JP3461782B2 - 樹脂層形成装置、積層体の製造装置、及び樹脂層の製造方法 - Google Patents

樹脂層形成装置、積層体の製造装置、及び樹脂層の製造方法

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JP3461782B2
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和義 本田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は支持体上に樹脂層を
形成するための樹脂層形成装置、及び樹脂層の製造方法
に関する。また、本発明は、支持体上に樹脂層と金属薄
膜層とからなる積層体を製造するための積層体の製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空中で樹脂材料を加熱して蒸発・気化
させて支持体上に付着させ、支持体上に樹脂層を形成す
る方法、及び、これを利用して、樹脂層を積層する工程
と金属薄膜層を積層する工程とを一単位として、これを
周回する支持体上で繰り返すことにより、樹脂層と金属
薄膜層とが交互に積層された積層体を製造する方法が、
例えば欧州特許公開第0808667号等で知られてい
る。
【0003】このような樹脂層と金属薄膜層との積層体
の製造方法の一例を図面を用いて説明する。
【0004】図4は、従来の積層体の製造装置の一例の
概略を模式的に示した断面図である。
【0005】図4において、901は真空槽、902は
真空槽901内部を所定の真空度に維持する真空ポンプ
である。903は真空槽901内に設置された、図中の
矢印903aの方向に回転する円筒形状のキャンロー
ラ、910は樹脂層形成装置、921は樹脂硬化装置、
923は金属薄膜形成装置である。
【0006】樹脂層形成装置910は、樹脂層を形成す
るための樹脂材料を蒸発・気化させて、キャンローラ9
10の外周面に向けて放出する。キャンローラ910は
所定の温度に冷却されているから、樹脂材料は冷却され
てキャンローラ910の外周面に膜状に堆積する。
【0007】樹脂材料の気化は以下のようにして行う。
【0008】液体状態の樹脂材料を、流量調整バルブ9
11で所定流量に調整して、樹脂材料供給管912で樹
脂層形成装置910内に供給する。樹脂材料は、樹脂材
料供給管912の吐出口から加熱板914上に滴下され
る。加熱板914,915の下面にはそれぞれ加熱ヒー
タ(図示せず)が取り付けられており、これにより加熱
板914,915は所定の温度に加熱されている。滴下
された液体状態の樹脂材料は加熱板914,915上を
順に流動しながら加熱されて蒸発する。流動しながら最
終的に蒸発しきれなかった樹脂材料は冷却カップ917
に回収される。樹脂層形成装置910の内部より真空槽
901内の方が低圧に維持されているから、蒸発した樹
脂材料はキャンローラ903の外周面に向けて形成され
た開口918より放出される。919は矢印919aの
方向に移動して開口918を開閉する遮蔽板である。
【0009】堆積した樹脂材料は、必要に応じて樹脂硬
化装置921により、電子線又は紫外線等が照射されて
所望の硬度に硬化処理される。
【0010】その後、金属薄膜形成装置923により、
キャンローラ910の外周面に向けて形成された開口9
25を通して金属薄膜層が蒸着などによって形成され
る。926は矢印926aの方向に移動して開口925
を開閉する遮蔽板である。
【0011】以上の製造装置900によれば、開口91
8,925を開いた状態では、周回するキャンローラ9
10の外周面上に、樹脂層形成装置910による樹脂層
と、金属薄膜形成装置923による金属薄膜層とが交互
に積層された積層体が製造され、また、開口925を遮
蔽した状態では、周回するキャンローラ910の外周面
上に、樹脂層形成装置910による樹脂層が連続して積
層された積層体が製造される。
【0012】また、図示していないが、樹脂層形成後、
金属薄膜層形成前に、樹脂層表面にパターニング材料
(例えばオイル)を所定形状に付与すると、パターニン
グ材料上に金属薄膜層が形成されるのを防止できる。従
って、これを利用して所望のパターン形状の金属薄膜層
を形成することが出来る(これをオイルマージン法と呼
ぶ)。
【0013】このようにして得られた積層体に所定の後
処理をして、コンデンサなどの電子部品を製造すること
ができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4に示した製造装置を用いて積層体を製造すると、樹脂
層の形成に関して以下の問題があることが分かった。
【0015】従来、積層体の製造開始前に樹脂層形成装
置910内の加熱板914,915を所定の温度に加熱
しておき、樹脂層の形成の開始時に流量調整バルブ91
1を開いて樹脂材料を導入し、遮蔽板919を待避させ
て樹脂層を積層していた。ところが、樹脂材料を加熱板
に滴下した直後から、樹脂材料が広がって加熱板上全体
を被覆するまでの間、蒸発量が安定せず、均一な厚みの
樹脂層が得られない。また、樹脂材料を滴下した直後
は、樹脂材料が急激に加熱されて液滴状態で飛散するな
どして平滑な樹脂層表面が得られない。これを防止する
には樹脂層の積層開始に先立って遮蔽板919で開口9
18を閉じた状態で樹脂材料を供給し、蒸発量が安定し
てから遮蔽板919を待機させて積層を開始すればよい
が、これでは立ち上がり時間が長くなり、生産性が低下
する。
【0016】また、繰り返して運転をしていると開口9
18の周囲部材と遮蔽板919の回りに樹脂材料が付着
して、遮蔽板919を閉じても開口918を完全に密閉
することができず、わずかなすき間が生じやすくなる。
このような状態で上記の樹脂材料の蒸発の安定化作業を
行なうと、開口918と遮蔽板919とのすき間から蒸
発した樹脂材料が漏れてキャンローラ910に付着して
しまう。一方、開口918や遮蔽板919の回りに付着
した樹脂材料を頻繁に除去していては生産性が低下す
る。
【0017】更に、樹脂材料の付着により開口918を
完全に密閉することができなくなると、積層工程終了後
に遮蔽板919を閉じても樹脂材料が漏れてキャンロー
ラ910上に形成された積層体に付着する。このため、
積層体を得た後、これを除去する工程が必要となり、作
業が繁雑となり、生産性が低下する。
【0018】本発明は上記の問題点を解決し、品質が安
定し、生産性よく樹脂層及び積層体を製造することがで
きる製造装置及び製造方法を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成とする。
【0020】本発明の第1の構成に係る樹脂層形成装置
は、開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発装置を有し、
液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、気化させて得
た樹脂材料蒸気を、前記開口から支持体に向けて放出し
て、真空又は減圧下で前記支持体上に樹脂層を形成する
樹脂層形成装置であって、前記蒸発装置内の樹脂材料蒸
気を前記蒸発装置外に排出する排気装置を有することを
特徴とする。
【0021】かかる構成によれば、排気装置を用いるこ
とにより、加熱体の加熱や樹脂材料供給を継続したまま
樹脂層形成を一時中断でき、その後再開するときには、
樹脂材料蒸気の排出を停止するだけでよく、再開後は中
断前と同じ形成条件を維持できる。この結果、樹脂層の
形成開始直後から樹脂層を安定して形成することができ
る。また、樹脂層の形成終了後も、排気装置を用いて蒸
発装置内の樹脂材料蒸気を蒸発装置外に排出すれば、開
口のすき間から樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支
持体上に得られた樹脂層に付着するのを防止できる。更
に、蒸発装置内の樹脂材料蒸気を蒸発装置外に排出する
ことで、開口や開口を開閉する遮蔽装置に樹脂材料が付
着するのを防止でき、装置の清掃作業間隔を長くでき
る。以上により、品質が安定した樹脂層を、生産性よく
製造することができる。
【0022】また、本発明の第2の構成に係る樹脂層形
成装置は、開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発装置を
有し、液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、気化さ
せて得た樹脂材料蒸気を、前記開口から支持体に向けて
放出して、真空又は減圧下で前記支持体上に樹脂層を形
成する樹脂層形成装置であって、前記加熱体を冷却する
冷却装置を有することを特徴とする。
【0023】かかる構成によれば、樹脂層の形成直後に
加熱体を冷却装置で速やかに冷却すれば、樹脂材料の蒸
発を急停止させることができるので、開口のすき間から
樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支持体上に得られ
た樹脂層上に付着するのを防止できる。また、樹脂層の
形成終了後直ちに加熱体を急冷して樹脂材料の蒸発を抑
えることで、開口や開口を開閉する遮蔽装置に樹脂材料
が付着するのを防止でき、装置の清掃作業間隔を長くで
きる。以上により、樹脂層を生産性よく製造することが
できる。
【0024】上記第2の樹脂層形成装置において、更
に、前記蒸発装置内の樹脂材料蒸気を前記蒸発装置外に
排出する排気装置を有することが好ましい。かかる構成
によれば、樹脂層の形成終了後、直ちに加熱板を急冷す
るとともに、排気装置を用いて蒸発装置内に残存する樹
脂材料蒸気を排出することができるので、開口のすき間
から樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支持体上に得
られた樹脂層上に付着するのをより一層防止できる。ま
た、開口や開口を開閉する遮蔽装置に樹脂材料が付着す
るのを更に防止でき、装置の清掃作業間隔をより長くで
きる。
【0025】上記第1又は第2の樹脂層形成装置におい
て、前記開口を開閉する遮蔽板を有することが好まし
い。かかる構成によれば、樹脂層形成時以外に樹脂材料
蒸気が開口を通って支持体側に放出されるのを防止でき
る。
【0026】上記第1又は第2の樹脂層形成装置におい
て、前記加熱体は熱媒体を通すための通路を有すること
が好ましい。かかる構成によれば、加熱体の加熱及び/
又は冷却を該通路に熱媒体を通すことで行なうことがで
きる。また、加熱をこの方法で行なえば、加熱のための
ヒータが不要になる。
【0027】上記第2の樹脂層形成装置において、前記
加熱体の冷却は熱媒体を用いて行なうことが好ましい。
かかる構成によれば、加熱体の冷却を低コストで容易に
効率よく行なえる。
【0028】上記第1又は第2の樹脂層形成装置におい
て、前記排気装置は前記蒸発装置内の樹脂材料蒸気を吸
引して排出する吸引装置を有し、更に前記排気装置は前
記蒸発装置と前記吸引装置との間に前記樹脂材料蒸気を
除去する除去装置を備えることが好ましい。かかる構成
によれば、吸引装置に樹脂材料蒸気が付着するのを防止
できるので、吸引装置の清掃作業を軽減できる。
【0029】上記において、前記除去装置が冷却装置を
有し、前記冷却装置は前記樹脂材料蒸気を冷却し、液化
させて除去することが好ましい。かかる構成によれば、
簡単な方法で樹脂材料蒸気を効率よく、確実に除去する
ことができる。
【0030】また、上記において、前記冷却装置は熱媒
体を通すための通路を有することが好ましい。かかる構
成によれば、冷却装置の冷却を該通路に熱媒体を通すこ
とで行なうことができる。
【0031】上記第1又は第2の樹脂層形成装置におい
て、前記蒸発装置及び前記支持体が真空槽内に収納され
ていることが好ましい。かかる構成によれば、極薄で平
滑な樹脂層を支持体上に形成できる。
【0032】また、前記蒸発装置及び前記支持体が真空
槽内に収納されており、前記排気装置は前記真空槽外に
設置され、前記排気装置は前記蒸発装置内の樹脂材料蒸
気を前記真空槽外に排気することが好ましい。かかる構
成によれば、極薄で平滑な樹脂層を支持体上に形成でき
るとともに、不要な樹脂材料蒸気が真空槽内に入るのを
防止できる。
【0033】また、本発明に係る積層体の製造装置は、
支持体と、前記支持体上に樹脂層を形成する樹脂層形成
装置と、前記支持体上に金属薄膜層を形成する金属薄膜
形成装置と、前記支持体、前記樹脂層形成装置、及び前
記金属薄膜形成装置を収納する真空槽とを備えた積層体
の製造装置であって、前記樹脂層形成装置が上記第1又
は第2の樹脂層形成装置であることを特徴とする。かか
る構成によれば、樹脂層と金属薄膜層との積層体を、安
定した品質で効率よく製造することができる。
【0034】上記において、前記支持体が周回すること
により、樹脂層と金属薄膜層との交互積層体を製造して
もよい。かかる構成によれば、小型・高性能のコンデン
サなどの電子部品用の積層体を製造できる。
【0035】また、本発明の第1の構成に係る樹脂層の
製造方法は、開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発装置
を用い、液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、気化
させて、樹脂材料蒸気を得た後、前記開口から前記樹脂
材料蒸気を支持体に向けて放出して、真空又は減圧下で
前記支持体上に樹脂層を形成する樹脂層の製造方法であ
って、前記開口を閉じて、前記樹脂材料蒸気を前記蒸発
装置外に排出する形成中止工程と、前記樹脂材料蒸気の
前記蒸発装置外への排出を停止するとともに、前記開口
を開き、前記支持体上に樹脂層を形成する形成工程とを
有することを特徴とする。
【0036】かかる構成によれば、樹脂層を形成しない
中止工程時に蒸発装置内の樹脂材料蒸気を蒸発装置外に
排出するので、開口のすき間から樹脂材料蒸気が支持体
側に漏れ出して支持体やその上に得られた樹脂層上に付
着するのを防止できる。また、樹脂層形成時以外は蒸発
装置内の樹脂材料蒸気を蒸発装置外に排出すれば、開口
や開口を開閉する遮蔽装置に樹脂材料が付着するのを防
止でき、装置の清掃作業間隔を長くできる。以上によ
り、樹脂層を生産性よく製造することができる。
【0037】上記第1の製造方法において、前記形成中
止工程において前記蒸発装置内で液状の樹脂材料を加
熱、気化させ、その後、前記形成工程に移行することが
できる。かかる構成によれば、樹脂層形成前の形成中止
工程で蒸発装置内の樹脂材料蒸気を蒸発装置外に排出さ
せながら樹脂材料の蒸発を安定化させることができ、樹
脂層の形成開始直後から樹脂層を安定して形成すること
ができる。
【0038】上記第1の製造方法において、前記形成工
程の後に、前記形成中止工程に移行することもできる。
かかる構成によれば、樹脂層の形成後、蒸発装置内の樹
脂材料蒸気が蒸発装置外に排出されるので、開口のすき
間から樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支持体上に
得られた樹脂層上に付着するのを防止できる。
【0039】上記において、前記形成中止工程において
前記蒸発装置内で液状の樹脂材料を加熱、気化させるこ
ともできる。かかる構成によれば、加熱体の加熱や樹脂
材料供給を継続したまま樹脂層形成を一時中断すること
ができ、その後再開(形成工程に再移行)するとき、樹
脂材料蒸気の排出を停止するだけでよく、また中断前と
同じ形成条件を維持できる。
【0040】また、上記において、前記形成中止工程で
は前記加熱体を冷却して、前記液状の樹脂材料が気化す
るのを防止することもできる。かかる構成によれば、樹
脂層の形成直後に加熱体を速やかに冷却すれば、樹脂材
料の蒸発を急停止させることができるので、開口のすき
間から樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支持体やそ
の上に得られた樹脂層上に付着するのを更に防止でき
る。また、樹脂層の形成終了後直ちに加熱体を急冷して
樹脂材料の蒸発を抑えることで、開口や開口を開閉する
遮蔽装置に樹脂材料が付着するのを一層防止でき、装置
の清掃作業間隔を更に長くできる。
【0041】上記において、前記加熱体に冷却した熱媒
体を通して前記加熱体を冷却するのが好ましい。かかる
構成によれば、加熱体の冷却を低コストで容易に効率よ
く行なえる。
【0042】上記第1の製造方法において、前記形成中
止工程において、前記蒸発装置外に設置した吸引装置を
用いて前記樹脂材料蒸気を前記蒸発装置から吸引して排
出し、前記蒸発装置と前記吸引装置との間で前記樹脂材
料蒸気を除去することが好ましい。かかる構成によれ
ば、吸引装置に樹脂材料蒸気が付着するのを防止できる
ので、吸引装置の清掃作業を低減できる。
【0043】上記において、前記樹脂材料蒸気の除去
を、前記樹脂材料蒸気を冷却し、液化させることにより
行なうことが好ましい。かかる構成によれば、簡単な方
法で樹脂材料蒸気を効率よく、確実に除去することがで
きる。
【0044】本発明の第2の構成に係る樹脂層の製造方
法は、開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発装置を用
い、液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、気化させ
て、樹脂材料蒸気を得た後、前記開口から前記樹脂材料
蒸気を支持体に向けて放出して、真空又は減圧下で前記
支持体上に樹脂層を形成する樹脂層の製造方法であっ
て、前記樹脂層の積層終了時に前記開口を閉じ、前記加
熱体を急冷することを特徴とする。
【0045】かかる構成によれば、樹脂層の形成直後に
樹脂材料の蒸発を急停止させることができるので、開口
のすき間から樹脂材料蒸気が支持体側に漏れ出して支持
体上に得られた樹脂層上に付着するのを防止できる。ま
た、樹脂層の形成終了後直ちに加熱体を急冷して樹脂材
料の蒸発を抑えることで、開口や開口を開閉する遮蔽装
置に樹脂材料が付着するのを防止でき、装置の清掃作業
間隔を長くできる。以上により、樹脂層を生産性よく製
造することができる。
【0046】上記第1の製造方法において、前記加熱体
に冷却した熱媒体を通して前記加熱体を急冷することが
好ましい。かかる構成によれば、加熱体の冷却を低コス
トで容易に効率よく行なえる。
【0047】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、本実施
の形態の積層体の製造装置の内部の概略構成を示した断
面図である。図1において、101は真空槽であり、そ
の内部空間は隔壁102a,102b,102cにより
3つの空間105,107,109に分割されている。
104,106,108は、それぞれ空間105,10
7,109内部を所定の真空度(例えば0.03Pa程
度)に維持する真空ポンプである。110は真空槽10
1内に設置された、図中の矢印方向110aに回転する
円筒形状のキャンローラ、130はパターニング材料付
与装置、140は金属薄膜形成装置、145はパターニ
ング材料除去装置、147は樹脂硬化装置、149は表
面処理装置、200は樹脂層形成装置である。
【0048】図2は、図1の製造装置に使用されている
樹脂樹脂層形成装置200の概略構成を示した断面図で
ある。樹脂層形成装置200は、樹脂材料を蒸発気化さ
せる蒸発装置220と、蒸発装置内の気体を真空槽10
1外に排出する排気装置250とを有している。蒸発装
置220は真空槽101内に設置され、真空槽101外
に設置されたバルブ241を介して排気装置250に接
続されている。
【0049】流量調整バルブ211で所定流量に調整さ
れた液体状態の樹脂材料は、樹脂材料供給管212で樹
脂層形成装置200の蒸発装置220内に供給される。
樹脂材料は、樹脂材料供給管212の吐出口から傾斜し
て設置された加熱板231上に滴下される。滴下された
液体状態の樹脂材料は同様に傾斜して設置された加熱板
232,233,234上を順に流動しながら加熱され
蒸発する。
【0050】図3は、加熱板231の概略構成を示した
図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は図3
(A)のI−I線での矢印方向からみた断面図である。
図示したように、加熱板231の内部に配管231aが
埋め込まれている。また、加熱板の下面には加熱ヒータ
231bが取り付けられている。熱媒体は配管231a
の一端231a’から導入され、他端231a”から導
出される。図中215は樹脂材料の流動方向を示してい
る。
【0051】加熱板232,233,234も図3に示
した加熱板231と基本的構成は同一であり、各加熱板
の内部には熱媒体が通過する配管232a,233a,
234aが埋め込まれ、また、下面には加熱ヒータ23
2b,233b,234bが取り付けられている。
【0052】加熱板231,232,233,234上
を流動して最終的に蒸発しきれなかった樹脂材料は冷却
カップ224に回収される。蒸発した樹脂材料(樹脂材
料蒸気)は隔壁225a,225b,225cの間を通
過して、キャンローラ110の外周面に向けて形成され
た開口226より放出される。227は移動方向227
aに移動して開口226を開閉する遮蔽板である。
【0053】蒸発装置220内の気体は、バルブ241
を開くことにより、真空槽101外に設置された排気装
置250により真空槽101の外に排気できるように構
成されている。排気装置250は吸引ポンプ259を備
え、蒸発装置220内の気体を吸引して、排出する。更
に排気装置250は、バルブ241から吸引ポンプ25
9の間に、冷却板251,252、バルブ257を有す
る。
【0054】冷却板251,252は蒸発装置220か
らの高温気体を冷却する。冷却板251,252はいず
れも金属薄板を円錘面状に成形してなり、その内側壁面
に冷却した熱媒体(冷媒)が通過する配管251a,2
51bが螺旋状に溶接されている。高温気体は冷却板2
51,252の上面(外側面)上に沿って流動しながら
冷却される。
【0055】次に、このような構成の樹脂層形成装置2
00を用いた図1の積層体の製造装置100の運転方法
について説明する。
【0056】まず、キャンローラ110上への積層体の
形成の開始前に、加熱板231,232,233,23
4をそれぞれヒータ231b,232b,233b,2
34bを用いて加熱し、流量調整バルブ211を開いて
樹脂材料供給管212より樹脂材料を供給し、樹脂材料
を蒸発させる。このとき、開口226は遮蔽板227で
塞いでおく。また、バルブ241,257を開いて吸引
ポンプ259を稼働させる。即ち、蒸発した樹脂材料を
全て吸引ポンプ259を用いて真空槽101外に排出し
ながら、樹脂材料の蒸発を安定化させる。このように、
蒸発装置220内で蒸発した樹脂材料を真空槽101外
に排出する排気装置250を設けたことで、蒸発した樹
脂材料が開口226や遮蔽板227の周辺に付着した
り、開口から漏れてキャンローラ110に付着したりす
るのを防止できる。なお、上記において、加熱板23
1,232,233,234の加熱を、ヒータ231
b,232b,233b,234bによる加熱に代えて
又はこれとともに、配管231a,232a,233
a,234aに所定温度に加熱した熱媒体(温媒)を通
すことにより行なってもよい。
【0057】樹脂材料の蒸発量が安定した後、積層体の
形成を開始する。
【0058】キャンローラ110を回転させ、遮蔽板2
27を待避させて開口226を開くとともに、バルブ2
41を閉じ、吸引ポンプ259の回転を停止させる。樹
脂層形成装置200内より真空槽内の空間109の方が
低圧に維持されているから、樹脂層形成装置200内で
蒸発した樹脂材料蒸気は開口226より放出される。か
くして樹脂材料蒸気はキャンローラ110の外周面に付
着して、樹脂層を形成する。
【0059】積層体の形成の終了時の操作は以下の通り
である。
【0060】遮蔽板227で開口226を塞ぐととも
に、バルブ241,257を開いて吸引ポンプ259を
稼働させる。従って、蒸発装置220内の樹脂材料蒸気
は全て吸引ポンプ259により真空槽101外に排出さ
れる。よって、蒸発した樹脂材料が開口226や遮蔽板
227の周辺に付着したり、開口から漏れてキャンロー
ラ110上に形成した積層体に付着したりするのを防止
できる。更に、加熱板231,232,233,234
の加熱を停止したり、流量調整バルブ211を閉じたり
しなくても樹脂層の積層を中断できるので、再度樹脂層
の積層を開始する場合には、中断前の樹脂層の蒸発条件
をそのまま維持することができ、中断前後で品質のバラ
ツキのない樹脂層を得ることができる。
【0061】また、開口226を閉じ、加熱板231,
232,233,234の加熱を停止して積層体の形成
を終了する場合には、配管231a,232a,233
a,234aに冷媒を通して加熱板を急速に冷却しても
よい。これにより、樹脂材料供給管212から滴下され
る樹脂材料の蒸発を速やかに停止させることができる。
また、既に蒸発した樹脂材料蒸気を加熱板231,23
2,233,234上で冷却して液化させることができ
る。よって、蒸発装置220内の樹脂材料蒸気の量が減
るので、樹脂材料蒸気が開口226や遮蔽板227の周
辺に付着したり、開口から漏れてキャンローラ110上
に形成した積層体に付着したりするのを防止できる。こ
の場合には、排気装置250を稼働させても、稼働させ
なくてもよいが、稼働させた場合には、蒸発装置220
内に残存する樹脂材料蒸気を速やかに真空槽101外に
排出することができるので好ましい。また、樹脂材料の
蒸発がほぼ停止するから、吸引ポンプ259を稼働させ
ても、吸引ポンプ259側に流れる樹脂材料蒸気の量を
低減させることができ、吸引ポンプ259に樹脂材料が
付着して目詰まりするのを防止できる。
【0062】また、上記の積層開始前の操作及び終了時
の操作において、排気装置250内の配管251a,2
51bに冷媒を通して冷却板251,252を冷却して
もよい。これによれば、樹脂材料蒸気は冷却板251,
252上で冷却されて液化して除去される。よって、吸
引ポンプ259側に流れる樹脂材料蒸気の含有量を低減
させることができ、吸引ポンプ259に樹脂材料が付着
して目詰まりするのを防止できる。
【0063】上記において、加熱板231,232,2
33,234を加熱するために配管231a,232
a,233a,234aに通す温媒の温度は特に制限は
なく、使用する樹脂材料の種類等に応じて選択すること
ができるが、通常100〜250℃、特に120〜17
0℃が好ましい。温媒の温度がこれより高いと樹脂材料
が高温になりすぎて変質することがある。また、樹脂材
料が急激に加熱されて突沸し、液滴が飛散して平滑な樹
脂層表面が形成されない。一方、温媒の温度がこれより
低いと、樹脂材料の蒸発量が減少して生産性に劣る。ま
た、樹脂材料の蒸発量の変動が大きくなって均一な厚み
の樹脂層が形成されない。また、配管231a,232
a,233a,234aに通す温媒の温度をすべて同一
とせず、たとえば配管231a,232a,233a,
234aの順に徐々に高温の温媒を流してもよい。これ
によれば、樹脂材料が加熱板231,232,233,
234上を流動するに従い所定の温度まで徐々に昇温さ
せることができ、最初の加熱板231の温度を低くでき
るので、加熱板231上で樹脂材料が急激に加熱されて
突沸するのを防止できる。
【0064】また、加熱板231,232,233,2
34を冷却するために配管231a,232a,233
a,234aに通す冷媒の温度も特に制限はなく、使用
する樹脂材料の種類等に応じて選択することができる
が、通常−50〜20℃、特に−20〜5℃が好まし
い。冷媒の温度がこれより高いと加熱板の冷却効果が少
なく、樹脂材料の蒸発を十分に抑えることができない。
一方、冷媒の温度をこれより低くしても樹脂材料の蒸発
抑制効果は向上しない。
【0065】また、冷却板251,252を冷却するた
めに配管251a,251bに通す冷媒の温度も特に制
限はなく、使用する樹脂材料の種類等に応じて選択する
ことができるが、通常−50〜20℃、特に−20〜5
℃が好ましい。冷媒の温度がこれより高いと冷却効果が
少なく、樹脂材料を冷却板251,252上で液化させ
ることが困難になる。一方、冷媒の温度をこれより低く
しても樹脂材料の液化効果は向上しない。
【0066】配管231a,232a,233a,23
4aに通す温媒・冷媒、及び配管251a,251bに
通す冷媒の種類は特に制限はなく、例えば、エタノー
ル、エチレングリコール、代替フロン(フロン23,化
学式:CHF3)等が使用できる。これらは取り扱いが
容易であり、また熱容量が大きいため速やかに加熱・冷
却することができる。
【0067】上記のようにして樹脂層形成装置200内
で蒸発気化された樹脂材料は開口226からキャンロー
ラ110表面に向けて放出される。キャンローラ110
は好ましくは−20〜40℃、特に好ましくは−10〜
10℃に冷却されているから、樹脂材料は冷却されてキ
ャンローラ110の外周面に膜状に堆積する。このよう
な方法によれば、厚みが極めて薄く均一で、ピンホール
等の欠点のない良好な樹脂層が得られる。
【0068】樹脂材料としては、このように蒸発気化し
た後、堆積して薄膜を形成できるものであれば特に限定
されず、得られる積層体の用途に応じて適宜選択できる
が、反応性モノマー樹脂であるのが好ましい。例えば、
積層体を電子部品材料用途に使用する場合には、アクリ
レート樹脂またはビニル樹脂を主成分とするものが好ま
しく、具体的には、多官能(メタ)アクリレートモノマ
ー、多官能ビニルエーテルモノマーが好ましく、中で
も、シクロペンタジエンジメタノールジアクリレート、
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルモノマー
等若しくはこれらの炭化水素基を置換したモノマーが電
気特性、耐熱性、安定性等の点で好ましい。
【0069】堆積した樹脂材料は、必要に応じて樹脂硬
化装置147により所望の硬化度に硬化処理してもい。
硬化処理としては、樹脂材料を重合及び/又は架橋する
処理が例示できる。樹脂硬化装置としては、例えば電子
線照射装置、紫外線照射装置、又は熱硬化装置等を用い
ることができる。硬化処理の程度は、製造する積層体の
要求特性により適宜変更すれば良いが、例えばコンデン
サなどの電子部品用の積層体を製造するのであれば、硬
化度が50〜95%、更には50〜75%になるまで硬
化処理するのが好ましい。硬化度が上記範囲より小さい
と、後工程において外力等が加わると容易に変形した
り、金属薄膜層の破断又は短絡等を生じてしまう。一
方、硬化度が上記範囲より大きいと、後工程において外
力等が加わると割れるなどの問題が生じることがある。
なお、本発明の硬化度は、赤外分光光度計でC=O基の
吸光度とC=C基(1600cm-1)の比をとり、各々
のモノマーと硬化物の比の値をとり、減少分吸光度を1
から引いたものと定義する。
【0070】本発明において、樹脂層の厚みは特に制限
はないが、1μm以下、更に0.7μm以下、特に0.
4μm以下であることが好ましい。本発明の方法によっ
て得られる積層体の小型化・高性能化の要求に答えるた
めには樹脂層の厚みは薄い方が好ましい。例えば、本発
明の製造方法により得られた積層体をコンデンサに使用
する場合、誘電体層となる樹脂層は薄い方が、コンデン
サの静電容量はその厚みに反比例して大きくなる。
【0071】形成された樹脂層は、必要に応じて表面処
理装置149により表面処理される。例えば、酸素雰囲
気下で放電処理又は紫外線照射処理等を行って、樹脂層
表面を活性化させて金属薄膜層との接着性を向上させる
ことができる。
【0072】パターニング材料付与装置130は、オイ
ルマージンと呼ばれる手法により金属薄膜層にマージン
部を形成することにより所定の形状にパターニングする
ための装置である。樹脂層上に予めパターニング材料を
薄く形成した後に、金属薄膜層を蒸着などによって形成
すると、パターニング材料上には金属薄膜層が形成され
ず、マージン部が形成される。このようにして形成され
た金属薄膜層はマージン部が抜けた状態で形成されてお
り、所望のパターンを持つ金属薄膜層を形成することが
出来る。パターニング材料は、流量調整バルブ131で
所定流量に調整されてパターニング材料供給管132を
通ってパターニング材料付与装置130に導入され、気
化されてキャンローラ110の外周面に向けて所定位置
に形成された微細孔から放出される。これによりパター
ニング材料が金属薄膜層を形成する面に予め薄く塗布さ
れる。微細孔のキャンローラ110の回転軸方向の配置
(間隔、数)は形成しようとするマージン部の配置に応
じて決定する。また、マージン部の幅は、微細孔の大き
さや吐出量を変化させることで調整できる。このとき、
キャンローラ110の回転と同期させてパターニング材
料付与装置130をキャンローラ110の回転軸と平行
方向に移動させることにより、マージン部の位置が異な
る金属薄膜層を形成することができる。
【0073】使用するパターニング材料としては、エス
テル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイル及
び炭化水素系オイルよりなる群から選ばれた少なくとも
一種のオイルであることが好ましい。更に好ましくは、
エステル系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイ
ルであり、特に、フッ素系オイルが好ましい。上記以外
のパターニング材料を使用すると、積層表面の荒れ、樹
脂層や金属薄膜層のピンホール、金属薄膜層の形成境界
部分の不安定化等の問題を生じることがある。
【0074】パターニング材料を付与した後、金属薄膜
層形成装置130により金属薄膜層が形成される。金属
薄膜層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、イ
オンプレーティング等周知の真空プロセス手段が適用で
きるが、本発明では蒸着、特に電子ビーム蒸着が耐湿性
の優れた膜が生産性良く得られる点で好ましい。金属薄
膜層の材料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケ
ル、鉄、コバルト、シリコン、ゲルマニウム若しくはそ
の化合物、若しくはこれらの酸化物、若しくはこれらの
化合物の酸化物などが使用できる。中でも、アルミニウ
ムが接着性と経済性の点で好ましい。なお、金属薄膜層
には、上記以外の他成分を含むものであっても構わな
い。また、金属薄膜層を一種とせず、例えばAl層とC
u層の混入とすることによって特性の補完がなされ、使
用条件によっては高性能化が図れる場合もありうる。な
お、金属薄膜の形成を中断する場合は、開口141を遮
蔽板142で塞ぐ。
【0075】金属薄膜層の厚みは、得られる積層体の用
途により適宜決定すればよいが、電子部品用途に使用す
る場合は、100nm以下、更に10〜50nm、特に
20〜40nmであるのが好ましい。また、膜抵抗は、
上限は20Ω/□以下、さらに15Ω/□以下、特に1
0Ω/□以下であるのが好ましく、また下限は1Ω/□
以上、さらに2Ω/□以上、特に3Ω/□以上であるの
が好ましい。
【0076】その後、パターニング材料除去装置145
により余剰のパターニング材料が除去される。残存した
パターニング材料は、積層表面の荒れ、樹脂層や金属薄
膜層のピンホール(積層抜け)、金属薄膜層の形成境界
部分の不安定化等の問題を発生させる。パターニング材
料の除去手段は特に制限はなく、パターニング材料の種
類に応じて適宜選択すればよいが、例えば加熱及び/又
は分解により除去することができる。加熱して除去する
方法としては、例えば、光照射や電熱ヒータによる方法
が例示できるが、光照射による方法が装置が簡単であ
り、かつ除去性能も高い。なお、ここで光とは、遠赤外
線及び赤外線を含む。一方、分解して除去する方法とし
ては、プラズマ照射、イオン照射、電子照射などが使用
できる。このとき、プラズマ照射は、酸素プラズマ、ア
ルゴンプラズマ、窒素プラズマ等が使用できるが、この
中でも特に酸素プラズマが好ましい。
【0077】以上の製造装置100によれば、開口14
1,226を開いた状態では、周回するキャンローラ1
10の外周面上に、樹脂層形成装置200による樹脂層
と、金属薄膜形成装置140による金属薄膜層とが交互
に積層された積層体が製造され、また、開口141を遮
蔽した状態では、周回するキャンローラ110の外周面
上に、樹脂層形成装置200による樹脂層が連続して積
層された積層体が製造される。また、キャンローラ11
0の回転と同期させてパターニング材料付与装置130
をキャンローラ110の回転軸と平行方向に移動させる
ことにより、マージン部の位置が異なる金属薄膜層を形
成することができる。
【0078】その後、キャンローラ110の外周面上に
形成された円筒状積層体を半径方向に切断して取り外
し、平板プレスして、切断・電極形成・外装等の周知の
工程を経て、コンデンサ等の電子部品を製造することが
できる。
【0079】上記の実施の形態において、樹脂層形成装
置200内で樹脂材料を加熱・蒸発させる加熱体として
平板状の加熱板231,232,233,234を例示
したが、樹脂材料を加熱・蒸発させることができれば、
加熱体の形状はこれに限定されない。例えば、円筒体、
円盤、円錐体、ベルト等の加熱体であってもよく、更に
加熱体が回転・移動等していてもよい。また、加熱体の
数も1つでも複数でもかまわない。
【0080】また、熱媒体を通す配管231a,232
a,233a,234aは埋込タイプを例示したが、配
管が加熱板の下面に溶接されていてもかまわない。ある
いは、配管状ではなく、加熱面に沿って所定の厚みを有
する面状の空間を形成し、その空間内に熱媒体を通すよ
うにしてもよい。
【0081】また、加熱板231,232,233,2
34に設けた配管231a,232a,233a,23
4に温媒を通して加熱を行なう場合には、上記の加熱ヒ
ータ231,232b,233b,234bを省略し
てもよい。
【0082】また、排気装置250内の冷却板251,
252は円錐面状のものを例示したが、樹脂材料蒸気を
冷却して液化させることができれば、その形状は特に限
定されない。例えば、冷媒を通す配管にフィンを取り付
けた形状等であってもかまわない。また、その数、大き
さ、配置等も冷却効果などを考慮して決定すればよい。
【0083】また、加熱板231,232,233,2
34の加熱・冷却、及び冷却板251,252の冷却
は、上記のように配管内に熱媒体を流す方法に限定され
ず、これ以外の方法を用いてもよい。例えばペルチェ素
子を用いて加熱・冷却を行なってもよい。
【0084】また、排気装置250内で樹脂材料蒸気を
除去する除去装置として冷却板251,252を例示し
たが、これに代えて、樹脂材料蒸気を物理的又は化学的
に捕集して除去することができる除去装置(例えばフィ
ルタ等)を用いることもできる。
【0085】また、上記の実施の形態では、樹脂層形成
装置の適用例としてコンデンサ等の製造に適した積層体
の製造装置を例示したが、本発明の樹脂層形成装置は上
記以外にも適用可能である。例えば、支持体として、周
回する円筒状のキャンローラに代えて、周回するベルト
状支持体・円盤状支持体、一方向に走行する樹脂又は金
属等のシート状支持体であってもよく、これらの上に本
発明の樹脂層形成装置を用いて樹脂層を積層することも
できる。また、上記実施形態の積層体の製造装置におい
て、金属薄膜形成装置、パターニング材料付与装置、パ
ターニング材料除去装置、樹脂硬化装置、表面処理装置
などは積層体の用途等に応じて設ければよく、またこれ
以外の工程を行なう装置を更に有するものであってもよ
い。
【0086】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0087】(実施例1−1)図1に示す積層体の製造
装置を用いて積層体を製造した。
【0088】本実施例は本発明の効果を確認することを
主目的としているため、表面処理装置149、パターニ
ング材料付与装置130、金属薄膜層形成装置140、
及びパターニング材料除去装置145は作動させなかっ
た。樹脂層材料としてジシクロペンタジエンジメタノー
ルジアクリレートを用いた。樹脂硬化装置147として
紫外線硬化装置を用い、キャンローラ110上に堆積さ
せた樹脂層材料を重合し、硬化度が70%になるまで硬
化させた。
【0089】樹脂硬化装置147の下流側であって、表
面処理装置149の上流側に、キャンローラ110の外
周面に向けてレーザー光の反射光を利用する非接触測距
装置(図示せず)を設置した。キャンローラ110が1
回転するごとにキャンローラ110上の樹脂層表面まで
の距離を求め、1層の樹脂層の積層厚みを計測した。
【0090】樹脂層形成装置としては図2に示す構成の
ものを用いた。開口226は、キャンローラ110の回
転軸方向の開口幅は200mm、キャンローラ110の
外周面の走行方向の開口幅は200mmである。また、
吸引ポンプ259としてスクリュウポンプを用いた。
【0091】真空ポンプ104,106,108を用い
て、空間105,107,109内をいずれも0.03
Paとし、キャンローラ110の外周面を10℃にまで
冷却した。キャンローラ110の直径は500mm、外
表面の移動速度は100m/分とした。
【0092】積層体の形成に先立って、樹脂材料の蒸発
を安定化させるための作業を行なった。まず、加熱板2
31,232,233,234をそれぞれヒータ231
b,232b,233b,234bを用いて150℃に
加熱した。また、開口226を遮蔽板227で閉じ、バ
ルブ241,257を開いて、吸引ポンプ259を稼働
させ、蒸発装置220内の気体を真空槽101外に排気
した。加熱板の温度が安定した時点で流量調整バルブ2
11を開き、樹脂材料を樹脂層形成装置200内に導入
した。目標とする樹脂層1層当たりの積層厚みは0.3
0μmであり、この目標厚みになるように樹脂材料の供
給量を計算で求め、流量調整バルブ211で流量を調整
した。この状態で約5分間放置し、樹脂材料の蒸発を安
定化させた。
【0093】次いで、バルブ241を閉じ、吸引ポンプ
259を停止し、同時に開口226を開いて樹脂層の形
成を開始した。樹脂層の積層厚みを監視しながらキャン
ローラ110を3000回転させた。
【0094】その後、開口226を閉じ、同時にバルブ
241を開き、吸引ポンプ259を稼働させ、樹脂硬化
装置147を停止させて、樹脂層の積層を中止した。次
いで、キャンローラ110の回転を停止させ、真空槽1
01内を大気圧に戻し、真空槽101を開き、キャンロ
ーラ110上の積層体を取り出した。なお、真空槽10
1を開くまでは流量調整バルブ211を開き、また加熱
板231,232,233,234を150℃に加熱し
たままの状態にしておいた。
【0095】(比較例1−1)以下に示す以外は実施例
1−1と同様にして積層体を得た。
【0096】即ち、開口226を遮蔽板227で閉じ、
かつ、バルブ241、259を閉じ、吸引ポンプ259
を停止した状態で、加熱板231,232,233,2
34をそれぞれヒータ231b,232b,233b,
234bを用いて150℃に加熱した。
【0097】加熱板の温度が安定した時点で開口226
を開き、流量調整バルブ211を実施例1−1と同じだ
け開き、樹脂材料を樹脂層形成装置200内に導入し
て、樹脂層の形成を開始した。樹脂層の積層厚みを監視
しながらキャンローラ110を3000回転させた。
【0098】その後、開口226を閉じ、流量調整バル
ブ211を閉じ、加熱板231,232,233,23
4の加熱を停止し、樹脂硬化装置147を停止させて、
樹脂層の積層を中止した。次いで、キャンローラ110
の回転を停止させ、真空槽101内を大気圧に戻して、
真空槽101を開き、キャンローラ110上の積層体を
取り出した。
【0099】(実施例1−2)以下に示す以外は実施例
1−1と同様にして積層体を得た。
【0100】即ち、開口226を遮蔽板227で閉じ、
かつ、バルブ241、259を閉じ、吸引ポンプ259
を停止した状態で、加熱板231,232,233,2
34をそれぞれヒータ231b,232b,233b,
234bを用いて150℃に加熱した。
【0101】加熱板の温度が安定した時点で開口226
を開き、流量調整バルブ211を実施例1−1と同じだ
け開き、樹脂材料を樹脂層形成装置200内に導入し
て、樹脂層の形成を開始した。樹脂層の積層厚みを監視
しながらキャンローラ110を3000回転させた。
【0102】その後、開口226を閉じ、流量調整バル
ブ211を閉じ、樹脂硬化装置147を停止させて、樹
脂層の積層を中止した。同時に、加熱板231,23
2,233,234の加熱を停止するとともに、配管2
31a,232a,233a,234aに−20℃のエ
タノールを流して加熱板を急冷した。また、バルブ24
1,257を開き、排気ポンプを稼働させた。次いで、
キャンローラ110の回転を停止させ、真空槽101内
を大気圧に戻して、真空槽101を開き、キャンローラ
110上の積層体を取り出した。
【0103】[評価1]実施例1−1,1−2、比較例
1−1を以下の点で評価した。
【0104】(1)積層開始直後の安定化所要時間 樹脂層の積層開始後の樹脂層の積層厚みの変動量が、目
標厚みである0.30μmに対して±10%以内に安定
化するまでの時間を求めた。
【0105】(2)積層終了後の樹脂材料の付着量 樹脂層の積層を終了後にキャンローラ上の積層体表面に
付着した未硬化の液状の樹脂材料の量を求めた。
【0106】結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】実施例1−1と実施例1−2との比較から
明らかなように、樹脂層の積層に先立って、排気装置2
50を稼働させながら蒸発装置220内で樹脂材料の蒸
発量を安定化させておくと、樹脂層の積層開始直後から
所望する積層厚みに近い樹脂層を得ることができる。従
って、品質の安定した積層体を製造することができる。
例えば、パターニング材料付与装置130と金属薄膜層
形成装置140を用いて帯状に分割された金属薄膜層を
形成し、かかる金属薄膜層と樹脂層との交互積層体を用
いて、金属薄膜層を電極とし、樹脂層を誘電体層とする
コンデンサを製造した場合には、静電容量値のバラツキ
の少ないコンデンサが得られる。
【0109】また、実施例1−1と比較例1−1との比
較から明らかなように、樹脂層の積層終了は、開口22
6を閉じるとともに、排気装置250を稼働させること
により、継続して樹脂材料を蒸発させても蒸発装置22
0内の樹脂材料蒸気が開口226と遮蔽板227のすき
間から漏れ出すのを確実に防止することができる。従っ
て、得られた積層体に付着した液状の樹脂材料を除去す
る作業が不要となり、生産性が向上する。
【0110】上記の実施例1−1のように、積層開始前
から排気装置250を稼働させながら蒸発装置220に
樹脂材料を供給しておくと、樹脂層の積層開始直後から
安定した厚みの樹脂層を形成することができる。また、
樹脂層の積層を停止する場合にも、排気装置250を稼
働させれば、蒸発装置220に樹脂材料を供給し続けて
も、キャンローラ110側への樹脂材料の漏れ出しを確
実に防止できる。従って、例えば樹脂層の形成を一時中
断後、再び再開するような場合には、排気装置250を
稼働させ、かつ、蒸発装置220に樹脂材料を供給し続
けながら形成を一時中断すれば、中断前の樹脂層の形成
条件(例えば、流量調整バルブ211の開度、加熱板2
31,232,233,234の加熱温度等)を再開後
もそのまま引き継ぐことができる。
【0111】(実施例2−1)図1に示す積層体の製造
装置を用いて積層体を製造した。
【0112】本実施例は本発明の効果を確認することを
主目的としているため、表面処理装置149、パターニ
ング材料付与装置130、金属薄膜層形成装置140、
及びパターニング材料除去装置145は作動させなかっ
た。樹脂層材料としてジシクロペンタジエンジメタノー
ルジアクリレートを用いた。樹脂硬化装置147として
紫外線硬化装置を用い、キャンローラ110上に堆積さ
せた樹脂層材料を重合し、硬化度が70%になるまで硬
化させた。
【0113】樹脂層形成装置としては図2に示す構成の
ものを用いた。開口226は、キャンローラ110の回
転軸方向の開口幅は200mm、キャンローラ110の
外周面の走行方向の開口幅は200mmである。また、
吸引ポンプ259として油回転ポンプを用いた。
【0114】真空ポンプ104,106,108を用い
て、空間105,107,109内をいずれも0.03
Paとし、キャンローラ110の外周面を10℃にまで
冷却した。キャンローラ110の直径は500mm、外
表面の移動速度は100m/分とした。
【0115】まず、配管231a,232a,233
a,234aに150℃のエチレングリコールを通して
加熱板231,232,233,234を加熱した。ま
た、開口226を遮蔽板227で閉じ、バルブ241,
257を閉じ、吸引ポンプ259を停止させた。
【0116】加熱板の温度が安定した時点で開口226
を開き、流量調整バルブ211を開き、樹脂材料を樹脂
層形成装置200内に導入し、樹脂層の形成を開始し
た。目標とする樹脂層1層当たりの積層厚みは0.30
μmであり、この目標厚みになるように樹脂材料の供給
量を計算で求め、流量調整バルブ211で流量を調整し
た。
【0117】キャンローラ110を3000回転させた
後、開口226を閉じ、樹脂層の積層を中止した。同時
に、樹脂硬化装置147を停止するとともに、配管23
1a,232a,233a,234aに−20℃のエチ
レングリコールを通して加熱板231,232,23
3,234を急冷した。次いで、キャンローラ110の
回転を停止させ、真空槽101内を大気圧に戻し、真空
槽101を開き、キャンローラ110上の積層体を取り
出した。なお、真空槽101を開くまでは流量調整バル
ブ211を開いたままの状態にしておいた。
【0118】(実施例2−2)キャンローラ110を3
000回転させて樹脂層を積層後、開口226を閉じる
とともに、バルブ241,257を開き、吸引ポンプ2
59を稼働させた以外は実施例2−1と同様にして積層
体を製造した。
【0119】(実施例2−3)樹脂層積層後、更に配管
251a,251bに−20℃のエチレングリコールを
通して冷却板251,252を冷却した以外は実施例2
−2と同様にして積層体を製造した。
【0120】(比較例2−1)以下に示す以外は実施例
2−1と同様にして積層体を得た。
【0121】即ち、加熱板231,232,233,2
34を、温媒ではなく、ヒータ231b,232b,2
33b,234bを用いてそれぞれ150℃に加熱し
た。また、積層終了後は、加熱板231,232,23
3,234を冷媒で急冷することなく、ヒータへの給電
を停止するのみとした。
【0122】[評価2]実施例2−1,2−2,2−
3、比較例2−1を以下の点で評価した。
【0123】(1)積層終了後の樹脂材料の付着量 樹脂層の積層を終了後にキャンローラ上の積層体表面に
付着した未硬化の液状の樹脂材料の量を求めた。
【0124】(2)吸引ポンプのメンテナンスサイクル
(実施例2−2,2−3のみ) 実施例2−2,2−3において、キャンローラ110を
3000回転させた後、開口226を閉じ、配管231
a,232a,233a,234aに−20℃のエチレ
ングリコールを通して加熱板231,232,233,
234を急冷し、バルブ241,257を開いて、吸引
ポンプ259を稼働させ(実施例2−3では更に配管2
51a,251bに−20℃のエチレングリコールを通
して冷却板251,252を冷却し)、5分放置した。
その後、配管231a,232a,233a,234a
に150℃のエチレングリコールを通して加熱板23
1,232,233,234を加熱した。加熱板の温度
が安定した時点で開口226を開き、積層を開始した。
この間、流量調整バルブ211は開いたままである。以
下、上記の実施例2−2,2−3と同様に樹脂層を積層
した。このような樹脂層の積層・中断を1サイクルとし
て、吸引ポンプ259の排気速度が初期値に対して5%
低下するまでのサイクル数をカウントした。
【0125】結果を表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】実施例2−1と比較例2−1との比較から
明らかなように、樹脂層の積層終了時に排気装置250
を稼働させなくても、加熱板231,232,233,
234を急冷すれば樹脂材料の蒸発を直ちに停止させる
ことができるので、蒸発装置220内の樹脂材料蒸気が
開口226と遮蔽板227のすき間から漏れ出すのを防
止することができる。従って、得られた積層体への液状
の樹脂材料の付着量を低減することができ、形成工程終
了後に付着した液状の樹脂材料を除去する作業が簡素化
でき、生産性が向上する。
【0128】また、実施例2−1と実施例2−2との比
較から明らかなように、樹脂層の積層終了時に、加熱板
231,232,233,234の急冷に加えて、更に
排気装置250を稼働させることにより、蒸発装置22
0内の樹脂材料蒸気が開口226と遮蔽板227のすき
間から漏れ出すのをより一層防止することができる。
【0129】更に、実施例2−2と先の実施例1−2と
の比較から明らかなように、樹脂層の積層終了は、加熱
板231,232,233,234を急冷し、排気装置
250を稼働させることに加えて、更に、樹脂材料の供
給を停止させると(実施例1−2)、蒸発装置220内
の樹脂材料蒸気が開口226と遮蔽板227のすき間か
ら漏れ出すのを更に防止することができる。
【0130】また、実施例2−2と実施例2−3との比
較から明らかなように、排気装置250を稼働させて蒸
発装置220内の樹脂材料蒸気を排気する場合は、吸引
ポンプ259の前に冷却体を設置して樹脂材料蒸気を冷
却して液化させて除去すると、吸引ポンプ259への樹
脂材料の付着を抑えることができ、吸引ポンプ259の
メンテナンス間隔をのばすことができる。よって、生産
性が向上する。
【0131】なお、上記に示した各実施例・比較例では
金属薄膜層の形成を行なわなかったが、金属薄膜層と樹
脂層との交互積層体を製造した場合にも、上記と同様の
効果を確認できた。
【0132】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、安定し
た品質の樹脂層及び積層体を、生産性よく製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の積層体の製造装置の
内部の概略構成を示した断面図である。
【図2】 図1の製造装置における樹脂樹脂層形成装置
の概略構成を示した断面図である。
【図3】 図2の樹脂層形成装置の加熱板の概略構成を
示した図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は図
3(A)のI−I線での矢印方向からみた断面図であ
る。
【図4】 従来の積層体の製造装置の一例の概略を模式
的に示した断面図である。
【符号の説明】
100 積層体の製造装置 101 真空槽 102a,102b,102c 隔壁 105,107,109 空間 104,106,108 真空ポンプ 110 キャンローラ 130 パターニング材料付与装置 131 流量調整バルブ 132 パターニング材料供給管 140 金属薄膜形成装置 141 開口 142 遮蔽板 145 パターニング材料除去装置 147 樹脂硬化装置 149 表面処理装置 200 樹脂層形成装置 211 流量調整バルブ 212 樹脂材料供給管 220 蒸発装置 224 冷却カップ 225a,225b,225c 隔壁 226 開口 227 遮蔽板 231,232,233,234 加熱板 231a,232a,233a,234a 配管 231b,232b,233b,234b ヒータ 241 バルブ 250 排気装置 251,252 冷却板 251a,251b 配管 257 バルブ 259 吸引ポンプ 900 積層体の製造装置 901 真空槽 902 真空ポンプ 903 キャンローラ 910 樹脂層形成装置 911 流量調整バルブ 912 樹脂材料供給管 914,915 加熱板 917 冷却カップ 918 開口 919 遮蔽板 921 樹脂硬化装置 923 金属薄膜形成装置 925 開口 926 遮蔽板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂流 伸樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−168560(JP,A) 特公 平5−5894(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/18 H01G 4/30 C23C 14/24

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発装
    置を有し、液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、気
    化させて得た樹脂材料蒸気を、前記開口から支持体に向
    けて放出して、真空又は減圧下で前記支持体上に樹脂層
    を形成する樹脂層形成装置であって、 前記蒸発装置内の樹脂材料蒸気を前記蒸発装置外に排出
    する排気装置を更にし、 前記排気装置は、吸引装置と、前記蒸発装置と前記吸引
    装置との間に設置された除去装置とを備え、 前記樹脂層の形成の終了時に、前記吸引装置は前記蒸発
    装置内の樹脂材料蒸気を前記蒸発装置から吸引し、前記
    除去装置は前記樹脂材料蒸気を冷却し液化させて除去す
    ことを特徴とする樹脂層形成装置。
  2. 【請求項2】 開口と、内部に傾斜して設置された加熱
    体とを備えた蒸発装置を有し、液状の樹脂材料を前記加
    熱体上で流動させながら加熱し、気化させて得た樹脂材
    料蒸気を、前記開口から支持体に向けて放出して、真空
    又は減圧下で前記支持体上に樹脂層を形成する樹脂層形
    成装置であって、前記蒸発装置内の樹脂材料蒸気を前記蒸発装置外に排出
    する排気装置を更に有し、 前記加熱体は内部に熱媒体を通すための通路を有し、 前記樹脂層の形成の終了時に、前記通路に冷媒を通すこ
    とにより前記樹脂材料の蒸発を停止させる ことを特徴と
    する樹脂層形成装置。
  3. 【請求項3】 前記排気装置は、吸引装置と、前記蒸発
    装置と前記吸引装置との間に前記樹脂材料蒸気を除去す
    る除去装置とを備える請求項2に記載の樹脂層形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記除去装置は、前記樹脂材料蒸気を冷
    却し液化させて除去する請求項3に記載の樹脂層形成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記開口を開閉する遮蔽板を有する請求
    項1又は2に記載の樹脂層形成装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発装置及び前記支持体が真空槽内
    に収納されている請求項1又は2に記載の樹脂層形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記蒸発装置及び前記支持体が真空槽内
    に収納されており、前記排気装置は前記真空槽外に設置
    され、前記排気装置は前記蒸発装置内の樹脂材料蒸気を
    前記真空槽外に排気する請求項1又はに記載の樹脂層
    形成装置。
  8. 【請求項8】 支持体と、前記支持体上に樹脂層を形成
    する樹脂層形成装置と、前記支持体上に金属薄膜層を形
    成する金属薄膜形成装置と、前記支持体、前記樹脂層形
    成装置、及び前記金属薄膜形成装置を収納する真空槽と
    を備えた積層体の製造装置であって、前記樹脂層形成装
    置が請求項1又は2に記載の樹脂層形成装置であること
    を特徴とする積層体の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記支持体が周回することにより、樹脂
    層と金属薄膜層との交互積層体が製造される請求項
    記載の積層体の製造装置。
  10. 【請求項10】 開口と、内部に加熱体とを備えた蒸発
    装置を用い、液状の樹脂材料を前記加熱体上で加熱し、
    気化させて、樹脂材料蒸気を得た後、前記開口から前記
    樹脂材料蒸気を支持体に向けて放出して、真空又は減圧
    下で前記支持体上に樹脂層を形成する樹脂層の製造方法
    であって、 前記開口を閉じて、前記樹脂材料蒸気を前記蒸発装置外
    に排出する形成中止工程と、 前記樹脂材料蒸気の前記蒸発装置外への排出を停止する
    とともに、前記開口を開き、前記支持体上に樹脂層を形
    成する形成工程とを有し、 前記形成中止工程において、前記蒸発装置外に設置され
    た吸引装置を用いて前記樹脂材料蒸気を前記蒸発装置か
    ら吸引し、前記蒸発装置と前記吸引装置との間で前記樹
    脂材料蒸気を冷却し液化させて除去する ことを特徴とす
    る樹脂層の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記形成中止工程において前記蒸発装
    置内で液状の樹脂材料を加熱、気化させ、その後、前記
    形成工程に移行する請求項10に記載の樹脂層の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記形成工程の後に、前記形成中止工
    程に移行する請求項10に記載の樹脂層の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記形成中止工程において前記蒸発装
    置内で液状の樹脂材料を加熱、気化させる請求項12
    記載の樹脂層の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記形成中止工程では前記加熱体を冷
    却して、前記液状の樹脂材料が気化するのを防止する請
    求項10又は12に記載の樹脂層の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記加熱体に冷却した熱媒体を通して
    前記加熱体を冷却する請求項14に記載の樹脂層の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 開口と、内部に傾斜して設置され、熱
    媒体を通す通路を内部に有する加熱体とを備えた蒸発装
    置を用い、液状の樹脂材料を前記加熱体上で流動させな
    がら加熱し、気化させて、樹脂材料蒸気を得た後、前記
    開口から前記樹脂材料蒸気を支持体に向けて放出して、
    真空又は減圧下で前記支持体上に樹脂層を形成する樹脂
    層の製造方法であって、 前記樹脂層の積層終了時に前記開口を閉じ、前記蒸発装
    置外に設置された吸引装置を用いて前記樹脂材料蒸気を
    前記蒸発装置から吸引し、前記加熱体の前記通路に冷媒
    を通して前記加熱体を急冷することを特徴とする樹脂層
    の製造方法。
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