JP3864577B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一例であるパチンコ機として、図柄合わせ式パチンコ機が知られている。図柄合わせ式パチンコ機のうち、いわゆる第1種のものは、一般的に、変動入賞口と、液晶画面からなる図柄表示部と、大入賞口とが設けられており、変動入賞口に遊技球が入賞した場合に、図柄表示部に表示された図柄が変動を開始し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった新たな図柄が予め設定された「大当たり図柄」(たとえば、「7,7,7」)である場合には、遊技者にとって有利な遊技状態である「大当たり状態」が生起し、大入賞口が、所定時間あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、きわめて高い確率で、所定回数だけ断続的に繰り返すように構成されている。また、図柄合わせ式パチンコ機のうち、いわゆる第3種のものは、一般的に、変動入賞口と、液晶画面からなる図柄表示部と、第3種始動口、特定入賞口、大入賞口とが設けられており、変動入賞口に遊技球が入賞した場合に、図柄表示部に表示された図柄が変動を開始し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった新たな図柄が予め設定された「大当たり図柄」である場合には、特定入賞口が所定時間開成し、その開成した特定入賞口に遊技球が入賞した場合には、遊技者にとって有利な遊技状態である「権利発生状態」が生起し、第3種始動口への遊技球の入賞を契機として、大入賞口が、所定時間あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ繰り返すように構成されている。さらに、それらの図柄合わせ式パチンコ機の中には、先に停止表示となった図柄の組み合わせが「大当たり図柄」に含まれるもの(たとえば、「7,7」、以下「リーチ図柄」という)である場合には、遊技者の「大当たり状態」生起に対する期待感を高める目的で、「大当たり図柄」に含まれるものでない場合と異なる態様で、残りの図柄を変動させた後に停止させるものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の図柄合わせ式パチンコ機は、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」の表示態様がどれも同じであり、変化に乏しいため、遊技内容に新鮮味がなく、遊技者に飽きられ易い、という欠点があった。
【0004】
本発明の目的は、従来の図柄合わせ式パチンコ機の有する問題点を解消し、「大当たり図柄」、「リーチ図柄」等の表示態様がバラエティーに富んでおり、趣向性が高く、遊技者を飽きさせない遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1に記載された発明の構成は、複数の表示体からなる可変表示器が遊技領域に設置された遊技機であって、各前記表示体は、前記可変表示器において別々に前後動可能となっており、その各前記表示体の動作後の停止形態によって、前記可変表示器に、所定の数字あるいは記号等の図柄が識別表示されるとともに、前記可変表示器が、前記表示体の前後動により遊技機にトラブルが発生した旨を報知することにある。
請求項2に記載された発明の構成は、各表示体の後方に位置した後方基板の裏面に、プランジャを鉛直下向きにした状態でソレノイドを夫々固着し、L型連結部材の一端を前記プランジャに枢着するとともに、前記L型連結部材の他端を前記表示体の裏面に連結されたアームに枢着し、さらに前記L型連結部材の屈曲部分を連結ピンによって回動可能に設置することによって、前記プランジャの上下動に伴い前記表示体を前後動可能とする一方、前記プランジャに、該プランジャを下方へと付勢するバネ部材を設置し、前記ソレノイドへ通電していない状態にあっては、前記プランジャを下方へと付勢することによって、前記表示体を後退位置に位置させることにある。
請求項3に記載された発明の構成は、請求項1、請求項2に記載された発明において、可変表示器が、各表示体を7セグメント方式に配置したものであることにある。
請求項4に記載された発明の構成は、請求項1〜請求項3に記載された発明において、可変表示器が、各表示体を別々に発光させるものであることにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0007】
[実施例1]
図1は、実施例1のパチンコ機1aを示したものであり、パチンコ機1aは、機台前面の上側に略円形の遊技領域2が設けられている。そして、その遊技領域2の中央よりやや上方には、可変表示器3が設けられている。
【0008】
図2は、可変表示器3を示したものであり、可変表示器3は、扁平な八角柱状に形成されている。そして、本体容器18の前面の中央上方および中央下方に、それぞれ、図柄表示部14、第2表示部15が設けられており、それらの図柄表示部14、第2表示部15の周囲に、7つの表示体19a〜19gが前後動可能に設置されている。図柄表示部14は、7セグメント方式の3つの表示領域45,45・・を有しており、それらの表示領域45,45・・に任意の数字や記号を表示することができるようになっている(図1参照)。また、第2表示部15は、7セグメント方式の2つの図柄表示領域46,46を有しており、それらの表示領域46,46に任意の数字や記号を表示することができるようになっている(図1参照)。一方、本体容器18の外周には、取付基板16が突設されており、その取付基板16の左右の上下には、ネジ孔36,36・・が穿設されている。また、本体容器18の最後部には、後方基板17が取り付けられている。
【0009】
図3は、表示体19aの設置部位を示したものである。表示体19aの設置部位は、本体容器18の表面が横長な六角柱状に堀設されることによって、可動領域30が形成されており、その可動領域30の後端に、後方基板17が配置した状態になっている。そして、その可動領域30に、板状の表示体19aが、後方基板17の表面と平行になるように遊嵌されている。表示体19aは、赤色に着色した透明な合成樹脂によって、底面が可動領域30の開口部より一回り小さく可動領域30の深さの約1/3の高さを有する六角柱状に形成されている。
【0010】
一方、表示体19aの後方に位置した後方基板17の裏面には、基台23が突設されており、その基台23に、ソレノイド24が、プランジャ25を鉛直下向きにした状態で固着されている。また、基台23の下方の後方基板17の裏面には、設置部材22が突設されており、その設置部材22には、連結ピン31cによって、L型連結部材21の屈曲部分が回動可能に枢着されている。そして、L型連結部材21の短軸の先端は、連結ピン31dによって、プランジャ25の先端に、回動可能に枢着されている。なお、ソレノイド24のプランジャ25には、バネ部材26が設置されており、プランジャ25は、通常時(ソレノイド24へ電源が供給されていない場合)には、下方に付勢された状態になっている。
【0011】
また、表示体19aの後方に位置した後方基板17には、挿通孔27が穿設されており、その挿通孔27を、長尺状のアーム20が貫通した状態になっている。そして、そのアーム20の片端縁は、連結ピン31aによって、表示体19aの裏面の略中央に、回動自在に枢着されており、他端縁は、連結ピン31bによって、後方基板17の裏側に位置したL型連結部材21の長軸の先端に、回動可能に枢着されている。さらに、アーム20の貫通部分と隣接した後方基板17の表面には、固定板28が当着されており、その固定板28の表面には、LEDランプ29,29・・が設置されている。なお、他の全ての表示体19b,19c,19d・・の設置部位も、表示体19aの設置部位と同様な構造を有している。
【0012】
かかる可変表示体3は、遊技盤面に刻設設けられた嵌合孔(図示せず)に本体容器18の後側部分を嵌め込み、本体容器18に設けられた取付基板16の裏面を遊技盤面に当着させた状態で、遊技領域2に設置されている。
【0013】
一方、図1に示されるように、可変表示器3の下側には、変動入賞口5が設けられており、その変動入賞口5の下側には、扉が前方へ開閉する形状の大入賞口4が設けられている。また、可変表示器3の左右両側には、変動入賞ゲート6a,6bが設置されており、各変動入賞ゲート6a,6bの下側には、それぞれ、入賞口7a,7bが設けられている。さらに、左右の変動入賞ゲート6a,6bの上側には、電飾ランプ8a,8bが設置されており、左右の変動入賞ゲート6a,6bの外側には、サイドランプ9a,9bが設置されている。加えて、遊技領域2内には、多くの障害釘が植設されている(なお、図1においては、ほとんどの障害釘の記載が省略されている)。また、遊技領域2の下方には、遊技球発射装置へ遊技球を供給するための供給皿11と、供給皿11から溢れた遊技球を貯留させる貯留皿12とが、上下に突設されている。
【0014】
パチンコ機1aは、遊技球が変動入賞ゲート6a,6bを通過すると、図柄表示装置49に表示された図柄が変動し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった図柄が所定の図柄である場合には、普通電動役物41が所定時間開成する。また、開成中の普通電動役物41に遊技球が入賞した場合、および変動入賞口5に入賞した場合には、可変表示器3の図柄表示部14の表示領域45,45・・に表示された3つの数字が、それぞれ変動を開始し、所定時間後に、左側の数字、右側の数字、中央の数字の順に停止表示となる。そして、停止表示となった3つの数字の組み合わせが所定の組み合わせ(たとえば、「7,7,7」、以下「大当たり図柄」という)である場合には、大当たりとなり、遊技者にとって有利な遊技状態である「大当たり状態」が生起して、大入賞口4が、きわめて高い確率で、所定時間あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ断続的に繰り返す(なお、「大当たり状態」以外の遊技状態を「通常状態」という)。また、先に停止表示となった左側の数字および右側の数字の組み合わせが「大当たり図柄」に含まれるもの(たとえば、「7,7」、以下「リーチ図柄」という)である場合には、遊技者の「大当たり状態」生起に対する期待感を高める目的で、「大当たり図柄」に含まれるものでない場合と異なる態様(以下、「リーチ変動態様」という)で、中央の数字を変動させた後に停止させる。
【0015】
さらに、先に停止表示となった左側の数字および右側の数字が「リーチ図柄」である場合には、可変表示器3の7つの表示体19a〜19gが、後方に設置されたソレノイド24への電源の供給・供給停止が行われることによって、別々に前後動し、「リーチ図柄」を構成する数字と同じ数字を表示する。
【0016】
すなわち、ソレノイド24へ電源が供給されていない場合には、図3(a)の如く、ソレノイド24のプランジャ25が、バネ部材26によって鉛直下方に付勢されているため、L型連結部材21の長軸の先端が、後方基板17の裏面から離れるように回動した状態になっている。このため、L型連結部材21の長軸の先端と連結した表示体19aが、後方基板17の表面と平行な状態を保ったまま、後方基板17の表面に近づくように、可動領域30内を後退した状態になっている。一方、ソレノイド24へ電源が供給されると、図3(b)の如く、ソレノイド24のプランジャ25が、バネ部材26の付勢力に抗して上方に引き上げられる。このため、L型連結部材21の長軸の先端が、後方基板17の裏面に近づくように回動する。それゆえ、表示体19aは、後方基板17の表面と平行な状態を保ったまま、後方基板17の表面から離れるように、可動領域30内を前進する。なお、この場合には、表示体19aの後方に位置したLEDランプ29,29・・にも電源が供給され、LEDランプ29,29・・が発光し、表示体19aが赤色に点灯する。
【0017】
たとえば、「リーチ図柄」が「5,5」である場合(すなわち、「大当たり図柄」が「5,5,5」である場合)には、表示体19b,19c,19e,19f,19gと連結しているソレノイド24へ電源が供給され、表示体19b,19c,19e,19f,19gが可動領域30内を前進するとともに、LEDランプ29,29・・が発光する。このため、可変表示器3は、図2の如く、「5」の数字が突出表示され、赤色に点灯した状態になる。
【0018】
また、「大当たり状態」が生起した場合には、「リーチ図柄」を表示する場合と同様の態様により、可変表示器3の各表示体19a〜19gが前後動することによって、その「大当たり図柄」を構成する図柄と同じ図柄(たとえば、「大当たり図柄」が「3,3,3」である場合には、「3」)が、可変表示器3に表示される(図4参照)。また、それと同時に、各表示体19a〜19gの後方に位置したLEDランプ29,29・・が断続的に発光し、表示体19a〜19gが赤色に点滅する。なお、「大当たり状態」が生起し、大入賞口4が断続的に開成する場合には、可変表示器3の第2表示部15の表示領域46,46に、その大入賞口4の開成回数(何回目の開成であるか)が表示される。
【0019】
パチンコ機1aは、上記の如く、表示体19a〜19gを別々に前後動させることによって数字あるいは記号等の図柄を識別表示する可変表示器3が遊技領域2に設置されているため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」の表示態様がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。したがって、パチンコ機1aによれば、遊技者はいつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。また、パチンコ機1aは、可変表示器3の各表示体19a〜19gの前後動後の停止形態によって遊技状態(「通常状態」あるいは「大当たり状態」)を決定する(周囲に報知する)ため、遊技状態の決定(報知)態様が、非常にバラエティーに富んでいる。さらに、パチンコ機1aは、可変表示器3が、各表示体19a〜19gを7セグメント方式に配置したものであるため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、きわめて明確にかつ分かり易く報知することができる。加えて、パチンコ機1aは、可変表示器3が、各表示体19a〜19gを別々に発光させるものであるため、可変表示器3に表示された「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、非常にダイナミックに報知することができる。
【0020】
[実施例2]
図5は、実施例2のパチンコ機1bを示したものであり、パチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、遊技領域2の中央よりやや上方に、可変表示器3が設けられている。また、可変表示器3の下側には、変動入賞口39が設けられており、その変動入賞口39の下側には、扉が前方へ開閉する形状の特定入賞口40が設けられている。さらに、可変表示器3の右側には、第3種始動口42が設置されており、その第3種始動口42の下側には、大入賞口43が設けられている。なお、パチンコ機1bのその他の構成は、実施例1のパチンコ機1aの構成とほぼ同様である。
【0021】
パチンコ機1bは、変動入賞口39に遊技球が入賞した場合に、可変表示器3の図柄表示部14の各表示領域45,45・・に表示された3つの数字が、それぞれ変動を開始し、所定時間後に、左側の数字、右側の数字、中央の数字の順に停止表示となる。そして、停止表示となった3つの数字の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、特定入賞口40が所定時間開成し、特定入賞口40の内部の特定領域(図示せず)を遊技球が通過することにより、大当たりとなり、遊技者にとって有利な遊技状態である「権利発生状態」が生起して、第3種始動口42への入賞を契機として、大入賞口43が、所定時間あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ断続的に繰り返す(なお、「権利発生状態」以外の遊技状態を「通常状態」という)。また、実施例1のパチンコ機1aと同様に、先に停止表示となった左側の数字および右側の数字の組み合わせが「リーチ図柄」である場合には、「リーチ変動態様」で、中央の数字を変動させた後に停止させるとともに、先に停止表示となった左側の数字および右側の数字組み合わせが「リーチ図柄」である場合には、可変表示器3の7つの表示体19a〜19gが別々に前後動することによって、「リーチ図柄」を構成している図柄と同一の図柄を表示する。
【0022】
さらに、実施例1のパチンコ機1aと同様に、「大当たり状態」が生起した場合には、可変表示器3の各表示体19a〜19gが前後動することによって、その「大当たり図柄」を構成する図柄と同じ図柄が、可変表示器3に表示される。加えて、それと同時に、各表示体19a〜19gの後方に位置したLEDランプ29,29・・が断続的に発光し、表示体19a〜19gが赤色に点滅する。
【0023】
かかるパチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、表示体19a〜19gを別々に前後動させることによって数字あるいは記号等の図柄を識別表示する可変表示器3が遊技領域2に設置されているため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」の表示態様がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。したがって、パチンコ機1bによれば、遊技者はいつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。また、パチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、可変表示器3の各表示体19a〜19gの前後動後の停止形態によって遊技状態を決定する(周囲に報知する)ため、遊技状態(「通常状態」あるいは「権利発生状態」)の決定(報知)態様が、非常にバラエティーに富んでいる。さらに、パチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、可変表示器3が、各表示体19a〜19gを7セグメント方式に配置したものであるため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、きわめて明確にかつ分かり易く伝達することができる。加えて、パチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、可変表示器3が、各表示体19a〜19gを別々に発光させるものであるため、可変表示器3に表示された「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、非常にダイナミックに報知することができる。
【0024】
[実施例3]
図6は、実施例3のパチンコ機1cを示したものであり、パチンコ機1cは、遊技領域2に、実施例1のパチンコ機1aに設置された可変表示器3とは異なる可変表示器33が設置されており、その可変表示器33の上方に、可変表示器33とは別個に、7セグメント方式の2つの表示領域を有する図柄表示部32が設置されている。
【0025】
図7は、可変表示器33を示したものであり、可変表示器33は、本体容器35内に、16個の突出部材38a〜38pが、前後動可能に設置されている。本体容器35は、直方体形状に形成されており、前面の周縁に、取付基板34が延設されている。また、取付基板34には、4つのネジ孔37,37・・が穿設されている。さらに、本体容器35の前面には、四角柱状の内部形状を有する16個の嵌合孔47,47・・が掘設されており、各嵌合孔47,47・・が4×4のマトリックス状に配置された状態になっている。そして、それらの各嵌合孔47,47・・に、それぞれ、突出部材38a〜38pが遊嵌されている。
【0026】
各突出部材38a〜38pは、不透明な合成樹脂によって、嵌合孔47,47・・より一回り小さな中空の四角柱状に形成されている。また、前面には、赤色に着色された透明な合成樹脂によって、0〜9,A,F,H,J,L,Pの各数字形状を有する発光窓44が設けられている。さらに、内部には、LEDランプ(図示せず)が設置されている。そして、各突出部材38a〜38pは、実施例1や実施例2の可変表示器3と同様なソレノイドを利用した機構によって、前面を本体容器35の表面と一致させた位置から、前面を本体容器35の表面の前方へ突出させた位置まで、前進・後退可能になっている。
【0027】
かかる可変表示体33は、遊技盤面に刻設された嵌合孔(図示せず)に本体容器35を嵌め込み、本体容器35に設けられた取付基板34の裏面を遊技盤面に当着させた状態で、遊技領域2に設置されている。なお、パチンコ機1cのその他の構成は、実施例1のパチンコ機1aの構成とほぼ同様である。
【0028】
パチンコ機1cは、遊技球が変動入賞ゲート6a,6bを通過すると、図柄表示装置49に表示された図柄が変動し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった図柄が所定の図柄である場合には、普通電動役物41が所定時間開成する。また、開成中の普通電動役物41に遊技球が入賞した場合、および変動入賞口5に入賞した場合には、可変表示器33の上方に設けられた図柄表示部32の各表示領域48,48に表示された2つの数字が、それぞれ変動を開始し、所定時間後に、左側の数字、右側の数字の順に停止表示となる。そして、図柄表示部32に表示された2つの数字が停止表示となった後には、可変表示器33の16個の突出部材38a〜38pのうちの一つが、後方に設けられたソレノイドへの電源の供給によって、前面を本体容器35の表面より突出させるように前進する。なお、この場合には、突出部材38の内部に設けられたLEDランプにも電源が供給され、LEDランプが発光して透光窓44が赤色に点灯する。そして、停止表示となった図柄表示部の2つの数字、および突出した突出部材38の数字あるいは記号の組み合わせが「大当たり図柄」である場合(たとえば、図柄表示部32の各表示領域48,48に「7,7」と表示され、突出部材38hが突出した場合)には、「大当たり」となり、実施例1のパチンコ機1aと同様に、遊技者にとって有利な遊技状態である「大当たり状態」が生起して、大入賞口4が、きわめて高い確率で、所定回数だけ断続的に開成する。
【0029】
かかるパチンコ機1cも、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bと同様に、表示体38a〜38pを別々に前後動させることにより数字あるいは記号等の図柄を識別表示する可変表示器33が遊技領域2に設置されているため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」の表示態様がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。したがって、パチンコ機1cによれば、遊技者は、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。また、パチンコ機1cも、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bと同様に、可変表示器33の各表示体38a〜38pの前後動後の停止形態によって遊技状態を決定する(周囲に報知する)ため、遊技状態の決定(報知)態様が、非常にバラエティーに富んでいる。さらに、パチンコ機1cも、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bと同様に、可変表示器33が、各表示体38a〜38pを別々に発光させるものであるため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、非常にダイナミックに報知することができる。
【0030】
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、遊技領域、可変表示器、大入賞口、変動入賞口、変動入賞ゲート、入賞口、第3種始動口、特定入賞口、電飾ランプ、サイドランプ、前面枠、供給皿、貯留皿、操作ハンドル、図柄表示部、第2表示部等の形状・構造・機能・設置態様(設置位置、設置個数等)等、障害釘の配置、可変表示器の作動内容・作動時期、「大当たり状態」における作動内容等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0031】
たとえば、遊技機は、遊技球が所定の入賞口(普通電動役物や変動入賞口)に入賞した場合に図柄表示部の図柄が変動するものに限定されず、遊技球が所定のゲートを通過した場合に図柄表示部の図柄が変動するもの(たとえば、図8に示された第3種のパチンコ機1dの如く、可変表示器3の下方に、変動入賞ゲート50が設けられており、遊技球が変動入賞ゲート50を通過した場合に、図柄表示部14の図柄が変動するもの)や、図柄表示部の図柄が常時変動しており、遊技球が所定のゲートを通過した場合や所定の入賞口に入賞した場合に、図柄表示部の図柄が停止表示となるもの等でも良い。
【0032】
また、遊技機は、図柄表示部に3つの表示部位が設けられたものに限定されず、2つあるいは4つ以上の表示部位が設けられており、それらの各表示部位に表示された図柄が所定の組合せとなった場合に「大当たり状態」が生起するものや、図柄表示部に表示部位が設けられておらず、所定の1つの図柄が表示された場合等に「大当たり状態」が生起するものでも良い。さらに、図柄表示部に7セグメント方式の表示領域が設けられたものに限定されず、図柄表示部が液晶画面によって形成されており、その図柄表示部に所定の数字や図柄あるいはメッセージ等が表示された場合に「大当たり状態」が生起するものでも良い。
【0033】
さらに、遊技機を上記実施例1や実施例2の如く構成する場合には、必ずしも可変表示器に図柄表示部と第2表示部とを併設する必要はなく、図柄表示部のみを設けることも可能であるし、可変表示器と別個に、図柄表示部や第2表示部を設けることも可能である。加えて、遊技機は、図柄表示部や第2表示部等が設けられておらず、可変表示器に所定の図柄が表示されることによって、「大当たり状態」等の遊技者にとって有利な状態が生起するものでも良い。
【0034】
また、遊技機は、上記実施形態の如く、図柄表示部に「リーチ図柄」が表示された場合に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって「リーチ図柄」を構成する図柄を表示するものや、「大当たり状態」が生起した場合に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって「大当たり図柄」を構成する図柄を表示するものに限定されず、「大当たり」となった場合に、大入賞口の断続的な開成の回数が多い第1の「大当たり状態」と、大入賞口の断続的な開成の回数が少ない第2の「大当たり状態」との何れかを、抽選によって選択的に生起させるとともに、「大当たり状態」が生起した場合に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって、生起した第1の「大当たり状態」あるいは第2の「大当たり状態」における大入賞口の断続的な開成回数を表示するもの、「大当たり図柄」の表示前あるいは表示後に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって図柄を表示するとともに、その表示された図柄の内容に応じて、「大当たり状態」の終了後に、「大当たり」の生起確率を増大させたり、普通図柄や特別図柄の変動時間を通常時よりも短縮したりするもの等でも良い。そのように遊技機を変更した場合でも、遊技機は、趣向性の高いものとなるため、遊技者は、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
【0035】
さらに、遊技機は、「大当たり状態」が生起して大入賞口が断続的に開成する場合に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって、その大入賞口の開成が何回目の開成であるかを表示するもの、「大当たり状態」が終了した時点で、可変表示器が各表示体を前後動させることによって、図4(c)の如き「E」,「n」,「d」等のメッセージを表示するもの等でも良い。そのように遊技機を変更した場合には、遊技機は、非常に遊技内容が分かり易いものとなり、多くの遊技者に受け入れられ易いものとなる。
【0036】
加えて、遊技機は、トラブルが発生した場合に、可変表示器が各表示体を前後動させることによって、図4(d)の如き「E」,「r」,「r」,「o」,「r」の文字等を順々に表示したりして、メッセージを表示するように構成することも可能である。そのように構成した場合には、遊技機は、トラブルの発生等を周囲に迅速に、かつ明確に報知できるものとなる。
【0037】
一方、可変表示器は、ソレノイドの駆動によって各表示体が前後動するものに限定されず、モータ等の他の装置の駆動によって各表示体が前後動するものに変更することも可能である。
【0038】
また、可変表示器の表示体を発光させる手段は、LEDランプに限定されず、蛍光ランプ等の他の手段でも良い。また、異なる色に着色した複数のLEDランプやリレー等の手段を用いて、可変表示器の表示体をバラエティーに富んだ態様で発光させることも可能である。
【0039】
なお、上記実施形態においては、本発明の遊技機を、いわゆる第1種のパチンコ機、第3種のパチンコ機に応用した一例について説明したが、本発明の遊技機は、その他の形式のパチンコ機やテレビゲーム等に応用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載された遊技機は、各表示体を、可変表示器において別々に前後動可能とし、その各表示体の動作後の停止形態によって、可変表示器に、所定の数字あるいは記号等の図柄が識別表示されるようにしているため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」の表示態様がバラエティーに富んでおり、趣向性が高い。したがって、請求項1に記載された遊技機によれば、遊技者はいつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
また、可変表示器が、各表示体の前後動により遊技機にトラブルが発生した旨を報知するため、トラブルの発生等を周囲に迅速に、かつ明確に報知することができる。
【0042】
請求項3に記載された遊技機は、可変表示器が、各表示体を7セグメント方式に配置したものであるため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、きわめて明確にかつ分かり易く報知することができる。
【0043】
請求項4に記載された遊技機は、可変表示器が、各表示体を別々に発光させるものであるため、「大当たり図柄」や「リーチ図柄」等の表示内容を、遊技者および周囲の者に、非常にダイナミックに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面を示す説明図である。
【図2】可変表示器を示す説明図である。
【図3】表示体の設置部位を示す説明図である((a)は、表示体が後退した状態を示したものであり、(b)は、表示体が前進した状態を示したものである)。
【図4】可変表示器による表示態様を示す説明図である。
【図5】パチンコ機の正面を示す本発明に係る。
【図6】パチンコ機の正面を示す本発明に係る。
【図7】可変表示器を示す説明図である。
【図8】パチンコ機の正面を示す説明図である。
【符号の説明】
1a〜1c・・パチンコ機、2・・遊技領域、3・・可変表示器、4・・大入賞口、5・・変動入賞口、6a,6b・・変動入賞ゲート、7a,7b・・入賞口、8a,8b・・電飾ランプ、9a,9b・・サイドランプ、10・・前面枠、11・・供給皿、12・・貯留皿、13・・操作ハンドル、14・・図柄表示部、15・・第2表示部、16・・取付基板、17・・後方基板、18・・本体容器、19a〜19g表示体、20・・アーム、21・・連結部材、22・・設置部材、23・・基台、24・・ソレノイド、25・・プランジャ、26・・バネ部材、27・・挿通孔、28・・固定板、29・・LEDランプ、30・・可動領域、31a〜31d・・連結ピン、32・・図柄表示部、33・・可変表示器、34・・取付基板、35・・本体容器、36,37・・ネジ孔、38a〜38p・・突出部材、39・・変動入賞口、40・・特定入賞口、41・・普通電動役物、42・・第3種始動口、43・・大入賞口、44・・透光窓、45,46・・表示領域、47・・嵌合孔、48・・表示領域、49・・図柄表示装置、50・・変動入賞ゲート。
Claims (4)
- 複数の表示体からなる可変表示器が遊技領域に設置された遊技機であって、
各前記表示体は、前記可変表示器において別々に前後動可能となっており、
その各前記表示体の動作後の停止形態によって、前記可変表示器に、所定の数字あるいは記号等の図柄が識別表示されるとともに、前記可変表示器が、前記表示体の前後動により遊技機にトラブルが発生した旨を報知することを特徴とする遊技機。 - 各表示体の後方に位置した後方基板の裏面に、プランジャを鉛直下向きにした状態でソレノイドを夫々固着し、L型連結部材の一端を前記プランジャに枢着するとともに、前記L型連結部材の他端を前記表示体の裏面に連結されたアームに枢着し、さらに前記L型連結部材の屈曲部分を連結ピンによって回動可能に設置することによって、前記プランジャの上下動に伴い前記表示体を前後動可能とする一方、
前記プランジャに、該プランジャを下方へと付勢するバネ部材を設置し、前記ソレノイドへ通電していない状態にあっては、前記プランジャを下方へと付勢することによって、前記表示体を後退位置に位置させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 可変表示器が、各表示体を7セグメント方式に配置したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
- 可変表示器が、各表示体を別々に発光させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
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