JP2003178929A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JP2003178929A
JP2003178929A JP2002287650A JP2002287650A JP2003178929A JP 2003178929 A JP2003178929 A JP 2003178929A JP 2002287650 A JP2002287650 A JP 2002287650A JP 2002287650 A JP2002287650 A JP 2002287650A JP 2003178929 A JP2003178929 A JP 2003178929A
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laminated
thin film
metal thin
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Application number
JP2002287650A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Honda
和義 本田
Noriyasu Echigo
紀康 越後
Masaru Odagiri
優 小田桐
Nobuki Sunanagare
伸樹 砂流
Shinichi Suzawa
▲真▼一 陶澤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層と金属薄膜層との積層体であって、
金属薄膜層の破断が生じにくく、金属薄膜層と電気的に
接続させた外部電極を形成した場合には外部電極の付着
強度が十分に高く、また、これをコンデンサとして使用
した場合には小型化、高容量化を可能にする積層体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂材料を付着させて誘電体層を形成す
る工程と、前記誘電体層上にパターニング材料を帯状に
付着させる工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単
位とし、これを所定の回数繰返すことにより、誘電体層
と金属薄膜層とからなる積層体を製造する。ここで、2
n回目(nは自然数)のパターニング材料の付着位置を
2n−1回目のパターニング材料の付着位置と異ならせ
るとともに、2n回目のパターニング材料の付着位置を
全て同一位置にせず、また、2n−1回目のパターニン
グ材料の付着位置を全て同一位置にしない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体層と金属薄
膜層とからなる積層体の製造方法に関するものである。
特に、コンデンサ等の電子部品に好適に使用できる積層
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日の電子部品に対する小型化、高性能
化に対する要求は益々厳しさを増す一方であり、コンデ
ンサに対しても例外ではない。コンデンサの容量は、誘
電体の誘電率が同一であれば、誘電体の面積に比例し、
誘電体層の厚みに反比例する。従って、コンデンサを小
型化しつつ、その容量を維持もしくは増大させるために
は、誘電体層の厚みを薄くし、また、容量発生部分の有
効面積を増大させることが有効な手段である。
【0003】コンデンサ等の電子部品に使用される誘電
体層と金属薄膜層とからなる積層体としては、フィルム
コンデンサ用の積層体が知られている。これは、ポリエ
ステル(PEN、PET等)、ポリオレフィン(PP
等)、PPS等の樹脂フィルムに、アルミニウム等の金
属薄膜を真空蒸着法、スパッタ等で積層した金属化フィ
ルムを、積層又は巻回してなるものである。
【0004】しかしながら、樹脂フィルムの厚みは、そ
の製造工程上、もしくはその後のフィルムの取り扱い
性、加工性等の制約から、その薄膜化には限界がある。
現在使用されているフィルムコンデンサ用のフィルム厚
みはせいぜい1.2μm程度までであり、誘電体層の薄
膜化、コンデンサの体積を維持したままでの容量発生部
分の有効面積の増大のいずれも限界に達しており、これ
がフィルムコンデンサの小型化、高容量化の両立を阻ん
でいた。
【0005】一方、誘電体層と金属薄膜層とからなる積
層体において、従来のフィルムコンデンサとは全く別の
製造方法により、誘電体層の厚みを1μm程度にしたコ
ンデンサが提案されている(特公昭63−31929号
公報、U.S.P.5,125,138等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
63−31929号公報に開示されたコンデンサは、金
属薄膜層(電極層)を積層方向に傾斜させてコンデンサ
側部に密接して電極とする構造であり、金属薄膜層の傾
斜部分で金属薄膜層が破断しやすいという問題がある。
また、従来のチップ型フィルムコンデンサと外観形状が
大きく相違し、実装上特別の配慮が必要であるという問
題もある。
【0007】一方、U.S.P.5,125,138に
は、金属薄膜層(電極層)を傾斜させることなく積層体
の側部に露出させた積層体が開示されている。しかしな
がら、かかる積層体では、積層体全体で見たときに、金
属薄膜層の積層数が少ない部分ではそれ以外の部分と積
層厚みが大きく相違する結果、金属薄膜層の積層数が少
ない部分の積層方向上面に凹み部が生じる。この凹部
は、積層体をプリント基板へ半田実装を行う場合、ハン
ドリング性を悪くし、半田の濡れ性にも悪影響を及ぼ
す。また、凹部周辺の誘電体層及び金属薄膜層は傾斜あ
るいは湾曲するため、積層厚みが薄くなって、コンデン
サとして使用した場合に、耐電圧の低下、誘電体層のピ
ンホール、金属薄膜層の導電不良などを招く。さらに、
かかる凹部は積層体自体の製造をも困難にする。このよ
うな凹部は、誘電体層の厚みが薄くなり(例えば1μm
以下)、かつ積層数が多くなる(例えば100層以上、
特に1000層以上)につれて、より顕著に発生する。
したがって、このような積層体では、コンデンサの小形
化、高容量化を実現することは依然として困難であっ
た。
【0008】従って、本発明の目的とするところは、誘
電体層と金属薄膜層との積層体において、金属薄膜層の
破断が生じにくく、コンデンサとして使用した場合に
は、従来のフィルムコンデンサと外観形状や構造が類似
していることから、実装に際して特別の配慮を要さず、
そうでありながら小型化、高容量化という要求をも両立
し得る積層体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の構成とするものである。
【0010】即ち、本発明の積層体は、厚さ1μm以下
の誘電体層と、前記誘電体層の片面に積層され、帯状の
電気的絶縁部分により区別される第1の金属薄膜層と第
2の金属薄膜層とからなる積層単位を100層以上積層
してなる積層体であって、隣接する前記積層単位の前記
電気的絶縁部分の積層位置が異なるとともに、ひとつお
きの積層単位の電気的絶縁部分の積層位置が積層体全体
で同一でないことを特徴とする。
【0011】また、本発明の積層体は、厚さ1μm以下
の誘電体層と、前記誘電体層の片面上であって、その一
端に存在する帯状の電気的絶縁部分を除く部分に積層さ
れた金属薄膜層とからなる積層単位を100層以上積層
してなる積層体であって、隣接する前記積層単位の前記
電気的絶縁部分が互いに逆側に位置するように積層され
ており、ひとつおきの積層単位の電気的絶縁部分の幅が
積層体全体で同一でないことを特徴とする。
【0012】また、本発明のコンデンサは、上記の積層
体を用いてなることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の積層体の製造方法は、樹
脂材料を付着させて誘電体層を形成する工程と、前記誘
電体層上にパターニング材料を帯状に付着させる工程
と、金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし、これを
所定の回数繰返すことにより、誘電体層と金属薄膜層と
からなる積層体を製造する方法であって、2n回目(n
は自然数)のパターニング材料の付着位置を2n−1回
目のパターニング材料の付着位置と異ならせるととも
に、2n回目のパターニング材料の付着位置を全て同一
位置にせず、また、2n−1回目のパターニング材料の
付着位置を全て同一位置にしないことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面を用いて説
明する。
【0015】(実施の形態1)図1に、本発明の積層体
の一例の厚み方向(積層方向)断面図を示す。
【0016】本発明の積層体11は、誘電体層12と、
該誘電体層12上に積層された第1の金属薄膜層13及
び第2の金属薄膜層14とからなる積層単位15が複数
層積層されて構成される。第1の金属薄膜層13と第2
の金属薄膜層14とは、帯状の電気的絶縁部分16によ
り区別される。
【0017】さらに、隣接する積層単位の各電気的絶縁
部分の積層位置が異なることが必要である。即ち、図1
に示すように、積層単位15に積層単位15aが隣接し
て積層されている場合に、積層単位15の電気的絶縁部
分16と積層単位15aの電気的絶縁部分16aとの積
層位置が異なっていることが必要である。このように、
電気的絶縁部分の位置が異なる積層単位を順次積層する
ことにより、外部電極を積層体の側部に形成したときに
(図11参照)、コンデンサを形成させることができ
る。即ち、積層単位15の第1の金属薄膜層13とこれ
に隣接する積層単位15aの第1の金属薄膜層13aと
を略同電位に接続する外部電極(図示せず)と、積層単
位15の第2の金属薄膜層14と積層単位15aの第2
の金属薄膜層14aとを略同電位に接続する外部電極
(図示せず)とを設け、両外部電極間に電位差を付与す
る。このとき、積層単位15とこれに隣接する積層単位
15aの電気的絶縁部分16及び16aが異なる位置に
配されていることにより、積層単位15の第1の金属薄
膜層13と積層単位15aの第2の金属薄膜層14aと
をそれぞれ電極とし、誘電体層12aのうち、第1の金
属薄膜層13と第2の金属薄膜層14aとの間に挾まれ
た部分を誘電体(容量発生部分)とするコンデンサが形
成される。従って、隣接する積層単位の電気的絶縁部分
の積層位置が異なるとは、上記のようにコンデンサの容
量発生部分を形成し得る程度に積層位置が異なっている
ことを意味する。そして、かかる観点から、容量発生部
分の面積がなるべく大きくなるように、電気的絶縁部分
を配することが好ましい。
【0018】なお、上記において、誘電体層12aのう
ち、第1の金属薄膜層13と第2の金属薄膜層14aと
の間に挾まれた部分以外の部分はコンデンサの容量形成
に何ら寄与しない。同時に、積層単位15の第2の金属
薄膜層14及び積層単位15aの第1の金属薄膜層13
aは、コンデンサの電極としては何ら機能しない。しか
しながら、このような積層単位15の第2の金属薄膜層
14及び積層単位15aの第1の金属薄膜層13aは、
外部電極の付着強度を高める点で意義を有する。即ち、
外部電極の付着強度は、金属薄膜層との接続強度の如何
に大きく左右され、誘電体層との接続強度は余り寄与し
ない。従って、コンデンサの容量発生には寄与しない金
属薄膜層であっても、これが存在することにより、コン
デンサとしたときの外部電極の付着強度は大幅に向上す
る。このような金属薄膜層の存在は、本発明のように非
常に小型の積層体の場合に特に重要な意味を持つ。外部
電極は金属溶射等により形成するが、このときの溶射金
属の粒子は比較的大きく、本発明のように誘電体層が極
めて薄い積層体の場合、金属薄膜層間に侵入することが
困難である。しかも、積層体が小さいため露出した金属
薄膜部は僅かである。従って、外部電極との接触面積を
なるべく多くすることは、外部電極の付着強度を確保す
る観点から極めて重要である。
【0019】電気的絶縁部分の形状は、製造の容易性の
観点から一定の幅Wを有する帯状にする。図2に、図1
のI−I線矢印方向から見た断面図を示す。電気的絶縁
部分の幅Wは、特に制限はないが、0.03〜0.5m
m、更に0.05〜0.4mm、特に0.1〜0.3m
m程度にするのが、コンデンサの容量発生部分の確保
(高容量化)、電気絶縁性の確保、製造の容易性等の観
点から好ましい。
【0020】本発明の積層体では、電気的絶縁部分が帯
状であって、かつ、ひとつおきの積層単位の電気的絶縁
部分の積層位置が、積層体全体でみたときに、同一位置
に全て存在していないことが必要である。即ち、例え
ば、図1のように、積層単位15aの電気的絶縁部分1
6aに対して、ひとつおいた積層単位の電気的絶縁部分
16bの位置が、電気的絶縁部分16aと同一位置にす
るのではなく、電気的絶縁部分の幅方向にdだけずれて
いる。あるいは、ひとつおいた積層単位の電気的絶縁部
分の位置は同一位置とし、3つおいた積層単位の電気的
絶縁部分の位置を電気的絶縁部分の幅方向にずらしたも
のであってもよい。
【0021】比較のために、常にd=0とした積層体の
厚み方向(積層方向)断面図の例を図3に示した。図3
から明らかなように、電気的絶縁部分31a、31bに
は金属薄膜層がないために、積層体全体で見るとこの部
分の積層厚みが減少し、積層体上面に凹部32a、32
bが生じてしまう。この凹部は、積層体をプリント基板
に半田実装を行う場合、ハンドリング性が悪くなること
がある。しかも、このような凹部が発生すると、その凹
部の深さが大きくなるにつれて、積層体の製造過程にお
いて後述のパターニング材料を凹部の底部に付着させる
のが困難となり、一定幅を有した良好な電気的絶縁部分
を形成するのが困難になる。さらに、凹部の発生にとも
ない、その上に積層された電気的絶縁部分の両側の誘電
体層及び金属薄膜層が傾斜するようになり、そのために
誘電体層の33a、33b及び金属薄膜層の34a、3
4bでの積層厚みが局所的に薄くなる。誘電体層の積層
厚みが局所的に薄くなると、積層体をコンデンサとして
使用した場合、その部分の存在によりコンデンサの耐電
圧が下がってしまい、また、誘電体層のピンホールによ
り短絡を生じる。また、金属薄膜層の積層厚みが局所的
に薄くなると、その部分で耐電流特性の低下などを生じ
やすくなる。
【0022】従って、図1における電気的絶縁部分のず
れ量dの下限は、帯状の電気的絶縁部分の幅をWとした
ときW/20以上であることが好ましく、より好ましく
はW/10以上である。
【0023】一方、前記ずれ量dが大きすぎると、積層
体上面の凹部の解消効果が顕著にならないばかりか、コ
ンデンサとしての容量発生部分の大きさが小さくなる。
従って、ずれ量dの上限は、好ましくは4W以下、より
好ましくは2W以下である。
【0024】また、上記のずれ量dが、W/20〜4W
の範囲を満足する場合であっても、また満足しない場合
であっても、積層体全体で見たときの、ひとつおきの積
層単位の電気的絶縁部分の積層位置のばらつきの最大値
(最大ずれ幅、図1のD)が、下限が6W/5以上、特
に3W/2以上、上限が5W以下、特に4W以下である
ことが好ましい。最大ずれ幅Dが、この下限値を下回る
と、図3で説明したように、積層体上面に凹部32a、
32bが生じてしまい、パターニング材料の付着が困難
となり、また、コンデンサの耐電圧の低下や、誘電体層
の33a、33bでのピンホール、金属薄膜層の34
a、34bでの耐電流特性の低下などを生じやすくな
る。最大ずれ幅Dが、この上限値を上回ると、積層体上
面の凹部の解消効果が顕著にならないばかりか、コンデ
ンサとしての容量発生部分の大きさが小さくなる。
【0025】なお、上記のひとつおきの積層単位の電気
的絶縁部分の積層位置は、規則的にずれるものであって
もよく、また不規則にずれるもの(製造上の誤差を除
く)であってもよい。
【0026】隣接する積層単位の第1の金属薄膜層どう
し(例えば、13と13a)及び/又は第2の金属薄膜
層どうし(例えば、14と14a)は直接電気的に接続
していないことが好ましい。金属薄膜層どうしを直接接
続(接触)させることは、間に介在すべき誘電体層がな
くなることを意味し、これは、金属薄膜層が接続部に向
かって傾斜することになり、かかる傾斜部分で金属薄膜
層が薄くなって破断しやすくなるからである。
【0027】図4に、本発明の積層体の別の一例の厚み
方向(積層方向)断面図を示す。
【0028】本例の積層体40は、誘電体層41と、該
誘電体層の片面に積層された金属薄膜層42とからなる
積層単位44が複数層積層されてなる。誘電体層の片面
の一端に存在する帯状の電気的絶縁部分43には、金属
薄膜層42は存在しない。
【0029】さらに、隣接する積層単位の各電気的絶縁
部分が互いに逆側に位置することが必要である。即ち、
図4に示すように、積層単位44に積層単位44aが隣
接して積層されている場合に、積層単位44の電気的絶
縁部分43が誘電体層41の右端に存在する場合には、
積層単位44aの電気的絶縁部分43aは誘電体層41
aの左端に存在することが必要である。このように、電
気的絶縁部分の位置が逆側に位置するようにして積層単
位を順次積層することにより、外部電極を積層体の側部
に形成したときに(図17参照)、コンデンサを形成さ
せることができる。即ち、一方の外部電極を積層単位4
4の金属薄膜層42に接続し、他方の外部電極を隣接す
る積層単位44aの金属薄膜層42aに接続し、両外部
電極間に電位差を付与する。このとき、積層単位44の
金属薄膜層42と積層単位44aの金属薄膜層42aと
をそれぞれ電極とし、金属薄膜層42と金属薄膜層42
aとの間に挾まれた部分を誘電体(容量発生部分)とす
るコンデンサが形成される。かかる観点から、容量発生
部分の面積がなるべく大きくなるように、電気的絶縁部
分の幅をなるべく小さくするのが好ましい。
【0030】電気的絶縁部分の形状は、製造の容易性の
観点から一定の幅Wを有する帯状にする。図5に、図4
のII−II線矢印方向から見た断面図を示す。電気的絶縁
部分の幅Wは、特に制限はないが、0.03〜0.5m
m、更に0.05〜0.4mm、特に0.1〜0.3m
m程度にするのが、コンデンサの高容量化、電気絶縁性
の確保、製造の容易性等の観点から好ましい。
【0031】本発明の積層体では、ひとつおきの積層単
位の帯状の電気絶縁体の幅が、積層体全体でみたとき
に、全て同一幅でないことが必要である。即ち、図4の
ように、積層単位44の電気的絶縁部分43に対して、
ひとつおいた積層単位の電気的絶縁部分43bの幅を電
気的絶縁部分43と異なるものとする。あるいは、ひと
つおいた積層単位の電気的絶縁部分の幅は同一幅とし、
3つおいた積層単位の電気的絶縁部分の幅を変更するも
のであってもよい。
【0032】電気的絶縁部分の幅を全て同一幅とする
と、電気的絶縁部分が存在する端部は、金属薄膜層の積
層数が少ないために、積層体全体で見るとこの部分の積
層厚みが減少し、積層体上面に顕著な凹部が生じてしま
う。この凹部は、プリント基板への半田実装を行う場
合、ハンドリング性が悪くなり、半田の濡れ性にも悪影
響を及ぼすことがある。しかも、このような凹部が発生
すると、その凹部の深さが大きくなるにつれて、積層体
の製造過程において後述のパターニング材料を凹部の底
部に付着させるのが困難となり、一定幅を有した良好な
電気的絶縁部分を形成するのが困難になる。さらに、凹
部の発生にともない、その上に積層された電気的絶縁部
分の側部の誘電体層及び金属薄膜層が傾斜するようにな
り、そのために誘電体層及び金属薄膜層の積層厚みが局
所的に薄くなる。誘電体層の積層厚みが局所的に薄くな
ると、積層体をコンデンサとして使用した場合、その部
分の存在によりコンデンサの耐電圧が下がってしまい、
また、誘電体層のピンホールにより短絡を生じる。ま
た、金属薄膜層の積層厚みが局所的に薄くなると、その
部分で耐電流特性の低下などを生じやすくなる。
【0033】したがって、図4のように、積層体全体に
おいて、ひとつおきの積層単位の電気的絶縁部分の幅の
平均値をWAVE、最大値をWMAX、最小値をWMINとした
とき、(WMAX−WMIN)/WAVEがWAVE/5以上とする
のが好ましく、より好ましくはWAVE/3以上である。
【0034】一方、電気的絶縁部分の幅のばらつきが大
きくなり、(WMAX−WMIN)/WAVEが大きくなり過ぎ
ると、積層体上面の凹部の解消効果が顕著にならないば
かりか、コンデンサとしての容量発生部分の大きさが小
さくなる。したがって、(WMAX−WMIN)/WAVEの上
限は、好ましくはWAVE以下、より好ましくはWAVE/2
以下である。
【0035】なお、上記のひとつおきの電気的絶縁部分
の幅の変化は、規則的なものであってもよく、また、不
規則なもの(製造上の誤差を除く)であってもよい。
【0036】上記の図1、図4のいずれの積層体であっ
ても、誘電体層の厚み(容量発生部分での厚み)T1
(図1)、T3(図4)は、1μm以下である。より好
ましくは0.7μm以下、特に好ましくは0.4μm以
下である。誘電体層(容量発生部分)の厚みを薄くする
ことにより、コンデンサとして使用したときに、容量の
大きなコンデンサを得ることができる。
【0037】図1の積層体の第1の金属薄膜層及び第2
の金属薄膜層の厚みT2、及び図4の積層体の金属薄膜
層の厚みT4は、特に制限はないが、100〜500オ
ングストローム、特に200〜400オングストロー
ム、膜抵抗が10Ω/□以下、更に1〜8Ω/□、特に
2〜6Ω/□であることが好ましい。また、図1の両金
属薄膜の厚みは異なっていてもよいが、同一とするほう
が積層体全体の厚みの均一性を確保できるので好まし
い。
【0038】図1及び図4の積層体の積層単位は、積層
体の用途に応じて適宜決定すればよい。好ましくは10
0層以上の積層をした方がコンデンサが回路基板上で占
有する面積を小さくできる。それ以上については積層数
が多い方がよいということはなく、必要なコンデンサ容
量に応じた積層を行えばよい。積層数が多いほどコンデ
ンサとして使用したときに、容量の大きなコンデンサと
することができる。また、本発明の誘電体層は厚みが薄
いので、積層数を多くしても全体の厚みはさほど厚くな
らず、従来のフィルムコンデンサに比べて、同一体積で
あれば高容量の、同一静電容量であればより小さなコン
デンサを得ることが可能になる。
【0039】各積層単位の誘電体層の厚みT1(図
1)、T3(図4)と、金属薄膜層の厚みT2(図1)、
T4(図4)の比T1/T2、T3/T4は、いずれも20
以下、特に15以下としておくと、誘電体層のピンホー
ル等により対向する金属薄膜層が電気的に短絡した場合
に、過電流により当該金属薄膜層が焼失又は溶失して、
欠陥を除去するという自己回復機能が発現した場合に、
素子内部の欠陥の占める体積も小さくなるため、耐湿特
性等が要求される環境下等での特性の低下度が小さくな
るために好ましい。
【0040】誘電体層の材料としては、厚さ1μm以下
に積層でき、誘電体として良好に機能し得るものであれ
ば特に制限はないが、例えば、アクリレート樹脂又はビ
ニル樹脂を主成分とするのが好ましい。具体的には、多
官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能ビニルエー
テルモノマーの重合体が好ましく、中でも、ジシクロペ
ンタジエンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサ
ンジメタノールジビニルエーテルモノマー等の重合体若
しくは炭化水素基を置換したモノマーの重合体が、電気
特性の点で好ましい。
【0041】金属薄膜層の材料としては、例えば、A
l、Cu、Zn、Sn、Au、Ag、Ptからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種であることが好ましく、中で
も、Alが、接着性と経済性の点で好ましい。なお、金
属薄膜層の耐湿性を向上させるために樹脂層の表面を酸
化させておくのが好ましい場合もある。
【0042】誘電体層の表面粗さRa(十点平均粗さ)
は、0.1μm以下、特に0.02μm以下であるのが
好ましい。また、金属薄膜層の表面粗さRa(十点平均
粗さ)は、0.1μm以下、特に0.02μm以下であ
るのが好ましい。表面粗さが大きすぎると、表面の微小
突起部に電界集中が生じて、誘電体層の破壊や金属薄膜
層の焼失が生じることがある。なお、従来のフィルムコ
ンデンサでは、フィルムの滑りを良くして搬送性を確保
したり、フィルム同士のブロッキングを防止するため
に、フィルム中に外部粒子(例えば、シリカ等の無機粒
子又は有機粒子)を混入させ一定以上の表面粗さを確保
していた。本発明の積層体は、後述の製造方法を採る限
り、上記の理由で外部粒子を混入させる必要はなく、従
って電気特性の良好な積層体を得ることができる。本発
明の表面粗さRa(十点平均粗さ)の測定は、先端径が
10μmのダイアモンド針を用い、測定荷重が10mg
の接触式表面粗さ計で測定したものである。
【0043】誘電体層の硬化度は50%以上、特に誘電
体層形成直後の積層体の状態で50〜75%、コンデン
サ等の最終形態とした状態で90%以上であることが、
それぞれのハンドリング性、特性の安定性の点で好まし
い。硬化度は、例えば誘電体層として樹脂を使用する場
合、その重合及び/又は架橋の程度を意味する。硬化度
が上記範囲より小さいと、積層体の製造過程におけるプ
レス又は積層体の実装工程における外力等が加わると容
易に変形したり、金属薄膜層の破断又は短絡等を生じて
しまう。一方、硬化度が上記範囲より大きいと、外部電
極を形成する場合の溶射金属粒子が金属薄膜層間に侵入
しにくくなって外部電極の付着強度を弱めたり、後述の
積層体の製造過程においてキャンローラから円筒状の積
層体の連続体を取り外す場合、または、プレスして平板
状の積層体母素子を得る場合などに割れるなどの問題が
生じることがある。本発明の硬化度は、赤外分光硬度計
でC=O基の吸光度とC=C基(1600cm-1)の比
をとり、各々のモノマーと硬化物の比の値をとり、減少
分吸光度を1から引いたものを硬化度とした。
【0044】(実施の形態2)次に、積層体の少なくと
も片側に補強層が積層された場合について説明する。
【0045】補強層は、積層体、又はこれを用いた電子
部品、特にコンデンサの製造過程において、あるいはこ
れをプリント基板等に実装する過程において、上記の積
層体部分が熱負荷や外力により損傷を受けるのを防止す
るのに有効である。さらに、補強層が後述するように金
属層を有していることにより、外部電極(図11、17
参照)の付着強度を高めるのに有効である。即ち、外部
電極の付着強度は、金属薄膜層との接続強度の如何に左
右され、誘電体層との接続強度は余り寄与しない。従っ
て、金属層が存在する補強層とすることで、コンデンサ
としたときの外部電極の付着強度は大幅に向上する。な
お、補強層は、例えば外部電極を形成してコンデンサと
して使用した場合にコンデンサの容量発生部分として機
能してもよいが、機能しない方がコンデンサの設計等は
容易になる。
【0046】補強層は、上記の積層体の少なくとも片側
に設ければ上記効果を奏するが、両側に設ければ積層体
の保護及び外部電極の付着強度の向上に対してより効果
的である。
【0047】補強層は、上記の積層体に接して積層して
もよく、他の層を介在させて積層してもよい。
【0048】補強層が上記の効果を十分に発現するため
には、その厚み(片面側全体の厚み)は20μm以上、
さらには50〜500μm、特に100〜300μmで
あるのが好ましい。
【0049】図6は、実施の形態1で説明した図1の積
層体11の両面に補強層50a、50bを積層した例の
厚み方向(積層方向)断面図である。
【0050】図6に示す補強層は、樹脂層51と、この
片面に積層された第1の金属層52及び第2の金属層5
3とからなる積層単位54を少なくとも一層以上積層し
たものである。第1の金属層52と第2の金属層53と
は、電気絶縁帯55により区別される。
【0051】金属層は、電気絶縁帯55により、第1の
金属層52と第2の金属層53とに区別される。電気絶
縁帯がないと、外部電極(図11、17参照)を設けた
ときに、かかる金属層を介して両外部電極が短絡してし
まう。
【0052】電気絶縁帯の配置位置は特に制限はない
が、図6に示すように、補強層の略中央部に配するのが
好ましい。積層体11の電気的絶縁部分とほぼ同位置に
配すると、積層体上面に生じる凹部が大きくなり、プリ
ント基板への半田実装を行う場合、ハンドリング性が悪
くなり、半田付け時の絶縁性にも悪影響を及ぼすことが
ある。しかも、このような凹部が発生すると、その凹部
の深さが大きくなるにつれて、後述のパターニング材料
を凹部の底部に付着するのが困難となり、一定幅を有し
た良好な電気的絶縁部分や電気絶縁帯を形成するのが困
難になる。さらに、凹部の発生にともない、その上に積
層された電気的絶縁部分の両側の誘電体層及び金属薄膜
層が傾斜するようになり、そのために積層厚みが薄くな
って、コンデンサとしての耐電圧の低下や、誘電体層の
ピンホール、金属薄膜層の耐電流特性の低下などを生じ
やすくなる。
【0053】電気絶縁帯の形状は、第1の金属層52と
第2の金属層53とを電気的に絶縁するものであれば特
に制限はないが、本実施の形態では製造の容易性等の観
点から一定幅W1を有する帯状のものとした。図7に、
図6のIII−III線矢印方向から見た断面図を示す。
【0054】補強層は、積層単位54が少なくとも1層
以上積層されていればよいが、2層以上積層する場合、
補強層全体(積層体11の両面に積層する場合は片面側
の補強層全体)でみたときに、電気絶縁帯の積層位置が
同一でないことが好ましい。例えば、隣接する積層単位
の電気絶縁帯の積層位置をずらしておくのが好ましい。
電気絶縁帯が一定幅W1を有する帯状としたとき、図6
に示したように、隣接する積層単位の電気絶縁帯の積層
位置のずれ量d1をW1/20以上とするのがよい。ずれ
量d1の下限値は好ましくはW1/15以上、特に好まし
くはW1/10以上であり、上限値は好ましくは4W1
下、特に好ましくは2W1以下である。なお、隣接する
積層単位の電気絶縁帯の積層位置は同一にしておいて、
ひとつおき(又は2つおき、又はそれ以上)の積層単位
の電気絶縁帯の積層位置を上記のずれ量d1だけずらし
ておいてもよい。
【0055】ずれ量d1が下限値以下であると、積層体
表面の電気絶縁帯部分に凹部が生じ、プリント基板への
半田実装を行う場合、ハンドリング性が悪くなることが
ある。しかも、このような凹部が発生すると、その凹部
の深さが大きくなるにつれて、後述のパターニング材料
を凹部の底部に付着するのが困難となり、一定幅を有し
た良好な電気絶縁帯や電気的絶縁部分を形成するのが困
難になる。さらに、凹部の発生にともない、その上に積
層された電気的絶縁部分の両側の誘電体層及び金属薄膜
層が傾斜するようになり、そのために積層厚みが薄くな
って、コンデンサとしての耐電圧の低下や、誘電体層の
ピンホール、金属薄膜層の耐電流特性の低下などを生じ
やすくなる。
【0056】ずれ量d1が大きすぎると、積層体上面の
凹部の解消効果が顕著にならないばかりか、電気絶縁帯
の積層位置が積層体1の電気的絶縁部分の積層位置に一
致するようになると、積層体表面に凹部が生じて上述の
問題を生ずる。
【0057】また、補強層全体(積層体11の両面に積
層する場合は片面側の補強層全体)でみたときの電気絶
縁帯の積層位置のばらつきの最大値(最大ずれ幅)D1
(図6参照)は、下限が6W1/5以上、特に3W1/2
以上、上限が5W1以下、特に4W1以下であることが好
ましい。最大ずれ幅D1が、この下限値を下回ると、積
層体上面に凹部が生じてしまい、上記の問題が生じる。
ずれ幅D1が、この上限値を上回ると、積層体上面の凹
部の解消効果が顕著にならないばかりか、電気絶縁帯の
積層位置が積層体1の電気的絶縁部分の積層位置に一致
するようになると、積層体表面に凹部が生じて上述の問
題を生ずる。
【0058】図8は、実施の形態1で説明した図1の積
層体11の両面に、図6とは異なる積層形態を有する補
強層60a、60bを積層した例の厚み方向(積層方
向)断面図である。
【0059】図8に示す補強層は、樹脂層61と、前記
樹脂層の片面に積層された金属層62とからなる積層単
位64を少なくとも1層以上積層してなる。前記樹脂層
表面の一端に存在する帯状の電気絶縁帯部分63には金
属層は存在しない。電気絶縁帯がないと、外部電極(図
11、17参照)を設けたときに、かかる金属層を介し
て両外部電極が短絡してしまう。
【0060】電気絶縁帯の形状は、特に制限はないが、
本実施の形態では製造の容易性等の観点から一定幅を有
する帯状のものとした。図9に、図8のIV−IV線矢印方
向から見た断面図を示す。
【0061】補強層は、積層単位64が少なくとも1層
以上積層されていればよいが、2層以上積層する場合、
補強層全体(積層体11の両面に積層する場合は片面側
の補強層全体)でみたときに、電気絶縁帯の幅が同一で
ないことが好ましい。例えば、図8に示すように、ある
電気絶縁帯に対して、隣接する積層単位の電気絶縁帯の
幅を変え、さらに隣接する積層単位の電気絶縁帯の幅を
変え、以下同様にして電気絶縁帯の幅を順次変えてい
く。あるいは、連続する2つ(あるいはそれ以上)の積
層単位の電気絶縁帯の幅は同一幅とし、3つ目(あるい
はそれ以上)の積層単位の電気絶縁帯の幅を変更するも
のであってもよい。
【0062】電気絶縁帯の幅を全て同一幅とすると、電
気絶縁帯が存在する端部は、金属層の積層数が少ないた
めに、積層体全体で見るとこの部分の積層厚みが減少
し、積層体上面に顕著な凹部が生じてしまう。この凹部
は、プリント基板への半田実装を行う場合、ハンドリン
グ性が悪くなり、半田の濡れ性にも悪影響を及ぼすこと
がある。しかも、このような凹部が発生すると、その凹
部の深さが大きくなるにつれて、積層体の製造過程にお
いて後述のパターニング材料を凹部の底部に付着させる
のが困難となり、一定幅を有した良好な電気絶縁帯や電
気的絶縁部分を形成するのが困難になる。さらに、凹部
の発生にともない、その上に積層された積層体部分11
の電気的絶縁部分の側部の誘電体層及び金属薄膜層が傾
斜するようになり、そのために誘電体層及び金属薄膜層
の積層厚みが局所的に薄くなる。誘電体層の積層厚みが
局所的に薄くなると、積層体をコンデンサとして使用し
た場合、その部分の存在によりコンデンサの耐電圧が下
がってしまい、また、誘電体層のピンホールにより短絡
を生じる。また、金属薄膜層の積層厚みが局所的に薄く
なると、その部分で導電不良などを生じやすくなる。
【0063】したがって、図8のように、補強層全体
(積層体11の両面に積層する場合は片面側の補強層全
体)において、電気絶縁帯の幅の平均値をW1AVE、最大
値をW 1MAX、最小値をW1MINとしたとき、(W1MAX−W
1MIN)/W1AVEがW1AVE/5以上とするのが好ましく、
より好ましくはW1AVE/3以上である。
【0064】一方、電気的絶縁部分の幅のばらつきが大
きくなり、(W1MAX−W1MIN)/W 1AVEが大きくなり過
ぎると、積層体上面の凹部の解消効果が顕著にならな
い。したがって、(W1MAX−W1MIN)/W1AVEの上限
は、好ましくはW1AVE以下、より好ましくはW1AVE/2
以下である。
【0065】なお、上記の電気絶縁帯の幅の変化は、規
則的なものであってもよく、また、不規則なもの(製造
上の誤差を除く)であってもよい。
【0066】補強層の樹脂層の厚みT5(図6)、T7
(図8)は、図1又は図4の積層体の誘電体層の厚みT
1(図1)、T3(図4)より厚いことが好ましい。ま
た、補強層の金属層の厚みT6(図6)、T8(図8)
は、図1又は図4の積層体の金属薄膜層の厚みT2(図
1)、T4(図4)より厚いことが好ましい。このよう
に、各層の厚みを厚くした補強層とすることにより、後
述する外部電極(図11、図17参照)を設けたとき
に、外部電極の付着強度を高めることができる。外部電
極は、溶射等により形成するが、この溶射金属の粒子は
比較的粗く、積層体11、40の金属薄膜層の間に十分
に侵入しにくい。しかし、誘電体層の厚みはコンデンサ
としたときの容量を確保する観点から厚くすることはで
きない。そこで、樹脂層の厚みを厚くすることで、溶射
金属の侵入を容易にし、外部電極の付着強度を容易に高
めることができる。また、側面に露出した金属層の厚み
が厚いほど引っ張り強度が強くなるから、金属層の厚み
を厚くすることで、外部電極の付着強度を高めることが
できる。
【0067】具体的には、樹脂層の厚みT5、T7は、
0.1〜1μm、特に0.1〜0.6μmであるのが好
ましい。また、金属層の厚みT6、T8は、100〜50
0オングストローム、特に200〜400オングストロ
ーム、膜抵抗が1〜10Ω/□、特に2〜6Ω/□であ
ることが好ましい。図6の第1の金属層と第2の金属層
の厚みは異なっていてもよいが、同一とするほうが積層
体全体の厚みの均一性を確保できるので好ましい。
【0068】補強層の樹脂層及び金属層の材料は特に制
限はないが、それぞれ誘電体層及び金属薄膜層に使用さ
れる材料とすると製造能率の点では好ましい。一方、外
部電極との付着強度を調整するため、または、積層体全
体の硬度や機械的強度を調整するため等を目的として、
誘電体層及び金属薄膜層に使用される材料と異なる材料
を用いることももちろん可能である。
【0069】補強層の樹脂層の硬化度は50%以上、特
に補強層形成直後の状態で50〜75%、コンデンサ等
の最終形態とした状態で90%以上であることが、それ
ぞれのハンドリング性、特性の安定性の点で好ましい。
硬化度が上記範囲より小さいと、積層体の製造過程にお
けるプレス又は積層体の実装工程における外力等が加わ
ると容易に変形してしまう。一方、硬化度が上記範囲よ
り大きいと、外部電極を形成する場合の溶射金属粒子が
金属層間に侵入しにくくなって外部電極の付着強度を弱
めたり、後述の積層体の製造過程においてキャンローラ
から円筒状の積層体の連続体を取り外す場合、または、
プレスして平板状の積層体母素子を得る場合などに割れ
るなどの問題が生じることがある。
【0070】なお、図6、図8において図1の積層体1
1の代わりに図4の積層体40を用いて、同様に補強層
を設けることができる。その場合、上記の説明は、必要
により図4の積層体40の構成要素に読み替えてそのま
ま適用できる。
【0071】(実施の形態3)次に、積層体の少なくと
も一方の表面に樹脂外層を設けた場合について説明す
る。
【0072】図10は、図1の積層体11の両表面に樹
脂外層65a、65bを積層した例の厚み方向(積層方
向)断面図である。
【0073】かかる樹脂外層は、積層体、又はこれを用
いた電子部品、特にコンデンサの製造過程において、あ
るいはこれをプリント基板等に実装する過程において、
積層体11の部分が熱負荷や外力により損傷を受けるの
を防止するのに有効である。
【0074】樹脂外層は、積層体11の少なくとも片面
に設ければ、上記効果を奏するが、両面に設ければ積層
体11の保護により効果的である。
【0075】樹脂外層の厚みは特に制限はなく、積層体
がさらされる環境等から適宜決定することができるが、
上記の効果を十分に発現するためには、通常2μm以
上、さらには3〜100μm、特に5〜20μmである
のが好ましい。
【0076】なお、図10の例では、積層体11に直接
樹脂外層を設けたが、積層体11との間に実施の形態2
で説明した補強層を介して積層することも可能である。
このような実施形態にすれば、積層体11の保護機能が
向上するのみならず、外部電極(図11参照)の付着強
度を高めることが可能になる。また、補強層以外の層を
介して積層してもよい。
【0077】樹脂外層の材料は特に制限はないが、それ
ぞれ誘電体層及び/又は樹脂層に使用される材料とする
と製造能率は向上する。一方、樹脂外層に特定の機能を
付与するために、誘電体層及び/又は樹脂層に使用され
る材料とは異なる材料を用いることもできる。例えば、
エポキシ系樹脂を使用すると、補強層との密着性が高ま
るので好ましい。
【0078】また、樹脂外層を特定の色に着色すること
もできる。これにより、電子部品としてプリント配線基
板に実装する際のパターン認識の認識精度が向上した
り、各製品の判別が容易になったりする。着色は、例え
ば、顔料等の着色剤を混入させたり、外表面を塗料等で
塗装したりすればよい。また、必要に応じて樹脂外層を
透明にすることもできる。
【0079】樹脂外層の硬化度は50%以上、特に樹脂
外層形成直後の積層体の状態で50〜75%、コンデン
サ等の最終形態とした状態で90%以上であることが、
それぞれのハンドリング性、特性の安定性の点で好まし
い。硬化度が上記範囲より小さいと、積層体の製造過程
におけるプレス又は積層体の実装工程における外力等が
加わると容易に変形してしまう。一方、硬化度が上記範
囲より大きいと、後述の積層体の製造過程においてキャ
ンローラから円筒状の積層体の連続体を取り外す場合、
または、プレスして平板状の積層体母素子を得る場合な
どに割れるなどの問題が生じることがある。
【0080】なお、図10において図1の積層体11の
代わりに図4の積層体40を用いて、同様に樹脂外層を
設けることができる。その場合、上記の説明は、必要に
より図4の積層体40の構成要素に読み替えてそのまま
適用できる。
【0081】(実施の形態4)次に、積層体の側面に外
部電極を形成した場合について説明する。
【0082】図11は、外部電極71a、71bを積層
体の側面に形成した例を示した概略斜視図である。図1
1の外部電極が付与された積層体は、積層体部分72の
両面に補強層73a、73bが積層され、更にその上に
樹脂外層74a、74bが積層されている。積層体部分
72としては実施の形態1の図1で説明した積層体11
を用い、補強層73a、73bとしては実施の形態2の
図6で説明した補強層50a、50bを用い、樹脂外層
74a、74bとしては実施の形態3の図10で説明し
た樹脂外層65a、65bを、それぞれ用いている。
【0083】外部電極71a、71bは、それぞれ積層
体72の第1の金属薄膜層及び第2の金属薄膜層と電気
的に接続されている。
【0084】外部電極は、例えば黄銅等を金属溶射して
形成することができる。この際、溶射金属種を変更して
2層以上からなる外部電極とすることもできる。例え
ば、下地層として積層体との付着強度が良好な金属を溶
射した後、上層として、さらにこの上層の上に接触(積
層)させる各種金属又は樹脂との接着性が良好な金属を
選択して溶射することができる。
【0085】さらに、この上に実装時の半田付け性等を
考慮して、溶融半田めっき、溶解すずめっき、無電解半
田めっき等を施してもよい。その際、下地層として、金
属溶射層上に、熱硬化性フェノール樹脂中に銅粉等を分
散した導電性ペーストを塗布し加熱硬化した層、あるい
は銅/リン/銀からなる合金の金属溶射層などを形成し
ておいてもよい。
【0086】また、外部電極にバンプ電極を設けてもよ
い。これにより、回路基板への実装がより容易になる。
バンプ電極としては、周知の材料、形状のものから適宜
選択して設けることができる。
【0087】さらに、用途に応じて必要な外装を施すこ
とができる。例えば、積層体の耐湿性の向上や、露出し
た金属薄膜層及び/又は金属層の保護を目的として、シ
ランカップリング剤等の表面処理剤を厚さ数十オングス
トローム程度にコーティングしたり、金属薄膜層が露出
している面に、光あるいは熱硬化性樹脂を厚さ数百μm
程度に塗布し、硬化した層を設けたりすることができ
る。
【0088】かくして得られた積層体は、チップコンデ
ンサ、チップコイル、チップ抵抗及びそれらの複合素子
部品等の用途に使用することができるが、中でもコンデ
ンサ等の電子部品に好適に使用することができる。特
に、本発明の積層体は小さいながら高容量のコンデンサ
となるため、チップコンデンサとして使用した場合にそ
の実用的価値は高い。
【0089】なお、図11において積層体72として図
1の積層体11の代わりに図4の積層体40を用いるこ
ともできる。その場合、上記の説明は、必要により図4
の積層体40の構成要素に読み替えてそのまま適用でき
る。また、補強層73a、73bとして図6の補強層5
0a、50bの代わりに図8の補強層60a、60bを
用いることもできる。その場合、上記の説明は、必要に
より図8の補強層60a、60bの構成要素に読み替え
てそのまま適用できる。
【0090】(実施の形態5)次に、本発明の積層体の
製造方法について説明する。
【0091】図12は、本発明の積層体の製造方法を実
施するための製造装置の一例を模式的に示した概略図で
ある。
【0092】一定の角速度又は周速度で、図中の矢印方
向に回転するキャンローラ81の下部に金属蒸着源84
が配され、これに対してキャンローラ81の回転方向下
流側に樹脂蒸発源82が、上流側にパターニング材料付
与装置83がそれぞれ配されている。
【0093】また、本例では、金属蒸着源84と樹脂蒸
発源82との間にパターニング材料除去装置87が、樹
脂蒸発源82とパターニング材料付与装置83との間に
樹脂硬化装置88及び樹脂表面処理装置89が、それぞ
れ配されているが、これらは必要に応じて設ければよ
く、本発明では必須ではない。
【0094】これらの装置は、真空容器85内に納めら
れ、その内部は真空ポンプ86により真空に保たれる。
【0095】キャンローラ81の外周面は、平滑に、好
ましくは鏡面状に仕上げられており、好ましくは−20
〜40℃、特に好ましくは−10〜10℃に冷却されて
いる。回転速度は自由に設定できるが、15〜70rp
m程度である。
【0096】金属蒸発源84は、キャンローラ81表面
に向けて金属蒸着を可能とするものであり、積層体の金
属薄膜層及び補強層の金属層を形成する。蒸着金属とし
ては例えばAl、Cu、Zn、Sn、Au、Ag、Pt
からなる群から選ばれた少なくとも一種が使用される。
なお、蒸着に代えて、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング等周知の手段で金属薄膜を形成してもよい。
【0097】樹脂蒸発源82は、キャンローラ81表面
に向けて反応性モノマー樹脂を蒸発気化させるものであ
り、該樹脂が堆積して誘電体層、補強層の樹脂層、及び
樹脂外層を形成する。
【0098】堆積した反応性モノマー樹脂は、必要に応
じて樹脂硬化装置88により重合及び/又は架橋され、
所望の硬化度に硬化して薄膜を形成する。樹脂硬化装置
としては、例えば電子線照射装置又は紫外線照射装置等
を用いることができる。
【0099】形成された樹脂薄膜は、必要に応じて樹脂
表面処理装置89により表面処理される。例えば、酸素
プラズマ処理等を行って、樹脂層表面を活性化させて金
属薄膜との接着性を向上させることができる。
【0100】パターニング材料付与装置83は、パター
ニング材料を樹脂薄膜表面に所定の形状に堆積させるた
めのものである。パターニング材料が堆積した箇所には
金属薄膜は形成されない。パターニング材料としては、
例えばオイルが使用できる。パターニング材料の付与の
手段は、蒸発気化させたパターニング材料をノズルから
噴射して樹脂薄膜表面で液化させる方法、または液状の
パターニング材料を噴射する方法等の非接触付着手段の
他、リーバースコート、ダイコート等の塗布による方法
があるが、本発明では、樹脂表面に外力が付与されない
点で非接触付着手段が好ましく、中でも比較的構造が簡
単な点で蒸発させたパターニング材料を樹脂薄膜表面で
液化させる方法が好ましい。
【0101】図13に、パターニング材料付与装置の一
例として、蒸発させたオイルを噴射して、樹脂薄膜表面
に帯状のオイル膜を付与するパターニング材料付与装置
の概略斜視図を示す。パターニング材料付与装置83の
面91が、キャンローラ81の外周面の法線に垂直とな
るように配される。面91上には、気化したオイルが噴
出されるノズル92が所定の間隔で、所定の数だけ配さ
れている。ノズル92の形状は、図13のように円形の
ほか、楕円状、角型状、あるいは円形、楕円状又は角型
状のものをキャンローラ表面の移動方向に複数個配した
もの等であってもよい。
【0102】パターニング材料付与装置83により付与
されたパターニング材料は、必要に応じてパターニング
材料除去装置87により除去される。パターニング材料
付与装置によって付着したパターニング材料の大部分は
金属薄膜の形成の際に再蒸発して消失してしまう。しか
しながら、一部は金属薄膜層の形成後も残存し、積層表
面の荒れ、誘電体層や金属薄膜層のピンホール(積層抜
け)、金属薄膜層の積層領域の不安定化等の問題が生じ
る。本来、パターニング材料は、金属薄膜層の形成後に
は残存しないように必要最小限の付着量にするべきであ
るが、わずかでも不足すると金属薄膜層の非積層部が意
図するように形成されず、その制御は極めて困難であ
る。そこで、金属薄膜層の積層後であって、誘電体層の
積層前に残存するパターニング材料を除去するのが好ま
しい場合がある。
【0103】パターニング材料の除去手段は特に制限は
ないが、例えばパターニング材料がオイルの場合は、ヒ
ーターによる加熱蒸発、又はプラズマ照射による分解除
去、あるいはこれらの組み合わせにより行うことができ
る。このとき、プラズマ照射は、酸素プラズマ、アルゴ
ンプラズマ、窒素プラズマ等が使用できるが、この中で
も特に酸素プラズマが好ましい。
【0104】本発明の積層体は、樹脂蒸発源82を用い
て樹脂材料を付着させて誘電体層を形成する工程と、前
記誘電体層上にパターニング材料付与装置83によりパ
ターニング材料を帯状に付着させる工程と、金属蒸着源
84により金属薄膜層を積層する工程とを一単位とし
て、これを所定回数繰返すことにより製造される。
【0105】このとき、2n回目(nは自然数)のパタ
ーニング材料の付着位置を2n−1回目のパターニング
材料の付着位置と異ならせるとともに、2n回目のパタ
ーニング材料の付着位置を全て同一位置にせず、また、
2n−1回目のパターニング材料の付着位置を全て同一
位置にしないようにする。これにより、誘電体層の非端
部に電気的絶縁部分が帯状に形成され、隣接する積層単
位の電気的絶縁部分の積層位置が異なるとともに、ひと
つおきの積層単位の電気的絶縁部分の積層位置が積層体
全体で同一でない積層体が製造できる。あるいは、誘電
体層の一端に電気的絶縁部分が帯状に形成され、隣接す
る積層単位の電気的絶縁部分が互いに逆側に位置するよ
うに積層されており、ひとつおきの積層単位の電気的絶
縁部分の幅が積層体全体で同一でない積層体が製造でき
る。
【0106】さらに、帯状のパターニング材料の付着幅
をWとしたとき、2n+1回目のパターニング材料の付
着位置を2n−1回目のパターニング材料の付着位置に
対してW/20〜4Wの範囲内でずらし、かつ、2n+
2回目のパターニング材料の付着位置を2n回目のパタ
ーニング材料の付着位置に対してW/20〜4Wの範囲
内でずらすことが好ましい。これにより、帯状の電気的
絶縁部分の幅をWとしたとき、ひとつおきの積層単位の
電気的絶縁部分の積層位置のずれ量がW/20以上、4
W以下の積層体が製造できる。
【0107】さらに、2n回目のパターニング材料の付
着位置のばらつきの最大値、及び2n−1回目のパター
ニング材料の付着位置のばらつきの最大値を、いずれも
6W/5〜5W(Wは帯状のパターニング材料の付着
幅)とするのが好ましい。これにより、ひとつおきの積
層単位の電気的絶縁部分の積層位置のばらつきの最大値
が、積層体全体でみたとき、6W/5以上、5W以下の
積層体が製造できる。
【0108】本発明の積層体の製造過程において、積層
単位が順次積層されていくにつれて積層厚みが厚くなる
ため、パターニング材料を塗布等により直接付着してい
る場合はもちろん、非接触で付着している場合であって
も、パターニング材料付与装置83を積層が進むにつれ
て後退させるのが好ましい。即ち、図12において、キ
ャンローラ81上に形成されつつある積層体の外周面と
パターニング材料付与装置のノズル端との距離Dnを常
に一定間隔に維持しながら積層していくのが好ましい。
これは、特に気化させたオイルを噴射して付着させるよ
うな場合には、パターニング材料が一定の指向性をもっ
て拡散するため、距離Dnの変動により付着幅が変動
し、所定幅の電気的絶縁部分を安定的に得られないため
である。
【0109】パターニング材料付与装置の後退及びパタ
ーニング材料の付着位置の変更は、例えば図14に示す
装置により実現できる。
【0110】まず、パターニング材料付与装置の後退は
以下により行われる。即ち、可動ベース101上にアク
チュエータA102が固定されており、アクチュエータ
A102の移動端にパターニング材料付与装置83が取
り付けられている。パターニング材料付与装置83は、
アクチュエータA102により、可動ベース101上で
矢印103方向に移動可能に設置されている。パターニ
ング材料付与装置83には、キャンローラ81表面(積
層体形成過程においては、積層体外周面)との距離を測
定するギャップ測定装置104が設置されている。ギャ
ップ測定装置104としては、例えばレーザを利用した
非接触測距装置が利用できる。ギャップ測定装置104
は、積層体の製造中、常にキャンローラ81表面の積層
体の外周面との距離を測定しており、その信号はギャッ
プ計測回路105に送られる。ギャップ計測回路105
は、パターニング材料付与装置83のノズル端とキャン
ローラ81表面(積層体形成過程においては、積層体外
周面)との距離が所定範囲内にあるかどうかを常時チェ
ックし、積層が進んで該距離が所定範囲より小さいと判
断した場合には、アクチュエータA102に対してパタ
ーニング材料付与装置83を所定量後退させるよう指示
し、これに基づきパターニング材料付与装置83が所定
量後退する。かくして、パターニング材料付与装置83
のノズル端とキャンローラ81上の積層体外周面との距
離Dnが常に一定間隔に維持されながら積層が進行す
る。
【0111】なお、上記のようなギャップ測定装置10
4及びギャップ計測回路105を用いた制御を行わず
に、キャンローラ81の回転数(例えば1回転)に応じ
て、積層厚さに基づき予め設定した量だけ順次後退する
ようにしたものであってもよい。また、これに上記のギ
ャップ測定装置104による距離計測を確認のために併
用して、適宜微調整を加えるものでも良い。
【0112】次に、パターニング材料の付着位置の変更
は以下により行われる。即ち、固定ベース106上にア
クチュエータB107が固定されており、アクチュエー
タB107の移動端に前記可動ベース101が取り付け
られている。可動ベース101は、アクチュエータB1
07により、固定ベース106上で矢印108方向に移
動可能に設置されている。キャンローラ81の回転は回
転検出器(図示せず)により監視されており、キャンロ
ーラ81が1回転するごとに回転信号S1が回転検出回
路109に送られる。回転検出回路109は、回転信号
S1を所定回数(例えば1回)検知するたびに、アクチ
ュエータB107に対して可動ベース101を矢印10
8方向の所定の向きに所定量移動させるよう指示し、こ
れに基づき可動ベース101、即ちパターニング材料付
与装置83が矢印108方向の所定の向きに所定量移動
する。かくして、パターニング材料の付着位置は、キャ
ンローラ81が所定回数回転するごとに、キャンローラ
81表面の回転移動方向と直角方向に、所定量だけ変更
される。
【0113】以上の工程により、キャンローラ81の外
周面に、誘電体層と電気的絶縁部分により区別された金
属薄膜層とが順次積層された積層体の円筒状連続体が形
成される。所定回数の積層が完了すると、積層体の円筒
状連続体を半径方向に分割(例えば、45°ごとに8分
割)して、キャンローラ81から取り外し、それぞれ加
熱・加圧プレスをすることにより平板状の積層体母素子
を得る。
【0114】図15は、かくして得られた平板状の積層
体母素子の概略構成を示した一部斜視図である。図中、
矢印111方向は、キャンローラ81上での移動方向
(円周方向)を示している。
【0115】図示したように、積層体母素子110は、
誘電体層112と、電気的絶縁部分114により区別さ
れる金属薄膜層113とが順次積層されている。その
後、切断面115a、115bで切断することにより、
図1に示すようにしたような積層体が得られる。
【0116】また、図16に示すように、同様にして得
た積層体母素子110´を、切断面を116a、116
bに変更して切断すれば、図4に示すような積層体が得
られる。
【0117】なお、実施の形態2で示したような補強層
を積層する場合には、図12の装置において、積層の最
初又は最後の段階で、所望する電気絶縁帯の積層位置に
パターニング材料が付与されるように、パターニング材
料付与装置を移動(図14の矢印108方向の所定位置
に移動)させて、所定回数キャンローラー81を回転さ
せればよい。樹脂層及び/又は金属層の厚みを、誘電体
層及び/又は金属薄膜層の厚みと異なるものとするに
は、キャンローラ81の回転速度を調節するか、あるい
は、樹脂蒸発源82及び/又は金属蒸着源84に遮蔽板
を設けて、複数回転ごとに樹脂層又は金属層を積層する
ようにすれば、容易に実現できる。
【0118】また、実施の形態3で示したような樹脂外
層を積層する場合には、図12の装置において、積層の
最初又は最後の段階で、金属蒸着源84を遮蔽するか金
属蒸着を停止させた状態で、所定回数キャンローラ81
を回転させて樹脂層のみを積層させることで実現でき
る。
【0119】なお、図12の装置では、円筒状のキャン
ローラ81上に積層体を形成したが、積層体を形成させ
る支持体はこれに限られず、真空装置内で周回するもの
であれば構わない。例えば、複数本のロールの間を周回
するベルト状支持体上に積層体を形成することもでき
る。ベルト状支持体としては、金属、樹脂、布帛、ある
いはこれらの複合体などからなるものが使用できる。ま
た、回転する円盤も使用できる。この場合、電気的絶縁
部分を形成するときは、同心円状に形成される。
【0120】このように、本発明の積層体の製造方法に
よれば、本発明の積層体を簡便な方法で、効率よく、安
価に製造することができる。
【0121】
【実施例】次ぎに、本発明を具体的な実施例に基づいて
説明する。
【0122】(実施例1)図12に示す装置を用いて積
層体を製造した。真空容器85内は2×10-4Torr
とし、キャンローラ81はその外周面を5℃に維持して
ある。
【0123】まず最初に、樹脂外層となる部分をキャン
ローラ81の外周面に積層させた。樹脂外層材料として
ジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用
い、これを気化してキャンローラ81の外周面に堆積さ
せた。次いで樹脂硬化装置88として、紫外線硬化装置
を用い、上記により堆積させた樹脂外層材料を重合し、
硬化させた。この操作を、キャンローラ81を回転させ
ることにより繰返し、キャンローラ81外周面に厚さ1
5μmの樹脂外層を形成した、次いで、補強層となる部
分を積層させた。樹脂層材料は、上記の樹脂外層材料と
同じものを用い、これを気化して樹脂外層上に堆積させ
た。次いで樹脂硬化装置88として、紫外線硬化装置を
用い、上記により堆積させた樹脂層材料を重合し、硬化
させた。このとき形成された樹脂層は0.6μmであ
る。その後、樹脂表面処理装置89により、表面を酸素
プラズマ処理した。次ぎに、パターニング材料付与装置
83により電気絶縁帯に相当する部分にパターニング材
料を付着させた。パターニング材料としては、フッ素系
オイルを使用し、これを気化させて直径50μmのノズ
ルより噴出させて、幅150μmの帯状に付着させた。
次ぎに、金属蒸発源84からアルミニウムを金属蒸着さ
せた。蒸着厚みは300オングストローム、膜抵抗4Ω
/□である。その後、パターニング材料除去装置87に
より、遠赤外線ヒータによる加熱及びプラズマ放電処理
により残存したパターニング材料を除去した。以上の操
作を、キャンローラ81を回転させることにより500
回繰り返し、総厚さ315μmの補強層を形成した。な
お、パターニング材料付与装置の、キャンローラ81の
外周面の移動方向と垂直方向(図14の矢印108の方
向)の移動は、図13及び図14に示す装置を用いて、
以下のパターンで行った。即ち、キャンローラ81が1
回転すると、ある向きに60μm移動し、次の1回転後
同じ向きに60μm移動し、次の1回転後逆向きに60
μm移動し、次の1回転後同じ向きに60μm移動する
という動きを1周期として、以下この動きを繰り返し
た。また、パターニング材料付与装置のノズル92と被
付着表面との距離Dnは、常に250〜300μmが維
持できるように制御した。
【0124】次ぎに、誘電体層と金属薄膜層とからなる
積層体部分を積層した。誘電体層材料は、上記の樹脂外
層及び樹脂層の材料と同じものを用い、これを気化して
樹脂層上に堆積させた。次いで樹脂硬化装置88とし
て、紫外線硬化装置を用い、上記により堆積させた誘電
体層材料を重合し、硬化させた。このとき形成された誘
電体層は0.4μmである。その後、樹脂表面処理装置
89により、表面を酸素プラズマ処理した。次ぎに、パ
ターニング材料付与装置83により電気的絶縁部分に相
当する部分にパターニング材料を付着させた。パターニ
ング材料としては、フッ素系オイルを使用し、これを気
化させて直径50μmのノズルより噴出させて、幅15
0μmの帯状に付着させた。次ぎに、金属蒸発源84か
らアルミニウムを金属蒸着させた。蒸着厚みは300オ
ングストローム、膜抵抗4Ω/□である。その後、パタ
ーニング材料除去装置87により、赤外線ヒータによる
加熱及びプラズマ放電処理により残存したパターニング
材料を除去した。以上の操作を、キャンローラ81を回
転させることにより約2000回繰り返し、総厚さ86
0μmの積層体部分を形成した。なお、なお、パターニ
ング材料付与装置の、キャンローラ81の外周面の移動
方向と垂直方向(図14の矢印108の方向)の移動
は、図13及び図14に示す装置を用いて、以下のパタ
ーンで行った。即ち、キャンローラ81が1回転する
と、ある向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向
きに940μm移動し、次の1回転後逆向きに1000
μm移動し、次の1回転後逆向きに940μm移動し、
次の1回転後逆向きに1000μm移動し、次の1回転
後逆向きに1060μm移動し、次の1回転後逆向きに
1000μm移動し、次の1回転後逆向きに1060μ
m移動するという動きを1周期として、以下この動きを
繰り返した。また、パターニング材料付与装置のノズル
92と被付着表面との距離Dnは、常に250〜300
μmが維持できるように制御した。
【0125】次ぎに、積層体部分表面に、厚さ315μ
mの補強層を形成した。形成方法は上記の補強層の形成
方法と全く同一とした。
【0126】最後に、補強層表面に、厚さ15μmの樹
脂外層を形成した。形成方法は上記の樹脂外層の形成方
法と全く同一とした。
【0127】次いで、得られた円筒状の積層体を半径方
向に8分割(45°ごとに切断)して取り外し、加熱下
でプレスして図15に示すような平板状の積層体母素子
を得た(但し、実際には、上下面に補強層及び樹脂層が
積層されている)。これを、切断面115aで切断し、
切断面に黄銅を金属溶射して外部電極を形成した。更
に、金属溶射表面に熱硬化性フェノール樹脂中に銅、N
i、銀の合金等を分散させた導電性ペーストを塗布し、
加熱硬化させ、更にその樹脂表面に溶融ハンダメッキを
施した。その後、図15の切断面115bに相当する箇
所で切断し、シランカップリング剤溶液に浸漬して外表
面をコーティングし、図11に示すようなチップコンデ
ンサを得た。
【0128】コンデンサとしての容量発生部分の電気的
絶縁部分の幅は150μm、ひとつおきの積層単位の電
気的絶縁部分の積層位置のずれ量dは60μm、積層体
全体で見たときのひとつおきの積層単位の電気的絶縁部
分の積層位置の最大ずれ幅Dは270μmであった。ま
た、補強層の電気絶縁帯の幅は150μmで、幅方向に
略中央に位置しており、隣接する積層単位の電気絶縁帯
の積層位置のずれ量d 1は60μm、補強層体全体で見
たときの電気絶縁帯の積層位置の最大ずれ幅D1は27
0μmであった。
【0129】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間
方向)約3.2mmであり、小型ながら容量は0.47
μFであった。耐電圧は、50Vであった。また、積層
方向の上下面の凹凸はほとんど見られず、段差が10μ
m以下であった。これを、プリント配線基板に半田によ
り実装したが、外部電極の欠落などの問題は一切生じな
かった。更に、チップコンデンサを分解して誘電体層表
面及び金属薄膜層表面の表面粗さRaを測定したとこ
ろ、順に0.005μm、0.005μmであった。ま
た、誘電体層、樹脂層、及び樹脂外層の硬化度は、それ
ぞれ95%、95%、90%であった。
【0130】(実施例2)実施例1において、誘電体層
と金属薄膜層とからなる積層体部分のパターニング材料
の付着条件を以下の通りに変更した。即ち、パターニン
グ材料付与装置のノズル直径を75mmに変更し、幅2
00mmの帯状にパターニング材料を付着させた。パタ
ーニング材料付与装置の、キャンローラ81の外周面の
移動方向と垂直方向(図14の矢印108の方向)の移
動は、図13及び図14に示す装置を用いて、以下のパ
ターンで行った。即ち、キャンローラ81が1回転する
と、ある向きに1000μm移動し、次の1回転後逆向
きに940μm移動し、次の1回転後逆向きに1000
μm移動し、次の1回転後逆向きに940μm移動し、
次の1回転後逆向きに1000μm移動し、次の1回転
後逆向きに1060μm移動し、次の1回転後逆向きに
1000μm移動し、次の1回転後逆向きに1060μ
m移動するという動きを1周期として、以下この動きを
繰り返した。
【0131】上記以外は同様にして、図16に示すよう
な積層体母素子を得た(但し、実際には、上下面に補強
層及び樹脂層が積層されている)。これを、切断面11
6aで切断し、切断面に黄銅を金属溶射して外部電極を
形成した。更に、金属溶射表面に熱硬化性フェノール樹
脂中に銅粉を分散させた導電性ペーストを塗布し、加熱
硬化させ、更にその樹脂表面に溶融ハンダメッキを施し
た。その後、図16の切断面116bに相当する箇所で
切断し、シランカップリング剤溶液に浸漬して外表面を
コーティングし、図17に示すようなチップコンデンサ
70´を得た。
【0132】コンデンサとしての容量発生部分の電気的
絶縁部分の幅の平均値WAVEは140μm、最大値WMAX
は200μm、最小値WMINは80μmであった。
【0133】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間
方向)約3.2mmであり、小型ながら容量は0.47
μFであった。耐電圧は、50Vであった。また、積層
方向の上下面には凹凸はほとんど見られなかった。これ
を、プリント配線基板に半田により実装したが、外部電
極の欠落などの問題は一切生じなかった。実施例1に比
べて外部電極と接続する金属薄膜層の数がかなり少ない
にもかかわらず、十分な外部電極の付着強度が得られた
のは、金属薄膜層間の間隔が広く、溶射金属粒子が金属
薄膜層間に十分侵入できたことに加えて、補強層の金属
層が寄与しているものと考えられる。更に、チップコン
デンサを分解して誘電体層表面及び金属薄膜層表面の表
面粗さRaを測定したところ、順に0.005μm、
0.005μmであった。また、誘電体層、樹脂層、及
び樹脂外層の硬化度は、それぞれ95%、95%、90
%であった。
【0134】(比較例1)実施例1において、積層体部
分の電気的絶縁部分の積層位置のずれ、及び補強層の電
気絶縁帯の積層位置のずれが全くない以外は同様にして
チップコンデンサを製造した。
【0135】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み約1.5mm、奥行約1.6mm、幅(両外部電極間
方向)約3.2mmである。積層方向の上面には、積層
体部分の電気的絶縁部分に相当する2箇所と、補強層の
電気絶縁帯に相当する1箇所に凹部が見られた。前者は
深さ30μm、後者は深さ30μm程度であった。コン
デンサの容量は0.40μFであり、要求仕様を満足し
ていなかった。容量が実施例1に比べて減少しているの
は、電気的絶縁部分に生じた凹部により、金属薄膜層の
一部が破断しているためであると推測される。耐電圧
は、16Vであり、要求仕様を満足していなかった。耐
電圧が実施例1に比べて下がっているのは、電気的絶縁
部分に生じた凹部により、誘電体層の厚みが局所的に薄
くなっているためと推測される。これを、プリント配線
基板に半田により実装したが、表面の凹部のために、半
田濡れ性がわずかに劣った。なお、外部電極の欠落など
の問題は一切生じなかった。
【0136】(比較例2)実施例2の製造条件を変更し
て、図18に示すようなチップコンデンサ70″を得
た。製造条件は以下の通りである。即ち、パターニング
材料付与装置の、キャンローラ81の外周面の移動方向
と垂直方向(図14の矢印108の方向)の移動パター
ンを変更して、電気的絶縁部分の幅が全て同一になるよ
うにしたこと、及び、補強層を設けずにコンデンサとし
て機能する積層体部分72″の上下に直接樹脂外層を7
4a、74bを積層する以外は実施例2と同様とした。
【0137】得られたチップコンデンサは、積層方向厚
み0.9mm(補強層がない分だけ実施例1より薄
い)、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方向)3.2
mmであったが、図18に示すように、上面の金属薄膜
層の積層数が少ない両端部分に凹部120a、120b
が生じていた。凹部の深さは30μmであった。コンデ
ンサとしての容量は0.40μFであり、要求仕様を満
足していなかった。誘電体層の厚み、積層回数などの条
件が実施例2と同様であるにもかかわらず、実施例2の
コンデンサに比べて容量が小さいものであった。これ
は、凹部120a、120bに相当する部分で、図18
に示すように金属薄膜層に段差が生じており、この部分
で金属薄膜層の一部に破断が生じているためであると考
えられる。耐電圧は、16Vであり、要求仕様を満足し
ていなかった。耐電圧が実施例2に比べて下がっている
のは、電気的絶縁部分に生じた凹部により、誘電体層の
厚みが局所的に薄くなっているためと推測される。ま
た、このチップコンデンサを、プリント配線基板に半田
により実装しようとしたところ、一部に外部電極の欠落
や電気的接続不良を生じるものがあった。これは、実施
例2に比べて外部電極との付着強度に寄与する補強層部
分の金属層が本例では存在しないために、十分な付着強
度が得られなかったためであると考えられる。さらに、
表面の凹部のために、半田濡れ性がわずかに劣ってい
た。
【0138】
【発明の効果】本発明の積層体の製造方法は、金属薄膜
層の破断が生じにくく、コンデンサとして使用した場合
には、従来のフィルムコンデンサと外観形状や構造が類
似していることから、実装に際して特別の配慮を要さ
ず、そうでありながら小型化、高容量化を実現できる積
層体を簡便な方法で、効率よく、安価に製造し得る方法
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層体の一例の厚み方向(積層方
向)断面図である。
【図2】 図1のI−I線矢印方向から見た断面図であ
る。
【図3】 本発明以外の積層体の一例の厚み方向(積層
方向)断面図である。
【図4】 本発明の積層体の別の一例の厚み方向(積層
方向)断面図である。
【図5】 図4のII−II線矢印方向から見た断面図であ
る。
【図6】 両側に補強層を積層した本発明の積層体の一
例の厚み方向(積層方向)断面図である。
【図7】 図6のIII−III線矢印方向から見た断面図で
ある。
【図8】 両側に補強層を積層した本発明の積層体の別
の一例の厚み方向(積層方向)断面図である。
【図9】 図8のIV−IV線矢印方向から見た断面図であ
る。
【図10】 両側に樹脂外層を積層した本発明の積層体
の一例の厚み方向(積層方向)断面図である。
【図11】 本発明の積層体の側面に外部電極を形成し
た例を示した概略斜視図である。
【図12】 本発明の積層体の製造方法を実施するため
の製造装置の一例を模式的に示した概略図である。
【図13】 パターニング材料付与装置の一例の概略斜
視図である。
【図14】 パターニング材料付与装置の後退及びパタ
ーニング材料の付着位置の変更を行うための装置の一例
を示した概略図である。
【図15】 平板状の積層体母素子の概略構成の一例を
示した一部斜視図である。
【図16】 平板状の積層体母素子の概略構成の別の一
例を示した一部斜視図である。
【図17】 実施例2にかかるチップコンデンサの概略
斜視図である。
【図18】 比較例2にかかるチップコンデンサの概略
斜視図である。
【符号の説明】
11 積層体 12、12a 誘電体層 13、13a 第1の金属薄膜層 14、14a 第2の金属薄膜層 15、15a 積層単位 16、16a、16b 電気的絶縁部分 31a、31b 電気的絶縁部分 32a、32b 凹部 33a、33b 誘電体層 34a、34b 金属薄膜層 40 積層体 41、41a 誘電体層 42、42a 金属薄膜層 43、43a、43b 電気的絶縁部分 44、44a 積層単位 50a、50b 補強層 51 樹脂層 52 第1の金属層 53 第2の金属層 54 積層単位 55 電気絶縁帯 60a、60b 補強層 61 樹脂層 62 金属層 63 電気絶縁帯 64 積層単位 65a、65b 樹脂外層 70、70´、70″ チップコンデンサ 71a、71b 外部電極 72、72´、72″ 積層体 73a、73b 補強層 74a、74b 樹脂外層 81 キャンローラ 82 樹脂蒸発源 83 パターニング材料付与装置 84 金属蒸着源 85 真空容器 86 真空ポンプ 87 パターニング材料除去装置 88 樹脂硬化装置 89 樹脂表面処理装置 91 面 92 ノズル 101 可動ベース 102 アクチュエータA 103 矢印(移動方向) 104 ギャップ測定装置 105 ギャップ計測回路 106 固定ベース 107 アクチュエータB 108 矢印(移動方向) 109 回転検出回路 110、110´ 積層体母素子 111 矢印 112 誘電体層 113 金属薄膜層 114 電気的絶縁部分 115a、115b 切断面 116a、116b 切断面 120a、120b 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田桐 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 砂流 伸樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 陶澤 ▲真▼一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB03 BC12 BC32 BC39 EE05 EE11 FG34 LL01 LL02 MM01 MM21 MM24 PP08 PP09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料を付着させて誘電体層を形成す
    る工程と、前記誘電体層上にパターニング材料を帯状に
    付着させる工程と、金属薄膜層を積層する工程とを一単
    位とし、これを所定の回数繰返すことにより、誘電体層
    と金属薄膜層とからなる積層体を製造する方法であっ
    て、2n回目(nは自然数)のパターニング材料の付着
    位置を2n−1回目のパターニング材料の付着位置と異
    ならせるとともに、2n回目のパターニング材料の付着
    位置を全て同一位置にせず、また、2n−1回目のパタ
    ーニング材料の付着位置を全て同一位置にしないことを
    特徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 帯状のパターニング材料の付着幅をWと
    したとき、2n+1回目のパターニング材料の付着位置
    を2n−1回目のパターニング材料の付着位置に対して
    W/20〜4Wの範囲内でずらし、かつ、2n+2回目
    のパターニング材料の付着位置を2n回目のパターニン
    グ材料の付着位置に対してW/20〜4Wの範囲内でず
    らすことを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 2n回目のパターニング材料の付着位置
    のばらつきの最大値、及び2n−1回目のパターニング
    材料の付着位置のばらつきの最大値が、いずれも6W/
    5〜5W(Wは帯状のパターニング材料の付着幅)であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 パターニング材料を誘電体層上に非接触
    で付着させることを特徴とする請求項1に記載の積層体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 パターニング材料を供給するノズルを積
    層が進むにつれて後退させることを特徴とする請求項1
    に記載の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属薄膜層を積層する工程の後に、誘電
    体層上に残存するパターニング材料を除去する工程を有
    することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 パターニング材料の除去が、ヒーター又
    はプラズマ照射により行われることを特徴とする請求項
    6に記載の積層体の製造方法。
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