JP3857537B2 - 倣い装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、倣い装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイシングされた半導体チップをダイ・ボンディング装置のリードフレーム上に搬送するチップマウンタ等には倣い装置が用いられる。この倣い装置としては、凹状半球面を有する装置基台に、凸状半球面を有する揺動体が回動可能に支持されている。そして、対象物としての半導体チップの特定面に、凸状及び凹状半球面の曲率中心にある揺動体のワーク当接面(倣い面)を当接させると、揺動体は同一平面において互いに直交するX軸及びY軸を中心に回動する。この回動により、揺動体のワーク当接面が半導体チップの特定面に対し平行となるように傾動する。すなわち、揺動体のワーク当接面が半導体チップの特定面に対して倣う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の倣い装置では、倣い状態において揺動体が傾動すると、その傾動方向に揺動体の自重による偏荷重が半導体チップに作用する。そして、その影響を受けて半導体チップが破損するおそれがある。このような不具合を解消する方法としては、バネ等の弾性力を利用し、半導体チップにかかる偏荷重を軽減することが考えられる。
【0004】
ところで、偏荷重を軽減するにあたってバネ等を使用する場合、そのバネ定数を決定することは、倣い装置を設計する上での重要な事項となる。具体的に言うと、バネ定数は偏荷重に応じて決定される。しかし、バネ定数が決定されることに伴い、バネのサイズ、つまりバネの外径、線径及び長さといった各寸法がある程度決定される。しかし、バネを組み付ける場所によっては、バネのサイズに制約を受け、設計に支障をきたす。この結果、倣い装置の構造が複雑化し、コスト高を招くという問題が生じる。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、構造を簡単にすることで組み立て易さを向上し、低コスト化を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、凹状半球面を有する第1部材と、その第1部材に対し相対回動可能であり且つ凸状半球面を有する第2部材とから倣い装置本体を構成し、対象物の特定面に前記両部材のうちいずれか1つを当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置において、前記第1及び第2部材のうち前記対象物に当接する一方の部材が前記当接面に対して直交する軸線周りに回動するのを規制する回り止め手段と、前記一方の部材が前記対象物に当接したときに、一方の部材により前記対象物にかかる偏荷重を軽減する軽減化手段と、前記一方の部材が前記対象物に当接していないときには、前記一方の部材を他方の部材の中央に戻す原点位置復帰手段とを備え、前記軽減化手段は、前記両部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材を倣い装置本体の中央に戻す力を付与する複数の弾性体から構成され、各弾性体は水平方向において対峙するように前記倣い装置本体に配置されていることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の倣い装置において、前記弾性体はコイルスプリングであって、そのコイルスプリングの一端は、前記第1部材側及び第2部材側のうちいずれか一方に固定されていることを要旨とする。
【0009】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、第1部材及び第2部材のうちいずれか一方の部材を対象物の特定面に当接させると、一方の部材は特定面の傾きに倣って回動する。これにより、一方の部材の当接面と、対象物の特定面とが互いに平行になる。このとき、回り止め手段により、一方の部材は、その当接面に対して直交する軸線周りの回動が規制される。従って、高精度な倣いを行うことが可能になる。又、一方の部材が回動することに伴い、一方の部材の自重による偏荷重が対象物にかかる。しかし、軽減化手段によって対象物に対してかかる偏荷重が軽減され、偏荷重によって対象物が破損するのを防止することができる。更に、軽減化手段は、第1部材及び第2部材とから構成される倣い装置本体に配置されている。言い換えれば、比較的構造が簡単な倣い装置本体に軽減化手段が配置されている。そのため、軽減化手段の設計に無理が生じず、倣い装置全体の構成を簡単にすることが可能になる。一方、第1部材及び第2部材のうちいずれか一方の部材が対象物の特定面に当接しないときには、原点位置復帰手段によって一方の部材が他方の部材の中央に戻される。
【0010】
又、請求項1に記載の発明によると、軽減化手段を構成する弾性体が複数設けられ、しかもその弾性体は、各弾性体は水平方向において対峙するように配置されている。このことから、前記第1部材及び第2部材のうち対象物の特定面に対して当接する一方の部材が対象物から離れたとき、一方の部材が対象物に当接していないときの原点位置、すなわち他方の部材の中央部に、一方の部材を迅速且つ正確に復帰させやすい。一方の部材を迅速に原点位置に復帰させることのできる理由としては、複数の弾性体があることから十分な弾性力を得ることができるからである。又、一方の部材を正確に原点位置に復帰させることのできる理由としては、各弾性体が均等配置されていることから、一方の部材に対して弾性力を均一に付与できるからである。
【0011】
請求項2に記載の発明によると、各弾性体はそれぞれコイルスプリングで構成されているため、倣い装置の構造の簡素化を図るのに貢献できる。従って、倣い装置がコスト高になるのをいっそう確実に防止できる。更に、コイルスプリングは部品コストが安いことから倣い装置がよりコスト高になるのをいっそう確実に防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、倣い装置Fの上下(鉛直)方向をZ軸方向とし、このZ軸方向に対して直交し且つ同一水平面上において互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とする。
【0013】
図1〜図3に示すように、第1部材(他方の部材)としての装置基台10は、固定ブロック11と、その下面に設けられた凹状半球面12aを有する環状多孔質材12とから構成されている。環状多孔質材12の形成材料としては、例えば焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料を使用することができる。その他にも、焼結三ふっ化樹脂、焼結四ふっ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等のような合成樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックスなどが使用可能である。
【0014】
固定ブロック11の一側面(図1の左側)にはポート13が形成され、このポート13は図示しない圧力供給源に接続されている。ポート13はエア通路13aを介して固定ブロック11に形成された環状溝14に連通されている。この環状溝14は前記環状多孔質材12の裏面に開口されている。そして、図示しない圧力供給源から加圧流体としての加圧エアが、ポート13、エア通路13a及び環状溝14を介して環状多孔質材12の表面全体から噴出される。
【0015】
固定ブロック11の下面には吸引用環状溝17が形成されている。固定ブロック11の他側面(図1の右側)には、真空引きポート18が形成され、その真空引きポート18には図示しない吸引ポンプが接続されている。この真空引きポート18はエア通路18aを介して吸引用環状溝17に連通されている。そして、吸引ポンプから真空引きポート18、エア通路18aを介してエアが吸引され、吸引用環状溝17に沿ってエアによる吸引力が作用する。
【0016】
環状多孔質材12の凹状半球面12aには、第2部材(一方の部材)としての金属製揺動体20が設けられている。揺動体20の上面には、凸状半球面20aが形成され、この凸状半球面20aの曲率半径は、前記凹状半球面12aの曲率半径と同じになっている。従って、揺動体20の凸状半球面20aは、環状多孔質材12の凹状半球面12aに対して重なり合うように係合されている。なお、本実施形態において、前記第1部材である装置基台10と、第2部材である揺動体20とから倣い装置本体19が構成されている。
【0017】
揺動体20の中央部下面には、対象物としてのワークWを吸着するための吸着ホルダ21が突設されている。揺動体20と吸着ホルダ21とは一体的に可動するようになっている。従って、本実施形態では、揺動体20と吸着ホルダ21とから揺動部材が構成されている。なお、図1に示す符号Rは、凸状半球面20a及び凹状半球面12aの曲率半径を示す。そして、吸着ホルダ21の先端面がワーク当接面、いわゆる倣い面となっており、その面上に揺動体20の回動中心Cが存在している。ちなみに、揺動体20によるX軸及びY軸周りの回動可能な角度(倣い角度)は、平常時のバランス状態を0゜とすると、±0.5゜に設定されている。
【0018】
吸着ホルダ21の基端にはネジ部21aが形成され、そのネジ部21aは揺動体20に着脱可能に螺合されている。従って、長さが異なる複数種類の吸着ホルダ21を自在に交換できるようになっている。吸着ホルダ21の外周面には、ポート22が設けられている。ポート22には、外端が吸着ホルダ21の先端面(以下、ワーク当接面という。)21bにおいて開口されたエア通路23が形成されている。このエア通路23は図示しない吸引ポンプに接続されている。そして、吸引ポンプからポート22及びエア通路23を介してエアが吸引される。
【0019】
前記固定ブロック11の上部には回り止め手段としての回り止め装置25が設けられている。この回り止め装置25は、下面が開口された四角箱状(矩形状)をなす固定基材としての固定ケーシング26を備えている。この固定ケーシング26内には、下面が開口された四角箱状の可動ケーシング(第1可動体)27が収容されている。
【0020】
X軸方向における可動ケーシング27の外側面には、第1加圧流体供給手段としての第1多孔質材28が設けられている。第1多孔質材28の表面と、固定ケーシング26の内側面との間は、ほとんど隙間が形成されていない。そのため、可動ケーシング27は、固定ケーシング26に対してY軸及びZ軸方向のみの移動が許容されている。第1多孔質材28は、板状に形成されており、前記環状多孔質材12と同じ材料から構成されている。本実施形態において、第1多孔質材28の表面と、固定ケーシング26の内側面との間は、5〜10μmに設定されている。
【0021】
前記可動ケーシング27内には、第2可動体としての可動ブロック37が収容されている。Y軸方向における可動ケーシング27の内側面には、第2加圧流体供給手段としての第2多孔質材38が設けられている。その第2多孔質材38の裏側における可動ケーシング27の内側面には、前記エア通路30に連通する凹部39が形成されている。
【0022】
第2多孔質材38の表面と、可動ブロック37の外側面との間は、ほとんど隙間が形成されていない。そのため、可動ブロック37は、可動ケーシング27に対してX軸及びZ軸方向にのみの移動が許容されている。本実施形態において、第2多孔質材38の表面と、可動ブロック37の外側面との間は、5〜10μmに設定されている。
【0023】
前記エア通路30上において各第1多孔質材28の中央部に位置する箇所には、流体導入口としてのエア導入口29がそれぞれ形成されている。各エア導入口29は、第1多孔質材28の裏面に形成された凹部31を介してエア通路30に連通されている。固定ケーシング26の両側面において前記各エア導入口29と対向する箇所には、前記エア導入口29に通じ、且つ導入口29よりも径の大きいエア供給口36がそれぞれ形成されている。2つのエア供給口36は固定ケーシング26に形成された流路35を介して互いに連通されている。両エア供給口36のうち一方(図1に示す左側のエア供給口)は、固定ケーシング26の外部に開口され、その開口部には図示しない圧力供給源に接続されたエア供給チューブ36aが接続されている。
【0024】
圧力供給源から送られる加圧エアが、各エア供給口36から非接触状態でエア導入口29、各凹部31を介してエア通路30に供給される。そして、加圧エアが第1多孔質材28の表面全体から噴出されることにより、X軸方向における固定ケーシング26と可動ケーシング27との界面に静圧がもたらされる。よって、エア供給口36とエア導入口29とを非接触にした状態で、エア通路30内加圧エアを供給することが可能である。そのため、本実施形態では、エア導入口29を有する第1多孔質材28によって第3加圧流体供給手段が構成されている。要するに、第1多孔質材28は、第1加圧流体供給手段と第3加圧流体供給手段とを兼ねている。又、加圧エアが第2多孔質材38の表面全体から噴出されることにより、Y軸方向における可動ケーシング27と可動ブロック37との界面に静圧がもたらされる。
【0025】
Z軸方向における可動ケーシング27の内側面には、第3多孔質材46が設けられている。第3多孔質材46の表面と、可動ブロック37の上面との間は、ある程度の隙間が形成されている。第3多孔質材46の裏側における可動ケーシング27には、前記エア通路30に連通する凹部47が形成されている。そして、エア供給チューブ36aから加圧エアが、エア供給口36、エア通路30、凹部47を介して第3多孔質材46の表面全体から噴出される。これにより、Z軸方向における可動ケーシング27と可動ブロック37との界面に静圧がもたらされる。
【0026】
可動ブロック37は、その下面から突設された連結ブロック44を介して揺動体20に一体的に形成されている。連結ブロック44は、前記固定ブロック11の中央部に形成された連通孔45に遊挿されている。これにより、可動ブロック37と揺動体20とは一体的に可動するようになっている。
【0027】
固定ブロック11のX軸方向側面及びY軸方向側面には、上下方向に沿って延びる複数のバネ支持アーム40が設けられている。各バネ支持アーム40は、X軸方向及びY軸方向において対峙する位置関係に配置されている。揺動体20の側面付近に位置している各バネ支持アーム40先端部には、貫通ネジ孔40aが形成されている。揺動体20において各貫通ネジ孔40aと対向する箇所には、バネ収容穴41が凹設され、そのバネ収容穴41内には弾性体としてのコイルスプリング42が収容されている。従って、本実施形態では、コイルスプリング42は倣い装置本体19に配置されている。コイルスプリング42は、揺動体20に対しその中心方向に向けて常に弾性力を付与し、固定ブロック11の中心軸線に揺動体20の中心軸線を一致させる働きがある。
【0028】
コイルスプリング42は、X軸方向及びY軸方向において対峙する位置関係で配置されている。コイルスプリング42は、同一円周上において等間隔に配置されている。本実施形態においてコイルスプリング42は4つ設けられていることから、各コイルスプリング42は90゜おきに配置されている。各コイルスプリング42のバネ定数は同じに設定されている。従って、各コイルスプリング42が均等配置されていることから、揺動体20に対しコイルスプリング42の弾性力が均一に付与されている。
【0029】
コイルスプリング42の一端は、バネ収容穴41の内奥面に形成された第1係止部としての係止突部41aにはめ込まれている。一方、コイルスプリング42の他端は、前記貫通ネジ孔40aに螺合されたバネ圧調整ネジ43の内端面に支持されている。バネ圧調整ネジ43の内端面には第2係止部としての係止突部43aが形成され、この係止突部43aはコイルスプリング42の他端にはめ込まれている。係止突部43aにより、コイルスプリング42の他端がバネ圧調整ネジ43に固定されている。各バネ圧調整ネジ43を進退させることにより、各コイルスプリング42の弾性力をそれぞれ調整できるようになっている。なお、複数の弾性体、つまり複数のコイルスプリング42から軽減化手段と原点位置復帰手段とが構成されている。本実施形態においては、複数のコイルスプリング42は、軽減化手段と原点位置復帰手段とを兼用するものである。
【0030】
次に、上記のように構成された倣い装置Fを用いて対象物としてのワークを搬送するには次のように行う。
ワークWを吸着する前において、ポート13からエア通路13aを介して加圧エアが供給され、環状多孔質材12の表面全体から揺動体20の上面に向けて加圧エアが噴出される。これにより、揺動体20は環状多孔質材12から離間する。それと同時に、真空引きポート18からエア通路18aを介してエアが吸引され、環状溝17内は負圧になる。そして、揺動体20の中央部付近には凹状半球面12aへの吸引力が働き、同揺動体20は固定ブロック11に引き寄せられる。よって、環状多孔質材12の凹状半球面12aから揺動体20が離れる力と、揺動体20が環状多孔質材12側に引き寄せられる力とが釣り合うことにより、揺動体20は環状多孔質材12に対して非接触な状態で回動可能に支持される。
【0031】
各エア供給チューブ36aによって送られる加圧エアは、一方のエア供給口36(図1の左側)から直接一方のエア導入口29に流れるとともに、流路35及び他方のエア供給口(図1の右側)36を介して他方のエア導入口29に流れる。そして、各エア供給口36からエア通路30にエアが供給される。このとき、供給される加圧エアは全てエア導入口29に導入されるのではなく、各第1多孔質材28と固定ケーシング26の内側面との間から若干量漏れる。この漏れた加圧エアは、固定ケーシング26に形成した図示しない排気ポートを介して外部に排出される。
【0032】
各エア供給口36からエア通路30を介して加圧エアが供給されると、各第1多孔質材28の表面全体から固定ケーシング26のX軸方向内側面に向けて加圧エアが噴出される。すると、X軸方向における固定ケーシング26と可動ケーシング27との間に静圧が生じる。そして、固定ケーシング26に対して、可動ケーシング27がY軸及びZ軸方向に沿って滑らかに移動できるようになる。
又、X軸方向における固定ケーシング26と可動ケーシング27との間に生じる静圧によって、固定ケーシング26と可動ケーシング27とは非接触になる。この状態で、各エア供給口36から各エア導入口29に加圧エアが供給され続ける。
【0033】
それとともに、第2多孔質材38の表面全体から可動ブロック37のY軸方向内側面に向けて加圧エアが噴出される。すると、Y軸方向における可動ケーシング27と可動ブロック37との間に静圧が生じる。そして、可動ケーシング27に対して、可動ブロック37がX軸及びZ軸方向に沿って滑らかに移動できるようになる。
【0034】
ここで、図4(a)に示すように、装置基台10と揺動体20との界面に摩擦がないのに加え、揺動体20の重心Gは、その回動中心Cよりも上方に位置している。そのため、揺動体20の姿勢バランスが悪く、揺動体20及び吸着ホルダ21の自重により傾動しやすい。揺動体20がX軸方向に沿って傾動すると、可動ブロック37が傾動する側のコイルスプリング(図4(a)では右側にあるスプリング)42の弾性力により、可動ブロック37が傾動前の位置に押し戻される。それとともに、揺動体20が傾動する側とは反対側にあるコイルスプリング42(図4(a)では左側にあるスプリング)の弾性力により、揺動体20が傾動前の位置に引き戻される。
【0035】
従って、コイルスプリング42の弾性力により、揺動体20は、その重心Gと中心軸Zとが一致した状態に保持される。要するに、倣い動作が行われていないとき、揺動体20は揺れることなく安定した状態で固定ブロック11の中央部に保持される。又、揺動体20がY軸方向に傾動した場合についても同様に、Y軸方向にあるコイルスプリング42の弾性力により、揺動体20は安定した状態で固定ブロック11の中央部に保持される。
【0036】
次いで、倣い装置F全体が下降してワークWに接近すると、吸着ホルダ21のワーク当接面21bがワークWに当接する。すると、ワークWの上面(特定面)がY軸方向に沿って傾斜していれば、その傾きに追従するように揺動体20はX軸周りに回動する。これは、固定ケーシング26に対して可動ケーシング27がY軸及びZ軸方向のみの移動が許容されているからである。
【0037】
これに対して、ワークWの上面がX軸方向に沿って傾斜していれば、その傾斜角度に追従するように、揺動体20はY軸周りに回動する。これは、可動ケーシング27に対して可動ブロック37がX軸及びZ軸方向のみの移動が許容されているからである。以上のように、揺動体20はZ軸周りに回動することなく、吸着ホルダ21のワーク当接面21bがワークWに対し平行となるように倣う。
【0038】
この倣い状態においては、図4(b)に示すように、揺動体20及び吸着ホルダ21が回動する方向に、それらの自重による回転モーメントMが作用する。このとき、揺動体20が回動する側のコイルスプリング(図4(b)では右側にあるスプリング)42の弾性力により、揺動体20は装置基台10の中央部(反回動側)に押し戻されようとする。それとともに、揺動体20が回動する側とは反対側のコイルスプリング(図4(b)では左側にあるスプリング)42の弾性力により、揺動体20は装置基台10の中央部側に引き戻されようとする。これにより、X軸方向の回転モーメントMは軽減される。
【0039】
又、揺動体20がY軸方向に回動した場合についてもX軸方向に回動する場合と同様に、回転モーメントMはY軸方向にあるコイルスプリング42の弾性力によって軽減される。以上説明したように、X軸方向及びY軸方向における回転モーメントMの軽減により、ワークWにかかる偏荷重mgを軽減することが可能になる。ちなみに、偏荷重mgは、理論上ゼロにすることが可能である。
【0040】
なお、ワークWの上面の傾斜角度θ、揺動体20及び吸着ホルダ21の重量、揺動体20及び吸着ホルダ21の軸線方向の長さに比例して、回転モーメントMは大きくなる。同様に、コイルスプリング42の弾性力も、ワークWの上面の傾斜角度θに比例して大きくなる。
【0041】
又、ワークWにかかる偏荷重mgをいっそう少なくするために、揺動体20の姿勢バランスを調整する必要がある。この調整方法として、コイルスプリング42のバネ荷重を変更する。すなわち、コイルスプリング42のバネ荷重を変更するには、バネ圧調整ネジ43を進退させる。具体的にいえば、コイルスプリング42のバネ荷重を大きくするには、バネ圧調整ネジ43を螺入する。これに対して、コイルスプリング42のバネ荷重を小さくするには、バネ圧調整ネジ43を螺退する。
【0042】
倣い動作が終了した後は、ポート13への加圧エアの供給が停止されて、環状多孔質材12の表面から加圧エアの噴出が停止される。これに対して、真空引きポート18からエアの真空引きは継続される。そのため、環状多孔質材12から揺動体20を離そうとする力はゼロになり、揺動体20を環状多孔質材12に引き寄せようとする力のみが働くことになる。これにより、揺動体20は装置基台10に押圧される。従って、揺動体20が回動不能に固定されるため、吸着ホルダ21は倣った状態に保持される。
【0043】
この状態で、吸着ホルダ21に設けられたポート22からエア通路23を介してエアが真空引きされると、吸着ホルダ21のワーク当接面21bにワークWが吸着される。そして、倣い装置F全体が上昇され、ワークWが所定の位置まで搬送されたら、倣い装置Fが下降する。その後、ポート22からからエアの真空引きを停止し、吸着ホルダ21からワークWを離す。
【0044】
又、揺動体20の回動中心C、すなわち凸状半球面20aの曲率中心は、吸着ホルダ21のワーク当接面(倣い面)21bに一致していることが高精度な倣いをする上で望ましい。しかしながら、加工精度の誤差により、揺動体20の回動中心Cが吸着ホルダ21のワーク当接面21bに一致しない場合がある。この場合には、上述したように揺動体20に対して適正な長さの吸着ホルダ21を付け替える。
【0045】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)揺動体20をワークWの特定面に当接させると、揺動体20は特定面の傾きに倣って回動する。これにより、揺動体20の当接面と、ワークWの特定面とが互いに平行になる。このとき、回り止め装置25により揺動体20はZ軸周りの回動が規制されることから、高精度な倣いを行うことが可能になる。
【0046】
(2)揺動体20が回動することに伴い、揺動体20の自重による偏荷重がワークWにかかろうとするが、コイルスプリング42の弾性力によってワークWにかかる偏荷重を軽減できる。従って、ワークWが例えばガラス基板のように脆性材からなるものである場合には、ワークWの破損を防止することができる。
【0047】
(3)コイルスプリング42は、回り止め装置25よりも構造が簡単な倣い装置本体19に配置されているため、倣い装置Fが設計し易くなるとともに、倣い装置F全体の構造が複雑にならない。従って、倣い装置Fの組み付け作業が容易となり、低コスト化を図ることができる。又、既存の倣い装置Fにコイルスプリング42を装着することも容易になる。
【0048】
(4)コイルスプリング42は、複数個設けられているため、揺動体20に対して十分な弾性力を付与することができる。従って、揺動体20がワークWから離れたときに、揺動体20を原点位置、装置基台10の中央部に速やかに復帰させることができる。
【0049】
(5)複数のコイルスプリング42は、同一円周上に等間隔に配置されているため、揺動体20に対して常に均等な弾性力を付与することができる。従って、揺動体20が任意の方向に回動しても、偏荷重を確実に軽減することができる。
【0050】
(6)汎用性があり且つ低コストなコイルスプリング42を用いてワークWにかかる偏荷重を軽減するため、倣い装置Fの構造をいっそう簡単にすることができる。
【0051】
(7)X軸方向における固定ケーシング26と可動ケーシング27との界面に、静圧をもたらす加圧エアを供給するための第1多孔質材28が設けられている。そして、第1多孔質材28には、エア供給口36から噴出される加圧エアをエア通路30に導入するエア導入口29が設けられている。そのため、X軸方向における固定ケーシング26と可動ケーシング27との間に生じる静圧によって、各エア供給口36と各エア導入口29とが非接触状態をとりながら、加圧エアをエア通路30に供給することができる。従って、エア供給チューブ36aを可動ケーシング27に取り付けてエア通路30に加圧エアを供給する場合に比較して、エア供給チューブ36aによるテンションの影響を可動ケーシング27が受けることはない。この結果、倣い精度を向上させることができる。
【0052】
(8)固定ケーシング26の両側にエア供給口36が形成されているため、可動ケーシング27の両側からエア通路30に加圧エアが供給される。従って、各第1多孔質材28から噴出するエア圧を均一にすることができる。
【0053】
(9)第1多孔質材28によって、エア供給口36及びエア導入口29を非接触状態にしてエア通路30に加圧エアを供給することと、静圧を生じさせて可動ケーシング27の動きを滑らかにすることとを兼ねている。従って、部品点数を減らすことができるので、回り止め装置25の構造を簡単にでき、製造コストをいっそう低減することができる。
【0054】
(10)揺動体20に対して吸着ホルダ21が着脱可能になっている。そのため、長さの異なる吸着ホルダ21を複数種類用意しておき、その中から適正な長さの吸着ホルダ21を選出して取り付けることができる。これにより、揺動体20の姿勢バランスを調整することができる。しかも、吸着ホルダ21の長さを変えることができるので、回動中心Cをワーク当接面21bに一致させることができる。この結果、正確な倣いを行うことができる。
【0055】
(11)複数のコイルスプリング42には、揺動体20がワークに当接したときに揺動体20による偏荷重がワークに対してかかるのを軽減する機能と、揺動体20がワークに当接していないときに揺動体20を固定ブロック11の中央に戻す機能とがある。要するに、複数のコイルスプリング42は、軽減化手段と原点位置復帰手段とを兼用している。そのため、部品点数が多くなるのを防止でき、倣い装置Fの構造が複雑化するのを防止できる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0057】
さて、この第2の実施形態では、図5,図6に示すように、揺動体20の外周面には平行ピン51が複数(本実施形態では4つ)突設されている。各平行ピン51は、バネ支持アーム40と対峙するように配置されている。各平行ピン51の先端部は、バネ支持アーム40に形成された係合部としての貫通孔52に遊挿されている。この遊挿により、揺動体20はZ軸周りに±1゜の範囲で回動が許容される。別の言い方をすれば、Z軸周りに±1゜を越える範囲では揺動体20の回動が規制される。従って、本実施形態では、これらの平行ピン51により、簡易的な回り止め手段が構成されている。
【0058】
各平行ピン51には、コイルスプリング42がそれぞれ外挿されている。各コイルスプリング42の一端は、各バネ支持アーム40の先端部に形成されたバネ係合段部53に挿入係止されている。これに対し、コイルスプリング42の他端は、揺動体20において、平行ピンの周囲に位置する箇所に形成された別のバネ係合段部54に挿入係止されている。各コイルスプリング42の両端部外周は、それぞれの係合段部53,54の内周面に当接されている。そして、Y軸方向にあるコイルスプリング42が弾性的に曲げ変形されることにより、揺動体20はX軸周りに回動する。又、X軸方向にあるコイルスプリング42が弾性的に曲げ変形されることにより、揺動体20はY軸周りに回動する。
【0059】
従って、本実施形態においても第1実施形態と同じように、軽減化手段を構成する弾性体としてのコイルスプリング42は、倣い装置本体19に配置されている。よって、コイルスプリング42の組み付け作業が簡単になる。バネ支持アーム40に設けられた貫通孔52には、揺動体20から突設された平行ピン51が遊挿されている。このような簡単な構成によって、揺動体20がZ軸周りに回動するのを規制することができるため、回り止め装置の低コスト化を図ることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、前記吸着ホルダ21に代えて揺動体20には、ツール55が設けられている。このツール55とは対象物としてのガラス基板に半導体チップを圧着するものである。
【0061】
(第3実施形態)
図7,図8に示すように、倣い装置本体19には4組の弾性体が同一円周上において等間隔に設けられ、各弾性体は2つのコイルスプリング42から構成されている。各弾性体を構成する2つのコイルスプリング42は、平行ピン51の両側において、所定の距離をおいて配置されている。各コイルスプリング42の一端は、各バネ支持アーム40の先端部に形成されたバネ収容凹部61に挿入係止されている。一方、各コイルスプリング42の他端は、揺動体20の外周面に形成された別のバネ収容凹部62に挿入係止されている。
【0062】
各コイルスプリング42の両端部外周は、それぞれのバネ収容凹部61,62の内周面に当接されている。そして、Y軸方向にあるコイルスプリング42が弾性的に曲げ変形されることにより、揺動体20はX軸周りに回動する。又、X軸方向にあるコイルスプリング42が弾性的に曲げ変形されることにより、揺動体20はY軸周りに回動する。
【0063】
従って、本実施形態においては、弾性体を構成する2つのコイルスプリング42の間には、平行ピン51が配置されている。そのため、コイルスプリング42を取り付けるために、バネ支持アーム40に形成された貫通孔52の形状が複雑にならない。そのため、貫通孔52の切削加工コストを低減することができ、更なる低コスト化を図ることができる。
【0064】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 固定ブロック11のX軸方向側面及びY軸方向側面に、上下方向に沿って延び、かつ先端部が揺動体20の外周面に対峙する複数の流体吹き出しアームを設け、そのアームの先端部にエア等の流体が吹き出る流体吹出し口を設けてもよい。そして、流体吹出し口から噴出される流体の流体圧を、揺動体20を装置基台10の中央部に戻す力としてもよい。又、この構成を採用した場合には、流体圧を常に一定にすることは勿論、揺動体20の回動角度を検出するセンサを設け、そのセンサからの検出信号に基づいて流体圧を可変制御してもよい。
【0065】
・ 前記実施形態では、揺動体20を装置基台10の中央部に引き寄せるために、コイルスプリング42を用いた。コイルスプリング42に代えて、例えばゴムや合成樹脂等からなる弾性体、或いは磁石等に変更してもよい。
【0066】
・ 前記実施形態では、固定ブロック11に環状多孔質材12が設けられている。これ以外にも揺動体20に環状多孔質材12を設けてもよい。又、固定ブロック11と揺動体20の両方に、環状多孔質材12を対峙するように設けてもよい。
【0067】
・ 前記実施形態では、1つ又は2つのコイルスプリング42から弾性体を構成したが、3つ以上のコイルスプリング42から弾性体を構成してもよい。
・ 前記第2及び第3実施形態に示す貫通孔52と平行ピン51との位置関係を変更してもよい。すなわち、バネ支持アーム40に平行ピン51を突設し、その平行ピン51に対応する揺動体20の外周面に、同平行ピン51を遊挿するための孔を設けてもよい。
【0068】
・ 前記各実施形態において、複数のコイルスプリング42をX軸方向又はY軸方向において対峙するように配置した。この構成以外にも、例えば、コイルスプリング42の数を奇数(5つ)にして、それを同一円周上に等間隔に配置すれば、各コイルスプリング42を対峙させることなく、揺動体20を装置基台10の中央部に戻す力を均等に付与することができる。
【0069】
・ 前記各実施形態では、コイルスプリング42の他端のみをバネ支持アーム40に固定した。この構成以外に、コイルスプリング42の一端のみを揺動体20に固定してもよい。
【0070】
・ 前記実施形態では、固定ブロック11側に凹状半球面12aを設け、揺動体20側に凸状半球面20aを設けたが、この関係を逆にしてもよい。すなわち、固定ブロック11側に凸状半球面を設け、その凸状半球面に係合する凹状半球面を揺動体20側に設けてもよい。
【0071】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
(1) 前記各弾性体は前記他方の部材の中心線に対して直交する線上に対峙するように配置されている倣い装置。
【0072】
(2) 前記第1部材及び第2部材のうち少なくともいずれか一方には、凹状半球面と凸状半球面との間に加圧エアを噴出する多孔質材が設けられ、この多孔質材から噴出される加圧エアにより前記第1部材と第2部材とが非接触な状態をとり得る倣い装置。この構成にすれば、第1及び第2部材との間に加圧流体が噴出されるため、その加圧流体のもたらす静圧が両部材の間に作用する。これにより、両部材は非接触となるため、両部材間に摺動抵抗がほとんど作用しない。よって、両部材のうちいずれかを回動させて、当接面を対象物の特定面に対して平行にすることが可能になる。
【0073】
(3) 前記回り止め手段は、前記第1及び第2部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材に設けられた係合部と、他方の部材に設けられるとともに前記係合部に遊挿される平行ピンと、から構成されている倣い装置。この構成にすれば、簡単な構成にも拘わらず、第1及び第2部材のうち対象物に当接する一方の部材の回動を規制することができる。
【0074】
(4) 前記第1及び第2部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材の側面には前記コイルバネの一端部を係合する第1係止部が設けられ、他方の部材に設けられたバネ支持部材には、前記コイルバネの他端部を係合する第2係止部が設けられている倣い装置。この構成にすれば、バネの組み付けを簡単に行うことができる。
【0075】
(5) 凹状半球面を有する第1部材と、凸状半球面を有する第2部材とを相対回動可能に設け、対象物の特定面に前記両部材のうちいずれか1つを当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置において、前記第1及び第2部材のうち一方の部材が前記対象物に当接したときに、一方の部材により前記対象物にかかる偏荷重を軽減する軽減化手段を設けたことを特徴とする倣い装置。
【0076】
(6) 凹状半球面を有する第1部材と、凸状半球面を有する第2部材とを相対回動可能に設け、対象物の特定面に前記両部材のうちいずれか1つを当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置において、前記第1及び第2部材のうち前記対象物に当接する一方の部材が前記当接面に対して直交する軸線周りに回動するのを規制する回り止め手段を設け、前記一方の部材が前記対象物に当接したときに、一方の部材により前記対象物にかかる偏荷重を軽減する軽減化手段を設け、その軽減化手段を前記回り止め手段を除く箇所に配置したことを特徴とする倣い装置。
【0077】
(7) 前記軽減化手段は、前記両部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材を倣い装置本体に戻す力を付与する複数の弾性体から構成されている倣い装置。
【0078】
(8) 前記軽減化手段は、前記原点位置復帰手段を兼ねている倣い装置。この構成にすれば、倣い装置の構造を簡単にすることができる。
【0079】
(9) 前記軽減化手段は、前記両部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材を倣い装置本体の中央に戻す力を付与する複数の弾性体から構成され、各弾性体は同一円周上に等間隔に配置されていることを特徴とする。軽減化手段を構成する弾性体が複数設けられ、しかもその弾性体は、同一円周上に等間隔に配置されている。このことから、前記第1部材及び第2部材のうち対象物の特定面に対して当接する一方の部材が対象物から離れたとき、一方の部材が対象物に当接していないときの原点位置、すなわち他方の部材の中央部に、一方の部材を迅速且つ正確に復帰させやすい。一方の部材を迅速に原点位置に復帰させることのできる理由としては、複数の弾性体があることから十分な弾性力を得ることができるからである。又、一方の部材を正確に原点位置に復帰させることのできる理由としては、各弾性体が同一円周上に均等配置されていることから、一方の部材に対して弾性力を均一に付与できるからである。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、構造を簡単にすることにより、組み立て易さを向上することができ、低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における倣い装置の断面図。
【図2】図1の2−2断面図。
【図3】図1の3−3断面図。
【図4】(a)はバランス状態における倣い装置の説明図、(b)は倣った状態における倣い装置の説明図。
【図5】第2実施形態における倣い装置の断面図。
【図6】図5の6−6断面図。
【図7】第3実施形態における倣い装置の断面図。
【図8】図7の8−8断面図。
【符号の説明】
10…装置基台(第1部材、他方の部材)、12a…凹状半球面、19…倣い装置本体、20…揺動体(第2部材、一方の部材)、20a…凸状半球面、25…回り止め装置(回り止め手段)、42…コイルスプリング(弾性体、軽減化手段、原点位置復帰手段)、mg…偏荷重、W…ワーク(対象物)。
Claims (2)
- 凹状半球面を有する第1部材と、その第1部材に対し相対回動可能であり且つ凸状半球面を有する第2部材とから倣い装置本体を構成し、対象物の特定面に前記両部材のうちいずれか1つを当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置において、
前記第1及び第2部材のうち前記対象物に当接する一方の部材が前記当接面に対して直交する軸線周りに回動するのを規制する回り止め手段と、前記一方の部材が前記対象物に当接したときに、一方の部材により前記対象物にかかる偏荷重を軽減する軽減化手段と、前記一方の部材が前記対象物に当接していないときには、前記一方の部材を他方の部材の中央に戻す原点位置復帰手段とを備え、
前記軽減化手段は、前記両部材のうち対象物の特定面に当接する一方の部材を倣い装置本体の中央に戻す力を付与する複数の弾性体から構成され、各弾性体は水平方向において対峙するように前記倣い装置本体に配置されていることを特徴とする倣い装置。 - 前記弾性体はコイルスプリングであって、そのコイルスプリングの一端は、前記第1部材側及び第2部材側のうちいずれか一方に固定されている請求項1に記載の倣い装置。
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