JP2003022931A - 多層膜の製造方法、積層コンデンサの製造方法および多層膜製造装置 - Google Patents
多層膜の製造方法、積層コンデンサの製造方法および多層膜製造装置Info
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Abstract
したガス成分等は吸着されずに常時排気するようにし、
大排気容量による排気時間の低減を実現しつつ、排気能
力の長期確保によるメンテナンス頻度の低減をはかり、
処理圧力の安定化および設備の安定稼動を実現し、信頼
性の高い多層膜を提供する。 【解決手段】本発明では、ターボ分子ポンプによって、
前記真空槽内に反応ガスを供給しつつ真空槽内を排気
し、前記ターボ分子ポンプに接続されるクライオ冷却パ
ネルを反応ガスが液化しにくい温度に設定することで成
膜処理を行う成膜工程を含むことを特徴とする。
Description
および多層膜製造装置に係り、特に、コンデンサ等の電
子部品に用いられる誘電体層と金属薄膜層とで構成され
る積層体の製造方法および製造装置に関するものであ
る。
化に対する要求はますます厳しさを増す一方であり、コ
ンデンサに対しても例外ではない。コンデンサの容量
は、誘電体の誘電率が同一であれば、誘電体の両側の対
向する電極面積に比例し、誘電体層の厚みに反比例す
る。従って、コンデンサを小型化しつつ、その容量を維
持もしくは増大させるためには、誘電体層の厚みを薄く
し、また、容量発生部分の有効面積を増大させることが
有効な手段である。
いた電子部品としては、フイルムコンデンサ用の積層体
が知られている。このように積層体は一般に、PEN、PET
等のポリエステル、PP等のポリオレフィン、PPS等の樹
脂フイルムに、アルミニウム等の金属薄膜を真空蒸着
法、スパッタ等で積層した金属化フイルムを、積層また
は巻回してなるものである。
その製造工程上、もしくはその後のフイルムの利便性、
加工性等の制約から、限界がある。現在使用されている
フイルムコンデンサ用のフイルム厚みはせいぜい1.2
μm程度までであり、コンデンサの容量をさらに増大さ
せるためには、容量発生部分の有効面積を増大させるこ
と、即ち、積層又は巻回数を増大させる必要がある。し
かしながら、これはコンデンサの小型化の要求に反し、
小型化と高容量化との両立は限界に達しているのが現状
である。
方法により、誘電体層の厚みを1μm程度で製造するコ
ンデンサ用積層体が提案されている(U.S.P.5,125,138
号特許明細書および図面)。当該発明によると、従来の
積層型フイルムコンデンサ用積層体と同様に、誘電体樹
脂層と金属薄膜層とを順次積層することで積層構造を形
成するものであり、これを1000層程度以上積層する
ことで、厚さ数mm程度となるようにしたものである。
は、図5に一例を示すように、メインチャンバーを構成
する真空槽5の排気系として、20K以下の温度に冷却
された大口径のクライオポンプ11のみを使用して真空
排気し積層体を形成している。
ネルに樹脂成分が固体状で吸着したり、活性炭へ取り込
まれた樹脂成分ガスが再生処理をしても活性化せずメン
テナンスに多くの時間を有していた。さらに、メンテナ
ンス後の安定した排気能力を維持する時間が短く、頻繁
にメンテナンスをする必要があった。
のため、誘電体の表面処理ユニット9等の内部圧力が上
昇し、プロセス条件が変化して、製品特性歩留りが変動
することもあった。そして、真空槽5の排気系に取り組
まれた酸素ガスがクライオポンプ6内に固体状または液
化した状態で再生処理を行うと、密閉空間での酸素濃度
の向上により、安全上のトラブルも発生する可能性があ
った。
る誘電体層と金属層を順次積層することで積層体を製造
する方法では、同一の真空槽内で、誘電体形成や金属層
形成等を繰り返して行う必要がある。この場合、積層体
を支持し、非成膜部材からなる回転体を有する真空槽と
誘電体形成やその表面処理、金属層形成やそのパターニ
ング工程等の各処理を実施するユニットが繋がっている
ため、真空槽の排気系と各処理ユニットの排気系の排気
力のバランスにより処理圧力が変動する。また、積層体
のサイズが大きくなると、その生産性を向上させる必要
が生じる。そのため、積層体支持の回転体のサイズが必
然的に大きくなり、真空槽の容量が大きくなる。そのた
め、排気時間の短縮をはかるべく、水分の排気能力が大
きい、クライオ(極低温)ポンプを真空槽の排気系とし
て使用している。
極低温冷却手段を具え、排気ガスをトラップし易くし、
排気能力の高効率化をはかるものである。
やエッチングなどの表面処理工程で使用するガス等の成
分が各処理ユニットの排気系だけでは完全に排気するこ
とが難しく、真空槽の排気系に拡散する可能性がある。
その結果、拡散したガス成分等はクライオポンプの冷却
パネル等に吸着されることで、排気能力が低下し、メン
テナンス性も低下するという課題を有している。
理ユニットの処理圧力が変化してしまうというプロセス
安定上の問題があった。また、クライオポンプの再生時
に吸着した種々の材料やガス成分がポンプ内に高濃度で
存在する危険もあり、装置の安定稼動の上でも課題があ
った。
で、水分の排気能力はある程度確保しながら、拡散した
ガス成分等は吸着されずに常時排気するようにし、大排
気容量による排気時間の低減を実現しつつ、排気能力の
長期確保によるメンテナンス頻度の低減をはかり、処理
圧力の安定化および設備の安定稼動を実現し、信頼性の
高い多層膜を提供することが可能な多層膜の製造方法、
積層コンデンサの製造方法および多層膜製造装置を提供
することを目的とする。
てなされたもので、本発明では、少なくとも真空槽の排
気系として、反応ガスが液化しにくい温度に冷却したク
ライオ冷却パネルを有するターボ分子ポンプを用いるよ
うにしたことを特徴とする。
る工程と、誘電体の表面を処理する工程と、金属電極に
パターンを形成する工程と、金属電極を形成する工程を
含むプロセスにおいて、各工程のユニットおよび真空槽
の排気系として、反応ガスが液化しにくい温度に冷却し
たクライオ冷却パネルを有するターボ分子ポンプを用い
ることを特徴とする多層膜の製造方法および装置を特徴
とする。
して成膜する多層膜の製造方法であって、ターボ分子ポ
ンプによって、前記真空槽内に反応ガスを供給しつつ真
空槽内を排気し、前記ターボ分子ポンプに接続されるク
ライオ冷却パネルを反応ガスが液化しにくい温度に設定
することで成膜処理を行う成膜工程を含むことを特徴と
する。
くい温度に冷却したクライオ冷却パネルを有するターボ
分子ポンプによって真空槽を排気しているため、水分の
排気能力を確保しながら、拡散したガス成分などは吸着
されることなく常時排気されるため、排気時間の低減を
実現することができる。
の成分および、成膜やプラズマ処理などの表面処理工程
で使用するガス等の成分がクライオポンプに吸着したり
することなく、安全に維持することができ、メンテナン
スも容易である。また、クライオポンプの再生時に吸着
した種々の材料やガス成分がポンプ内に高濃度で存在す
るというような危険もなく、安定稼動を行うことが可能
となる。
をトラップする一方で酸素は通過させるように構成され
ていることを特徴とする。
あり、連続して信頼性の高い多層膜の形成を行うことが
可能となる。
ズマ処理工程を含むことを特徴とする。
は、被処理残さを含む酸素が、排気ガス中に大量に含ま
れ、これが冷却パネルに付着することにより、メンテナ
ンス頻度が増大するという問題があったが、このような
問題は低減される。
着する工程と、アルミニウムを蒸着する工程とを含み、
前記真空槽のクライオ冷却パネルは120K以上に設定
されると共に、アルミニウム蒸着ユニットのクライオ冷
却パネルは70K以上に設定されていることを特徴とす
る。
のトラップもなく、連続して効率のよい薄膜形成が可能
となる。
って、真空槽内に反応ガスを供給しつつ前記真空槽内を
排気し、前記ターボ分子ポンプに接続されるクライオ冷
却パネルを反応ガスが液化しにくい温度に設定し、基板
を走行させながら、同一真空槽で、誘電体層形成部で前
記基板表面に誘電体層を形成する工程と、金属電極形成
部で金属電極を形成する工程とを複数回繰り返し、積層
コンデンサを形成するようにしたことを特徴とする。
て効率のよい薄膜形成が可能となり、信頼性の高い積層
コンデンサを提供することが可能となる。
り、前記真空槽内で前記樹脂フィルムを回転しながら順
次成膜が繰り返されるように構成されており、前記誘電
体層を形成する工程は、樹脂蒸着ユニットから前記樹脂
フィルム表面に向けて樹脂層を蒸着する工程であり、前
記金属電極形成工程はアルミニウム蒸着ユニットから前
記樹脂フィルム表面に向けてアルミニウムを蒸着する工
程であり、前記真空槽のクライオ冷却パネルは120K
以上に設定されると共に、アルミニウム蒸着ユニットの
クライオ冷却パネルは70K以上に設定されている。
のトラップもなく、連続して効率のよい薄膜形成が可能
となり、信頼性の高い積層コンデンサを提供することが
可能となる。
空槽に接続された、第1および第2の薄膜形成部と、反
応ガスが液化しにくい温度に冷却したクライオ冷却パネ
ルに接続されたターボ分子ポンプとを含み、基板を走行
させながら、順次第1および第2の薄膜を形成するよう
にしたことを特徴とする。
くい温度に冷却したクライオ冷却パネルを有するターボ
分子ポンプによって真空槽を排気しているため、水分の
排気能力を確保しながら、拡散したガス成分などは吸着
されることなく常時排気されるため、排気時間の低減を
実現することができる。
成部は、それぞれ反応ガスが液化しにくい温度に冷却し
たクライオ冷却パネルを有するターボ分子ポンプを具え
たことを特徴とする。
対応した温度に設定されたクライオ冷却パネルを用いて
いるため、効率よく排気することができるとともに、メ
ンテナンス性の向上を図ることができる。
備してなる真空槽と、前記真空槽内で、基板を回転する
回転ドラムと、前記基板の回転経路のまわりに順次配設
された誘電体層形成部と、誘電体層表面を酸素プラズマ
で処理するプラズマ処理部と、金属電極形成部とを具備
し、前記排気ユニットは、反応ガスが液化しにくい温度
に冷却したクライオ冷却パネルに接続されたターボ分子
ポンプを具備し、前記回転ドラム上で回転する前記基板
表面に順次誘電体層と金属電極とを交互に積層するよう
にしたことを特徴とする。
くい温度に冷却したクライオ冷却パネルを有するターボ
分子ポンプによって真空槽を排気しているため、水分の
排気能力を確保しながら、拡散したガス成分などは吸着
されることなく常時排気されるため、排気時間の低減を
実現することができる。
り、前記真空槽内で前記樹脂フィルムを回転しながら順
次成膜が繰り返されるように構成されており、前記真空
槽のクライオ冷却パネルは120K以上に設定されると
共に、前記誘電体層形成部は樹脂蒸着部であり、プラズ
マ処理部は前記樹脂蒸着部で形成された樹脂を酸素プラ
ズマでプラズマ処理部であり、金属電極形成部はアルミ
ニウム蒸着部であり、前記アルミニウム蒸着部のクライ
オ冷却パネルは70K以上に設定されていることを特徴
とする。
のトラップもなく、連続して効率のよい薄膜形成が可能
となり、信頼性の高い積層コンデンサを提供することが
可能となる。
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
ンサを製造するための製造装置を模式的に示した概略図
である。図2は本発明の実施形態の装置で形成された積
層コンデンサを示す図である。
ャンバーとしての真空槽5内部が、反応ガスが液化しに
くい温度である150Kに冷却したクライオ冷却パネル
7を有するターボ分子ポンプ6によって排気せしめられ
るように構成されていることを特徴とするものである。
また、蒸着のための蒸着源を具備した蒸着源室も100
Kに冷却したクライオ冷却パネル47を有するターボ分
子ポンプ46によって排気せしめられている。
が、この真空槽5内に装着され、一定の角速度又は周速
度で、矢印A方向に回転するキャンローラ1の表面に支
持基板としての樹脂フィルムが装着され、このキャンロ
ーラ1の回転経路にそって、下部に金属蒸着源4、この
金属蒸着源4に対してキャンローラ1の回転方向下流側
に、樹脂蒸発源2、樹脂硬化装置8、上流側にパターニ
ング材料付与装置3、誘電体処理装置9がそれぞれ配さ
れている。86は樹脂硬化装置8に接続されたターボ分
子ポンプである。
ター(図示せず)を介して接続され、その内部は各装置
別のターボ分子ポンプ等の真空排気系(図示せず)およ
び、キャンローラを有する真空槽5は、クライオ冷却パ
ネル7およびターボ分子ポンプ6により真空に保持され
ている。
くは鏡面状に仕上げられており、好ましくは−20〜4
0℃、特に好ましくは−10〜10℃に冷却されてい
る。回転速度は自由に設定可能であるが、15〜70r
pm程度に設定されている。
けて金属蒸着を可能とするものであり、金属電極を形成
する。そしてこの金属蒸着源4はクライオ冷却パネル4
7およびターボ分子ポンプ46により真空排気されるよ
うになっている。ここではアルミニウムを用いている
が、蒸着金属としてはAlの他、例えば、Cu、Zn、Sn、A
u、Ag、Ptから選ばれた少なくとも一種が使用される。
なお、蒸着に代えてスパッタリング法等の手段で金属電
極を形成しても良い。
けて反応性モノマー樹脂を蒸発気化させるものであり、
該樹脂が堆積して誘電体層を形成するように構成されて
いる。そしてこの樹脂属蒸着源はクライオ冷却パネル2
7に接続されたターボ分子ポンプ26により真空排気さ
れるようになっている。
化装置8により重合又は架橋され、所望の硬化度に硬化
して薄膜を形成する。樹脂硬化装置8としては、例えば
電子線照射装置又は紫外線照射装置等が用いられる。
9により活性化表面処理される。そしてこの樹脂表面処
理装置9も、クライオ冷却パネル97に接続されたター
ボ分子ポンプ96により真空排気されるようになってい
る。例えば、酸素ガスを導入して電離させた酸素プラズ
マ処理等を行なって、樹脂表面を活性化させて金属薄膜
との接着性を向上させることができる。
ング材料を樹脂薄膜表面に帯状に堆積させるためのもの
である。パターニング材料が堆積した箇所には金属薄膜
は形成せず、該箇所が積層体の電気的絶縁部分となる。
パターニング材料としては例えばオイルが使用できる。
パターニング材料の付与の手段は、蒸発気化させたパタ
ーニング材料をノズルから噴射して樹脂薄膜表面で液化
させる方法を用いるのが好ましい。
面に、樹脂層と帯状の電気絶縁体を除く部分に積層され
た金属層とからなる積層単位を所定回数積層すると、円
筒状連続体が形成される。これを半径方向に分割(例え
ば、45°ごとに8分割)して、キャンローラから取り
外し、それぞれ加熱・加圧プレスすることにより平板状
の積層体母素子を得る。その後、切断することにより本
発明を使用した積層体が得られる。
ノマー樹脂成分や酸素プラズマ用の酸素ガス、またはオ
イル成分等がキャンローラ1と真空槽5の隙間等より、
真空槽の排気系である、クライオ冷却パネル7に接続さ
れたターボ分子ポンプ6に混入してくる。しかしなが
ら、クライオ冷却パネル7の温度は、表面処理で使用す
るガスや樹脂材料およびパターンニング材料等の物性や
混入度合いに応じて設定されており、水分のみを効率的
にトラップすることができる程度の温度に保たれてい
る。また、ターボ分子ポンプ6は稼動中常時排気してお
り、後段はドライポンプやロータリーポンプ等の粗引き
ポンプ10で排気されているため、クライオポンプを使
用した場合のような排気能力の低下や再生時の安全上の
問題等を解決することができる。
のユニットチャンバの排気系等にもクライオ冷却パネル
47に接続されたターボ分子ポンプ46を用いること
で、蒸着材料内から発生するガス成分(例えば水素)等
についても同様な効果を得ることができる。
て、真空排気能力を長期間安定に確保することが可能に
なるため、メンテナンス頻度の低減や処理圧力の安定化
による設備の安定稼動生産を実現するとともに、コンデ
ンサとして使用した場合には、小型化・高容量化を安定
して製造することができる。
デンサを製造する方法について説明する。
ジエンジメタノールジアクリレートを装着し、金属蒸発
源4には、アルミニウムを装着した。
空排気したのち、ターボ分子ポンプ6およびクライオ冷
却パネル7によって、真空排気し、真空槽5内を2×1
0-2Pa以下にする。また、キャンローラ1はその外周面
を5℃程度に維持するように、温度制御ユニット(図示
せず)で排気されている。
た後、各蒸発源を所望の温度に加熱し、蒸発を開始す
る。そしてシャッター(図示せず)を開け、真空槽5内
のキャンローラ1上の樹脂基板Fに向けて蒸着を開始す
る。
してのジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレー
トが、樹脂蒸発源2よりキャンローラ1の外周面の樹脂
基板Fに堆積せしめられる。
された誘電体層101を重合し、硬化する。この時形成
された誘電体層は0.3〜0.4μmである。また、材
料を調整することにより0.1μm程度に形成すること
もできる。
処理装置9により、表面を酸素プラズマPで処理し、活
性化した。
ング材料付与装置3により電気絶縁体に相当する部分
に、金属電極をパターニングするために金属層形成抑止
のためのオイル膜からなる帯状のパターニング材料10
2を付与させる。パターンニング材料としてはフッ素系
オイルを使用し、これを気化させて直径75μmのノズ
ルより噴出させて、幅100〜350μmの帯状に付着
させた。
4からアルミニウムを金属蒸着させ、前記パターニング
材料102の形成されていない領域に金属電極103の
パターンが形成される。蒸着厚みは25nm、狙いの膜
抵抗7Ω/□とした。
ることにより約4000回繰り返すことにより、約1.
3mm厚の積層体を形成した。誘電体厚みが薄い場合
は、10000回以上回転させて、図3(e)に示すよ
うに、同様の厚みの積層体を形成した。
向に20分割して取り外し、図4に説明図を示すよう
に、加熱化でプレスし平板状の積層体母素子を得た。こ
れを切断し、積層体100を形成し、さらに従来のフイ
ルムコンデンサで行なわれている工程を通過させ、電極
200および300を形成して図2に示したようなチッ
プコンデンサを得た。
排気系および金属蒸着源4の排気系において、クライオ
ポンプの替わりにターボ分子ポンプ6、46を設置する
と共に、その前段にクライオ冷却パネル7、47を配置
する排気系に変更した。
却パネル7の温度を通常の70K程度として積層体を製
造した場合は、水の排気能力を確保することは可能で排
気時間の短縮を図ることができた。しかしながら、長時
間稼動させると排気能力の低下が発生し、クライオ冷却
パネル7の再生処理が必要となり、メンテナンス頻度が
増加する傾向にあった。また再生時に反応ガスである酸
素が液化する状態が発生し、ターボ分子ポンプ6が停止
した場合等における安全上問題も発生した。
るメイン排気系のクライオ冷却パネル7の温度を120
K以上に設定し、混入が少ない金属蒸着源4ユニットチ
ャンバの排気系用クライオ冷却パネル47の温度は70
Kのままの状態に変更すると、大気状態からの排気時間
は若干増加するが、長時間稼動時の排気能力の低下が無
くなり、クライオ冷却パネル7の再生頻度の低減効果で
稼働時間の延長が可能となった。
クライオ冷却パネル7で発生しなくなり、再生時の場合
を含め安全対策が向上した。
て製造したチップコンデンサは、積層方向厚み約1.4
mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方向)3.2m
mであり、小形ながら容量は0.47μFであり、耐電
圧は50Vであった。
を4端子法で測定したところ、7±3Ω/□になってお
り、また絶縁抵抗を測定すると、1×1011Ω以上であ
りコンデンサとして十分な電気絶縁性を得ることができ
た。
て、反応ガスが液化しにくい温度に冷却したクライオ冷
却パネルに接続されたターボ分子ポンプを用いるように
しているため、水分の排気能力を確保しながら、拡散し
たガス成分などは吸着されることなく常時排気されるた
め、排気時間も短縮できる。また、プロセス安定性の向
上およびメンテナンス頻度の低減によって設備の安定稼
動が実現でき、品質や歩留りの向上安定化が可能とな
る。
積層コンデンサを形成した場合には、真空槽の排気系と
して、反応ガスが液化しにくい温度に冷却したクライオ
冷却パネルに接続されたターボ分子ポンプを用いるよう
にしているため、誘電体材料の成分および、成膜やプラ
ズマ処理などの表面処理工程で使用するガス等の成分が
液化して、クライオポンプに吸着したりすることなく、
安全に維持することができ、メンテナンスも容易であ
る。また、クライオポンプの再生時に吸着した種々の材
料やガス成分がポンプ内に高濃度で存在するというよう
な危険もなく、安定稼動を行うことが可能となる。小型
化・高容量化を安定して実現することが可能となる。
コンデンサを示す図
を示す図
を示す図
Claims (10)
- 【請求項1】同一真空槽内で順次連続して成膜する多層
膜の製造方法であって、 ターボ分子ポンプによって、前記真空槽内に反応ガスを
供給しつつ真空槽内を排気し、前記ターボ分子ポンプに
接続されるクライオ冷却パネルを前記反応ガスが液化し
にくい温度に設定することで成膜処理を行う成膜工程を
含むことを特徴とする多層膜の製造方法。 - 【請求項2】前記クライオ冷却パネルは水をトラップす
る一方で酸素は通過させるように構成されていることを
特徴とする請求項1に記載の多層膜の製造方法。 - 【請求項3】酸素ガスを用いたプラズマ処理工程を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の多層膜の製
造方法。 - 【請求項4】前記成膜工程は、樹脂層を蒸着する工程
と、アルミニウムを蒸着する工程とを含み、 前記真空槽のクライオ冷却パネルは120K以上に設定
されると共に、 アルミニウム蒸着ユニットのクライオ冷却パネルは70
K以上に設定されていることを特徴とする請求項1記載
の多層膜の製造方法。 - 【請求項5】ターボ分子ポンプによって、真空槽内に反
応ガスを供給しつつ前記真空槽内を排気し、前記ターボ
分子ポンプに接続されるクライオ冷却パネルを反応ガス
が液化しにくい温度に設定し、 基板を走行させながら、同一真空槽で、誘電体層形成部
で前記基板表面に誘電体層を形成する工程と、金属電極
形成部で金属電極を形成する工程とを複数回繰り返し、
積層コンデンサを形成するようにしたことを特徴とする
積層コンデンサの製造方法。 - 【請求項6】前記基板は樹脂フィルムであり、前記真空
槽内で前記樹脂フィルムを回転しながら順次成膜が繰り
返されるように構成されており、前記誘電体層を形成す
る工程は、樹脂蒸着ユニットから前記樹脂フィルム表面
に向けて樹脂層を蒸着する工程であり、前記金属電極形
成工程はアルミニウム蒸着ユニットから前記樹脂フィル
ム表面に向けてアルミニウムを蒸着する工程であり、 前記真空槽のクライオ冷却パネルは120K以上に設定
されると共に、 アルミニウム蒸着ユニットのクライオ冷却パネルは70
K以上に設定されていることを特徴とする請求項5記載
の積層コンデンサの製造方法。 - 【請求項7】真空槽と、 前記真空槽に接続され、第1および第2の膜を形成する
第1および第2の薄膜形成部と、 反応ガスが液化しにくい温度に冷却したクライオ冷却パ
ネルに接続されたターボ分子ポンプとを含み、 基板を走行させながら、順次第1および第2の薄膜を形
成するようにしたことを特徴とする多層膜製造装置。 - 【請求項8】前記第1および第2の薄膜形成部は、それ
ぞれ反応ガスが液化しにくい温度に冷却したクライオ冷
却パネルを有するターボ分子ポンプを具備してなること
を特徴とする請求項7記載の多層膜製造装置。 - 【請求項9】排気ユニットを具備してなる真空槽と、 前記真空槽内で、基板を回転する回転ドラムと、前記基
板の回転経路のまわりに順次配設された誘電体層形成部
と、誘電体層表面を酸素プラズマで処理するプラズマ処
理部と、金属電極形成部とを具備し、 前記排気ユニットは、反応ガスが液化しにくい温度に冷
却したクライオ冷却パネルに接続されたターボ分子ポン
プを具備し、 前記回転ドラム上で回転する前記基板表面に順次誘電体
層と金属電極とを交互に積層するようにしたことを特徴
とする請求項8に記載の多層膜製造装置。 - 【請求項10】前記基板は樹脂フィルムであり、前記真
空槽内で前記樹脂フィルムを回転しながら順次成膜が繰
り返されるように構成されており、前記真空槽のクライ
オ冷却パネルは120K以上に設定されると共に、前記
誘電体層形成部は樹脂蒸着部であり、プラズマ処理部は
前記樹脂蒸着部で形成された樹脂を酸素プラズマでプラ
ズマ処理部であり、金属電極形成部はアルミニウム蒸着
部であり、前記アルミニウム蒸着部のクライオ冷却パネ
ルは70K以上に設定されていることを特徴とする請求
項9に記載の多層膜製造装置。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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