JP4081247B2 - 倣い装置及び倣い装置における倣い状態保持方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、倣い装置及び倣い装置における倣い状態保持方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、倣い装置は、凹状半球面を有する装置基台と、凸状半球面を有する倣い部材としての揺動体を備えている。装置基台の凹状半球面と揺動体の凸状半球面とは同じ曲率半径に設定されている。そして、揺動体は、両半球面が重なり合うように装置基台に組み付けられ、凹状半球面に沿って回動するようになっている。
【0003】
この種の倣い装置は、基準ステージの上面に対し揺動体の当接面を当てると、基準ステージの上面に沿って揺動体が回動し、その当接面は基準ステージの上面と平行になる。すなわち、揺動体が基準ステージに対して倣うこととなる。次いで、装置基台の凹状半球面と揺動体の凸状半球面との界面にエアによる吸引力を生じさせ、装置基台に揺動体を吸着させている。この吸着により揺動体をロックさせることで、その倣い状態を保持している。そして、その状態を保持しながら揺動体を基準ステージから一旦離間させる。基準ステージ上にワークを載置した後、倣わせた状態にある揺動体を基準ステージ上にあるワークに接近させ、そのワークを揺動体によって押さえ付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の倣い装置においては、エアによる吸引では揺動体を倣わせた状態にロックする保持力に限界がある。具体的に言うと、エア圧の上限が約−100kPaである。そのため、基準ステージから倣い装置を離間させた後の移動経路上で慣性力もしくは外力により揺動体が位置ずれするおそれがある。又、揺動体のロック保持力を上げるために、揺動体及び基台の外寸を大きくし、凸状半球面及び凹状半球面の面積を大きくすることが考えられる。しかし、倣い装置全体が大型化することとなり、その設置スペースを確保するのに困難をきたす。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、アクチュエータによる強いロック保持力でもって倣い部材を倣わせた状態にロックすることが可能な倣い装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設け、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせる倣い装置において、前記倣い部材と係合する保持部材と、前記保持部材と係合するとともに、該保持部材を介して前記倣い部材を前記装置基台方向へ押圧するアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、前記保持部材又は前記装置基台に倣い部材を押し付けて回動不能にロックするロック位置、及び押し付けずにロック解除するロック解除位置をとり得るものであって、前記保持部材は、前記倣い部材と前記アクチュエータとのうちいずれか一方の部材と球面軸受けを介して係合するとともに、前記アクチュエータがロック解除位置からロック位置に移動するとき、前記球面軸受けは、該記球面軸受けと係合する前記保持部材、前記倣い部材又は前記アクチュエータの係合面の傾きに合わせて前記球面軸受けの係合面が平行となるように傾動しつつ、前記保持部材、前記倣い部材又は前記アクチュエータに当接して係合することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の倣い装置において、前記アクチュエータは、流体の圧力を受けて変位可能であり、前記保持部材の一端は、前記倣い部材と前記アクチュエータとのうち前記球面軸受けを介して係合していない一方の部材に固定されているとともに、保持部材の他端は、アクチュエータがロック解除位置に移動したときに他方の部材に対して離間可能であることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の倣い装置において、前記アクチュエータは、前記対象物に対して前記倣い部材を倣わせた状態で、前記装置基台に対して前記倣い部材を次第に強い押し付け力でロックすることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の倣い装置において、前記球面軸受けの中心は、同球面軸受けと、前記保持部材又は前記アクチュエータ又は倣い部材との係合面を含む面上に存在することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の倣い装置において、前記アクチュエータは流体の圧力を受けて変位する可撓性部材を備え、その可撓性部材の変位に伴いアクチュエータが移動することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明では、互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設けた倣い装置であって、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせた後、前記倣い部材を回動不能にロックするようにした倣い状態保持方法において、前記対象物に対して倣い部材を倣わせた状態で、装置基台に倣い部材を所定の力で押し付けて仮ロックし、その後、仮ロックするときの力よりも強い力で倣い部材を本ロックするようにし、前記仮ロック又は本ロックするときの力を、球面軸受けを介して前記倣い部材に伝達し、前記球面軸受けは、前記仮ロック又は本ロックのとき、前記倣い部材の回動に応じて傾動することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の倣い装置における倣い状態保持方法において、前記装置基台と倣い部材との界面に流体圧による静圧を生じさせることにより、対象物に対して倣い部材を倣わせ、その倣い部材を仮ロックするときに前記静圧を徐々に小さくすることを要旨とする。
【0014】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、アクチュエータがロック解除位置に移動すると、装置基台に対して倣い部材は回動可能となる。そして、倣い部材を対象物に当接すると、倣い部材の当接面は対象物の特定面に沿って平行となるように倣う。この状態で、アクチュエータがロック位置に移動されると、保持部材によって装置基台に倣い部材が押し付けられ、倣い部材は回動不能にロックされる。この結果、倣い部材はその当接面が対象物の特定面と平行な状態で強力にロックされる。
また、倣い部材が対象物に対し倣う場合に、保持部材の中心線と倣い部材又はアクチュエータの中心線とがずれていても、その中心線がずれている分だけ、球面軸受けは傾動した状態で前記保持部材又は倣い部材又はアクチュエータに当たる。従って、前記保持部材又は倣い部材又はアクチュエータに対する球面軸受けの片当たりがなくなり、倣い部材を安定した状態でロックすることが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によると、アクチュエータがロック位置からロック解除位置に移動すると、保持部材の一端は他方の部材から離間する。つまり、保持部材の他端と他方の部材とは接触していないことから、倣い部材は滑らかに回動することとなる。この結果、倣い部材の倣い精度が向上する。
【0016】
請求項3に記載の発明によると、ロック時において、倣い部材が装置基板にソフトに当たるので、倣い部材に対する衝撃を低減することができる。従って、位置ずれするのを防止できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によると、前記球面軸受けの中心は、同球面軸受けと、アクチュエータ又は倣い部材との係合面を含む面上に存在している。このことから、球面軸受けは、その片当たりが確実に防止され、倣い部材を安定した状態で保持することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によると、流体の圧力によって可撓性部材が変形すると、その変形によってアクチュエータがロック位置とロック解除位置との間を移動する。従って、アクチュエータをリジッドなピストン等とした場合と比較すると、厚みが薄いことからアクチュエータの小型化を図ることができる。しかも、可撓性部材はシリンダチューブに対し摺動部分がないことから作動音が静かである。
【0021】
請求項6に記載の発明によると、倣い部材を対象物に当接すると、その当接面は対象物の特定面に対し平行となるように倣う。この倣い状態で、装置基台に対し倣い部材を弱い力で押し付け、倣い部材が回動不能となるように仮ロックする。その後、仮ロックするときの力よりも強い力で倣い部材を本ロックする。こうした方法を採用することにより、倣い部材は急激にロックされなくなるので、倣った状態にある倣い部材を位置ずれさせることなく確実にロックすることが可能になる。この結果、高精度な倣いを実現することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、装置基台と倣い部材との界面の静圧によって、装置基台に対する倣い部材の摩擦力が極めて低くなり、その状態で倣い部材が対象物に対して倣う。その後、倣い部材を仮ロックするとき、静圧を徐々に小さくすると、倣い部材は装置基台に対しゆっくり接近する。そのため、倣い部材はほとんど位置ずれすることなく仮ロックされることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、倣い装置Fの上下(鉛直)方向をZ軸方向とし、このZ軸方向に対して直交し、かつ同一水平面上において互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とする。
【0024】
図1〜図3に示すように、倣い装置Fは、装置基台10を備えている。この装置基台10は、固定ブロック11と、その下面に設けられた凹状半球面12aを有する環状多孔質材12とから構成されている。なお、倣い装置Fは、図示しない搬送機構によってZ軸方向に沿って往復移動可能になっている。
【0025】
環状多孔質材12の形成材料としては、例えば焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料を使用することができる。その他にも、焼結三ふっ化樹脂、焼結四ふっ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等のような合成樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックス等が使用可能である。
【0026】
固定ブロック11の下面には、環状多孔質材12の裏面において開口された環状のエア給排溝14が形成されている。このエア給排溝14は、エア通路15を介して固定ブロック11に設けられたエア給排ポートB(図1参照)に連通されている。そして、図示しない圧力供給源から加圧流体としての加圧エアがエア給排ポートBに供給されると、エア給排溝14を介して環状多孔質材12の凹状半球面12a全体から噴出される。反対に、エア給排ポートBからエアが吸引されると、環状多孔質材12の凹状半球面12a全体からエアが吸引される。
【0027】
環状多孔質材12の凹状半球面12aから噴出したエアは、環状多孔質材12の外周縁及び中央部から排出される。特に、環状多孔質材12の中央部から排出されるエアについては、固定ブロック11の外部へ排出されにくい。エアの排出をスムーズに行うために、固定ブロック11には、その内部に通じる排気ポートEがエア排気通路16を介して設けられている。よって、環状多孔質材12の中央部から排出されるエアは、エア排気通路16を介して固定ブロック11に設けられた排気ポートEから外部に排出される。
【0028】
環状多孔質材12において凹状半球面12aの外周縁に位置する箇所には、環状のエア吸引溝17が形成されている。エア吸引溝17は、エア吸引通路17aを介して固定ブロック11に設けられた真空引きポートV(図1参照)に連通されている。そして、図示しない吸引ポンプにより真空引きポートVからエアが吸引されると、エア吸引溝17の開口部からエアが吸引される。
【0029】
装置基台10において環状多孔質材12の凹状半球面12aと対峙する箇所には、金属製の揺動体20が設けられている。揺動体20の上面には、凸状半球面20aが形成され、この凸状半球面20aの曲率半径は、前記凹状半球面12aの曲率半径と同じになっている。よって、揺動体20の凸状半球面20aが環状多孔質材12の凹状半球面12aに重なり合うように係合され、揺動体20は凹状半球面12aに沿って回動する。
【0030】
揺動体20の中央部下面には、対象物である基準ステージSの上面(特定面)に倣わせるためのツール21が突設されている。本実施形態では、揺動体20とツール21から倣い部材が構成されている。
【0031】
図3に示す符号rは、凸状半球面20a及び凹状半球面12aの曲率半径を示し、その曲率中心はツール21の先端面21aにある。本実施形態では、ツール21の先端面(当接面)21aに揺動体20の回転中心Cが存在している。ちなみに、X軸又はY軸周りに揺動体20が振れる最大角度(最大倣い角度)θは、図5(a),(b)に示す平常時のバランス状態を0゜とした場合に、±0.5゜の範囲に設定されている。ここでいうバランス状態とは、保持部材としてのロッド53(又は環状多孔質材12)の中心線L2に対し、揺動体20の中心線L1が一致していることをいう。よって、ロッド53の中心線L2に対して揺動体20の中心線L1がずれている角度θが倣い角度となる。
【0032】
固定ブロック11の中央部には、ネジ24によってホルダ23が取り付けられ、その下端部には揺動体20の落下防止手段としてのマグネット22が取り付けられている。マグネット22は、その磁力によって金属製の揺動体20が微妙に位置ずれするのを防止する役割を果たす。従って、極めて小さい荷重を受けて動作する揺動体20であっても、倣わせた状態に確実に保持することが可能である。
【0033】
図3に示すように、固定ブロック11の上部には、ダイヤフラムシリンダ40が設けられている。このダイヤフラムシリンダ40は、下面が開口しているシリンダチューブ41を備えており、そのシリンダチューブ41はその下部開口部を塞ぐようにして固定ブロック11の上面に取り付けられている。シリンダチューブ41の内部空間には、固定ブロック11とシリンダチューブ41とによって挟持された可撓性部材としてのダイヤフラム43が収容されている。ダイヤフラム43は、円形状に形成され、ゴム製であって可撓性を有している。ダイヤフラム43の形成材料としては、合成樹脂やステンレス等の金属に変更することが可能である。
【0034】
ダイヤフラム43の存在により、シリンダチューブ41の内部空間は2つの圧力作用室44,45に区画されている。上部圧力作用室44には、図1に示す上部エア給排ポートNを介してエアが給排される。一方、下部圧力作用室45には、図1に示す下部エア給排ポートRを介してエアが給排される。
【0035】
ダイヤフラム43の中央部上面には、それが必要以上に変形するのを規制するストッパ50が設けられている。このストッパ50の下面に突設されたロッド取付突部50aはダイヤフラム43に貫通され、そのロッド取付突部50aにはワッシャ49がはめ込まれている。これにより、ダイヤフラム43の中央部には、ストッパ50とワッシャ49とが固定されている。本実施形態では、ダイヤフラム43、ワッシャ49及びストッパ50からアクチュエータが構成されている。
【0036】
ストッパ50に形成されたロッド取付突部50aには、ロッド53の上端部(基端部)が螺合して取り付けられている。つまり、ロッド53の上端部はストッパ50及びワッシャ49を介してダイヤフラム43に固定されている。そして、それぞれの圧力作用室44,45に供給されるエアの圧力によりダイヤフラム43が変形することに伴い、ロッド53はZ軸方向に沿って移動するようになっている。具体的に言うと、図4に示すように、上部圧力作用室44にエアが供給されると、ダイヤフラム43は下側に曲げられ、ロッド53は下降して図3に示すロック解除位置に移動する。これに対して、下部圧力作用室45にエアが供給されると、ダイヤフラム43は上側に曲げられ、ロッド53は上昇して図4に示すロック位置に移動する。ちなみに、ロッド53のストロークは、約1mmに設定されている。
【0037】
前記ロッド53の上端部外周において、ホルダ23に形成されたバネ収容凹部23aには、弾性力付与部材としての圧縮バネ51が設けられている。圧縮バネ51は複数個設けられ、それらは同一円周上に等間隔をおいて配置されている。そして、圧縮バネ51の上端は、前記ワッシャ49の下面に当接されており、圧縮バネ51の弾性力によってロッド53は常に上方へ押圧されている。
【0038】
ロッド53は、ベアリング54を介して前記ホルダ23に摺動可能に支持されている。ロッド53の下端部(先端部)は、ホルダ23の下端面から突出されており、揺動体20の中央部に形成された貫通孔56に遊挿されている。貫通孔56の径は、その上端部から下端部側へ向かって段階的(3段階)に大きくなっている。
【0039】
ロッド53の下端部には、3次元方向に自由に動く球面軸受け570が設けられている。この球面軸受け570は、ロッド53の下端部に固定され外周面が半球状に形成されたボール55と、そのボール55の外周面に沿って摺動可能な揺動リング57と、揺動リング57に一体的に設けられた係合ブロック58とから構成されている。球面軸受け570の役割により、その係合ブロック58はボール55の中心を基点として360゜の方向に傾動可能となっている。そして、球面軸受け570は、ロッド53の上下移動に伴ってそれと一体的に移動する。
【0040】
係合ブロック58の外周面下部には、環状の張出し部58aが突設されている。そして、ロッド53が上昇することにより、張出し部58aの外周縁上面は、揺動体20における貫通孔56の内周に形成された座ぐり面56aに対し押圧される。座ぐり面56aに張出し部58aの外周縁上面が押圧された状態では、揺動体20は、環状多孔質材12の凹状半球面12aに押し付けられ、回動不能にロックされる。これに対して、ロッド53が下降することにより、係合ブロック58の係合面58bは、座ぐり面56aから離れる。従って、座ぐり面56aから張出し部58aの外周縁上面が離れた状態では、揺動体20はロック解除される。
【0041】
以上のことから、本実施形態では張出し部58aの外周縁上面が、係合ブロック58の係合面58bとなっている。これより以下の説明では、係合ブロック58における張出し部58aの外周縁上面を単に係合面58bと言う。係合ブロック58の係合面58bは、同係合ブロック58の傾動中心を含む面上に存在している。
【0042】
次に、上記のように構成された倣い装置FでワークWを基準ステージSに押し付ける動作を図6(a)〜(d)に示す説明図と、図7に示すタイムチャートとに基づいて説明する。
【0043】
図6(a)に示すように、倣いを開始する前において、基準ステージSの上方に倣い装置Fが配置され、基準ステージSの上面とツール21の先端面21aとが接触されていない。この状態において、ロッド53は圧縮バネ51の弾性力でロック位置に配置されており、揺動体20は係合ブロック58の張出し部58aに支持されることとなる。そして、倣い装置Fが基準ステージSに接近されると、タイミングT1において、エア給排ポートBに加圧エアが供給され、環状多孔質材12の凹状半球面12a全体から揺動体20の凸状半球面20aに向けて加圧エアが噴出される。これにより、揺動体20と環状多孔質材12との界面に静圧がもたらされ、揺動体20は環状多孔質材12から僅かに離間する。ちなみに、環状多孔質材12と揺動体20との間の距離は、わずか数μmとなっている。
【0044】
又、タイミングT1において、上部エア給排ポートNに加圧エアが供給されると、その加圧エアはダイヤフラムシリンダ40の上部圧力作用室44内に供給される。すると、ダイヤフラム43が下側に曲げられ、ロッド53が図3に示すロック解除位置に移動する。このとき、揺動体20は、磁力と静圧のバランスにより非接触な状態にある。
【0045】
図6(b)に示すように、倣い装置Fが基準ステージSに接近すると、ツール21の先端面21aは基準ステージSの上面に当接する。そして、タイミングT2において、倣い装置Fに所定の荷重(f1)を加えて、基準ステージSの上面にツール21の先端面21aを押圧させる。この押圧力は、環状多孔質材12と揺動体20との間に生じている静圧がなくならない程度である。従って、タイミングT2において、揺動体20の凸状半球面20aと環状多孔質材12の凹状半球面12aとが非接触状態に維持される。
【0046】
そのため、揺動体20は基準ステージSの上面の傾斜に合わせて回動する。これによりツール21の先端面21aは、基準ステージSの上面に対して平行となるように倣う。具体的にいうと、基準ステージSの上面がY軸方向に沿って傾斜していれば、揺動体20はX軸周りに回動して倣う。これに対して、基準ステージSがX軸方向に沿って傾斜していれば、揺動体20はY軸周りに回動して倣う。なお、図6(a)〜(d)に示す基準ステージSの上面の傾斜角度は、説明を分かり易くするために誇張して描いてある。
【0047】
倣いが完了した後、タイミングT3において、エア給排ポートBに供給される加圧エアが徐々に減圧され最終的にゼロとなる。減圧を完了するまでの時間は数秒である。そして、タイミングT4において、加圧エアの供給が停止されると、環状多孔質材12の表面から加圧エアが噴出されなくなり、環状多孔質材12の凹状半球面12aに揺動体20の凸状半球面20aが接触する。エア給排ポートBに供給される加圧エアを徐々に減圧する理由としては、環状多孔質材12と揺動体20との間の静圧が急激になくなると、揺動体20が環状多孔質材12に急接近して位置ずれすることがあるからである。
【0048】
その後、タイミングT5において、エア給排ポートBからエアが吸引されるとともに、真空引きポートVからもエアが吸引される。すると、環状多孔質材12の凹状半球面12aの表面にエアによる吸引力が働く。つまり、揺動体20を環状多孔質材12に引き寄せようとする力が働く。これにより、装置基台10に対して揺動体20は回動不能となり仮ロックされる。従って、ツール21は、揺動体20と環状多孔質材12との間に生じる摩擦力により、基準ステージSの上面に倣った状態に一時的に保持される。ちなみに、このとき環状多孔質材12に揺動体20をエア圧によって吸着する力は、0.08N/mm2(8N/cm2)となっている。
【0049】
揺動体20の仮ロックが終了したら、タイミングT6において、上部エア給排ポートNに供給される加圧エアが徐々に減圧され最終的にゼロとなる。減圧を完了するまでの時間は数秒である。すると、圧縮バネ51の弾性力により、ロッド53が図4に示すロック位置に移動され、係合ブロック58の張出し部58aが揺動体20に形成された貫通孔56の座ぐり面56aに当接する。エア給排ポートNに供給される加圧エアを徐々に減圧する理由としては、加圧エアを急激に減圧すると、係合ブロック58が揺動体20に勢いよく当たるため、その衝撃により揺動体20が位置ずれするおそれがあるからである。
【0050】
又、タイミングT6において、下部エア給排ポートRに加圧エアが供給されると、ダイヤフラム43が上側に曲げられるのに伴い、圧縮バネ51の弾性力によって既にロック位置にあるロッド53を上方へ押圧する力が更に加わる。これにより、揺動体20に既に当接している係合ブロック58が、揺動体20に対して押圧されて本ロックされる。この結果、装置基台10に対して揺動体20は強力にロックされる。ちなみに、係合ブロック58が揺動体20に押圧することによって環状多孔質材12に対し揺動体20が押圧される力は、0.24N/mm2(24N/cm2)となる。
【0051】
従って、揺動体20と環状多孔質材12との間に生じる摩擦抵抗力により、揺動体20は、位置ずれすることなく基準ステージSの上面に倣った状態に本ロックされる。
【0052】
タイミングT7において、揺動体20を倣わせた状態に維持し、倣い装置Fを上昇させる。そして、ツール21の先端面21aが基準ステージSの上面から離れた位置で、倣い装置Fを待機させる。続いて、図6(c)に示すように、基準ステージSにワークWを載置する。その後、図6(d)に示すように、倣い装置Fを再び下降させ、ツール21の先端面21aをワークWの上面に所定の荷重(f2)で押さえ付ける。押圧するときに、ツール21が下側に強く押され、揺動体20に集中的に外力がかかっても揺動体20は位置ずれしない。これは、揺動体20が強力にロックされているからである。ツール21の先端面21aと、基準ステージSの上面は平行状態であることから、ワークW全体に均等に押圧力を付与することができる。従って、ワークWとして例えばフレキシブルプリント基板(FPC)を用いれば、それらをボンディングすることに倣い装置Fが使用される。もちろん、フレキシブルプリント基板のボンディング以外に他の分野に適用することも可能である。
【0053】
なお、タイミングT7以降の工程において、揺動体20がロックされた状態で何らかの原因により倣い装置Fの電源が突然遮断され、エア給排ポートB及び真空引きポートVに対するエアの吸引、又は下部エア給排ポートRに対するエアの加圧が停止したとする。この場合には、マグネット22の磁力及び圧縮バネ51の弾性力で揺動体20を倣わせた状態にロックすることが可能である。
【0054】
ツール21でワークWを押圧するとき、揺動体20が本ロックされた状態で、図8(a)に示す外力fが揺動体20にかかれば、揺動体20は凸状半球面20aを有していることから、揺動体20の位置がずれ易くなる。ここで、揺動体20が位置ずれしないように保持する保持力とは、外力fによって揺動体20の位置がずれないことをいい、つまり外力fの最大値(最大外力f)である。その保持力(=最大外力f)と、揺動体20の回転中心Cから外力fが作用する間の偏心距離aとの関係は、図8(b)に示すような保持力曲線で表すことができる。揺動体20の保持力曲線を境界にして下側は、揺動体20が位置ずれしない領域(斜線部分)であり、上側は揺動体20が位置ずれする領域(斜線以外の部分)である。つまり、偏心距離aが図8(b)に示す「a1」以下の位置においては、外力fにほとんど影響されることなく、揺動体20の保持力を確実に確保することができるといえる。又、揺動体20が位置ずれしないとは、図8(a)に示される荷重fをかける前後のA点のZ軸方向の変位変動が0.02μm以下をいう。
【0055】
揺動体20の凸状半球面20aと環状多孔質材12の凹状半球面12aとの界面に生じる摩擦力Fは、F=μfcos(sin-1a/r)となる。この摩擦力Fと外力fとが次式(1)から導き出される式(2)に示す関係を満たせば、揺動体20は倣い方向(X軸周り及びY軸周り)に位置ずれしなくなる。
【0056】
af<rF……(1)
f<(a/r)・F……(2)
いま、仮ロック時において、揺動体20と環状多孔質材12との間に生じる摩擦力をF1、外力fにより揺動体20が環状多孔質材12に押し付けられる力をN、揺動体20が環状多孔質材12に真空吸着される力をN1、揺動体20と環状多孔質材12との摩擦係数をμとする。これらの関係は、次式(3)のようになる。
【0057】
F1=μ(N+N1)……(3)
従って、摩擦力F1は前記式(1)に示す摩擦力Fよりも大きくなることから、揺動体20の保持力f1も大きくなる。
【0058】
又、本ロック時においては、揺動体20と環状多孔質材12との間に生じる摩擦力をF2、ダイヤフラムシリンダ40によって揺動体20が環状多孔質材12に押し付けられる力をN2とする。これらの関係は、次式(4)のようになる。
【0059】
F2=μ(N+N1+N2)……(4)
従って、摩擦力F2は、前記式(2)に示す摩擦力F1よりも大きくなることから、揺動体20の保持力f2も大きくなる。この結果、図8(b)に示すように、仮ロック時における保持力f1よりも本ロック時における保持力f2の方が大きい。なお、保持力が増大するのに伴い、揺動体20がZ軸周りに回動するのを規制する保持力も増大することとなる。
【0060】
従って、本実施形態によれば以下のような特徴がある。
(1) ダイヤフラムシリンダ40によりロッド53がロック位置に移動されることにより、装置基台10に設けられた環状多孔質材12に対し揺動体20を強力にロックすることができる。このため、基準ステージSの上面に揺動体20を倣わせた後、その揺動体20が位置ずれするのを確実に防止することができる。
【0061】
(2)環状多孔質材12の面積を大きくして揺動体20のロック保持力を大きくする必要がない。この結果、倣い装置Fが水平方向に大型化するのを防止することができ、設置する面積が小さい箇所でも倣い装置Fを配置することができる。
【0062】
(3) ロッド53がロック解除位置に配置されているとき、つまり倣いを行うときには、係合ブロック58は揺動体20から離間している。そのため、揺動体20を滑らかに回動させることができ、倣い精度を向上することができる。
【0063】
(4) ロッド53に係合ブロック58が傾動可能に取り付けられているため、座ぐり面56aの傾きに合わせて係合面58bを常に平行にすることができる。よって、揺動体20が基準ステージSに倣う場合に、揺動体20の中心線L1とロッド53の中心線L2とがずれていても、係合ブロック58はそれら中心線L1,L2がずれている分だけ傾動して揺動体20に平行に当たる。従って、揺動体20に対する係合ブロック58の片当たりがなくなり、揺動体20を安定した状態でロックできる。
【0064】
(5) 係合ブロック58は傾動可能であるため、揺動体20と係合ブロック58とが互いに接する面56a,58bをフラットな形状にすることができる。これは、例えば両面56a,58b同士が傾動可能でなく互いに重なり合うようにそれぞれを半球状に形成する場合に比べて、倣い装置Fを製造し易いメリットがあり、更には製造コストの上昇を抑えることができる。
【0065】
(6) 本ロック時において、球面軸受け570が吊り上げられ、係合ブロック58の係合面58bが揺動体20の座ぐり面56aに当接し、倣い角度θだけ傾動するときに、その係合ブロック58は滑りを生じる。その滑り時に発生する摩擦力により、係合ブロック58の位置ずれ量が大きいほど、揺動体20は倣う方向へと位置ずれることとなる。すなわち、基準ステージSに倣ったツール21の先端面21aが本ロックするときに位置ずれすることとなる。
【0066】
本実施形態では、係合ブロック58の傾動中心は、その係合面58bと同じ面上に位置している。図9に示すように、係合ブロック58が倣い角度θをもって傾動した状態で揺動体20と係合ブロックとが傾いても、揺動体20の中心部に対する位置ずれ量x1は、ほとんど無きに等しい。従って、上述した理由から、図9に示す本実施形態では、基準ステージSに対するツール21の先端面21aの平行を高精度に確保することができ、揺動体20をより高精度に保持することができる。
【0067】
これに対して、係合ブロック58の傾動中心が、その係合面58bと同じ面上にない場合に次のようになる。すなわち、図10に示すように、係合ブロック58が倣い角度θをもって傾動すれば、揺動体20の中心部に対する位置ずれ量x2は、前記位置ずれ量x1よりもかなり大きくなる。位置ずれ量が大きいほど、ダイヤフラムシリンダ40によって係合ブロック58が吊り上げられたときに、揺動体20は位置ずれし易くなる。従って、図10に示す比較例では、揺動体20を高精度に保持することができず、基準ステージSに対するツール21の先端面21aの平行が狂うことになる。
【0068】
(7) 例えば、球面軸受け570がない構造、つまりロッド53と係合ブロック58とが単に連結されているだけの構造を想定した場合、もしくは球面軸受け570があっても係合ブロック58の係合面58bが倣い角度θだけ傾動する際に係合ブロック58が滑らない場合は、係合面58bは座ぐり面56aに対し片当たりした状態となる。つまり、装置基台10に偏心荷重がかかり、圧縮歪み(極めて微小な弾性変形)が生じることにより、基準ステージSに対するツール21の先端面21aの平行が狂うこととなる。本実施形態では、偏心荷重がかかる位置に球面軸受け570が存在するので、係合面58bは座ぐり面56aに対し片当たりした状態とならない。つまり、装置基台10に偏心荷重がかかって前記圧縮ひずみを生じさせないので、基準ステージSに対するツール21の先端面21aの平行を高精度に確保することができる。ちなみに、ツール21の先端面21aの直径φが100mmであれば、平行度のずれを0.3μm以下にすることができる。
【0069】
(8) シリンダチューブ41内に収容されたダイヤフラム43を変形させることにより、ロッド53をロック位置又はロック解除位置に移動させている。ダイヤフラム43は厚みが薄いことから、ダイヤフラムシリンダ40にはそのZ軸方向の寸法を短くすることができるという特徴がある。従って、ピストンを設けたエアシリンダを用いる場合に比べて、倣い装置FのZ軸方向の寸法を小さくすることができる。
【0070】
(9) ダイヤフラム43はシリンダチューブ41の内周面と摺動する箇所がないことから作動音を小さくすることができる。更に、ダイヤフラム43に摺動抵抗がないことから、摺動抵抗を低減するための潤滑剤を使用せずに済む。従って、衛生管理の高い環境下で倣い装置Fを使用することができる。
【0071】
(10) ダイヤフラムシリンダ40に設けられたダイヤフラム43は、ゴム製であって可撓性を有している。そして、ダイヤフラム43の外周縁は、固定ブロック11とシリンダチューブ41とによって挟持されている。このことから、固定ブロック11とシリンダチューブ41との間からエアが漏れることがない。従って、ロッド53の応答性を向上することができる。それとともに、揺動体20を瞬時にロック解除することができる。更に、微圧でロッド53をロック位置に移動させることができ、ロック位置への移動が完了したときの衝撃を小さくすることができる。
【0072】
(11) ホルダ23には複数の圧縮バネ51が設けられ、この圧縮バネ51の端部がダイヤフラム43を把持するワッシャ49に当接されている。そのため、揺動体20を環状多孔質材12に押し付けるときに、シリンダチューブ41の下部圧力作用室45内に供給されるエアの圧力に加え、圧縮バネ51の弾性力によっても装置基台10に揺動体20を押し付けている。従って、揺動体20をよりいっそう強い力でもってロックすることができる。
【0073】
(12) 環状多孔質材12の凹状半球面12aに揺動体20の凸状半球面20aをエアの吸引力により吸着させ、揺動体20を仮ロックする。その後、ダイヤフラムシリンダ40によりロッド53をロック位置に移動させ、環状多孔質材12の凹状半球面12aに揺動体20の凸状半球面20aを強く押し付け、揺動体20を本ロックしている。よって、最初に弱い押し付け力で揺動体20を仮ロックした後、強い押し付け力で揺動体20を本ロックしている。これにより、揺動体20の位置ずれがほとんどなく、極めて高い倣い精度を確保することができる。
【0074】
(13) ツール21の倣いが完了した後において、エア給排ポートBに供給される加圧エアを徐々に減圧している。そのため、環状多孔質材12と揺動体20との間の静圧が次第に小さくなり、環状多孔質材12に対し揺動体20が急激に接触することがない。この結果、仮ロック時において、揺動体20が位置ずれするのを確実に防止できる。
【0075】
(13) 揺動体20が仮ロックし終えた後、上部エア給排ポートNに供給される加圧エアを徐々に減圧している。そのため、係合ブロック58が揺動体20にソフトに当たるので、揺動体20に対する衝撃を低減することができる。従って、揺動体20が位置ずれするのを確実に防止できる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0077】
図11に示すように、本実施形態の倣い装置Fは、基本的に前記第1実施形態と同じ構成である。異なる構成としては、エアシリンダ65が用いられていることである。すなわち、このエアシリンダ65のシリンダチューブ41内には、その内部空間を2つの圧力作用室44,45に区画するアクチュエータとしてのピストン66が設けられている。
【0078】
ピストン66の外周面に形成されたパッキン装着溝67内には環状のパッキン68が装着されている。そして、このパッキン68によって、ピストン66の外周面とシリンダチューブ41の内周面との間のシールが図られている。そして、上部エア給排ポートNから上部圧力作用室44内にエアが供給されることにより、ロッド53はロック解除位置に移動する。一方、下部エア給排ポートRから下部圧力作用室45内にエアが供給されることにより、ロッド53はロック位置に移動する。ロッド53の上下ストロークは、前記第1実施形態と同じとなっている。従って、この第2実施形態においても、前述した第1実施形態とほぼ同様の効果を発揮させることができる。
【0079】
(第3実施形態)
図12,図13に示すように、前記実施形態で説明したシリンダチューブ41は固定ブロック11と一体化されている。従って、本実施形態では、固定ブロック11がシリンダチューブの役割を果たしている。固定ブロック11に形成されたポートB,N,R,V,Eのうち、エア給排ポートBのみが他のポートN,R,V,Eが設けられている面とは反対側の面に配置されている。
【0080】
固定ブロック11の上部開口部には、それを塞ぐように蓋体70がCリング71によって取付固定されている。そして、装置基台10の内部に形成されたピストン収容空間には、ピストン66が往復動可能に収容されている。ピストン66の上端面に形成された複数のバネ収容凹部72には、圧縮バネ51がそれぞれ収容されている。そして、圧縮バネ51の上端は蓋体70の内端面に当接されており、圧縮バネ51の弾性力によってピストン66は、係合ブロック58から離間する方向に押圧されている。ピストン66の外周面には、固定ブロック11の内周面と摺接するウェアリング75が設けられている。
【0081】
マグネット22を保持するホルダ23の上面中央部には嵌合突部23bが形成され、その嵌合突部23bは、ピストン66の中央部に形成された貫通孔73にパッキン74を介して嵌入されている。このパッキン74によってホルダ23に形成された嵌合突部23bの外周面と、ピストン66に形成された貫通孔73の内周面との間からエアが漏れないようになっている。
【0082】
ホルダ23の中央部に遊挿されたロッド53の上下両端部は、同ホルダ23の外部にそれぞれ突出されている。その下側の突出部分であるロッド53の下端部は、ナット76により揺動体20に対し締め付け固定されている。一方、上側の突出部分であるロッド53の上端部は、ピストン66の貫通孔73内に位置されている。そして、ロッド53の上端部には球面軸受け570設けられている。
【0083】
そして、図12に示すように、ピストン66が下部ストロークエンドに移動すると、ロッド53がロック解除位置に移動する。すると、係合ブロック58の係合面58bは貫通孔73の座ぐり面73aから離れ、揺動体20はロック解除される。
【0084】
これに対して、図13に示すように、ピストン66が上部ストロークエンドに移動すると、ロッド53がロック位置に移動する。この移動により、係合ブロック58の周縁に形成された張出し部58aは、ピストン66における貫通孔73の内周に形成された座ぐり面73aに対し押圧される。座ぐり面73aに張出し部58aの外周縁下面が押圧されると、揺動体20は、環状多孔質材12の表面に押し付けられ、回動不能に本ロックされる。従って、本実施形態の倣い装置Fについても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0085】
図14に示すように、揺動体20を本ロックするときに、ロッド53にピストン66による流体圧力にて与えられる力をW1とする。ここで、揺動体20が倣い角度θだけ傾いた状態で環状多孔質材12による真空吸着により仮ロックさせる。その状態で、ピストン66の移動によって、偏心距離a2の位置で上述した力W1を加える。このとき、偏心距離a2は、ワークWを押圧するとき外力fに影響されることがない偏心距離a1よりも小さくなるように設定されている。そのため、揺動体20が位置ずれするのが防止される。
【0086】
又、仮ロック時における揺動体20の摩擦力F1より、本ロック時における摩擦力F2の方が大きくなる。このことから、図15に示すように、揺動体20のロック保持力についても、偏心距離a3における仮ロック時の許容外力f1よりも本ロック時の許容外力f2の方を大きくすることができる。それとともに、Z軸周りにおける揺動体20のロック保持力も増大することとなる。
【0087】
(第4実施形態)
図16,図17に示すように、固定ブロック11には、上部開口部が蓋体80によって塞がれたベローズ収容室81が形成されている。このベローズ収容室81には伸縮自在なる可撓性部材(伸縮部材)としてのベローズ82が設けられており、その下端はベローズ収容室81の底面に固定されている。このベローズ82は、金属によって蛇腹状に形成され、全体がフレキシブルに折り曲げ可能である。
【0088】
揺動体20の頂部に下端部が固定されたロッド53は、固定ブロック11に形成された挿通孔83を介して前記ベローズ82内に遊挿されている。ロッド53の上端部には、連結ブロック84を介して前記ベローズ82の上端に固定されている。ベローズ82の上端開口部は、連結ブロック84により塞がれている。そして、固定ブロック11においてエア給排ポートBとは反対側の面に形成されたエア加圧ポートPに供給されるエアは、エア通路85を介してベローズ82内に供給される。本実施形態において、連結ロッド531と連結ブロック84とから連結部材が構成されている。
【0089】
本実施形態の倣い装置Fでは、ツール21を基準ステージSに倣わせるあたり、エア給排ポートBのみからエアを供給し、環状多孔質材12と揺動体20との間に静圧を発生される。それとともに、真空引きポートVからエアを吸引し、揺動体20を環状多孔質材12側に引きつける。この引きつける力と静圧とが釣り合うことにより、揺動体20は非接触状態で回動可能となる。そして、基準ステージSの上面に対してツール21の先端面21aを当接させて倣わせる。その後、エア給排ポートBに供給しているエアのみを止めると、真空引きポートVから吸引されているのエアの吸引力により、環状多孔質材12に揺動体20を吸着させて仮ロックする。その後、エア加圧ポートPにエアを供給するとベローズ82が伸張し、連結ロッド531を介して揺動体20は環状多孔質材12に対して押し付けられて本ロックされる。
【0090】
従って、本実施形態においても、前述した第1実施形態とほぼ同様の効果を発揮させることができる。特に、揺動体20をロック保持するのにベローズ82を用いている。このことから、上述した第1〜第3実施形態と異なり、連結ロッド531の端部に球面軸受け570を設けなくて済むので、構造の簡素化を図ることができる。この結果、組み付け工数や部品点数を低減できるので、低コスト化を図ることができる。又、ベローズ82が設けられていることにより、倣い状態において揺動体20がZ軸周りに回動するのを防止する回り止めとしての役割を果たす。
【0091】
(第5実施形態)
図18に示すように、本実施形態の倣い装置Fは基本的に前記第4実施形態と同じ構成である。異なる構成としては、ベローズ82に代えて、可撓性部材(変形部材)としてのベローフラム88が用いられていることである。すなわち、固定ブロック11内に形成されたベローフラム収容空間89には、それを2つの圧力作用室44,45に区画するベローフラム88が設けられている。ベローフラム88の中央部には連結ブロック84が固定されている。連結ブロック84の周囲におけるベローフラム88には、その上面側に撓んでいる湾曲部88aが形成されている。湾曲部88aは、連結ロッド531の中心線L2を中心として環状に形成されている。湾曲部88aの存在により、連結ロッド531が傾動するのに応じてベローフラム88全体を柔軟に変形される。このことから、連結ロッド531に大きな抵抗を与えることなく、揺動体20を回動させることが可能になる。
【0092】
本実施形態における倣い装置Fにおいて、ツール21を基準ステージSに倣わせた後に第4実施形態と同様にして揺動体20を仮ロックする。その後、エア加圧ポートPにエアが供給されると、ベローフラム88が上側に曲げられ、連結ロッド531を介して揺動体20は環状多孔質材12に対して押し付けられて本ロックされる。
【0093】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、揺動体20に凸状半球面20aが形成され、環状多孔質材12に凹状半球面12aが形成されている。これ以外にも、凸状半球面20aと凹状半球面12aとの関係を逆にしてもよい。すなわち、揺動体20に凹状半球面を形成し、環状多孔質材12に凸状半球面を形成してもよい。
【0094】
・前記実施形態では、揺動体20を仮ロックすることと、本ロックすることとを分けたが、分けなくてもよい。すなわち、揺動体20をロックするときには、環状多孔質材12に対する押し付け力を、時間の経過とともに本ロックするのと同じ押し付け力まで次第に強めてもよい。
【0095】
・前記実施形態では、揺動体20の回動をロックするのにアクチュエータとしてダイヤフラムシリンダ40やエアシリンダ65等を使用した。これ以外にも、油圧シリンダや、電動モータ又はソレノイド等の電動アクチュエータに変更してもよい。
【0096】
・前記第1、第2及び第3実施形態において、係合ブロック58の係合面58b、又は貫通孔56の座ぐり面56aのうち少なくともいずれか一方を粗面加工してもよい。この構成にすれば、両面56a,58bの摩擦係数を大きくすることができるので、係合面58bが座ぐり面56aに押し付けられたときに、両面56a,58bが位置ずれするのを確実に防止できる。
【0097】
・前記第1〜第3実施形態では、ロッド53の端部に揺動リング57を介して係合ブロック58を設けているが、この揺動リング57を省略してもよい。すなわち、ロッド53と係合ブロック58とを一体的に形成する。但し、この場合には、係合ブロック58の係合面58bに凸状半球面を形成する。それとともに、貫通孔56の座ぐり面56aに前記凸状半球面に係合する凹状半球面を形成する。そして、それぞれの半球面は同じ曲率半径とし、かつその曲率半径の中心は揺動体20の凸状半球面20a又は凹状半球面12aと同じにする。
【0098】
・前記第1実施形態では、ダイヤフラム43の形成材料をゴムとしたが、これ以外にステンレス等の金属に変更してもよい。
・前記4実施形態では、ベローズ82の形成材料を金属としたが、他の材料として例えば合成樹脂等に変更してもよい。
【0099】
・第5実施形態ではベローフラム88を用いたが、それに代えて第1実施形態に示すダイヤフラム43としてもよい。
・第2実施形態の別例として、エアシリンダ65と係合ブロック58とをワイヤ等の線状部材を介して連結してもよい。ワイヤの材料としては任意の材料にできるが、耐久性を持たせる上で金属製とすることが好ましい。そして、ピストン66を上部ストロークエンドに位置させたときにワイヤが緊張し、下部ストロークエンドに位置させたときにワイヤが緩むように、ワイヤの長さを設定する。この構成にすれば、ロッド53及び球面軸受け570を省略することができるため、構造の簡素化、軽量化及び低コスト化を図ることができ、製造コストを低減することができる。又、線状部材として、ワイヤ以外にも、可撓性のチューブ内にワイヤを収容したケーブルレリーズ等に変更することも許容される。更に、第1、第4及び第5実施形態に示す連結ロッド531及び係合ブロック58に代わる線状部材を使用することも許容される。
【0100】
・揺動体20と環状多孔質材12との間に静圧を作用させないようにし、揺動体20と環状多孔質材12とを摺動可能に当接してもよい。但し、この構成を採用する場合には、揺動体20と環状多孔質材12との材料を低摩擦なものを選定することが好ましい。
【0101】
・ 前記実施形態では、環状多孔質材12の凹状半球面12aの表面にエアによる吸引力を働かせることにより、揺動体20を回動不能に仮ロックしている。これ以外に、エアによる吸引力により仮ロックするのではなく、ロッド53によって仮ロックしてもよい。すなわち、シリンダチューブ41内に供給するエアの流量を少なくし、本ロックするときよりもロッド53を上昇させる距離を小さくすれば、本ロックするときよりも小さい押圧力で揺動体20を環状多孔質材12に対して押圧することが可能になる。
【0102】
・ 前記第2実施形態では、ロッド53の下端部に球面軸受け570を設けた。これに対して、図19に示すように、揺動体20の中央部に形成された貫通孔56に球面軸受け570を設けてもよい。そして、ロッド53がロック位置に移動したときに、そのロッド53の先端部に形成されたフランジ部が球面軸受け570に係合するようにしてもよい。又、前記第3実施形態の別例として、図示しないが、ピストン66の中央部に形成された貫通孔73に球面軸受け570を設け、ロッド53がロック位置に移動したときに、そのロッド53が球面軸受け570に係合するようにしてもよい。
【0103】
・ 第1実施形態の別例として、図20に示す球面軸受け570としてもよい。すなわち、ロッド53の下端部に半球551を一体的に形成し、その半球551に係合ブロック58を回動可能に支持する。又、図示しないが半球551でなく球状のボールであってもよい。
【0104】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
(1)請求項2〜4のうちいずれかに記載の倣い装置において、前記アクチュエータは、シリンダチューブの内部を2つの空間に区画するピストンであって、そのピストンは、両空間のうち少なくとも1つの空間に供給される流体の圧力によって移動することを特徴とする倣い装置。
【0105】
(2) 請求項1〜5のいずれかにおいて、装置基台と倣い部材との界面には、表面全体から流体を吹き出すことが可能な多孔質材が設けられている倣い装置。この構成にすれば、多孔質材から流体を吹き出させることにより、装置基台と倣い部材との界面に静圧を発生させることができる。従って、装置基台に対する倣い部材の摩擦をゼロにすることができ、高精度な倣いを行うことができる。
【0106】
(3) 請求項1〜5のうちいずれかにおいて、前記アクチュエータがロック位置に移動する方向に弾性力を付与する弾性力付与部材が設けられている。この構成にすれば、倣い部材のロック保持力を高めることができる。
【0107】
(4) 互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設け、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせる倣い装置において、前記倣い部材を装置基台に押し付けるアクチュエータを設け、その倣い部材とアクチュエータとを線状部材を介して作動連結したことを特徴とする倣い装置。この構成にすれば、倣い装置の構造を簡素化でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0108】
(5) 前記技術的思想(4)において、前記線状部材は、倣い部材がロックされるときに緊張し、ロック解除されるときに緩むワイヤであることを特徴とする倣い装置。
【0109】
(6) 互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設けた倣い装置であって、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせた後、前記倣い部材を回動不能にロックするようにした倣い状態保持方法において、前記対象物に対して倣い部材を倣わせた状態で、装置基台に対し倣い部材を時間経過とともに次第に強い押し付け力でロックする倣い装置における倣い状態保持方法。
【0110】
(7) 互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設け、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせる倣い装置において、前記対象物に対して倣い部材を倣わせた状態で、装置基台に倣い部材を所定の押圧力で押し付けて仮ロックする仮ロック手段(環状多孔質材12)と、仮ロックするときの押圧力よりも強い押圧力で倣い部材を本ロックするアクチュエータとを備えたことを特徴とする倣い装置における倣い装置。
【0111】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、アクチュエータをロック位置に移動させることにより、倣い部材を強力、かつ高精度にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における倣い装置の正面図。
【図2】同じく、倣い装置の底面図。
【図3】同じく、倣い角度0.5゜で揺動体を本ロックした状態を示す倣い装置の断面図。
【図4】同じく、倣い角度0.5゜で揺動体を対象物に倣わせた状態を示す倣い装置の断面図。
【図5】同じく、(a)は倣い角度0゜で揺動体を本ロックした状態を示す倣い装置の断面図であり、(b)は倣い角度0゜で倣わせた状態を示す断面図。
【図6】(a)〜(d)は、倣い装置を用いてワークを押し付ける工程を示す動作説明図。
【図7】各ポートに供給されるエア等のタイムチャート。
【図8】(a)は、揺動体が位置ずれしないために必要なパラメータを説明するための説明図、(b)は揺動体20にかかる外力と、その外力がかかる偏心距離との関係を示す図。
【図9】球面軸受けの中心が、球面軸受けと揺動体との係合面を含む面上にある場合を示す概略説明図。
【図10】球面軸受けの中心が、球面軸受けと揺動体との係合面を含む面上にない場合を示す概略説明図。
【図11】第2実施形態における倣い装置の断面図。
【図12】第3実施形態において非ロック状態を示す倣い装置の断面図。
【図13】同じく、ロック状態を示す倣い装置の断面図。
【図14】揺動体が位置ずれしないために必要なパラメータを説明するための説明図。
【図15】揺動体20にかかる外力と、その外力の偏心距離との関係を示す図。
【図16】第4実施形態においてベローズを用いた倣い装置の断面図。
【図17】同じく、倣い装置の底面図。
【図18】第5実施形態においてベローフラムを用いた倣い装置の断面図。
【図19】第2実施形態とは別の構成示す倣い装置の断面図。
【図20】第1実施形態とは別の構成示す倣い装置の断面図。
【符号の説明】
10…装置基台、12a…凹状半球面、20…揺動体(倣い部材)、20a…凸状半球面、21…ツール(倣い部材)、21a…ツールの先端面(倣い部材の当接面)、43…ダイヤフラム(アクチュエータ)、49…ワッシャ(アクチュエータ)、50…ストッパ(アクチュエータ)、53…ロッド(保持部材)、570…球面軸受け、531…連結ロッド(連結部材)、66…ピストン(アクチュエータ)、82…ベローズ(可撓性部材)、84…連結ブロック(連結部材)、88…ベローフラム(可撓性部材)、S…基準ステージ(対象物)、F…倣い装置。
Claims (7)
- 互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設け、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせる倣い装置において、
前記倣い部材と係合する保持部材と、
前記保持部材と係合するとともに、該保持部材を介して前記倣い部材を前記装置基台方向へ押圧するアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータは、前記装置基台に倣い部材を押し付けて回動不能にロックするロック位置、及び押し付けずにロック解除するロック解除位置をとり得るものであって、
前記保持部材は、前記倣い部材と前記アクチュエータとのうちいずれか一方の部材と球面軸受けを介して係合するとともに、
前記アクチュエータがロック解除位置からロック位置に移動するとき、前記球面軸受けは、該球面軸受けと係合する前記保持部材、前記倣い部材又は前記アクチュエータの係合面の傾きに合わせて前記球面軸受けの係合面が平行となるように傾動しつつ、前記保持部材、前記倣い部材又は前記アクチュエータに当接して係合することを特徴とする倣い装置。 - 前記アクチュエータは、流体の圧力を受けて変位可能であり、前記保持部材の一端は、前記倣い部材と前記アクチュエータとのうち前記球面軸受けを介して係合していない一方の部材に固定されているとともに、保持部材の他端は、アクチュエータがロック解除位置に移動したときに他方の部材に対して離間可能であることを特徴とする請求項1に記載の倣い装置。
- 前記アクチュエータは、前記対象物に対して前記倣い部材を倣わせた状態で、前記装置基台に対して前記倣い部材を次第に強い押し付け力でロックすることを特徴とする請求項1又は2に記載の倣い装置。
- 前記球面軸受けの中心は、同球面軸受けと、前記保持部材又は前記アクチュエータ又は倣い部材との係合面を含む面上に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の倣い装置。
- 前記アクチュエータは流体の圧力を受けて変位する可撓性部材を備え、その可撓性部材の変位に伴いアクチュエータが移動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の倣い装置。
- 互いに対峙して設けられる倣い部材及びそれを支持する装置基台のうちいずれか一方に凹状半球面を設けるとともに、他方に前記凹状半球面に係合する凸状半球面を設けた倣い装置であって、前記倣い部材を半球面に沿って回動させながら対象物に当接させ、その当接面を対象物の特定面に対し平行となるように倣わせた後、前記倣い部材を回動不能にロックするようにした倣い状態保持方法において、
前記対象物に対して倣い部材を倣わせた状態で、装置基台に倣い部材を所定の力で押し付けて仮ロックし、その後、仮ロックするときの力よりも強い力で倣い部材を本ロックするようにし、
前記仮ロック又は本ロックするときの力を、球面軸受けを介して前記倣い部材に伝達し、前記球面軸受けは、前記仮ロック又は本ロックのとき、前記倣い部材の回動に応じて傾動することを特徴とする倣い装置における倣い状態保持方法。 - 前記装置基台と倣い部材との界面に流体圧による静圧を生じさせることにより、対象物に対して倣い部材を倣わせ、その倣い部材を仮ロックするときに前記静圧を徐々に小さくすることを特徴とする請求項6に記載の倣い装置における倣い状態保持方法。
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