JP2006054320A - プリント配線基板用金属材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 300℃で1時間加熱しても軟化しないニッケル箔の少なくとも一方の面を表面粗さRa 0.12μm以下とすることを特徴とするプリント配線基板用金属材料で、少なくともニッケル箔の一方の表面の60度鏡面光沢度が30%以上である場合より好ましい。また、上記のニッケル箔の表面の少なくとも一方に0.3μm以上の光沢Niめっきを施すと平滑度が向上する。
Description
しかしながら、半導体材料の著しい発達に伴って電気・電子部品は、より一層の小型化・高密度実装化が要求されるようになり、前記受動部品の小型化等ではその要求を満足することが出来なくなっていた。
この部品内蔵化の技術に関しては、例えば、プリント配線基板にキャパシタを設ける方法として、チップコンデンサ等の外部キャパシタをプリント配線基板に取り付ける方法の他、高誘電率材料をプリント配線板の内層に用いてプリント配線基板自体にキャパシタの機能を持たせる方法が知られている。近年の電子製品の小型化を考慮すると、高誘電率材料を内層に用いてキャパシタにする後者の方法が望ましい。
誘電体層をプリント配線基板に内蔵する方法が種々検討されているが、誘電体樹脂を予め電極を形成したフィルム上に塗布後半硬化させて、更にその上に電極を形成した後、基板へ転写する方法が特許文献1に開示されている。
この方法においては、電極を形成する際に銅箔の平滑性がそのまま、キャパシタの品質に影響するので、銅箔の平滑性が問題となる。
最近では銅箔表面に平坦性を要求されるようになっており、電着粒を細かくする添加剤を電解めっき液中に添加して、平滑なめっきを成長させて電解めっき液側の表面を光沢面として使用する電解銅箔も使用されている。しかし、その表面粗さは通常電解銅箔よりは平滑であるが圧延銅箔に比較するとまだ粗いのが一般的である。
これを防止するためには、窒素やアルゴンといった不活性ガス中で加熱する必要があり、設備投資が大きくなる欠点があった。
配線基板には銅箔が用いられることが一般的であったが、その耐熱性の低さにより、受動部品を内蔵する基板としての適正は前述のように充分ではなかった。そのため、耐熱性を付与するために合金化したり、表面にめっきを施したりする必要があり、高コストになる場合が多かった。
ただし、受動部品を内蔵させるに関して、その表面の平滑性が大きな問題であった。例えばキャパシタの場合では表面が平滑でない場合、その凹凸に応じてキャパシタ膜の厚さが変動してしまい、その性能が安定しない。抵抗の場合も同様であり、受動部品を内蔵する配線基板の場合には表面の平滑性が重要であることがわかった。
(1)300℃で1時間加熱しても軟化しないニッケル箔の少なくとも一方の面を光沢面に仕上げ、その面の表面粗さをRa 0.12μm以下としたことを特徴とするプリント配線基板用材料、
(2)少なくともニッケル箔の一方の表面の60度鏡面光沢度が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板用金属材料、
(3)請求項1または請求項2に記載のニッケル箔表面の少なくとも一方に0.3μm以上の光沢Niめっきを施すことを特徴とするプリント配線基板用金属材料、
である。
(1)ニッケル箔
本発明の用途においては、金属表面にキャパシタ機能を付与するために誘電体を含有した樹脂等を硬化させる時や誘電体をスパッタ等で形成させる時に、用いられる樹脂の種類で異なるが300℃〜400℃の高温で処理する。その際、金属箔がその温度で軟化し、変形することがないように、金属箔には耐熱性が要求される。その点においてニッケル箔が好適である。さらに、これらの熱処理は、大気中で行うことも多いため、金属箔が銅箔や銅合金箔の場合には、酸化を防止することを目的として銅箔や銅合金箔上にニッケルめっきを施す必要がある。これに対して、ニッケル箔の場合にはその必要がない。
そこで、マイグレーションの観点からも、ニッケル箔は銅及び銅合金よりも耐マイグレーション性に優れ、銅及び銅合金にニッケルめっきを施した場合であっても端面にめっきが施せない場合もあるため、ニッケル箔を用いることは有効である。
プリント配線基板に用いられる箔は、一方の面に粗化めっきが施され、樹脂と密着させる。もう一方の面には、たとえば、受動部品内蔵基板の場合には、キャパシタやインダクタンス、抵抗等を実装される。
特に、キャパシタを表面に実装するためには箔の表面に平滑性を要求される。箔の表面粗さが粗い場合には、キャパシタの電極を実装する際に表面の粗さの影響を受け、キャパシタの重要な特性である電極間の安定した間隔が確保できないからである。従って、銅合金箔のキャパシタ等を実装する片面は、平滑面に仕上る必要がある。その指標としては、まず表面粗さRaが0.12μm以下であることが望ましい。これ以上の粗さでは、キャパシタの特性が安定しない。
表面光沢を得るためには、圧延ロール粗さ、ロール径、圧延油等の圧延条件を変更することで実現でき、最も低コストであるために望ましい。
ただし、他の手法を用いてもかまわない。
例えば、表面に光沢Niめっきを施して光沢度を向上させることが考えられ、以下のその実施の態様を説明する。
箔に光沢Niめっきを施すことで、光沢度を向上させ、実装に当たって要求される表面の平滑性をさらに満足させることができる。すなわち、ニッケル箔に光沢Niめっきを使うことで、表面の光沢度がJIS−Z 8741に示される60度鏡面光沢度が30%を超えることが容易になり、キャパシタや抵抗といった搭載部品の歩留が向上する。
ここで、Ni合金めっき、例えばNi−PやNi−Coといった合金めっきを適用することも可能である。ただし、光沢を制御する方法や、組成を安定させる方法が単純なNiめっきに比較すると難しいため、ここでは光沢Niめっきとした。
さらに、ニッケルは銅に比較して樹脂との接着性が良いため、樹脂の種類によっては粗化処理を行わずとも充分な接着強度を得ることが可能な場合もある。このときは、粗化処理を行わなくても良い。
また、表1に示す光沢ワット浴を用い、電流密度5A/dm2、浴温55℃の条件において、表2に示す厚みのNiめっきを施した。
この銅箔を用いてキャパシタ部品を組み込み、その性能を確認した。その結果を表2に示す。
一方、比較例No.1は、電解銅箔で、300℃で1時間加熱した時に変形しなかったが、Niめっきを施した状態でも表面粗さが請求の範囲を満足せず、部品性能を満たすことができなかった。また、比較例No.2はタフピッチ銅による圧延銅箔であるが300℃で1時間加熱した時、軟化し、本用途に適さない。
比較例No.3,4はニッケル箔を用いたので、300℃で1時間加熱した時に変形しなかったが、表面粗さが請求の範囲内にはないため、部品性能を満たさなかった。
Claims (3)
- 300℃で1時間加熱しても軟化しないニッケル箔の少なくとも一方の面を表面粗さRa 0.12μm以下とすることを特徴とするプリント配線基板用金属材料。
- 少なくともニッケル箔の一方の表面の60度鏡面光沢度が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板用金属材料。
- 請求項1または請求項2に記載のニッケル箔表面の少なくとも一方に0.3μm以上の光沢Niめっきを施すことを特徴とするプリント配線基板用金属材料。
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