JP3859186B2 - 電源遮断コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部信号により可動ピンをスライドさせて一対の接触端子間の接続を遮断させる電源遮断コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ワイヤハーネスを保護するために、図21に示すような大電流ヒューズであるヒュージブルリンク37(以下FLと言う)が使用されている。図22に示すような回路において、万一、過電流が流れると、FL37内の可溶体が溶断して、電流の遮断が行なわれる。図22で、35はバッテリ、36はFLボックス、37はFL、75はパワーウィンド等の負荷、76はジャンクションボックスやリレーボックス、77は小電流用のブレードヒューズである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばワイヤハーネスが車両ボディと擦れる程度のスライトショート(僅かな短絡)では、FL37が直ぐには溶断しないために、ワイヤハーネスを十分に保護できず、電線が破損あるいは損傷するといった不都合が生じる。また、複数のFL37を収容したFLボックス36が大型化し、車両の狭いスペースにFLボックス36を収容するのが大変であるという問題もある。
【0004】
さらに、図23の点線イの如く、スライトショートでもFL37が早く溶断するように、溶断特性(実線ロ)の即断性を良くすると、実線ハの如くモータ等の起動時に発生する起動突入電流の繰り返しでFL37が溶断してしまう。このように、FL37においては、スライトショートの電流波形(イ)とモータ等の起動波形(ハ)が近いため、ワイヤハーネスの保護が難しい電流領域がある。
【0005】
本発明は、上記した点に鑑み、異常時において確実に電源を遮断することができることは勿論のこと、自動車の狭いスペースに効率的に収納するために、コンパクト化を図ることのできる電源遮断コネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電源遮断コネクタは、入力側と出力側の一対の接触端子と、該一対の接触端子に軸方向接離自在にスライド式に接触する導電性の可動ピンと、該可動ピンの先端部に設けられた係合部と、該係合部に対するロック部材と、該可動ピンを軸方向に該先端部側に付勢する付勢手段と、外部信号で作動し、該係合部と該ロック部材との係合を解除させるソレノイドとを備え、該ロック部材の一方が該ソレノイドのプランジャに連結され、該ロック部材の他方がブラケットに軸支され、該可動ピンの突出側に該ロック部材と該ブラケットとが配置され、該可動ピンの側方に該ソレノイドが配置され、該ロック部材が、該プランジャの進退方向に回動するソレノイド連結部と、該ソレノイド連結部と直交する方向に延びる基板部と、該基板部に垂設され、該係合部に係合するロック部とを備えることを特徴とする(請求項1)。
前記ロック部が、前記係合部に係合する樹脂チップを備えることも有効である(請求項)。また、前記付勢手段であるコイルばねに対する収容部が前記可動ピンに形成されたことも有効である(請求項)。また、前記一対の接触端子が、前記可動ピンに接する筒状接触部を有することも有効である(請求項)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図2は、本発明に係る電源遮断コネクタの第一実施例を示すものである。
【0008】
この電源遮断コネクタ1は、図1の如く、バッテリ(図示せず)から続く電源線2に接続された入力側の接触端子3と、ワイヤハーネス(図示せず)へ続く負荷側の電線4に接続された出力側の接触端子5と、両接触端子3,5に接触し、軸方向に移動自在な導電金属製の可動ピン6と、可動ピン6を軸方向に付勢する付勢部材としての圧縮コイルばね7と、可動ピン6を両接触端子3,5に接触した状態で係止固定するソレノイド8とを含んでいる。
【0009】
各接触端子3,5は、それぞれ電線2,4の各芯素線9,10に接続する圧着部11,12と、圧着部11,12と直交し、可動ピン6の外周上に接触する弓型に湾曲した複数の接触ばね片(接点)13,14を有する筒状接触ばね部材38,39を含む筒状接触部15,16とで構成される。両接触端子3,5は並列に設けられ、各筒状接触部15,16が可動ピン6の軸方向に直列に並んで位置する。各接触端子3,5はブラケット17,18を介してボルト19でハウジング本体20に固定されている。
【0010】
図3に接触端子の一例、図4に接触端子内の筒状接触ばね部材の一例を示す如く、筒状接触ばね部材38,39は円周上に複数の接触ばね片13,14を並べ設けたものであり、筒状接触部15,16内に組み込まれ、両端側の可撓爪片74でがたつきなく保持される。接触ばね片13,14はルーバー状に傾斜して捩じり方向のばね性を有したものであってもよい。筒状接触ばね部材38,39が可動ピン6に対して円周方向に複数の接点(13,14)を有するので、接触抵抗が少なくて済み、電流を流した際の発熱が抑えられ、大電流の通電に適す。
【0011】
図1の可動ピン6は、自由状態における筒状接触部13,14の筒状接触ばね部材38,39の内径よりも大径に形成され、ある程度の接圧でばね片13,14に接触している。両接触端子3,5の間において、可動ピン6の中間部には、ソレノイド8のプランジャ21(係止手段)に対する係合溝22が切欠形成されている。本例で係合溝22は略三角形状に切欠形成され、プランジャ21の先端部21aはクサビ形状に加工されている。
【0012】
ソレノイド8は可動ピン6と直交する方向に配置され、プランジャ21は可動ピン6に直角に係合する。プランジャ21がソレノイド8内の図示しない圧縮ばねに付勢されて係合溝22に係合した状態で、両端子3,5の各筒状接触部15,16が可動ピン6の外周面にそれぞれ接触している。
【0013】
可動ピン6の一端方には小径部23が一体に形成され、小径部側の可動ピン6の肩部にはテーパ面取24が施されている。小径部23の先端とハウジング本体20の収容壁25との間に圧縮コイルばね7が弾設されている。
【0014】
可動ピン6の他端方には、ハウジング本体20の外壁26に対する停止フランジ27が形成されている。また、停止フランジ27の付近において可動ピン6に左右各一対のV字状の位置決め用の係合溝(第二係合部)28,29ないしは二本の周方向の係合溝が軸方向に間隔をおいて切欠形成されている。各係合溝28,29の軸方向間隔は、可動ピン6を軸方向に移動して出力側の筒状接触部16から可動ピン6を確実に離間させ得る距離に設定されている。
【0015】
一方(第一)の係合溝28にボールプランジャ(付勢係止手段)30の金属ボール31が係合している。ボール31はコイルばね32で可動ピン6の径方向に付勢されている。可動ピン6が両筒状接触部15,16に接触した状態で、ボール31はピン先端寄りの第一の係合溝28に係合するように配置されている。ボールプランジャ30は可動ピン6に直交して可動ピン6の両側に一対設けられている。コイルばね32の付勢力はねじ部材33で調整可能である。
【0016】
図1の状態でバッテリ(図示せず)からの電流は入力側の筒状接触部15から可動ピン6を通り、出力側の筒状接触部16からワイヤハーネス(図示せず)へと流れる。
【0017】
ソレノイド8には例えば車両衝突時のエアバックの信号(エアバックを作動させるための信号)が入力されるように回路接続しておく。あるいは、スライトショートを検知した信号や、電線の異常温度を検知した信号等を利用して、過電流に対処することもできる。その他にも車両の安全走行を行う上での色々な信号を利用可能である。
【0018】
図5に、エアバックのECU(電子制御ユニット)78と電源遮断コネクタ1を接続した回路例を示すように、ECU78はGセンサ79に接続され、バッテリ80に電源遮断コネクタ1の一方の接触端子3が接続され、一方の接触端子3と他方の接触端子5とに可動ピン6が接触し、他方の接触端子5にスタータ81と、FL82を介してオルタネータ83とイグニションスイッチ84と負荷85等とが接続されている。
【0019】
図6の如く、Gセンサ79(図5)で検知した衝突信号86は符号87の如くエアバックのECU78(図5)に取り込まれて遮断信号として出力される。それにより、電源遮断コネクタ1(図5)のソレノイド8が作動し、可動ピン6(図5)が移動することで、符号88の如く全負荷への電力供給が遮断される。符号89の如く、遮断された電源遮断コネクタ1は手動にてリセット可能である。
【0020】
詳細には、図2の如くソレノイド8が作動することで、プランジャ21が引き込まれ、可動ピン6のロックが解除される。それにより、可動ピン6が圧縮コイルばね7の力で入力側端子3の方に移動し、出力側端子5の筒状接触部16との電気的接続が解除され、電源回路が遮断される。筒状接触部16内には可動ピン6の小径部23が位置する。可動ピン6は入力側の筒状接触部15とボール31とに沿ってスムーズに摺動し、ボール31が一方の係合溝28から離脱して他方の係合溝29に係合することで、可動ピン6が電源遮断位置で保持される。停止フランジ27はハウジング外壁26に当接し、可動ピン6の先端部34がハウジング外壁26から外部に突出する。
【0021】
遮断を解除する場合には、先端部34を押すことで、可動ピン6が移動して出力側の端子5に接触し、それと同時にボール31が他方の係合溝29から離脱して一方の係合溝28に係合し、且つ作動を解除されたソレノイド8のプランジャ21がばね付勢で突出して係合溝22に係合する。それにより、図1の如く可動ピン6が両端子3,5に接触した状態で係止される。
【0022】
上記電源遮断コネクタ1は、例えば図20に示すバッテリ35とFLボックス36との間に設置したり、あるいはFL37に代えて設置する。なお、上記実施例においては可動ピン6と出力側(ワイヤハーネス側)の接触端子5との接続を解除させたが、入力側(バッテリ側)の接触端子3との接触を解除させる構造とすることも可能である。また、上記停止フランジ27があれば、他方の係合溝29は必ずしも必要ではない。一方の係合溝28はソレノイド8のプランジャ21を可動ピン6の係合溝(係合部)22に正確に係合させるために必要である。また、可動ピン6を例えばハウジング本体20の図示しないガイド壁に沿ってスムーズに摺動させることも可能である。さらに、入力側に対して出力側接触端子5を二つ設けて、二つの電源路に対する電源遮断を同時に行わせることも可能である。また、電線素線10に接続する出力側接触端子5の圧着部12に代えて、FL37(図18〜図19)を直接接続させる構成としてもよい。
【0023】
図7〜図8は、本発明に係る電源遮断コネクタの第二実施例を示すものである。
この電源遮断コネクタ41は原理的には前記実施例と同様であるが、ソレノイド42を導電金属製の可動ピン(シャフト)43と平行に配置し、プランジャ44にロック部材45(係止手段)を設け、且つロック部材45をブラケット46で回動可能に支持させて、ロック部材45により可動ピン43の係止を行わせることを特徴とする。
【0024】
ロック部材45は略逆台形のレバー形状を呈し、プランジャ44と直交して可動ピン43に向かっている。プランジャ寄り(ロック部材45の例えば上半部)において、ロック部材45の長手方向中間部がプランジャ44の先端部にピン47で回動自在に連結されている。ソレノイド42は可動ピン43の突出側に位置している。ブラケット46はハウジング本体48に固定されている。可動ピン43の近くでロック部材45の一端部45aがブラケット46に支持ピン49で回動自在に支持されている。ロック部材45の他端部45bは引張コイルばね50でプランジャ44の突出方向に付勢されている。図7においてプランジャ44は引張コイルばね50の力で突出した状態となっている。
【0025】
引張コイルばね50の引張側(ロック部材45の例えば下半部)において、ロック部材45の中間部の停止板51がブラケット46の受けボルト52の先端に当接している。また、停止板51の延長上においてロック部材45の先端方45cにロック用の樹脂チップ53が雄ねじ72で固定されている。樹脂チップ53の先端テーパ面53aが可動ピン43のテーパ状の係合段部(係合部)54に係合している。樹脂チップ53は交換可能で、可動ピン43との摺接による磨耗に対処している。また、樹脂チップ53によりスムーズなロック解除が可能となっている。
【0026】
可動ピン43は、一対の接触端子55,56の各筒状接触部57,58に接触する軸方向の一対の大径部59,60と、一対の大径部59,60の間に形成された小径部61とを有し、一方(圧縮ばね62側)の大径部60の肩部すなわち係合段部(係合部)54に樹脂チップ53が係合する。
【0027】
可動ピン43の一端にはばね固定用の小径な樹脂ボス63が設けられ、ボス63とばね受け部材64との間に圧縮コイルばね62が弾設されている。可動ピン43の他端はハウジング本体48の外部に露出している。ハウジング本体48に、可動ピン43の他方の大径部59の肩部すなわち第二の係合段部65に対する停止板66が設けられている。各接触端子55,56は入力側と出力側の電線67,68に接続されている。
【0028】
図7の状態で可動ピン43は各接触端子55,56に接触し、電源側の電線67から可動ピン43を介して負荷側の電線68に電気を供給可能である。ソレノイド42は突出し、ロック部材45の樹脂チップ53が圧縮コイルばね62の付勢に抗して可動ピン43をロックさせている。ロック部材45は引張ばね50でプランジャ44の反対側に引っ張られ、引張力をブラケット46のボルト52で受けている。
【0029】
図7の状態からソレノイド42が外部信号を受けてオンすると、プランジャ44が矢印ホの如くソレノイド42内に引き込まれ、ロック部材45が引張コイルばね50に抗して支持ピン49を中心に出力側の筒状接触部58の方向(図で矢印ヘ方向)、すなわちプランジャの進退方向に回動する。それにより、樹脂チップ53が可動ピン43の係合段部54から離脱し、可動ピン43が圧縮ばね62の力で入力側の筒状接触部57の方向(矢印ト方向)にスライド移動し、出力側の筒状接触部58と大径部60との接触及び入力側の筒状接触部57と大径部59との接触がそれぞれ解除され、回路が遮断される。
【0030】
可動ピン43は例えばハウジング本体48の停止板66の内径部に先端側の小径部(70で示す)を沿わせて真直に移動し、大径部59の肩部すなわち第二の係合段部65が停止板66に当接して停止する。可動ピン43の先端部70は外部に突出する。先端部70を押し込み、且つソレノイド42をオフさせることで、ロック部材45が引張コイルばね50の力で図7の原位置に復元する。それにより回路の復帰が行われる。
【0031】
なお、引張ばね50に代えてソレノイド42内に圧縮ばね(図示せず)を設け、この圧縮ばねでプランジャ44を突出させることも可能である。また、第一実施例(図1)で示した可動ピン6の係合部28,29と、係合部に対するボールプランジャ30とを第二実施例において設けることも可能である。
また、ソレノイド42に代えて駆動手段としてモータを用い、ギヤ駆動によりプランジャ44を駆動させることも可能である。
【0032】
上記第二実施例によれば、ソレノイド42が前例のように側方に突出しないから、電源遮断コネクタ41の幅の縮小化が可能である。また、ロック部材45がてこの原理で駆動されるから、高いロック力が得られ、且つ小さな力で確実にロック解除可能である。さらに、大電流を遮断させる構成としてもソレノイド自体を大きくする必要がなく、電源遮断コネクタの肥大化が防止される。
【0033】
図9〜図16は、本発明に係る電源遮断コネクタの第三実施例を示すものである。
この電源遮断コネクタ(電源カットリレー)91は、上記第二実施例の電源遮断コネクタ41(図7)と類似するものであるが、図9の如く、ロック部材(レバー)92の位置を導電性の可動ピン(シャフト)93の中間部ではなく先端部側に設定することで、可動ピン93を短縮し、さらに図10の如く可動ピン93の内部に圧縮コイルばね(リリースばね)94を収容可能とすることで、電源遮断コネクタ自体のコンパクト化を可能としたものである。
【0034】
第二実施例の電源遮断コネクタ41(図7)においては、可動ピン43が長く、且つ圧縮コイルばね62が外部に長く突出していることで、ソレノイド42のプランジャ突出側に大きなデッドスペース95が生じて、電源遮断コネクタ自体が大型化しているが、第三実施例においては、図9の如く、可動ピン93の外側に位置する一対の筒状接触部96,97のピッチが狭まり、且つ両筒状接触部96,97の側方に近接してソレノイド98が配置され、可動ピン93の先端部側にロック部材92が近接して配置され、且つ可動ピン93の内部に圧縮コイルばね94が収容されたことで、デッドスペース(図7の95)がなくなり、電源遮断コネクタ自体がコンパクト化されている。
【0035】
これにより、例えば図11の如く、バッテリ80に隣接するリレーボックス99のカバー100の内部に電源遮断コネクタ91を収容することができるようになる。
【0036】
図9〜図10の如く、前記ロック部材92はその一方がブラケット101に回動自在に軸支され、他方がソレノイド98のプランジャ102に連結される。ロック部材92にはロック用の樹脂チップ103が取り付けられ、樹脂チップ103の先端で可動ピン93の先端側の係合段部104が係止される。
図9において樹脂チップ103は、スペース的にゆとりのある(電源遮断コネクタ91の縦横に較べて高さ方向の寸法が小さいのでゆとりがある)可動ピン93の上側(ハウジング本体127の底部とは反対の方向)に位置し、且つロック解除時に樹脂チップ103が上側方向に回動するから、スペース的に有利であり、樹脂チップ103を含むロック部材92が何ら邪魔になることがない。
【0037】
可動ピン93の内部には、圧縮コイルばね94を挿入可能な収容室(収容部)105が形成されており、可動ピン93は圧縮コイルばね94で樹脂チップ103に向けて付勢される。
【0038】
ロック部材92は、図10で水平方向の第一基板部106と、第一基板部106の両側に垂設された一対の支持部107と、第一基板部106の後端に垂設されたチップ取付部(ロック部)108と、第一基板部106の一側に垂設された連結部109と、連結部109から水平に形成され、第一基板部106とは段差をなす第二基板部110と、第二基板部110の一側に垂設されたソレノイド連結部111とを含む。ロック部(108)は、樹脂チップ103を用いないで可動ピン93を係止する部分としてもよい。
【0039】
一対の支持部107は支持ピン挿通孔112を有し、支持ピン113でブラケット101に取り付けられる。チップ取付部108には固定孔114が形成され、樹脂チップ103がボルト115(図9)とナット(図示せず)で固定される。ソレノイド連結部111には垂直方向の長孔116が形成され、長孔116とプランジャ102には横孔117が形成され、長孔116と横孔117にボルト118(図12)を挿通して、ソレノイド連結部111がプランジャ102に回動自在に連結される。プランジャ102は、ソレノイド連結部111に対する組付用の切割り131を有している。ソレノイド連結部111はプランジャ102の進退方向に回動自在に組み付けられる。
【0040】
ロック用の樹脂チップ103は前例同様のものであり、前記チップ取付部108に対する挿入用のスリット119と、スリット119と直交する固定孔120と、固定孔120に対向するナット挿着溝121と、可動ピン93の周部に沿う湾曲先端面122(図14)と、湾曲先端面122に続くテーパ状係止面123(図13)とを有している。
【0041】
ブラケット101(図10)は、垂直な基板部124に左右一対の軸受部125を有し、水平な基板部126で電源遮断コネクタ91のハウジング本体127(図9)に固定される。垂直な基板部124の一対の軸受部125の間に、可動ピン93の先端側の小径部128を挿通可能な切欠部129が形成され、切欠部129の周縁に可動ピン93の係合段部104が当接可能である。
【0042】
可動ピン93は、先端側にボス状に突出したガイド用の前記小径部128を有し、小径部128に係合段部104が続いている。係合段部104からは、接触部である大径部130が真直に続き、大径部130の中間部に第二実施例のような括れは形成されていない。
【0043】
可動ピン93の収容室105は中空にくり抜いて設けられ、収容室105の長さは、圧縮コイルばね94の最圧縮長さよりも短く設定され、最圧縮状態において圧縮コイルばね94の基端部94a側が収容室105から外部に突出する。なお、圧縮コイルばね94に対する収容室105を可動ピン130に設ける構成は第一実施例や第二実施例あるいは後述する第四実施例においても適用可能である。
【0044】
図9の如く、ソレノイド98はブラケット132でハウジング本体127に固定され、圧縮コイルばね94(図10)の基端部94aはばね受け板133で支持される。ソレノイド98のリード線141は例えばエアバックのECU78(図5)等に接続される。一対の筒状接触部96,97は板状端子134,135に続き、一方の板状端子134はバッテリ80(図5)等に続き、他方の板状端子135はスタータ81(図5)等に続く。
【0045】
図12〜図14に電源遮断コネクタ91の詳細構造を示す如く、圧縮コイルばね94の内径側空間136には位置決めガイドピン137が挿入され、位置決めガイドピン137はばね受け板133に固定されている。圧縮コイルばね94が可動ピン93の内部で圧縮された状態で、ロック部材92の樹脂チップ103が可動ピン93の先端側の係合段部104に係合している。係合段部104は樹脂チップ103の係止面123に沿うテーパ状の係合面(104)を有している。可動ピン93は両方の筒状接触部96,97に接触して、両板状端子134,135(図13)が可動ピン93を介して接続されている。筒状接触部96,97と板状端子134,135とで接触端子138,139が構成されている。ソレノイド98のプランジャ102は内部の圧縮ばね(図示せず)に付勢されて最伸長した状態となっている。
【0046】
図13の如く、ロック用の樹脂チップ103は可動ピン93と直交して位置し、ロック部材92の第一基板部106は可動ピン93と平行に、可動ピン突出側の空間140の上側(ハウジング本体127の底部とは反対の方向)に位置している。図12〜図13の如くブラケット101とロック部材92の左半部(106〜108)とが可動ピン93の突出側に配置され、突出側の空間140が有効利用されたことで、電源遮断コネクタ91がコンパクト化されている。図12の如く、樹脂チップ103と第一基板部106とブラケット101の軸受部125とは、可動ピン93の軸線に対して線対象に位置している。
【0047】
ロック部材92の第二基板部110は第一基板部106の側方に位置し、ソレノイド98が可動ピン93の側方、すなわち一対の筒状接触部96,97の側方に隣接して位置し、プランジャ102の先端部と第二基板部110の一端側のソレノイド連結部111とがボルト118で連結されている。
図12〜図14におけるその他の構成は図9〜図10と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
図15〜図17はロック部材92の作用を示すものである。
図15は図13に対応する図であり、樹脂チップ103の係止面123が可動ピン93の先端側の係合段部104に当接し、圧縮コイルばね94(図13)の付勢に抗して可動ピン93を係止している。ロック部材92のソレノイド連結部111の長孔116にプランジャ102(図12)がボルト118で連結されている。ソレノイド連結部111は可動ピン93と直交して延びている。ロック部材92は支持ピン113でブラケット101に軸支され、支持ピン113と樹脂チップ103と長孔116とが三角形の頂点をなす如くに位置している。
【0049】
ここで例えば図5のエアバックのECU78からの信号が入力されると、ソレノイド98(図12)が作動してプランジャ102が吸引される。それにより、図16の如くソレノイド連結部111がプランジャ102(図12)に引っ張られ、ロック部材92が矢印方向に回動を開始する。
【0050】
樹脂チップ103はプランジャ102の径方向すなわち可動ピン93の径方向に回動して逃げる。この点は、第二実施例における樹脂チップ53(図7)がプランジャ44(図7)の進退方向に回動するのとは相違する。可動ピン93の先端側の係合段部(係合面)104は樹脂チップ103の係止面123から外れ、可動ピン93が樹脂チップ103の先端湾曲面122に沿って圧縮コイルばね94(図13)の付勢力で前方へ突出する。これにより、図13の可動ピン基部側の筒状接触部97と可動ピン93との接触がなくなり、回路が瞬時に遮断される。図16で可動ピン93の係合段部104はブラケット101の垂直な基板部124に当接し、先端側の小径部128が基板部124の切欠部129から前方へ突出して支持される。
【0051】
図17のロック部材92の最大回動位置で、樹脂チップ103の先端湾曲面122と可動ピン93との間に若干の隙間が生じる。ロック部材92の回動に伴ってソレノイド連結部111の長孔116がボルト118にガイドされて移動する。可動ピン93の復帰操作は、例えば小径部128を押し込むことで手動で行うことができる。
【0052】
第三実施例のロック部材92は図9〜図10の如く水平方向の可動ピン93の上側に基板部106,107(図10)が平行に位置するものであり、可動ピン93の上側のスペースは可動ピン93の側方のスペースに較べて充分にゆとりがあるから、第二実施例のロック部材45が可動ピン43の側方に長く横置きに配置されたものであるのに較べて、ロック部材92の占めるスペースが小さく、これによっても電源遮断コネクタ91がコンパクト化されている。また、ロック部材92及び支持ピン113(図10)は第二実施例と同様に信頼性の高い位置関係、すなわち可動ピン93の係止及び係止解除を確実に行える位置関係を保っているから、電源遮断の信頼性が高い。
【0053】
図18は、本発明に係る電源遮断コネクタの第四実施例を示すものである。
本例の電源遮断コネクタ160は第二実施例(図7)の構造に改良を加えて、車両の振動等による誤作動を防止したものである。すなわち、第二実施例(図7)の電源遮断コネクタ41においては、車両走行中に引張コイルばね50の力よりも強い振動等、車両の衝突時以外の衝撃が矢印リ(又は矢印ヌ)の如く加わった場合に、ソレノイド42のプランジャ44が引張コイルばね50に抗して引っ込み方向(矢印ホ方向)に動き、ロック部材45がロック解除方向(矢印ヘ方向)に回動し、可動ピン43が圧縮コイルばね62の付勢力で矢印ト方向に作動してしまうという心配があった。本実施例はその懸念を解消するためのものである。
【0054】
図18において本実施例の特徴部分以外の構成は第二実施例(図7)と同様であるので同一符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0055】
可動ピン43は一対の大径部59,60で各接触端子55,56の筒状接触部57,58に接触し、その状態で一方の大径部60の肩部すなわち第一の係合段部54がロック部材45の先端の樹脂チップ53で係止されている。樹脂チップ53の後側にロック部材45の停止板51が延長され、停止板51はブラケット46の受けボルト52に当接し、ロック部材45が支持ピン49を支点にロック解除(矢印ヘ)とは反対の方向に回動することが防止されている。このためソレノイド42のプランジャ44が衝撃で引出し方向(矢印ホとは反対の方向)に移動することはない。
【0056】
本実施例の特徴は、一つのソレノイド42に上下(前後)一対のプランジャ(第一のプランジャ44と第二のプランジャ150)を対称に配設し、各プランジャ44,150をソレノイド42の作動信号で矢印ホ,チの如くソレノイド42内に同時に引き込み可能とすると共に、ロック部材45とは反対側の第二のプランジャ150に第二のロック部材としてのロックアーム151を連結し、ロックアーム151の先端部151aを可動ピン43の作動方向前側の大径部59の肩部すなわち第二の係合段部(係合部)65に係合可能としたことである。
【0057】
ロックアーム151は細長の平板状に形成され、ロックアーム151の先端部151aは、可動ピン43の先端側の小径部(70)に面する部分が大きくテーパ状に切欠され、この切欠部152とは反対側の部分が第二の係合段部65とほぼ同じ幅及び同じ傾斜角で小さくテーパ状に切欠されて係止面153となっている。第二のプランジャ150は引張コイルばね154で突出方向に付勢され、引張コイルばね154の一端はプランジャ150の先端に、他端はハウジング本体48にそれぞれ固定されている。ロックアーム151は、中間部がピン155でプランジャ150の先端側に支持され、基端部がピン156でハウジング本体48に支持され、基端部のピン156を支点としてプランジャ150と一体に回動自在である。
【0058】
図18において第二のプランジャ150は引張コイルばね154で突出方向に付勢され、ロックアーム151が可動ピン43の第二の係合段部65に係合して、ロック部材45と共に可動ピン43を係止させている。この状態で矢印リ(又は矢印ホ)の如く電源遮断コネクタ160に衝撃が加わって、第一のプランジャ44が慣性力で引っ込み方向(矢印ホ方向)に移動し、ロック部材45の係止が解除された場合でも、第二のプランジャ150は外力により第一のプランジャ44とは逆の方向すなわち突出方向に力を受けるから、ロックアーム151がしっかりと第二の係合段部65に係合し、可動ピン43のロック状態を確保する。
【0059】
また、矢印ヌ(又は矢印リ)方向の衝撃で第二のプランジャ150が引っ込み方向(矢印チ方向)に移動して、ロックアーム151の係止が解除された場合でも、第一のプランジャ44が外力により突出方向の力を受け、ロック部材45がしっかりと第一の係合段部54に係合し、可動ピン43のロック状態が確保される。このようにして電源遮断コネクタ160の誤作動が確実に防止される。
【0060】
ソレノイド42に作動信号が送られて、ソレノイド42が正規に作動した場合には、第一のプランジャ44と第二のプランジャ150とが同時にソレノイド42内に引き込まれて、ロックアーム151とロック部材45とが同時に同方向に回動し、可動ピン43の係止が同時に解除され、可動ピン43が圧縮コイルばね62の付勢力で矢印ト方向に移動し、各接触端子55,56の筒状接触部57,58と可動ピン43の各大径部59,60との電気的接触が解除される。
【0061】
ロックアーム151の動きを詳しく説明すると、ソレノイド42の作動でプランジャ150が引張コイルばね154の付勢力に抗して矢印チ方向に引き込まれることで、ロックアーム151は基端部のピン156を支点としてロック解除方向(矢印ル方向)に回動する。これにより、ロックアーム151の先端部151aの係止面153が可動ピン43の係合段部65から離脱して、係止が解除される。可動ピン43は圧縮コイルばね62の付勢力で矢印ト方向に移動し、ロックアーム151の先端部151aは可動ピン43の大径部59ないしは小径部61に対向して位置する。
【0062】
ロックの復帰操作すなわち通電操作は、ソレノイド42をオフにすると共に、可動ピン43を圧縮コイルばね62に抗して押し下げることで、第二のプランジャ150が引張コイルばね154の力で引き出され、それと同時にロックアーム151がロック方向(矢印ルとは反対の方向)に回動して図18の状態に復帰する。
【0063】
上記第四実施例によれば、車両走行中の振動等の衝撃による電源遮断コネクタ160の誤作動(可動ピン43のロック解除)が防止されることは勿論のこと、二本のプランジャ44,150に対してソレノイド42が一つでよいから、低コストで済むと共に、電源遮断コネクタ160の小型化及び車両組付側の省スペース化が図られる。
【0064】
なお、第二のロック部材としてロックアーム151に代えてロック部材45及びブラケット46を各一対対称に配設することも可能である。また、引張コイルばね50,154に代えて図示しない圧縮コイルばねをソレノイド42内に設けることも可能である。
【0065】
図19は、本発明に係る電源遮断コネクタの第五実施例を示すものである。
本例の電源遮断コネクタは第二実施例(図7)の構造に改良を加えて、車両の振動等によるソレノイド42のプランジャ44の誤動作を防止したものである。図7と同一の構成については同一符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0066】
プランジャ44はロック部材45にピン47で連結され、ロック部材45はブラケット46′にピン49で回動自在に支持されている。ブラケット46′とプランジャ44との間に図7の実施例の引張コイルばね50は設けられていない。ブラケット46′は図7の実施例のブラケット46に較べて後部が省略され、コンパクト化された形となっている。
【0067】
ロック部材45の先端方45cには、可動ピン43の係合段部54に対する係止用の樹脂チップ53が設けられ、ロック部材45の後端部45b(図7の例ではここに引張コイルばね50が設けられている)には、ワイヤ162の一端が連結されている。ワイヤ162は、前半部162aが可動ピン43と平行に延び、中間部162bを二本の支持ピン163,164で支持されてUターンされ、後半部(折返し側)162cにおいてワイヤ162の他端がプランジャ44の先端と同一面位置において、本実施例の特徴部である重り165の一端に連結されている。
【0068】
重り165は金属を材料としてプランジャ44とほぼ同一の形状及び同一の重さに形成されている。重り165の形状はプランジャ44と異なっても構わず、重り165の重さはプランジャ44よりも重くてもよいが、なるべく同一の重さであることが好ましい。
【0069】
重り165とワイヤ162の後半部162cとは引張コイルばね50′でプランジャ44の引き込み方向(矢印ホ方向)と同一の方向に引っ張られ、ロック部材45の後端部45bすなわち操作部がワイヤ162の前半部162aでプランジャ44の突出方向(矢印ホとは逆の方向)すなわちロック方向に引っ張られている。プランジャ44は当然、突出方向に引っ張られている。引張コイルばね50′の他端はハウジング本体48の壁部169に固定されている。引張コイルばね50′は図7の実施例の引張コイルばね50と同等の付勢力を有している。プランジャ44とワイヤ162と重り165と引張コイルばね50′とは同一面上においてそれぞれ平行に配置されている。
【0070】
ワイヤ162に対する支持ピン163,164は、図20に示す如く回動自在な中空な筒体166と、頭部167aを有し、筒体166を回動自在に支持する軸部167とで構成されることが好ましい。軸部167は筒体166の中空部168に挿入され、先端部167bが図19のハウジング本体48に固定される。筒体166と軸部167との間に図示しないベアリングを装着することも可能であり、筒体166に、ワイヤ162に対する図示しない位置決め溝を形成することも可能である。また、支持ピン163,164に代えて図示しない滑車等を用いることも可能である。
【0071】
図19において、矢印リ方向あるいはリとは反対の方向から車両走行中の振動や衝撃(車両衝突時の衝撃よりも小さいもの)が加わった場合に、プランジャ44に引き込み方向(矢印ホ方向)の慣性力が作用する。プランジャ44が引き込まれると、ロック部材45が支持ピン49を支点としてロック解除方向(矢印ヘ方向)に回動してしまう。
【0072】
しかし、プランジャ44に引き込み方向の力が作用すると同時に、重り165にプランジャ44の引き込み方向と同一方向(矢印ホ′方向)の慣性力が作用するから、ロック部材45の後端部45bすなわち操作部がワイヤ162を介してロック方向(矢印ホとは反対の方向)に引っ張られ、プランジャ44が突出方向に引っ張られる。これにより、プランジャ44に加わる力が相殺され、プランジャ44の引き込みが阻止される。従って、ソレノイド42の誤作動が起こらず、不意なロック解除が防止される。
【0073】
車両の衝突等の異常時には、外部信号によりソレノイド42が正規に作動し、プランジャ44が引張コイルばね50′に力に抗して引き込まれ、ロック部材45がロック解除方向(矢印ヘ方向)に回動し、可動ピン43が圧縮コイルばね62の力で突出方向に瞬間移動し、各接触端子55,56の筒状接触部57,58と可動ピン43の各大径部59,60との接触が解除され、電源回路が遮断される。ロック部材45のロック解除方向への回動に伴って、ワイヤ162の前半部162aが矢印ホ方向に引っ張られ、ワイヤ162の後半部162cが重り165と一体に矢印ホとは逆の方向に引っ張られる。引張コイルばね50′はばね力に抗して重り165と一体に同方向に引っ張られる。
【0074】
なお、矢印リ方向(又はそれとは反対の方向)以外の方向からの振動や衝撃に対してはプランジャ44に引き込み方向の慣性力が作用することはなく、誤作動の心配はない。また、ロック部材45の後端部45bにワイヤ162を連結する代わりに、プランジャ44にワイヤ162を直接連結することも可能である。ま、引張コイルばね50′に代えて、プランジャ44に対する図示しない圧縮コイルばねをソレノイド42内に配置することも可能である。この場合、重り165はワイヤでハウジング本体48の壁部169に連結される。
【0075】
【発明の効果】
以上の如く、請求項記載の発明によれば、外部信号によってソレノイドを作動させ、電源回路を即時に且つ確実に遮断できるから、FLでは対処不能なワイヤハーネスのスライトショートや車両衝突等の異常事態に確実に対応でき、車両の安全性を高めることができる。また、ロック部材のてこ作用で可動ピンのロック及びロック解除が小さな力で確実に行われるから、ソレノイドの小型化及び電源遮断コネクタ自体の小型化が図られる。
【0076】
また、可動ピンの中間部に括れ状の係合部を形成する必要がなく、それにより可動ピンの全長が短縮され、電源遮断コネクタがコンパクト化される。また、可動ピンの突出側の空間が有効利用され、且つ可動ピンが短縮されたことと相まって、可動ピン側方のデッドスペースがなくなり、電源遮断コネクタがコンパクト化される。また、基板部やロック部が可動ピンの突出側の空間の上に位置するから、空間の上側のスペースが有効利用され、電源遮断コネクタのコンパクト化が図られる。
【0078】
また、請求項記載の発明によれば、硬度の低い樹脂チップと硬度の高い可動ピンとの係合により、滑りのない確実なロックが可能となる。また、樹脂チップの取替も可能で磨耗時のメンテナンスが容易である。また、請求項記載の発明によれば、コイルばねが可動ピンの内部に収容されることで、コイルばねの占めるスペースが小さくなり、電源遮断コネクタがコンパクト化される。また、請求項記載の発明によれば、可動ピンが筒状接触部で支持され、可動ピンのスムーズな進退動作が可能であり、可動ピンに対する摺動手段をハウジング本体側に特別に設ける必要がないので、電源遮断コネクタ自体がコンパクト化される。また、通常のリレー接点と異なり、筒状接触部内でばね接触が可能となるから、大電流接続に適し、接触抵抗が低く発熱が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源遮断コネクタの第一実施例における接続状態を示す内部構造図(一部断面した平面図)である。
【図2】同じく回路遮断状態を示す内部構造図である。
【図3】接触端子の一例を示す断面図である。
【図4】筒状接触ばね部材の一例を示す断面図である。
【図5】電源遮断コネクタの接続回路の一例を示す回路説明図である。
【図6】遮断に至る経過を示すフローチャートである。
【図7】電源遮断コネクタの第二実施例を示す内部構造図(一部断面した平面図)である。
【図8】同じく可動ピンのロック手段を示す正面図である。
【図9】電源遮断コネクタの第三実施例を示す全体斜視図である。
【図10】要部を示す分解斜視図である。
【図11】電源遮断コネクタの適用箇所を示す斜視図である。
【図12】電源遮断コネクタを示す平面図である。
【図13】電源遮断コネクタを示す側面図である。
【図14】電源遮断コネクタを示す正面図である。
【図15】ロック部材で可動ピンを係止した状態を示す側面図である。
【図16】同じく係止解除の初期状態を示す側面図である。
【図17】完全に係止解除した状態を示す側面図である。
【図18】電源遮断コネクタの第四実施例を示す内部構造図(一部断面した平面図)である。
【図19】電源遮断コネクタの第五実施例を示す内部構造図(一部断面した平面図)である。
【図20】図19における支持ピンの一例を示す分解斜視図である。
【図21】従来使用しているFLを示す斜視図である。
【図22】FLを用いた車両の回路を示す回路説明図である。
【図23】従来のFLの溶断特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,41,91,160,170 電源遮断コネクタ
3,5,55,56 接触端子
6,43,93 可動ピン
7,62,94 圧縮コイルばね(付勢手段)
8,42,98 ソレノイド(駆動手段)
15,16,57,58,96,97 筒状接触部
21 プランジャ(係止手段)
28,29 係合溝(第二係合部)
30 ボールプランジャ(付勢係止手段)
44,102 プランジャ
45,92 ロック部材(係止手段)
46,101 ブラケット
53,103 樹脂チップ
54,104 係合段部(係合部)
65 第二の係合段部(係合部)
105 収容室(収容部)
106 第一基板部
110 第二基板部
108 チップ取付部(ロック部)
111 ソレノイド連結部
150 第二のプランジャ
151 ロックアーム(第二のロック部材)
162 ワイヤ
162c 後半部(折返し側)
165 重り

Claims (4)

  1. 入力側と出力側の一対の接触端子と、該一対の接触端子に軸方向接離自在にスライド式に接触する導電性の可動ピンと、該可動ピンの先端部に設けられた係合部と、該係合部に対するロック部材と、該可動ピンを軸方向に該先端部側に付勢する付勢手段と、外部信号で作動し、該係合部と該ロック部材との係合を解除させるソレノイドとを備え、
    該ロック部材の一方が該ソレノイドのプランジャに連結され、該ロック部材の他方がブラケットに軸支され、該可動ピンの突出側に該ロック部材と該ブラケットとが配置され、該可動ピンの側方に該ソレノイドが配置され、該ロック部材が、該プランジャの進退方向に回動するソレノイド連結部と、該ソレノイド連結部と直交する方向に延びる基板部と、該基板部に垂設され、該係合部に係合するロック部とを備えることを特徴とする電源遮断コネクタ。
  2. 前記ロック部が、前記係合部に係合する樹脂チップを備えることを特徴とする請求項1記載の電源遮断コネクタ。
  3. 前記付勢手段であるコイルばねに対する収容部が前記可動ピンに形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電源遮断コネクタ。
  4. 前記一対の接触端子が、前記可動ピンに接する筒状接触部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電源遮断コネクタ。
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