JP3853565B2 - 薄膜積層体とコンデンサ及びこれらの製造方法と製造装置 - Google Patents

薄膜積層体とコンデンサ及びこれらの製造方法と製造装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂薄膜と金属薄膜とが積層された薄膜積層体とこれを用いたコンデンサ、及びこれらの製造に好適な製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂薄膜を積層する工程と金属薄膜を積層する工程とを一単位として、これを周回する支持体上で繰り返すことにより、樹脂薄膜と金属薄膜とが交互に積層された薄膜積層体を製造する方法、及び得られた薄膜積層体からコンデンサなどの電子部品を得る方法は、例えば、特開平10−237623号公報等で公知である。
【0003】
樹脂薄膜と金属薄膜との薄膜積層体の製造方法の一例を図面を用いて説明する。
【0004】
図15は、従来の薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の概略を模式的に示した断面図である。
【0005】
図15において、915は真空槽、916は真空槽915内部を所定の真空度に維持する真空ポンプ、911は真空槽915内に設置された、図中の矢印方向に回転する円筒形状のキャンローラ、912は樹脂薄膜形成装置、913はパターニング材料付与装置、914は金属薄膜形成装置、917はパターニング材料除去装置、918は樹脂硬化装置、919は表面処理装置、920a,920bは金属薄膜形成領域を他の領域と区別するための隔壁、922は隔壁920a,920bに設けられた開口、923は必要時以外に金属薄膜が形成されるのを防止するために開口922を閉じるための遮蔽板である。
【0006】
樹脂薄膜形成装置912は、樹脂薄膜を形成するための樹脂材料を加熱気化又は霧化させて、キャンローラ911の外周面に向けて放出する。キャンローラ911は所定の温度に冷却されているから、樹脂材料は冷却されてキャンローラ911の外周面に膜状に堆積する。
【0007】
堆積した樹脂材料は、必要に応じて、樹脂硬化装置918により電子線又は紫外線等が照射されて所望の硬度に硬化処理される。
【0008】
次いで、形成された樹脂薄膜は、必要に応じて表面処理装置919により酸素プラズマ処理等が施され、樹脂薄膜表面が活性化される。
【0009】
パターニング材料付与装置913は、オイルパターニング法と呼ばれる手法により金属薄膜にマージン部を形成することにより金属薄膜を所定の形状にパターニングするための装置である。樹脂薄膜上に予めパターニング材料を薄く形成した後に、金属薄膜を蒸着などによって形成すると、パターニング材料上には金属薄膜が形成されず、マージン部が形成される。このようにして形成された金属薄膜はパターニング部分が抜けた状態で形成されており、所望のパターンを持つ金属薄膜を形成することが出来る。パターニング材料は、パターニング材料付与装置913内で気化されて、所定位置にキャンローラ911の外周面に向けて形成された微細孔から放出される。微細孔は、通常キャンローラ911の回転軸方向と略平行に所定間隔を隔てて複数個配置される。これにより金属薄膜を形成する面に、予めパターニング材料が複数の帯状に薄くパターン塗布される。パターニング材料としては例えばフッ素系オイルが使用される。
【0010】
その後、金属薄膜形成装置914により金属薄膜が蒸着などによって形成される。
【0011】
その後、パターニング材料除去装置917により余剰のパターニング材料が除去される。
【0012】
以上の製造装置900によれば、遮蔽板923を待避させて開口922を開いた状態では、周回するキャンローラ911の外周面上に、樹脂薄膜形成装置912による樹脂薄膜と、金属薄膜形成装置914による金属薄膜とが交互に積層された積層体が製造され、また、遮蔽板923が開口922を遮蔽した状態では、周回するキャンローラ911の外周面上に、樹脂薄膜形成装置912による樹脂薄膜が連続して積層された積層体が製造される。また、キャンローラ911の回転と同期させてパターニング材料付与装置913をキャンローラ911の回転軸と平行方向に移動(例えば往復移動)させることにより、パターン位置の異なる金属薄膜を形成することができる。
【0013】
このようにして、キャンローラ911の外周面上に金属薄膜と樹脂薄膜とからなる円筒状の多層積層体を形成し、その後、積層体を半径方向に切断してキャンローラ911から取り外し、平板プレスすることにより、例えば図16のような積層体母素子930を得ることができる。図16において、931は金属薄膜、932は樹脂薄膜、933はマージン部(金属薄膜の非形成領域)であり、矢印938はキャンローラ911の外周面の走行方向と一致する。図16の積層体母素子930は、キャンローラ911上に、層936a、層935a、層934、層935b、層936bの順に積層することにより製造される。ここで、層936a,936bは遮蔽板923を閉じて樹脂薄膜のみを連続して積層した層であり、層934及び層935a,935bは、遮蔽板923を待避させて、金属薄膜931と樹脂薄膜932とを交互に積層した層である。また、層934は、キャンローラ911が1回転するごとにパターニング材料の付着位置を変更して積層してある。
【0014】
この積層体母素子930を、例えば切断面939a,939bで切断し、切断面939aに外部電極を形成することにより、図17に示すようなチップコンデンサ940を多数得ることができる。図17において、941a,941bは金属薄膜931と電気的に接続して形成された外部電極である。
【0015】
上記の方法で得られたコンデンサは、誘電体層となる樹脂薄膜の厚みを極めて薄くできるので、小型で大容量のコンデンサとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法によるコンデンサ等の電子部品の製造では以下の問題があった。
【0017】
まず、積層体母素子930を切断面939a,939bで切断する場合、必ず金属薄膜931が切断される。切断は例えば刃物を用いてせん断により行なう。このとき切断面には金属薄膜931のバリや切りくずが発生する。これらは、樹脂薄膜を挟む上下の金属薄膜同士を短絡させる場合がある。これは、得られるコンデンサの耐電圧や絶縁抵抗を低下させる原因となる。
【0018】
また、金属薄膜を切断するためには、樹脂薄膜を切断する場合より遙かに大きな切断力が必要になる。従って、切断条件が適切でないと金属薄膜を切断することに起因して切断面付近で積層体が変形したり金属薄膜が引っ張られて積層体内部で金属薄膜が破断したりすることがある。積層体の外形の変形は、電子部品として使用する場合には、回路基板に実装する際の実装性を低下させる。また、金属薄膜の積層体内部での破断は、電子部品の特性の悪化、歩留まりの低下を招く。
【0019】
さらに、金属薄膜を切断することは、切断面に金属薄膜が露出すること意味する。金属薄膜が切断面に露出していると、切断面から金属薄膜の酸化や錆等の腐蝕が進行する。電極として機能する金属薄膜が腐食すると、得られる電子部品の信頼性が著しく低下する。これを防ぐために切断面に樹脂コーティング等の外装処理を施す必要があり、工程数の増加とコストの上昇を招く。
【0020】
また、図17のコンデンサは1つのチップが1つのコンデンサ素子を構成している。従って、回路基板等に複数のコンデンサを搭載する必要がある場合、その数に応じたコンデンサが必要となり、実装面積の小型化を妨げ、また工程数の増大を招く。また、半導体チップの高速駆動のためには半導体チップと周辺素子との接続回路長を短くすることが有効であるが、コンデンサを多数搭載すると、必然的に回路長が長くなり、信号処理の高速化を妨げる。
【0021】
本発明は、以上のような従来の問題が解決された薄膜積層体とコンデンサ、及びこれらの製造方法と製造装置を提供することを目的とする。即ち、本発明は金属薄膜の切断を可能な限り回避し、金属薄膜が切断面に可能な限り露出しない薄膜積層体とコンデンサ及びこれらの製造方法と製造装置を提供することを目的とする。また、1つの素子内に複数のコンデンサを含み、また、他の素子との複合化等が容易なアレイコンデンサ、及びその製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために以下の構成とする。
【0023】
本発明の第1の薄膜積層体は、複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体であって、前記金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出しておらず、前記樹脂薄膜の少なくとも1層は積層方向の貫通孔を有し、前記貫通孔を介して上下の前記金属薄膜が電気的に接続され、前記金属薄膜の少なくとも1層は、前記貫通孔を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする。
【0024】
かかる第1の薄膜積層体によれば、金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出していないから、金属薄膜の腐食等が生じにくい。また、製造過程において金属薄膜を切断することがないから、金属薄膜の切断時に生じる問題、例えば金属薄膜のバリや切りくず、金属薄膜の破断、薄膜積層体の変形などの発生を抑えることができる。また、金属薄膜は貫通孔を介して外部に電極取り出しが可能にされたことにより、電子部品として使用可能な薄膜積層体を提供できる。
【0025】
また、本発明の第2の薄膜積層体は、複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体であって、前記樹脂薄膜の少なくとも1層は周囲の一部に切り欠き部を有し、前記切り欠き部を介して上下の前記金属薄膜が電気的に接続され、前記金属薄膜の少なくとも1層は、前記切り欠き部を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする。
【0026】
かかる第2の薄膜積層体によれば、金属薄膜は切り欠き部を介して外部に電極取り出しが可能にされたことにより、電子部品として使用可能な薄膜積層体を提供できる。
【0027】
上記第2の薄膜積層体において、前記樹脂薄膜が略矩形状であって、前記樹脂薄膜の前記切り欠き部が形成された辺以外の辺では前記金属薄膜が後退して形成されていることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、金属薄膜の端部が樹脂薄膜の端部より後退して形成されるから、薄膜積層体の外部に露出する金属薄膜を少なくできる。よって、金属薄膜の腐食等が生じにくい。また、製造過程において金属薄膜の切断を少なくできるから、金属薄膜の切断時に生じる問題、例えば金属薄膜のバリや切りくず、金属薄膜の破断、薄膜積層体の変形などの発生を抑えることができる。
【0028】
次に、本発明の第1のコンデンサは、複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体を用いてなるコンデンサであって、前記金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出しておらず、前記樹脂薄膜の少なくとも1層は積層方向の貫通孔を有し、前記貫通孔を介して前記金属薄膜が1層おきに同電位となるように電気的に接続され、同電位に接続された前記金属薄膜は、前記貫通孔を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする。
【0029】
かかる第1のコンデンサによれば、金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出していないから、金属薄膜の腐食等が生じにくい。また、製造過程において金属薄膜を切断することがないから、金属薄膜の切断時に生じる問題、例えば金属薄膜のバリや切りくず、金属薄膜の破断、薄膜積層体の変形などの発生を抑えることができる。また、1層おきに接続された金属薄膜は外部と電気的接続が可能であるから、樹脂薄膜を誘電体層とするコンデンサとして機能する。また、電極取り出しを樹脂薄膜に形成された貫通孔を介して行なうから、基板実装時の実装面積を少なくでき、高密度実装が可能になる。
【0030】
また、本発明の第2のコンデンサは、複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体を用いてなるコンデンサであって、前記樹脂薄膜の少なくとも1層は周囲の一部に切り欠き部を有し、前記切り欠き部を介して前記金属薄膜が1層おきに同電位となるように電気的に接続され、同電位に接続された前記金属薄膜は、前記切り欠き部を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする。
【0031】
かかる第2のコンデンサによれば、1層おきに接続された金属薄膜は外部と電気的接続が可能であるから、樹脂薄膜を誘電体層とするコンデンサとして機能する。また、電極取り出しを樹脂薄膜に形成された切り欠き部を介して行なうから、基板実装時の実装面積を少なくでき、高密度実装が可能になる。
【0032】
上記第2のコンデンサにおいて、前記樹脂薄膜が略矩形状であって、前記樹脂薄膜の前記切り欠き部が形成された辺以外の辺では前記金属薄膜が後退して形成されていることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、金属薄膜の端部が樹脂薄膜の端部より後退して形成されるから、薄膜積層体の外部に露出する金属薄膜を少なくできる。よって、金属薄膜の腐食等が生じにくい。また、製造過程において金属薄膜の切断を少なくできるから、金属薄膜の切断時に生じる問題、例えば金属薄膜のバリや切りくず、金属薄膜の破断、薄膜積層体の変形などの発生を抑えることができる。
【0033】
次に、本発明の薄膜積層体の第1の製造方法は、樹脂薄膜と金属薄膜とを交互に積層してなる薄膜積層体の製造方法であって、前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更して、樹脂薄膜と金属薄膜とを交互に積層する工程と、前記樹脂薄膜と金属薄膜とを貫通する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔に導電性材料を充填して、前記金属薄膜の少なくとも一部と前記導電性材料とを電気的に接続する工程とを有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明の薄膜積層体の第2の製造方法は、樹脂薄膜を形成する工程と、金属薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜及び金属薄膜を貫通する貫通孔を所定位置に形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうことにより前記樹脂薄膜と前記金属薄膜とを交互に積層する薄膜積層体の製造方法であって、前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、前記貫通孔を積層方向に連続させて形成し、前記連続した貫通孔に導電性材料を充填して、前記金属薄膜の少なくとも一部と前記導電性材料とを電気的に接続することを特徴とする。
【0035】
また、本発明の薄膜積層体の第3の製造方法は、樹脂薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜に貫通孔を形成する工程と、前記樹脂薄膜上に金属薄膜を形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうことにより前記樹脂薄膜と前記金属薄膜とを交互に積層する薄膜積層体の製造方法であって、前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、前記金属薄膜を形成する領域内に前記貫通孔を形成することにより、前記貫通孔を介して積層方向の複数の前記金属薄膜を電気的に接続することを特徴とする。
【0036】
かかる第1〜第3の製造方法によれば、本発明の上記薄膜積層体を効率よく製造することができる。
【0037】
次に、本発明のコンデンサの第1の製造方法は、金属薄膜を樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更して、樹脂薄膜と金属薄膜とを交互に積層する工程と、前記樹脂薄膜と金属薄膜とを貫通する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔に導電性材料を充填して、前記金属薄膜を1層おきに電気的に接続する工程とを有することを特徴とする。
【0038】
また、本発明のコンデンサの第2の製造方法は、樹脂薄膜を積層する工程と、金属薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜及び金属薄膜を貫通する貫通孔を所定位置に形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうコンデンサの製造方法であって、前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、前記貫通孔を積層方向に連続させて形成し、前記連続した貫通孔に導電性材料を充填して、前記金属薄膜を1層おきに電気的に接続することを特徴とする。
【0039】
また、本発明のコンデンサの第3の製造方法は、樹脂薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜に貫通孔を形成する工程と、前記樹脂薄膜上に金属薄膜を形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうコンデンサの製造方法であって、前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、前記金属薄膜を形成する領域内に前記貫通孔を形成することにより、前記貫通孔を介して前記金属薄膜を1層おきに電気的に接続することを特徴とする。
【0040】
かかる第1〜第3の製造方法によれば、本発明の上記コンデンサを効率よく製造することができる。
【0041】
次に、本発明の薄膜積層体の第1の製造装置は、巡回する支持体と、前記支持体に対向して配置された金属薄膜形成装置及び樹脂薄膜形成装置と、これらを収納する真空槽とを有する薄膜積層体の製造装置であって、前記金属薄膜形成装置の下流側であって前記樹脂薄膜形成装置の上流側に、金属薄膜加工用のレーザパターニング装置を有することを特徴とする。
【0042】
かかる第1の製造装置によれば、所望するマージン部を有する金属薄膜を容易に得ることができる。よって、この製造装置を使用することにより本発明の薄膜積層体を効率よく製造することができる。
【0043】
また、本発明の薄膜積層体の第2の製造装置は、巡回する支持体と、前記支持体に対向して配置された金属薄膜形成装置及び樹脂薄膜形成装置と、これらを収納する真空槽とを有する薄膜積層体の製造装置であって、更に、積層方向の孔を形成する孔加工用のレーザ加工装置と、前記樹脂薄膜形成装置の下流側であって前記金属薄膜形成装置の上流側に、樹脂薄膜上にオイルを付与するオイル付与装置とを有することを特徴とする。
【0044】
かかる第2の製造装置によれば、孔加工用のレーザ加工装置を使用することで、樹脂薄膜(及び金属薄膜)を貫通する貫通孔(及び第2の貫通孔)を加工できる。また、オイル付与装置により所望するマージン部を有する金属薄膜を得ることができる。よって、この製造装置を使用することにより本発明の薄膜積層体を効率よく製造することができる。
【0045】
また、本発明の薄膜積層体の第3の製造装置は、巡回する支持体と、前記支持体に対向して配置された金属薄膜形成装置及び樹脂薄膜形成装置と、これらを収納する真空槽とを有する薄膜積層体の製造装置であって、前記樹脂薄膜形成装置の下流側であって前記金属薄膜形成装置の上流側に、樹脂薄膜上にオイルを付与するオイル付与装置を有し、前記オイル付与装置は、微細孔を配列したノズルを一対以上有することを特徴とする。
【0046】
かかる第3の製造装置によれば、オイル付与装置により所望するマージン部を有する金属薄膜を得ることができる。特に、オイル付与装置が一対以上のノズルを含むことにより、各ノズルをそれぞれ独立して移動させて、略格子状のマージン部が形成された金属薄膜を容易に得ることができる。よって、この製造装置を使用することにより本発明の薄膜積層体を効率よく製造することができる。
【0047】
また、本発明の薄膜積層体の第4の製造装置は、巡回する支持体と、前記支持体に対向して配置された金属薄膜形成装置及び樹脂薄膜形成装置と、これらを収納する真空槽とを有する薄膜積層体の製造装置であって、更に、積層方向の孔を形成する孔加工用のレーザ加工装置と、前記樹脂薄膜形成装置の下流側であって前記金属薄膜形成装置の上流側に、樹脂薄膜上にオイルを付与するオイル付与装置と、前記金属薄膜形成装置の下流側であって前記樹脂薄膜形成装置の上流側に、金属薄膜加工用のレーザパターニング装置とを有することを特徴とする。
【0048】
かかる第4の製造装置によれば、孔加工用のレーザ加工装置を使用することで、樹脂薄膜(及び金属薄膜)を貫通する貫通孔(及び第2の貫通孔)を加工できる。また、オイル付与装置とレーザパターニング装置とを有することにより、所望するマージン部を有する金属薄膜を得ることができる。よって、この製造装置を使用することにより本発明の薄膜積層体を効率よく製造することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面を参照しながら具体的に説明する。
【0050】
A.薄膜積層体及びコンデンサについて
本発明の薄膜積層体及びコンデンサの実施の形態を説明する。
【0051】
(実施の形態A−1)
図1は、本発明の実施の形態A−1に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図1(A)は正面方向断面図、図1(B)は右側面図、図1(C)は平面図、図1(D)は図1(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図1(E)は図1(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。図は、積層構成を模式的に示しており、各種寸法や積層数等は実際の積層体と著しく異なっている。
【0052】
本実施の形態の薄膜積層体10は、形成位置が異なる金属薄膜11a,11bが交互に積層され、金属薄膜11aと金属薄膜11bとの間に樹脂薄膜12が積層されて構成される。金属薄膜11a,11bの形成領域は、樹脂薄膜12の形成領域より小さく、金属薄膜11a,11bの端部は薄膜積層体10の外周面に露出していない。薄膜積層体10の積層方向に貫通する2つの貫通孔13a,13bが離間して形成される。金属薄膜との関係では、一方の貫通孔13aは金属薄膜11aのみを貫通し、他方の貫通孔13bは金属膜層11bのみを貫通する。両貫通孔13a,13bには導電性材料14a,14bが充填されている。導電性材料14aは金属薄膜11aと電気的に接続され、金属薄膜11bとは絶縁される。また導電性材料14bは金属薄膜11bと電気的に接続され、金属薄膜11aとは絶縁される。
【0053】
かくして、薄膜積層体10の上面又は下面に露出した導電性材料14a,14bを電極取り出し部(取り出し電極)とし、それぞれに異なる電位を付与すると、金属薄膜11a,11bを電極とし、樹脂薄膜12を誘電体層とするコンデンサを構成することができる。
【0054】
外表面に露出した導電性材料14a,14b上には、金、銀、アルミニウム、銅、半田、導電性ペースト、導電性高分子等からなる電極端子(突起(バンプ)電極)を形成してもよい。
【0055】
図2に、図1に示したコンデンサ10を回路基板17上に実装した状態の概略側面図を示す。貫通孔13a,13bに充填された導電性材料14a,14b上に形成した電極端子15と、回路基板17上の電極端子19とを接続する。図17に示した従来のチップコンデンサ940の場合、電極941a,941bが側面に形成されていたため、チップコンデンサ940の上方からの投影面積以上の実装面積が必要であった。ところが、本実施の形態のコンデンサの場合、取り出し電極が下面に形成されているから、必要な実装面積はコンデンサ10の上方からの投影面積と略同等にすることができる。よって、より高密度の実装が可能になる。
【0056】
図2では、導電性材料14a,14b上に電極端子15を形成して、電極端子15と回路基板17上の電極端子19とを接続したが、電極端子15を設けることなく導電性材料14a,14bと回路基板17上の電極端子19とを直接接続してもよい。
【0057】
図1では、積層方向に貫通する貫通孔13a,13bに導電性材料14a,14bを充填して、上下面のいずれの面からでも電極取り出し可能に構成したが、孔13a,13bを貫通させず上下面のいずれか一方のみから形成した非貫通孔とし、これに導電性材料を充填することにより、取り出し電極を片面のみに形成したコンデンサとしてもよい。
【0058】
図1では、コンデンサ用の薄膜積層体を例に説明したが、コンデンサ以外の用途、例えば、コイル、ノイズフィルタ、積層回路基板等に使用することもできる。この場合には、当該用途に応じて積層構成や金属薄膜と取り出し電極との接続形態を変更することができる。
【0059】
(実施の形態A−2)
図3は、本発明の実施の形態A−2に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図3(A)は正面方向断面図、図3(B)は右側面図、図3(C)は底面図、図3(D)は図3(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図3(E)は図3(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。図は、積層構成を模式的に示しており、各種寸法や積層数等は実際の積層体と著しく異なっている。
【0060】
本実施の形態の薄膜積層体20は、形成位置が異なる金属薄膜21a,21bが交互に積層され、金属薄膜21aと金属薄膜21bとの間に樹脂薄膜22が積層されて構成される。金属薄膜21a,21bの形成領域は、樹脂薄膜22の形成領域より小さく、金属薄膜21a,21bの端部は薄膜積層体20の外周面に露出していない。各樹脂薄膜22には積層方向に貫通する2つの貫通孔23a,23bが離間して形成されている。貫通孔23aは金属薄膜21aの形成領域内であって、金属薄膜21bの形成領域外に形成され、貫通孔23a内に充填された金属薄膜21aの材料を介して上下に積層された金属薄膜21aが電気的に接続される。また、貫通孔23bは金属薄膜21bの形成領域内であって、金属薄膜21aの形成領域外に形成され、貫通孔23b内に充填された金属薄膜21bの材料を介して上下に積層された金属薄膜21bが電気的に接続される。これにより、金属薄膜21aと金属薄膜21bとは絶縁される。最下層の金属薄膜21a,21bの下の貫通孔23a,23bには金属薄膜21a,21bの材料と同一材料が充填されている。最上層の金属薄膜21a,21bの上の貫通孔23a,23bには、必要に応じて導電性材料24a,24bが充填される。
【0061】
かくして、薄膜積層体20の下面の貫通孔23a,23b内の金属薄膜21a,21b材料又は薄膜積層体20の上面の貫通孔23a,23b内の導電性材料24a,24bを電極取り出し部(取り出し電極)とし、それぞれに異なる電位を付与すると、金属薄膜21a,21bを電極とし、樹脂薄膜22を誘電体層とするコンデンサを構成することができる。
【0062】
外表面に露出した貫通孔23a,23b内の金属薄膜材料及び/又は導電性材料24a,24b上には、金、銀、アルミニウム、銅、半田、導電性ペースト、導電性高分子等からなる電極端子(突起(バンプ)電極)を形成してもよい。
【0063】
本実施の形態のコンデンサも、実施の形態A−1と同様に、図2のように実装することができ、高密度実装が可能になる。
【0064】
図3では、積層方向に貫通する貫通孔23a,23b設けて、上下面のいずれの面からでも電極取り出し可能に構成したが、孔23a,23bを上面まで貫通させず(即ち、最上層の金属薄膜21a,21bの上の樹脂層には貫通孔を設けず)、取り出し電極を下面のみに形成したコンデンサとしてもよい。
【0065】
図3では、コンデンサ用の薄膜積層体を例に説明したが、コンデンサ以外の用途、例えば、コイル、ノイズフィルタ、積層回路基板等に使用することもできる。この場合には、当該用途に応じて積層構成や金属薄膜と取り出し電極との接続形態を変更することができる。
【0066】
(実施の形態A−3)
図4(A)は実施の形態A−3のコンデンサ(アレイコンデンサ)の概略構成を示した平面図、図4(B)は図4(A)のコンデンサを回路基板に実装した例を示した側面図である。
【0067】
図4(A)に示すように、アレイコンデンサ30は、独立してコンデンサとして機能するコンデンサ要素36が縦横方向に格子点状に配列されて構成される。各コンデンサ要素36は実施の形態A−1又はA−2に記載のコンデンサと同様の構成を有する。即ち、各コンデンサ要素36は、樹脂薄膜と金属薄膜31a,31bとが交互に積層されて構成される。各金属薄膜31a,31bは、一対の取り出し電極35a,35bにそれぞれ接続されている。
【0068】
コンデンサ要素36の非形成領域には必要に応じて貫通電極37が形成される。貫通電極37は、アレイコンデンサ30を厚み方向に貫通する貫通孔(第2の貫通孔)38内に、導電性材料39が充填されて構成される。貫通電極37はコンデンサ要素36を構成する各金属薄膜31a,31bとは絶縁される。
【0069】
取り出し電極35a,35b及び貫通電極37上には、金、銀、アルミニウム、銅、半田、導電性ペースト、導電性高分子等からなる電極端子(突起(バンプ)電極)を形成してもよい。
【0070】
図4(B)に実装例を示す。回路基板41上に、アレイコンデンサ30と、半導体チップ45を搭載したキャリア46とが積層される。回路基板41のある電極端子42は、アレイコンデンサ30のコンデンサ素子36の取り出し電極上に形成された電極端子35’と接続される。また、回路基板41の他の電極端子42はアレイコンデンサ30の貫通電極37上に形成された電極端子37’と接続され、貫通電極37を介してキャリア46の電極端子47と接続され、さらに半導体チップ45と接続される。
【0071】
このように、コンデンサ素子36を同一面上に複数個分離して形成したアレイコンデンサを構成すると、分離独立した個々のコンデンサを配置する場合に比べて実装面積を小さくできる。また実装工程も簡略化できる。さらに、複数のコンデンサ要素を1つの素子内に集積しても個々のコンデンサ要素を構成する電極(金属薄膜)は独立しているために、コンデンサ要素間の相互干渉はほとんど発生せず、また浮遊容量も生じにくい。
【0072】
さらに、アレイコンデンサ内に貫通電極37を形成すると、アレイコンデンサの上に他の電子部品(上記の例では半導体チップ45)を載置して貫通電極37を介して基板41と電子部品とを電気的に接続することができる。この結果、実装面積を小さくできることに加えて、載置した電子部品の近傍にコンデンサを配置できるので該電子部品の高周波駆動が可能になる。
【0073】
また、アレイコンデンサ30と、キャリア46と、この上に搭載された半導体チップ45とを1つのパッケージに収納して半導体集積回路40を構成することもできる。かかる半導体集積回路40によれば、所定の機能を発揮させるための半導体部品を1ユニットとして取り扱うことができ、個別に半導体部品を実装する場合に比べて実装工程を簡略化できる。
【0074】
また、複数の絶縁性基板が所定の配線パターン層を介して積層され、各配線パターン層が絶縁性基板の厚さ方向に形成されたビアホールを介して接続された多層配線基板において、上記アレイコンデンサ30をビアホールを備えた絶縁性基板の一部として使用することもできる。かかる構成によれば、多層配線基板中にコンデンサ要素などを収納することができ、基板表面にコンデンサなどを実装する場合に比べて、実装面積を大幅に縮小でき、また実装工程も簡略化できる。
【0075】
(実施の形態A−4)
図5は、本発明の実施の形態A−4に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図5(A)は正面方向断面図、図5(B)は右側面図、図5(C)は平面図、図5(D)は図5(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図5(E)は図5(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。図は、積層構成を模式的に示しており、各種寸法や積層数等は実際の積層体と著しく異なっている。
【0076】
本実施の形態の薄膜積層体50は、形成位置が異なる金属薄膜51a,51bが交互に積層され、金属薄膜51aと金属薄膜51bとの間に樹脂薄膜52が積層されて構成される。薄膜積層体50の周囲面の2箇所に積層方向に連続する切り欠き部53a,53bが離間して形成されている。図5では、切り欠き部53a,53bは、対向する2側面に、略半円筒形状に形成されている。金属薄膜との関係では、一方の切り欠き部53aは金属薄膜51aのみを切り欠き、他方の切り欠き部53bは金属膜層51bのみを切り欠いている。両切り欠き部53a,53bには導電性材料54a,54bが充填されている。導電性材料54aは金属薄膜51aと電気的に接続され、金属薄膜51bとは絶縁される。また導電性材料54bは金属薄膜51bと電気的に接続され、金属薄膜51aとは絶縁される。切り欠き部53a,53bが形成された2側面を除く他の2側面には金属薄膜51a,51bが露出しないように、金属薄膜51a,51bは樹脂薄膜52の形成領域より小さい領域内に形成されている。
【0077】
かくして、薄膜積層体50の切り欠き部53a,53bが形成された2側面及び上下面に露出した導電性材料54a,54bを電極取り出し部(取り出し電極)とし、それぞれに異なる電位を付与すると、金属薄膜51a,51bを電極とし、樹脂薄膜52を誘電体層とするコンデンサを構成することができる。
【0078】
本実施の形態のコンデンサは、実施の形態A−1のコンデンサと同一の静電容量を有する場合にはさらに小型化することができる。
【0079】
上下面及び側面に露出した導電性材料54a,54b上には、金、銀、アルミニウム、銅、半田、導電性ペースト、導電性高分子等からなる電極端子(突起(バンプ)電極)を形成してもよい。
【0080】
図6に、図5に示したコンデンサ50を回路基板57上に実装した状態の概略側面図を示す。
【0081】
図6(A)は、切り欠き部53a,53bに充填された導電性材料54a,54b上に形成した電極端子55と、回路基板57上の電極端子59とを接続した場合を示している。本実施の形態のコンデンサを図6(A)のように実装した場合、図17に示した従来のチップコンデンサ940を実装した場合と比べて、実装面積を小さくすることができることはもちろん、実施の形態A−1のコンデンサを実装した場合と比べても、さらに実装面積を小さくでき、高密度実装が可能になる。
【0082】
図6(B)は、電極端子55を形成せずに回路基板57上にコンデンサ50を直接設置して、側面に露出した導電性材料54a,54bとコンデンサ50の周辺に配置した電極端子59とを半田等の導電性材料58を用いて接続した場合を示している。このような実装方法を採ることにより、実装高さを低くすることができる。また、導電性材料58をコンデンサ50の側面に付着させるので、実装時に導電性材料58のコンデンサ50への付着不良が生じても、容易に修正することができる。
【0083】
図6(A)では、導電性材料54a,54b上に電極端子55を形成して、電極端子55と回路基板57上の電極端子59とを接続したが、電極端子55を設けることなく導電性材料54a,54bと回路基板57上の電極端子59とを直接接続してもよい。
【0084】
図5では、積層方向に貫通するように形成した切り欠き部53a,53bに導電性材料54a,54bを充填して、上下面及び対向する2側面のいずれの面からでも電極取り出し可能に構成したが、切り欠き部53a,53bを貫通させず上下面のいずれか一方のみから形成した非貫通の切り欠き部とし、これに導電性材料を充填することにより、取り出し電極の形成面を上下方向についてはいずれか一面のみとしたコンデンサとしてもよい。
【0085】
図5では、コンデンサ用の薄膜積層体を例に説明したが、コンデンサ以外の用途、例えば、コイル、ノイズフィルタ、積層回路基板等に使用することもできる。この場合には、当該用途に応じて積層構成や金属薄膜と取り出し電極との接続形態を変更することができる。
【0086】
また、切り欠き部53a,53bの形成位置も図5の例に限定されない。例えば、対向する2側面に形成するのではなく、4隅うちの2隅に形成してもよい。
【0087】
(実施の形態A−5)
図7は、本発明の実施の形態A−5に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図7(A)は正面方向断面図、図7(B)は右側面図、図7(C)は底面図、図7(D)は図7(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図7(E)は図7(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。図は、積層構成を模式的に示しており、各種寸法や積層数等は実際の積層体と著しく異なっている。
【0088】
本実施の形態の薄膜積層体60は、形成位置が異なる金属薄膜61a,61bが交互に積層され、金属薄膜61aと金属薄膜61bとの間に樹脂薄膜62が積層されて構成される。各樹脂薄膜62の周囲面の2箇所には積層方向に連続する切り欠き部63a,63bが離間して形成されている。図7では、切り欠き部63a,63bは、対向する2辺に、略半円筒形状に形成されている。切り欠き部63aは金属薄膜61aの形成領域内であって、金属薄膜61bの形成領域外に形成され、切り欠き部63a内に充填された金属薄膜61aの材料を介して上下に積層された金属薄膜61aが電気的に接続される。また、切り欠き部63bは金属薄膜61bの形成領域内であって、金属薄膜61aの形成領域外に形成され、切り欠き部63b内に充填された金属薄膜61bの材料を介して上下に積層された金属薄膜61bが電気的に接続される。これにより、金属薄膜61aと金属薄膜61bとは絶縁される。最下層の金属薄膜61a,61bの下の切り欠き部63a,63bには金属薄膜61a,61bの材料と同一材料が充填されている。最上層の金属薄膜61a,61bの上の切り欠き部63a,63bには、必要に応じて導電性材料64a,64bが充填される。切り欠き部63a,63bが形成された2側面を除く他の2側面には金属薄膜61a,61bが露出しないように、金属薄膜61a,61bは樹脂薄膜62の形成領域より小さい領域内に形成されている。
【0089】
かくして、切り欠き部63a,63bが形成された2側面及び上下面に露出した金属薄膜材料又は導電性材料64a,64bを電極取り出し部(取り出し電極)とし、それぞれに異なる電位を付与すると、金属薄膜61a,61bを電極とし、樹脂薄膜62を誘電体層とするコンデンサを構成することができる。
【0090】
外表面に露出した切り欠き部63a,63b内の金属薄膜材料及び/又は導電性材料64a,64b上には、金、銀、アルミニウム、銅、半田、導電性ペースト、導電性高分子等からなる電極端子(突起(バンプ)電極)を形成してもよい。
【0091】
本実施の形態のコンデンサも、実施の形態A−4と同様に、図6のように実装することができ、同様の効果が得られる。
【0092】
図7では、最上層の金属薄膜61a,61bの上にも切り欠き部63a,63bを形成し、導電性材料64a,64bを充填し、上面からも電極取り出し可能に構成したが、最上層の金属薄膜61a,61bの上の切り欠き部はなくてもよい。
【0093】
図7では、コンデンサ用の薄膜積層体を例に説明したが、コンデンサ以外の用途、例えば、コイル、ノイズフィルタ、積層回路基板等に使用することもできる。この場合には、当該用途に応じて積層構成や金属薄膜と取り出し電極との接続形態を変更することができる。
【0094】
また、切り欠き部63a,63bの形成位置も図7の例に限定されない。例えば、対向する2側面に形成するのではなく、4隅うちの2隅に形成してもよい。
【0095】
B.薄膜積層体及びコンデンサの製造方法及び製造装置について
次に、上記A項で説明した薄膜積層体及びコンデンサの製造方法及び製造装置について説明する。
【0096】
本発明の薄膜積層体及びコンデンサを製造する基本的な工程は、▲1▼支持体上に樹脂薄膜と金属薄膜とを交互に積層する工程(交互積層工程)と、▲2▼得られた積層体(積層体簿素子)を所定位置で積層方向に切断する工程(切断分離工程)とからなる。
【0097】
交互積層工程において積層される金属薄膜は、所定形状にパターニングされる。金属薄膜をパターニングするには、金属薄膜の積層前にオイルを所定形状に付与するオイルパターニング法、又は金属薄膜積層後に積層した金属薄膜にレーザ光を照射して金属薄膜材料を除去するレーザパターニング法、又は前記の両者の組み合わせ、により達成可能である。
【0098】
実施の形態A−1(図1)に示した貫通孔13a,13bの形成及び導電性材料14a,14bの充填、実施の形態A−4(図5)に示した切り欠き部53a,53bの形成及び導電性材料54a,54bの充填、及び実施の形態A−3(図4)に示した貫通電極37の形成は、上記交互積層工程が終了後であって切断分離工程開始前に、レーザ光等により積層方向に孔を形成し、次いで該孔に導電性材料を充填することで達成できる。あるいは、交互積層工程において、樹脂薄膜及び/又は金属薄膜を積層するたびに、レーザ光等を照射して所定位置の樹脂薄膜及び金属薄膜を除去し、積層方向に連続する孔を形成し、交互積層工程終了後に、得られた貫通孔に導電性材料を充填してもよい。
【0099】
また、実施の形態A−2(図3)に示した樹脂薄膜21a,21bを貫通する貫通孔23a,23bの形成、実施の形態A−5(図7)に示した樹脂薄膜61a,62bに形成された切り欠き部63a,63bの形成は、交互積層工程において、樹脂薄膜積層後であって、金属薄膜積層前に、新たに積層した樹脂薄膜の所定位置のみをレーザ光等により除去して樹脂薄膜に貫通孔を形成し、その後金属薄膜を積層すれば、該貫通孔を介して上下の金属薄膜同士を接続させることができる。
【0100】
本発明の製造方法と製造装置は、上記の各種方法を取捨選択して組み合わせることにより複数の実施形態が可能である。以下に、代表的な実施形態を例示する。
【0101】
(実施の形態B−1)
図8は、本発明の実施の形態B−1にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。本実施形態では、金属薄膜のパターニングをオイルパターニング法で行ない、貫通孔又は切り欠き部の形成を交互積層工程終了後にレーザ加工装置を用いて行なう。
【0102】
図8において、100は本実施の形態の製造装置、115は真空槽、116は真空槽115内部を所定の真空度に維持する真空ポンプ、111は真空槽115内に設置された、図中の矢印111aの方向に回転する円筒形状のキャンローラ、112は樹脂薄膜形成装置、130a,130bはパターニング材料付与装置(ノズル)、114は金属薄膜形成装置(金属材料供給源)、117はパターニング材料除去装置、118は樹脂硬化装置、119は表面処理装置、120は金属薄膜形成領域を他の領域と区別するための隔壁、121は隔壁120に設けられた開口、123は必要時以外に金属薄膜が形成されるのを防止するために、移動方向123aの方向に移動して開口121を開閉する遮蔽板、125はレーザ加工装置、127はプラズマ照射装置である。
【0103】
キャンローラ111を回転させることにより、キャンローラ111の外周面上に、樹脂薄膜形成装置112による樹脂薄膜と、金属薄膜形成装置114による金属薄膜とが交互積層された薄膜積層体を形成できる。
【0104】
このとき、一対のパターニング材料付与装置130a,130bを用いて、金属薄膜形成前に樹脂薄膜表面にパターニングオイルを所定形状で付与しておくことにより、任意形状にパターニングされた金属薄膜を形成できる。
【0105】
パターニング材料付与装置130aとパターニング材料付与装置130bの基本構成は同一である。図9にパターニング材料付与装置(ノズル)130a,130bの概略構成を示す。図9(A)はキャンローラ111側から見た正面図、図9(B)は図9(A)のB−B線での断面図である。図9(A)中、矢印111bはキャンローラ111の外周面の移動方向を示す。
【0106】
パターニング材料付与装置130a,130bは、液体状態のパターニング材料(オイル)137を保持する貯蔵槽134と、気化したパターニング材料を保持するキャビティ133とを有する。貯蔵槽134とキャビティ133とは連結路135で接続されている。キャンローラ111側に面する対向面132には、キャビティ133と接続した複数(図9では5つ)の微細孔131が形成されている。複数の微細孔131は、キャンローラ111の移動方向111bと略平行に所定距離を隔てて等間隔に配置されている。パターニング材料付与装置130a,130bはパターニング材料(オイル)137の気化温度以上に加熱されており、貯蔵槽134内のパターニング材料137は気化して、キャビティ133に移動し、微細孔131からキャンローラ111の外周面に向けて放出される。放出されたパターニング材料はキャンローラ111の外周面上で液化して、パターニング材料の液膜が形成される。
【0107】
図8に示した本実施形態の製造装置では、一対のパターニング材料付与装置130a,130bを、それぞれキャンローラ111の回転軸方向と略平行(キャンローラ111の外周面の移動方向111bと略直角方向)に往復移動させる。そして、パターニング材料付与装置130aによってキャンローラ111の外周面上に形成された複数本のパターニング材料のストライプと、パターニング材料付与装置130bによってキャンローラ111の外周面上に形成された複数本のパターニング材料のストライプとを交差させる。
【0108】
図10は、一対のパターニング材料付与装置130a,130bによってキャンローラ111の外周面上に形成されたパターニング材料のストライプパターンの一例の展開図である。矢印111bはキャンローラ111の外周面の移動方向を示す。実線138aは、パターニング材料付与装置130aによってキャンローラ111の外周面上に形成された5本のパターニング材料のストライプを示し、点線138bは、パターニング材料付与装置130bによってキャンローラ111の外周面上に形成された5本のパターニング材料のストライプを示す。図示したように、一対のパターニング材料付与装置130a,130bを、それぞれキャンローラ111の回転軸方向と略平行に所定速度で同期させながら往復移動さることで、キャンローラ111の外周面上にパターニング材料の格子状の付与パターンを形成することができる。特に、パターニング材料付与装置130a,130bの移動速度をキャンローラ111の外周面の移動速度と略同一とすると、各パターニング材料付与装置130a,130bによって形成されるストライプと移動方向111bとがなす角度を略45度とすることができる。その結果、ストライプ138a,138bが略直交する格子状の付与パターンを得ることができる。
【0109】
その後、金属薄膜形成装置114で金属薄膜を形成すると、パターニング材料が付与された部分には金属薄膜は形成されないから、格子状にパターニングされた矩形状の金属薄膜を形成することができる。
【0110】
更に、キャンローラ111が1回転した後に形成される格子状パターンの形成位置が前回の格子状パターンの形成位置と同一位置とならないように、好ましくはストライプ138a,138bのいずれかと平行に所定量だけシフトした位置に形成されるようにパターニング材料付与装置130a,130bの移動を制御する。加えて、更に1回転した後に形成される格子状パターンの形成位置は、前回の形成位置とは同様に一致しないが、前々回の形成位置とは一致するように、パターニング材料付与装置130a,130bの移動を制御する。このようにすることで、格子状マージン部パターンが所定量だけずれた2通りの金属薄膜を樹脂薄膜を介して交互に積層することができる。更に、樹脂薄膜を挟む金属薄膜は、所定の対向部分を有するように、パターン位置をずらしておく。該対向部分はコンデンサの静電容量形成領域を形成する。
【0111】
レーザ加工装置125は、キャンローラ111の外周面に向けてレーザ光を照射する。レーザ加工装置125は図示しない走査装置を備えており、キャンローラ111の回転軸方向及び/又は外周面の走行方向の任意の位置に、キャンローラ111の外周面の略法線方向に、レーザ光を照射することができる。本実施形態では、キャンローラ111の外周面上に樹脂薄膜と金属薄膜との交互積層体を形成した後、キャンローラ111を回転させながら、その回転と同期させてレーザ光を所定位置に照射する。レーザ加工装置125からのレーザ光は樹脂薄膜及び金属薄膜の双方を加熱・溶融(一部は更に蒸発)させて除去することができる。従って、積層体を積層方向に貫通する貫通孔を形成できる。樹脂薄膜及び金属薄膜の双方を加工できるレーザ光源としては、樹脂薄膜材料及び金属薄膜材料とこれらの厚み等にもよるが、例えば、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、グリーンレーザ等を用いることができる。
【0112】
プラズマ照射装置127は、レーザ加工装置125の下流側に、キャンローラ111の外周面に向けて設置される。プラズマとしては、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、窒素プラズマなどが使用できるが、レーザ加工面の清浄化速度の点からは酸素プラズマが好ましい。
【0113】
以下に、図8に示した装置を用いた交互積層工程について説明する。
【0114】
真空槽115の内部は真空ポンプ116により例えば2×10-2Pa程度に減圧される。
【0115】
キャンローラ111の外周面は好ましくは−20〜40℃、特に好ましくは−10〜10℃に冷却される。回転速度は自由に設定できるが、15〜100rpm程度、周速度は好ましくは10〜300m/minである。
【0116】
樹脂薄膜形成装置112は、樹脂薄膜材料を加熱気化又は霧化させてキャンローラ111の外周面に向けて放出する。樹脂薄膜材料はキャンローラ111の外周面上で冷却され液膜を形成する。
【0117】
樹脂薄膜材料としては、このように堆積して薄膜を形成できるものであれば特に限定されず、得られる積層体の用途に応じて適宜選択できるが、反応性モノマー樹脂であるのが好ましい。例えば、アクリレート樹脂またはビニル樹脂を主成分とするものが好ましく、具体的には、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能ビニルエーテルモノマーが好ましく、中でも、シクロペンタジエンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルモノマー等若しくはこれらの炭化水素基を置換したモノマーが電気特性、耐熱性、安定性等の点で好ましい。
【0118】
堆積した樹脂薄膜材料は、必要に応じて樹脂硬化装置118により所望の硬化度に硬化処理してもい。硬化処理としては、樹脂薄膜材料を重合及び/又は架橋する処理が例示できる。樹脂硬化装置としては、例えば電子線照射装置、紫外線照射装置、又は熱硬化装置等を用いることができる。硬化処理の程度は、製造する積層体の要求特性により適宜変更すれば良いが、例えば硬化度が50〜95%、更には50〜75%になるまで硬化処理するのが好ましい。なお、本発明の硬化度は、赤外分光光度計でC=O基の吸光度とC=C基(1600cm-1)の比をとり、各々のモノマーと硬化物の比の値をとり、減少分吸光度を1から引いたものと定義する。
【0119】
形成された樹脂薄膜は、必要に応じて表面処理装置119により表面処理される。例えば、酸素雰囲気下で放電処理又は紫外線照射処理等を行って、樹脂薄膜表面を活性化させて金属薄膜との接着性を向上させることができる。
【0120】
次いで、一対のパターニング材料付与装置130a,130bにより、樹脂薄膜上にパターニング材料を図10に示したような格子状パターンに付与する。パターニング材料を薄く形成した後に、金属薄膜を蒸着などによって形成すると、パターニング材料上には金属薄膜が形成されず、マージン部が形成される。このようにして所望のパターンを持つ金属薄膜を形成することが出来る。
【0121】
使用するパターニング材料としては、エステル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイル及び炭化水素系オイルよりなる群から選ばれた少なくとも一種のオイルであることが好ましい。更に好ましくは、エステル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイルであり、特に、フッ素系オイルが好ましい。上記以外のパターニング材料を使用すると、積層表面の荒れ、樹脂薄膜や金属薄膜のピンホール、金属薄膜の形成境界部分の不安定化等の問題を生じることがある。
【0122】
パターニング材料を付与した後、金属薄膜形成装置114により金属薄膜を積層する。金属薄膜の積層方法としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等周知の真空プロセス手段が適用できるが、本発明では蒸着、特に電子ビーム蒸着が耐湿性の優れた膜が生産性良く得られる点で好ましい。金属薄膜の材料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、シリコン、ゲルマニウム若しくはその化合物、若しくはこれらの酸化物、若しくはこれらの化合物の酸化物などが使用できる。中でも、アルミニウムが接着性と経済性の点で好ましい。なお、金属薄膜には、上記以外の他成分を含むものであっても構わない。また、金属薄膜を一種とせず、例えばAl層とCu層の混入とすることによって特性の補完がなされ、使用条件によっては高性能化が図れる場合もありうる。なお、金属薄膜の形成を中断する場合は、開口121を遮蔽板123で塞ぐ。
【0123】
その後、パターニング材料除去装置117により余剰のパターニング材料が除去される。パターニング材料の大部分は金属薄膜の形成の際に蒸発して消失してしまうが、一部は金属薄膜の積層後も残存する。残存したパターニング材料は、積層表面の荒れ、樹脂薄膜や金属薄膜のピンホール(積層抜け)、金属薄膜の形成境界部分の不安定化等の問題を発生させる。パターニング材料の除去方法は特に制限はなく、使用するパターニング材料等に応じて選択すればよいが、例えば光照射や電熱ヒータによる加熱除去、プラズマ照射、イオン照射、電子照射による分解除去などにより行なうことができる。
【0124】
以上の製造装置100によれば、開口121を開いた状態では、周回するキャンローラ111の外周面上に、樹脂薄膜形成装置112による樹脂薄膜と、金属薄膜形成装置114による金属薄膜とが交互に積層された積層体が製造され、また、開口121を遮蔽した状態では、周回するキャンローラ110の外周面上に、樹脂薄膜形成装置112による樹脂薄膜が連続して積層された積層体が製造される。
【0125】
さらに、上記のように、キャンローラ111の回転と同期させてパターニング材料付与装置130a,130bの往復移動を制御することにより、金属薄膜の格子状マージン部パターンの位置を、樹脂薄膜を介して交互に2通りに変化させることができる。
【0126】
樹脂薄膜及び金属薄膜の積層を終了後、キャンローラ111の外周面上に積層体を積層した状態で、レーザ加工装置125を用いて積層体に貫通孔を形成する。具体的には、キャンローラ111を回転させながら、その回転と同期させてレーザ光を走査して、所定位置にレーザ光を照射する。
【0127】
貫通孔の形成後、プラズマ照射装置127で貫通孔内壁面にプラズマを照射するのが好ましい。貫通孔内壁面をプラズマ処理することにより、内壁面に露出した樹脂薄膜材料が除去されて、金属薄膜の露出量が増加する。この結果、後に貫通穴内に導電性材料を充填した際に、導電性材料と金属薄膜との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0128】
図11に、キャンローラ111の外周面上に形成された薄膜積層体の展開平面図を示す。図11において矢印111bはキャンローラ111の外周面の移動方向を示す。
【0129】
略格子状にパターニングされた金属薄膜31aと金属薄膜31bとが樹脂薄膜を介して交互に積層されている。金属薄膜31aの略格子状のマージン部パターンと金属薄膜31bの略格子状のマージン部パターンとはほぼ同一であり、両パターンは、金属薄膜31aと金属薄膜31bとが積層方向に所定の重なり部分を有するように、ずらして形成される。金属薄膜31aと金属薄膜31bとの重なり部分がコンデンサとして使用する場合の静電容量形成領域を形成する。
【0130】
積層方向の貫通孔33aは、金属薄膜31aを貫通し、金属薄膜31bは貫通しない位置に形成される。また、積層方向の貫通孔33bは、金属薄膜31bを貫通し、金属薄膜31aは貫通しない位置に形成される。
【0131】
積層体をキャンローラ111から剥離して、平板プレスした後、貫通孔33a,33bに導電性材料(例えば、金属粒子を含有する周知の導電性樹脂)を充填して積層体母素子を得る。
【0132】
次に、切断分離工程を行なう。金属薄膜31a,31bが形成されていないマージン部に沿って、即ち切断面71a,71bで積層方向に切断する。これにより、実施の形態A−1(図1)に示したような薄膜積層体を得ることができる。
【0133】
以上のように、本実施の形態によれば、切断面71a,71bが金属薄膜31a,31bの形成領域を含まない。即ち、金属薄膜31a,31bを切断しないので、金属薄膜を切断する際に生じるバリや切りくずが発生しない。また、金属薄膜を切断しないので切断力が小さくてすみ、また、切断時に薄膜積層体の変形や金属薄膜の破断が生じにくい。また、切断面に金属薄膜が露出しないので、外装を施さなくても金属薄膜の腐食が発生しにくい。
【0134】
また、貫通孔33a,33bの形成はレーザ加工装置125を用いて行なうので、加工時に金属薄膜や樹脂薄膜に機械的外力が付与されない。従って、薄膜積層体の変形や金属薄膜の破断が生じることもない。
【0135】
なお、上記のようにして得た薄膜積層体の外表面に必要に応じて外装や着色を施すことはもちろん可能である。
【0136】
上記において、交互積層工程の最初の段階及び最後の段階に、開口121を閉じて樹脂薄膜のみを連続して積層した所定厚さの保護層を形成してもよい。
【0137】
上記において、切断面71aに代えて、切断面71aと平行で、貫通孔33a及び貫通孔33bのそれぞれの略中心を通る面を切断面とすることで、実施の形態A−4(図5)に示した薄膜積層体を得ることができる。この場合、該切断面で金属薄膜31a,31bを切断することになるが、切断面内に切り欠き部53a,53bやマージン部を含むので実際の金属薄膜31a,31bの切断面積は減少する。また、他方の切断面71bでは金属薄膜31a,31bを切断することはない。従って、従来のコンデンサの製造方法における分離切断工程と比較すれば、金属薄膜の切断面積を少なくすることができる。よって、金属薄膜を切断する際に生じるバリや切りくずの発生を少なくすることができる。また、切断力を小さくでき、また、切断時に薄膜積層体の変形や金属薄膜の破断が生じにくい。また、切り欠き部53a,53bの形成面以外の周囲面に金属薄膜が露出しないので、金属薄膜の腐食が発生しにくい。
【0138】
さらに、実施の形態A−3(図4)に示したアレイコンデンサ(コンデンサ要素36を実施の形態A−1のコンデンサとした実施形態)を得るには以下のようにすればよい。即ち、上記において、金属薄膜31a,31bが形成されていないマージン部領域内の所定位置にも必要に応じて貫通孔(第2の貫通孔)を形成し、該第2の貫通孔にも同様に導電性材料を充填して、貫通電極を形成する。その後、金属薄膜31a,31b及び貫通電極を切断しないように、マージン部領域で切断する。この場合も、金属薄膜31a,31bを切断しないので、金属薄膜を切断する際に生じるバリや切りくずが発生しない。また、金属薄膜を切断しないので切断力が小さくてすみ、また、切断時に薄膜積層体の変形や金属薄膜の破断が生じにくい。また、切断面に金属薄膜が露出しないので、外装を施さなくても金属薄膜の腐食が発生しにくい。
【0139】
(実施の形態B−2)
本実施の形態は、上記の実施の形態B−1と以下の点で相違する。即ち、実施の形態B−1では、交互積層工程の終了後に、レーザ加工装置125を用いてレーザ光を照射して積層体に貫通孔を形成したが、本実施の形態B−2では、交互積層工程中にレーザ光を照射する。
【0140】
具体的には、キャンローラ111が1回転することにより新たに積層された樹脂薄膜及び金属薄膜にレーザ加工装置125を用いてレーザ光を照射して所定位置の樹脂薄膜及び金属薄膜を除去する。キャンローラ111の回転に同期させてレーザ光を走査することで、積層方向におけるレーザ光の照射位置を一致させる。これにより積層方向に連続する孔を形成でき、結果的に積層方向の貫通孔を形成することができる。貫通電極を形成する場合には、樹脂薄膜の金属薄膜が形成されていない領域にレーザ光を照射して、貫通電極用の貫通孔(第2の貫通孔)を加工すればよい。
【0141】
本実施の形態においても、プラズマ照射装置127を用いて貫通孔内壁面をプラズマ処理することが好ましい。プラズマ処理は交互積層工程中に随時行なうこともでき、あるいは、交互積層工程終了後に行なうこともできる。
【0142】
本実施の形態では、交互積層工程内の所定の時期にレーザ加工装置125による穴加工を停止することにより、非貫通孔を容易に形成することができる。例えば、薄膜積層体の上層及び/又は下層に樹脂薄膜のみが連続積層された保護層を形成する場合において、上下のいずれかの保護層部分には孔加工を行なわないことにして、取り出し電極を上下面のいずれか一方のみに形成したコンデンサを得ることができる。
【0143】
上記以外は実施の形態B−1と同様である。
【0144】
(実施の形態B−3)
本実施の形態のは、以下の点で実施の形態B−2と相違する。即ち、本実施の形態B−3では、レーザ加工装置125として、樹脂薄膜を除去でき、金属薄膜を除去できない特性を有するレーザ加工装置を使用する。このような特性を有するレーザ光源としては、樹脂薄膜材料及び金属薄膜材料にもよるが、例えば、CO2レーザなどの波長の比較的長いレーザを用いることができる。
【0145】
交互積層工程において、金属薄膜形成装置114により金属薄膜を、次いで樹脂薄膜形成装置112により樹脂薄膜を順に積層した後、レーザ加工装置125を用いて所定位置にレーザ光を照射する。レーザ加工装置125によるレーザ光は樹脂薄膜を除去し照射位置に樹脂薄膜を貫通する貫通孔を形成する。樹脂薄膜の下に金属薄膜がある場合、レーザパワーを所定の値以下に制御すればレーザ光は該金属薄膜に対しては何ら作用しない。その後、樹脂薄膜に形成された貫通孔を含む領域に金属薄膜を形成すると、該貫通孔を介して樹脂薄膜の上下の金属薄膜が接続される。
【0146】
実施の形態B−1,B−2と同様に、キャンローラ111が1回転するたびに金属薄膜の格子状マージン部パターン位置を変化させる。樹脂薄膜に形成する貫通孔の位置を、一層毎に変化する金属薄膜の格子状パターン位置に対して適切に設定することにより、1層おきの金属薄膜が樹脂薄膜に形成された貫通孔で接続された積層体母素子が得られる。
【0147】
この積層体母素子を実施の形態B−1,B−2と同様に図11の切断面71a,71bで切断する。これにより、実施の形態A−2(図3)に示したような薄膜積層体を得ることができる。また、切断面71aに代えて、切断面71aと平行で、貫通孔33a及び貫通孔33bのそれぞれの略中心を通る面を切断面とすることで、実施の形態A−5(図7)に示した薄膜積層体を得ることができる。
【0148】
本実施の形態では、交互積層工程において、樹脂薄膜に貫通孔を形成後、金属薄膜を形成することにより、貫通孔内に金属薄膜材料が充填される。このため、樹脂薄膜に形成した貫通孔を介して金属薄膜が順に接続されていくから、実施の形態B−1,B−2のように貫通孔に導電性材料を充填する必要はない。但し、積層体母素子の上表層の樹脂薄膜に孔が形成され、その孔の底部に金属薄膜が露出している場合は、該孔に導電性材料を該金属薄膜と接続するように充填することが好ましい。これにより、充填した導電性材料を介することで電極取り出しを容易に行なえる。
【0149】
また、交互積層工程において、金属薄膜を形成しない領域にレーザ光を照射して貫通孔(第2の貫通孔)を形成し、該貫通孔を積層方向に連続させる。これにより、金属薄膜を貫通しない貫通孔を有する積層体母素子が得られる。該貫通孔に実施の形態B−1,B−2と同様に導電性材料を充填し、マージン部領域で切断すると、実施の形態A−3に示した貫通電極を備えたアレイコンデンサ(コンデンサ要素36を実施の形態A−2のコンデンサとした実施形態)を得ることができる。
【0150】
本実施の形態においても、交互積層工程中にプラズマ照射装置127を用いて貫通穴内壁面をプラズマ処理することが好ましい。
【0151】
本実施の形態では、実施の形態B−2と同様に、交互積層工程内の所定の時期にレーザ加工装置125による穴加工を停止してもよい。例えば、薄膜積層体の上層及び/又は下層に樹脂薄膜のみが連続積層された保護層を形成する場合において、上下のいずれかの保護層部分には孔加工を行なわないことにして、電極取り出し面を上下面のいずれか一方のみとしたコンデンサを得ることができる。
【0152】
上記以外は実施の形態B−2と同様である。
【0153】
(実施の形態B−4)
本実施の形態B−4は、金属薄膜のパターニングをレーザ光を用いたレーザパターニング法により行なう点で、オイルパターニング法により行なう上記の実施の形態B−1〜B−3と相違する。
【0154】
図12は、本発明の実施の形態B−4にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。図8と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0155】
本実施の形態では、実施の形態B−1〜B−3において金属薄膜のパターニングのために使用したパターニング材料付与装置130a,130b及びパターニング材料除去装置117(図8参照)の代わりに、レーザパターニング装置140を使用する。レーザパターニング装置140は、金属薄膜形成装置114の下流側であって、樹脂薄膜形成装置112の上流側に設置される。
【0156】
金属薄膜形成後、レーザパターニング装置140を用いて金属薄膜表面にレーザ光を照射して、照射箇所の金属薄膜を加熱・溶融(一部は更に蒸発)させて除去し、マージン部を形成する。
【0157】
レーザパターニング装置140から発射されるレーザ光は、レーザ加工装置125からのレーザ光と異なり、金属薄膜に対してのみ作用し、樹脂薄膜に対しては何ら作用しない特性を有する必要がある。係る特性をレーザ光源としては、樹脂薄膜材料及び金属薄膜材料にもよるが、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザ、グリーンレーザ、エキシマレーザなどの比較的波長の短いレーザ光が望ましい。長波長レーザ光は、金属薄膜表面で反射してしまう。また、レーザ光源の出力は、除去しようとする金属薄膜の種類や厚さに応じて選択することができる。
【0158】
レーザ光は、所望するマージン部の形状パターンに応じて照射する。マージン部の形状パターンによっては複数のレーザ光源を用いることもできる。例えば、金属薄膜を格子状マージン部を有するようにパターニングする場合には、以下のようにすればよい。第1のレーザ光源からの光をプリズムを用いてキャンローラ111の回転軸と平行方向に複数に分割してキャンローラ111の外周面に向かって照射して、キャンローラ111の外周面の走行方向に連続する帯状のマージン部を複数本形成する。第2のレーザ光源からの光を周知の方法で上記第1のレーザ光源による帯状のマージン部と交差するように走査する。
【0159】
本実施の形態のように、金属薄膜のパターニングをレーザパターニング法で行なうと、任意形状のパターニングを容易に作成することができる。また、実施の形態B−1〜B−3のオイルパターニング法では、キャンローラ111の外周面の走行方向に対して斜めのマージン部が形成されるが、本実施の形態のレーザパターニング法ではキャンローラ111の外周面の走行方向と平行方向及び直角方向のマージン部を形成することができる。
【0160】
キャンローラ111の回転に伴って、レーザパターニング装置140により格子状にパターニングされた金属薄膜上に、樹脂薄膜形成装置112により樹脂薄膜が積層され、さらにその上に金属薄膜形成装置114により金属薄膜が積層される。その後、再度レーザパターニング装置140により表層の金属薄膜を格子状にパターニングするが、このときの格子状パターンの形成位置を前回の格子状パターンの形成位置に対して所定量だけずらして形成する。加えて、更にキャンローラ111が1回転して積層された金属薄膜に対して形成される格子状パターンの形成位置を、前回の格子状パターン形成位置に対して所定量だけずらし、かつ前々回の格子状パターン形成位置と同一位置になるようにする。このようにすることで、格子状パターン位置が所定量だけずれた2通りの金属薄膜を樹脂薄膜を介して交互に積層することができる。
【0161】
このようにして、キャンローラ111の外表面上に図11に示したのと同様の薄膜積層体を得ることができる。但し、本実施の形態では、キャンローラ111の外周面の走行方向111bと格子状パターン方向との相対的関係は図11に示すものに限定されないことは上述の通りである。
【0162】
上記以外は実施の形態B−1〜B−3のいずれかと同様にして、実施の形態A−1,A−2,A−4,A−5に示した薄膜積層体(又はコンデンサ)、あるいは実施の形態A−3に示したアレイコンデンサを得ることができる。
【0163】
(実施の形態B−5)
本実施の形態B−5は、金属薄膜のパターニングをオイルパターニング法とレーザパターニング法とを併用して行なう点で、オイルパターニング法により行なう上記の実施の形態B−1〜B−3と、またレーザパターニング法により行なう実施の形態B−4と、それぞれ相違する。
【0164】
図13は、本発明の実施の形態B−5にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。図8、図12と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0165】
本実施の形態では、パターニング材料付与装置142を、樹脂薄膜形成装置112の下流側であって、金属薄膜形成装置114の上流側に設置する。パターニング材料付与装置142は、オイルパターニング法により複数の帯状のマージン部を形成する。また、レーザパターニング装置140を、金属薄膜形成装置114の下流側であって、樹脂薄膜形成装置112の上流側に設置する。レーザパターニング装置140は、パターニング材料付与装置142による帯状のマージン部と交差するようなマージン部をレーザパターニング法により形成する。
【0166】
パターニング材料付与装置142には、キャンローラ111の外周面に向けて形成された微細孔が、キャンローラ111の外周面の走行方向と直角方向に所定間隔を隔てて複数個配置されている。パターニング材料付与装置142の内部で気化されたパターニング材料は該微細孔から放出されてキャンローラ111上に積層された樹脂薄膜上に付着して、キャンローラ111の外周面の走行方向に平行な複数の帯状の液膜を形成する。
【0167】
その後、金属薄膜形成装置114により金属薄膜を積層すると、パターニング材料の液膜部分に対応する帯状のマージン部が形成される。
【0168】
次いで、レーザパターニング装置140を用いて、レーザ光を上記帯状のマージン部と交差するように走査して金属薄膜に照射して、マージン部を形成する。これにより、所望する格子状にパターニングされた金属薄膜を形成することができる。
【0169】
本実施の形態においても、ある層の金属薄膜の格子状パターンの形成位置を、その下に樹脂薄膜を介して形成された金属薄膜の格子状パターンの形成位置に対して所定量だけずらし、かつ、さらにその下に樹脂薄膜を介して形成された金属薄膜の格子状パターンの形成位置と一致させる。即ち、格子状パターン位置が所定量だけずれた2通りの金属薄膜を樹脂薄膜を介して交互に積層する。これを実現するためには例えば以下のようにすればよい。第1の方法として、キャンローラ111が1回転するとパターニング材料付与装置142をキャンローラ111の回転軸方向に所定量だけ移動させ、次の1回転後にもとの位置に戻すという往復運動を行なう。あるいは、第2の方法としてキャンローラ111が1回転するとレーザパターニング装置140によるレーザ光の照射位置をその走査方向と直角方向にに所定量だけずらし、次の1回転後にもとの位置に戻すという動作を行なってもよい。
【0170】
このようにして、キャンローラ111の外表面上に図11に示したのと同様の薄膜積層体を得ることができる。但し、本実施の形態では、金属薄膜の格子状パターンの縦横いずれかのマージン部の方向はキャンローラ111の外周面の走行方向111bと一致する。なお、パターニング材料付与装置142をキャンローラ111の回転軸方向と平行な方向に移動させることにより、又はレーザパターニング装置140によるレーザ光の走査条件を調整することにより、金属薄膜の格子状パターンのマージン部の方向を、キャンローラ111の外周面の走行方向111bと任意の角度で交差させることもできる。マージン部の方向の設定は、設備規模及び使用するレーザの走査速度などを考慮して決定される。
【0171】
上記以外は実施の形態B−1〜B−3のいずれかと同様にして、実施の形態A−1,A−2,A−4,A−5に示した薄膜積層体(又はコンデンサ)、あるいは実施の形態A−3に示したアレイコンデンサを得ることができる。
【0172】
(実施の形態B−6)
本実施の形態B−6では、実施の形態B−1〜B−5で使用した円柱状のキャンローラ111に代えて正多角柱形状の支持体を用い、これを断続的に回転させて、その外周に薄膜積層体を形成する。
【0173】
図14は、本発明の実施の形態B−6にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の主要構成要素を示した概略断面図である。図14において、図8,12,13と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0174】
本実施の形態では、正8角柱形状の支持体211の外周面に薄膜積層体を形成する。支持体211は回転方向211aの向きに45度ずつ断続的に回転する。
【0175】
金属薄膜のパターニングはパターニング材料付与装置220,230を用いてオイルパターニング法により行なう。
【0176】
第1のパターニング材料付与装置220には、微細孔222が、支持体211の外周面に向けて、紙面垂直方向(支持体211の外周面の幅方向)に所定ピッチで複数形成されている。支持体211の回転が停止しているとき、装置内で気化されたパターング材料を微細孔222から放出しながら、パターニング材料付与装置220は移動方向224の方向に移動する。この結果、支持体211の外周面上には外周面の移動方向と平行な複数の帯状のパターニング材料の液膜が形成される。
【0177】
その後、支持体211が45度回転することにより、第1のパターニング材料付与装置220によりパターニング材料が付与された支持体211の外周面は、第2のパターニング材料付与装置230と対向する。
【0178】
第2のパターニング材料付与装置230には、微細孔232が、支持体211の外周面に向けて、支持体211の外周面の移動方向に所定ピッチで複数形成されている。支持体211の回転が停止しているとき、装置内で気化されたパターング材料を微細孔232から放出しながら、パターニング材料付与装置230は紙面と垂直方向(支持体211の外周面の幅方向)に移動する。この結果、支持体211の外周面上には支持体の幅方向に複数の帯状のパターニング材料の液膜が形成される。
【0179】
第1及び第2のパターニング材料付与装置220,230により略格子状にパターニング材料の液膜が形成された支持体211の外周面は、支持体211がさらに45度回転することにより、金属薄膜形成装置114と対向し、略矩形状にパターニングされた金属薄膜が形成される。
【0180】
その後、金属薄膜が形成された面は樹脂薄膜形成装置240と対向する。樹脂薄膜形成装置240は、傾斜した加熱板243a,243bを有する。液状の樹脂薄膜材料241は供給管242を通って加熱板243a上に滴下され、加熱板243a,243b上を順に流動しながら蒸発する。なお、蒸発しきれなかった樹脂薄膜材料はトレイ244に回収される。蒸発した樹脂薄膜材料は遮蔽板245aと遮蔽板245b,245cとの間を通過して支持体211の外周面に付着して樹脂薄膜を形成する。
【0181】
以上のように、正8角柱形状の支持体211が回転方向211aの向きに45度おきに断続的に回転することにより、支持体211の外周面上に、矩形状にパターニングされた金属薄膜と樹脂薄膜との交互積層体を形成することができる。
【0182】
本実施の形態においても、金属薄膜の格子状パターン位置が所定量だけずれた2通りの金属薄膜を樹脂薄膜を介して交互に積層することでコンデンサ用の薄膜積層体を得ることができる。金属薄膜の格子状パターンをずらすためには、例えば第1のパターニング材料付与装置220又は第2のパターニング材料付与装置230を、支持体211が1回転するたびにその移動方向と直角方向に所定量だけ移動させることで実現できる。
【0183】
図14には図示していないが、上記の装置は所定の真空度に維持された真空装置に収納される。また、図8,12,13に示したように、パターニング材料除去装置117、樹脂硬化装置118、表面処理装置119、遮蔽板123、プラズマ照射装置127を、支持体211の外周面に対向させて配置することができる。
【0184】
薄膜積層体の形成後、支持体211の外周面上に積層体を積層した状態で、実施の形態B−1と同様にレーザ加工装置125を用いて積層体の所定位置に積層体全体を貫通する貫通孔を形成する。あるいは、交互積層工程中に、支持体211の回転が停止するたびに、実施の形態B−2と同様に、レーザ加工装置125を用いて新たに積層された所定位置の樹脂薄膜及び金属薄膜に貫通孔を形成する。交互積層工程終了後、積層体を支持体211から剥離して、貫通孔に導電性材料を充填する。その後、所定位置で切断することで、実施の形態A−1(図1)、A−4(図5)に示したような薄膜積層体、実施の形態A−3(図4)に示したアレイコンデンサ(コンデンサ要素36を実施の形態A−1のコンデンサとした実施形態)を得ることができる。
【0185】
また、樹脂薄膜のみ除去加工できるレーザ加工装置125を用いて、交互積層工程中に、支持体211の回転が停止するたびに、実施の形態B−3と同様に、新たに積層された所定位置の樹脂薄膜に貫通孔を形成する。その後、積層体を支持体211から剥離して所定位置で切断することで、実施の形態A−2(図3)、A−5(図7)に示した薄膜積層体を得ることができる。また、金属薄膜を形成しない領域に貫通電極用の第2の貫通孔を形成しこれに導電性材料を充填し、切断することで、実施の形態A−3に示したアレイコンデンサ(コンデンサ要素36を実施の形態A−2のコンデンサとした実施形態)を得ることができる。
【0186】
図14の例では、金属薄膜の格子状パターニングを、第1及び第2のパターニング材料付与装置220,230を用いたオイルパターニング法により行なったが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1及び第2のパターニング材料付与装置220,230に代えて実施の形態B−4に示したようなレーザパターニング装置を用いたレーザパターニング法で、金属薄膜のパターニングを行なうことができる。あるいは、第1及び第2のパターニング材料付与装置220,230のうちのいずれか一方をレーザパターニング装置に代えて、実施の形態B−5と同様にオイルパターニング法とレーザパターニング法とを併用して、金属薄膜のパターニングを行なうこともできる。
【0187】
また、支持体211は正8角柱に限定されない。正6角柱、正10角柱など、他の形状であっても構わない。
【0188】
以上のように、本実施の形態によれば、薄膜積層体が支持体211の各外周面上に平板状に形成されるから、ロール状支持体を使用する場合に比べて支持体211からの剥離後の平板プレス工程などを省略又は簡易化することができる。また、この平板プレス工程での薄膜積層体の割れや金属薄膜の破断等の発生を防止できるので、歩留まりが向上する。
【0189】
(実施の形態B−7)
本実施の形態B−7は、支持体として所定サイズの平板状の支持体を用いる。係る支持体を複数個連続して搬送させながら、その下面に樹脂薄膜及び金属薄膜を形成する。
【0190】
具体的には、複数の支持体を巡回させる搬送経路を形成し、その途中に樹脂薄膜形成装置及び金属薄膜形成装置を配置する。支持体が樹脂薄膜形成装置及び金属薄膜形成装置の上を通過すると、支持体の下面にそれぞれ樹脂薄膜及び金属薄膜が形成される。
【0191】
金属薄膜のパターニングをオイルパターニング法を用いて行なう場合には、支持体が樹脂薄膜形成装置上を通過後、金属薄膜形成装置上に到着する前にパターニング材料付与装置上を通過するように構成する。また、金属薄膜のパターニングをレーザパターニング法を用いて行なう場合には、支持体が金属薄膜形成装置上を通過後、樹脂薄膜形成装置上に到着する前にレーザパターニング装置上を通過するように構成する。
【0192】
また、貫通孔を形成する場合は、加工対象薄膜に応じて、実施の形態B−1〜B−6の配置に準じて、レーザ加工装置を支持体の巡回経路内に設置することができる。
【0193】
その他、パターニング材料除去装置、樹脂硬化装置、表面処理装置、プラズマ処理装置などを必要に応じて実施の形態B−1〜B−6の配置に準じて、支持体の巡回経路内に設置することができる。
【0194】
以上のようにして、支持体上にパターニングされた金属薄膜と樹脂薄膜との交互積層体を得ることができる。その後、必要に応じて貫通孔に導電性材料を充填した後、切断することで、実施の形態A−1,A−2,A−4,A−5の薄膜積層体あるいは実施の形態A−3のアレイコンデンサを得ることができる。
【0195】
【実施例】
(実施例1)
実施の形態B−1(図8)に示した製造装置を用いて実施の形態A−1(図1)に示した薄膜積層体及びチップコンデンサを製造した例を説明する。
【0196】
真空ポンプ116により真空槽115内を2×10-2Paとし、また、キャンローラ111の外周面を10℃にまで冷却した。キャンローラ111の直径は500mm、外周面の移動速度は100m/分とした。
【0197】
樹脂薄膜材料としてジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用いた。金属薄膜材料としてはアルミニウムを用い、これを蒸着して形成した。パターニング材料としては、フッ素系オイルを用いた。
【0198】
積層に先立ち、キャンローラ111の外周面にフッ素系離型剤(ダイキン工業(株)製“ダイフリー”)をスプレー塗布し、その後不織布で薄く延ばした。
【0199】
まず最初に、樹脂薄膜のみが連続積層された保護層を積層した。上記樹脂薄膜材料を気化して樹脂薄膜形成装置112よりキャンローラ111の外周面に堆積させた。1層当たりの積層厚さは0.6μmである。次いで樹脂硬化装置118として紫外線硬化装置を用い、上記により堆積させた樹脂薄膜材料を重合し、硬化度が70%になるまで硬化させた。この操作を、キャンローラ111を回転させることにより繰返し、キャンローラ111の外周面に厚さ15μmの保護層を形成した。この間、開口121は遮蔽板123で遮蔽しておいた。
【0200】
次に、コンデンサとしての容量発生部分となる素子層を積層した。上記樹脂薄膜材料を用い、1層当たりの積層厚さは0.1μmとした。次いで樹脂硬化装置118により、樹脂薄膜を硬化度が70%になるまで硬化させた。その後、表面処理装置119により、表面を酸素プラズマ処理した。次に、パターニング材料付与装置130a,130bの微細孔から上記パターニング材料の蒸気を放射させた。パターニング材料付与装置130a,130bをキャンローラ111の外周面の移動速度と略同一の速度で往復移動させて、キャンローラ111の外周面上の樹脂薄膜表面にパターニング材料による格子状の液膜パターンを形成した。次に、金属薄膜形成装置114からアルミニウムを金属蒸着させた。積層厚みは30nmとした。その後、パターニング材料除去装置117を用いて遠赤外線加熱とプラズマ放電処理を行ない、残存したパターニング材料を除去した。
【0201】
パターニング材料による格子状パターン位置は、キャンローラ111が1回転するたびに変化させて、格子状パターン位置が異なる2通りの金属薄膜を樹脂薄膜を介して交互に積層した。
【0202】
以上の操作を、キャンローラ111を回転させることにより約3000回繰り返し、総厚さ390μmの素子層を形成した。
【0203】
その後、開口121を閉じて保護層を上記保護層の形成と同様にして積層した。
【0204】
保護層の形成終了後、樹脂薄膜形成装置を停止させ、キャンローラ111を回転させながらレーザ加工装置125を用いて所定箇所に積層体全体を貫通する貫通孔を形成した。レーザ加工装置125として、CO2レーザ(出力20W)を用いた。このとき、プラズマ照射装置127により、形成された貫通穴内を酸素プラズマ処理した。
【0205】
次に、積層体をキャンローラ111から剥離して、平板プレスし、貫通穴内に導電性樹脂を充填し、積層体母素子を得た。
【0206】
その後、金属薄膜を切断しない位置(マージン部)で切断して、図1に示すような薄膜積層体を得た。
【0207】
得られた薄膜積層体の外形寸法は縦0.5mm、幅1.0mm、厚さ(積層方向高さ)0.42mmであり、貫通孔径は0.2mmである。また、コンデンサとして機能する金属薄膜の対向領域の面積は縦0.4mm×幅0.3mmである。一対の貫通孔内の導電性樹脂表面に電極端子を形成してコンデンサとしての特性を評価したところ、容量40nFであった。
【0208】
(実施例2)
樹脂薄膜を挟む上下の金属薄膜の格子状パターンのずらし量を変える以外は実施例1と同様にして積層体母素子を得た。次いで、実施例1と切断面の位置を変更することにより、実施の形態A−4(図5)に示した薄膜積層体を得た。
【0209】
得られた薄膜積層体の外形寸法は縦0.5mm、幅1.0mm、厚さ(積層方向高さ)0.42mmであり、半円形の切り欠き部の半径は0.1mmである。また、コンデンサとして機能する金属薄膜の対向領域の面積は縦0.4mm×幅0.65mmである。一対の切り欠き部内の導電性樹脂表面に電極端子を形成してコンデンサとしての特性を評価したところ、容量87nFであった。本実施例のコンデンサは、実施例1のコンデンサに比べて、略同一外形寸法でありながら金属薄膜の対向領域の面積を大きくでき、その結果、容量を大きくすることができた。
【0210】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属薄膜の腐食等が生じにくく、製造工程において、金属薄膜の切断時に生じる問題、例えば金属薄膜のバリや切りくず、金属薄膜の破断、薄膜積層体の変形などの発生が少ない薄膜積層体及びコンデンサを得ることができる。更に、基板実装時の実装面積を少なくでき、高密度実装が可能なコンデンサを得ることができる。また、小型ながら高容量のコンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態A−1に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図1(A)は正面方向断面図、図1(B)は右側面図、図1(C)は平面図、図1(D)は図1(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図1(E)は図1(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態A−1にかかるコンデンサを回路基板上に実装した状態の概略側面図を示す。
【図3】 本発明の実施の形態A−2に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図3(A)は正面方向断面図、図3(B)は右側面図、図3(C)は底面図、図3(D)は図3(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図3(E)は図3(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。
【図4】 図4(A)は実施の形態A−3に係るコンデンサ(アレイコンデンサ)の概略構成を示した平面図、図4(B)は図4(A)のコンデンサを回路基板に実装した例を示した側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態A−4に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図5(A)は正面方向断面図、図5(B)は右側面図、図5(C)は平面図、図5(D)は図5(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図5(E)は図5(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態A−4にかかるコンデンサを回路基板上に実装した状態の概略側面図を示す。
【図7】 本発明の実施の形態A−5に係る薄膜積層体を用いたチップコンデンサの概略構成を示しており、図7(A)は正面方向断面図、図7(B)は右側面図、図7(C)は底面図、図7(D)は図7(A)のD−D線での矢印方向から見た断面図、図7(E)は図7(A)のE−E線での矢印方向から見た断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態B−1にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。
【図9】 パターニング材料付与装置の概略構成を示した図であり、図9(A)はキャンローラ側から見た正面図、図9(B)は図9(A)のB−B線での断面図である。
【図10】 一対のパターニング材料付与装置によってキャンローラの外周面上に形成されたパターニング材料のストライプパターンの一例の展開図である。
【図11】 実施の形態B−1においてキャンローラの外周面上に形成された薄膜積層体の展開平面図である。
【図12】 本発明の実施の形態B−4にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態B−5にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例を示した概略断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態B−6にかかる薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の主要構成要素を示した概略断面図である。
【図15】 従来の薄膜積層体の製造方法を実施するための製造装置の一例の概略を模式的に示した断面図である。
【図16】 図15の製造装置によって得られる積層体母素子の概略構成を示した斜視図である。
【図17】 従来のチップコンデンサの概略構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
10 薄膜積層体
11a,11b 金属薄膜
12 樹脂薄膜
13a,13b 貫通孔
14a,14b 導電性材料
15 電極端子
17 回路基板
19 電極端子
20 薄膜積層体
21a,21b 金属薄膜
22 樹脂薄膜
23a,23b 貫通孔
24a,24b 導電性材料
30 コンデンサ(アレイコンデンサ)
31a,31b 金属薄膜
33a,33b 貫通孔
35a,35b 取り出し電極
35’ 電極端子
36 コンデンサ要素
37 貫通電極
37’ 電極端子
38 貫通孔
39 導電性材料
40 半導体集積回路
41 回路基板
42 電極端子
45 半導体チップ
46 キャリア
47 電極端子
50 薄膜積層体
51a,51b 金属薄膜
52 樹脂薄膜
53a,53b 切り欠き部
54a,54b 導電性材料
55 電極端子
57 回路基板
58 導電性材料
59 電極端子
60 薄膜積層体
61a,61b 金属薄膜
62 樹脂薄膜
63a,63b 切り欠き部
64a,64b 導電性材料
71a,71b 切断面
100 薄膜積層体の製造装置
111 キャンローラ
112 樹脂薄膜形成装置
114 金属薄膜形成装置(金属材料供給源)
115 真空槽
116 真空ポンプ
117 パターニング材料除去装置
118 樹脂硬化装置
119 表面処理装置
120 隔壁
121 開口
123 遮蔽板
125 レーザ加工装置
127 プラズマ照射装置
130a,130b パターニング材料付与装置(ノズル)
131 微細孔
132 対向面
133 キャビティ
134 貯蔵槽
135 連結路
137 パターニング材料
138a,138b パターニング材料のストライプパターン
140 レーザパターニング装置
142 パターニング材料付与装置
211 支持体
220 パターニング材料付与装置
222 微細孔
230 パターニング材料付与装置
232 微細孔
240 樹脂薄膜形成装置
241 樹脂薄膜材料
242 供給管
243a,243b 加熱板
244 トレイ
245a,245b,245c 遮蔽板

Claims (28)

  1. 複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体であって、
    前記金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出しておらず、
    前記樹脂薄膜の少なくとも1層は積層方向の貫通孔を有し、
    前記貫通孔を介して上下の前記金属薄膜が電気的に直接接続され、
    前記金属薄膜の少なくとも1層は、前記貫通孔を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする薄膜積層体。
  2. 前記貫通孔に導電性物質が充填され、前記導電性物質を介して上下の前記金属薄膜が電気的に接続されている請求項1に記載の薄膜積層体。
  3. 前記貫通孔を介して上下の前記金属薄膜が直接接続されている請求項1に記載の薄膜積層体。
  4. 複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体であって、
    前記樹脂薄膜の少なくとも1層は周囲の一部に切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部を介して上下の前記金属薄膜が電気的に直接接続され、
    前記金属薄膜の少なくとも1層は、前記切り欠き部を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とする薄膜積層体。
  5. 前記切り欠き部に導電性物質が充填され、前記導電性物質を介して上下の前記金属薄膜が電気的に接続されている請求項4に記載の薄膜積層体。
  6. 前記切り欠き部を介して上下の前記金属薄膜が直接接続されている請求項4に記載の薄膜積層体。
  7. 前記樹脂薄膜が略矩形状であって、前記樹脂薄膜の前記切り欠き部が形成された辺以外の辺では前記金属薄膜が後退して形成されている請求項4に記載の薄膜積層体。
  8. 複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体を用いてなるコンデンサであって、
    前記金属薄膜の端部は前記薄膜積層体の外部に露出しておらず、
    前記樹脂薄膜の少なくとも1層は積層方向の貫通孔を有し、
    前記貫通孔を介して前記金属薄膜が1層おきに同電位となるように電気的に直接接続され、
    同電位に接続された前記金属薄膜は、前記貫通孔を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とするコンデンサ。
  9. 前記貫通孔に導電性物質が充填され、前記導電性物質を介して前記金属薄膜が電気的に接続されている請求項8に記載のコンデンサ。
  10. 前記貫通孔を介して前記金属薄膜が直接接続されている請求項8に記載のコンデンサ。
  11. 前記金属薄膜は同一面上に複数に分離して形成されており、同一面上に複数の静電容量形成領域が形成されている請求項8に記載のコンデンサ。
  12. 前記金属薄膜とは絶縁された貫通電極を更に有する請求項11に記載のコンデンサ。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載のコンデンサをパッケージ内に内蔵してなる半導体集積回路。
  14. 請求項8〜12のいずれかに記載のコンデンサを表面又は内部に接合してなる多層配線基板。
  15. 複数の樹脂薄膜と複数の金属薄膜とが積層された薄膜積層体を用いてなるコンデンサであって、
    前記樹脂薄膜の少なくとも1層は周囲の一部に切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部を介して前記金属薄膜が1層おきに同電位となるように電気的に直接接続され、
    同電位に接続された前記金属薄膜は、前記切り欠き部を介して外部に電極取り出しが可能であることを特徴とするコンデンサ。
  16. 前記切り欠き部に導電性物質が充填され、前記導電性物質を介して前記金属薄膜が電気的に接続されている請求項15に記載のコンデンサ。
  17. 前記切り欠き部を介して前記金属薄膜が直接接続されている請求項15に記載のコンデンサ。
  18. 前記樹脂薄膜が略矩形状であって、前記樹脂薄膜の前記切り欠き部が形成された辺以外の辺では前記金属薄膜が後退して形成されている請求項15に記載のコンデンサ。
  19. 樹脂薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜に貫通孔を形成する工程と、前記樹脂薄膜上に金属薄膜を形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうことにより前記樹脂薄膜と前記金属薄膜とを交互に積層する薄膜積層体の製造方法であって、
    前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、
    前記金属薄膜を形成する領域内に前記貫通孔を形成することにより、前記貫通孔を介して積層方向の複数の前記金属薄膜を電気的に直接接続することを特徴とする薄膜積層体の製造方法。
  20. 前記樹脂薄膜の形成後、金属薄膜の形成前に、前記樹脂薄膜の金属薄膜を形成しない領域に第2の貫通孔をさらに形成し、前記第2の貫通孔を積層方向に連続させ、前記連続した第2の貫通孔に導電性材料を充填する請求項19に記載の薄膜積層体の製造方法。
  21. 前記金属薄膜を形成後、レーザ光を略格子状に走査することにより前記金属薄膜の形成領域を制限する請求項19に記載の薄膜積層体の製造方法。
  22. 前記樹脂薄膜を形成後、樹脂薄膜表面にオイルを略格子状に付与した後、金属薄膜を形成することにより前記金属薄膜の形成領域を制限する請求項19に記載の薄膜積層体の製造方法。
  23. 前記薄膜積層体の製造を一方向に移動する支持体上で行ない、
    前記樹脂薄膜表面に対向して配列された微細孔を備えた少なくとも一対のノズルを用い、それぞれのノズルの前記微細孔が前記樹脂薄膜上に描く軌跡が前記支持体の移動方向に対して略45度となるように、前記各ノズルを前記支持体の移動方向と略直交する方向に往復移動させて、前記オイルの付与を行なう請求項22に記載の薄膜積層体の製造方法。
  24. 樹脂薄膜を形成する工程と、前記樹脂薄膜に貫通孔を形成する工程と、前記樹脂薄膜上に金属薄膜を形成する工程とを一単位とし、これを支持体上で繰り返し行なうコンデンサの製造方法であって、
    前記金属薄膜を前記樹脂薄膜の形成領域内に、前記樹脂薄膜の形成面積より小さく形成するとともに、前記金属薄膜の形成位置を金属薄膜を1層形成するごとに変更し、かつ、
    前記金属薄膜を形成する領域内に前記貫通孔を形成することにより、前記貫通孔を介して前記金属薄膜を1層おきに電気的に直接接続することを特徴とするコンデンサの製造方法。
  25. 前記樹脂薄膜に貫通孔を形成した後、前記金属薄膜を形成する前に、前記貫通孔をプラズマ処理する請求項24に記載のコンデンサの製造方法。
  26. 巡回する支持体と、前記支持体に対向して配置された金属薄膜形成装置及び樹脂薄膜形成装置と、これらを収納する真空槽とを有する薄膜積層体の製造装置であって、
    前記樹脂薄膜形成装置の下流側であって前記金属薄膜形成装置の上流側に、樹脂薄膜上にオイルを付与するオイル付与装置を有し、
    前記オイル付与装置は、微細孔を配列したノズルを一対以上有し、対をなすそれぞれのノズルの前記微細孔が前記樹脂薄膜上に描く軌跡が互いに交差する薄膜積層体の製造装置。
  27. 対をなす前記ノズルのそれぞれが、前記支持体の移動速度と略等速で、前記支持体の移動方向と略直交する方向に往復移動する請求項26に記載の薄膜積層体の製造装置。
  28. 対をなすそれぞれの前記ノズルの前記微細孔が前記樹脂薄膜上に描く軌跡と前記支持体の移動方向とがなす角が略45度であり、かつ、それぞれのノズルの微細孔による軌跡が交差する請求項26に記載の薄膜積層体の製造装置。
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