JP2012140678A - 曲げ加工部のウィスカ発生を防止するめっき被膜部材、これを用いた電気電子部品、並びにめっき被膜部材の製造方法とめっき皮膜部材のウィスカ発生防止方法 - Google Patents
曲げ加工部のウィスカ発生を防止するめっき被膜部材、これを用いた電気電子部品、並びにめっき被膜部材の製造方法とめっき皮膜部材のウィスカ発生防止方法 Download PDFInfo
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Abstract
【手段】表面のインジウムからなる第2めっき層とその下層の第1めっき層とを導電性基材上に他層を介してもしくは介さずに有する多層めっき材料をリフロー処理しかつ平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部で曲げ加工してなるめっき被膜部材であって、リフロー処理前の前記多層めっき材料について、前記第1めっき層の厚さ(t1)と第2めっき層の厚さ(t2)とを特定の範囲とし、特定のInの拡散層を形成して、曲げ加工部のウィスカ発生を防止するめっき被膜部材。
【選択図】なし
Description
本発明は、上述したような鉛を含まない異形小型電子部品等の端子のめっき被膜に求められる特有の課題に鑑み、鉛フリーはんだに対する高いはんだ付け性(濡れ性)を実現し、しかも特にその厳しい曲げ加工部におけるウィスカの発生を抑制ないし防止することができるめっき被膜部材の提供及びめっき被膜部材の曲げ部の形成方法並びにウィスカの防止方法の提供を目的とする。さらに、それをめっき被膜部材として用いた異形小型電子部品等の電気電子部品の提供を目的とする。ここで、異形小型電子部品としては、電子回路基板に取り付けられるスイッチ、エンコーダ、センサ、可変抵抗器、カードコネクタ、電解コンデンサなどが挙げられ、本発明における部材は、例えば、樹脂と一体化され筐体を兼ねて使用され、そこに平面曲げ加工を施したはんだ付け端子等として用いられる。通常、これらの異形小型電子部品の端子は、プリント基板にはんだ付けして回路接続を行う端子と、アース端子と兼ねる基板への取り付け強度を確保するため筐体と一体化された枠端子、及びその両方の機能を兼ねる端子などがあるが、本発明の曲げ加工部のウィスカ発生を防止するめっき被膜部材は、これらの厳しい曲げ加工を受ける異形小型電子部品に好適に適用することができる。
(1)表面のインジウムからなる第2めっき層とその下層の第1めっき層とを導電性基材上に他層を介してもしくは介さずに有する多層めっき材料をリフロー処理しかつ平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部で曲げ加工してなるめっき被膜部材であって、
リフロー処理前の前記多層めっき材料について、前記第1めっき層の厚さを0.8〜3μmとし、前記第2めっき層の厚さを0.08〜0.6μmとし、
さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とし、
前記被膜部材に前記リフロー処理をすることにより、前記第2めっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側に向けて傾斜的に減少しながら導電性基材側にまでInが到達するようにInの拡散層を形成して、曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
(2)前記曲げ加工部における曲げ加工を行う材料の板厚が0.05〜0.25mmであることを特徴とする(1)に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
(3)前記第1めっき層が、スズ、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、及びスズ−銀−銅合金の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
(4)前記第1めっき層と前記導電性基材との間に、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層が介在されている(1)〜(3)のいずれかに記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
(5)前記第1めっき層と前記導電性基材との間に、銅または銅合金からなる下地めっき層が介在されている(1)〜(4)のいずれか1項に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材を具備する電気電子部品。
(7)導電性基材の外側に、他の層を介してもしくは介さずに、スズもしくはスズ合金からなるめっき層の厚さが0.8〜3μmの第1めっき層を形成し、該第1めっき層の表面にインジウムからなるめっき層の厚さが0.08〜0.6μmである第2めっき層を形成し、さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とした多層めっき被覆部材を、
該多層めっき材料をリフロー処理して、平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部で曲げ加工するに当たり、
該多層めっき材料のリフロー処理により、前記リフロー後のめっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側にむけ傾斜的に減少しながら導電性基材側にまでInが到達するようにInの拡散層を形成するめっき被膜部材の曲げ部の形成方法。
(8)導電性基材の外側に、他の層を介してもしくは介さずに、スズもしくはスズ合金からなるめっき層の厚さが0.3〜3μmの第1めっき層を形成し、該第1めっき層の表面にインジウムからなるめっき層の厚さが0.08〜0.6μm以下である第2めっき層を形成し、さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とした多層めっき被覆部材をリフロー処理し、平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部でかつ曲げ加工するに当たり、
前記リフロー処理により、前記リフロー後のめっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側にむけ傾斜的に減少しながら前記導電性基材側にまでInが到達するようInの拡散層を形成するウィスカ発生防止方法。
また、本発明の方法によれば、上述した良好な特性を有するめっき被膜材を適用することができる。
本発明のめっき被膜部材に用いることができる導電性基材の材料、形状は特に限定されず、通常の半導体装置に用いられる材料、形状のものを用いることができる。具体的には少なくともその表面が導電性を有する材料であればよく、例えば、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、及びこれらの組み合せによる基材などをあげることができる。目的や用途に応じて適宜に選定することができるが、本発明のような厳しい曲げが存在する異形小型電子部品の端子板等としての使用を考慮すると、少なくとも表面の構成材料は銅単体、銅合金、ステンレス、鉄系合金などが好ましい。導電性基材の形状は特に限定されないが、異形小型電子部品の端子材等としての使用を考慮すると曲げ加工を施す前の導電性基材の形状は、平板条やプレス済条が好ましい。
本発明において第1めっき層1a(図1参照)はスズもしくはスズ合金からなり、好ましくは、スズ(Sn)、スズ(Sn)−銀(Ag)合金、スズ(Sn)−ビスマス(Bi)合金、スズ(Sn)−銅(Cu)合金、及びスズ(Sn)−銀(Ag)−銅(Cu)合金の群から選ばれる少なくとも1種からなる。ここで、各金属ないし合金の融点は以下のとおりであり、後述するリフロー処理温度やインジウムの融点との関係で適用する材料を選定してもよい。なかでも、第1めっき層を構成する材料は、スズ、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、又はスズ−銀−銅合金が好ましく、スズ又はスズ−銀合金がより好ましい。スズ単体の融点は231.9℃、スズ−3質量%銀合金は220℃、スズ−5質量%ビスマス合金は227℃、スズ−0.7質量%銅合金は227℃、スズ−3質量%銀−0.5質量%銅合金の融点は219℃である。スズ−銀合金の場合は銀含有量の上限値を4質量%とすることが好ましい。スズ−ビスマス合金の場合はビスマス含有量の上限値を5質量%とすることが好ましい。スズ−銅合金の場合は銅の含有量の上限値を1質量%とすることが好ましい。これらの合金において上記上限値の範囲内であると、クラックの抑制性やはんだ濡れ性が高まり好ましい。また、第2めっき層を構成するインジウムは、その融点が低く(156℃)、膜厚を細かく制御する目的から、第1めっき層の材料や厚さをそのばらつきの影響を打ち消すことができる範囲で適宜選定・調節することが好ましい。
本発明のめっき被膜材において、第2めっき層2a(図1参照)にはインジウムが用いられる。第2めっき層の厚さは0.08μm超0.6μm以下とされるが、使用目的等に応じて適宜選択することができる。異形小型電子部品の端子部材としたときの曲げ加工部におけるウィスカの抑制性やはんだ付け性の一層の良化を考慮して、その厚さを0.2〜0.6μmとすることが好ましい。上記インジウムめっき層の厚さを上記の下限値以上とすることにより特に曲げ加工部におけるウィスカの発生を顕著に抑える。上記上限値以下とすることによりはんだの融点低下を防止して耐熱性が良化し、例えばリフロー時に生じるめっき表面の微細な凹凸も好適に防ぐことができる。また、これを超えてインジウムの層を厚くするよりレアメタルの使用を抑え、コスト及び環境適合性等に資する。
そして、スズ等の金属で構成される第1めっき層に対して、インジウムからなる第2めっき層が十分な厚さで存在するため、リフロー後には、相応の深さにまでインジウムが到達し深さ方向に進行した厚い傾斜層が形成される。その結果、曲げ加工によってめっき被覆層に微小なクラックが生じたとしても、その亀裂面には十分なインジウムが分布しており、そこからのウィスカの成長を効果的に抑止することができる。
めっき被膜部材とする熱処理としてのリフローの条件は、基材及びめっきの厚さ等を考慮して設定してもよい。本発明によれば、この熱処理としてリフローとはんだ付けにおける加熱処理とをかねてもよく、この加熱処理温度を低減することができ好ましい。上記熱処理としてリフローするときの炉内雰囲気温度としていえば、300〜600℃とすることが好ましい。リフロー処理する時間は1〜10秒であることが好ましく、2〜5秒であることがより好ましい。リフロー処理温度が上記下限値以上であるとインジウムの拡散を十分に進行させ、所望の傾斜状態が得られる点で好ましい。リフロー温度が上記上限値以下であると、インジウムの傾斜を必要以上に進行させず例えばウィスカの抑制性を十分に発揮させることができ、また電子部品等の品質維持にも対応することができる。
本発明のめっき被膜材においては、スズないしスズ合金のめっきに先立ち、導電性基材の表面に予め下地層を配設しておくことが好ましい。下地層としては、ニッケルまたはニッケル合金からなる層を電気めっきにより形成することが挙げられる。これらの下地めっき層は導電性基材の銅などの熱拡散を抑制するためのバリアとして有効に機能し、この上に形成された2層構造のめっき層の耐熱性を向上させることができる。また、ニッケル合金を下地めっきとして施しておくと、リフロー時の銅のめっき層への拡散を抑制ないし防止することができ好ましい。さらにまた、導電性基材の表面に予め銅または銅合金を下地めっきしておくことにより、一層良好な導電性を付与することができ好ましい。他方、第2めっき層の外側に他の層等を設けてもよい。
本発明の製造方法の好ましい実施態様を挙げると、下記(1)〜(9)の工程を適宜組み合せることが挙げられ、これらをその順で順次行うことが好ましい。(1)導電性基材を浸漬脱脂し必要により水洗する工程、(2)電解脱脂し必要により水洗する工程、(3)酸洗浄し必要により水洗する工程、(4)ニッケルめっき(電気めっき)を施し必要により水洗する工程、(5)スズめっき(電気めっき)を施し必要により水洗する工程、(6)インジウムめっき(電気めっき)を施し必要により水洗する工程、(7)乾燥工程、(8)多層めっき材料への熱処理としてのリフロー処理する工程、(9)リフローの後に曲げ加工を施す工程。
同様の観点から、本実施形態のめっき部材の板厚は、その用途が異形の小型電子部品であるため、0.05〜0.25mmの範囲となる。基材の厚さが0.05mm未満であると、異形小型電子部品の金属部分の強度が不足し、0.25mm以上になると、強度が高すぎて90°曲げ加工が困難になる。
また、異形小型電子部品の各端子部の曲げRは、異形小型電子部品のウィスカは曲げ半径が0.05mm〜0.3mmの範囲の場合に発生するが、特に曲げ半径が0.05〜0.2mmの場合にウィスカの発生が顕著になる。この観点では曲げ半径は約0.38mm以下に設定されることが本発明の効果が好適に発揮され好ましく、上記の曲げ半径がより好ましい。曲げ部の曲げ半径と基材の板厚の比率の関係は、この比率が小さいほど曲げが厳しい。その範囲は、1.0〜1.5(曲げ半径/板厚)となるが、適宜加工条件等により若干の差は許容される。
ここで、本発明におけるめっき皮膜部材の曲げは、対象製品が異形小型電子部品であるため、前述のように、異形小型電子部品の筐体の輪郭に沿って、平面部と平面部の間に配置された曲げ加工部が成形される。曲げ加工部が、その両側の平面部が金型により拘束されて、引張り力受ける状態で成形されるので、曲げ加工部は両側の平面部から引張力を受けると同時に、曲げ加工部中央部分に歪が集中しやすく、曲げ加工部の外表面に割れが発生する。そして、その割れの一部がめっき皮膜基底部に達して、割れ部断面からウィスカが発生する。
(実施例)
試験に用いた材料の基材は、0.20mm(厚さT)×8mm(長さ・幅)の黄銅(35/65黄銅)からなる導電性基材を用い、これに、ニッケル下地めっきを0.5μmの厚さで設けた。その後、上記下地めっきの表面に第1めっき層としてスズめっき層を表1の厚さで施し、さらにそのスズめっき層の表面に第2めっき層として、インジウムめっき層を表1に示す各種厚さで形成して多層めっき材料を得た。この多層めっき材料に対し、雰囲気温度400〜450℃の条件でリフロー処理を行ない、めっき被膜材前駆体を得た。このめっき被膜材前駆体に対して、曲げ角度:90°、曲げR:0.20mmの曲げ加工を施し、図2に示したような外形を有する曲げ部材としての試験体を得た。図2中、90は試験体、91は曲げ加工部、92,93は非曲げ加工面を意味する。なお、曲げ半径は、板厚の中心線における角度で評価した(図2参照)。
上記で作製した各試験体について、ウィスカの発生確認試験を行った。試験条件は、室温(約20℃)で静置し、3000時間後の状態を、電子顕微鏡で観察することにより行った。ウィスカの発生が確認されたものを「あり」として、ウィスカと明確に判断できるものがなかった場合には「なし」とした。同様に、曲げ加工表面のクラックの有無も確認、判定した。
はんだ濡れ性は、JIS C0053 環境試験方法−電気・電子−はんだ付け試験方法(平衡法)に準拠して行なった。参考として、はんだ濡れ性試験における濡れの力の時間的変化と接触角の関係の一例を、図4に示した。各試験体はプレッシャークッカー試験(PCT)装置により、105℃、100%RHの条件で8時間処理した。溶融したはんだ(千住金属工業社製、Sn−3Ag−0.5Cu、フラックスマイルドロジン NA200[商品名])に、上記試験体を、はんだ温度245℃でそれぞれ2mm/秒、浸漬深さ0.1mm、浸漬時間5秒の条件で浸漬して、そのはんだの濡れ性をメニスコグラフ法で測定してゼロクロス時間を求めた。ゼロクロス時間とははんだが浸漬開始から濡れ始めて作用力がゼロとなるまでの時間であり短いほどはんだがめっき表面に濡れやすいことを示す。結果は以下のように区分して表1に示した。さらに、同時に最大濡れ力をメニスコグラフ法で測定した、最大濡れ力は、一般には大きいほど優れることになるが、実用上、試験体Kとほぼ同等の実用上問題ないレベルとして、0.80mN以上であれば問題なしとした。
・はんだ濡れ性(245℃)
《ゼロクロスタイム》
○・・・ゼロクロス時間が3秒以内の場合
×・・・ゼロクロス時間が3秒を超える場合
《最大濡れ力》
○・・・最大濡れ力が0.80mNを以上の場合
×・・・最大濡れ力が0.80mN未満の場合
また、試験体1〜8、試験体9〜11におけるはんだ濡れ性は、現行のAuめっきの場合と同等のレベルで、いずれの場合もゼロクロスタイムは、0.20秒以内であった。また、最大濡れ力は、いずれの試験体においても、Auめっきの場合とほぼ同様であった。
従って、試験体1〜11のめっき皮膜部材のはんだ濡れ性は、ゼロクロスタイムの評価において、最大濡れ力の評価においても全く問題ないものであった。
試験体16は、Snが多く範囲外となり、またIn/Sn比率が高く範囲外となる。その結果、融点が低下し耐熱性が劣り、めっきの表面の凹凸が大きいものとなった。試験体17は、Snが更に多く大きく特定の範囲を外れ、めっきの表面の凹凸が大きくなる。また、コストの点でも不利である。
〔異形小型電子部品での確認試験〕
表1に示す、ウィスカが発生しなかった試験体1〜8、試験体9〜11に示す各種めっき材料について、異形小型電子部品(約4mm×4mm)である小型スイッチを試作して、はんだめっき層の耐久性とウィスカの発生について確認したところ、所定の作動力で100万回の作動試験においても問題なく使用することができ、ウィスカの発生も認められなかった。
1a 第1めっき層
2 めっき外層(リフロー後の第2めっき層側の領域)
2a 第2めっき層
3 リフロー後のめっき被膜層
3a 多層めっき被膜
90 めっき被膜材試験体
91 曲げ加工部
92、93 非曲げ加工面
R 曲げ半径
θ 曲げ角度
Claims (8)
- 表面のインジウムからなる第2めっき層とその下層の第1めっき層とを導電性基材上に他層を介してもしくは介さずに有する多層めっき材料をリフロー処理しかつ平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部で曲げ加工してなるめっき被膜部材であって、
リフロー処理前の前記多層めっき材料について、前記第1めっき層の厚さを0.8〜3μmとし、前記第2めっき層の厚さを0.08〜0.6μmとし、
さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とし、
前記被膜部材に前記リフロー処理をすることにより、前記第2めっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側に向けて傾斜的に減少しながら導電性基材側にまでInが到達するようにInの拡散層を形成して、曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。 - 前記曲げ加工部における曲げ加工を行う材料の板厚が0.05〜0.25mmであることを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
- 前記第1めっき層が、スズ、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、及びスズ−銀−銅合金の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
- 前記第1めっき層と前記導電性基材との間に、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地めっき層が介在されている請求項1〜3のいずれかに記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
- 前記第1めっき層と前記導電性基材との間に、銅または銅合金からなる下地めっき層が介在されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の曲げ加工部のウィスカ発生を防止することを特徴とするめっき被膜部材を具備する電気電子部品。
- 導電性基材の外側に、他の層を介してもしくは介さずに、スズもしくはスズ合金からなるめっき層の厚さが0.8〜3μmの第1めっき層を形成し、該第1めっき層の表面にインジウムからなるめっき層の厚さが0.08〜0.6μmである第2めっき層を形成し、さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とした多層めっき被覆部材を、
該多層めっき材料をリフロー処理して、平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部で曲げ加工するに当たり、
該多層めっき材料のリフロー処理により、前記リフロー後のめっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側にむけ傾斜的に減少しながら導電性基材側にまでInが到達するようにInの拡散層を形成するめっき被膜部材の曲げ部の形成方法。 - 導電性基材の外側に、他の層を介してもしくは介さずに、スズもしくはスズ合金からなるめっき層の厚さが0.3〜3μmの第1めっき層を形成し、該第1めっき層の表面にインジウムからなるめっき層の厚さが0.08〜0.6μm以下である第2めっき層を形成し、さらに前記第1めっき層の厚さ(t1)に対する第2めっき層の厚さ(t2)の比率(t2/t1)を0.08〜0.26とした多層めっき被覆部材をリフロー処理し、平面部と平面部との間に配置された曲げ加工部でかつ曲げ加工するに当たり、
前記リフロー処理により、前記リフロー後のめっき層のインジウムの濃度がめっき表面側から導電性基材側にむけ傾斜的に減少しながら前記導電性基材側にまでInが到達するようInの拡散層を形成するウィスカ発生防止方法。
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