JP2000348971A - 積層体の製造方法及び積層体の製造装置 - Google Patents

積層体の製造方法及び積層体の製造装置

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JP2000348971A
JP2000348971A JP11157601A JP15760199A JP2000348971A JP 2000348971 A JP2000348971 A JP 2000348971A JP 11157601 A JP11157601 A JP 11157601A JP 15760199 A JP15760199 A JP 15760199A JP 2000348971 A JP2000348971 A JP 2000348971A
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thin film
metal thin
temperature
layer
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JP11157601A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Honda
和義 本田
Noriyasu Echigo
紀康 越後
Masaru Odagiri
優 小田桐
Nobuki Sunanagare
伸樹 砂流
Toru Miyake
徹 三宅
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周回する支持体上に、樹脂層と、真空プロセ
スによる金属薄膜層とを含む積層体を製造する方法にお
いて、積層途中の積層体の表面温度の上昇を抑える。 【解決手段】 積層体の表面温度を測定する温度測定装
置130を設置して、その実測温度に基づいて支持体111に
備えられた冷却装置の吸熱量を制御する。積層中に積層
体の表面温度が上昇するのを防止できるので、高品質の
積層体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂層と金属薄膜
層とからなる積層体の製造方法及び製造装置に関するも
のである。詳しくは、周回する支持体上で樹脂層と金属
薄膜層とを交互に積層して、積層体を製造する方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂層を積層する工程と金属薄膜層を積
層する工程とを一単位として、これを周回する支持体上
で繰り返すことにより、樹脂層と金属薄膜層とが交互に
積層された積層体を製造する方法は、例えば、特開平1
0−237623号公報(特願平9−45591号)等
で公知ある。
【0003】樹脂層と金属薄膜層との積層体の製造方法
の一例を図面を用いて説明する。
【0004】図4は、従来の積層体の製造方法を実施す
るための製造装置の一例の概略を模式的に示した断面図
である。
【0005】図4において、915は真空槽、916は
真空槽915内部を所定の真空度に維持する真空ポン
プ、911は真空槽915内に設置された、図中の矢印
方向に回転する円筒形状のキャンローラ、912は樹脂
層形成装置、913はパターニング材料付与装置、91
4は金属薄膜形成装置、917はパターニング材料除去
装置、918は樹脂硬化装置、919は表面処理装置、
920a,920bは金属薄膜形成領域を他の領域と区
別するための隔壁、922は隔壁920a,920bに
設けられた開口、923は必要時以外に金属薄膜が形成
されるのを防止するために開口922を閉じるための遮
蔽板である。
【0006】樹脂層形成装置912は、樹脂層を形成す
るための樹脂材料を蒸発気化又は霧化させて、キャンロ
ーラ911表面に向けて放出する。キャンローラ911
の表面は冷却装置によって冷却されているから、樹脂材
料は冷却されてキャンローラ911の外周面に膜状に堆
積する。
【0007】堆積した樹脂材料は、必要に応じて樹脂硬
化装置918により、電子線又は紫外線等が照射されて
所望の硬度に硬化処理される。
【0008】次いで、形成された樹脂層は、必要に応じ
て樹脂表面処理装置919により、酸素プラズマ処理等
が施され、樹脂層表面が活性化される。
【0009】パターニング材料付与装置913は、オイ
ルマージンと呼ばれる手法により金属薄膜層を所定の形
状にパターニングするための装置である。樹脂層上に予
めパターニング材料を薄く形成した後に、金属薄膜層を
蒸着などによって形成すると、パターニング材料上には
金属薄膜層が形成されない。このようにして形成された
金属薄膜層はパターニング部分が抜けた状態で形成され
ており、所望のパターンを持つ金属薄膜層を形成するこ
とが出来る。パターニング材料は、パターニング材料付
与装置913内で気化されてキャンローラ911の外周
面に向けて所定位置に形成された細孔から放出される。
これによりパターニング材料が金属薄膜層を形成する面
に予め薄くパターン塗布される。
【0010】その後、金属薄膜形成装置914により金
属薄膜層が蒸着などによって形成される。
【0011】その後、パターニング材料除去装置917
により余剰のパターニング材料が除去される。
【0012】以上の製造装置900によれば、遮蔽板9
23を待避させた状態では、周回するキャンローラ91
1の外周面上に、樹脂層形成装置912による樹脂層
と、金属薄膜形成装置914による金属薄膜層とが交互
に積層された積層体が製造され、また、遮蔽板923が
開口922を遮蔽した状態では、周回するキャンローラ
911の外周面上に、樹脂層形成装置912による樹脂
層が連続して積層された積層体が製造される。また、キ
ャンローラ911の回転と同期させてパターニング材料
付与装置913をキャンローラ911の回転軸と平行方
向に移動させることにより、パターン位置の異なる金属
薄膜層を形成することができる。
【0013】このようにして、キャンローラ911の外
周面上に金属薄膜層と樹脂層とからなる多層積層体を形
成し、その後、積層体をキャンローラ911から取り外
し、、必要に応じて切断、外部電極の形成等を行なっ
て、各種電子部品(例えばチップコンデンサ)などを製
造することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によって積層体を製造すると以下のような問題が発
生する。
【0015】キャンローラ911の周囲に設置された樹
脂層形成装置912、パターニング材料付与装置91
3、金属薄膜形成装置914、パターニング材料除去装
置917、樹脂硬化装置918、及び表面処理装置91
9はいずれもキャンローラ911及びその上に積層され
る積層体の表面温度を上昇させる温度上昇要因となる。
【0016】従って、積層が進行してキャンローラ91
1上に積層される積層体の厚みが厚くなっていくと、キ
ャンローラ911に備えられた冷却装置による積層体の
表面の冷却効果は次第に低減していく。また、例えば、
積層途中で開口922を遮蔽板923で開閉したり、パ
ターニング材料付与装置913やパターニング材料除去
装置917の作動をON/OFFしたりすると、積層体
表面への加熱条件が変化する。
【0017】上記の従来の冷却装置では、キャンローラ
911の外周面を所定温度に維持するように構成されて
いるので、上記のように積層体の厚みが厚くなり、しか
も積層体表面への加熱条件が時時変化すると、積層体表
面が予期せぬ高温になる場合がある。
【0018】積層体表面の温度が異常に上昇すると例え
ば以下の問題が発生する。すなわち、付着したパターニ
ング材料が蒸発して薄く又は消失してしまい、金属薄膜
層のパターニングが不良になる。また、付着した樹脂材
料が樹脂硬化装置918で硬化する前に硬化したり、変
質したり、蒸発したりして、所望する樹脂層が形成でき
ない。
【0019】このような問題は、得られた積層体を用い
て例えばチップコンデンサとしたときには、静電容量の
変化、機械強度の低下等の問題を生じ、品質及び生産性
の低下を招く。
【0020】本発明は、キャンローラ911上に積層さ
れる積層体の表面温度が異常に高くならないように管理
することにより、上記の従来の問題点を解決し、品質が
良好な積層体を安定して製造することができる積層体の
製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために以下の構成とする。
【0022】即ち、本発明の第1の構成にかかる積層体
の製造方法は、樹脂層を形成する工程と、金属材料を真
空プロセスにより堆積させて金属薄膜層を形成する工程
とを有し、これらを周回する支持体上で行うことにより
前記支持体上に樹脂層と金属薄膜層とを含む積層体を製
造する方法であって、積層が進行するにしたがって前記
支持体の温度を低くしていくことを特徴とする。
【0023】かかる第1の構成によれば、積層が進行
し、積層体の厚みが厚くなっても支持体表面の温度が徐
々に低下していくので、積層体の表面温度の上昇を防止
することができる。この結果、製造過程において積層体
表面が高温になることに起因する上記の問題が生じるこ
とがなく、品質が良好な積層体を安定して製造すること
ができる。
【0024】また、本発明の第2の構成にかかる積層体
の製造方法は、樹脂層を形成する工程と、金属材料を真
空プロセスにより堆積させて金属薄膜層を形成する工程
とを有し、これらを周回する支持体上で行うことにより
前記支持体上に樹脂層と金属薄膜層とを含む積層体を製
造する方法であって、支持体上に積層されつつある積層
体の表面温度を測定し、前記測定結果に基づいて前記表
面温度が所定範囲内になるように制御しながら積層を行
うことを特徴とする。
【0025】かかる第2の構成によれば、積層過程にお
ける積層体の表面温度はほぼ一定に維持される。また、
積層途中に積層体表面への加熱条件に変動があっても、
一時的に予期せぬ高温に達するような事態を防止するこ
とができる。この結果、製造過程において積層体表面が
高温になることに起因する上記の問題が生じることがな
く、品質が良好な積層体を安定して製造することができ
る。
【0026】また、本発明の積層体の製造装置は、真空
槽と、前記真空槽内に設置された周回する支持体と、前
記支持体上に樹脂層を積層する樹脂層形成装置と、前記
支持体上に真空プロセスにより金属薄膜層を積層する金
属薄膜形成装置とを有し、前記支持体上に樹脂層と金属
薄膜層とからなる積層体を製造するための装置であっ
て、前記支持体又は前記支持体上に積層された積層体の
表面温度を測定する温度測定装置と、前記支持体を冷却
する冷却装置と、前記温度測定装置の測定温度に基づい
て前記冷却装置の作動を制御する制御装置とを有するこ
とを特徴とする。
【0027】かかる構成によれば、積層過程における積
層体の表面温度はほぼ一定に維持される。また、積層途
中の積層体表面への加熱条件に変動があっても、冷却装
置の作動条件を変化させることで、一時的に予期せぬ高
温に達するような事態を防止することができる。この結
果、製造過程において積層体表面が高温になることに起
因する上記の問題が生じることがなく、品質が良好な積
層体を安定して製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて具体的に説明する。
【0029】図1は、本発明の積層体の製造方法を実施
するための積層体の製造装置の一例を示した概略断面図
である。
【0030】図1において、115は真空槽、116は
真空槽115内部を所定の真空度に維持する真空ポン
プ、111は真空槽115内に設置された、図中の矢印
111aの方向に回転する円筒形状のキャンローラ、1
12は樹脂層形成装置、113はパターニング材料付与
装置、114は金属薄膜形成装置(金属材料供給源)、
117はパターニング材料除去装置、118は樹脂硬化
装置、119は表面処理装置、120は金属薄膜形成領
域を他の領域と区別するための隔壁、121は隔壁12
0に設けられた開口、123は必要時以外に金属薄膜が
形成されるのを防止するために、移動方向123aの方
向に移動して開口121を開閉する遮蔽板である。
【0031】真空槽115の内部は真空ポンプ116に
より所定の真空度に保たれている。真空槽115内の好
ましい真空度は2×10-4Torr程度である。また、
隔壁120で仕切られた金属薄膜形成装置114を含む
空間をこれ以外の空間よりわずかに低圧に維持しておく
のが好ましい。こうしておくことで、金属薄膜形成装置
114からの金属蒸気流又は金属粒子流が、金属薄膜形
成装置114を含む空間外に不用意に漏れ出すのを防止
することができる。
【0032】キャンローラ111の外周面は、平滑に、
好ましくは鏡面状に仕上げられており、所定の回転速度
(例えば15〜100rpm程度、周速度は20〜30
0m/min程度)で回転する。
【0033】キャンローラ111は、その外周面を冷却
する冷却装置(図示せず)を備えている。冷却装置は特
に限定されず、周知の冷却装置が使用できる。例えば、
冷媒(例えば水、オイル等の液体)をローラ内部に循環
させる方法が好ましく例示できる。また、必要に応じて
冷却能力(吸熱量)を変化できるように構成される。例
えば、冷媒を用いて冷却する場合には、その冷媒の温度
及び/又は循環量を変化させることにより、冷却能力を
変化させることができる。
【0034】図1のような装置において、冷却装置の冷
却能力を一定に維持すると、キャンローラ111上に積
層される積層体の表面温度は、通常積層が進行するに従
って徐々に上昇していく。これは、積層体表面と冷却装
置を備えたキャンローラ111の外周面との距離が徐々
に増加していき、伝熱量が少なくなっていくからであ
る。
【0035】従って、本発明では、積層が進行するに従
って、キャンローラ111の表面温度を徐々に低下させ
ていく。
【0036】キャンローラ111の表面温度の低下させ
ていく程度は、キャンローラ111の周囲に設置された
各種装置による加熱量や、積層体の材料(伝熱係数)や
厚み及びその増加の程度によって適宜決定すればよい。
【0037】また、積層途中で、例えば開口121を開
閉したり、パターニング材料付与装置113やパターニ
ング材料除去装置117の作動をON/OFFしたりす
る等により、積層体に加えられる加熱量が変動する場合
には、積層体表面の温度変動がなるべく少なくなるよう
に、キャンローラ111の冷却装置の吸熱量を変化させ
るのが好ましい。
【0038】積層体表面の温度変動を少なくするために
は、積層体表面の温度を実測して、それに応じて冷却装
置の吸熱量を変化させれば良い。
【0039】従って、本実施の形態では、キャンローラ
111の外周面に向けて温度測定装置130が設置され
ている。温度測定装置130は、キャンローラ111又
は積層開始後は積層体表面の温度を測定する。温度測定
装置130としては特に制限はないが、積層体を破損す
ることなく温度測定が可能な非接触測定装置が好まし
い。具体的には、赤外線を検知して温度測定を行なう放
射温度計は、真空環境下でも測定可能で、測定精度等の
点で好ましい。
【0040】温度測定装置130によって得られた測定
温度信号は図示しない制御装置に送られる。制御装置
は、温度測定装置130によるの実測値と設定値とを比
較して、(実測値−設定値)が所定量を超えている場合
には、キャンローラ111の冷却装置の吸熱量を増大さ
せるように冷却装置を制御する。これにより、積層途中
の積層体の表面温度が略一定温度に維持される。
【0041】上記において、積層体の表面温度の設定値
は、積層する樹脂層の材料やパターニング材料等によっ
て変化するが、一般に−10℃〜+50℃が好ましく、
0℃〜+40℃がより好ましい。表面温度の設定値が上
記の範囲を超えると、付着させたパターニング材料が蒸
発して金属薄膜層のパターニング不良を生じたり、付着
した樹脂材料が硬化・変質・蒸発等して所望する樹脂層
が形成できなかったりする。また、表面温度の設定値が
上記の範囲より低いと、金属薄膜層のパターニング幅が
設計値と異なり、やはり製品精度が確保できなかった
り、樹脂材料の流動性が著しく低下して表面にうねりを
生じる場合がある。
【0042】また、積層途中の積層体の表面温度の変動
は、上記の設定値に対して上下5℃以内であることが好
ましく、上下3℃以内であるのがより好ましい。表面温
度の変動が上記より大きいと、表面温度が予期せぬ高温
となって上記の問題を生じる場合がある。また、積層方
向で樹脂層や金属薄膜層等の形成状態が変動して、得ら
れる積層体の品質が安定しない。
【0043】また、積層途中の積層体の表面温度は、積
層する樹脂層の材料やパターニング材料等によって変化
するが、常に好ましくは60℃以下、より好ましくは5
5℃以下、特に50℃以下に管理するのが好ましい。表
面温度がこの温度を越えるようなことがあると、付着さ
せたパターニング材料が蒸発して金属薄膜層のパターニ
ング不良を生じたり、付着した樹脂材料が硬化・変質・
蒸発等して所望する樹脂層が形成できなかったりする。
【0044】樹脂層形成装置112は、樹脂層を形成す
る樹脂材料を蒸発気化又は霧化させて、キャンローラ1
11表面に向けて放出する。樹脂材料は、キャンローラ
111の外周面に付着して樹脂層を形成する。このよう
な方法によれば、厚みが極めて薄く均一で、ピンホール
等の欠点のない良好な樹脂層が得られる。樹脂材料とし
ては、このように蒸発気化又は霧化した後、堆積して薄
膜を形成できるものであれば特に限定されず、得られる
積層体の用途に応じて適宜選択できるが、反応性モノマ
ー樹脂であるのが好ましい。例えば、電子部品材料用途
に使用する場合には、アクリレート樹脂またはビニル樹
脂を主成分とするものが好ましく、具体的には、多官能
(メタ)アクリレートモノマー、多官能ビニルエーテル
モノマーが好ましく、中でも、シクロペンタジエンジメ
タノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノール
ジビニルエーテルモノマー等若しくはこれらの炭化水素
基を置換したモノマーが電気特性、耐熱性、安定性等の
点で好ましい。樹脂材料を飛散させる手段としては、ヒ
ータ等の加熱手段、超音波又はスプレー等による気化又
は霧化させる方法が用いられる。特に、ヒータ等の加熱
手段により樹脂材料を蒸発気化させる方法が、形成され
る樹脂層の厚み及びその均一性、欠点の発生防止、装置
の簡素化の観点から好ましい。
【0045】堆積した樹脂材料は、必要に応じて樹脂硬
化装置118により所望の硬化度に硬化処理してもい。
硬化処理としては、樹脂材料を重合及び/又は架橋する
処理が例示できる。樹脂硬化装置としては、例えば電子
線照射装置、紫外線照射装置、又は熱硬化装置等を用い
ることができる。硬化処理の程度は、製造する積層体の
要求特性により適宜変更すれば良いが、例えばコンデン
サなどの電子部品用の積層体を製造するのであれば、硬
化度が50〜95%、更には50〜75%になるまで硬
化処理するのが好ましい。硬化度が上記範囲より小さい
と、後工程において外力等が加わると容易に変形した
り、金属薄膜層の破断又は短絡等を生じてしまう。一
方、硬化度が上記範囲より大きいと、後工程において外
力等が加わると割れるなどの問題が生じることがある。
なお、本発明の硬化度は、赤外分光光度計でC=O基の
吸光度とC=C基(1600cm-1)の比をとり、各々
のモノマーと硬化物の比の値をとり、減少分吸光度を1
から引いたものと定義する。
【0046】本発明において、樹脂層の厚みは特に制限
はないが、1μm以下、更に0.7μm以下、特に0.
4μm以下であることが好ましい。本発明の方法によっ
て得られる積層体の小型化・高性能化の要求に答えるた
めには樹脂層の厚みは薄い方が好ましい。例えば、本発
明の製造方法により得られた積層体をコンデンサに使用
する場合、誘電体層となる樹脂層は薄い方が、コンデン
サの静電容量はその厚みに反比例して大きくなる。
【0047】形成された樹脂層は、必要に応じて表面処
理装置119により表面処理される。例えば、酸素雰囲
気下で放電処理又は紫外線照射処理等を行って、樹脂層
表面を活性化させて金属薄膜層との接着性を向上させる
ことができる。
【0048】パターニング材料付与装置113は、パタ
ーニング材料を樹脂層表面に所定の形状に付着させるた
めのものである。パターニング材料が付着した箇所には
金属薄膜層は形成されず、絶縁領域(マージン部)とな
る。この結果、金属薄膜層はパターニング部分が抜けた
状態で形成され、所望のパターンを持つ金属薄膜層を形
成することが出来る。
【0049】パターニング材料の付与の手段は、蒸発気
化させたパターニング材料を微細孔から噴射して樹脂層
表面で液化させる方法、または液状のパターニング材料
を微細孔から液滴状に噴射する方法等の非接触付着手段
の他、リーバースコート、ダイコート等の塗布による方
法があるが、本発明では、樹脂層表面に外力が付与され
て、樹脂層やその下の金属薄膜層の変形、破断、表面荒
れなどが発生するのを防止するために、非接触付着手段
が好ましい。本実施の形態では、パターニング材料付与
装置113内でパターニング材料を加熱し気化させて、
微細孔から噴射させ、キャンローラ111上の樹脂層表
面に帯状に液膜状に付着させる手段を採る。帯状のパタ
ーニング材料の液膜は、円周方向の所定の位置に、所定
の幅で、所定の数だけ形成される。このとき、キャンロ
ーラ111の回転と同期させてパターニング材料付与装
置113をキャンローラ111の回転軸と平行方向に移
動させることにより、パターン位置の異なる金属薄膜層
を形成することができる。
【0050】パターニング材料としては、エステル系オ
イル、グリコール系オイル、フッ素系オイル及び炭化水
素系オイルよりなる群から選ばれた少なくとも一種のオ
イルであることが好ましい。更に好ましくは、エステル
系オイル、グリコール系オイル、フッ素系オイルであ
り、特に、フッ素系オイルが好ましい。上記以外のパタ
ーニング材料を使用すると、積層表面の荒れ、樹脂層や
金属薄膜層のピンホール、金属薄膜層の形成境界部分の
不安定化等の問題を生じることがある。
【0051】必要に応じてパターニング材料を付着した
後、金属薄膜形成装置114により金属薄膜層が形成さ
れる。金属薄膜層の形成方法としては、蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング等周知の真空プロセス手
段が適用できるが、本発明では蒸着、特に電子ビーム蒸
着が耐湿性の優れた膜が生産性良く得られる点で好まし
い。金属薄膜層の材料としては、アルミニウム、銅、亜
鉛、ニッケル、鉄、コバルト、シリコン、ゲルマニウム
若しくはその化合物、若しくはこれらの酸化物、若しく
はこれらの化合物の酸化物などが使用できる。中でも、
アルミニウムが接着性と経済性の点で好ましい。なお、
金属薄膜層には、上記以外の他成分を含むものであって
も構わない。また、金属薄膜層を一種とせず、例えばA
l層とCu層の混入とすることによって特性の補完がな
され、使用条件によっては高性能化が図れる場合もあり
うる。
【0052】金属薄膜層の厚みは、得られる積層体の用
途により適宜決定すればよいが、電子部品用途に使用す
る場合は、100nm以下、更に10〜50nm、特に
20〜40nmであるのが好ましい。また、膜抵抗は、
1Ω/□以上、20Ω/□以下、さらに15Ω/□以
下、特に2〜10Ω/□、最適には3〜10Ω/□であ
るのが好ましい。
【0053】金属薄膜層を形成した後であって、樹脂層
を積層する前に、残存するパターニング材料を除去する
ことが好ましい。残存したパターニング材料は、積層表
面の荒れ、樹脂層や金属薄膜層のピンホール(積層抜
け)、金属薄膜層の形成境界部分の不安定化等の問題を
発生させる。パターニング材料の除去は、パターニング
材料除去装置117により行う。パターニング材料の除
去手段は特に制限はなく、パターニング材料の種類に応
じて適宜選択すればよいが、例えば加熱及び/又は分解
により除去することができる。加熱して除去する方法と
しては、例えば、光照射や電熱ヒータによる方法が例示
できるが、光照射による方法が装置が簡単であり、かつ
除去性能も高い。なお、ここで光とは、遠赤外線及び赤
外線を含む。一方、分解して除去する方法としては、プ
ラズマ照射、イオン照射、電子照射などが使用できる。
このとき、プラズマ照射は、酸素プラズマ、アルゴンプ
ラズマ、窒素プラズマ等が使用できるが、この中でも特
に酸素プラズマが好ましい。
【0054】以上の装置100によれば、開口121を
開いた状態では、周回するキャンローラ111の外周面
上に、樹脂層形成装置112による樹脂層と、金属薄膜
形成装置114による金属薄膜層とが交互に積層された
積層体が製造され、また、開口121を閉じた状態で
は、周回するキャンローラ111の外周面上に、樹脂層
形成装置112による樹脂層が連続して積層された積層
体が製造される。
【0055】次に、上記の装置100を用いて例えば図
3に示すようなチップコンデンサを製造する方法につい
て説明する。
【0056】キャンローラ111を回転させながら、キ
ャンローラ111上に、層204a、層203a、層2
02、層203b、層204bの順に連続積層する。
【0057】最初に層204aを積層するときは、開口
121を遮蔽板123で遮蔽した状態で、キャンローラ
111を回転させ、樹脂層のみを所定数連続積層する。
【0058】層203aの積層を開始する際、遮蔽板1
30を移動して開口121を開く。同時にパターニング
材料付与装置113からパターニング材料を樹脂層表面
に付与する。この状態で、所定回数キャンローラ11を
回転させることにより、パターニングされた金属薄膜層
と樹脂層とが交互に積層された層203aが形成され
る。
【0059】次に、層202の積層を開始する。この段
階では、キャンローラ111が1回転するごとに、パタ
ーニング材料付与装置113をローラ111の回転軸方
向に所定幅だけ往復移動させる。このようにすること
で、パターン位置が隣接する層ごとに異なる金属薄膜層
が形成される。
【0060】次に、層203bの積層を行なう。このと
きは、パターニング材料付与装置113を層203aの
積層時と同じ位置に固定したまま、所定数の積層を行な
う。
【0061】最後に、層204bの積層を行なう。この
とき、遮蔽板130を移動して、開口121を遮蔽す
る。この状態でキャンローラ111を回転させて、樹脂
層のみが所定数連続積層された層204bを形成する。
【0062】このようにして、キャンローラ111の外
周面上に金属薄膜層と樹脂層とからなる多層積層体を形
成し、その後、積層体をキャンローラ111から取り外
し、平板プレスすることにより、例えば図2のような積
層体母素子200を得ることができる。図2において、
206は金属薄膜層、207は樹脂層、208はパター
ン位置であり、矢印201はキャンローラ111の外周
面の走行方向と一致する。図2の積層体母素子200
は、キャンローラ111上に、層204a、層203
a、層202、層203b、層204bの順に積層する
ことにより製造される。ここで、層204a,204b
は開口121を閉じて樹脂層のみを連続して積層した層
であり、層202及び層203a,203bは、開口1
21を開いて金属薄膜層と樹脂層とを交互に積層した層
である。また、層202は、キャンローラ911の回転
と同期させて1回転ごとにパターン位置を変更して積層
してある。
【0063】このようにして得た積層体母素子200を
切断面205aで切断し、切断面に溶射等により外部電
極を形成する。次いで、切断面205bに相当する位置
で切断し、必要に応じて外装コーティングを行ない図3
に示すようなチップコンデンサ210を多数得る。図3
において、211a、211bは金属薄膜層206と電
気的に接続して形成された外部電極である。
【0064】上記の実施の形態では、支持体として円筒
形状のキャンローラを例示したが、本発明はこれに限定
されない。例えば、2本又はそれ以上のロールの間を周
回するベルト状の支持体、あるいは回転する円盤状支持
体等であってもよい。このような支持体を使用する場合
であっても、遮蔽板を支持体の移動方向と垂直方向に移
動させることにより本発明の効果が得られる。
【0065】また、積層の開始に先立って、キャンロー
ラ111の外周面上に離型剤を付与しておくと、積層終
了後に積層体を取り外す作業が容易になるので好まし
い。離型剤としては、例えばフッ素系離型剤(例えば、
商品名:“ダイフリー”、ダイキン工業(株)製)等を
使用できる。離型剤の付与方法は、スプレー噴霧法の
他、スパッタ法や蒸着法など、離型剤材料とプロセスの
条件等に適合するものを適宜選択すると良い。
【0066】
【実施例】(実施例1)図1に示した製造装置を用い
て、図3に示す構成のチップコンデンサを製造した。
【0067】真空ポンプ116により真空槽115内を
2×10-4Torrに維持した。キャンローラ111の
直径は500mm、外表面の移動速度は50m/分とし
た。キャンローラ111の外周面を冷却するため、キャ
ンローラ111を径が異なる2本の円筒を同心円状に組
み合わせて構成し、外筒と内筒との間に2℃に冷却した
冷却液を循環させた。冷却液の冷却装置及び循環用の供
給ポンプは真空槽115の外に設置した。吸熱量は、冷
却液の温度又は循環量を変化させることで調整するよう
にした。冷却液としてエチレングリコール系冷却液(日
曹丸善ケミカル(株)製“ナイブライン”)を用いた。
【0068】温度測定装置130として赤外線を検知し
て温度測定を行なう放射温度計を用い、キャンローラ1
11の外周面及び積層開始後は積層体表面の温度を測定
した。測定温度信号は図示しない制御装置に送られる。
【0069】制御装置には、積層体表面の目標温度を3
0℃に設定した。制御装置は温度測定装置130からの
実測温度が上記目標温度から変動すると、その変動量に
応じて冷却装置の冷却液の循環量を増加又は減少させ
る。
【0070】積層開始前に、冷却装置の冷却液の循環量
を10L/分、冷却温度を10℃として、キャンローラ
111の外周面の温度が約10℃に維持されていること
を確認した。
【0071】積層に先立ち、キャンローラ111の外周
面にフッ素系離型剤(ダイキン工業(株)製“ダイフリ
ー”)をスプレー塗布し、その後不織布で薄く延ばし
た。
【0072】まず最初に、樹脂層のみが連続積層された
層(保護層)204a部分を積層した。層204aは、
コンデンサとしての容量を発生することはないが、容量
発生部分である層(素子層)202が熱負荷や外力によ
り損傷を受けるのを防止するのに有効に機能する層であ
る。
【0073】層204aの材料として、ジシクロペンタ
ジエンジメタノールジアクリレートを用い、これを気化
して樹脂層形成装置112よりキャンローラ111の外
周面に堆積させた。1層当たりの積層厚さは0.6μm
である。次いで樹脂硬化装置118として、紫外線硬化
装置を用い、上記により堆積させた樹脂層材料を重合
し、硬化度が70%になるまで硬化させた。この操作
を、キャンローラ111を回転させることにより繰返
し、キャンローラ111の外周面に厚さ15μmの層2
04a部分を形成した。この間、開口121は遮蔽板1
23で遮蔽しておいた。
【0074】次いで、樹脂層と金属薄膜層とが交互に積
層された層(補強層)203a部分を積層した。層20
3aは、容量発生部分である層(素子層)202が熱負
荷や外力により損傷を受けるのを防止するのに有効に機
能する層である。また、金属薄膜層を有していることに
より、外部電極の付着強度の向上にも寄与する。
【0075】層203aの樹脂層材料は、上記の層20
4aの材料と同じものを用いた。樹脂層1層当たりの積
層厚さは0.6μmである。次いで樹脂硬化装置118
により樹脂層の硬化度が70%になるまで硬化させた。
その後、表面処理装置119により、表面を酸素プラズ
マ処理した。次に、パターニング材料付与装置113に
より、気化させたパターニング材料を微細孔から噴出さ
せて、樹脂層表面上に帯状に付着させた。パターニング
材料として、フッ素系オイルを使用した。このパターニ
ング材料の蒸気圧が0.1torrとなる温度は100
℃である。オイルの平均分子量は1500である。帯状
のパターニング材料の付着幅は150μmとした。次
に、遮蔽板123を移動して開口121を開いた。そし
て、金属薄膜形成装置114からアルミニウムを金属蒸
着させた。積層厚みは300オングストロームとした。
その後、パターニング材料除去装置117により、遠赤
外線ヒータによる加熱及びプラズマ放電処理を行ない、
残存したパターニング材料を除去した。以上の操作を、
キャンローラ111を回転させることにより500回繰
り返し、総厚さ315μmの層203a部分を形成し
た。
【0076】次に、コンデンサとしての容量発生部分と
なる層(素子層)202部分を積層した。樹脂層材料
は、上記と同じものを用い、1層当たりの積層厚さは
0.4μmとした。次いで樹脂硬化装置118により、
樹脂層を硬化度が70%になるまで硬化させた。その
後、表面処理装置119により、表面を酸素プラズマ処
理した。次に、パターニング材料付与装置113によ
り、上記と同じパターニング材料を上記と同一幅に帯状
に付着させた。次に、金属薄膜形成装置114からアル
ミニウムを金属蒸着させた。積層厚みは300オングス
トロームとした。その後、パターニング材料除去装置1
17により、残存したパターニング材料を除去した。以
上の操作を、キャンローラ111を回転させることによ
り約2000回繰り返し、総厚さ860μmの層202
部分を形成した。なお、この間、パターニング材料付与
装置113を、キャンローラ111の回転に同期させ
て、1回転するごとに回転軸方向に1000μm往復移
動させた。
【0077】次に、パターニング材料付与装置113の
移動を停止して、厚さ315μmの層(補強層)203
b部分を形成した。形成方法は上記の層203a部分と
全く同一とした。
【0078】最後に、厚さ15μmの層(保護層)20
4b部分を形成した。このとき、遮蔽板123を移動し
て、開口121を遮蔽した。層204b部分の形成方法
は上記の層204a部分と全く同一とした。
【0079】以上で積層工程を終了した。積層体表面の
温度は積層開始直後に約30℃に急上昇したが、その後
常に30〜35℃の間に維持されていた。また、冷却液
の液温は、積層が開始されるのとほぼ同時に徐々に低下
し、補強層203a部分の積層開始直後から低下率が急
になり、その後低下率は逓減していった。
【0080】次いで、キャンローラ111上に形成され
た円筒状積層体を周方向に8分割して取り外し、加熱下
でプレスして図2に示すような平板状の積層体母素子2
00を得た。これを、切断面205aで切断し、切断面
に黄銅を金属溶射して外部電極を形成した。更に、金属
溶射表面に熱硬化性フェノール樹脂中に銅、Ni、銀の
合金等を分散させた導電性ペーストを塗布し、加熱硬化
させ、更にその樹脂表面に溶融ハンダメッキを施した。
その後、切断面205bに相当する箇所で切断し、シラ
ンカップリング剤溶液に浸漬して外表面をコーティング
し、図3に示すようなチップコンデンサを得た。
【0081】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間
方向)約3.2mmであった。小型ながら容量は0.4
7μF、耐電圧は50Vであり、いずれも設計通りであ
った。また、直流印加電圧16Vでの絶縁抵抗値は10
11Ωであり、金属薄膜層同士の短絡、金属薄膜層の破断
などは認められなかった。
【0082】層202、層203a,203b、及び層
204a,204bの樹脂層の硬化度は、それぞれ95
%、95%、90%であった。
【0083】層202、及び層203a,203bの金
属薄膜層の厚みは300オングストローム、膜抵抗は6
Ω/□であった。
【0084】また、積層体母素子200において、層2
02部分の金属薄膜層のマージン部幅は150μm、層
203a,203bの金属薄膜層のマージン部幅は15
0μmであった。
【0085】(比較例1)キャンローラ111の冷却装
置の冷却液の循環量及び冷却液温度を、実施例1の初期
設定値である10L/分及び10℃に維持したまま積層
を行なった以外は実施例1と同様にして、図3に示す構
成のチップコンデンサを製造した。
【0086】積層開始前にはキャンローラ111の外周
面の温度は実施例1と同様に約10℃に維持されていた
が、積層開始直後に積層体表面の温度は約30℃に急上
昇し、その後も徐々に増加し、保護層204b部分の積
層時には表面温度は約63℃に達していた。
【0087】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間
方向)約3.2mmであった。容量は0.42μF、耐
電圧は35Vであり、いずれも設計値に達していなかっ
た。また、直流印加電圧16Vでの絶縁抵抗値は108
Ωであり、実施例1に比べて劣っていた。
【0088】層202、層203a,203b、及び層
204a,204bの樹脂層の硬化度は、それぞれ95
%、95%、95%であった。
【0089】層202、及び層203a,203bの金
属薄膜層の厚みは300オングストローム、膜抵抗は6
Ω/□であった。
【0090】また、積層体母素子において、層202部
分の金属薄膜層のマージン部幅は平均130μm、層2
03a,203bの金属薄膜層のマージン部幅はそれぞ
れ平均150μm、平均100μmであり、いずれも幅
変動が大きく、かつ設計値より細いマージン部のものが
多かった。
【0091】比較例1のコンデンサが実施例1のコンデ
ンサより特性上大きく劣るのは、比較例1の積層体の製
造途中で積層体表面の温度が高温になったために、パタ
ーニング材料の蒸発や、樹脂材料の硬化、変質、蒸発等
を生じたためであると考えられる。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、製造過
程において積層体表面が高温になるのを防止できるの
で、品質が良好な積層体を安定して製造することができ
る。
【0093】本発明によって得られる積層体は、薄膜積
層が要求され、かつ品質管理が厳しい電子部品用途、特
にチップコンデンサ等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層体の製造方法を実施するための
積層体の製造装置の一例を示した概略断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる積層体母素子の
概略斜視図である。
【図3】 本発明によって得られるチップコンデンサの
一例を示した概略斜視図である。
【図4】 従来の積層体の製造方法を実施するための製
造装置の一例の概略を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
100 積層体の製造装置 111 キャンローラ 111a キャンローラの回転方向 112 樹脂層形成装置 113 パターニング材料付与装置 114 金属薄膜形成装置 115 真空槽 116 真空ポンプ 117 パターニング材料除去装置 118 樹脂硬化装置 119 表面処理装置 120 隔壁 121 隔壁の開口 123 遮蔽板 123a 遮蔽板の移動方向 130 温度測定装置 200 積層体母素子 201 キャンローラの外周面の走行方向 202 素子層 203a,203b 補強層 204a,204b 保護層 205a,205b 切断面 206 金属薄膜層 207 樹脂層 208 パターン位置 210 チップコンデンサ 211a,211b 外部電極 900 積層体の製造装置 911 キャンローラ 912 樹脂層形成装置 913 パターニング材料付与装置 914 金属薄膜形成装置 915 真空槽 916 真空ポンプ 917 パターニング材料除去装置 918 樹脂硬化装置 919 表面処理装置 920a,920b 隔壁 922 開口 923 遮蔽板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田桐 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 砂流 伸樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三宅 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA03 BA08 BA12 BA18 BA41 BA43 BA62 BB02 BB03 CA11 DB21 EA01 EA08 HA05 KA01 5E082 AA01 AB03 BC26 BC40 EE05 EE24 EE25 EE26 EE37 FG03 FG34 FG42 GG10 GG26 GG27 GG28 HH25 JJ03 JJ22 JJ23 JJ26 LL02 MM01 MM23 MM32 PP02 PP06 PP09

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂層を形成する工程と、金属材料を真
    空プロセスにより堆積させて金属薄膜層を形成する工程
    とを有し、これらを周回する支持体上で行うことにより
    前記支持体上に樹脂層と金属薄膜層とを含む積層体を製
    造する方法であって、積層が進行するにしたがって前記
    支持体の温度を低くしていくことを特徴とする積層体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に積層されつつある積層体の表
    面温度を測定し、測定された積層体の表面温度に基づい
    て支持体の温度を低くする請求項1に記載の積層体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に積層されつつある積層体の表
    面温度が所定範囲内に維持されるように、支持体の温度
    を低くしていく請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層を形成する工程と、金属材料を真
    空プロセスにより堆積させて金属薄膜層を形成する工程
    とを有し、これらを周回する支持体上で行うことにより
    前記支持体上に樹脂層と金属薄膜層とを含む積層体を製
    造する方法であって、支持体上に積層されつつある積層
    体の表面温度を測定し、前記測定結果に基づいて前記表
    面温度が所定範囲内になるように制御しながら積層を行
    うことを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 積層体の表面温度が設定値の上下5℃以
    内になるように維持する請求項3又は4に記載の積層体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 積層体の表面温度の設定値が−10℃〜
    +50℃である請求項5に記載の積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 積層体の表面温度が60℃以下になるよ
    うに維持する請求項3又は4に記載の積層体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 真空プロセスが電子ビーム蒸着である請
    求項1又は4に記載の積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属材料がアルミニウム、銅、亜鉛、若
    しくはニッケル、又はこれらの化合物、又はこれらの酸
    化物、又はこれらの化合物の酸化物からなる請求項1又
    は4に記載の積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 積層体の製造を真空中で行う請求項1
    又は4に記載の積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】 周回する支持体が、円筒状ドラム又は
    エンドレスベルトである請求項1又は4に記載の積層体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 樹脂層の積層を、蒸発した樹脂材料を
    支持体表面に付着させることにより行う請求項1又は4
    に記載の積層体の製造方法。
  13. 【請求項13】 樹脂材料が反応性モノマー樹脂である
    請求項12に記載の積層体の製造方法。
  14. 【請求項14】 樹脂材料を付着させた後、これを硬化
    処理する請求項12に記載の積層体の製造方法。
  15. 【請求項15】 樹脂層の積層後、表面処理を行う請求
    項1又は4に記載の積層体の製造方法。
  16. 【請求項16】 金属薄膜層を積層するに先だって、樹
    脂層表面にパターニング材料を付着させる請求項1又は
    4に記載の積層体の製造方法。
  17. 【請求項17】 樹脂層の厚みが1μm以下である請求
    項1又は4に記載の積層体の製造方法。
  18. 【請求項18】 金属薄膜層の厚みが100nm以下で
    ある請求項1又は4に記載の積層体の製造方法。
  19. 【請求項19】 金属薄膜層の膜抵抗が1Ω/□以上で
    ある請求項1又は4に記載の積層体の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1又は4に記載の積層体の製造
    方法を含む電子部品の製造方法。
  21. 【請求項21】 真空槽と、前記真空槽内に設置された
    周回する支持体と、前記支持体上に樹脂層を積層する樹
    脂層形成装置と、前記支持体上に真空プロセスにより金
    属薄膜層を積層する金属薄膜形成装置とを有し、前記支
    持体上に樹脂層と金属薄膜層とからなる積層体を製造す
    るための装置であって、 前記支持体又は前記支持体上に積層された積層体の表面
    温度を測定する温度測定装置と、 前記支持体を冷却する冷却装置と、 前記温度測定装置の測定温度に基づいて前記冷却装置の
    作動を制御する制御装置とを有することを特徴とする積
    層体の製造装置。
  22. 【請求項22】 前記温度測定装置が放射温度計である
    請求項21に記載の積層体の製造装置。
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