JP2002198257A - 積層体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

積層体の製造方法及び製造装置

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JP2002198257A
JP2002198257A JP2000394551A JP2000394551A JP2002198257A JP 2002198257 A JP2002198257 A JP 2002198257A JP 2000394551 A JP2000394551 A JP 2000394551A JP 2000394551 A JP2000394551 A JP 2000394551A JP 2002198257 A JP2002198257 A JP 2002198257A
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forming
dielectric layer
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JP2000394551A
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Yasushi Arai
康司 新井
Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
Tsuyoshi Kasebe
強 加瀬部
Masashi Moriwaki
正志 森脇
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱負荷や外力に強い積層体の製造方法及び製
造装置を提供する。 【解決手段】 積層体の製造装置は、同一真空槽1内
に、基板2上に誘電体層を形成する誘電体層形成装置7
と、誘電体層上に金属薄層パターンを形成する金属薄層
パターン形成装置11と、金属薄層パターンに従って誘
電体層上に金属薄層を形成する金属薄層形成装置5と、
誘電体層との接着性を向上するために金属薄層の表面を
処理する金属薄層処理装置6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体層と金属薄
層とからなる積層体の製造方法及び製造装置に関するも
のである。特に、本発明は、コンデンサ等の電子部品に
好適に使用できる積層体の製造方法及び製造装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日の電子部品に対する小型化、高性能
化の要求はますます厳しさを増す一方であり、コンデン
サに対しても例外ではない。コンデンサの容量は、誘電
体の誘電率が同一であれば、誘電体の面積に比例し、誘
電体層の厚みに反比例する。従って、コンデンサを小型
化しつつ、その容量を維持もしくは増大させるために
は、誘電体層の厚みを薄くし、また、容量発生部分の有
効面積を増大させることが有効な手段である。
【0003】コンデンサ等の電子部品に使用される誘電
体層と金属薄層とからなる積層体としては、フイルムコ
ンデンサ用の積層体が知られている。これは、ポリエス
テル(PEN、PET等)、ポリオレフィン(PP
等)、PPS等の樹脂フィルムに、アルミニウム等の金
属薄膜を真空蒸着法、スパッタリング等で積層した金属
化フィルムを、積層又は巻回してなるものである。
【0004】しかし、樹脂フィルムの厚みは、その製造
工程上、もしくはその後のフィルムの取り扱い性、加工
性等の制約から、その薄膜化には限界がある。現在使用
されているフイルムコンデンサ用のフィルム厚みは1.
2μm程度までである。従って、コンデンサの容量をさ
らに増大させるためには、容量発生部分の有効面積を増
大させること、即ち、積層数又は巻回数を増大させる必
要がある。しかし、この積層数又は巻回数の増大は、コ
ンデンサの小型化の要求に反する。このように、フイル
ムコンデンサでは、小形化と高容量化を高次元で両立す
ることは限界に達しているのが現状である。
【0005】一方、誘電体層と金属薄膜とからなる積層
体において、従来のフィルムコンデンサとは全く別の製
造方法により、誘電体層の厚みを1μm程度にしたコン
デンサ用積層体が提案されている(米国特許第5,12
5,138号)。このコンデンサ用積層体は、従来の積
層型フイルムコンデンサ用積層体と同様に、誘電体樹脂
層と金属薄層とを順次積層した積層構成であるが、これ
を1000層程度以上積層し、厚さ数mm程度にしたも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
検討によれば、従来の積層体では、積層体の製造過程
や、積層体をコンデンサに加工する過程における加圧・
加熱プレス工程、あるいは積層体からなるコンデンサを
プリント配線基板等に実装する工程等で熱負荷や外力が
加わると、積層体が容易に損傷してしまうという問題が
ある。
【0007】また、この問題は、誘電体層の厚みを従来
のフイルムコンデンサでは実現できなかったような厚み
にまで薄くすれば、よりいっそう顕著に発生することが
判明した。従って、これらの問題は、積層体をコンデン
サに使用して、その小形化・高容量化を達成する上で避
けることができない。
【0008】そこで、本発明は、熱負荷や外力に強く、
コンデンサとして使用した場合に小形化・高容量化を高
次元で実現できる積層体の製造方法及び製造装置を提供
することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、基板上に
誘電体層を形成する工程と、上記誘電体層上に金属薄層
パターンを形成する工程と、上記金属薄層パターンに従
って上記誘電体層上に金属薄層を形成する工程と、誘電
体層との接着性を向上するために金属薄層の表面を処理
する工程とを同一真空槽内で連続的に繰り返し実行す
る、積層体の製造方法を提供するものである。
【0010】第1の発明の積層体の製造方法では、誘電
体層との接着性を向上するために金属薄層の表面を処理
するので、熱負荷や外力に対する誘電体層と金属薄層と
の接着強度を向上することができる。特に、本発明の製
造方法により製造した積層体をコンデンサに使用する場
合、コンデンサを製造する際の加圧工程、加熱プレス工
程や、完成したコンデンサをプリント配線基板に実装す
る工程等での熱負荷や外力による誘電体層と金属薄層の
剥離を防止することができる。
【0011】具体的には、上記金属薄層の表面を処理す
る工程は、スパッタリング法、化学的気相成長法又は真
空蒸着法によりカップリング材を金属薄層の表面に堆積
させるものである。これらの場合、カップリング材によ
り金属薄層と誘電体層とが化学結合的に結合され、両者
の接着性が向上する。
【0012】第2の発明は、基板上に誘電体層を形成す
る工程と、上記誘電体層上に金属薄層パターンを形成す
る工程と、上記金属薄層パターンに従って上記誘電体層
上に金属薄層を形成する工程とを同一真空槽内で連続的
に繰り返し実行して積層体を製造する方法であって、上
記金属薄層を形成する工程で供給される金属材料はカッ
プリング材を含有する、積層体の製造方法を提供するも
のである。
【0013】第2の発明の積層体の製造方法では、カッ
プリング材が金属薄層と誘電体層の界面に偏析すること
により、金属薄層と誘電体層とが化学結合的に結合さ
れ、両者の接着性が向上する。
【0014】例えば、上記金属薄層を形成する工程で供
給される金属材料は、アルミニウムとシリコンの合金、
アルミニウムとチタンの合金等のアルミニウム合金であ
る。
【0015】上記金属薄層を形成する工程の後に、金属
薄層表面に光エネルギを照射する工程をさらに備えるこ
とが好ましい。この場合、金属薄層と誘電体層の化学結
合を促進し、両者の接着性を一層向上することができ
る。
【0016】第3の発明は、同一真空槽内に、基板上に
誘電体層を形成する誘電体層形成装置と、上記誘電体層
上に金属薄層パターンを形成する金属薄層パターン形成
装置と、上記金属薄層パターンに従って上記誘電体層上
に金属薄層を形成する金属薄層形成装置と、誘電体層と
の接着性を向上するために金属薄層の表面を処理する金
属薄層処理装置とを備える積層体の製造装置を提供する
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す本発明の実施形
態について説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係る
積層体の製造装置を示している。この製造装置は、真空
槽1内には、その回転軸線が水平方向に延びるキャンロ
ール2が収容されている。また、真空槽1のキャンロー
ル2の下部には、金属薄層形成装置5が配置されてい
る。さらに、真空槽1のキャンロール2の周囲には矢印
Rで示すキャンロール2の回転方向に沿って、金属層表
面処理装置6、誘電体層形成装置7、誘電体層硬化装置
8、誘電体層処理装置9、扉10、金属薄層パターン形
成装置11が配設されている。なお、真空槽1内は、真
空排気機構13及びパージ機構14により真空排気及び
パージされる。
【0018】上記キャンロール2は、回転駆動機構16
により矢印R方向に回転駆動される。キャンロール2の
回転速度は、自由に設定できるが通常15rpm〜70
rpm程度である。キャンロール2の外周面(基板面)
は平滑に、好ましくは鏡面状に仕上げられており、図示
しない水冷機構により、好ましくは−20℃から40
℃、より好ましくは−10℃から10℃に冷却されてい
る。
【0019】上記金属薄層形成装置5は、電子加熱蒸着
法により、キャンロール2表面に金属を蒸着させて金属
層(金属電極)を形成する。具体的には、坩堝(金属蒸
着源)5aに収容された金属に電子銃5bから電子線が
照射され、電子線のエネルギにより坩堝5a内の金属が
蒸発・気化してキャンロール2表面に堆積する。蒸着金
属としては、例えば、Al、Cu、Zn、Sn、Au、
Ag及びPtから選択した少なくも一種類の金属を使用
することができる。
【0020】なお、金属薄層形成装置5は、電子加熱蒸
着法によるものに限定されず、抵抗加熱蒸着法等の他の
真空蒸着法又はスパッタリング法等によるものであって
もよい。
【0021】上記金属薄層処理装置6は、誘電体層との
接着性を向上させるためのカップリング材を金属薄層の
表面に堆積させるものである。例えば、この金属薄層処
理装置6は、カップリング材であるチタンをターゲット
材料としたスパッタリング法により、チタン原子をモノ
マー状で金属薄層表面に堆積させる。また、金属薄層処
理装置6は、化学的気相成長法(CVD法)によりTi
Cl4等を金属薄層表面に堆積させるものでもよい。さ
らに、金属薄層処理装置6は、真空蒸着法によりチタン
モノマーを金属薄層表面に堆積させるものであってもよ
い。
【0022】上記誘電体層形成装置7は、誘電体層を形
成するための反応性モノマー樹脂を抵抗加熱蒸着により
蒸発・気化させ、キャンロール2上に蒸着・堆積させ
る。
【0023】上記誘電体層硬化装置8は、上記反応性モ
ノマー樹脂を重合又は架橋させ、誘電体層を所望の硬化
度の薄膜とする。この誘電体層硬化装置8としては、例
えば、電子線照射装置や紫外線照射装置を使用すること
ができる。
【0024】上記誘電体層処理装置9は、例えば酸素プ
ラズマ処理等を行って、上記反応性モノマー樹脂からな
る誘電体層の表面を活性化させ、金属薄層との接着性を
向上させる。
【0025】上記金属薄層パターン形成装置11は、例
えばオイルであるパータンニング材料を蒸発・気化させ
たものをノズルから噴射し誘電体層表面に帯状に堆積さ
せる。
【0026】制御装置18は、上記金属薄層形成装置
5、金属薄層処理装置6、誘電体層形成装置7、誘電体
層硬化装置8、誘電体層処理装置9、金属薄層パターン
形成装置11、真空排気機構13及びパージ機構14を
制御する。
【0027】上記製造装置による積層体の製造方法につ
いて説明する。まず、誘電体層形成装置7によりキャン
ロール2の外周に誘電体層を形成し、次に、誘電体層硬
化装置8により誘電体層を硬化させる。さらに、誘電体
層処理装置9により誘電体層表面を酸素プラズマ処理し
た後、金属薄層パターン形成装置11によりパターンニ
ング材料を帯状に堆積させる。次に、金属薄層形成装置
5により金属薄層を形成する。この際、パターンニング
材料が堆積された箇所には金属薄層は形成されず、この
箇所が積層体の電気的絶縁部分となる。
【0028】次に、金属薄層処理装置6により金属薄層
の表面にカップリング材が堆積される。その後、誘電体
層形成処理装置7により再度誘電体層が形成されるが、
この際、金属薄層を構成する金属、カップリング材が含
有するチタン及び誘電体層を構成する反応性モノマー樹
脂に含まれる炭素とが化学的に結合し、その結果、金属
薄層と誘電体層との接着性が向上する。
【0029】以上の工程を繰り返すことにより、誘電体
層と帯状の電気的絶縁部分を除く金属薄層とからなる積
層単位をキャンロール2の外周面に所定回数積層する
と、円筒状連続体が得られる。その後、この円筒状連続
体を半径方向に分割して、キャンロール2から取り外
し、扉10を介して真空槽1外に取り出す。図4(A)
に示す真空槽1から取り出した積層体21はキャンロー
ル2の外周面とほぼ同曲率の円弧状に湾曲している。次
に、この湾曲した積層体21を加熱下でプレスして図4
(B)に示すように平坦化する。上記のように金属層と
誘電体層との接着性が高いため、この加熱下でのプレス
加工の際に作用する熱負荷や外力による金属層と誘電体
層の剥離を防止することができる。さらに、平坦化した
積層体21を所定寸法に切断すれば、コンデンサが得ら
れる。このコンデンサをプリント配線基板等に実装する
工程でも外力や熱負荷が加わるが、上記のように金属層
と誘電体層との接着性が高いため、金属層と誘電体層の
剥離を防止することができる。
【0030】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態を示している。第2実施形態の積層体の製造装置
では、金属薄層形成装置5の坩堝5aに収容された金属
にはカップリング材が含有されている。金属の種類は、
Al、Cu、Zn、Sn、Au、Ag及びPtから選択
した少なくも一種類の金属であればよく、カップリング
材の種類も特に限定されない。ただし、アルミニウムと
シリコンの合金又はアルミニウムとチタンの合金等が好
ましい。
【0031】また、第2実施形態では金属薄層処理装置
6は、誘電体層を形成する反応性樹脂モノマーの重合エ
ネルギに応じた波長の光エネルギを発生するレーザ装置
6aを備えている。
【0032】上記のように金属薄層形成装置5から供給
される金属がカップリング材を含有しているため、例え
ば、誘電体硬化装置8から照射される電子線や紫外線に
より加熱されると、誘電体層と金属層との界面にカップ
リング材が偏析する。その結果、金属薄層を構成する金
属、カップリング材及び誘電体層を構成する反応性モノ
マー樹脂に含まれる炭素とが化学的に結合し、金属薄層
と誘電体層との接着性が向上する。
【0033】また、レーザ装置6aから照射される光エ
ネルギにより、樹脂モノマー*の重合開始部分の結合が
切れ、金属と樹脂モノマーの炭素との化学結合が形成さ
れるため、金属薄層と誘電体層との接着性が一層向上す
る。
【0034】以上の工程を繰り返すことにより得られた
円筒状連続体を半径方向に分割して、真空槽1外に取り
出した後、加熱下でのプレス加工より平坦化しても、上
記のように金属層と誘電体層との接着性が高いため、熱
負荷や外力による金属層と誘電体層の剥離を防止するこ
とができる。第2実施形態のその他の構成及び作用は、
上記第1実施形態と同様である。
【0035】
【実施例】(実施例1)図1に示す第1実施形態の製造
装置を用いて積層体を製造した。真空槽1内は2×10
-2Paとし、キャンロール2の外周面を5℃に維持し
た。誘電体材料としてジシク口ペンタジエンジメタノー
ルジアクリレートを用い、これを誘電体層形成装置7に
より気化してキャンローラ1の外周面に堆積させた。ま
た、誘電体層硬化装置8として電子線硬化装置を用い、
上記堆積させた誘電体材料を重合し、硬化させた。この
時形成された誘電体層は0.4μmであった。
【0036】その後、誘電体層処理装置9により、表面
を酸素プラズマ処理した。次に、金属薄層パターン形成
装置11により電気絶縁体に相当する部分にパターンニ
ング材料を付与させた。パターンニング材料としてはフ
ッ素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μm
のノズルより噴出させて、幅150μmの帯状に付着さ
せた。
【0037】次に、金属薄層形成装置5によりアルミニ
ウムを金属蒸着させた。蒸着厚みは25nm、膜抵抗6
Ω/口とした。
【0038】その後、金属薄層処理装置6によりチタン
をスパッタリング法で0.1nm堆積させた。以上の操
作を、キャンロール2を回転させることにより3000
回繰り返し、約1.6mmの積層体を形成した。
【0039】次いで、得られた円筒状の積層体を半径方
向に20分割して取り外し、加熱下でプレスし平板状の
積層体母素子を得た(図3(B)参照)。これを切断
し、従来のフィルムコンデンサで行なわれている工程を
通過させることでチップコンデンサを得た。
【0040】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方
向)3.2mmであり、小形ながら容量は0.47μF
であった。耐電圧は、50Vであった。このコンデンサ
をプリント配線基板にハンダ付けで実装したが、積層体
の剥離等のコンデンサ特性に問題は生じなかった。
【0041】(実施例2)図2に示す第2実施形態の製
造装置を用いて積層体を製造した。真空槽1内は2×1
-2Paとし、キャンロール2の外周面を5℃に維持し
た。誘電体材料としてジシクロペンタジエンジメタノー
ルジアクリレートを用い、これを誘電体層形成装置7に
より気化してキャンローラ1の外周面に堆積させた。ま
た、誘電体層硬化装置8として電子線硬化装置を用い、
上記堆積させた誘電体材料を重合し、硬化させた。この
時形成された誘電体層は0.4μmであった。
【0042】その後、誘電体層処理装置9により、表面
を酸素プラズマ処理した。次に、金属薄層パターン形成
装置11により電気絶縁体に相当する部分にパターンニ
ング材料を付与した。パターンニング材料としてはフッ
素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmの
ノズルより噴出させ、幅150μmの帯状に付着させ
た。
【0043】次に、金属薄層形成装置5によりアルミニ
ウムにカップリング材であるチタンを1%添加した合金
を金属蒸着させた。蒸着厚みは25nm、膜抵抗8Ω/
口とした。
【0044】その後、金属薄層処理装置6のレーザ装置
6aにより金属薄層の表面に紫外線を照射した。
【0045】以上の操作を、キャンロール2を回転させ
ることにより3000回繰り返し、約1.6mmの積層
体を形成した。
【0046】次いで、得られた円筒状の積層体を半径方
向に20分割して取り外し、加熱下でプレスし平板状の
積層体母素子を得た(図3(B)参照)。これを切断
し、従来のフィルムコンデンサで行なわれている工程を
通過させることでチップコンデンサを得た。
【0047】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方
向)3.2mmであり、小形ながら容量は0.47μF
であった。耐電圧は、50Vであった。このコンデンサ
をプリント配線基板にハンダ付けで実装したが、積層体
の剥離等のコンデンサ特性に問題は生じなかった。
【0048】(実施例3)上記図2に示す第2実施形態
の装置で金属薄層処理装置6を使用することなく、積層
体を製造した。
【0049】真空槽1内は2×10-2Paとし、キャン
ロール2の外周面を5℃に維持した。誘電体材料として
ジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用
い、これを誘電体層形成装置7により気化してキャンロ
ーラ1の外周面に堆積させた。また、誘電体層硬化装置
8として電子線硬化装置を用い、上記堆積させた誘電体
材料を重合し、硬化させた。この時形成された誘電体層
は0.4μmであった。
【0050】その後、誘電体層処理装置9により、表面
を酸素プラズマ処理した。次に、金属薄層パターン形成
装置11により電気絶縁体に相当する部分にパターンニ
ング材料を付与した。パターンニング材料としてはフッ
素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmの
ノズルより噴出させ、幅150μmの帯状に付着させ
た。
【0051】次に、金属薄層形成装置5によりアルミニ
ウムにカップリング材であるチタンを1%添加した合金
を金属蒸着させた。蒸着厚みは25nm、膜抵抗8Ω/
口とした。以上の操作を、キャンロール2を回転させる
ことにより3000回繰り返し、約1.6mmの積層体
を形成した。
【0052】次いで、得られた円筒状の積層体を半径方
向に20分割して取り外し、加熱下でプレスし平板状の
積層体母素子を得た(図3(B)参照)。これを切断
し、従来のフィルムコンデンサで行なわれている工程を
通過させることでチップコンデンサを得た。
【0053】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方
向)3.2mmであり、小形ながら容量は0.47μF
であった。耐電圧は、50Vであった。このコンデンサ
をプリント配線基板にハンダ付けで実装したが、積層体
の剥離等のコンデンサ特性に問題は生じなかった。
【0054】(比較例)上記図1に示す製造装置におい
て、金属薄層処理装置6を使用せず、かつ、金属薄層形
成装置5により蒸着させる金属にカップリング材を含有
させずに、積層体を製造し、チップコンデンサを製作し
た。
【0055】得られたチップコンデンサをプリント配線
基板にハンダ付けにより実装したところ、1000pp
mのレベルでコンデンサの絶縁抵抗が低いものが存在し
た。この絶縁抵抗が十分でないコンデンサの積層状態を
観察したところ、金属薄層(金属電極)と誘電体層との
界面に剥離が発生していた。これは、金属薄層と誘電体
層との接着強度が不十分であるためと推察される。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の積層体の製造方法及び製造装置では、誘電体層との接
着性を向上するために金属薄層の表面を処理することに
より、あるいは、金属薄層を形成する工程で供給される
金属材料にカップリング材を含有せることにより、熱負
荷や外力に対する誘電体層と金属薄層との接着強度を向
上することができる。よって、本発明による製造された
積層体をコンデンサとして使用することにより、小型化
及び高容量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る積層体の製造装
置を示す概略縦断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る積層体の製造装
置を示す概略縦断面図である。
【図3】 (A)はキャンロールから取り出した積層体
を示す斜視図、(B)はプレス後の積層体を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 キャンロール 5 金属薄層形成装置 5a 坩堝 5b 電子銃 6 金属薄層処理装置 6a レーザ装置 7 誘電体層形成装置 8 誘電体層硬化装置 9 誘電体層処理装置 10 扉 11 金属薄層パターン形成装置 13 真空排気機構 14 パージ機構 16 回転駆動機構 18 制御装置 21 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 13/00 391 H01G 4/06 102 (72)発明者 加瀬部 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森脇 正志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB03 BC39 EE05 EE11 EE23 EE37 FF05 FG03 FG34 FG42 FG54 KK01 LL02 LL03 MM06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に誘電体層を形成する工程と、上
    記誘電体層上に金属薄層パターンを形成する工程と、上
    記金属薄層パターンに従って上記誘電体層上に金属薄層
    を形成する工程と、誘電体層との接着性を向上するため
    に金属薄層の表面を処理する工程とを同一真空槽内で連
    続的に繰り返し実行する、積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記金属薄層の表面を処理する工程は、
    スパッタリング法によりカップリング材を金属薄層の表
    面に堆積させるものである、請求項1に記載の積層体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記金属薄層の表面を処理する工程は、
    化学的気相成長法によりカップリング材を金属薄層の表
    面に堆積させるものである、請求項1に記載の積層体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記金属薄層の表面を処理する工程は、
    真空蒸着法によりカップリング材を金属薄層の表面に堆
    積させるものである、請求項1に記載の積層体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基板上に誘電体層を形成する工程と、上
    記誘電体層上に金属薄層パターンを形成する工程と、上
    記金属薄層パターンに従って上記誘電体層上に金属薄層
    を形成する工程とを同一真空槽内で連続的に繰り返し実
    行して積層体を製造する方法であって、 上記金属薄層を形成する工程で供給される金属材料はカ
    ップリング材を含有する、積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記金属薄層を形成する工程で供給され
    る金属材料は、アルミニウム合金である、請求項5に記
    載の積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記金属薄層を形成する工程で供給され
    る金属材料は、アルミニウムとシリコンの合金である、
    請求項6に記載の積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記金属薄層を形成する工程で供給され
    る金属材料は、アルミニウムとチタンの合金である、請
    求項6に記載の積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記金属薄層を形成する工程の後に、金
    属薄層表面に光エネルギを照射する工程をさらに備え
    る、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の積層
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 同一真空槽内に、基板上に誘電体層
    を形成する誘電体層形成装置と、上記誘電体層上に金属
    薄層パターンを形成する金属薄層パターン形成装置と、
    上記金属薄層パターンに従って上記誘電体層上に金属薄
    層を形成する金属薄層形成装置と、誘電体層との接着性
    を向上するために金属薄層の表面を処理する金属薄層処
    理装置とを備える積層体の製造装置。
  11. 【請求項11】 上記金属薄層処理装置は、スパッタリ
    ング法によりカップリング材を金属薄層の表面に堆積さ
    せるものである、請求項10に記載の積層体の製造装
    置。
  12. 【請求項12】 上記金属薄層処理装置は、化学的気相
    成長法によりカップリング材を金属薄層の表面に堆積さ
    せるものである、請求項10に記載の積層体の製造装
    置。
  13. 【請求項13】 上記金属薄層処理装置は、真空蒸着法
    によりカップリング材を金属薄層の表面に堆積させるも
    のである、請求項10に記載の積層体の製造装置。
  14. 【請求項14】 上記金属薄層形成装置から供給される
    金属材料はカップリング材を含有し、 上記金属薄層処理装置は、金属薄層表面に光エネルギを
    照射するものである、請求項10に記載の積層体の製造
    装置。
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