大きくかつ狭小であって、該敷地L内にクレーン車Cを配置するスペースが確保できないような場合には、該クレーン車Cを前面道路Rに配置して外壁施工を行わざるを得ないが、この場合、標準のクレーン車(例えば4.9t程度)では、敷地Lの内奥部L1まではブームが届かず、外壁パネルを途中までしか搬送することができない。このため、該内奥部L1の外壁施工を行うには、▲1▼さらに大型のクレーン車を使用する、▲2▼人力により施工を行う、▲3▼建物を分割して施工を行う、等の方法で対応する必要があった。
【0004】
上記▲1▼〜▲3▼のような方法では、いずれもコストや労力が増大することが避けられない。さらに、上記▲1▼のように使用するクレーン車が大型のものとなると、前面道路Rの幅員等の状況によってはクレーン車の配置が不可能となる場合もある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、標準のクレーン車によっては施工に限界がある場合であっても、コストや労力を増大させることなく外壁施工を行うことが可能な手段を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされたこの発明の請求項1に記載の外壁パネル用トロリは、外壁パネルを建物の躯体から吊り下げた状態でスライドさせて取付位置へ搬送するためのトロリであって、前記外壁パネルを吊り下げた状態で保持するための外壁パネル保持部材と、前記建物の躯体上を走行し得る車輪を、軸方向に沿ってスライド可能に支持する車軸と、前記外壁パネル保持部材と車軸とを、両者の支点間に段差を有する状態で支持する支持基材と、を備えると共に、前記支持基材に、該支持基材を傾倒させるための槓杆部が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明の請求項2に記載の外壁パネル用トロリは、前記請求項1に記載の外壁パネル用トロリにおいて、前記支持基材を前記車輪から所定間隔をおいた位置に保持するためのスペーサを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項3に記載の外壁パネル用トロリは、前記請求項1又は2に記載の外壁パネル用トロリにおいて、前記支持基材を外部の構造物に係止させて所定の態勢に保持するための係止手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項4に記載の外壁パネル搬送用複合デバイスは、空洞部が形成された外壁パネルを取付位置へ搬送するための外壁パネル搬送用複合デバイスであって、前記外壁パネルの空洞部に出入可能な本体と、前記本体が前記外壁パネルの空洞部に挿入された状態で、該外壁パネルに係止して該本体を該外壁パネルに固定し得る係止片と、吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部と、を備える外壁パネル用吊具に、前記請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁パネル用トロリが固定されてなることを特徴とするものである。
【0013】
なお、この発明において、「吊り上げ用ロープ類」とは、建築部材の揚重に使用可能なロープ類を意味し、ワイヤーロープ、ナイロンスリング等がいずれも包含されるものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を例示し、図面に基づいて具体的に説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る外壁パネル用トロリ(以下、単にトロリとも称す)が示されている。同図に示すトロリT1は、外壁パネル保持部材31と車輪32とを備え、該外壁パネル保持部材31および車輪32が、支持基材33に支持された構成となっている。
【0015】
外壁パネル保持部材31は、外壁パネルを吊り下げた状態で保持するための部材であり、先端部にねじが形成された丸鋼を、支持基材33に対し垂直に接合したものとなっている。該外壁パネル保持部材31の先端部には、ナット34および止めナット35が螺入されるようになっている。該外壁パネル保持部材31は、後記する外壁パネル用吊具H1に取り付けられ、該外壁パネル用吊具H1を介して、外壁パネルを吊り下げた状態で保持するようになっている。
【0016】
車輪32は、建物の躯体上を走行するための部材であり、車軸36を介して前記支持基材33に支持されている。該車軸36は、図1中の矢印A31に示すように、車輪32を軸方向に沿ってスライド可能に支持している。該車輪32の外周部には、該車輪32の周方向に沿って溝部37が形成されている。
【0017】
支持基材33は、全体として一方向にやや長く延びる形状の鋼製プレートよりなり、中間部におけるやや一方端寄りの位置が最も幅広で、該位置から両端にかけて、それぞれ漸次幅狭となっており、これにより、上記幅広部分の両側に、それぞれ長尺の槓杆部33Lおよび短尺のスペーサ支持部33Sが形成されている。上記槓杆部33Lは、支持基材33を傾倒させるための部位である。なお、以下、上記槓杆部33L側を上側、スペーサ支持部33S側を下側とする。
【0018】
前記車軸36は、上記支持基材33の一方面における幅広部分に垂直に接合されており、前記外壁パネル保持部材31は、上記支持基材33の他方面において、上記車軸36より若干上方の位置に垂直に接合されている。これにより、上記外壁パネル保持部材31と車軸36とが、両者の支点間に段差dを有する状態で支持基材33に支持されている。なお、以下、上記外壁パネル保持部材31側を前側、車軸36側を後側とする。
【0019】
前記支持基材33におけるスペーサ支持部33Sの先端部には、スペーサ38が配設されている。該スペーサ38は、前記支持基材33を前記車輪32から所定間隔をおいた位置に保持するためのものであり、やや長尺のナットとなっている。該スペーサ38は、スペーサ支持部33Sの先端部から後側方向へ垂直に突設されたねじ軸に、ロックナット39を介して螺入されており、これにより、支持基材33との間の距離を調節し得るようになっている。
【0020】
前記支持基材33における槓杆部33Lの先端部には、係止手段40が配設されている。該係止手段40は、前記支持基材33を外部の構造物に係止させて所定の態勢に保持するためのものであり、グリップ41とピン42とレバー43とを備えるものとなっている。上記グリップ41は丸パイプよりなり、上記槓杆部33Lの先端部から後側方向へ垂直に突設されている。上記ピン42は、図2に示すように、前記グリップ41よりやや長い丸鋼よりなり、上記槓杆部33Lの先端部を貫通するようにして、上記グリップ41内に挿通されている。該グリップ41内では、上記ピン42にコイルばね44が外嵌され、上記ピン42を前側方向に付勢している。上記レバー43は、前記グリップ41の先端から若干突出した上記ピン42の先端部に、前後に回動自在に連結され、該グリップ41との間にある程度の鋭角を形成するようにして、前側方向へ傾斜しながら延びている。上記ピン42の前側端は、上記槓杆部33Lの先端部からやや前側方向へ突出した状態となっており、上記レバー43をグリップ41に引き寄せると、上記槓杆部33Lより後側へ後退してグリップ41内に格納されるようになっている。
【0021】
前記車軸36の先端には、図1に示すように、ガイド片45が配設されている。該ガイド片45は、前記車輪32を所定位置に案内するためのもので、概略長方形状の鋼製プレートよりなり、一方端部で車軸36に垂直に接合されて、下側方向へ延出した状態に保持されている。
【0022】
上記トロリT1は、図2に示すように、外壁パネル用吊具H1に取り付けられた状態で使用され、該外壁パネル用吊具H1を介して、外壁パネルP1を吊り下げるようになっている。上記外壁パネル用吊具(以下、単に吊具とも称す)H1は、図3に示すように、本体1と係止片2と掛止部3とを備えるものとなっている。
【0023】
本体1は、やや細長の角パイプよりなり、外壁パネルP1の空洞部4に出入可能なものとなっている。該外壁パネルP1は、押出し成形セメント板(商品名アスロック)よりなり、縦方向、即ち取付状態における上下方向に沿って延びて該外壁パネルP1を貫通する複数の空洞部4が、該外壁パネルP1の幅方向に並列するようにして形成されている。該空洞部4は、概略矩形状の横断面形状を有しており、前記本体1の横断面は、該空洞部4の横断面に内包され得る寸法の正方形状となっている。
【0024】
本体1の一側面における一方端部には、係止片2が配設されている。該係止片2は、上記本体1が前記外壁パネルP1の空洞部4に挿入された状態で、該外壁パネルP1に係止して該本体1を該外壁パネルP1に固定するためのものである。該係止片2は、短尺の丸鋼よりなるピンとなっており、図4に示すように、該本体1の内部で支持片5に支持された状態で、該本体1の外方へ延出し得るようになっている。なお、以下、本体1において上記係止片2が配設された側面を後側面、該係止片2が配設された端部を下端部とする。
【0025】
上記支持片5は、帯状に延びる鋼製プレートとなっており、本体1における後側面の内側に重なるようにして、該本体1の内部を下端部から中間部よりやや上まで延びている。本体1の中間部における後側寄りの位置には、ボルト6が該本体1を左右方向に貫通するようにして固定されている。前記支持片5は、下端から上端へいくにつれ、該ボルト6の若干下方の位置で、本体1の前側方向へやや傾斜するように折曲され、ほぼ該ボルト6の位置で、再度上方に向けて延びるように折曲されており、これにより、該ボルト6の周面の一部に沿って、側面視概略S字状に曲折しながら、該ボルト6の位置を通過して上方に延びている。さらに、該支持片5の上端部は、本体1の前側方向へやや傾斜するように折曲されている。
【0026】
前記係止片2は、該支持片5の下端部近傍に垂直に挿通され、該支持片5の前側へ若干突出するとともに、後側へ大部分が突出した状態で、該支持片5に溶接接合されている。
【0027】
上記本体1の前側面における中間部には、図4に示すように、操作片7が配設されている。該操作片7は、先端に頭部を有する短尺の丸棒よりなり、該本体1の内部でスライド片8に支持された状態で、該本体1の外方へ突出している。該スライド片8は、前記支持片5と同様の帯状に延びる鋼製プレートとなっており、本体1における前側面の内側に重なるようにして、該本体1の内部を下端部から中間部まで延びている。上記操作片7は、該スライド片8の上端部に垂直に突設されている。
【0028】
上記本体1の前側面における中間部には、図5に示すように、上下に延びるスリット9が穿設されており、前記操作片7は、本体1の内部から該スリット9を通じて前側方向へ突出している。
【0029】
上記操作片7の軸部には、短尺の円筒状に成形されたロック手段10が外嵌されており、該操作片7の頭部と該ロック手段10との間にはコイルばね11が介在して該ロック手段10を本体1側方向へ付勢している。前記スリット9の上端および下端はそれぞれ円状に拡大されており、上下の各拡大部9T、9Bの径は、上記ロック手段10の外径より僅かに大きい程度となっている。一方、上記両拡大部9T、9Bの間の溝状部分9Mの幅は、操作片7の軸部の径より僅かに大きく且つロック手段10の外径より小さくなっている。これにより、上記操作片7の軸部はスリット9の上端と下端との間を自在に移動することができ、上記ロック手段10は上下の各拡大部9T、9Bには嵌入し得るが溝状部分9Mは通過し得ないようになっている。
【0030】
上記ロック手段10の前側端にはフランジ10aが設けられており、該フランジ10aを把持して上記操作片7の頭部へ寄せるようにすると、該ロック手段10の後側端が本体1から僅かに離れて上記スリット9の溝状部分9Mに干渉しない状態となり、操作片7が該スリット9を自在に移動し得るようになる。該操作片7をスリット9の上端または下端に位置させて上記フランジ10aを放すと、該ロック手段10は前記したようにコイルばね11により付勢されているため、上または下の拡大部9T、9Bに嵌入し、この位置に拘束される。このようにして、上記操作片7は、スリット9に沿って自在に移動し得るとともに、ロック手段10により該スリット9の上端または下端の位置でロックされ得るようになっている。
【0031】
前記スライド片8の下端部には、図4に示すように、後側方向へ突出する突起部12が設けられている。該突起部12は、鋼製プレートよりなる小片を、スライド片8の後側面に、横断面T字形状をなすように垂直に接合することにより突設されている。該突起部12の下端縁は、固定端側から自由端側へかけて上方へ傾斜する斜辺をなしている。また、該突起部12に対応して、前記支持片5の前側面における係止片2より若干上方の位置には、上下に延びる凹溝部5aが設けられており、該凹溝部5aに前記突起部12の先端部が出入し得るようになっている。
【0032】
前記操作片7をスリット9の下端まで下げると、図4に示すように、上記スライド片8が下方へスライドし、このとき突起部12が係止片2を後側方向へ押し出す。該突起部12の下端縁は前記したような斜辺をなしているので、該係止片2をスムーズに押し出すことができる。本体1の後側面における下端部には、図3に示すように、ピン挿通用開口13が穿設されており、上記係止片2は該ピン挿通用開口13を通じて後側方向へ延出し得るようになっている。このとき、該係止片2は厳密には直線的に移動するのではなく、前記本体1の中間部のボルト6を中心として回動するため、上記ピン挿通用開口13は、この係止片2の動作に干渉しないように、上下に若干長いカプセル形状に形成されている。
【0033】
上記操作片7をスリット9の上端まで上げると、上記スライド片8が上方へスライドし、これにともなって、図4中の矢印A1に示すように、突起部12も上方へ移動して、係止片2から外れる。一方、このとき上記スライド片8の上端は、図4中の矢印A2に示すように、前記支持片5の上端の折曲部分を後側方向へ押し出す。これを受けて、該支持片5は、前記本体1の中間部のボルト6を支点としてシーソー式に揺動し、その下端が図4中の矢印A3に示すように前側方向へ移動する。これにより、上記係止片2が本体1内に格納される。またこのとき、上記支持片5の凹溝部5aに前記スライド片8の突起部12の先端部が嵌挿される。
【0034】
本体1の上端には、吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部3が配設されている。該掛止部3は、図4に示すように、本体1の小口を閉塞し得る小片状の鋼製プレート14にアイボルトを突設し、該鋼製プレート14を本体1の上端に接合することによって設けられている。上記アイボルトは、上記鋼製プレート14の一方面側から挿通し、該プレート14の他方面側からナット15を嵌着し溶接接合することによって、該プレート14に旋回自在に取り付けられている。
【0035】
本体1のスリット9より若干上方の位置には、図3に示すように、前記トロリT1を取り付けるためのトロリ取付用孔21が配設されている。該トロリ取付用孔21は、本体1の後側面および前側面にそれぞれ穿設されており、前記トロリT1の外壁パネル保持部材31を、該本体1を前後に貫通させるようにして取り付け得るようになっている。
【0036】
また、本体1の後側面における上端よりやや下方の位置には、前記トロリT1の係止手段40におけるピン42を係止させるための係止孔22が穿設されている。
【0037】
外壁パネルP1の裏側における上端よりやや下方の位置には、図3および図4に示すように、左右2箇所にピン挿通孔16、16が穿設されている。各ピン挿通孔16、16は、図3に示すように、外壁パネルP1の左端に近い1つの空洞部4Lおよび右端に近い1つの空洞部4Rのそれぞれに連通するように穿設されており、各ピン挿通孔16、16の径は、前記吊具H1の係止片2の径より僅かに大きい程度となっている。該ピン挿通孔16、16から外壁パネルP1の上端までの距離は、前記吊具H1の係止片2からスリット9の下端までの距離よりも小となっている。
【0038】
以下、上記吊具H1の使用方法について述べる。
まず、操作片7をスリット9の上端まで上げて、係止片2を本体1内に格納し、この状態で、図3に示すように、吊具H1を外壁パネルP1の空洞部4L、4Rに上方から挿入し、係止片2の位置をピン挿通孔16の位置に合わせる。
【0039】
ついで、図4に示すように、操作片7をスリット9の下端まで下げ、係止片2を本体1から延出させて外壁パネルP1のピン挿通孔16に係止させる。
【0040】
ついで、掛止部3にシャックル等によりワイヤーロープを掛止し、該ワイヤーロープをクレーン等で吊り上げることにより外壁パネルP1を吊り上げて、所定位置に搬送する。
【0041】
使用後は、再度操作片7をスリット9の上端まで上げて係止片2を本体1内に格納し、吊具H1を外壁パネルP1から取り外す。
【0042】
上記吊具H1によれば、外壁パネルP1の空洞部4に出入可能な本体1と、該本体1が上記外壁パネルP1の空洞部4に挿入された状態で、該外壁パネルP1に係止して該本体1を該外壁パネルP1に固定し得る係止片2と、吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部3とを備えるものとなっているので、上記本体1を外壁パネルP1の空洞部4に挿入し、係止片2を外壁パネルP1に係止させることにより、該吊具H1を外壁パネルP1に確実に固定することができる。ここで、例えば従来のように該外壁パネルP1をナイロンスリングで縛るようにして吊り上げ搬送するとすると、該ナイロンスリングの緊縛状態によっては、該外壁パネルP1が脱落するおそれがある。これに対し、前記吊具H1を用いて外壁パネルP1を吊り上げるようにすると、該外壁パネルP1を常に確実に保持した状態で吊り上げることができるので、該外壁パネルP1が脱落するといった事態を生じ難くすることができる。
【0043】
また、上記吊具H1は外壁パネルP1の空洞部4に挿入するようにして固定するので、該吊具H1を取り付けた状態のままで該外壁パネルP1の取付(本固定)を完了しても、この後で該吊具H1を容易に取り外すことができる。ここで、前記従来のナイロンスリングを用いた方法では、ナイロンスリングで縛った状態のままで外壁パネルP1を本固定すると該ナイロンスリングが取り外せないので、該外壁パネルP1を下端部で仮固定しやや前傾させて該ナイロンスリングを取り外し、この後該外壁パネルP1を本固定するようにする必要があり、このため、外壁パネルP1の固定が不完全な状態でナイロンスリングを取り外すことになる。これに対し、前記吊具H1によれば、外壁パネルP1の固定が完全な状態で該吊具H1を取り外せるので、該外壁パネルP1の落下の危険性を大幅に少なくすることができる。
【0044】
さらにまた、前記従来の方法ではナイロンスリングの着脱が面倒であるのに対し、前記吊具H1によれば、係止片2を外壁パネルP1に係止させることで該外壁パネルP1に容易に固定しあるいは取り外すことができる。また、前記したように該吊具H1を取り付けた状態のままで外壁パネルP1を取付位置に直接本固定することができるので、前記従来の場合のように外壁パネルP1を取付位置に取り付ける前にいったん仮固定して不安定な態勢に支持するといったことが不要であり、このため外壁パネルP1の取付を大幅に簡易化することができ、作業性を向上させることができる。
【0045】
また、外壁パネルP1を吊り上げる際には、上記吊具H1の本体1を空洞部4に挿入し得る態勢にさえあれば、該外壁パネルP1がいかなる配置状態にあっても該吊具H1の取付が可能であるので、この点においても作業性が良好となっている。例えば図6に示すように、複数の外壁パネルP1が隙間なく積み上げるようにして仮置されているような場合、従来のように該外壁パネルP1をナイロンスリングで縛って吊り上げるとすると、該外壁パネルP1を多少持ち上げた状態としないとナイロンスリングで縛ることができないが、上記吊具H1によれば、該外壁パネルP1を、持ち上げることなくそのままの状態で、該吊具H1を取り付けて吊り上げることができる。
【0046】
さらに加えて、上記吊具H1によれば、上記係止片2が、本体1に延出/格納可能に配設されているので、該係止片2を格納した状態で本体1を外壁パネルP1に容易に出入させることができるとともに、該係止片2を延出させて外壁パネルP1に容易に係止させることができる。これにより、該吊具H1を外壁パネルP1にさらに容易に着脱することができる。
【0047】
さらに加えて、上記吊具H1によれば、上記本体1が上記外壁パネルP1の空洞部4に挿入された状態で、上記係止片2の動作を外部から操作するための操作片7が配設されているので、外壁パネルP1の内部での係止片2の動作を外部からでも操作でき、これにより、該吊具H1を外壁パネルP1にさらに容易に着脱することができる。
【0048】
さらに加えて、上記吊具H1によれば、上記操作片7を所定位置でロックするためのロック手段10が配設されているので、何らかの原因により該操作片7が誤って操作されることが防止でき、したがって外壁パネルP1の脱落等をより確実に防止することができる。
【0049】
上記吊具H1には、様々な変更を加えることが可能である。例えば図7に示す吊具H2のように、係止片2を本体1に着脱可能に設けるようにしてもよい。同図に示す吊具H2は、前記図3に示す吊具H1と同様の本体1の下端に、内側からナット(図示せず)を溶接するようにしてねじ穴17が設けられ、該ねじ穴17に、係止片2としてボルトを螺入することにより着脱する構成となっている。使用時には、該本体1を外壁パネルP1の空洞部4に挿入し、該外壁パネルP1の外部からピン挿通孔16を通して係止片2をねじ穴17に螺入することにより、吊具H2を外壁パネルP1に固定するようにする。
【0050】
上記図7に示す吊具H2によれば、前記図3に示す吊具H1に比して、構成を簡略化することができる。ただし、該吊具H2の着脱の容易さや安全性の点でやや劣るきらいがある。
【0051】
上記図3乃至図7に示す吊具H1、H2の本体1には、図2に示すように、前記トロリT1が取り付けられる。該トロリT1の外壁パネル保持部材31は、前記吊具H1の本体1におけるトロリ取付用孔21に後側から挿通され、該本体1の前側から、ナット34および止めナット35が螺入されて固定される。このとき、該外壁パネル保持部材31はピン軸として機能し得るように該本体1に接合されており、これにより、前記トロリT1の支持基材33は該外壁パネル保持部材31を中心軸として自在に回動し得る状態で本体1に支持されている。
【0052】
上記トロリT1は、図2に示すように、建物の躯体を構成する梁71上を走行するようになっている。該梁71には、外壁取付用アングル72が接合されており、上記トロリT1は、該外壁取付用アングル72を介して、梁71上を走行する。該外壁取付用アングル72は、図8に示すように、若干幅広の一方片(以下、幅広片と称す)72aと、若干幅狭の他方片(以下、幅狭片と称す)72bとにより、断面略L字形状を有する山形鋼となっており、上記幅広片72aの端縁部は、幅狭片72bと同方向に折曲されて、該幅狭片72bよりさらに幅狭のリップ状の折曲片72cが形成されている。上記トロリT1の車輪32は、該外壁取付用アングル72の折曲片72cに溝部37を嵌合させた状態で、該外壁取付用アングル72をレールとして走行するようになっている。
【0053】
上記外壁取付用アングル72の幅狭片72bの外側面には、長方形状の鋼製プレートよりなるファスナプレート73が、所定間隔をおいて多数接合されている。各ファスナプレート73は、その両端を、上記幅狭片72bの両側縁からそれぞれ外方へ延出させるようにして、該幅狭片72bに重ね合わせ溶接接合されている。上記外壁取付用アングル72は、幅広片72a、幅狭片72bおよび折曲片72cにより形成される溝状部分を、屋内側に向け、かつ折曲片72cを上にした状態で、前記梁71の上フランジ71aの外側端縁より若干外方に配置され、ファスナプレート73の端部を該フランジ71aにボルトで締結することにより固定されている。
【0054】
上記外壁取付用アングル72には、前記梁71の直上階部分の外壁となる外壁パネルP2の下端部が取り付けられる。該外壁パネルP2の裏面における下端近傍には、取付金具74が左右に配設されている(図8では右側の取付金具74のみを示す)。該取付金具74は、上下に長い長方形状の鋼製プレートの下端部に、側面視くの字状に外方へ突起する折曲部74aが形成され、両側縁に沿って補強リブ74b、74bが形成されたものとなっており、上端近傍にはルーズホール74cが穿設されている。上記取付金具74は、折曲部74aと外壁パネルP2の裏面との間に、前記外壁取付用アングル72の折曲片72cを挟持した状態で、ルーズホール74cでボルトにより締結される。また、前記ファスナプレート73の自由端は、前記したように外壁取付用アングル72よりも外方へ延出しており、該延出部分に、外壁パネルP2の下端が支持される。このようにして、外壁パネルP2の下端部が梁71に取り付けられる。
【0055】
上記梁71の下フランジ71bには、図2に示すように、前記外壁取付用アングル72と上下対称となるように、同様の外壁取付用アングル72Lが、ほぼ同様の取付構造で取り付けられている。ただし、この下側の外壁取付用アングル72Lと梁71の下フランジ71bとの間に介在するファスナプレート73Lの自由端は、該外壁取付用アングル72Lより外方へは延出しないようになっている。
【0056】
上記下側の外壁取付用アングル72Lには、前記梁71の直下階部分の外壁となる外壁パネルP1の上端部が取り付けられる。該外壁パネルP1の裏面における上端よりやや下方の位置には、前記と同様の取付金具が、前記とは上下逆の状態で左右に配設されており(図示せず)、該取付金具により、上記外壁パネルP1の上端部が外壁取付用アングル72Lに取り付けられる。
【0057】
なお、建物の屋上階を構成する梁には、所定間隔をおいて立設された複数の束を介して、やや上方に外壁取付用アングルが架設されており、該外壁取付用アングルに、上記と同様の取付構造により外壁パネルが取り付けられて、パラペットが構成されるようになっている(図示せず)。上記トロリT1は、このパラペット部においても、外壁パネルを保持した状態で外壁取付用アングル上を走行することができる。
【0058】
以下、上記トロリT1の使用方法について述べる。
1.まず、前記したようにトロリT1を取り付けた状態で、吊具H1を外壁パネルP1に固定する。この外壁パネルP1に対する吊具H1の取付方法は前記した通りである。
【0059】
2.ついで、上記外壁パネルP1をクレーン等で吊り上げて、前記梁71まで搬送し、図2に示すように、トロリT1の車輪32を、外壁取付用アングル72に嵌合して、該外壁パネルP1を該梁71から吊り下げた状態に保持する。
【0060】
このとき、上記トロリT1の係止手段40におけるピン42を吊具H1の係止孔22に係止させて、図9(a)に示すように、支持基材33を立てた態勢に保持するようにする。該支持基材33を立てた態勢に保持すると、外壁パネルP1は、取付位置より若干上方にずれた状態に保持されるようになっている。このときの該外壁パネルP1の高さ位置のズレは、上記トロリT1の外壁パネル保持部材31と車軸36との支点間の段差dに等しくなるように設定されている。
【0061】
また、該支持基材33が立った態勢にあるときには、図2に示すように、スペーサ38が外壁取付用アングル72に当接して、該支持基材33を前記車輪32から所定間隔をおいた位置に保持するようになっている。この状態では、外壁パネルP1は、取付位置から若干外方にずれた状態に保持されるようになっている。
【0062】
なお、上記トロリT1の車輪32を外壁取付用アングル72に嵌合する際には、ガイド片45に案内させながら嵌合するようにするとよい。
【0063】
3.ついで、上記外壁取付用アングル72上でトロリT1を走行させ、外壁パネルP1をスライドさせて取付位置へ搬送する。
【0064】
4.ついで、外壁パネルP1を取付位置に合わせて、梁71に取り付ける。
【0065】
このとき、上記トロリT1の係止手段40におけるピン42を吊具H1の係止孔22から外し、槓杆部33Lを把持して図9(b)に示すように支持基材33を左または右に傾倒させるようにする。該支持基材33を90°傾倒させると、前記外壁パネル保持部材31と車軸36との支点間の段差dが解消され、外壁パネルP1が取付位置と同一の高さ位置まで降下する。
【0066】
また、該支持基材33を上記のように傾倒させると、図9(b)に示すようにスペーサ38が外壁取付用アングル72より上方の位置にきて該外壁取付用アングル72に干渉しない状態となるので、支持基材33を前記車輪32に引き寄せるようにし、これにより外壁パネルP1を梁71に引き寄せて取付位置に合わせるようにする。
【0067】
上記取付位置に合わせた外壁パネルP1は、前記の取付構造により上端部および下端部をそれぞれ取り付けるようにする。
【0068】
5.この後、吊具H1およびトロリT1を取り外す。
【0069】
このように、上記トロリT1を用いることにより、外壁パネルP1を建物の躯体を構成する梁71から吊り下げた状態でスライドさせ取付位置へ搬送するようにして外壁施工を行うことができる。これにより、例えば図12に示すように、標準のクレーン車Cでは届かない敷地Lの内奥部L1の外壁施工を行う場合、まず該クレーン車Cの届く範囲内の前面側部L2で外壁パネルP1を吊り上げて梁71まで搬送し、この後は該外壁パネルP1を梁71に沿って内奥部L1までスライドさせて搬送することで、該内奥部L1の外壁施工を行うことができる。したがって、標準以上の大型のクレーン車や人力等に依ることなく、上記のような内奥部L1の外壁施工を行うことが可能となる。
【0070】
さらに、取付後の外壁パネルP1をスライドさせて移動させることもできるので、取付位置の調整も容易に行うことができる。
【0071】
なお、例えば上記図12に示す敷地Lの内奥部L1における隅部C1においては、例えば図10に示すようにして外壁パネルP1を中継するようにすればよい。同図に示す例では、該隅部C1の屋上部に支柱61が立設され、該支柱61の上部に、ブラケットを介してチェーンブロック62が支持されている。前記の方法により該隅部C1までスライドさせて搬送してきた外壁パネルP1は、該隅部C1で上記チェーンブロック62により吊下し、建物からやや離した状態で、図10中に矢印A61で示すように、該隅部C1を挟んで建物の他側面へ渡すようにする。この後は、該外壁パネルP1を再度梁から吊り下げた状態とし、前記と同様にして該梁に沿ってスライドさせて搬送するようにする。
【0072】
さらに、上記トロリT1によれば、上記外壁パネル保持部材31と車輪32とが、両者間の水平距離を変更可能に設けられているので、該外壁パネル保持部材31と車輪32との水平距離を拡げることで外壁パネルP1を取付位置から外方へ離した状態でスライドさせることができるとともに、該水平距離を狭めることで該外壁パネルP1を引き寄せて取付位置に合わせることができる。したがって、該外壁パネルP1を、建物の躯体や金具類に抵触することなくスムーズにスライドさせて取付位置へ搬送し取り付けることができる。
【0073】
さらに加えて、前記外壁パネル保持部材31と車輪32とが、両者間の鉛直距離を変更可能に設けられている(即ち、該外壁パネル保持部材31が車輪32に対し上下動可能に設けられている)ので、該外壁パネル保持部材31を上昇させた状態に保持することで、外壁パネルP1を取付位置から上方へ離した状態でスライドさせることができるとともに、該外壁パネル保持部材31を降下させることで該外壁パネルP1を降下させて取付位置に合わせることができる。したがって、該外壁パネルP1をさらにスムーズにスライドさせて取付位置へ搬送し取り付けることができる。
【0074】
さらに、前記車輪32が、軸方向に沿ってスライド可能に車軸36に支持され、前記外壁パネル保持部材31と車軸36とが、両者の支点間に段差dを有する状態で支持基材33に支持されているので、上記車輪32を軸方向にスライドさせることで、上記外壁パネル保持部材31と車輪32との水平距離を容易に変更し得るとともに、上記段差dにより、上記外壁パネル保持部材31を車輪32に対し上下にずらした状態に保持することができる。
【0075】
さらに加えて、前記支持基材33を前記車輪32から所定間隔をおいた位置に保持するためのスペーサ38を備えるので、外壁パネルP1を取付位置から外方へ離した状態に保持することができる。
【0076】
さらに加えて、前記支持基材33に、該支持基材33を傾倒させるための槓杆部33Lが形成されているので、該槓杆部33Lで支持基材33を傾倒させることで、前記外壁パネル保持部材31と車軸36との支点間の段差dを解消することができる。
【0077】
さらに加えて、前記支持基材33を外部の構造物である吊具H1に係止させて立てた態勢に保持するための係止手段40を備えるので、該支持基材33をを立てた態勢に保持することで、前記外壁パネル保持部材31と車軸36とを、両者の支点間に段差dを有する状態に保持することができる。
【0078】
さらにまた、上記トロリT1は、外壁取付用の部材として梁71に配設されている外壁取付用アングル72をレールとして走行するようになっているので、該トロリT1を走行させるためのレールを別に配設する必要がない。
【0079】
さらに、上記トロリT1は、外壁パネルP1の空洞部4に出入可能な本体1と、該本体1が上記外壁パネルP1の空洞部4に挿入された状態で、該外壁パネルP1に係止して該本体1を該外壁パネルP1に固定し得る係止片2と、吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部3とを備える吊具H1に固定した状態で使用されるが、このように該トロリT1と吊具H1とを一体化させて、外壁パネル搬送用の複合デバイスとして使用することにより、前記外壁パネルP1の吊り上げ行程からスライド行程までを一貫して効率よく行うことができる。
【0080】
上記トロリT1には、様々な変更を加えることが可能である。例えば、図11に示すトロリT2のように、外壁パネル保持部材46が、吊具を介さずに外壁パネルP3を直接保持する構成としてもよい。同図に示すトロリT2は、ねじ軸よりなる外壁パネル保持部材46が、支持基材47の外方にブラケット48を介して垂下された構成となっている。ここに示す例では、外壁パネルP3の裏面に、側面視L字形状の取付金具75が配設されており、前記トロリT2は、外壁パネル保持部材46の下端を該取付金具75に挿通しナット49および止めナット50で係止することにより、該外壁パネルP3を吊り下げた状態に保持するようになっている。また、梁76上には、外壁パネル搬送用のレール77が仮設されており、上記トロリT2は該レール77上を走行するようになっている。
【0081】
上記図11に示すトロリT2では、空洞部を有していない外壁パネルP3を吊り下げた状態に保持することが可能である。ただし、該外壁パネルP3の取付の際には、例えば該外壁パネルP3の下端部を仮固定した状態で外壁パネル保持部材46を取付金具75から取り外し、この後該取付金具75を梁76に取り付けるようにするといったように、取付作業がやや煩瑣である。また、ここに示す例では、外壁パネル取付用の部材とは別に、外壁パネル搬送のための専用のレール77を架設する必要がある。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1に記載の外壁パネル用トロリによれば、外壁パネルを吊り下げた状態で保持するための外壁パネル保持部材と、建物の躯体上を走行し得る車輪を、軸方向に沿ってスライド可能に支持する車軸と、前記外壁パネル保持部材と車軸とを、両者の支点間に段差を有する状態で支持する支持基材とを備えるので、上記車輪を軸方向にスライドさせることで、上記外壁パネル保持部材と車輪との水平距離を容易に変更し得るとともに、上記段差により、上記外壁パネル保持部材を車輪に対し上下にずらした状態に保持することができる。また、前記支持基材に、該支持基材を傾倒させるための槓杆部が形成されているので、該槓杆部で支持基材を傾倒させることで、前記外壁パネル保持部材と車軸との支点間の段差を解消することができる。
【0087】
さらに加えて、この発明の請求項2に記載の外壁パネル用トロリによれば、前記支持基材を前記車輪から所定間隔をおいた位置に保持するためのスペーサを備えるので、外壁パネルを取付位置から外方へ離した状態に保持することができる。
【0089】
さらに加えて、この発明の請求項3に記載の外壁パネル用トロリによれば、前記支持基材を外部の構造物に係止させて所定の態勢に保持するための係止手段を備えるので、該支持基材を傾倒させない態勢に保持することで、前記外壁パネル保持部材と車軸とを、両者の支点間に段差を有する状態に保持することができる。
【0090】
また、この発明の請求項4に記載の外壁パネル搬送用複合デバイスによれば、空洞部が形成された外壁パネルの該空洞部に出入可能な本体と、該本体が前記外壁パネルの空洞部に挿入された状態で、該外壁パネルに係止して該本体を該外壁パネルに固定し得る係止片と、吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部とを備える外壁パネル用吊具に、前記請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁パネル用トロリが固定された構成となっているので、該外壁パネル搬送用複合デバイスを使用することにより、外壁パネルの吊り上げ行程からスライド行程までを一貫して効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る外壁パネル用トロリを示す斜視図。
【図2】図1の外壁パネル用トロリの使用状態を示す側面図。
【図3】外壁パネル用吊具を示す斜視図。
【図4】図3の外壁パネル用吊具の内部構造および使用状態を示す部分縦断面図。
【図5】操作片の配設部分を示す部分拡大図。
【図6】積み上げるようにして仮置された外壁パネルに吊具を取り付けた状況を示す斜視図。
【図7】外壁パネル用吊具の他の例を示す部分分解斜視図。
【図8】外壁取付用アングルおよび外壁取付状況を示す部分斜視図。
【図9】図1の外壁パネル用トロリの操作方法の一部および作用を示す模式図。
【図10】隅部における外壁パネルの搬送方法の一例を示す模式図。
【図11】他の実施形態に係る外壁パネル用トロリおよびその使用状態を示す側面図。
【図12】外壁パネル用トロリが適用される施工現場の一例を示す模式図。
【符号の説明】
31 外壁パネル保持部材
32 車輪
71 梁(建物の躯体)
P1 外壁パネル
T1 外壁パネル用トロリ
Claims (4)
- 外壁パネルを建物の躯体から吊り下げた状態でスライドさせて取付位置へ搬送するためのトロリであって、
前記外壁パネルを吊り下げた状態で保持するための外壁パネル保持部材と、
前記建物の躯体上を走行し得る車輪を、軸方向に沿ってスライド可能に支持する車軸と、
前記外壁パネル保持部材と車軸とを、両者の支点間に段差を有する状態で支持する支持基材と、
を備えると共に、
前記支持基材に、該支持基材を傾倒させるための槓杆部が形成されていることを特徴とする外壁パネル用トロリ。 - 前記支持基材を前記車輪から所定間隔をおいた位置に保持するためのスペーサを備えることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネル用トロリ。
- 前記支持基材を外部の構造物に係止させて所定の態勢に保持するための係止手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の外壁パネル用トロリ。
- 空洞部が形成された外壁パネルを取付位置へ搬送するための外壁パネル搬送用複合デバイスであって、
前記外壁パネルの空洞部に出入可能な本体と、
前記本体が前記外壁パネルの空洞部に挿入された状態で、該外壁パネルに係止して該本体を該外壁パネルに固定し得る係止片と、
吊り上げ用ロープ類を掛止するための掛止部と、
を備える外壁パネル用吊具に、請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁パネル用トロリが固定されてなることを特徴とする外壁パネル搬送用複合デバイス。
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