JP2004006495A - 積層フィルムコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムコンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Kubo
久保 泰宏
Shigeyoshi Nishikawa
西川 重義
Takashi Mori
森 隆志
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Abstract

【課題】耐電流性および機械的接触強度に優れた、信頼性の高い積層属化フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体樹脂層にアルミニウムを蒸着し交互に重ね合わせた積層母体を、スティック状に切断した後、CF、CF、Oの2種以上を含有する混合ガスを活性化してプラズマ状態とし、該切断面にエッチング深さ10〜100μmにケミカルドライエッチング処理を行い、該エッチング面に金属溶射して電極引出し部を形成したことを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法である。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属化誘電体(フィルム)を用いた積層金属化フィルムコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の積層金属化フィルムコンデンサは、一対の金属化フィルム4,5(図15)を円ドラム9(図16)に保護巻フィルム層6を介して、重ねて巻回した後、更に保護フィルムを巻回し、巻回端面に亜鉛などの金属を溶射して電極引出部10を形成し(図17)、熱処理後円ドラム上から分断し、更に容量単位に切断し積層金属化フィルムコンデンサを構成していた。
ここで一対の金属化フィルムの巻回端面は0.1〜0.6mmのズラシ巻が行われており、あらかじめ電極引出しをしやすい構成としていた(図15)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の積層金属化フィルムコンデンサの製法は、一対の単層金属化フィルムを巻回する方式であり、生産性が劣り、巻回端面部は電極引出しのためのズラシ巻部を設ける必要があり、製品寸法が大きくなるという欠点を有していた。
これらの課題を解決するため、図1のように交互にマージン部を設けた状態に重ね合わせ、図2のように数層〜十数層以上の帯状金属層を持った積層母体を形成した後、図4のように一対の積層体をなすスティック状母体16に切断し、切断面に亜鉛などの金属を溶射し、金属引出部20を形成する製造方法が提案されている。しかし、該製造方法により、生産性、小形化の課題は解決できたが、機械的接触強度、耐電流性に劣るという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、数層〜十数層以上の帯状金属層を持った誘電体フィルムを交互にマージン部を設けた状態(図1)に多段に重ね合わせ保護層を設けた積層母体13を形成した後、一対の多段積層体層となるようにスティック状母体16に切断し、切断面をケミカルドライエッチング処理―CF、CF、O等の混合ガスをプラズマ状態にしてワーク槽(処理室)に流入させ(図5)、誘電体樹脂層の断面を10〜100μm程度エッチングするものである。この時、アルミニウム蒸着層はエッチングされない状態で残るので(図6)、後工程のメタリコン(金属溶射)により電極引出しを行うことが可能であり、これにより耐電流性および機械的接触強度に優れた積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
【0005】
すなわち、誘電体樹脂層にアルミニウムを蒸着し交互に重ね合わせた積層母体を、スティック状に切断した後、CF、CF、Oの2種以上の混合ガスを活性化してプラズマ状態とし、該切断面にケミカルドライエッチング処理を行い、該エッチング面に金属溶射して電極引出し部を形成したことを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法である。
【0006】
また、上記の誘電体樹脂層のエッチング深さが10〜100μmであることを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法である。
【0007】
さらに、上記の誘電体樹脂層がポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、またはアクリル系樹脂であることを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法である。
【0008】
そして、上記のアルミニウム蒸着層に酸化アルミニウムおよび/または酸化ケイ素をコーティングしたことを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法である。
【0009】
ケミカルドライエッチング(以下、CDEと略す。)はCF、O等の混合ガスをプラズマ状態にし、ワーク槽(処理室)に流入する方式(図5)で、リアクティブイオンエッチングと異なり、イオンが介在しない方式であること、アッシング(酸素エッチング)のように高温処理の必要性がなく、低温でしかもアルミニウムなどの金属はエッチングされず、誘電体樹脂材料のみを優先的にエッチングできることから耐電流性、機械的接着強度を向上させることができる。
【0010】
上記アクリル系樹脂としては、
(A)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エポキシ化オレイル(メタ)アクリレート(以上、単官能アクリレート)、
(B)ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリ(メタ)アクリレート(以上、多官能アクリレート)、
(C)上記(A)および(B)の混合物
を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
帯状金属層を持った誘電体フィルム(図1)を交互にマージン部を設けた状態で数層〜十数層以上に重ね合わせ、積層母体13を形成した(図2)後、一対の多段積層体層となるようにスティック状母体16に切断する(図4)。切断面をCDE方式によりCF、CF、O等の混合ガスを活性化してプラズマ状態とし、ワーク槽(処理室)(図5)に流入させ、上記切断面に当てて誘電体断面樹脂層を10〜100μm程度エッチングすると(図6)、アルミニウム蒸着層はエッチングされずに残る。このため、アルミニウム蒸着層に後工程のメタリコン(金属溶射)で電極引き出しを行ったときに、耐電流性および機械的接触強度に優れた積層金属化フィルムコンデンサが得られる。CDE時の混合ガスCF/(CF+O)比率は2〜15%の濃度範囲のガスを用いる。上記の金属化誘電体フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、または、アクリル系樹脂からなる。
【0012】
【実施例】
〔実施例1〕
まず、本発明の第1の実施例について、詳細に説明する。
片面全面をアルミニウム蒸着したポリフェニレンサルファイドフィルム(厚さ1.2μm)上に、図1のようにレーザーでマージン11を複数層形成した後、図2のとおり、一対のコンデンサ層を形成するように交互に重ね合わせ、多段層(950層)を形成し、その上下にポリフェニレンサルファイドで図3の保護層14(0.4mm)を形成(厚さ0.4mm×8段)した後、真空中で熱プレス処理(220℃、65kg/cm、4Hr)してカード状に成形した積層母体を、カット刃を用い、スティック状に切断した(図4)。その後、図5のワーク槽(処理室)に切断面が上側に来るようにカセットトラック34にスティック状母体16を配置した後(図9)、CF/O=15/495sccm
(sccm:標準状態における1分間のガス流出を示す単位。CF/(CF+O)比率で表すと、
CF/(CF+O)={15/(15+495)}×100≒2.9〔%〕)
の混合ガスをマイクロウェーブ(2.45GHz700W)で活性化してプラズマ状態とし、〔表1〕に示す時間CDE処理を行い、更に反転させ同様に反対面の処理を行った。処理後、エア吹付けおよび吸引によりクリーニングを行った。
上記のCDE処理前/後のスティック状母体16の切断面のSEM写真を各々、図7、図8に示す。これよりCDE処理面は10〜30μm程度にエッチングされていること、および金属蒸着層(アルミニウム蒸着200〜300Å)はエッチングされていないことが分かる。
その後、エッチング処理面に真鍮などの金属を溶射して電極引出層とし、中間電極を形成後(導電性ペースト塗布、硬化)、鉛フリー半田に浸漬しコンデンサ素子母体20を形成した(図10)。その後、図11のように容量単位にカットし、カット面の絶縁を回復させるために電圧エージングを行い、電気検査後、完成品とした。
上記の処理を行い、定格0.1μF×16VDC、サイズL=3.2〔mm〕、W=2.5〔mm〕、H=2.0〔mm〕の積層金属化フィルムコンデンサを得た。
【0013】
〔実施例2〕
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
真空蒸着チャンバー内(図12)で▲1▼誘電体材料のジアクリレートモノマー23を霧化させ冷却用の回転ドラム28に塗布し、▲2▼電子線24によりラジカル重合させ、薄膜のフィルム層27(0.3μm)を形成し、▲3▼その上にシリコンオイルを用いてパターニング(マージン形成)を行った後、▲4▼アルミニウムによる金属蒸着26を行い、▲5▼その後、酸素プラズマによりオイル除去した。この操作を繰返し行い、積層母体を得た後、真空蒸着チャンバー内から取り出し、その上下にポリフェニレンサルファイドで保護層14を形成した後、16分割して(L300×W200×H1.5mmサイズ)のカード状の積層体を得た(図14)。該積層体を熱プレス(225℃−6kg/cm・4Hr)することによりジアクリレート樹脂を完全硬化させた後、カット刃(0.2mm厚)を用いスティック状母体16(L2.6×W200×H1.5mm)に切断した。
これを切断面が上側に向くようカセットラック34に並べ、図5のワーク槽(処理室)に入れた後、CF/O=15/495sccmの混合ガスをマイクロウェーブ(2.45GHz700W)で活性化してプラズマ状態とし、〔表1〕に示す時間、CDE処理を行い、更に反転させ同様に反対面の処理を行った。処理後、上下の処理面はエア吹付けおよび吸引によりクリーニングを行った。その後、エッチング処理面に真鍮などの金属を溶射して電極引出層とし、中間電極を形成後(導電性ペースト塗布、硬化)、鉛フリー半田に浸漬し、コンデンサ素子母体20を形成した(図10)。その後、実施例1と同様、容量単位にカットし、カット面の絶縁を回復させるために電圧エージングを行い電気検査後完成品とした。
上記の処理を行い、定格1.0μF×16VDC、サイズL=3.2〔mm〕、W=2.5〔mm〕、H=1.5〔mm〕の積層金属化フィルムコンデンサを得た。
【0014】
なお、上記のジアクリレートモノマーはジシクロペンタジエンメタノールジアクリレートの単量体もしくは他のジアクリレートとの複合体である。
【0015】
上記の実施例1、実施例2の試料コンデンサについて、下記の試験条件により、コンデンサの電極長さ当たりの電流値(A/m)を変えて充放電試験を行い、試験後の不良品数/全数を調査した。その結果をそれぞれ〔表1〕、〔表2〕に示す。ここで、実施例1−1〜1−7は〔実施例1〕のCDE処理時間を変えたものであり、従来例1はCDE処理を行わないものである。また、実施例2−1〜2−7は、〔実施例2〕のCDE処理時間を変えたものであり、従来例2はCDE処理を行わないものである。
〔充放電試験条件〕
・0.3秒 オン/オフ (500回単位ステップアップ)
・試料数 n=20
・コンデンサの電極長さ当たりの電流値:1,5,10,15,20,25,30〔A/m〕
【0016】
【表1】
Figure 2004006495
【0017】
【表2】
Figure 2004006495
【0018】
上記の〔表1〕、〔表2〕よりケミカルドライエッチング(CDE)処理時間は最低でも5分間必要であることが分かる。実施例1−4(CDE処理時間10分)のCDE処理面のSEM分析結果を〔図8〕に示す。これよりCDE処理面は10〜30μm程度にエッチングされていること、および、金属蒸着層(アルミニウム蒸着層200〜300Å)はエッチングされていないことが分かる。
【0019】
また〔表1〕、〔表2〕より明らかなように、エッチング深さは10〜100μmの範囲が適当である。
10μm未満では、ケミカルドライエッチングが十分に行われず、メタリコン(金属溶射)による電極引出し部の接合が不充分で、耐電流性が劣り、また、100μmを超えると、ケミカルドライエッチングの凹部が深くなり過ぎ、かつ形状が複雑化して電極引出し部の接合が悪くなる結果、耐電流性が低下する。
【0020】
〔実施例3〕
実施例1の場合とほぼ同様に処理するが、アルミニウム蒸着層に、水蒸気や空気に対してバリヤ効果を有するアルミナ(酸化アルミニウム)をコーティングした点が異なる。
【0021】
すなわち、本実施例の誘電体フィルムは図19のように、帯状アルミニウム蒸着層とアルミナコーティング層を有するポリフェニレンサルファイドフィルム(2.5μm×300mm幅)を交互にマージン部を設けた状態で多段に重ね合わせ、実施例1(図2)の場合と同様に積層体層を形成した。なお、該積層体層上下には保護層14を設けた。これを真空中で熱プレス処理(220℃、圧力45kg/cm、1Hr)してカード状の積層母体とした後、これをカット刃でスティック状に切断しコンデンサ素子母体とした。誘電体断面樹脂層の平均エッチング深さを20μmとするため、CF/(CF+O)比率10%で、片面当り10分間CDE処理した後、実施例1と同様に処理し、定格1.0μF×16VDC、サイズL=3.2〔mm〕、W=2.5〔mm〕、H=1.5〔mm〕の積層金属化フィルムコンデンサを得た。
【0022】
〔実施例4〕
図18の真空蒸着チャンバー内で、▲1▼誘電体材料のジアクリレートモノマーを霧化させ、冷却用の回転ドラム28に塗布し、▲2▼電子線によりラジカル重合し、薄膜のフィルム層27(0.3μm)を形成し、▲3▼その上にシリコンオイルを用いてパターニング(マージン形成)を行った後、▲4▼アルミニウム蒸着と、▲5▼アルミナコーティングを行い、▲6▼その後、酸素プラズマ処理によりオイル除去した(フィルム形態図:図19)。この操作を繰り返し行い、積層母体(上下に保護層0.1〜0.2mm厚さを設ける。)を得た後、真空蒸着チャンバー内から取り出し、上下に保護層を形成後、16分割してカード状の積層母体(L300×W200×H1.5〔mm〕)とした。このカード状の積層母体を真空中で熱プレス(225℃−6kg/cm・4Hr)することによりジアクリレート樹脂を完全硬化させた後、カット刃を用い、スティック状母体に切断した。この切断面を実施例3と同様にしてCDE方式により、平均エッチング深さ20μmになるようCF/(CF+O)比率10%で片側当たり10分間CDE処理後、実施例3と同様にして積層金属化フィルムコンデンサを得た。
【0023】
〔実施例5〕
次に、ジアクリレートモノマーを用いた他の実施例について説明する。図20の真空蒸着チャンバー内で、▲1▼誘電体材料のジアクリレートモノマーを霧化させ、冷却用の回転ドラムに塗布し、▲2▼電子線によりラジカル重合し、薄膜のフィルム層(0.3μm)を形成し、▲3▼その上にシリコンオイルを用いてパターニング(マージン形成)を行った後、▲4▼アルミニウム蒸着と、▲5▼アルミナコーティングと、▲6▼酸化ケイ素コーティングを行い、▲7▼その後、酸素プラズマ処理によりオイル除去した(フィルム形態図:図21)。この操作を繰返し行い、積層母体(上下に保護層0.1〜0.2mm厚さを設ける。)を、真空蒸着チャンバー内から取り出し、上記実施例4と同様にして、積層タイプの乾式金属化フィルムコンデンサを得た(定格、仕様は実施例3と同様)。
【0024】
上記実施例3の製造方法により、誘電体をポリフェニレンサルファイドとし、下記の酸化物をコーティングしたもの(実施例A−1〜A−3)と、酸化物をコーティングせずCDEを行わない従来例1、および、実施例4,5の製造方式により、誘電体をアクリル系樹脂とし、下記の酸化物をコーティングしたもの(実施例B−1〜B−3)と酸化物をコーティングせずCDEを行わない従来例2を用いて、定格1.0μF×16VDC、サイズL=3.2〔mm〕、W=2.5〔mm〕、H=1.5〔mm〕の積層金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0025】
【表3】
Figure 2004006495
【0026】
上記の実施例A−1〜A−3、従来例1,および実施例B−1〜B−3,従来例2の積層フィルムコンデンサについて耐湿試験(40℃ 95%RH、16V印加)を行った結果(容量変化)を図22,図23に示す。また、図24、図25は高温負荷試験(105℃ 16×1.25VDC)結果(容量変化)である。
【0027】
この試験結果から次のことが分かった。図22、図23の耐湿試験結果から、アルミナまたはアルミナ/酸化ケイ素コーティング品は、容量変化が+5%〜+7%と安定しているのに対し、従来例は750Hr後から蒸着膜の飛散による容量減少が現れている。また、アルミナコーティング品とアルミナ/酸化ケイ素コーティング品とを比較すると、アルミナ/酸化ケイ素コーティング品の方が特性的に若干安定していることが分かった。
【0028】
図24,図25の高温負荷試験についても同様の結果であり、金属酸化物層を有する金属化フィルムのバリヤ効果により侵入する水蒸気や空気が遮断され、素子を構成する金属化フィルムの劣化が抑えられるので、容量減少が小さくなっている。
【0029】
上記実施例では、CDEの混合ガスとしてCF,Oを用いたが、CF,Oの混合ガス、CF,O,N混合ガス、CF,O、N混合ガスのいずれの場合も、実施例と同様の効果が得られた。
【0030】
【発明の効果】
上記したように、本願発明は、誘電体樹脂層にアルミニウムを蒸着した金属化樹脂層を交互に積層した積層母体をスティック状に切断した後、該切断面をCDE方式により誘電体樹脂層のみエッチングし、アルミニウム蒸着層は末エッチングのままで残し、メタリコン(金属溶射)により電極引出しを行うことで、耐電流性および機械的接触強度に優れた積層金属化フィルムコンデンサが得られる。
また、上記のアルミニウム蒸着層に酸化アルミニウムおよび/または酸化ケイ素をコーティングすることにより、これらの酸化物のバリヤ効果で誘電体への水蒸気や空気の侵入が防止でき、耐湿性、高温耐用性に優れた積層フィルムコンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による、帯状金属層を有する誘電体フィルムを交互にマージン部を設けた状態を示す図であり、Aはカット位置(誘電体フィルム幅)、Bは耳蒸着部、Cはマージン部、Dは有効電極幅を表す。
【図2】熱プレス(成形)前後の積層母体を示す。
【図3】上下に保護層を配置し、熱プレスした後の積層母体を示す図である。
【図4】カード状に形成した積層母体をカット刃を用いてスティック状母体に切断する時の状態図である。
【図5】スティック状母体の切断面をケミカルドライエッチングする時の状態図である。
【図6】ケミカルドライエッチング後のスティック状母体のエッチング状態を示した図である。
【図7】ケミカルドライエッチング(CDE)前の切断面のSEM写真である。
【図8】ケミカルドライエッチング(CDE)後の切断面のエッチング状態を示すSEM写真である。
【図9】ケミカルドライエッチングおよび金属溶射(メタリコン用)に用いるカセットラックを示す図である。
【図10】スティック状の母体のエッチング面にメタリコン(金属溶射)、中間電極層、およびPbレス半田メッキ層を施した時の状態図である。
【図11】図10のスティック状母体を容量単位にカッティングする時の状態を示す図である。
【図12】真空チャンバ−内で積層誘電体(アクリル系樹脂)を製造する方式を示す図であり、▲1▼〜▲5▼はそれぞれ、
▲1▼モノマー霧化工程
▲2▼電子綿によるラジカル重合/薄膜フィルム層形成工程
▲3▼パターニング(マージン形成)工程
▲4▼アルミニウム蒸着工程
▲5▼酸素プラズマによるオイル除去工程
を表す。
【図13】図12の製造方式で得られる誘電体フィルムの断面図である。
【図14】図12の真空チャンバーの回転ドラムから取り出して16分割した積層母体を熱プレスする前/熱プレスした後の状態を示す図である。
【図15】従来の積層金属化フィルムコンデンサの一対の金属化フィルムのズラシ巻き状態を示す図である。
【図16】従来のフィルムを巻回する円ドラムに先保護巻フィルム層、先巻フィルム層、本巻フィルム層(ズラシ巻き)、後巻フィルム層、後保護巻フィルム層を巻回した状態図である。
【図17】図16の状態に金属溶射を行い、電極引出し部を形成した状態図である。
【図18】積層チャンバー内で積層誘電体(アクリル系樹脂)を製造する方式を示す図であり、▲1▼〜▲7▼はそれぞれ、
▲1▼モノマー霧化工程
▲2▼電子線によるラジカル重合/薄膜フィルム層形式工程
▲3▼パターニング(マージン形式)
▲4▼アルミニウム蒸着工程
▲5▼アルミナコーティング工程
▲6▼酸素プラズマ処理によるオイル除去工程
を表す。
【図19】図18の製造方式で得られる誘電体フィルムの断面図である。
【図20】積層チャンバー内で積層誘電体(アクリル系樹脂)を製造する方式を示す図であり、▲1▼〜▲7▼はそれぞれ、
▲1▼モノマー、霧化工程
▲2▼電子線によるラジカル重合/薄膜フィルム層形成工程
▲3▼パターニング(マージン形成)
▲4▼アルミニウム蒸着工程
▲5▼アルミナコーティング工程
▲6▼酸化ケイ素コーティング工程
▲7▼酸素プラズマ処理によるオイル除去工程
を表す。
【図21】図20の製造方式で得られる、誘電体フィルムの断面図である。
【図22】実施例A−1〜A−3、従来例1の積層フィルムコンデンサについて、耐湿試験(40℃ 95%RH 16V印加)における容量変化を比較した図である。
【図23】実施例B−1〜B−3、従来例2の積層フィルムコンデンサについて、耐湿試験(40℃ 95%RH 16V印加)における容量変化を比較した図である。
【図24】実施例A−1〜A−3、従来例1の積層フィルムコンデンサについて、高温負荷試験(105℃ 16×1.25VDC)における容量変化を比較した図である。
【図25】実施例B−1〜B−3、従来例2の積層フィルムコンデンサについて、高温負荷試験(105℃ 16×1.25VDC)における容量変化を比較した図である。
【符号の説明】
1 スティック状母体の切断面
2 蒸着金属
3 ケミカルドライエッチング(CDE)部
4 誘電体フィルム
5 蒸着金属(アルミニウム)
6 保護巻きフィルム層
7 本巻部分
8a先巻フィルム部分
8b後巻フィルム部分
9 円ドラム
10 メタリコン(電極引出し部分)
11 マージン
12 カット(切断)部分
13 熱処理後の積層母体
14 保護層(先/後巻フィルム部分)
15 本巻部分
16 スティック状母体
17 カッティング面
18 エッチング部分の拡大図
19 エッチングチャンバー装置
20 コンデンサ素子母体
21 カット刃
23 アクリル系モノマー
24 電子線照射器(アルゴンガス中プラズマ放電)
25 パターニング器
26 アルミニウム蒸着器
27 アクリル樹脂層0.05〜0.6μm
28 回転ドラム(冷却用)
29 抵抗
30 アルミナコーティング器
30a 酸化ケイ素コーティング発生器
31 酸素プラズマ発生器
32 ポンプ部分
33 誘電体フィルム(パターニング状態図)
34 カセットラック
35 スペーサーシート

Claims (4)

  1. 誘電体樹脂層にアルミニウムを蒸着し交互に重ね合わせた積層母体を、スティック状に切断した後、混合ガスを活性化してプラズマ状態とし、該切断面にケミカルドライエッチング処理を行い、該エッチング面に金属溶射して電極引出し部を形成したことを特徴とする積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法。
  2. 誘電体樹脂層のエッチング深さが10〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法。
  3. 誘電体樹脂層がポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、またはアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法。
  4. アルミニウム蒸着層に酸化アルミニウムおよび/または酸化ケイ素をコーティングしたことを特徴とする請求項1記載の積層金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法。
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