JP4041645B2 - 倣い装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、倣い装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイシングされた半導体チップをダイ・ボンディング装置のリードフレーム上に搬送するチップマウンタ等に用いられる倣い装置がある。この倣い装置は、凹状半球面を有する基台に、凸状半球面を有する揺動体が回動可能に支持されている。そして、半導体チップの特定面に、凸状及び凹状半球面の曲率中心にある揺動体のワーク当接面(倣い面)を当接させると、揺動体が同一平面において互いに直交するX軸及びY軸を中心に回動する。この回動により、揺動体のワーク当接面が半導体チップの特定面に合わせて傾動する。これにより、揺動体のワーク当接面が半導体チップの特定面に対し平行になる。
【0003】
かかる倣い装置においては、基台と揺動体との摩擦抵抗が極めて低いため、揺動体はX軸及びY軸周りのみならず、X軸及びY軸を含む平面に対して直交するZ軸周りにも回動してしまう。この結果、倣い精度に悪影響を及ぼす。
【0004】
そこで、揺動体がZ軸周りに回動するのを防止する手段としては、一般にゴニオステージと呼ばれる装置が知られている。このゴニオステージは、複数の揺動ブロックを連設して構成されている。各揺動ブロックの界面には、水平面において互いに直交する方向に延びる円弧面がそれぞれ形成されている。そして、倣いを行う際には、それぞれの円弧面に沿って各揺動ブロックが傾動するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の装置においては、各円弧面の曲率中心を、揺動ブロックのワーク当接面(倣い面)上に、0〜1μmの範囲で一致させなければならない。従って、極めて高精度な加工及び組み立てが必要であった。又、複数の揺動ブロックによって揺動体の回り止めが阻止されるため、装置全体が大型化するとともに複雑化する。この結果、コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化及び製造コストの低減を図ることが可能な回り止め装置を用いた倣い装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、凹状半球面及び凸状半球面のうちいずれか一方を備える固定部材に、他方を備える可動部材を回動可能に設け、対象物の特定面に前記可動部材を当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置であって、前記両部材との間に加圧流体を噴出することにより、前記両部材同士を非接触にし、可動部材を前記当接面に対して直交する軸線周りに回動規制するために回り止め装置を備え、該回り止め装置は、対象物の特定面に当接して同特定面と平行に倣う可動部材の回動を規制するとともに、回り止め装置、前記可動部材がY軸周りに回動するとき、X軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸を中心とする回転方向に撓み難い第1弾性部材と、前記可動部材がX軸周りに回動するとき、Y軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸を中心とする回転方向に撓み難い第2弾性部材とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の倣い装置において、前記両弾性部材は、薄板状に形成され、Z軸を中心とする回転方向への剛性が高い形状であることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の倣い装置において、前記両弾性部材のうちいずれか一方は可動部材に連結され、他方は両弾性部材を支持する支持体に連結されていることを要旨とする。
【0011】
請求項に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の倣い装置において、前記可動部材を対象物に当接させた状態で所定の位置に保持する位置ずれ防止手段が設けられていることを要旨とする。
【0012】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明の回り止め装置によると、対象物の特定面がX軸方向に沿って傾いている場合に、可動部材が対象物の特定面に当接されると、第1弾性部材がX軸及びZ軸方向に沿って撓み、可動部材はY軸周りに回動する。又、対象物の特定面がY軸方向に沿って傾いている場合に、可動部材が対象物の特定面に当接されると、第2弾性部材がY軸及びZ軸方向に沿って撓み、可動部材はX軸周りに回動する。以上のようにして、可動部材が対象物の特定面に沿って倣う。可動部材が倣うときにおいて、両弾性部材はいずれもZ軸を中心とする回転方向に撓みにくいため、可動部材がZ軸周りに回動するのを規制することができる。従って、可動部材がZ軸周りに回動するのを規制するのに、例えばエア等の静圧を利用していないので、装置全体が複雑化及び大型化することがない。
また、上記回り止め装置を備えた倣い装置によると、固定部材と可動部材との間に加圧流体が噴出されるため、その加圧流体のもたらす静圧が両部材の間に作用する。これにより、両部材は非接触となるため、両部材間に摺動抵抗がほとんど作用しない。よって、両部材のうちいずれかを回動させて、当接面を対象物の特定面に対して平行にすることが可能になる。このとき、回り止め装置により、回動する部材は、その当接面に対して直交する軸線周りの回動が規制される。従って、高精度な倣いを行うことが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、両弾性部材は、薄板状に形成されているため、装置全体を小型化することが可能になる。しかも、補強部材等を取り付けることなく、弾性部材の形状によってZ軸を中心とする回転方向への剛性を高くしているため、部品点数を少なくすることができ、製造コストの低減につなげることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、両弾性部材のうちいずれか一方は可動部材に連結され、他方は両弾性部材を支持する支持体に連結されている。そのため、可動部材の回転中心を含む面上に、弾性部材を配置する必要がない。従って、倣い装置の設計の自由度を高くすることができる。
【0016】
請求項に記載の発明によると、位置ずれ防止手段によって、対象物に当接している可動部材を所定の位置に保持することが可能になる。そのため、可動部材が極めて小さい荷重で動作する場合であっても、それを対象物に対して倣わせた状態に確実に保持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施形態において、倣い装置10の上下(鉛直)方向をZ軸方向とし、このZ軸方向に対して直交し、かつ同一水平面上において互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とする。
【0018】
図1〜図3に示すように、金属製の基台11の下面には、凹状半球面12aを有する環状多孔質材12が設けられている。固定部材である環状多孔質材12の形成材料としては、例えば焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料を使用することができる。その他にも、焼結三ふっ化樹脂、焼結四ふっ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等のような合成樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックスなどが使用可能である。
【0019】
基台11の一側面(図1の左側)にはポート13が形成され、このポート13は図示しない圧力供給源に接続されている。ポート13はエア通路13aを介して基台11に形成された環状溝14に連通されている。この環状溝14は前記環状多孔質材12の裏面に開口されている。そして、図示しない圧力供給源から加圧流体としての加圧エアが、ポート13、エア通路13a及び環状溝14を介して環状多孔質材12の表面全体から噴出される。
【0020】
環状多孔質材12において凹状半球面12aの外周縁に位置する箇所には、吸引用環状溝17が形成されている。基台11の他側面(図1の右側)には、真空引きポート18が形成され、その真空引きポート18には図示しない吸引ポンプが接続されている。この真空引きポート18はエア通路18aを介して吸引用環状溝17に連通されている。そして、吸引ポンプから真空引きポート18、エア通路18aを介してエアが吸引され、吸引用環状溝17に沿ってエアによる吸引力が作用する。
【0021】
環状多孔質材12の下側には、金属製の揺動体20が設けられている。揺動体20の上面には、凸状半球面20aが形成され、この凸状半球面20aの曲率半径は、前記凹状半球面12aの曲率半径と同じになっている。従って、揺動体20の凸状半球面20aは、環状多孔質材12の凹状半球面12aに対して係合されており、凸状半球面20aに沿って揺動する。
【0022】
揺動体20の中央部下面には、対象物としての基板Kの上面(特定面)に半導体チップを接着するためのツール21が突設されている。なお、図1に示す符号Rは、凸状半球面20a及び凹状半球面12aの曲率半径を示し、その曲率中心はツール21の先端面(基板Kの上面)にある。従って、本実施形態では、ツール21の先端面がワーク当接面21a、いわゆる倣い面となっており、その面上に揺動体20の回転中心Cが存在している。ちなみに、揺動体20によるX軸及びY軸周りの回動可能な角度(倣い角度)は、平常時のバランス状態を0゜とすると、±0.5゜に設定されている。本実施形態では、揺動体20とツール21とから可動部材が構成されている。
【0023】
基台11の中央部には、位置ずれ防止手段としてのマグネット23がマグネットホルダ24を介してネジ25によって取り付けられている。揺動体20の中心には上下方向に沿って延びるシャフト26が複数のネジ27によって固定されている。そのシャフト26の先端部は、前記マグネット23及びマグネットホルダ24にそれぞれ形成された挿通孔23a,24aを介して同ホルダ24の上面から突出されている。
【0024】
マグネット23は、その磁力によって揺動体20が微妙に位置ずれするのを防止する役割を果たす。従って、極めて小さい荷重で動作する揺動体20であっても、倣わせた状態に確実に保持することが可能である。又、倣い装置10の電源が突然遮断され、真空引きポート18に対するエアの吸引が停止した場合でも、マグネット23の磁力のみで揺動体20を倣わせた状態に保持することが可能になる。
【0025】
次に、本実施形態の要部について説明する。
図1〜図3に示すように、前記基台11上には回り止め装置31が設けられている。この回り止め装置31は、下面が開口された支持体としての固定ケーシング32を備え、この固定ケーシング32は複数のネジ33によって基台11上に取り付けられている。これにより、固定ケーシング32の下部開口部が基台11によって塞がれている。固定ケーシング32においてシャフト26の先端部に位置する箇所には、円柱状の連結ブロック35が設けられている。連結ブロック35は、揺動体20が揺動するのに伴い一体的に可動する。
【0026】
固定ケーシング32において連結ブロック35の上方に位置する箇所には、正方形状をなす金属製の薄板36が収容されている。薄板36には、その中央部がワイヤカット等によって切り抜かれることにより複数の板バネ37a,37b,37c,37dが形成されている。本実施形態において、板バネ37a〜37dは4つ存在し、X軸方向において第1弾性部材としての第1板バネ37a,37bが2つ対向配置され、Y軸方向において第2弾性部材としての第2板バネ37c,37dが2つ対向配置されている。
【0027】
各板バネ37a〜37dは、その先端部において薄板36の中心側に向けて突設された接続部38を有している。各接続部38は同一円周上において等間隔(90゜)に配置されている。そして、X軸方向に配置された第1板バネ37a,37bの接続部38には、上方に突設された第1連結ピン39が挿入固定されている。第1連結ピン39の先端部は前記固定ケーシング32の内頂面に嵌入され、第1板バネ37a,37bと固定ケーシング32とが互いに連結されている。
【0028】
又、第2板バネ37c,37dの接続部38には、下方に突設された第2連結ピン40が挿入固定されている。この第2連結ピン40の先端部は連結ブロック35の上面に嵌入され、第2板バネ37c,37dと連結ブロック35とが互いに連結されている。
【0029】
各板バネ37a〜37dは、薄板36の外縁に沿って延びる細長U字状にそれぞれ形成されている。この形状により、第1板バネ37a,37bは、それぞれX軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸を中心とする回転方向に撓み難くなっている。これに対して、第2板バネ37c,37dは、それぞれY軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸周りに撓み難くなっている。要するに、各板バネ37a〜37dは、いずれもZ軸を中心とする回転方向への剛性が高い形状となっている。
【0030】
従って、揺動体20がY軸周りに回動する場合には、第2板バネ37c,37dはX軸方向に沿って撓み難く、第1板バネ37a,37bがX軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易い。又、揺動体20がX軸周りに回動する場合には、第1板バネ37a,37bはY軸方向に沿って撓み難く、第2板バネ37c,37dがY軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易い。そして、揺動体20がX軸周り及びY軸周りに回動すると、揺動体20は、全ての板バネ37a〜37dが抵抗力となってZ軸周りに回動するのが規制される。
【0031】
次に、上記のように構成された倣い装置10を用いて基板Kに半導体チップを圧着するには次のように行う。
ワークWを吸着する前において、ポート13からエア通路13aを介して加圧エアが供給され、環状多孔質材12の表面全体から揺動体20の上面に向けて加圧エアが噴出される。これにより、揺動体20と環状多孔質材12との界面に静圧がもたらされ、揺動体20は環状多孔質材12から離間する。それと同時に、真空引きポート18からエア通路18aを介してエアが吸引され、環状溝17内は負圧になる。そして、揺動体20には凹状半球面12aへの吸引力が働き、同揺動体20は基台11に引き寄せられる。よって、環状多孔質材12から揺動体20が離れる力と、揺動体20が環状多孔質材12側に引き寄せられる力とが釣り合うことにより、揺動体20は環状多孔質材12に対して非接触な状態で回動可能に支持される。
【0032】
この状態で倣い装置10全体が下降して基板Kに接近すると、ツール21の先端面が基板Kに当接する。例えば、基板Kの上面がY軸方向に沿って傾斜していれば、その傾斜角度に追従するように、揺動体20はX軸周りに回動する。このとき、揺動体20がZ軸周りに回動しようとしても、各板バネ37a〜37dが撓み難いため、それが抵抗力となって同Z軸周りに回動することがない。
【0033】
ここで、図4(a)に示すように、揺動体20の重心Gは、その回転中心Cよりも上方に位置している。そのため、揺動体20の姿勢バランスが悪く、揺動体20及びツール21の自重により傾動しやすい。環状多孔質材12の凹状半球面12aに沿って揺動体20がX軸方向に傾動すると、連結ブロック35も傾動する。つまり、連結ブロック35はXZ両軸方向へ移動することになる。このとき、連結ブロック35が傾動する側の第1板バネ37a,37bの弾性力により、連結ブロック35が傾動前の位置に押し戻される。これにより、揺動体20の傾動が規制される。
【0034】
一方、凹状半球面12aに沿って揺動体20がY軸方向に傾動すると、その傾動に伴って連結ブロック35も傾動する。つまり、連結ブロック35はYZ両軸方向へ移動することになる。このとき、連結ブロック35が傾動する側の第2板バネ37c,37dの弾性力により、連結ブロック35が傾動前の位置に押し戻される。これにより、揺動体20の傾動が規制される。従って、板バネ37a〜37dの弾性力により、揺動体20の中心は、基台11の中心と一致するように保持される。
【0035】
図4(b)に示すように、揺動体20が傾いた状態においては、揺動体20及びツール21が傾動する方向に、それらの自重による回転モーメントMが作用する。例えばX軸方向に揺動体20が傾動した場合に、第1板バネ37a,37bの弾性力により、連結ブロック35が反傾動側に押し戻されようとする。すなわち、X軸方向の回転モーメントMは、第1板バネ37a,37bの弾性力により軽減される。
【0036】
Y軸方向に揺動体20が傾動した場合に、第2板バネ37c,37dの弾性力により、連結ブロック35が反傾動側に押し戻されようとする。すなわち、Y軸方向の回転モーメントMは、第2板バネ37c,37dの弾性力により軽減される。以上説明したように、X軸方向及びY軸方向における回転モーメントMの軽減により、ワークWにかかる偏荷重mgを軽減することが可能になる。ちなみに、偏荷重mgは、理論上ゼロにすることが可能である。
【0037】
倣い動作が終了した後は、ポート13への加圧エアの供給が停止されて、環状多孔質材12の表面から加圧エアの噴出が停止される。これに対して、真空引きポート18からエアの真空引きは継続される。そのため、環状多孔質材12から揺動体20を離そうとする力はゼロになり、揺動体20を環状多孔質材12に引き寄せようとする力のみが働くことになる。これにより、揺動体20は環状多孔質材12側に押圧される。従って、揺動体20が回動不能に固定されるため、ツール21は倣った状態に保持される。
【0038】
この状態で、倣い装置10及びツール21が上昇して基板Kから離れ、ツール21の先端面に図示しない半導体チップが取り付けられた後、倣い装置10及びツール21を再び下降させる。そして、ツール21が基板Kに押し付けられ、ツール21の先端部に取り付けられた半導体チップが基板Kに圧着される。
【0039】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1) 回り止め装置31は、薄板状の第1板バネ37a,37bと、第2板バネ37c,37dとを備えている。そのため、揺動体20の回り止めするのに、エア等の静圧を利用していないので、回り止め装置31の構成を簡略化することができる。よって、回り止め装置31の製造コストを低減することができ、倣い装置10全体の製造コストの低減につなげることができる。
【0040】
(2) 薄い板バネ37a〜37dによって、固定ケーシング32と揺動体20とを連結しているにすぎないので、回り止め装置31が上下方向の長さを短くでき、回り止め装置31を小型化することができる。従って、倣い装置10全体を小型化することができる。
【0041】
(3) 第1板バネ37a,37bは、揺動体20がY軸周りに回動するとき、X軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸線を中心とする回転方向に撓み難くなっている。又、第2板バネ37c,37dは、揺動体20がX軸周りに回動するとき、Y軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸周りに撓み難くなっている。そのため、基板Kからツール21を離した際に、これら板バネ37a〜37dの弾性力によって、基台11の中心に揺動体20の中心を一致させ易くすることができる。つまり、揺動体20の中心を、基準となる元の位置(Z軸上の点)に正確かつ迅速に復帰させることができ、再現性の向上を図ることができる。
【0042】
(4) 第1板バネ37a,37bと固定ケーシング32とが、第1連結ピン39を介して互いに連結されている。又、第2板バネ37c,37dと揺動体20とが第2連結ピン40を介して互いに連結されている。そのため、揺動体20の回転中心Cを含む面上に、各板バネ37a〜37dを配置する必要がない。別の言い方をすれば、板バネ37a〜37dがある位置と揺動体20の回転中心Cとを離れた位置に設定することができる。従って、倣い装置10の設計の自由度を高くすることができる。
【0043】
(5) 各板バネ37a〜37dは、揺動体20の中心を基台11の中心に一致させる戻し力としても働く。そのため、倣い状態において、揺動体20及び連結ブロック35が傾動する方向に、それらの自重による回転モーメントMが作用しても、それらを反傾動側に押し戻すことができる。よって、X軸方向及びY軸方向の回転モーメントMを軽減することができるので、基板Kにかかる偏荷重mgを軽減することができる。
【0044】
(6) 基台11の中央部には、揺動体20に取り付けられたシャフト26を引きつけるためのマグネット23が設けられている。そのため、マグネット23による磁力と、吸引用環状溝17で発生するエアの吸引力とによって、揺動体20が微妙に位置ずれするのを防止できる。従って、極めて小さい荷重で動作する揺動体20であっても、倣わせた状態に確実に保持することができる。又、倣い装置10の電源が突然遮断され、真空引きポート18からのエアの吸引が停止した場合でも、マグネット23の磁力のみで揺動体20を倣わせた状態に保持することができる。
【0045】
(7) 環状多孔質材12は基台11の下面全体を占めている。これにより、揺動体20の凸状半球面20a全体を環状多孔質材12にてカバーできるので、加圧エアを凸状半球面20a全体に当てることができる。従って、より大きい荷重で基板Kの上面に可動部材21のワーク当接面21bを当接させても、揺動体20を滑らかに揺動させることができるので、高精度な倣い動作を実現することができる。
【0046】
(8) 環状多孔質材12には吸引用環状溝17が形成されている。ツール21を倣わせたり、揺動体20を吸着する際に、揺動体20の凸状半球面20aが吸引用環状溝17の開口部付近に当っても、金属製の揺動体20は合成樹脂製の吸引用環状溝17よりも明らかに硬質であるので、凸状半球面20aの損傷を防止できる。
【0047】
(9)吸引用環状溝17は環状多孔質材12の外周縁に沿って設けられている。そのため、内周縁にある場合と比較して吸着面積を大きくすることができ、揺動体20の吸着力を向上することができる。それとともに、揺動体20の凸状半球面20aの外縁部が吸引されるため、揺動体20を安定した状態で吸着保持することができる。
【0048】
(第2実施形態)
図5,図6に示すように、本実施形態における倣い装置80に設けられた基台11の凹状半球面12aには、半球凹状多孔質材81が設けられている。基台11の凹状半球面12aには、凹部82が形成されている。この凹部82は、半球凹状多孔質材81の裏面全体に開口されている。そして、ポート13から供給される加圧エアがエア通路13a、凹部82を介して半球凹状多孔質材81に供給される。
【0049】
図5〜図7に示すように、揺動体20は半球状に形成されており、半球凹状多孔質材81に係合されている。本実施形態では、前記ツール21が省略され、揺動体20の上面がワーク当接面20bとなっているため、揺動体20のみで可動部材が構成されている。
【0050】
ワーク当接面20bの外縁には、90゜ピッチで矩形状の取付溝83が4箇所形成されている。この取付溝83には、同じく平面から見て矩形状をなす板バネ84a〜84dが係合されている。各板バネ84a〜84dの一端はスポット溶接等により揺動体20に固定され、他端は基台11の上面に固定されている。これにより、揺動体20はZ軸周りの回動が規制されている。
【0051】
各板バネ84a〜84dの中央部には、半円筒状の折曲部88が形成されている。この折曲部88は、基台11の上面に形成された環状段部87に非接触状態で配置されている。折曲部88の存在により、各板バネ84a〜84dはX軸周り及びY軸周りにねじれ変形可能となっている。従って、X軸上にある板バネ84a,84cの折曲部88がねじれ変形することにより、揺動体20はX軸周りへの回動が許容される。これに対して、Y軸上にある板バネ84b,84dの折曲部88がねじれ変形することにより、揺動体20はY軸周りの回動が許容される。ちなみに、本実施形態において、揺動体20によるX軸及びY軸周りの回動可能な角度は、平常時のバランス状態を0゜とすると、±0.5゜になっている。
【0052】
次に、上記のように構成された第2実施形態における倣い装置80の作用について説明する。
ポート13に加圧エアが供給され、揺動体20が半球凹状多孔質材81に対して非接触な状態で回動可能に支持される。倣い装置80全体が上昇して対象物としてのワークWに接近すると、揺動体20のワーク当接面20bがワークWに当接する。すると、ワークWの下面(特定面)がY軸方向に沿って傾斜していれば、各板バネ84a,84cがねじれ変形し、その傾斜角度に追従するように、揺動体20はX軸周りに回動する。これに対して、ワークWの下面がX軸方向に沿って傾斜していれば、各板バネ84b,84dがねじれ変形し、その傾斜角度に追従するように、揺動体20はY軸周りに回動する。以上のように、揺動体20はZ軸周りに回動することなく、ツール21のワーク当接面20bがワークWに対し平行となるように倣う。
【0053】
従って、この第2実施形態においても、前述した第1実施形態とほぼ同様の効果を発揮させることができる。又、この第2実施形態においては、第1実施形態に示す回り止め装置31と異なり、その構成を簡略化することができるため、倣い装置80の製造コストを低減することができる。又、この実施形態の回り止め装置は、複数の板バネ84a〜84dによって、基台11と揺動体20とを単に連結しているにすぎないので、倣い装置80が大型化するのを防止できる。
【0054】
更に、各板バネ84a〜84dには、折曲部88が形成されている。そのため、各板バネ84a〜84dがねじれ変形しやすくなる。そのため、揺動体20はワークWの傾斜面に沿って確実に追従させることができる。
【0055】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1実施形態の別例として、薄板36の形状を円形状又は多角形状にしてもよい。
【0056】
・ 第1及び第2実施形態において、揺動体20をより強固に回動不能にするために、揺動体20を倣わせた後に加圧用ポート13からもエアの真空引きを行ってもよい。
【0057】
・ 前記第1及び第2実施形態では、揺動体20に凸状半球面20aが形成され、環状多孔質材12に凹状半球面12aが形成されている。これ以外にも、凸状半球面20aと環状多孔質材12aとの関係を逆にしてもよい。すなわち、揺動体20に凹状半球面を形成し、環状多孔質材12に凸状半球面を形成し、揺動体20と環状多孔質材12とを係合してもよい。
【0058】
・ 第1及び第2実施形態の別例として、倣い装置10,80をそれぞれ上下反対向きにして使用してもよい。
・ 第2実施形態の別例として、折曲部88を省略し、各板バネ84a〜84dの形状を単なる片状にしてもよい。
【0059】
・ 第2実施形態の別例として、図8に示すように、各板バネ84a〜84dの形状をS字状に形成してもよい。又、図示しないが、直線状に形成された板バネ84a〜84dをX軸又はY軸に対して斜めに配置してもよい。
【0060】
・ 第1及び第2実施形態の別例として、図9,図10に示すように、基台11のX軸方向両側面及びY軸方向両側面に支持体90,91を固定する。X軸方向における支持体90同士、Y軸方向における支持体91同士が対向する側面には、揺動体20の中心に向けてピン92,93を突設し、各ピン92,93の先端部を揺動体20の側面に形成した係合孔94,95に係入する。そして、各ピン92,93の先端部にOリング96,97を設け、そのOリング96,97の外周面を、それぞれの係合孔94,95の内周面に当接させる。なお、この場合のOリング96,97の硬度は30゜〜70゜となっている。
【0061】
この構成にすれば、Y軸方向にあるOリング96,97が弾性変形することにより、揺動体20はX軸周りに回動する。又、X軸方向にあるOリング96,97が弾性変形することにより、揺動体20はY軸周りに回動する。なおピン92,93、係合孔94,95及びOリング96,97の設置は、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方だけでもよい。
【0062】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
(1)前記固定部材は、前記可動部材の表面に向けて加圧エアを噴出可能な多孔質材から形成され、その多孔質材に前記凹状の曲面が形成されていることを特徴とする倣い装置。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における倣い装置の断面図。
【図2】要部を示す分解斜視図。
【図3】要部を示す平面図。
【図4】(a)はバランス状態における倣い装置の説明図、(b)は倣った状態における倣い装置の説明図。
【図5】第2実施形態における倣い装置の平面図。
【図6】図5の6−6断面図。
【図7】要部を示す分解斜視図。
【図8】別例を示す倣い装置の平面図。
【図9】図8とは異なるタイプの倣い装置の平面図。
【図10】図9の10A−10A断面図。
【符号の説明】
10…倣い装置、12…環状多孔質材(固定部材)、12a…凹状半球面、20…揺動体(可動部材)、21…ツール(可動部材)、23…マグネット位置ずれ防止手段)、31…回り止め装置、32…支持体(固定ケーシング)、37a,37b…第1弾性部材(第1板バネ)、37c,37d…第2弾性部材(第2板バネ)、K…基板(対象物)、基板Kの上面(特定面)。

Claims (4)

  1. 凹状半球面及び凸状半球面のうちいずれか一方を備える固定部材に、他方を備える可動部材を回動可能に設け、対象物の特定面に前記可動部材を当接させることにより、その当接面を前記対象物の特定面に対し平行となるように倣わせるようにした倣い装置であって、
    前記両部材との間に加圧流体を噴出することにより、前記両部材同士を非接触にし、可動部材を前記当接面に対して直交する軸線周りに回動規制するために回り止め装置を備え、該回り止め装置は、対象物の特定面に当接して同特定面と平行に倣う可動部材の回動を規制するとともに、回り止め装置
    前記可動部材がY軸周りに回動するとき、X軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸を中心とする回転方向に撓み難い第1弾性部材と、
    前記可動部材がX軸周りに回動するとき、Y軸方向及びZ軸方向に沿って撓み易く、かつZ軸を中心とする回転方向に撓み難い第2弾性部材と
    を備えたことを特徴とする倣い装置。
  2. 前記両弾性部材は、薄板状に形成され、Z軸を中心とする回転方向への剛性が高い形状であることを特徴とする請求項1に記載の倣い装置
  3. 前記両弾性部材のうちいずれか一方は可動部材に連結され、他方は両弾性部材を支持する支持体に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の倣い装置
  4. 前記可動部材を対象物に当接させた状態で所定の位置に保持する位置ずれ防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の倣い装置。
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