JP3864287B2 - レーザ装置 - Google Patents

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JP3864287B2
JP3864287B2 JP05778396A JP5778396A JP3864287B2 JP 3864287 B2 JP3864287 B2 JP 3864287B2 JP 05778396 A JP05778396 A JP 05778396A JP 5778396 A JP5778396 A JP 5778396A JP 3864287 B2 JP3864287 B2 JP 3864287B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ光を用いて半導体、高分子材料、または無機材料などに対し所定の加工を加える加工装置に対してレーザ光を出力するレーザ装置に関し、特にレーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続発振動作と、このパルス発振を所定時間休止する停止動作を交互に繰り返すバーストモード運転を実行する際に常に均一なパルスエネルギー値を得るための改良およびステップ&スキャン方式による加工を行う際の移動積算露光量を均一にする為の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体露光装置などの紫外線光を用いた微細加工の分野においては、回路パターンの解像度を一定レベル以上に維持するために厳密な露光量制御が必要とされる。ところが、半導体露光装置の光源として使用されるエキシマレーザは、いわゆるパルス放電励起ガスレーザのために1パルス毎のパルスエネルギーにバラツキがあり、露光量制御の精度向上のためにはこのバラツキを小さくする必要がある。
【0003】
そこで、1回のパルス発振で出力される光エネルギー量を低くし、複数の連続するパルスを同一の被加工場所に照射することによって、被照射エネルギー積算値のバラツキを小さくするようにした方法が考えられている。
【0004】
しかし、生産性を考えると光パルス数が多いことは好ましくない。また、半導体露光の分野では、近年、ウエハに塗布する感光剤の感度が向上しており、少ない光パルス数での露光が可能となってきている。このため、パルス数を多くして照射光の総エネルギー量のバラツキを減らす方法は避ければならない状況になっている。
【0005】
ところで、半導体露光装置は、露光とステージ移動とを交互に繰り返す。このため、光源となるエキシマレーザの運転状態は、図16に示すように、必然的に、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続パルス発振運転と、所定時間パルス発振を休止させる運転を繰り返すバーストモードとなる。つまり、バーストモードとは、連続パルス発振期間と発振休止期間とを交互に繰り返すものである。すなわち、半導体ウェハ上に形成された一つのICチップは、図16において、1つの連続パルス発振期間を構成するひとかたまりのパルス群により加工される。なお、図16においては、励起強度(充電電圧)を一定値に固定した場合の各パルスのエネルギー強度を示している。
【0006】
さて、上述したように、エキシマレーザはパルス放電励起ガスレーザであるため、常に一定の大きさのパルスエネルギーで発振を続けることが困難である。この原因としては、放電されることによって放電空間内にレーザガスの密度擾乱が発生し、次回の放電を不均一、不安定にする、この不均一放電等のため放電電極の表面において局所的な温度上昇が発生し、次回の放電を劣化させ放電を不均一で不安定なものにすることなどがある。
【0007】
特に、上記連続パルス発振期間の初期においてその傾向が顕著であり、図16および図17に示すように、発振休止期間経過後の最初の数パルスが含まれるスパイク領域では、最初比較的高いパルスエネルギーが得られ、その後は徐々にパルスエネルギーが低下するという、謂ゆるスパイキング現象が現れる。このスパイク領域が終了すると、パルスエネルギーは比較的高レベルの安定な値が続くプラトー領域を経た後、安定領域に入る。
【0008】
このようにバーストモード運転のエキシマレーザ装置では、前述した1パルス毎のエネルギーのバラツキが露光量制御の精度を低下させるとともに、スパイキング現象がさらにバラツキを著しく大きくし、露光量制御の精度を大きく低下させるという問題がある。
【0009】
しかも近年は、前述したように、ウエハに塗布する感光剤の感度が向上しており、少ない連続パルス数での露光が可能となっており、パルス数減少の傾向にある。
【0010】
しかし、パルス数が少なくなると、それに応じてパルスエネルギーのバラツキが大きくなってしまい、前述した複数パルス露光制御のみによっては露光量制御の精度の維持が困難になる。
【0011】
そこで、本出願人は、励起強度(充電電圧)が大きなるにつれて発振されるパルスのエネルギーが大きくなるという性質を利用して、バーストモードにおける連続パルス発振の最初のパルスの放電電圧(充電電圧)を小さくし、以後パルスの放電電圧(充電電圧)を徐々に大きくしていくという具合に、放電電圧(充電電圧)を各パルスごとに変化させてスパイキング現象による初期のエネルギー上昇を防止する、謂ゆるスパイキング発生防止制御に関する発明を種々特許出願している(特願平4−191056号、特開平7−106678号公報(特願平5−249483号)など)。
【0012】
すなわち、上記の従来技術によれば、発振休止時間t(図16参照)、パワーロック電圧(レーザガスの劣化に応じて決定される電源電圧)などの各種パラメータを考慮して連続パルス発振の各パルスのエネルギーを所望の目標値にする電源電圧データを、連続パルス発振の各パルス毎に予め記憶するとともに、前回までに既に行われた連続パルス発振時のパルスエネルギーを検出し、この検出値とパルスエネルギー目標値とを比較し、この比較結果に基づいて前記予記憶された各パルスに対応する電源電圧データを補正するようにしている。この補正をスパイクキラー制御という。
【0013】
しかしながら、上記の従来技術によれば、図17に示すスパイク領域に加えてプラトー領域及び安定領域においてもスパイクキラー制御を行っているので、スパイク領域以外の領域でパルスエネルギーのばらつきの抑制効果が十分ではない。また、他に、スパイク領域とプラトー領域でのみスパイクキラー制御を行った場合でも、パルスエネルギーの抑制効果は十分ではない。
【0014】
これは、連続パルスの初期のパルスでは、レーザ発振休止の影響(レーザが安定化する)が強く残って、同じ電源電圧を印加してもその出力パワーは他の領域に比べ大きくなるが、これ以降のプラトー領域や安定領域ではレーザ発振休止の影響が少なくなり、その反面直前までのパルス発振の影響(電極温度の上昇、レーザガスの乱れなど)をより強く受けることによると考えられる。
【0015】
また、上記従来技術では、連続パルス発振の全てのパルスに関して、スパイクキラー制御を実行するために、そのための記憶データ量が多くなり、多大なメモリ容量を必要とするとともに、メモリからのデータ読み出しに時間がかかる等の問題もある。
【0016】
ところで、さらにメモリの大容量化が進むと、半導体の露光装置の露光方式は、ステージを停止させて露光を行うステッパ方式からステージを移動させながら露光を行うステップ&スキャン方式に移行する。このステップ&スキャン方式の利点は、大面積を露光できる点にある。例えば、フィールドサイズ36mmφのレンズを使用した場合、ステッパ方式では、その露光面積は25mm角になるのに対し、ステップ&スキャン方式では、30×40mmといった大面積の露光が可能になる。今後、集積度が増すに従ってチップサイズは大きくなる傾向にあり、ステップ&スキャン方式での高精度の露光が望まれている。
【0017】
すなわち、このステップ&スキャン方式では、加工物上の全ての点にそれぞれ予め設定された所定個数N0のパルスレーザが入射されるよう1個のパルスレーザが入射される度に加工物上でのパルスレーザ光の照射領域を所定のピッチずつずらせながら加工を行うのであるが、このステップ&スキャン方式ではパルスレーザ光は常にスキャンされるので、加工物上の各点における露光量を全て同じにするための制御が困難であり、そのための有効な制御方法が望まれていた。
【0018】
この発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、連続パルス発振の全パルスにおいてパルスエネルギーを常に均一にして、光加工の精度をよりいっそう向上させるようにしたレーザ装置を提供することを目的とする。
【0019】
またこの発明では、ステップ&スキャン方式による加工を行う場合、加工物各点の露光量を均一にできるレーザ装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
そこでこの発明では、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続発振動作と、このパルス発振を所定時間休止する停止動作を交互に実行する運転を1バーストサイクルとするバーストモード運転を繰り返し行ない、前記パルス発振の各出力エネルギーが所定の大きさとなるようにレーザの励起強度を制御するレーザ装置において、前記連続発振動作を行ったときの最初の所定個数の各パルスに関して、各パルス発振の際の電源電圧を、発振停止時間、1バーストサイクル内でのパルスの順番、出力されたパルスエネルギーのモニタ値に対応づけて記憶するとともに、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、各パルス発振の際の励起強度を出力されたパルスエネルギーのモニタ値に対応づけて記憶する記憶手段と、前記連続パルス発振を行う際、前記最初の所定個数の各パルスに関しては、前記記憶手段に記憶した過去のパルス発振のデータのうち、発振停止時間、および1バーストサイクル内でのパルスの順番が同じで、かつ今回のパルス発振の目標パルスエネルギーに近い出力パルスエネルギーのモニタ値とそのときのパルスの励起強度を少なくとも1組読み出し、この読み出した値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度を演算し、該演算した励起強度値に基づいてパルス発振を行う第1の電源電圧制御手段と、前記連続パルス発振を行う際、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、前記記憶手段から今回のバースト周期内で既に出力されたパルスのパルスエネルギーモニタ値およびそのときの励起強度値を読み出し、これらの値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度値を演算し、この励起強度に基づいてパルス発振を行う第2の電源電圧制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
かかる発明によれば、最初の所定個数のパルスが含まれるスパイク領域では、記憶した過去のパルス発振のデータのうち、発振停止時間、および1バーストサイクル内でのパルスの順番が同じで、かつ今回のパルス発振の目標パルスエネルギーに近い出力パルスエネルギーのモニタ値とそのときのパルスの励起強度を少なくとも1組読み出し、この読み出した値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度を演算し、該演算した励起強度値に基づいてパルス発振を行う、一種のスパイクキラー制御を実行し、前記スパイク領域以降の領域では、今回のバースト周期内で既に出力されたパルスのパルスエネルギーモニタ値およびそのときの励起強度値を読み出し、これらの値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度値を演算し、この励起強度に基づいてパルス発振を行うという電源電圧制御を行うようにしている。
【0022】
すなわち、スパイク領域では、レーザ発振休止の影響が強く残っているので、スパイクキラー制御を実行し、それ以降の領域では直前までのパルスの影響を強く受けるので、直前のパルス発振状況(印加電源電圧に対応する出力パワー)に応じた電源電圧制御(バースト内パルスエネルギー制御)を実行する。
【0023】
またこの発明では、加工物上の全ての点にそれぞれ予め設定された所定個数N0のパルスレーザが入射されるよう1個のパルスレーザが入射される度に加工物上でのパルスレーザ光の照射領域を所定のピッチずつずらせながら加工を行う加工装置に対しパルスレーザ光を前記加工物の加工に要する所定個数Nt(N0<Nt)だけ連続的に出力するレーザ装置において、前記各パルスレーザ光の発振の度に、出力されたパルスレーザ光のエネルギーPk(k=1,2,…,Nt)を検出するパルスエネルギー検出手段と、設定された各パルスレーザの目標値をPdとし、前記連続的に出力されるパルスレーザ光の順番をiとした場合、前記各パルスレーザ光の発振の度に、下式
i=1の場合
Pt=Pd
i≦N0の場合、
Figure 0003864287
i>N0の場合、
Figure 0003864287
に従って前記各パルスレーザ光を発振する際の目標エネルギーPtを演算し、該演算した目標エネルギーPtを前記設定された目標値Pdに変えて出力する目標パルスエネルギー補正手段とを備えるようにしている。
【0024】
係る発明によれば、ステップ&スキャン方式において、加工物各点における、各時点における露光量の理想値から、直前までのパルスレーザ光による実際の露光量を減算し、この減算結果を今回レーザパルス発振の際のパルスエネルギーの目標値とするようにしている。
【0025】
更にこの発明では、パルスレーザ光の照射領域を固定した状態で加工物上に予め設定した所定個数N0のパルスレーザを照射することによって所要の加工を行う加工装置に対しパルスレーザ光を連続的に出力するレーザ装置において、
前記各パルスレーザ光の発振の度に、出力されたパルスレーザ光のエネルギーPk(k=1,2,…,No)を検出するパルスエネルギー検出手段と、
設定された各パルスレーザの目標値をPdとし、前記連続的に出力されるパルスレーザ光の順番をiとした場合、前記各パルスレーザ光の発振の度に、下式に従って前記各パルスレーザ光を発振する際の目標エネルギーPtを演算し、該演算した目標エネルギーPtを前記設定された目標値Pdに変えて出力する目標パルスエネルギー補正手段と、
i=1の場合
Pt=Pd
i>1の場合、
Figure 0003864287
を備えるようにしたことを特徴とする。
【0026】
係る発明によれば、ステッパ方式において、各時点における露光量の理想値から、直前までのパルスレーザ光による実際の露光量を減算し、この減算結果を今回レーザパルス発振の際のパルスエネルギーの目標値とするようにしている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例を添付図面に従って詳細に説明する。
【0028】
図2は、この発明にかかるレーザ装置を半導体の回路パターンの縮小投影露光処理を行うステッパの光源として適用した場合の構成を示している。すなわち、1がレーザ装置として狭帯域化エキシマレーザであり、20が縮小投影露光装置としてのステッパである。
【0029】
エキシマレーザ1のレーザチャンバ2は、図示しない放電電極等を有し、レーザチャンバ2内に充填されたKr、F2,Ne等からなるレーザガスを放電電極間の放電によって励起させてレーザ発振を行う。発光した光は再びレーザチャンバ2に戻って増幅され、狭帯域化ユニット3によって狭帯域化されて、フロントミラー4を介して発振レーザ光Lとして出力される。そして、一部の光は再びレーザチャンバ2に戻りレーザ発振が起こる。なお、レーザ光Lは、先の図16に示したように、所定の周期で所定回数連続してパルス発振させる連続発振運転と、連続発振運転後に前記連続パルス発振を所定時間停止させる停止運転とを交互に繰り返すバーストモード運転により、断続的に出力される。
【0030】
レーザ電源回路5は、レーザコントローラ6から加えられた電圧データに応じて前記放電電極間に電位差Vを与えて放電を行う。なお、レーザ電源回路5においては、図示しない充電回路により電荷を一旦充電した後、たとえばサイラトロン等のスイッチ素子の動作により放電を行う。
【0031】
フロントミラー4、レーザチャンバ2および狭帯域化ユニット3で構成される共振器から発振されたレーザ光Lは、ビームスプリッタ7によってその一部がサンプリングされ、レンズ7aを介して光モニタモジュール8に入射される。またその残りのレーザ光Lはスリット9を介して露光装置20へ出射される。
【0032】
光モニタモジュール8では、パルス発振が行われる度に、出力レーザ光Lの1パルス当たりのエネルギーPi(i=1,2,3,…)を検出する。この検出パルスエネルギー値Piはレーザコントローラ6に送られ、第j番目のパルス群の i番目のパルスエネルギーPj,i としてテーブルに記憶される。なお、光モニタモジュール8では、レーザ光Lのスペクトル線幅、波長等を検出し、これらのデータもレーザコントローラ6に入力する。
【0033】
レーザコントローラ6には露光装置20から以下の信号が入力されており、
・バースト信号BS(図3参照)
・レーザ発振同期信号(外部トリガ)TR(図3参照)
・目標パルスエネルギー値Pd
レーザ発振同期信号TRは、レーザ装置1での連続パルス発振の際の各パルスのトリガ信号として機能する。バ ースト信号BSは、その立上がりでレーザ装置1での連続発振運転を開始させ(バーストオン)、その立下がりでレーザ装置1での連続発振運転を停止させる(バーストオフ)よう機能させるものであり、そのバーストオン時点から所定時間t1後に1発目のレーザ発振同期信号TRが発生され、かつ最後のレーザ発振同期信号TRが発生されてから所定時間t2後にバーストオフされるように設定されている。
【0034】
レーザコントローラ6では、これら入力信号に基づいて、連続パルス発振の際、最初の所定個数のパルスが含まれるスパイク領域では、スパイク制御を実行し、それ以降のプラトー領域および安定領域ではバースト内パルスエネルギー制御を実行する。その詳細は、後述する。
【0035】
露光装置20には、スリット10を介して入射されたレーザ光Lの一部をサンプリングするビームスプリッタ11が設けられ、そのサンプリング光はレンズ11aを介して光モニタモジュール12へ入射される。光モニタモジュール12では、入射されたレーザ光Lの1パルス当たりのエネルギーPi´を検出し、この検出エネルギー値Pi´は露光装置コントローラ13に入力する。なお、ビームスプリッタ11を通過したレーザ光は、縮小露光処理に用いられる。
【0036】
露光装置コントローラ13では、縮小露光処理およびウエハが載置されたステージの移動制御の他に、レーザ発振同期信号TR、バースト信号BSおよび目標パルスエネルギー値Pdをレーザ装置1へ送信するなどの動作を実行する。
【0037】
次に、図1のフローチャートに従ってバーストモード運転時におけるレーザコントローラ6の動作を説明する。
【0038】
まず、レーザコントローラ6は、スパイク制御を行うべき初期スパイク領域のパルス数isを設定する(ステップ100)。すなわち、例えば、連続パルス発振パルスエネルギー特性は図17に示したような特性を示すため、図17のスパイク領域中に含まれるパルス数をisとして設定する。
【0039】
次に、レーザコントローラ6は第1回目の連続パルス発振の際の上記設定した最初のis個のパルス発振の際に与えるべき、(励起強度パターン)充電電圧パターン(初期スパイク制御パターン)を設定する(ステップ110)。
【0040】
次に、レーザコントローラ6は、露光装置コントローラ13から与えられた目標パルスエネルギーPdを読み込み(ステップ120)、次に、発振停止時間(トリガ信号TRの受信間隔)tの計時を開始する(ステップ130)。
【0041】
次に、レーザコントローラ6は、露光装置コントローラ13から外部トリガTRが入力されると、この入力された外部トリガTRが第1発目の外部トリガであるか否かを判定する(ステップ140)。すなわち、レーザコントローラ6では、内部の図示せぬタイマ手段がトリガ信号TRの受信間隔Ttrを計時しているので、この経時時間Ttrを所定の設定値tsと比較することにより、現時点が連続発振の途中か、連続発振と次の連続発振の間の休止時間であるかを判定することができる。
【0042】
すなわち、
Ttr<ts ならば、連続パルス発振の途中
ts ≦Ttrならば、連続発振と次の連続発振の間の休止時間)
というように判断する。
【0043】
なお、この場合には、露光装置コントローラ13からバースト信号BSが入力されるので、バースト信号BSのオンを検出することにより、連続パルス発振の開始を判定するようにしてもよい。
【0044】
レーザコントローラ6は、今回入力されたトリガ信号TRが第1発目のパルスであると判定すると、i=1にした後(ステップ150)、このiを先に設定した初期スパイク領域のパルス数isと比較することにより、現時点がスパイク領域か否かを判定する。スパイク領域の場合、レーザコントローラ6は、ステップ180のスパイク制御サブルーチンを実行する。
【0045】
図4はスパイク制御サブルーチンの制御手順を示すもので、まずデータ読み込みサブルーチンを実行する(ステップ300)。このデータ読み込みサブルーチン300では、発振停止時間t、バーストパルスの順番i、目標パルスエネルギーPtを読み込み、これらt,i、Ptをパラメータとして過去の(以前のバースト周期の)パルスエネルギーPと充電電圧(励起強度)Vに関するデータを読みだす。
【0046】
具体的には、例えば図5(a)に示すように、発振停止時間t、バーストパルスの順番i、目標パルスエネルギーPtを読み込み(ステップ400)、過去のデータの中からバーストパルスの順番iが同じで、発振停止時間tが同じまたは最も近いデータを抽出し、これら抽出したデータの中から目標エネルギーPtに最も近いパルスエネルギーPを持つ2つのパルスエネルギーデータおよび充電電圧データ(P1,V1)および(P2,V2)を読みだす(ステップ410)。
【0047】
次に、レーザコントローラ6は、図4において、充電電圧演算サブルーチンを実行する(ステップ310)。この充電電圧演算サブルーチンにおいては、上記読み出した2つの過去のパルスエネルギーデータおよび充電電圧データ(P1,V1)および(P2,V2)を用いて、パルスエネルギーを目標値Ptにするための充電電圧値Vを演算する。
【0048】
具体的には、例えば、図5(b)に示すように、前記2つの過去のデータ(P1,V1)および(P2,V2)を用いて下式に示すような直線補間演算を用いて目標値Ptを実現するための充電電圧Vを演算する(ステップ420)。
【0049】
(P2−P1)/(V2−V1)=(Pt−P1)/(V−V1)
V=V1+(V2−V1)(Pt−P1)/(P2−P1)
次に、図4において、レーザコントローラ6は、上記計算した励起強度値(充電電圧値)Vを電源装置5に出力して(ステップ320)、この励起強度値(充電電圧値)Vによるレーザ発振を実行する(ステップ330)。
【0050】
以上のようなスパイク制御サブルーチンが終了すると、レーザコントローラ6は、光モニタモジュール8から今回のパルスエネルギー値Piを取り込み、このパルスエネルギー値Piを今回の発振停止時間t、バーストパルスの順番i、実際に印加された充電電圧値Vと共に、所定のメモリテーブルに記憶する(図1ステップ200)。以下同様に、ステップ120からステップ200までの手順をi=isになるまで、即ちスパイク領域が終了するまで繰り返し実行する。
【0051】
次に、図6(a)は図4に示したデータ読み込みサブルーチンの他の例を示すもので、また、図6(b)は図4に示した充電電圧演算サブルーチンの他の例を示すものである。
【0052】
図6(a)においては、発振停止時間t、バーストパルスの順番i、目標パルスエネルギーPtを読み込みんだ後(ステップ500)、過去のデータの中からバーストパルスの順番iが同じで、発振停止時間tが同じまたは最も近いデータの抽出し、これら抽出したデータの中から目標エネルギーPtに最も近いパルスエネルギーPを持つ1つのパルスエネルギーデータおよび充電電圧データ(P1,V1)を読みだすようにしている(ステップ510)。
【0053】
また、かかるデータ読み込みサブルーチンを実行した場合は、充電電圧演算サブルーチンにおいては、図6(b)に示すように、前記読み出した過去の1つのデータ(P1,V1)のパルスエネルギー値P1を目標エネルギー値Ptと比較し(ステップ520)、P1=Ptである場合は、充電電圧値V=V1とし(ステップ530)、Pt>P1である場合は、V=V1+ΔV(ΔV:所定の設定値)とし、Pt<P1である場合は、V=V1−ΔVとする。
【0054】
このようにしてスパイク制御が終了すると、レーザコントローラ6は、図1に示すように、i>isであるプラトー領域および安定領域において、各パルスの直前のパルス発振の励起強度(充電電圧)とそのパルスエネルギー値との関係から次のパルスエネルギー値を所望の値とする為に必要な励起強度(充電電圧)を求め、該求めた励起強度によるパルス発振を行わせる、バースト内パルスエネルギー制御サブルーチンを実行する(ステップ190)。
【0055】
このバースト内パルスエネルギー制御サブルーチンにおいては、図7に示すように、まずデータ読みだしサブルーチンを実行する(ステップ600)。すなわちデータ読みだしサブルーチンにおいては、今回のバースト周期内の既に出力されたパルスのパルスエネルギー値Piとそのときの励起強度(充電電圧)Vを読み出すよう動作する。
【0056】
その具体例を図8(a)〜(c)に示す。
【0057】
図8(a)においては、今回のバースト周期内の直前のパルスのパルスエネルギー値Piと、そのときの充電電圧Vを読み出すようにしている(ステップ640)。
【0058】
図8(b)においては、今回のバースト周期内のN(例えばN=2、N=3など)個前のパルスのパルスエネルギー値Piと、そのときの充電電圧Vを読み出すようにしている(ステップ650)。
【0059】
図8(c)においては、今回のバースト周期内のn個のパルスのパルスエネルギーP1〜Pnとそれらに対応する充電電圧V1〜Vnを読み出し、それらの平均値を参照するパルスエネルギー値Pおよび充電電圧Vにしている(ステップ660,670)。
【0060】
なお、図8(c)に示したn個のパルスとして、当該パルスの直前のパルスから逆上ったn個のパルスを使用するようにしても良い。
【0061】
以上のようなデータ読み出しサブルーチンが終了すると、レーザコントローラ6は、図7に示すように、充電電圧演算サブルーチンを実行する(ステップ610)。
【0062】
この充電電圧演算サブルーチンは、上記読み出したパルスエネルギー値Pと充電電圧Vを用いてパルスエネルギーを目標値Ptとするための充電電圧値Vを演算するためのもので、その具体例を図9に示す。
【0063】
すなわち、図9においては、まず、前記読み出したデータ(P1,V1)のパルスエネルギー値P1を目標エネルギー値Ptと比較し(ステップ700)、P1=Ptである場合は、充電電圧値V=V1とし(ステップ710)、Pt>P1
である場合は、V=V1+ΔV(ΔV:所定の設定値)とし、Pt<P1である場合は、V=V1−ΔVとするようにしている。
【0064】
以上のようなバースト内パルスエネルギー制御サブルーチンが終了すると、レーザコントローラ6は今回印加した充電電圧Viと、そのレーザ出力のモニタ値Piを所定のメモリテーブルに記憶する(図1ステップ210)。レーザコントローラ6においては、このような処理を今回のバースト周期の連続パルス発振が終了するまで、繰り返し実行する。
【0065】
このように、図1に示した実施例は、ステッパ用エキシマレーザ装置に適用されるものであり、最初の数パルスに対応するスパイク領域でのみスパイク制御を実行し、それ以降のプラトー領域及び安定領域では直前のパルス発振状況(印加電源電圧に対応する出力パワー)に応じた電源電圧制御(バースト内パルスエネルギー制御サブルーチン)を行うようにしている。
【0066】
図10はバースト発振初期において、目標パルスエネルギーPdをP1,P2,P3(P1<P2<P3)の3つの異なる値に変化させ、発振停止時間tをta,tb(ta<tb)の2つの異なる値に変化させた場合の、計6つの異なる条件下における実験結果を示すもので、図10(a)には各パルスエネルギーのモニタ値を発振順番i毎に示し、図10(b)には各発振順番i毎の各充電電圧値Viを示している。
【0067】
この場合、図10(b)に示すような充電電圧を与えるようにすれば、図10(a)に示すように、スパイキング現象が吸収されて各パルスエネルギーを目標値(P1,P2,P3)にほぼ一致させることができることが判る。また、この際、図10(b)から判るように、7発目のパルスまではスパイキング現象を消すために充電電圧値Viが大きく増加しているが、7発目のパルス以降は充電電圧値がほぼ一定値となっている。また、発振休止時間tが長くなると、スパイキング現象が顕著に現れるので、発振休止時間tが長くなると連続パルスの初期パルスに対応する充電電圧をより低くしなくてはならないことも判る。さらに、目標パルスエネルギーPdが大きくなればなるほで、充電電圧を大きくしなければならないことも判る。
【0068】
したがって、図1に示した実施例においては、最初の数発のパルスに対応するスパイク領域でのみ、目標パルスエネルギーPd、発振休止時間t、発振順番iをパラメータとした励起強度制御(充電電圧制御)を行い、それ以降のプラトー領域及び安定領域では、今回のバースト周期内の既に発振されたパルスのエネルギー値を参照した励起強度制御(充電電圧制御)を行うようにしている。すなわち、連続パルス発振の初期のパルスでは、レーザ発振休止の影響が強く残っているので、スパイクキラー制御を実行するが、それ以降のパルスにおいては、レーザ発振休止よりも直前までのパルス発振の影響をより強く受けるために、直前のパルス発振状況(印加電源電圧に対応する出力パワー)に応じた電源電圧制御を行うようにしているのである。
【0069】
図11は、上記図1の実施例による充電電圧制御の実験結果を示すもので、図11(b)のような充電電圧を与えることにより、全てのパルスエネルギー値を図11(a)に示すようにほぼ均一にすることが可能になった。
【0070】
次に、図12〜図15を参照してステップ&スキャン方式を用いて半導体露光処理を行う際の励起強度制御(充電電圧制御)について説明する。
【0071】
すなわち、図15に示すように、半導体ウェハ30上には、複数のICチップ31が並設されているが、ステップ&スキャン方式では、レーザ光またはウェハ30を移動させながら露光処理を行う。このため、ステップ&スキャン方式では、1つのICチップに対しては、レーザ光を固定して露光処理を行うステッパに比べて、その露光範囲を大きくとることができ、大面積のICチップの露光処理を可能にする。
【0072】
ここで、通常のステップ&スキャン方式では、図14に示すように、各パルスレーザ光の照射面積(P1、P2、P3、…で示されたエリア)はICチップ31の面積よりも小さく、これらのパルスレーザ光が順次所定のピッチΔPでスキャンされることでICチップ31の全面の露光が行われる。
【0073】
ここで、ステップ&スキャン方式においては、加工物上の全ての点にそれぞれ予め設定された所定個数N0のパルスレーザが入射されるように、その走査ピッチΔPやパルスレーザ光の照射面積が設定されており、これにより各パルスのパルスエネルギーが全て目標値Pdと同じであるならば、加工物上の各点は、N0回のパルスレーザ光の照射によって、所望の露光量(Pd×N0)を得ることができる。
【0074】
しかし、実際には、各パルスのエネルギーはばらついているので、その現象に対処する必要があり、この実施例では、図12及び図13に示すフローチャートに示す制御手順によってその問題を解決している。
【0075】
例えば、図14においては、N0=4であり、A点は、4つのパルスレーザ光P1、P2、P3およびP4の積算エネルギーによって露光され、またB点は4つのパルスレーザ光P2、P3、P4およびP5の積算エネルギーによって露光されるようになっている。以下の、C点、…も同様に4つのパルスレーザ光の積算エネルギーによって露光される。
【0076】
したがって、ステップ&スキャン方式においては、各点の移動積算露光量(例えばA点の移動積算露光量はP1+P2+P3+P4)が等しくなるように、各パルスエネルギー値を制御する必要があり、そのための制御が図12のフローチャートのステップ870の目標パルスエネルギー補正サブルーチンに示されている。
【0077】
以下、図12及び図13に示す制御手順を説明する。
【0078】
まずレーザコントローラ6は、スパイク制御を行うべき初期スパイク領域のパルス数isを設定する(ステップ800)。
【0079】
次に、レーザコントローラ6は第1回目の連続パルス発振の際の上記設定した最初のis個のパルス発振の際に与えるべき、充電電圧パターン(初期スパイク制御パターン)を設定する(ステップ810)。
【0080】
次に、レーザコントローラ6は、露光装置コントローラ13から与えられた目標パルスエネルギーPdと移動積算パルス数の目標値N0を読み込み(ステップ820)、次に、発振停止時間(トリガ信号TRの受信間隔)tの計時を開始する(ステップ830)。
【0081】
次に、露光装置コントローラ13から外部トリガTRが入力されると、レーザコントローラ6はこの入力された外部トリガTRが第1発目の外部トリガであるか否かを判定する(ステップ840)。
【0082】
そして、レーザコントローラ6は、今回入力されたトリガ信号TRが第1発目のパルスであると判定すると、i=1にした後(ステップ850)、目標パルスエネルギーの補正サブルーチン(ステップ870)を実行する。
【0083】
この目標パルスエネルギー補正サブルーチンにおいては、図13に示すような手順が実行される。
【0084】
すなわち、現在のi値(このiは1つの連続パルス発振におけるパルス発振開始後のトータル発振数をカウントする値)を移動積算パルス数の目標値N0と比較し(ステップ940)、i=1である場合は、補正後の目標パルスエネルギーPtを先に設定された目標パルスエネルギーPdとして出力し(ステップ950)、i≦N0である場合は、補正後の目標パルスエネルギーPtを下式(1)に従って演算し(ステップ960)、
Figure 0003864287
Figure 0003864287
また、i>N0である場合は、補正後の目標パルスエネルギーPtを下式(2)
Figure 0003864287
Figure 0003864287
に従って演算する(ステップ970)。
【0085】
なお、上式において、Pkは、各パルス発振の際に実際にモニタされたパルスエネルギー値である。
【0086】
すなわち、上式(1)においては、i発目までのレーザ発振を行ったときの露光量の目標値(理想値)Pd×iから、(i−1)発目までのレーザ発振による実際の露光量P1+P2+…Pi-1を減算し、この減算結果をi発目のレーザ発振を行う際の目標値Ptとして演算するようにしており、このような補正演算がi≦N0である間実行される。この(1)式は、図14のA点用の補正演算式である。
【0087】
また、上式(2)の手順は、i>N0となった場合における目標エネルギーの補正演算式であり、図14においては、B点以降(B点及びB点より右側の領域の点)用の補正演算式となる。
【0088】
以上のような目標パルスエネルギー補正サブルーチンが終了すると、iを先に設定した初期スパイク領域のパルス数isと比較することにより、現時点がスパイク領域か否かを判定する(ステップ880)。スパイク領域と判定された場合は、レーザコントローラ6は、ステップ890のスパイク制御サブルーチンを実行する。
【0089】
このスパイク制御サブルーチンでは、先の図4〜図6に示したものと同様に動作し、例えば過去のデータの中からバーストパルスの順番iが同じで、発振停止時間tが同じまたは最も近いデータの抽出し、これら抽出したデータの中から目標エネルギーPtに最も近いパルスエネルギーPを持つパルスエネルギーデータおよび充電電圧データを読みだし、該読み出したパルスエネルギーデータおよび充電電圧データを用いて、パルスエネルギーを補正した目標値Ptにするための充電電圧値Vを演算し、該演算した充電電圧値によるレーザ発振を実行する。
【0090】
以上のようなスパイク制御サブルーチンが終了すると、レーザコントローラ6は、光モニタモジュール8から今回のパルスエネルギー値Piを取り込み、このパルスエネルギー値Piを今回の発振停止時間t、バーストパルスの順番i、実際に印加された充電電圧値Vと共に、所定のメモリテーブルに記憶する(ステップ900)。以下同様に、ステップ820からステップ900までの手順をi=isになるまで、即ちスパイク領域が終了するまで繰り返し実行する。
【0091】
このようにしてスパイク制御が終了すると、レーザコントローラ6は、i>isであるプラトー領域および安定領域において、バースト内パルスエネルギー制御サブルーチンを実行する(ステップ190)。このバースト内パルスエネルギー制御サブルーチンにおいては、先の図7〜図9に示したものと同様に動作し、今回のバースト周期内の既に出力されたパルスのパルスエネルギー値Piとそのときの充電電圧Vを読み出し、該読み出したパルスエネルギー値Pと充電電圧Vを用いてパルスエネルギーを目標値Ptとするための充電電圧値Vを演算し、該演算した充電電圧値によるレーザ発振を実行する。
【0092】
以上のようなバースト内パルスエネルギー制御サブルーチンが終了すると、レーザコントローラ6は今回印加した充電電圧Viと、そのレーザ出力のモニタ値Piを所定のメモリテーブルに記憶する(ステップ920)。
【0093】
レーザコントローラ6においては、このような処理を今回のバースト周期の連続パルス発振が終了するまで、繰り返し実行する。
【0094】
なお、本発明のレーザ装置を露光装置の光源として用いる場合に、図12および図13の制御手順は、露光装置がステップ&スキャン方式の場合のみでなく、ステッパの場合でも適用することができる。
【0095】
すなわち、ステッパ方式において、1つのICチップに照射する光パルスの数をN0とし、各パルスレーザ光の目標値をPdとし、各パルス発振の際に実際にモニタされたパルスエネルギー値をPk(1≦k≦N0)とし、連続的に出力されるパルスレーザ光の順番をiとした場合、下式に従って前記各パルスレーザ光を発振する際の目標エネルギーPtを演算し、該演算した目標エネルギーPtを設定された目標値Pdに変えて出力するようにすればよい。
【0096】
i=1の場合
Pt=Pd
i>1の場合、
Figure 0003864287
係る実施例によれば、ステッパ方式において、各時点における露光量の理想値から、直前までのパルスレーザ光による実際の露光量を減算し、この減算結果を今回レーザパルス発振の際のパルスエネルギーの目標値とするようにしているので、各パルス発振の際のパルスエネルギーの目標値が各パルスエネルギーを均一にするためにより実質的に理想に近いものに置換され、各パルスエネルギーの均一化を図ることができる。勿論、かかる目標パルスエネルギーの補正演算を図1に示した制御手順に加えることによって、スパイク制御とバースト内パルスエネルギー制御とともに、目標パルスエネルギーの補正演算を行うようにしてもよい。こうすることによって、ステッパ方式において、より各パルスエネルギーの均一化を図ることができるようになる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、スパイク領域ではスパイクキラー制御を実行し、それ以降の領域では直前のパルス発振状況に応じた電源電圧制御を実行するようにしているので、連続パルス発振の全パルスにおいて充分なパルスエネルギーのばらつき抑制効果を得ることができ、高精度の光加工を実現することができる。さらに、この発明では、スパイク領域でのみスパイクキラー制御を実行するようにしているので、記憶するデータ数が減り、メモリ容量を削減できると共に、メモリからのより高速のデータ読み出しが可能になる。
【0098】
またこの発明では、加工物上の全ての点にそれぞれ予め設定された所定個数のパルスレーザが入射されるよう1個のパルスレーザが入射される度に加工物上でのパルスレーザ光の照射領域を所定のピッチずつずらせながら加工を行う加工装置に対しパルスレーザ光を連続的に出力するレーザ装置において、加工物各点における、各時点における露光量の理想値から、直前までのパルスレーザ光による実際の露光量を減算し、この減算結果を各レーザパルス発振の際のパルスエネルギーの目標値とするようにしているので、加工物各点における露光量を均一にすることができ、ステップ&スキャン方式の光加工装置において高精度の光加工を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の制御手順を示すフローチャート。。
【図2】この発明の実施例構成を示すブロック図。
【図3】バースト信号、レーザ発振同期信号のタイムチャート。。
【図4】図1のスパイク制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図5】図4のスパイク制御サブルーチン内のデータ読み込みサブルーチンおよび充電電圧演算サブルーチンを示す図。
【図6】図4スパイク制御サブルーチン内のデータ読み込みサブルーチンおよび充電電圧演算サブルーチンの他の例を示す図。
【図7】図1のバースト内パルスエネルギー制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図8】図7のバースト内パルスエネルギー制御サブルーチン内のデータ読み出しサブルーチンを示すフローチャート。
【図9】図7のバースト内パルスエネルギー制御サブルーチン内の充電電圧演算サブルーチンを示すフローチャート。。
【図10】バースト発振初期において、目標パルスエネルギーをの3つの異なる値に変化させ、発振停止時間を2つの異なる値に変化させた場合のパルスエネルギー及び充電電圧に関する実験結果を示す図。
【図11】図1の実施例による充電電圧制御の実験結果を示す図。
【図12】この発明の他の実施の制御手順を示すフローチャート。
【図13】図12のフローチャート内の目標パルスエネルギー補正サブルーチンを示すフローチャート。
【図14】ステップ&スキャン方式によるICチップに対するパルスレーザ光の照射態様を示す図。
【図15】ウェハ上のICチップを示す平面図。
【図16】充電電圧を一定にした場合のバースト運転におけるパルスエネルギー波形を示す図。
【図17】図16のにおけるパルスエネルギー波形の1つの連続パルス発振のパルスエネルギー波形を示す拡大図。
【符号の説明】
1…レーザ装置
3…狭帯域化ユニット
6…レーザコントローラ
20…露光装置

Claims (5)

  1. レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続発振動作と、このパルス発振を所定時間休止する停止動作を交互に実行する運転を1バーストサイクルとするバーストモード運転を繰り返し行ない、前記パルス発振の各出力エネルギーが所定の大きさとなるようにレーザの励起強度を制御するレーザ装置において、
    前記連続発振動作を行ったときの最初の所定個数の各パルスに関して、各パルス発振の際の電源電圧を、発振停止時間、1バーストサイクル内でのパルスの順番、出力されたパルスエネルギーのモニタ値に対応づけて記憶するとともに、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、各パルス発振の際の励起強度を出力されたパルスエネルギーのモニタ値に対応づけて記憶する記憶手段と、
    前記連続パルス発振を行う際、前記最初の所定個数の各パルスに関しては、前記記憶手段に記憶した過去のパルス発振のデータのうち、発振停止時間、および1バーストサイクル内でのパルスの順番が同じで、かつ今回のパルス発振の目標パルスエネルギーに近い出力パルスエネルギーのモニタ値とそのときのパルスの励起強度を少なくとも1組読み出し、この読み出した値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度を演算し、該演算した励起強度値に基づいてパルス発振を行う第1の電源電圧制御手段と、
    前記連続パルス発振を行う際、前記最初の所定個数のパルス以降に発生される各パルスに関しては、前記記憶手段から今回のバースト周期内で既に出力されたパルスのパルスエネルギーモニタ値およびそのときの励起強度値を読み出し、これらの値に基づいて今回のパルス発振の際の励起強度値を演算し、この励起強度に基づいてパルス発振を行う第2の電源電圧制御手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記第1の電源電圧制御手段は、今回のパルス発振の目標パルスエネルギーに最も近い出力パルスエネルギーのモニタ値とそのときの励起強度を2組読み出し、これら2組の励起強度値を用いて補間演算により今回のパルス発振の際の励起強度値を演算することを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 前記第1の電源電圧制御手段は、今回のパルス発振の目標パルスエネルギーに最も近い出力パルスエネルギーのモニタ値とそのときの励起強度を1組読み出し、目標パルスエネルギー値と読み出した出力パルスエネルギーのモニタ値との比較結果に応じて前記読み出した励起強度を増減することにより今回のパルス発振の際の励起強度値を演算する請求項1記載のレーザ装置。
  4. 加工物上の全ての点にそれぞれ予め設定された所定個数N0のパルスレーザが入射されるよう1個のパルスレーザが入射される度に加工物上でのパルスレーザ光の照射領域を所定のピッチずつずらせながら加工を行う加工装置に対しパルスレーザ光を前記加工物の加工に要する所定個数Nt(N0<Nt)だけ連続的に出力するレーザ装置において、
    前記各パルスレーザ光の発振の度に、出力されたパルスレーザ光のエネルギーPk(k=1,2,…,Nt)を検出するパルスエネルギー検出手段と、
    設定された各パルスレーザの目標値をPdとし、前記連続的に出力されるパルスレーザ光の順番をiとした場合、前記各パルスレーザ光の発振の度に、下式に従って前記各パルスレーザ光を発振する際の目標エネルギーPtを演算し、該演算した目標エネルギーPtを前記設定された目標値Pdに変えて出力する目標パルスエネルギー補正手段と、
    i=1の場合
    Pt=Pd
    i≦N0の場合、
    Figure 0003864287
    i>N0の場合、
    Figure 0003864287
    を備えるようにしたことを特徴とするレーザ装置。
  5. パルスレーザ光の照射領域を固定した状態で加工物上に予め設定した所定個数N0のパルスレーザを照射することによって所要の加工を行う加工装置に対しパルスレーザ光を連続的に出力するレーザ装置において、
    前記各パルスレーザ光の発振の度に、出力されたパルスレーザ光のエネルギーPk(k=1,2,…,No)を検出するパルスエネルギー検出手段と、
    設定された各パルスレーザの目標値をPdとし、前記連続的に出力されるパルスレーザ光の順番をiとした場合、前記各パルスレーザ光の発振の度に、下式に従って前記各パルスレーザ光を発振する際の目標エネルギーPtを演算し、該演算した目標エネルギーPtを前記設定された目標値Pdに変えて出力する目標パルスエネルギー補正手段と、
    i=1の場合
    Pt=Pd
    i>1の場合、
    Figure 0003864287
    を備えるようにしたことを特徴とするレーザ装置。
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